JP2018126134A - 細胞培養用担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時的に劣化しにくく、長期間保管後も細胞培養することができる細胞培養用担体を提供することを目的とする。【解決手段】吸水性樹脂粒子(A)及びポリペプチド変性抑制剤(C)を含有する細胞培養用担体(D)であって、吸水性樹脂粒子(A)が、カルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)と、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)とがアミド結合されており、ポリペプチド変性抑制剤(C)が糖及び/又はアミノ酸である細胞培養用担体を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養用担体に関する。
細胞培養用担体としては、正に荷電した官能基を有する吸水性樹脂を用いた細胞培養用担体(特許文献1)等が知られている。
特開2010−148486号公報
しかしながら、上記先行文献に記載の細胞培養用担体は、経時的に劣化し、当初の球状が凹凸に変形し、さらに細胞濃度が低下したり、細胞の媒体への付着率が低下して、細胞培養できなくなる問題がある。
本発明は、経時的に劣化しにくく、長期間保管後も細胞培養することができる細胞培養用担体を提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、吸水性樹脂粒子(A)及びポリペプチド変性抑制剤(C)を含有する細胞培養用担体(D)であって、吸水性樹脂粒子(A)が、カルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)と、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)とがアミド結合されており、ポリペプチド変性抑制剤(C)が糖及び/又はアミノ酸である細胞培養用担体である。
本発明の細胞培養用担体は、経時変化しにくく、長期間保管後も細胞培養することができる。さらに、経時的に凹凸が発生せず担体の形状も保持される。
実施例1で得た細胞培養用担体を60℃で65日間保存したものを膨潤させたものの電子顕微鏡(拡大倍率40倍)の写真。 比較例1で得た細胞培養用担体を60℃で65日間保存したものを膨潤させたものの電子顕微鏡(拡大倍率40倍)の写真。
本発明の細胞培養用担体は、吸水性樹脂粒子(A)及びポリペプチド変性抑制剤(C)を含有する細胞培養用担体(D)であって、吸水性樹脂粒子(A)が、カルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)と、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)とがアミド結合され、ポリペプチド変性抑制剤(C)が糖及び/又はアミノ酸である細胞培養用担体である。
本発明の細胞培養用担体に用いる吸水性樹脂の組成は、一般的なカルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)に、さらに第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂である。
カルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)としては、以下の(1)〜(5)の吸水性樹脂等が挙げられる。
(1)特開昭55−133413号公報等に記載の水溶液重合(断熱重合、薄膜重合又は噴霧重合等)により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)。
(2)特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報又は特開平11−5808号公報等に記載の逆相懸濁重合により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)。
(3)特開平10−251402号公報に記載のポリアミノ酸放射線架橋体。
(4)特開2002−179770号公報に記載の架橋ポリアスパラギン酸。
(5)特開2001−2935号公報、特開2003−052742号公報、特開2003−082250号公報、特開2003−165883号公報、特開2003−176421号公報、特開2003−183528号公報、特開2003−192732号公報、特開2003−225565号公報、特開2003−238696号公報、特開2003−335970号公報、特開2004−091673号公報、特開2004−121400号公報、特開2004−123835号公報、特開2005−075982号公報、特開2005−095759号公報、特開2005−097569号公報、特開2005−186015号公報、特開2005−186016号公報、特開2005−247931号公報等に記載された架橋ポリ(メタ)アクリル酸(塩)。
これらのうち、細胞の担体への接着性等の観点から、カルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)としては、(2)及び(5)が好ましい。すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを重合して得られる架橋重合体が好ましく、さらに好ましくは架橋ポリ(メタ)アクリル酸(塩)である。
なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、酸(塩)とは、酸及び/又は酸塩を意味する。
アクリル酸塩及びメタクリル酸塩としては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルカリ金属(リチウム、カリウム及びナトリウム等)塩及び多価金属{アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)、ホウ素属金属(アルミニウム、ガリウム及びインジウム等)、及び遷移金属(チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、カドミウム、オスミウム、及び白金等)}塩及びアンモニウム塩等が用いられる。
これらのうち、細胞毒性等の観点から、アルカリ金属塩及び多価金属塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び遷移金属塩、特に好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、最も好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩である。
架橋ポリ(メタ)アクリル酸(塩)は、(メタ)アクリル酸(塩)を主構成単位としていれば、(メタ)アクリル酸(塩)と共重合可能なその他のビニルモノマーも構成単位とすることができる。共重合可能なその他のビニルモノマーとしては、公知の共重合性単量体(親水性ビニルモノマー及び疎水性ビニルモノマー)及び公知の架橋性単量体等が含まれる{特開平11−5808号公報、特開2001−2935号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−247931号公報、特開2005−186015号公報等}。
架橋ポリ(メタ)アクリル酸は、(1)疎水性有機溶媒に、撹拌下、(メタ)アクリル酸(塩)、並びに必要により、共重合可能なその他のビニルモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び/又はグラフト基材を連続的に供給して、公知の逆相懸濁重合させる方法(特開平11−5808号公報、特開2001−2935号公報、2003−165883号公報、特開2005−247931号公報及び特開2005−186015号公報等);並びに(2)(メタ)アクリル酸(塩)、並びに必要により、共重合可能なその他のビニルモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び/又はグラフト基材を、公知の水溶液重合させる方法(特開2005−075982号公報、特開2005−095759号公報、特開2005−097569号公報、特開2005−186015号公報及び特開2005−186016号公報等)等により製造することができる。
本発明の細胞培養用担体に用いる吸水性樹脂粒子(A)は、カルボキシル基だけではなく、さらに第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂である。
アミノ基を有さない吸水性樹脂(A’)では細胞培養初期の付着率が悪く、細胞接着性が低く、第1〜3級アミノ基を有することにより、細胞接着性が大幅に向上する。
カルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)に第1〜3級アミノ基を導入して、カルボキシル基並びに第1〜3級アミノ基を有する本発明の吸水性樹脂粒子(A)を製造する方法としては、第1〜3級アミノ基を有する化合物(S)でカルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)を化学修飾する方法が挙げられる。
さらに第1〜3級アミノ基を有する化合物(S)でカルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)を化学修飾する方法として、具体的には、以下の(1)と(2)の方法が挙げられる。
(1)吸水性樹脂(A’)中のカルボキシル基と反応しうる官能基(ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アシル基、グリシジルエーテル基、水酸基、カルボジイミド基、カーボネート基、アミノ基、オキサゾリン基及びアジリジン基等)及び第1〜3級アミノ基を有する化合物(S1)と反応させる方法;
(2)吸水性樹脂(A’)中のカルボキシル基に、カルボキシル基と反応しうる官能基(アミノ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アシル基、グリシジルエーテル基、水酸基、カルボジイミド基、カーボネート基、オキサゾリン基及びアジリジン基等)及びヒドロキシル基を有する化合物(S2)を反応させ、ヒドロキシル基にヒドロキシル基と反応しうる官能基(ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アシル基、グリシジルエーテル基、カルボジイミド基、カーボネート基及びアジリジン基等)及び第1〜3級アミノ基を有する化合物(S3)を反応させる方法
これらのうち、細胞付着性の観点から、(2)が好ましい。
カルボキシル基と反応しうる官能基及びヒドロキシル基を有する化合物(S2)において、カルボキシル基と反応しうる官能基は、結合の強さの観点から、アミノ基、グリシジルエーテル基及びハロゲン化アルキル基が好ましく、さらに好ましくはアミノ基である。
化合物(S2)としては、第1級アルコールを有する化合物が含まれ、例えば、アミノ基及びヒドロキシル基を有する化合物{アルカノールアミン(炭素数1〜4のアルキレン基を有するものが含まれ、具体的には、2−アミノエタノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール等)等}、グリシジルエーテル基及びヒドロキシル基を有する化合物{2,3−エポキシ‐1−プロパノール、グリセロール−2,10−ジグリシジルエーテル等}、ハロゲン化アルキル基及びヒドロキシル基を有する化合物{ハロゲン化メタノール、2−ハロゲン化エタノール、3−ハロゲン化プロパノール、4−ハロゲン化ブタノール等が挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられるが、反応性、扱いやすさ及び副生成物の安全性の観点から、塩素が好ましい。}等が挙げられる。
化合物(S2)としては、反応性の観点から、第1級アルコールを有する化合物が好ましく、さらに好ましくはアルカノールアミンであり、最も好ましくはエタノールアミンである。
カルボキシル基を有する吸水性樹脂(A’)と化合物(S2)とを反応させる方法としては、カルボキシル基と各官能基とを反応させる公知の方法を用いることができ、化合物(S2)が反応性基としてアミノ基を有している場合は、例えば、吸水性樹脂(A’)と化合物(S2)とをカルボジイミド等の縮合剤の存在下でアミド化反応させる方法等が挙げられる。
具体的には、カルボキシル基を予めカルボジイミド化合物と反応させ、アシルイソ尿素{R’−N=C(OCOR)−NH−R’(−OCORが(A’)に由来する部分)}を得た後、アミノ基をこのアシルイソ尿素に加えることによって、(A’)と(S2)とをアミド結合できる。
第1〜3級アミノ基を有する化合物(S1)及び(S3)において、第1〜3級アミノ基としては、1級アミノ基(−NH2)、第2級アミノ基(−NHR)、第3級アミノ基(−NHR2)、が含まれる。
なお、第3級アミノ基において、Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Rは炭素数1〜4の一価の炭化水素であり、細胞接着性の観点から、炭素数1〜3の一価の脂肪族炭化水素が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜2のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基及びエチル基である。
1級アミノ基としては、例えばアミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基等のアミノアルキル基、3−アミノ−1−エトキシプロピル基、1−アミノ−エトキシメチル基等のアミノアルコキシアルキル基等が挙げられる。
2級アミノ基としては、1つの炭化水素基で置換されたアミノ基が挙げられる。例えば、N−アルキルアミノアルキル基が含まれ、N−メチルアミノエチル基、N−エチルアミノエチル基等のN−アルキルアミノアルキル基、イミダゾイル基等が挙げられる。
3級アミノ基としては、2つの炭化水素基で置換されたアミノ基が挙げられる。3級アミノ基を有する官能基としては、例えばN−ジメチルアミノエチル基、N−ジメチルアミノプロピル基、N−ジエチルアミノエチル基、N−ジブチルアミノエチル基等が挙げられる。
1〜3級アミノ基は、酸との塩になっていてもよい。酸としては、塩酸、臭酸、ヨウ酸、酢酸、硫酸、硝酸及びリン酸等が挙げられる。
化合物(S1)において、カルボキシル基と反応しうる官能基は、反応性の観点から、ハロゲン化アルキル基が好ましい。
化合物(S1)として、具体的には、第1〜3級アミノ基を有するハロゲン化アルキル化合物{炭素数2〜4の二価のアルキレン基を有するものが含まれ、ハロゲンとしては、フッ素及び塩素等が挙げられ、例えば、2−クロロ−N,N−ジエチルエチルアミンハイドロクロライド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド等}等が挙げられる。
化合物(S1)としては、細胞毒性の観点から、第1〜3級アミノ基を有するハロゲン化アルキル化合物が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜3の二価のアルキレン基及び第1〜3級アミノ基を有するハロゲン化アルキル化合物であり、特に好ましくは2−クロロ−N,N−ジエチルエチルアミンハイドロクロライドである。
化合物(S3)において、ヒドロキシル基と反応しうる官能基は、反応性の観点から、ハロゲン化アルキル基が好ましい。
化合物(S3)の具体例及び好ましいものは化合物(S1)と同様である。
本発明の細胞培養用担体の吸水性樹脂粒子(A)は、上述のカルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)が、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)とアミド結合されている。
本発明の吸水性樹脂粒子(A)は、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)のアミノ基と、上述のカルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)中のカルボキシル基とがアミド結合で結合している。
吸水性樹脂粒子(E)とポリペプチド(B1)をアミド結合させる方法としては、カルボキシル基を予めカルボジイミド化合物と反応させ、アシルイソ尿素{R’−N=C(OCOR)−NH−R’(−OCORが(E)に由来する部分)}を得た後、ポリペプチド(B1)のうち1級アミノ基又は2級アミノ基を有するものをこのアシルイソ尿素に加えることによって、吸水性樹脂粒子(E)とポリペプチド(B1)とをアミド結合できる。
カルボジイミド化合物としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等が挙げられる。
本発明で用いられる細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)を以下に説明する。
<ポリペプチド(B1)>
細胞接着性最小アミノ酸配列(X)としては、「病態生理、第9巻 第7号、527〜535頁、1990年」や「大阪府立母子医療センター雑誌、第8巻 第1号、58〜66頁、1992年」に記載されているもの等が用いられる。
これらの最小アミノ酸配列(X)の中で、RGD配列、LDV配列、LRE配列、HAV配列、REDV配列(1)、YIGSR配列(2)、PDSGR配列(3)、RYVVLPR配列(4)、LGTIPG配列(5)、RNIAEIIKDI配列(6)、IKVAV配列(7)、DGEA配列(8)、GVKGDKGNPGWPGAP配列(9)、GEFYFDLRLKGDK配列(10)、YKLNVNDS配列(11)、AKPSYPPTYK配列(12)、NRWHSIYITRFG配列(13)、TWYKIAFQRNRK配列(14)、RKRLQVQLSIRT(15)及びPHSRN(16)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、細胞接着性の観点から、さらに好ましくはRGD配列、YIGSR配列(2)、IKVAV配列(7)、RKRLQVQLSIRT(15)及びPHSRN(16)からなる群より選ばれる少なくとも1種、特に好ましくはRGD配列である。
これらの最小アミノ酸配列(X)の両端には、他のアミノ酸{A(アラニン)、G(グリシン)、S(セリン)、T(トレオニン)、V(バリン)、L(ロイシン)、I(イソロイシン)、C(システイン)、M(メチオニン)、F(フェニルアラニン)、Y(チロシン)、P(プロリン)、W(トリプトファン)、N(アスパラギン)、Q(グルタミン)、D(アスパラギン酸)、E(グルタミン酸)、R(アルギニン)、K(リジン)及びH(ヒスチジン)等}を含んでいてもよい。
ポリペプチド(B1)は、最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞接着性の観点等から、1分子中に1〜50個有するものが好ましく、さらに好ましくは2〜50個、つぎに好ましくは3〜30個、特に好ましくは4〜20個、最も好ましくは5〜15個有するものである。なお、2種以上の最小アミノ酸配列(X)が一分子中に含まれてもよい。
ポリペプチド(B1)は、最小アミノ酸配列(X)以外に、ポリペプチド(B1)の熱安定性向上の観点等から、補助アミノ酸配列(Y)を有することが好ましい。
補助アミノ酸配列(Y)としては、最小アミノ酸配列(X)以外のアミノ酸配列が使用
でき、ポリペプチド(B1)の熱安定性の観点から、G(グリシン) 及び/又はA(アラニン)を有する配列が好ましい。
補助アミノ酸配列(Y)としては、(GA)配列、(GAGAGS)配列、(GAGAGY)配列、(GAGVGY)配列、(GAGYGV)配列、{DGG(A)GGA}配列、(GVPGV)配列、(G)配列、(A)配列、(GGA)配列、(GVGVP)配列、(GPP)配列、(GAQGPAGPG)配列、(GAPGAPGSQGAPGLQ)配列及び/又は(GAPGTPGPQGLPGSP)配列を有する配列等が含まれる。
これらのうち、熱安定性の観点から、(GA)配列、(GAGAGS)配列、(GAGAGY)配列、(GAGVGY)配列、(GAGYGV)配列、{DGG(A)GGA}配列、(GVPGV)配列、(GVGVP)配列及び(GPP)配列からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するものが好ましく、さらに好ましくは(GAGAGS)配列、(GVPGV)配列、(GVGVP)配列及び(GPP)配列からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するものであり、特に好ましくは(GAGAGS)配列を有するものである。
なお、aは5〜100の整数、bは1〜33の整数、c、d及びeは2〜33の整数、fは1〜194の整数、gは{1}〜{200/(6+f)}の小数点以下を切り捨てした整数、hは2〜40の整数、i及びjは10〜200の整数、kは3〜66の整数、mは2〜40の整数、nは3〜66の整数、oは1〜22の整数、p及びqは1〜13の整数である。
補助アミノ酸配列(Y)は、G(グリシン)及び/又はA(アラニン)を含むことが好ましい。G(グリシン)及びA(アラニン)を含む場合、これらの合計含有割合(%)は、補助アミノ酸配列(Y)の全アミノ酸個数に基づいて、10〜100が好ましく、さらに好ましくは20〜95、特に好ましくは30〜90、最も好ましくは40〜85である。この範囲であると、熱安定性がさらに良好となる。
G(グリシン)及びA(アラニン)の両方を含む場合、これらの含有個数割合(G/A)は、0.03〜40が好ましく、さらに好ましくは0.08〜13、特に好ましくは0.2〜5である。この範囲であると、熱安定性がさらに良好となる。
補助アミノ酸配列(Y)には、以上の例示の他に、他のアミノ酸{A(アラニン)、G(グリシン)、S(セリン)、T(トレオニン)、V(バリン)、L(ロイシン)、I(イソロイシン)、C(システイン)、M(メチオニン)、F(フェニルアラニン)、Y(チロシン)、P(プロリン)、W(トリプトファン)、N(アスパラギン)、Q(グルタミン)、D(アスパラギン酸)、E(グルタミン酸)、R(アルギニン)、K(リジン)及びH(ヒスチジン)等}を含んでいてもよい。
(GA)a配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(17)〜(19)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAGAGS)b配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(20)〜(22)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAGAGY)c配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(23)〜(25)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAGVGY)d配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(26)〜(28)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAGYGV)e配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(29)〜(31)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
{DGG(A)fGGA}g配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(32)〜(34)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GVPGV)h配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(35)〜(38)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(G)i配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(39)〜(41)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(A)j配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(42)〜(44)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GGA)k配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(45)〜(47)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GVGVP)m配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(48 )〜(50)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GPP)n配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(51)〜(53)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAQGPAGPG)o配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(54)〜(56)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAPGAPGSQGAPGLQ)p配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(57)〜(59)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(GAPGTPGPQGLPGSP)q配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列番号(60)〜(62)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
なお、aは5〜100の整数、bは1〜33の整数、c、d及びeは2〜33の整数、fは1〜194の整数、gは{1}〜{200/(6+f)}の小数点以下を切り捨てした整数、hは2〜40の整数、i及びjは10〜200の整数、kは3〜66の整数、mは2〜40の整数、nは3〜66の整数、oは1〜22の整数、p及びqは1〜13の整数である。
これらの補助アミノ酸配列のうち、配列番号(17)、(18)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(26)、(27)、(29)、(30)、(32)、(33)、(34)、(35)、(36)、(38)、(39)、(40)、(42)、(43)、(45)、(46)、(48)、(49)、(51)、(52)、(54)、(55)、(57)、(58)、(60)又は(61)で表されるアミノ酸配列が好ましく、さらに好ましくは配列番号(18)、(20)、(21)、(22)、(24)、(27)、(30)、(34)、(35)、(36)、(37)、(38)、(40)、(43)、(46)、(49)、(52)、(55)、(58)又は(61)で表されるアミノ酸配列、特に好ましくは配列番号(20)、(21)又は(38)で表されるアミノ酸配列である。
補助アミノ酸配列(Y)を含む場合、(Y)の含有個数は、熱安定性の観点等から、ポリペプチド(B1)1分子中に、2〜50が好ましく、さらに好ましくは3〜30、特に好ましくは4〜20、最も好ましくは5〜15である。また、ポリペプチド(B1)は、2種以上の補助アミノ酸配列(Y)を含んでもよい。
ポリペプチド(B1)は、分岐鎖を含んでいてもよく、一部が架橋されていてもよく、環状構造を含んでいてもよい。
しかし、ポリペプチド(B1)は、架橋されていないことが好ましく、さらに好ましくは架橋されていない直鎖構造、特に好ましくは環状構造を持たず架橋されていない直鎖構造である。なお、直鎖構造には、β構造(直鎖状ペプチドが折れ曲がってこの部分同士が平行に並び、その間に水素結合が作られる二次構造)も含まれる。
ポリペプチド(B1)は、細胞接着性及び熱安定性の観点等から、最小アミノ酸配列(X)と補助アミノ酸配列(Y)とが、必要により(X)と(Y)の間に他のアミノ酸配列を介して、交互に化学結合してなる構造であることが好ましく、(X)の両端に介在アミノ酸配列(Z)を含むアミノ酸配列と(Y)とが交互に化学結合してなる構造であることがさらに好ましい。
この場合、最小アミノ酸配列(X)と補助アミノ酸配列(Y)との繰り返し単位(X−Y)の数(個)は、細胞接着性の観点等から、1〜50が好ましく、さらに好ましくは2〜40、特に好ましくは3〜30、最も好ましくは4〜20である。
介在アミノ酸配列(Z)としては、最小アミノ酸配列(X)のN末端には、細胞接着性の観点から、GAAVTG配列(65)、GLPGPKGD配列(66)、GPAVTG配列(67)、AGPKGADGSPGPAVTG配列(68)、GAAVCEPG配列(69)、GAALCVSEPG配列(70)、SPASAALCVSEPG配列(71)、SPASAAVCEPG配列(72)、AGPKGADGSPGPAVCEPG配列(73)、AGPKGADGSPGPALCVSEPG配列(74)、GPAVCEPG配列(75)、GPALCVSEPG配列(76)及びGAAPGAS配列(77)からなる群より選ばれる少なくとも1種の介在アミノ酸配列(Z)を結合していることが好ましく、GAAVTG配列(65)、GLPGPKGD配列(66)、GPAVTG配列(67)及びAGPKGADGSPGPAVTG配列(68)からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、GAAVTG配列(65)が特に好ましい。
介在アミノ酸配列(Z)としては、最小アミノ酸配列(X)のC末端には、細胞接着性の観点から、SPASAAGY配列(78)、SPASAALCVS配列(79)、SPASAAVC配列(80)、AGPKGADGSPGP配列(81)、AGPKGADGSPGPAVC配列(82)、AGPKGADGSPGPALCVS配列(83)、AGPKGADGSP配列(84)、SPASAAGPVGSP配列(85)、CDAGY配列(86)、CDAGPVGSP配列(87)及びSAGPSAGY配列(88)からなる群より選ばれる少なくとも1種の介在アミノ酸配列(Z)を結合していることが好ましく、SPASAAGY配列(78)、SPASAALCVS配列(79)、SPASAAVC配列(80)、AGPKGADGSPGP配列(81)、AGPKGADGSPGPAVC配列(82)、AGPKGADGSPGPALCVS配列(83)、AGPKGADGSP配列(84)及びSPASAAGPVGSP配列(85)からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、SPASAAGY配列(78)が特に好ましい。
また、最小アミノ酸配列(X)と補助アミノ酸配列(Y)との含有個数は同じでも異なっていてもよい。異なっている場合は、いずれかの含有個数が他方の含有個数より1個少ないことが好ましい{この場合、補助アミノ酸配列(Y)が少ないことが好ましい}。ポリペプチド(B1)中の最小アミノ酸配列(X)と補助アミノ酸配列(Y)との含有個数割合(X/Y)は、0.5〜2が好ましく、さらに好ましくは0.9〜1.4、特に好ましくは1〜1.3である。
また、ポリペプチド(B1)の末端部分(最小アミノ酸配列(X)又は補助アミノ酸配列(Y)からペプチド末端まで)に他のアミノ酸を含んでもよい。他のアミノ酸を含む場合、その含有個数は、ポリペプチド(B1)1個当たり、1〜1000個が好ましく、さらに好ましくは3〜300、特に好ましくは10〜100である。
ポリペプチド(B1)の重量平均分子量(以下、Mw)は、1,000〜1,000,000が好ましく、さらに好ましくは2,000〜700,000、特に好ましくは3,000〜400,000、最も好ましくは4,000〜200,000である。
なお、ポリペプチド(B1)のMwは、SDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法により、測定サンプル{ポリペプチド等}を分離し、泳動距離を標準物質と比較する方法等の公知の方法によって求められる(以下、同じ)。
ポリペプチド(B1)は、化合物(AM)でさらに修飾されていてもよい。化合物(AM)としては、1〜3級のアミノ基を含有する化合物及びその塩並びにアンモニウム塩(AM−1)、カルボキシル基を含有する化合物(AM−2)、スルホ基を含有する化合物(AM−3)並びにヒドロキシル基を含有する化合物(AM−4)が含まれる。(AM)で修飾されていると、細胞増殖性がさらに良好となる。
1〜3級のアミノ基を含有する化合物及びその塩並びにアンモニウム塩を含有する化合物(AM−1)としては、ポリアミン、アミノアルコール、アミノ基を有するハロゲン化物、アミノ基含有モノマー及びアミノ基含有モノマーを構成単量体とする重合体、並びにこれらのハロゲン化水素塩及び4級化物等が使用できる。
ポリアミンとしては、少なくとも1個の1級アミノ基又は2級アミノ基を有するポリアミン(炭素数2〜56)等が用いられ、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環式ポリアミン及び芳香族ポリアミン等が用いられる。
脂肪族ポリアミンとしては、アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)、アルキレン基の炭素数が2〜6であるポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等)、並びにこれらのアルキル(炭素数1〜18)置換体(ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン、メチルエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジオクタデシルエチレンジアミン、トリオクタデシルエチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等)等が挙げられる。
脂環式ポリアミンとしては、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン、1,3−ビス(ジヒドロキシアミノ)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン及び4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
複素環式ポリアミンとしては、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン及び1,4−ジアミノエチルピペラジン等が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、フェニレンジアミン、N,N’−ジメチルフェニレンジアミン、N,N,N’−トリメチルフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン及び2,6−ジアミノピリジン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ビス(メチルアミノ)ジフェニルメタン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、炭素数2〜58のアミノアルコール等が用いられ、炭素数2〜10のアルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及びN,N、N’、N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等]、これらのアルキル(炭素数1〜18)置換体[N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−オクタデシルジエタノールアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン及びN,N,N’−トリオクタデシル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミン等]等が挙げられる。
アミノ基を有するハロゲン化物としては、炭素数2〜17のアルキルアミンのハロゲン(塩素及び臭素等)化物等が用いられ、アミノエチルクロリド、N−メチルアミノプロピルクロリド、N,N−ジメチルアミノエチルクロリド、N,N−ジエチルアミノエチルクロリド、N,N−ジベンジルアミノエチルブロミド、N,N−ジメチルアミノプロピルブロミド、N,N−ジエチルアミノプロピルクロリド及びN,N−ジベンジルアミノプロピルクロリド等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、炭素数5〜21のアミノ基含有ビニル化合物、エチレンイミン及び炭素数2〜20のアミノ酸等が用いられる。
アミノ基含有ビニル化合物としては、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素及びアミノ基含有アリルエーテル等が用いられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート及びN−メチルピペチジノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、アミノエチルアクリルアミド、N−メチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリノエチル(メタ)アクリルアミド及びN−メチルピペチジノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素としては、アミノエチルスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジプロピルアミノスチレン及びN−ベンジル−N−メチルアミノスチレン等が挙げられる。
アミノ基含有アリルエーテルとしては、アミノエチルアリルエーテル、N−メチルアミノエチルアリルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルアリルエーテル及びN,N−ジエチルアミノエチルアリルエーテル等が挙げられる。
アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、システイン、リシン、セリン、グリシン、3−アミノプロピオン酸、8−アミノアクタン酸及び20−アミノエイコサン酸等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーの重合体としては、アミノ基含有ビニル化合物からなるビニルポリマー、ポリエチレンイミン及びポリペプチド((B1)は含まない。)等が挙げられる。
アミノ基含有モノマーの重合体の重量平均分子量は、500〜100万が好ましく、さらに好ましくは1,000〜80万、特に好ましくは2,000〜50万である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる{基準物質:分子量420〜20,600,000のポリスチレンスタンダード(東ソー製)等}。
ハロゲン化水素塩としては、上記アミノ基含有化合物とハロゲン化物(フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素等)との塩が挙げられる。
具体的には、塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド及び塩酸N,N−ジエチルアミノエチルクロリド等が挙げられる。
これらの4級化物としては、これらのアミノ基を4級化剤(メチルクロリド、エチルクロリド、ベンジルクロリド、ジメチル炭酸、ジメチル硫酸及びエチレンオキシド等)によって4級化したもの等が挙げられる。
これらの1〜3級のアミノ基を含有する化合物及びその塩並びにアンモニウム塩(AM−1)のうち、細胞増殖性の観点から、塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド及び塩酸N,N−ジエチルアミノエチルクロリドが好ましく、さらに好ましくは塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリドである。
カルボキシル基を含有する化合物(AM−2)としては、炭素数2〜30のカルボン酸であり、具体的には、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、こはく酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸、くえん酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、4−ヒドロキシ安息香酸及びフェニル酢酸等が挙げられる。また、これらカルボキシル基を有するハロゲン化物等も使用できる。具体的には、クロロ酢酸及びクロロぎ酸等が挙げられる。これらのカルボキシル基を含有する化合物(AM−2)のうち、細胞増殖性の観点からクロロ酢酸が好ましい。
スルホ基を含有する化合物(AM−3)としては、炭素数2〜30のスルホン酸であり、具体的には、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸及びシクロヘキシルアミノスルホン酸等が挙げられる。また、これらスルホ基を有するハロゲン化物等も使用できる。具体的には、クロロスルホン酸及びクロロエタンスルホン酸等が挙げられる。これらのスルホン基を含有する化合物(AM−3)のうち、細胞増殖性の観点からクロロエタンスルホン酸が好ましい。
ヒドロキシル基を含有する化合物(AM−4)としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。また、これらヒドロキシル基を有するハロゲン化物等も使用できる。具体的には、クロロエタノール及びクロロプロパノール等が挙げられる。これらのヒドロキシル基を含有する化合物(AM−4)のうち、細胞増殖性の観点からクロロエタノールが好ましい。
化合物(AM)で修飾する方法としては、(1)化合物(AM)と、修飾前のポリペプチド(B1)とを化学結合{共有結合、イオン結合及び/又は水素結合等}させる方法、並びに、(2)化合物(AM)を修飾前のポリペプチド(B1)に物理吸着(ファンデルワールス力による吸着)させる方法等が適用できる。
これらのうち、細胞増殖性の観点等から、(1)の化学結合させる方法が好ましく、さらに好ましくは共有結合である。
(1)化合物(AM)と、修飾前のポリペプチド(B1)とを化学結合{共有結合、イオン結合及び/又は水素結合等}させる方法において、化学結合させるために、ポリペプチド(B1)がアミノ酸残基として反応性基{ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、及び1級又は2級アミノ基等}をもつアミノ酸を持っていることが好ましい。反応性基のうち、細胞増殖性の観点から、ヒドロキシル基、カルボキシル基及び1級アミノ基が好ましく、さらに好ましくはヒドロキシル基及びカルボキシル基、特に好ましくはヒドロキシル基である。また、ポリペプチド(B1)の1分子中に反応性基を少なくとも1個有すればよいが、細胞増殖性の観点から、1分子中に2〜50個有するものが好ましく、さらに好ましくは1分子中に3〜30個、特に好ましくは1分子中に5〜20個有するものである。
化学結合させる方法としては、公知の方法が適用でき、特開2007−51127号公報等に記載の方法が挙げられる。化学結合形成反応には反応溶媒を使用してもよく、反応溶媒としては公知のものが使用でき、例えば、水、臭化リチウム水溶液、過塩素酸リチウム水溶液、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド及びテトラヒドロフランが挙げられる。
化合物(AM)と修飾前のポリペプチド(B1)とを共有結合させる具体例としては、ポリペプチド(B1)中の側鎖にヒドロキシル基を含有するアミノ酸(例えば、Ser及びTyr)を1〜3級のアミノ基、及び/又はアンモニウム塩、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基を有するアルキルハロゲン化物でアルキルエーテル化する方法、及び側鎖にカルボキシル基を含有するアミノ酸(例えば、Asp及びGlu)をアミノ基、及び/又はアンモニウム塩を有するアルコールでエステル化する方法が挙げられる。
好ましいポリペプチド(B1)の一部を以下に例示する。
(1)最小アミノ酸配列(X)がRGD配列(x1)の場合
RGD配列(x1)の13個と(GAGAGS)9配列(21)(y1)の12個とを有し、これらが交互に化学結合してなる構造を有するMw約11万のポリペプチド(配列(89)){「プロネクチンF」、プロネクチンは三洋化成工業(株)の登録商標(日本及び米国)である。三洋化成工業(株)製<以下同じ>};
プロネクチンFを化合物(AM)で修飾したタンパク質であり、具体的には、化合物(AM)として塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリドを用いて修飾したポリペプチド(「プロネクチンFプラス」);
(x1)の5個と(GAGAGS)3配列(20)(y2)の5個とを有しこれらが交互に化学結合してなる構造を有するMw約2万のポリペプチド(配列(90))(「プロネクチンF2」);(x1)の3個と(GVPGV)2GG(GAGAGS)3配列(38)(y3)の3個とを有しこれらが交互に化学結合してなる構造を有するMw約1万のポリペプチド(配列(91))(「プロネクチンF3」)等。
(2)最小アミノ酸配列(X)がIKVAV配列(x2)の場合
プロネクチンF、プロネクチンF2又はプロネクチンF3のRGD配列(x1)をIKVAV配列(7)(x2)に変更した「プロネクチンL」、「プロネクチンL2」、又は「プロネクチンL3」等。
(3)最小アミノ酸配列(X)がYIGSR配列(x3)の場合
プロネクチンF、プロネクチンF2又はプロネクチンF3のRGD配列(x1)をYIGSR配列(x3)に変更した「プロネクチンY」、「プロネクチンY2」、又は「プロネクチンY3」等。
また、(1)〜(3)のポリペプチドの他、宝酒造(株)製RetroNectin(リコンビナントヒトフィブロネクチンCH−296){最小アミノ酸配列(X)としてRGD配列(x1)及びLDV配列を含有するMw約6万のポリペプチド}、同RGDS−Protein A{最小アミノ酸配列(X)としてRGD配列(x1)を含有するMw約3万のポリペプチド}も好ましく使用できる{ただし、これらのポリペプチドは天然に由来し、補助アミノ酸配列(Y)が含まれていない。よって、熱安定性等が上記の(1)〜(3)よりも劣る。また、これらのポリペプチドのアミノ酸配列は特開平2−311498号に開示されている。}。
ポリペプチド(B1)は、人工的に合成されるもの(人工ポリペプチド)が含まれ、例えば、有機合成法(固 相合成法、液相合成法等)及び生化学的合成法[遺伝子組換え微生物(酵母、細菌、大腸菌等)]等によって製造する。すなわち、ポリペプチド(B1)としては、動物由来のコラーゲンやフィブロネクチン等の細胞接着性蛋白質を含まない。
有機合成法に関しては、例えば、日本生化学会編「続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)」第641〜694頁(昭和62年5月20日;株式会社東京化学同人発行)に記載されている方法等が用いられる。生化学的合成法に関しては、例えば、特表平3−502935号公報に記載されている方法等が用いられる。ポリペプチド(B1)を容易に合成できる点で、遺伝子組換え微生物による生化学的合成法が好ましく、特に好ましくは遺伝子組換え大腸菌を用いて合成する方法である。
カルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)には、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)がアミド結合されており、このアミド結合したポリペプチド(B1)の残基の結合量は、細胞接着性を向上させる観点から、細胞培養用担体の乾燥重量あたり、100ng/g〜50 mg/gが好ましく、さらに好ましくは200ng/g〜40mg/gであり、特に好ましくは300ng/g〜30mg/gであり、最も好ましくは1μg〜1mg/gである。
なお、ここで基準とする細胞培養用担体の乾燥重量とは、乾燥器中で120℃で4時間乾燥させた状態をいう。
なお、ポリペプチド(B1)の結合量は、ポリペプチド(B1)の含有量が500μg/gを超える場合、Biuret法(たとえば、日本生化学会編「生化学実験講座1、タンパク質の化学I」第45〜55頁(1979年12月11日;株式会社東京化学同人発行)等により求められる。
一方、ポリペプチド(B1)の結合量が500μg/g以下の場合、Kjeldahl法(たとえば、日本生化学会編「生化学実験講座1、タンパク質の化学I」第45〜55頁(1979年12月11日;株式会社東京化学同人発行)等により求められる。
また、免疫学的測定法(特開2004−049921号公報等に記載)を利用して測定することもできる。具体的には、
(1)ポリペプチド(B1)の含有量が既知である細胞培養用担体{Biuret法やKjeldahl法等でポリペプチド(B1)の含有量が既知になった細胞培養用担体}を生理食塩水に浸漬し、ポリペプチド(B1)と結合する抗体に酵素を標識したもの(以下、酵素標識抗体)とを反応させ、この反応した酵素標識抗体の酵素量を吸光度測定し、検量線(ポリペプチド(B1)の含有量とそれに対する吸光度)を作成する。
(2)同様に検体(ポリペプチド(B1)の含有量が未知である細胞培養用担体)の吸光度を測定する。(1)で得られた検量線と(2)で得られた吸光度から、検体のポリペプチド(B1)の含有量を求めることができる。
なお、測定試料は、減圧乾燥機{120℃、0.1kPa以下}で1時間乾燥したものを用いる。
本発明の細胞培養用担体は、吸水性樹脂粒子(E)が細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)以外にさらにコラーゲン(B2)ともアミド結合されていることが好ましい。
コラーゲン(B2)としては、この種類は特に限定されず、I型、II型、III型、IV型、V型などいずれでもよく、酵素により低分子化したもの、テロペプチドを切断したもの、遺伝子工学により合成したものなどが挙げられる。また、市販品としては、Cellmatrix Type I−A(I型、新田ゼラチン株式会社製)、コラーゲンタイプIIIウシ真皮由来(III型、株式会社ニッピ製)があり、入手可能である。
コラーゲン(B2)としては、細胞増殖性の観点から、I型が好ましい。
コラーゲン(B2)の結合量は、細胞増殖性の観点から、細胞培養用担体の乾燥重量あたり、50ng/g〜400mg/gが好ましく、さらに好ましくは200ng/g〜200mg/gであり、特に好ましくは500ng/g〜50mg/gであり、最も好ましくは20μg/g〜20mg/gである。
なお、細胞培養用担体の乾燥単位重量あたりのコラーゲン(B2)の含有量の測定方法は、上述のポリペプチド(B1)と同様である。
(B1)及び(B2)の合計結合量は、細胞接着性、細胞増殖性の観点から、細胞培養用担体の乾燥重量あたり、100ng/g〜50mg/gが好ましく、さらに好ましくは200ng/g〜40mg/gであり、特に好ましくは300ng/g〜30mg/gである。
ポリペプチド(B1)及びコラーゲン(B2)がアミド結合されている場合、アミド結合させるために用いた(B1)と(B2)との重量比[(B1)/(B2)]は、細胞増殖性の観点から、0.1〜0.4が好ましい。
本発明の細胞培養用担体は、ポリぺプチドの変性や凝集を抑制する目的で、ポリペプチド変性抑制剤(C)を含有するものであり、糖及び/又はアミノ酸が挙げられる。
ポリペプチド変性抑制剤(C)として使用できる糖としては、単糖類{トリオース(ケトトリオース等)、テトロース(ケトテトロース等)、ペントース(ケトペントース及びデオキシ糖等)、ヘキソース(グルコース、フルクトース、マンノース、アロース及びガラクトース等)、ヘプトース(セドヘプツロース等)等}、二糖類(マルトース、ラクトース、スクロース及びトレハロース等)、三糖類(ラフィノース、メレジトース及びマルトトリオース等)、多糖類(グリコーゲン、デンプン及びデキストラン等)、糖アルコール(グリセリン、キシリトール及びソルビトール等)等が挙げられる。
糖のうち、保存安定性の観点から、二糖類が好ましく、さらに好ましくはトレハロースである。
ポリペプチド変性抑制剤(C)として使用できるアミノ酸としては、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、リシン、ヒスチジン及びそれらの塩等が挙げられる。
(C)としては、保存安定性の観点から、糖が好ましく、さらに好ましくは二糖類であり、最も好ましくはトレハロースである。
また、ポリペプチド変性抑制剤(C)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリペプチド変性抑制剤(C)の含有量は、吸水性樹脂粒子(A)の乾燥重量を基準として、保存安定性の観点から、0.005g/g〜10g/gが好ましく、さらに好ましくは1.0g/g〜5.7g/gであり、特に好ましくは1.5g/g〜3.5g/gである。
細胞培養用担体において、ポリペプチド(B)とポリペプチド変性抑制剤(C)との重量比((B)/(C))は、安定性の観点から、0.0005〜0.05が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.009であり、特に好ましくは0.003〜0.008である。
細胞培養用担体中に(C)を含有させる方法としては、吸水性樹脂粒子(E)又はポリペプチド(B1)を担持させた細胞培養用担体を、(C)を含む水溶液中で凍結乾燥させることで、含有させることができる。なお、凍結乾燥方法は、技術分野で用いられている公知の方法を用いることができる。
吸水性樹脂粒子(A)の形状は、細胞増殖性の観点から、球状又は紡錘状であり、好ましくは球状、すなわちビーズである。
本発明の細胞培養用担体の膨潤粒子(GB)のレーザー回折・散乱法による体積平均粒子径は、細胞増殖性の観点から、125〜225μmが好ましい。
この膨潤粒子(GB)とは、0.85(w/v)%塩化ナトリウム水溶液100重量部及び細胞培養用担体1重量部を分散するまで混合し、室温で2時間静置した後の膨潤粒子のことをいう。
なお、膨潤粒子(GB)の体積平均粒子径は、0.85%(w/v)塩化ナトリウム水溶液中に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置[マイクロトラック(日機装株式会社製)]により測定できる。
本発明の細胞培養用担体において、吸水性樹脂粒子(A)のゼータ電位は+5〜+35mVであることが好ましい。吸水性樹脂粒子(A)のゼータ電位が上記範囲であると、細胞接着性がさらに向上する。
吸水性樹脂粒子(A)のゼータ電位は、次の方法により測定される。
<吸水性樹脂粒子(A)のゼータ電位の測定方法>
500mLビーカーに脱イオン水500mLをいれ、吸水性樹脂粒子(A)約0.5gを加えて一時間以上静置(完全に膨潤させる)する。測定前によく撹拌し、ビーカーを「SZN 06 ゼータ電位計」(MUTEK製)にセットして、吸引を開始する。この時、なるべく泡が入らないようにするために、ゆっくりとバルブをONに回し吸引を開始させる。メッシュ(53μm)に吸水性樹脂粒子(A)が詰まり、セル一杯になるまで吸引を続ける。一杯になったら、吸水性樹脂粒子(A)の吸引が落ち着くまで30秒程度待ち、その後測定を開始する。
吸水性樹脂粒子(A)のゼータ電位は、細胞接着性の観点から、+5〜+35mVが好ましく、さらに好ましくは+10〜+25mVであり、特に好ましくは+12〜+20mVである。
吸水性樹脂粒子(A)中の第1〜3級アミノ基の含有量は、細胞培養用担体の乾燥重量を基準として、細胞付着性及び細胞毒性の観点から、0.5〜5mmol/gが好ましく、さらに好ましくは1〜2mmol/gである。
なお、吸水性樹脂粒子(A)中の第1〜3級アミノ基の含有量は、次の方法により測定される。
<吸水性樹脂粒子(A)中の第1〜3級アミノ基の含有量>
吸水性樹脂粒子(A)10.0mgを量り取り、0.1M−HCl 4mLで3時間振とうする。その後、3,000g、5分で遠心して上澄み液を除去する。
沈殿させた吸水性樹脂粒子(A)を脱イオン水4mLで15分以上振とうし、3,000g、5分で遠心して上澄み液を除去する。この洗いの操作を計4回繰り返す。
4回目の遠心後、上澄み液を除去し、沈殿させた吸水性樹脂粒子(A)に10%(w/v)硫酸ナトリウムを4mL加え、3時間以上振とうする。その後、3,000g、5分で遠心して、粒子を吸い込まないよう注意しながら、上澄み液を回収する。
この上澄み液を超純水で希釈し、イオンクロマトグラム(DIONEX、使用カラム:DIONEX IonPac AS12A 4×200mm)で塩素イオン含量を定量する。この定量された塩素イオン量が、試料中の第1〜3級アミノ基の量に等しいとして、第1〜3級アミノ基の含有量を算出する。
本発明の細胞培養用担体は、細胞増殖性を高めるため、細胞増殖因子を含有させてもよい。
細胞増殖因子としては、細胞の増殖を促進する物質、例えば、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、コンドロモジュリン、テノモジュリン、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチド等の生理活性ポリペプチド等が挙げられる(例えば、財団法人名古屋大学出版会発行「上田実編ティッシュエンジニアリング」(1999年)に記載)。これらの細胞増殖因子の中で、適用できる組織細胞の範囲が広く、細胞増殖性がより高くなるという観点等から、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、骨形成因子、インターロイキン及び腫瘍壊死因子が好ましく、さらに好ましくは線維芽細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、インターロイキン及び腫瘍壊死因子である。
細胞増殖因子は、吸水性樹脂粒子(A)に結合していることが好ましい。
細胞増殖因子を含む場合、この含有量は、細胞増殖性等の観点から、細胞培養用担体1g当たり、10pg/g〜1000μg/gが好ましく、さらに好ましくは100pg/g〜100μg/g、特に好ましくは1000pg/g〜10μg/gである。
本発明の細胞培養用担体は、必要に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法としては、放射線、エチレンオキサイドガス、プラズマ、γ線、アルコール、オートクレーブ、乾熱等を用いた滅菌方法が適用できる。これらは、1種の方法のみで行ってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の細胞培養用担体に接着できる細胞(CE)としては細胞であれば制限がないが、本発明の細胞培養用担体を用いると細胞増殖性が高いため、医薬品等の有用物質生産や治療等に用いられる哺乳動物由来の正常細胞、哺乳動物由来の株化細胞及び昆虫細胞が適している。
哺乳動物由来の正常細胞としては、皮膚に関与する細胞(上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞及び平滑筋細胞等)、血管に関与する細胞(血管内皮細胞、平滑筋細胞及び線維芽細胞等)、筋肉に関与する細胞(筋肉細胞等)、脂肪に関与する細胞(脂肪細胞等)、神経に関与する細胞(神経細胞等)、肝臓に関与する細胞(肝細胞等)、膵臓に関与する細胞(膵ラ島細胞等)、腎臓に関与する細胞(腎臓細胞、腎上皮細胞、近位尿細管上皮細胞及びメサンギウム細胞等)、肺・気管支に関与する細胞(上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞及び平滑筋細胞等)、目に関与する細胞(視細胞、角膜上皮細胞及び角膜内皮細胞等)、前立腺に関与する細胞(上皮細胞、間質細胞及び平滑筋細胞等)、骨に関与する細胞(骨芽細胞、骨細胞及び破骨細胞等)、軟骨に関与する細胞(軟骨芽細胞及び軟骨細胞等)、歯に関与する細胞(歯根膜細胞及び骨芽細胞等)、血液に関与する細胞(白血球及び赤血球等)、及び幹細胞{例えば、骨髄未分化間葉系幹細胞、骨格筋幹細胞、造血系幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞(oval cell、small hepatocyte等)、脂肪組織幹細胞、胚性幹(ES)細胞、表皮幹細胞、腸管幹細胞、精子幹細胞、胚生殖幹(EG)細胞、膵臓幹細胞(膵管上皮幹細胞等)、白血球系幹細胞、リンパ球系幹細胞、角膜系幹細胞、前駆細胞(脂肪前駆細胞、血管内皮前駆細胞、軟骨前駆細胞、リンパ球系前駆細胞、NK前駆細胞等)等}等が挙げられる。
哺乳動物由来の株化細胞としては、CRFK細胞、3T3細胞、A549細胞、AH130細胞、B95−8細胞、BHK細胞、BOSC23細胞、BS−C−1細胞、C3H10T1/2細胞、C−6細胞、CHO細胞、COS細胞、CV−1細胞、F9細胞、FL細胞、FL5−1細胞、FM3A細胞、G−361細胞、GP+E−86細胞、GP+envAm12細胞、H4−II−E細胞、HEK293細胞、HeLa細胞、HEp−2細胞、HL−60細胞、HTC細胞、HUVEC細胞、IMR−32細胞、IMR−90細胞、K562細胞、KB細胞、L細胞、L5178Y細胞、L−929細胞、MA104細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MIA PaCG−2細胞、N18細胞、Namalwa細胞、NG108−15細胞、NRK細胞、OC10細胞、OTT6050細胞、P388細胞、PA12細胞、PA317細胞、PC−12細胞、PER.C6細胞、PG13細胞、QGH細胞、Raji細胞、RPMI−1788細胞、SGE1細胞、Sp2/O−Ag14細胞、ST2細胞、THP−1細胞、U−937細胞、V79細胞、VERO細胞、WI−38細胞、ψ2細胞、及びψCRE細胞等が挙げられる{細胞培養の技術(日本組織培養学会編集、株式会社朝倉書店発行、1999年)}。
昆虫細胞としては、カイコ細胞(BmN細胞及びBoMo細胞等)、クワコ細胞、サクサン細胞、シンジュサン細胞、ヨトウガ細胞(Sf9細胞及びSf21細胞等)、クワゴマダラヒトリ細胞、ハマキムシ細胞、ショウジョウバエ細胞、センチニクバエ細胞、ヒトスジシマカ細胞、アゲハチョウ細胞、ワモンゴキブリ細胞及びイラクサキンウワバ細胞(Tn−5細胞、HIGH FIVE細胞及びMG1細胞等)等が挙げられる{昆虫バイオ工場(木村滋 編著、株式会社工業調査会 発行、2000年)。
これらの細胞のうち、医薬品等の有用物質生産や治療等の観点から、哺乳動物由来の正常細胞及び哺乳動物由来の株化細胞が好ましい。そして、治療に有用な点で、さらに好ましくは腎臓細胞、平滑筋細胞、肝細胞、骨芽細胞、上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞及び幹細胞、特に好ましくは腎臓細胞及び上皮細胞であり、最も好ましくは腎臓細胞である。また、医薬品等の有用物質生産に有用な点で、さらに好ましくはCRFK細胞、3T3細胞、BHK細胞、CHO細胞、HEK293細胞、HeLa細胞、L−929細胞、MDCK細胞、PER.C6細胞、VERO細胞及びWI−38細胞、特に好ましくはCRFK細胞、MDCK細胞及びVERO細胞であり、最も好ましくはCRFK細胞である。
本発明の細胞培養用担体を用いる細胞培養方法に用いる培地(ME)としては、無血清培地(Grace培地、IPL−41培地、Schneider’s培地、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO ATGTM培地及びこれらの混合培地等);一般の培地(RPMI培地、MEM培地、Eagle’sMEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地);及びこれらの混合培地が挙げられる。
また、これらの培地には、血清を添加することができる。
血清としては、ヒト血清、及び動物血清(ウシ血清、ウマ血清、ヤギ血清、ヒツジ血清、ブタ血清、ウサギ血清、ニワトリ血清、ラット血清、及びマウス血清等)が含まれる。
血清を添加する場合、これらのうち、ヒト血清、ウシ血清、及びウマ血清が好ましい。また、動物血清の由来は、成体由来の血清、仔由来の血清、新生由来の血清、及び胎児由来の血清等が挙げられる。血清を添加する場合、これらのうち、仔由来の血清、新生由来の血清、及び胎児由来の血清が好ましく、さらに好ましくは新生由来の血清、及び胎児由来の血清、特に好ましくは胎児由来の血清である。血清を添加する場合、さらに血清は、非働化処理や、抗体の除去処理等を行ってもよい。
血清を使用する場合、血清の使用量(重量%)は、培地の重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは0.3〜30、特に好ましくは1〜20である。
培地中には、必要に応じて、細胞増殖因子を含有させることができる。細胞増殖因子を含有させることにより、細胞の増殖速度を高めたり、細胞活性を高めたりすることができる。
細胞増殖因子としては、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、サイトカイン、インターロイキン、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチド等の生理活性ペプチドが含まれる。これらのうち、適用できる細胞の範囲が広く、治癒期間がより短縮できるという観点から、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、インシュリン様増殖因子及び骨形成因子が好ましく、さらに好ましくは線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子及びインシュリン様増殖因子である。
細胞増殖因子を使用する場合、細胞増殖因子の含有量(重量%)は細胞増殖因子の種類によって異なるが、培地の重量に基づいて、10−16〜10−3が好ましく、さらに好ましくは10−14〜10−5、特に好ましくは10−12〜10−7である。
これらの培地には、さらに抗菌剤(アンホテリシンB、ゲンタマイシン、ペニシリン及びストレプトマイシン等)を含有させることができる。抗菌剤を含有させる場合、この含有量(重量%)は抗菌剤の種類によって異なるが、培地の重量に基づいて、10−6〜10が好ましく、さらに好ましくは10−5〜1、特に好ましくは10−4〜0.1である。
培地に分散させる細胞の濃度(個/mL)としては特に制限はないが、培地1mL当たり、100〜1億が好ましく、さらに好ましくは1000〜1千万、特に好ましくは1万〜100万である。
細胞の個数の計数方法は公知の方法が使用でき、例えば、クリスタルバイオレットを用いた細胞核計数法で測定することができる{細胞培養の技術(日本組織培養学会編集、株式会社朝倉書店発行、1999年)}。
また、培地に投入する細胞培養用担体の乾燥重量(g)は、培養する細胞の種類等によって適宜決定できるが、培地1L当たり、0.005〜800が好ましく、さらに好ましくは0.02〜200、特に好ましくは0.1〜40である。
培養条件としては、特に制限は無く、二酸化炭素(CO)濃度1〜20体積%、5〜45℃で1時間〜100日間、必要に応じて1〜10日毎に培地交換しなら培養する条件等が適用できる。好ましい条件としては、CO濃度3〜10体積%、30〜40℃、1〜20日間、1〜3日毎に培地交換しながら培養する条件である。
細胞培養用担体から、細胞を剥離する方法は、公知の方法が使用でき、例えば、キレート剤(EDTA等)、非動物由来の蛋白質分解酵素{植物由来の蛋白質分解酵素(パパイン等)}、遺伝子組換えによる合成酵素(商品名:TrypLETM Select、インビトロジェン(株)製等)及び/又は動物由来の蛋白質分解酵素(トリプシンやコラゲナーゼ等)によって剥離させる方法が利用できる。
以下に実施例として掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、特記しない限り部は重量部を、%は重量%を意味する。
<製造例1>
<吸水性樹脂(A’−1)の準備>
攪拌機、モノマー供給管、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器にデカン624部、重合分散剤としてソルビタンモノステアレート3.1部を仕込み、窒素バブリングを30分以上行って、溶存空気を追い出し75℃まで昇温した。
別の反応器に80%アクリル酸水溶液173部を仕込み、冷却しながら28%水酸化ナトリウム水溶液207部を加えて中和した。この水溶液に架橋性単量体{エチレングリコールジグリシジルエーテル}4.52部及び重合開始剤{過硫酸カリウム}0.278部、連鎖移動剤{次亜リン酸ナトリウム}0.053部を添加した後、窒素バブリングを行い、溶存空気を追い出しモノマー水溶液を得た。
得られたモノマー水溶液を上記の重合反応器のモノマー供給管より6.5ml/分の割合で連続的に重合反応器内の撹拌中(撹拌速度は500rpm)のデカン液中に約1時間かけて供給してデカン還流下で重合を行った。
次に共沸脱水によって160部の水を抜き出した後、含水ゲルポリマーを取り出し、更に120℃で2時間乾燥して、乾燥架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩を得た。
乾燥架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩を、目開きが63μmのふるい及び53μmのふるい(JIS Z8801−1:2000)により分級して、粒子径53〜63μmの粒子{架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩粒子}を得た。
次に、得られた粒子に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテルを溶液濃度として2%含むメタノール/イオン交換水(体積比70/30)溶液7.5部を添加し均一混合した。次いで、メタノールを風乾した後に密閉容器に入れ、80℃で1時間保持し、表面架橋を行った。その後、乾燥機中で120℃で30分間乾燥させて、吸水性樹脂(A’−1)を得た。
<製造例2>
<第3級アミノ基を導入した吸水性樹脂粒子(E)の製造>
0.03Mのリン酸緩衝液(pH5.2)25mLに、水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライド((株)同仁化学研究所製)を3.83g加え、完全に溶解した。次に、この溶液に2−アミノエタノールアミン塩酸塩(和光純薬)を3.9g加え、完全に溶解した。次に、この溶液に吸水性樹脂(A’−1)1gを加え、室温にてポリフッ化エチレン樹脂製攪拌羽で撹拌速度300rpmで分散するまで約20分攪拌した。完全に分散した後、溶液の温度を40℃にし、4時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、ヒドロキシル基を導入した吸水性樹脂(A’−1−1)を回収した。
回収した粒子を取り出し、200mLのイオン交換水で懸濁し、1N NaOHでpH7.2に調整した。その後、再びろ過し、ティーバッグを閉じ、500mLのイオン交換水中で撹拌しながら洗浄した。3時間ごとにイオン交換水を交換、この操作を3回行った。洗浄終了後、40℃の乾燥機で24時間以上乾燥させた。
イオン交換水10mLに、2−クロロ−N,N−ジエチルエチルアミンハイドロクロライド(シグマアルドリッチ(株)製)を8.56g加え、完全に溶解した。次に、48%(w/v)NaOHを3.92mL加えた。均一になるまで激しく撹拌し、均一になったところで、ヒドロキシル基を導入した吸水性樹脂(A’−1−1)1.0g加え、室温にてポリフッ化エチレン樹脂製攪拌羽で撹拌速度300rpmで分散するまで約20分攪拌した。完全に分散した後、溶液の温度を60℃にし、5時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、第3級アミノ基を導入した吸水性樹脂粒子(E−1)を回収した。
回収した吸水性樹脂粒子(E−1)を取り出し、200mLのイオン交換水で懸濁し、1N NaOHでpH7.2に調整した。その後、再びろ過し、ティーバッグを閉じ、500mLのイオン交換水中で撹拌しながら洗浄した。3時間ごとにイオン交換水を交換、この操作を3回行った。洗浄終了後、40℃の乾燥機で24時間以上乾燥させる。乾燥後、イオンクロマトグラムで第3級アミノ基の含有量を測定したところ、2.4mmol/gであった。また、吸水性樹脂粒子(E−1)のゼータ電位を測定したところ、13.9mVであった。
<吸水性樹脂粒子(E−1)のゼータ電位の測定方法>
500mLビーカーに脱イオン水500mLをいれ、吸水性樹脂粒子(E−1)約0.5gを加えて一時間以上静置(完全に膨潤させる)した。測定前によく撹拌し、ビーカーを「SZN 06 ゼータ電位計」(MUTEK製)にセットして、吸引を開始した。この時、なるべく泡が入らないようにするために、ゆっくりとバルブをONに回し吸引を開始させた。メッシュ(53μm)に吸水性樹脂粒子(E−1)が詰まり、セル一杯になるまで吸引を続けた。一杯になった後、吸水性樹脂粒子(E−1)の吸引が落ち着くまで30秒程度待ち、その後測定を開始した。
<吸水性樹脂粒子(E−1)中の第3級アミノ基の合計含有量>
吸水性樹脂粒子(E−1)10.0mgを量り取り、0.1M−HCl 4mLで3時間振とうした。その後、3,000g、5分で遠心して上澄み液を除去した。沈殿させた吸水性樹脂粒子(E−1)を脱イオン水4mLで15分以上振とうし、3,000g、5分で遠心して上澄み液を除去した。この洗いの操作を計4回繰り返した。4回目の遠心後、上澄み液を除去し、沈殿させた吸水性樹脂粒子(E−1)に10%(w/v)硫酸ナトリウムを4mL加え、3時間以上振とうした。その後、3,000g、5分で遠心して、粒子を吸い込まないよう注意しながら、上澄み液を回収した。この上澄み液を超純水で希釈し、イオンクロマトグラム(DIONEX、使用カラム:DIONEX IonPac AS12A 4×200mm)で塩素イオン含量を定量した。この定量された塩素イオン量が、試料中の第3級アミノ基の量に等しいとして、第3級アミノ基の合計含有量を算出した。
<製造例3>
<ポリペプチド(B1−1)の準備>
特表平3−502935号公報中の実施例記載の方法に準じて、RGD配列の13個と(GAGAGS)配列(21)の12個とを有しこれらが交互に化学結合してなる構造を有するMw約11万のポリペプチド(配列(89))である「プロネクチンF」を製造した。
ポリペプチド50mgと塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリド(特級試薬)150mgとを4.5M過塩素酸リチウム水溶液1.5mLに20〜40℃で溶解した後、その溶液を20〜40℃で攪拌しながら、水酸化ナトリウム(特級試薬)100mgを溶解した4.5M過塩素酸リチウム水溶液1.325mLを45〜50秒間かけて一定速度で滴下し仕込んだ。室温(25℃)で1時間攪拌したのち、反応液を分画分子質量12,000〜14,000の透析膜を用いて、脱イオン水10Lに対して48時間透析した。なお、最初の12時間は、4時間経過毎に脱イオン水を交換した。得られた水溶液を、−20℃、0.1kPa以下の条件で、24時間凍結乾燥して、水溶性のポリペプチド(B1−1)を得た。導入された塩酸N,N−ジメチルアミノエチルクロリドの数は、特表平10−500701公報中の実施例記載の方法に準じて、測定した結果、1分子中に12個であった。
<製造例4>
<ポリペプチド(B1−1)を含有する吸水性樹脂粒子(A−1)の製造>
塩化ナトリウムを0.85%で含有する0.03Mのリン酸緩衝液(pH5.2)(以下、PBS)12mLに、水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライド((株)同仁化学研究所製を0.21g加え、完全に溶解した。次に、吸水性樹脂粒子(E−1)1gを加え、室温にてポリフッ化エチレン樹脂製攪拌羽で撹拌速度300rpmで分散するまで約20分攪拌した。完全に分散した後、溶液の温度を40℃にし、1時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、吸水性樹脂粒子(E−1)中のカルボキシル基の一部をカルボジイミドで修飾した吸水性樹脂粒子を回収した。回収した粒子を取り出し、PBS溶液(pH7.2)12mLで懸濁した。次に、ポリペプチド(B1−1)を2.48mg/mLの濃度で含むPBS溶液(pH7.2)の1mLを加え、溶液の温度を40℃にし、2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、吸水性樹脂粒子を回収し、ティーバッグを閉じ、500mLのイオン交換水中で撹拌しながら洗浄した。3時間ごとにイオン交換水を交換、この操作を3回行い、ポリペプチド(B1−1)を含有する吸水性樹脂粒子(A−1)を得た。
<製造例5>
<ポリペプチド(B1−1)及びコラーゲン(B2−1)を含有する吸水性樹脂粒子(A−2)の製造>
塩化ナトリウムを0.85%で含有する0.03Mのリン酸緩衝液(pH5.2)(以下、PBS)12mLに、水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライド((株)同仁化学研究所製を0.21g加え、完全に溶解した。次に、吸水性樹脂粒子(E)1gを加え、室温にてポリフッ化エチレン樹脂製攪拌羽で撹拌速度300rpmで分散するまで約20分攪拌した。完全に分散した後、溶液の温度を40℃にし、1時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、吸水性樹脂粒子(E)中のカルボキシル基の一部をカルボジイミドで修飾した吸水性樹脂粒子を回収した。回収した粒子を取り出し、PBS溶液(pH7.2)12mLで懸濁した。
次に、ポリペプチド(B1−1)を2.48mg/mLの濃度で含むPBS溶液(pH7.2)の1mLと3mg/mLコラーゲン(B2−1)溶液(商品名:Cellmatrix Type I−A、新田ゼラチン株式会社)を3.9mL加え、加え、溶液の温度を40℃にし、2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を目開き95μmのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)でろ過し、吸水性樹脂粒子を回収し、ティーバッグを閉じ、500mLのイオン交換水中で撹拌しながら洗浄した。3時間ごとにイオン交換水を交換、この操作を3回行い、ポリペプチド(B1−1)及びコラーゲン(B―2)を含有する吸水性樹脂粒子(A−2)を得た。
ポリペプチド(B1−1)とコラーゲン(B―2)との重量比[(B1−1)/(B―2)]は0.26であった。
<実施例1>
吸水性樹脂粒子(A−1)1gを、10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁し、凍結乾燥を行い、本発明の細胞培養用担体(D−1)を得た。また、下記方法により、細胞培養用担体(D−1)中のトレハロースの含有量は1.05g/gであった。
<細胞培養用担体中のポリペプチド変性抑制剤(C)の含有量>
細胞培養用担体中のポリペプチド変性抑制剤(C)の含有量は、凍結乾燥する際に用いた(C)が全て吸水性樹脂粒子(A−1)に吸着されたものとして算出した。
<実施例2>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの1Mトレハロース水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−2)を得た。
<実施例3>
実施例1において、「吸水性樹脂粒子(A−1)」に代えて「吸水性樹脂粒子(A−2)」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−3)を得た。
<実施例4>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの0.3Mスクロース水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−4)を得た。
<実施例5>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの1Mスクロース水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−5)を得た。
<実施例6>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの0.5Mアルギニン水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−6)を得た。
<実施例7>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの100mg/mLデキストラン(分子量:15,000〜20,000)水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−7)を得た。
<実施例8>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLの100mg/mLデキストラン(分子量:60,000〜90,000)水溶液で懸濁」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D−8)を得た。
<比較例1>
実施例1において、「10mLの0.3Mトレハロース水溶液で懸濁」に代えて「10mLのイオン交換水で懸濁」を用いて、ポリペプチド変性抑制剤(C)を使用しない以外は同様にして、細胞培養用担体(D’−1)を得た。
<比較例2>
実施例1において、「吸水性樹脂粒子(A−1)」に代えて第1〜3級アミノ基を有しない「吸水性樹脂粒子(A’−1)」を用いる以外は同様にして、細胞培養用担体(D’−2)を得た。
以下の性能評価を行った。
<60℃で65日保管後の形状保持率の評価>
凍結乾燥後、遠沈管に各細胞培養用担体(D−1)〜(D−8)及び( D’−1)、(D’−2)をそれぞれ0.1gずつ入れ、それぞれの遠沈管を25℃で保管した。65日後に各細胞培養用担体を10mgずつ量り取り、エッペンチューブに入れ、1mLの0.85%塩化ナトリウム水溶液を加え、1時間膨潤させた。
その後、任意に選ばれた100個の細胞培養用担体について、電子顕微鏡(オリンパス(株)製、「IX71」)で写真(倍率40倍)を撮影し、各担体の撮影された面に、凹凸が確認されないものを正常な担体として、凹凸が確認されたものを劣化した担体としてカウントし、下記数式から形状保持率を算出した。
形状保持率(%)=(正常な担体数)/(正常な担体数+劣化した担体数)×100
その結果を表1に示す。
<細胞培養評価>
作製後及び60℃で65日保管後のそれぞれの細胞培養用担体(D−1)〜(D−8)及び(D’−1)、(D’−2)を用いて下記評価を行った。
各々のスピンナーフラスコに各細胞培養用担体(D−1)〜(D−8)及び(D’−1)、(D’−2)をそれぞれ0.3gずつ加え、粉末DMEM(Gibco)から調整したDMEM溶液(pH未調整)100mLをそれぞれの容器に加え、オートクレーブ滅菌(121℃、20分間)した。オートクレーブ滅菌後、DMEM溶液をアスピレータで吸引除去した後、MEMダルベッコ液体培地(大日本住友製薬(株)製)に1容量%の牛胎児血清(インビトロジェン(株)製)を加えた血清培地をそれぞれ50mLずつ加え、1分間放置した。培地を吸引除去し、再度、同じ血清培地をそれぞれ90mL加えた。
スピンナーフラスコを37℃、二酸化炭素ガス濃度5容量%のCOインキュベーターの中に1時間放置した後、予めプレ培養していたCRFK細胞(大日本製薬(株)製)を細胞濃度が20万個/mLになるように培地に播種した。
37℃、二酸化炭素ガス濃度5容量%のCOインキュベーターの中で、30rpmの攪拌をしながら、7日間の培養を行った。
尚、培養3日目、4日目、5日目および6日目に培地の半分を交換した。培養開始3時間目にサンプリングし、下記方法により各細胞培養用担体への細胞培養初期の細胞付着率を測定した。また、培養7日目にサンプリングし、単位体積当たりの細胞核数をクリスタルバイオレットを用いた細胞核計数法により計数し、培地中の細胞濃度(個/mL)を測定した。結果を表1に示す。
<細胞培養初期の細胞付着率>
任意に選ばれた100個の細胞培養用担体について、電子顕微鏡(オリンパス(株)製、「IX71」)で写真(倍率40倍)を撮影し、各担体の撮影された面の面積のうち50%以上に細胞が付着しているものを付着している担体として、50%未満しか細胞が付着していないものを付着していない担体としてカウントし、下記数式から細胞付着率を算出した。結果を表1に示す。
細胞付着率(%)=(付着している担体数)/(付着している担体数+付着していない担体数)×100
<細胞培養用担体としての保存安定性>
細胞培養用担体としての保存安定性の評価として、以下の式により細胞付着安定性及び細胞増殖安定性を算出した。
細胞付着安定性(%)=(製造後の細胞培養用担体を用いたときの培養細胞の付着率)/(60℃で65日保管後の細胞培養用担体を用いたときの培養細胞の付着率)
細胞増殖安定性(%)=(製造後の細胞培養用担体を用いたときの細胞濃度)/(60℃で65日保管後の細胞培養用担体を用いたときの細胞濃度)
結果を表1に示す。
Figure 2018126134
表1の結果から、実施例1〜8の細胞培養用担体は、ポリペプチド変性抑制剤(C)を含有しない比較例1と比較して、細胞培養用担体としての保存安定性(細胞付着安定性及び細胞増殖安定性)が高く、経時的に劣化しにくく、長期間保管後も細胞培養することができることがわかる。
また、60℃で65日間保管後の形状保持率の結果から、トレハロース、スクロースを用いた実施例1〜5は、細胞培養用担体の見た目も変化しにくいことがわかる。
本発明の細胞培養用担体は、優れた細胞接着性と細胞増殖性を発揮することができるため、細胞が関係する、研究開発、有用物質生産等に極めて有用である。
研究開発用としては、分化機能等の細胞機能評価用細胞の培養、動物実験(毒性試験、刺激性試験及び代謝機能試験等)の代替用細胞の培養、遺伝子や蛋白質導入用細胞の培養等に利用できる。
有用物質生産用としては、サイトカイン、血栓溶解剤、血液凝固因子製剤、ワクチン、ホルモン、抗生物質、抗体及び増殖因子等の生産用細胞の培養に利用できる。これらのうち、ワクチンの生産用細胞の培養に好適である。

Claims (9)

  1. 吸水性樹脂粒子(A)及びポリペプチド変性抑制剤(C)を含有する細胞培養用担体であって、吸水性樹脂粒子(A)が、カルボキシル基と第1〜3級アミノ基を有する吸水性樹脂粒子(E)と、細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)とがアミド結合された吸水性樹脂粒子であり、ポリペプチド変性抑制剤(C)が糖及び/又はアミノ酸である細胞培養用担体(D)。
  2. ポリペプチド変性抑制剤(C)が、二糖類である請求項1に記載の細胞培養用担体。
  3. ポリペプチド変性抑制剤(C)が、トレハロースである請求項1又は2に記載の細胞培養用担体。
  4. ポリペプチド(B1)の結合量が、吸水性樹脂粒子(A)の乾燥重量を基準として、100ng/g〜50mg/gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
  5. ポリペプチド変性抑制剤(C)の含有量が、吸水性樹脂粒子(A)の乾燥重量を基準として、1.0g/g〜5.7g/g である請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
  6. 吸水性樹脂粒子(A)中の第1〜3級アミノ基の含有量が、吸水性樹脂粒子(A)の乾燥重量を基準として、0.5〜5mmol/gである請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
  7. ポリペプチド(B1)とポリペプチド変性抑制剤(C)との重量比((B)/(C))が0.001〜0.009である請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
  8. 吸水性樹脂粒子(A)が、吸水性樹脂粒子(E)とポリペプチド(B1)及びコラーゲン(B2)とがアミド結合された吸水性樹脂粒子であり、ポリペプチド(B1)とコラーゲン(B2)との重量比[(B1)/(B2)]が0.1〜0.4である請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
  9. 細胞接着性最小アミノ酸配列(X)を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(B1)が、RGD配列の13個と(GAGAGS)配列(21)の12個とを有しこれらが交互に化学結合してなる構造を有するポリペプチド及びRGD配列の5個と(GAGAGS)配列(20)の5個とを有しこれらが交互に化学結合してなる構造を有するポリペプチドである請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞培養用担体。
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