JP2018126107A - 発酵乳飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料の提供。【解決手段】次の発酵乳飲料の製造方法により、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料を提供する。次の(A)および(B)の工程を含む発酵乳飲料の製造方法。(A)乳または乳由来のタンパク質を含む材料および15%以下のエステル化度を有するペクチンを混合する工程(B)上記(A)の工程にて得られた混合物を熱処理したものに、乳酸菌を加えて発酵する工程【選択図】なし

Description

本発明は発酵乳飲料の製造方法に関する。さらに詳しくは長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料の製造方法に関する。
従来、発酵乳飲料は乳等の原料を殺菌および発酵させた後に高メトキシルペクチン(HMペクチン)等の安定剤を添加することにより製造されてきた。これは事前にHMペクチン等の安定剤を添加して乳等を殺菌すると、加熱による枯渇凝集を起こして安定性が著しく低下するためであった。しかし、この製造方法では安定剤を別タンクで溶解する等の工程が必要になるため手間やエネルギーがかかり、適切な設備を準備する必要があった。
近年、HMペクチンではなく低メトキシル(LMペクチン)を安定剤とすると、殺菌や発酵工程の前に乳等に添加しても枯渇凝集が起こりにくいことが見出され、LMペクチンを添加する発酵乳食品の製造方法が開示されてきた(例えば、特許文献1〜6参照)。
しかし、これらの製造方法はジェランガム等のその他の成分を含むことを必須とするものや、発酵乳食品の中でも特に発酵乳飲料の製造を目的とするものではなく、果肉やゼリー等の固形食品を含むハードヨーグルトや起泡性クリーム等の製造を目的とするものであった。
また、使用するLMペクチンも15から250のガラクツロン酸単位の鎖を含む解重合ペクチン等であるため、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料を製造するために十分なLMペクチンを使用しているとはいえなかった。そこで、本発明者らは本発明の目的を達成し得る発酵乳飲料を提供するために、より適したLMペクチンの特定や製造方法の提供を試みた。
特開2003-47400号公報 特開2001-95482号公報 特許第2815363号 特開2008-167683号公報 特表2015-512265号公報 特許第4568281号
本発明は、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、以上の状況を鑑み、発酵乳飲料の製造方法として、15%以下のエステル化度を有するペクチンを用い、これと乳または乳由来のタンパク質を含む材料を混合した後、熱処理して乳酸菌により発酵することで長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記の課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(4)に示される発酵乳飲料の製造方法である。
(1)次の(A)および(B)の工程を含む発酵乳飲料の製造方法。
(A)乳または乳由来のタンパク質を含む材料および15%以下のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
(B)上記(A)の工程にて得られた混合物を熱処理したものに、乳酸菌を加えて発酵する工程
(2)次の(C)および(D)の工程を含む発酵乳飲料の製造方法。
(C)乳または乳由来のタンパク質を含む材料、15%以下のエステル化度を有するペクチンおよび50%以上のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
(D)上記(C)の工程にて得られた混合物を熱処理したものに、乳酸菌を加えて発酵する工程
(3)さらに、次の(E)の工程を含む上記(1)または(2)に記載の発酵乳飲料の製造方法。
(E)上記(B)または(D)の工程にて得られた発酵物と50%以上のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
(4)乳または乳由来のタンパク質を含む材料が脱脂粉乳である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の発酵乳飲料の製造方法。
本発明の製造方法により、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料の提供が可能となる。
製造後8日経過した各発酵乳飲料の写真を示したものである(試験例1)。 製造後7日経過した各発酵乳飲料の写真を示したものである(試験例3)。 製造後7日経過した各発酵乳飲料の写真を示したものである(試験例4)。 製造後1日、7日および14日経過した発酵乳飲料の写真を示したものである(試験例7)。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の「発酵乳飲料の製造方法」とは、発酵乳飲料を製造するための方法であって、少なくとも「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」と「15%以下のエステル化度を有するペクチン」を混合する工程を含み、さらに、この「混合物」を熱処理したものに「乳酸菌を加えて発酵」する工程を含む方法のことをいう。
このような本発明の方法は、「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」、「15%以下のエステル化度を有するペクチン」に、さらに「50%以上のエステル化度を有するペクチン」を混合する工程を含み、さらに、この「混合物」を熱処理したものに「乳酸菌を加えて発酵」する工程を含む方法であってもよい。
さらに本発明の方法は、これらの工程によって得られた発酵物と「50%以上のエステル化度を有するペクチン」を混合する工程を含む方法であってもよく、これらの工程以外に発酵乳飲料を製造するのに有用なその他の工程を含むものであってもよい。
本発明の「発酵乳飲料」とは、「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」を乳酸菌により発酵して得られる発酵物に糖類や水等の水分を加えて、ドリンクヨーグルトとしたもののことを指す。本発明の「発酵乳飲料」には、さらに、イチゴ、バナナ、ミカン、ブルーベリー等の果物、これらの果物を含むジャム、ココア、コーヒー、紅茶等で味を加えたドリンクヨーグルトや、バニラビーンズ、食品の製造に使用し得る香料等によって香付けされたドリンクヨーグルトも含まれる。
本発明の「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」とは、ラクダ乳、羊乳、牛乳またはヤギ乳等の哺乳類の乳または乳由来のタンパク質を含むものであればよく、脱脂粉乳、脱脂粉乳にバター脂を加えたもの、脱脂粉乳にクリームを加えたもの、生乳、生乳にクリームを加えたもの、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂濃縮乳にバター脂を加えたもの、脱脂濃縮乳にクリームを加えたもの、または全脂粉乳等が挙げられる。
本発明の「発酵乳飲料」の製造にあたり「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」として、これらのいずれか一つ以上を使用すればよく、これらを二つ以上複数混合して使用してもよい。
本発明の「15%以下のエステル化度を有するペクチン」は、食品の製造に使用し得るエステル化度が15%以下のLMペクチンであれば従来知られているいずれのLMペクチンを用いることもできる。また、15%以下のエステル化度を有するLMペクチンとより高いエステル化度のペクチンを混合し、「15%以下のエステル化度を有するペクチン」として調製したものを使用することもできる。
このようなLMペクチンとして、例えば、UTLP-100(DE値範囲:3-20%)(ユニテックフーズ社製)、GENU(登録商標) LM-5CSJ(DE値範囲:6-12%)(CPKelco社製)等が挙げられる。ここで、DE値とはエステル化度を示す。また、複数のペクチンを混合し、「15%以下のエステル化度を有するペクチン」として調製したもの等も含まれる。
このような「15%以下のエステル化度を有するペクチン」は、特に3%以上15%以下のエステル化度を有するペクチンであることが好ましい。
また、「50%以上のエステル化度を有するペクチン」は、食品の製造に使用し得るエステル化度が50%以上のHMペクチンであれば従来知られているいずれのHMペクチンを用いることもできる。また、複数のHMペクチンを混合し、「50%以上のエステル化度を有するペクチン」として調製したものを使用することもできる。
このようなHMペクチンとして、例えば、UTHP-510(DE値:68)またはUTHP-310(DE値:70)(いずれもユニテックフーズ社製)等が挙げられる。また、これらやこれら以外の公知のHMペクチンを混合して「50%以上のエステル化度を有するペクチン」として調製したもの等も含まれる。
このような「50%以上のエステル化度を有するペクチン」は、特に68%以上のエステル化度を有するペクチンであることが好ましい。
本発明の発酵乳飲料の製造にあたり使用し得る菌は、発酵乳飲料の製造において従来知られているいずれの菌も使用することができる。
乳酸菌やビフィズス菌等の微生物としては、特に限定されないが、例えば、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキィ サブスピーシーズ.ブルガリカス、ラクトバチルス・ヘルベティカス等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス サブスピーシーズ.クレモリス等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス等のエンテロコッカス属細菌等を挙げることができる。または、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム等のビフィドバクテリウム属細菌、バチルス属、アセトバクター属、グルコノバクター属等の細菌類、サッカロミセス属、キャンディダ属等の酵母類等も挙げることができる。これらの微生物はいずれも好適に使用することができ、単独で用いても2種以上を併用してもよい。上記微生物の中でも特に、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキィ サブスピーシーズ・ブルガリカスおよびストレプトコッカス・サーモフィルスから選ばれる1種以上を使用するとより風味が良好となるため好ましい。
本発明の発酵乳飲料の製造方法において「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」に「15%以下のエステル化度を有するペクチン」を混合する場合は、混合するLMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.05w/w%〜0.25w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。
これらを発酵した発酵物に、さらに「50%以上のエステル化度を有するペクチン」を混合する工程を含む発酵乳飲料の製造方法の場合は、発酵工程の前に「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」に混合するLMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.05w/w%〜0.25w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。そして、発酵物に添加するHMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.01w/w%〜0.5w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。
本発明の発酵乳飲料の製造方法において「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」に「15%以下のエステル化度を有するペクチン」および「50%以上のエステル化度を有するペクチン」を混合する場合は、混合するLMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.05w/w%〜0.25w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。また、HMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.01w/w%〜0.2w/w%であることが好ましく、特に0%を超えて0.05w/w%以下であることが好ましい。
これらを発酵した発酵物に、さらに「50%以上のエステル化度を有するペクチン」を混合する工程を含む発酵乳飲料の製造方法の場合は、発酵工程の前に「乳または乳由来のタンパク質を含む材料」に混合するLMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.05w/w%〜0.25w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。また、HMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.01w/w%〜0.2w/w%であることが好ましく、特に0%を超えて0.05w/w%以下であることが好ましい。
そして、発酵物に添加するHMペクチンの量が製造する発酵乳飲料の全量に対して0.01w/w%〜0.5w/w%であることが好ましく、特に0.1w/w%〜0.2w/w%であることが好ましい。
以下に本発明の実施例、試験例等を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
1.試料
1)乳または乳由来のタンパク質を含む材料として、脱脂粉乳を用いた。
2)15%以下のエステル化度を有するペクチンとして、LMペクチン(UTLP-100(DE値:7%))を用いた。
3)50%以上のエステル化度を有するペクチンとして、HMペクチン(UTHP-510(DE値:68%)またはUTHP-310(DE値:70%))を用いた。
4)市販の発酵乳飲料
明治ブルガリアのむヨーグルトプレーンLB81 (株式会社明治製) を用いた。
[実施例1]
発酵乳飲料の製造方法(1)
1)80gの脱脂粉乳および1g〜2gのLMペクチンを混合して予備混合物を得た。
2)上記1)の予備混合物を高速ミキサー(T.K. HOMOMIXER MARKII (プライミクス株式会社製)、3000rpm±200rpm)を使用し、60℃±5℃の水に混ぜ合わせることで混合物を得た。
3)上記2)の混合物を水槽内に置き、約90℃にて10分間熱した(水槽温度95℃)。
4)上記3)の混合物を攪拌しながら45℃まで冷却した。
5)上記4)の混合物に対して3w/w%となるように市販の発酵乳飲料をスターターとして添加し、その後620gとなるよう重量調整を行った。
6)上記5)の混合物を43℃に設定した発酵装置内に置き、pH4.35±0.05に至るまで発酵させた。
7)上記6)の発酵により得られたカードに380gの糖液を加えた後、高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用して10分間攪拌することでドリンクヨーグルトを得た。
8)上記7)にて得られたドリンクヨーグルトは約150バールにて約40℃で均質化した。
9)上記8)にて均質化した後、ドリンクヨーグルトを容器に入れ、10℃まで冷却し、保管した。
[実施例2]
発酵乳飲料の製造方法(2)
1)80gの脱脂粉乳、全量で1〜2gとなるように調製したLMペクチンおよびHMペクチンを混合して予備混合物を得た。
2)上記1)の予備混合物を高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用し、60℃±5℃の水に混ぜ合わせることで混合物を得た。
3)上記2)の混合物を水槽内に置き、約90℃にて10分間熱した(水槽温度95℃)。
4)上記3)の混合物を攪拌しながら45℃まで冷却した。
5)上記4)の混合物に対して3w/w%となるように市販の発酵乳飲料をスターターとして添加し、その後620gとなるよう重量調整を行った。
6)上記5)の混合物を43℃に設定した発酵装置内に置き、pH4.35±0.05に至るまで発酵させた。
7)上記6)の発酵により得られたカードに380gの糖液を加えた後、高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用して10分間攪拌することでドリンクヨーグルトを得た。
8)上記7)にて得られたドリンクヨーグルトは約150バールにて約40℃で均質化した。
9)上記8)にて均質化した後、ドリンクヨーグルトを容器に入れ、10℃まで冷却し、保管した。
[実施例3]
発酵乳飲料の製造方法(3)
1)80gの脱脂粉乳および1.5gのLMペクチンを混合して予備混合物を得た。
2)上記1)の予備混合物を高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用し、60℃±5℃の水に混ぜ合わせることで混合物を得た。
3)上記2)の混合物を水槽内に置き、約90℃にて10分間熱した(水槽温度95℃)。
4)上記3)の混合物を攪拌しながら45℃まで冷却した。
5)上記4)の混合物に対して3w/w%となるように市販の発酵乳飲料をスターターとして添加し、その後620gとなるよう重量調整を行った。
6)上記5)の混合物を43℃に設定した発酵装置内に置き、pH4.35±0.05に至るまで発酵させた。
7)上記6)の発酵により得られたカードに380gの糖とHMペクチン (0.1g〜1g)を加えた後、高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用して10分間攪拌することでドリンクヨーグルトを得た。
8)上記7)で得られたドリンクヨーグルトは約150バールにて約40℃で均質化した。
9)上記8)にて均質化した後、ドリンクヨーグルトを容器に入れ、10℃まで冷却し、保管した。
[実施例4]
発酵乳飲料の製造方法(4)
1)80gの脱脂粉乳、全量で1〜2gとなるように調製したLMペクチンおよびHMペクチンを混合して予備混合物を得た。
2)上記1)の予備混合物を高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用し、60℃±5℃の水に混ぜ合わせることで混合物を得た。
3)上記2)の混合物を水槽内に置き、約90℃にて10分間熱した(水槽温度95℃)。
4)上記3)混合物を攪拌しながら45℃まで冷却した。
5)上記4)の混合物に対して3w/w%となるように市販の発酵乳飲料をスターターとして添加し、その後620gとなるよう重量調整を行った。
6)上記5)の混合物を43℃に設定した発酵装置内に置き、pH4.35±0.05に至るまで発酵させた。
7)上記6)の発酵により得られたカードに380gの糖とHMペクチン (0.1g〜1g)を加えた後、高速ミキサー(3000rpm±200rpm)を使用して10分間攪拌することでドリンクヨーグルトを得た。
8)上記7)で得られたドリンクヨーグルトは約150バールにて約40℃で均質化した。
9)上記8)にて均質化した後、ドリンクヨーグルトを容器に入れ、10℃まで冷却し、保管した。
上記発酵乳飲料の製造方法(1)〜(4)によって製造され得る発酵乳飲料の配合表の一例を表1に示した。
[試験例]
1.試料
1)LMペクチン
UTLP-84(DE値:36%)、UTLP-30(DE値:25%)UTLP-100(DE値:5%、7%、10%、15%および20%)(いずれもユニテックフーズ社製)またはGENU(登録商標) LM-5CSJ(DE値:7%)(CPKelco社製)を用いた。
2)HMペクチン
UTHP-510(DE値:68%)またはUTHP-310(DE値:70%)を用いた。
3)供用物
乳酸カルシウム(扶桑化学株式会社製)またはアルギン酸ナトリウム(キッコーマンバイオケミファ株式会社製)を用いた。
4)コントロール
安定剤をなにも添加していないものを用いた。
5)市販品
明治ブルガリアのむヨーグルトプレーンLB81 (株式会社明治製)を用いた。
2.発酵乳飲料の評価方法
1)安定性評価
調製した発酵乳飲料を50mlの遠沈管に45g分注した。その後、10℃にて保管し、1日、7日および14日経過後にノギスを使用してホエイオフの高さを測定した。ホエイオフの高さを離漿の量として評価した。その結果、製造後14日を経過した段階でホエイオフが10mm未満であれば発酵乳飲料として安定していると評価した。
2)官能評価
調製後、10℃にて7日保管した発酵乳飲料を、5名の官能パネラーが摂食することによって、(ア)なめらかさ、(イ)濃厚感、(ウ)のどごしの3項目を1-5の点数をつけて段階的に評価した。
この評価ではなめらかさや適度な濃厚感が感じられる程5点に近く、低く感じられる程1点に近いとした。また、のどごしが良く感じられる程5点に近く、悪く感じられる程1点に近いとした。そして、5名のパネラーの評価結果の平均点を各指標の評価結果とした。
[試験例1]
LMペクチンの検討
LMペクチン(4種類)を添加量が発酵乳飲料の全量に対してそれぞれ0.15w/w%となるように用い、上記の発酵乳飲料の製造方法(1)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表2に示すようにエステル化度が低いLMペクチンを用いた場合にホエイオフが少なく、安定した発酵乳飲料が製造できることが確認された。また、LMペクチンとしてGENU(登録商標)LM-5CSJを使用した場合、多少のホエイオフは生じるもののUTLP-100 (DE値:7%)を使用した場合より若干多い程度であり、本発明の発酵乳飲料の製造方法に使用できることが確認できた。また、8日経過後の各発酵乳飲料の写真を図1に示した。
[試験例2]
LMペクチンの添加量の検討
LMペクチンの添加量が発酵乳飲料の全量に対して0.1w/w%または0.2w/w%となるようにUTLP-100(DE値7%)を用い、上記の発酵乳飲料の製造方法(1)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表3に示すように0.1w/w%となるように添加した場合と比べて0.2w/w%となるよう添加した場合にホエイオフが少なく、安定した発酵乳飲料が製造できることが確認された。
[試験例3]
LMペクチンのエステル化度の検討
LMペクチンとしてDE値が5%、10%、15%および20%のUTLP-100を発酵乳飲料の全量に対して0.15w/w%となるように用い、上記の発酵乳飲料の製造方法(1)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表4および図2に示すように、DE値が5%、10%および15%のLMペクチンを用いた場合、DE値が20%のLMペクチンを用いた場合と比べてホエイオフが少なく安定した発酵乳飲料が製造できることが確認された。図2は7日経過後の各発酵乳飲料の写真を示したものである。
また、表5に示すようにDE値が5%、10%および15%のLMペクチンを用いた発酵乳飲料は、いずれも適度な濃厚感があってのどごしの良いものであった。
[試験例4]
併用物の検討
LMペクチンの添加量が発酵乳飲料の全量に対して0.15w/w%となるようにUTLP-100(DE値:7%)を用いた。また、HMペクチンまたは併用物の添加量が発酵乳飲料の全量に対して表6に記載の添加量となるように用い、上記の発酵乳飲料の製造方法(2)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表6および図3に示すように併用物として乳酸カルシウムおよびアルギン酸ナトリウムを使用した場合はホエイオフが下部に現れ、LMペクチンとしてUTLP-100(DE値:7%)のみを使用した場合と比べて発酵乳飲料の安定性が低下した。図3は7日経過後の各発酵乳飲料の写真を示したものである。
一方、UTHP-510を使用した場合はホエイオフがほぼ生じず安定性が向上することが確認された。
さらに、表7に示すようにUTHP-510を併用物として使用した場合は、UTLP-100のみを使用した場合と比べてなめらかでのどごしも良い発酵乳飲料が得られることが確認できた。
[試験例5]
HMペクチンの配合割合の検討
LMペクチンおよび併用するHMペクチンの添加量が発酵乳飲料の全量に対して表8に記載の添加量となるように調製し、上記の発酵乳飲料の製造方法(2)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表8に示すようにHMペクチンとして0.01w/w% UTHP-510を、LMペクチンとして0.19w/w% UTLP-100 (DE値:7%)を併用して添加すると、最も安定性の高い発酵乳飲料が得られることが確認された。
さらに、表9に示すように0.01w/w% UTHP-510および0.19w/w% UTLP-100を併用して添加した場合に、最もなめらかで適度な濃厚感をもつ、のどごしの良い発酵乳飲料が得られることが確認できた。
[試験例6]
HMペクチンの検討
LMペクチンと併用するHMペクチンとしてUTHP-310を用い、これらの添加量が発酵乳飲料の全量に対して表10に記載の添加量となるように調製し、上記の発酵乳飲料の製造方法(2)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、表10に示すようにHMペクチンとしてUTHP-310を用いた場合でも、安定した発酵乳飲料が得られることが確認された。また、食感の面でも適度な濃厚感があってなめらかな好ましい発酵乳飲料であった。
[試験例7]
発酵乳飲料の全量に対してLMペクチン(UTLP-100 (DE値:7%))が0.1w/w%、HMペクチン(UTHP-510)も0.1w/w%となるように調製し、上記の発酵乳飲料の製造方法(3)にて発酵乳飲料を製造した。
その結果、図4に示すようにホエイオフが製造後1日で0mm、7日で3.73mm、14日で9.43mmと少なく、安定性が高くサラサラですっきりなめらかな発酵乳飲料が製造できることが確認された。
試験例1〜7の結果より、本願発明の発酵乳飲料の製造方法により、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料が製造できることが確認された。
本発明の製造方法により、長期間保存しても安定性が高く、なめらかでのどごしが良く、適度な濃厚感を有する発酵乳飲料の提供が可能となる。

Claims (4)

  1. 次の(A)および(B)の工程を含む発酵乳飲料の製造方法。
    (A)乳または乳由来のタンパク質を含む材料および15%以下のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
    (B)上記(A)の工程にて得られた混合物を熱処理したものに、乳酸菌を加えて発酵する工程
  2. 次の(C)および(D)の工程を含む発酵乳飲料の製造方法。
    (C)乳または乳由来のタンパク質を含む材料、15%以下のエステル化度を有するペクチンおよび50%以上のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
    (D)上記(C)の工程にて得られた混合物を熱処理したものに、乳酸菌を加えて発酵する工程
  3. さらに、次の(E)の工程を含む請求項1または2に記載の発酵乳飲料の製造方法。
    (E)上記(B)または(D)の工程にて得られた発酵物と50%以上のエステル化度を有するペクチンを混合する工程
  4. 乳または乳由来のタンパク質を含む材料が脱脂粉乳である請求項1〜3のいずれかに記載の発酵乳飲料の製造方法。
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