JP2018125655A - 音叉型振動子 - Google Patents

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Abstract

【課題】音叉型振動子の周波数変動を抑制する。
【解決手段】外部からの衝撃によって、腕部11,12の先端が、ベース4の底面に当接して破損するのを防止するために、ベース4には、腕部11,12の先端以外の当接部11b,12bに当接する枕部9が突設され、腕部11の前記枕部9に当接する当接部11b,12bは、電極が形成されていない無電極領域21,21とされ、枕部9との当接によって、電極が削れて周波数の変動が生じるのを防止している。
【選択図】図6

Description

本発明は、各種電子機器のクロック源などに用いられる音叉型振動子に関する。
音叉型振動子は、特にクロック源として時計を含む各種電子機器に発振回路と共に内蔵される。
かかる音叉型振動子では、パッケージ内に片持ち支持された音叉型振動片が、外部からの衝撃によって厚さ方向に撓んだときに、音叉型振動片の腕部の、損傷によって最も周波数が変動する先端が、パッケージの底面に当接して大きな衝撃が加わって損傷する虞がある。
このため、例えば、特許文献1では、パッケージの底面に枕部を設け、衝撃で音叉型振動片が撓んだ際に、前記枕部に、腕部の先端に至る途中の部分が当接することによって、腕部の先端がパッケージの底面に当たって損傷するのを防止するようにしている。
特許第5175128号公報
近年では、各種電子機器の小型化に伴い、内蔵される音叉型振動子には、平面視矩形の外形寸法が、例えば1.2mm×1.0mm以下、厚さが0.35mm以下といった超小型、薄型のものが求められるようになっている。
このような超小型、薄型の音叉型振動子では、上記のようにパッケージの底面に枕部を設けたものであっても、外部衝撃等によって、周波数変動を生じる場合がある。
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、周波数変動を抑制した良好な耐衝撃性を有する音叉型振動子を提供することを目的とする。
本件発明者らは、周波数変動を抑制するために、鋭意研究した結果、従来、腕部の先端部の全周に亘って形成されている腕先電極が、外部からの衝撃によって、パッケージ底面の枕部に当接することによって、部分的に削れ、これによって、周波数の変動が生じるとの知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明の音叉型振動子は、基部と該基部から延出する複数の腕部とを有する音叉型振動片と、前記音叉型振動片が収納されるパッケージとを備え、前記音叉型振動片は、前記基部が前記パッケージの収納部の電極に接合され、前記パッケージの収納部の底面には、前記音叉型振動片の自由端側である前記腕部が、前記底面側へ撓んだときに、前記腕部の先端以外の部分である当接部に当接して前記先端が、前記底面に当接するのを阻止する枕部が突設されている音叉型振動子であって、前記腕部の前記枕部に当接する前記当接部は、電極が形成されていない、振動片の素地が露出した無電極領域である。
前記無電極領域は、前記腕部の少なくとも前記当接部を含んで前記腕部の先端まで延びていてもよい。
本発明によると、外部からの衝撃によって、音叉型振動片が、厚さ方向に撓んだときに、自由端である腕部の先端は、腕部の前記先端に至る途中の当接部が、パッケージの底面に突設された枕部に当接することによって、パッケージの底面に当接するのが阻止されるので、損傷によって最も周波数変動が大きい腕部の前記先端が損傷するのを防止することができる。
更に、腕部の、パッケージの底面の枕部に当接する当接部は、電極が形成されていない無電極領域であるので、枕部との当接によって、電極が削れたりすることがなく、これによって、外部からの衝撃による周波数の変動を抑制することができる。
また、本発明の音叉型振動子は、基部と該基部から延出する複数の腕部とを有する音叉型振動片と、前記音叉型振動片が収納されるパッケージとを備え、前記音叉型振動片は、前記基部が前記パッケージの収納部の電極に接合され、前記パッケージの収納部の底面には、前記音叉型振動片の自由端側である前記腕部が、前記底面側へ撓んだときに、前記腕部の先端以外の部分である当接部に当接して前記先端が、前記底面に当接するのを阻止する枕部が突設されている音叉型振動子であって、前記腕部の前記枕部に当接する前記当接部には、前記枕部との当接による衝撃を緩衝する緩衝部が設けられる。
本発明によると、外部からの衝撃によって、音叉型振動片が、厚さ方向に撓んだときに、自由端である腕部の先端は、腕部の前記先端に至る途中の当接部がパッケージの底面に突設された枕部に当接することによって、パッケージの底面に当接するのが阻止されるので、損傷によって最も周波数変動が大きい腕部の前記先端が損傷するのを防止することができる。
更に、腕部の、パッケージの底面の枕部に当接する当接部には、衝撃を緩衝する緩衝部が設けられるので、枕部と緩衝部とが当接してその衝撃が緩衝され、電極が削れたりすることがなく、これによって、外部からの衝撃による周波数の変動を抑制することができる。
前記緩衝部は、金属膜からなるのが好ましく、金属膜の厚みは、1μm以上であるのが好ましい。
この構成によれば、緩衝部は1μm以上の厚みの金属膜からなるので、枕部との当接による衝撃を十分に緩衝することができる。
前記基部には、前記音叉型振動片を、前記パッケージの収納部の前記電極に接合するための金属バンプが形成されており、前記金属膜と前記金属バンプが同じ材質からなるのが好ましい。
この構成によれば、前記金属膜と前記金属バンプとを同一の工程で形成することができる。
前記腕部の表裏主面の一方の主面の先端側の領域には、周波数調整用金属膜が形成されており、前記当接部は、前記腕部の表裏主面の他方の主面にあるのが好ましい。
前記周波数調整用金属膜が形成されている前記先端側の領域の腕部の幅は、前記先端側の領域以外の腕部の幅より広いのが好ましい。
この構成によれば、周波数調整用金属膜の形成領域を幅方向に広くできるので、超小型の音叉型振動片であっても周波数調整量を多く確保することができる。
前記底面の前記枕部は、片持ち支持された前記音叉型振動片の前記腕部の幅広の前記先端側の領域に対向するように、前記腕部の延出方向に直交する方向に延びているのが好ましい。
この構成によれば、音叉型振動片の基部を、パッケージの収納部の電極に接合させてパッケージに搭載する際に、基部の幅方向で搭載にばらつきが生じても、腕部の幅広の領域に対向するように延びている枕部を、音叉型振動片が撓んだときに、当接させることができる。
本発明によれば、外部からの衝撃によって、音叉型振動片が、厚さ方向に撓んだときに、自由端である腕部の先端は、腕部の前記先端に至る途中の当接部がパッケージの底面に突設された枕部に当接することによって、パッケージの底面に当接するのが阻止されるので、最も周波数変動が大きい腕部の前記先端が損傷するのを防止することができる。
更に、腕部の、パッケージの底面の枕部に当接する当接部は、電極が形成されていない無電極領域とされ、あるいは、前記当接部には、当接による衝撃を緩衝する緩衝部が設けられるので、枕部との当接によって、電極が削れたりすることがなく、これによって、外部からの衝撃による周波数の変動を抑制し、良好な耐衝撃性を有する音叉型振動子を得ることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る音叉型水晶振動子の概略断面図である。 図2は図1の音叉型水晶振動子の蓋体を外した状態の平面図である。 図3は音叉型水晶振動片の一方の主面側を示す図である。 図4は音叉型水晶振動片の他方の主面側を示す図である。 図5は音叉型水晶振動片に対するレーザービームの照射による周波数の粗調整を説明するための図である。 図6はパッケージ内に収納された音叉型水晶振動片の先端部付近を示す概略断面図である。 図7は電極形成工程、錘付け工程、及び、レーザー加工工程の目標周波数を説明するための図である。 図8は従来例の図7に対応する図である。 図9は本発明の他の実施形態の図4に対応する図である。 図10は図9の実施形態の図6に対応する概略断面図である。 図11は本発明の更に他の実施形態を示す図である。 図12は本発明の他の実施形態の音叉型水晶振動片の外形図である。 図13は本発明の更に他の実施形態の音叉型水晶振動片の外形図である。 図14は本発明の他の実施形態の音叉型水晶振動片の外形図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係る音叉型水晶振動子の概略断面図であり、図2は、図1の蓋体5を外した状態の平面図であり、図3は、音叉型水晶振動片3の一方の主面側を示す図であり、図4は、音叉型水晶振動片3の他方の主面側を示す図である。図3では、説明の便宜上、音叉型水晶振動片3は、レーザービームの照射によって周波数調整用金属膜19,20の一部が除去される前の状態を示している。また、図2では、レーザービームの照射によって周波数調整用金属膜19,20の一部が除去されて水晶26の素地が露出している状態が示されている。
この実施形態の音叉型水晶振動子1は、セラミック等からなるパッケージ2内に、音叉型水晶振動片3が収納されている。パッケージ2は、パッケージ本体としてのベース4と蓋体5とが、封止部材6を介して接合されている。具体的には、上部が開口したベース4の一対の電極パッド7,7上に、音叉型水晶振動片3が接合材としての一対の金属バンプ8,8を介して接合され、ベース4の開口を封止するように、板状の蓋体5を接合した構成となっている。接合材としては、金属バンプ8に限らず、導電性樹脂接着剤、ろう材などを用いてもよい。
この実施形態の音叉型水晶振動子1の公称周波数は32.768kHzとなっている。なお、公称周波数は一例であり、他の周波数にも適用可能である。
パッケージ2のベース4は、セラミック材料やガラス材料からなる絶縁性の容器体である。本実施形態では、ベース4は、セラミック材料からなり、焼成によって形成されている。ベース4は、周囲に周壁部4aを有し、上部が開口した断面視凹形状で、ベース4の内部は、音叉型水晶振動片3の収納部となっている。ベース4の長手方向(図1,図2の左右方向)の一端側の底面には、一対の上記電極パッド7,7が形成されており、配線パターン(図示せず)を介してベース4の裏面の図示しない端子電極に電気的に接続されている。ベース4の長手方向の他端側の底面には、外部からの衝撃によって、片持ち支持された音叉型水晶振動片3が、ベース4の底面側に撓んだ際に、自由端側である音叉型水晶振動片3の先端が、ベース4の底面に当接して損傷するのを防止するための枕部9が、ベース4の長手方向に直交する方向(図2の上下方向)に延びるように設けられている。
蓋体5は、例えば金属材料やセラミック材料、ガラス材料などからなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。この実施形態では、蓋体5は、金属材料からなる。
この実施形態の音叉型水晶振動子1は、超小型、薄型の音叉型水晶振動子であり、そのパッケージ2の平面視矩形の外形寸法は、例えば1.2mm×1.0mmであり、蓋体5を含む厚さ(高さ)は、例えば、0.35mmである。
なお、本発明は、当該外形寸法に限定されるものではなく、例えば、音叉型水晶振動子のパッケージの平面視矩形の外形寸法が、例えば2.0mm×1.6mmや、1.6mm×1.0mmであってもよく、蓋体5を含む厚さが、例えば、0.45mmであってもよい。
この実施形態では、図1に示されるベース4の底部の厚みt1は、例えば0.09mmであって、ベース4の周壁部4aの厚み(高さ)t2は、例えば0.15mmであって、かかるベース4の凹部内に、厚みが、例えば0.08mm程度の音叉型水晶振動片3が収納されるので、パッケージ2内の音叉型水晶振動片3の上下のクリアランスは、例えば0.035mm程度となる。
音叉型水晶振動片3は、図示しない1枚の水晶ウェハから成形され、音叉型水晶振動片3の外形は、フォトリソグラフィ技術(フォトリソ工法)を用いて、レジストまたは金属膜をマスクとして例えばウェットエッチングによって一括して多数成形される。
音叉型水晶振動片3は、図3、図4に示すように、基部10と、基部10の一方の端面側から平行に延出された振動部である一対の第1,第2腕部11,12とを備える。基部10は、第1,第2腕部11,12の延出方向とは逆方向に延びて、ベース4に接合される接合部13を含んでいる。この実施形態の接合部13は、第1,第2腕部11,12の延出方向とは逆方向に延びて、更に、前記延出方向に直交する方向の一方(図3では右方)へ延びている。
一対の第1,第2腕部11,12は、その先端部11a,12aが、他の部分に比べて、各腕部11,12の延出方向に直交する方向、すなわち、幅方向(図3,図4の左右方向)に広く形成されており、図3に示すように、その幅はW1である。ベース4の底面の枕部9は、図2に示されるように、第1,第2腕部11,12の先端部11a,12aの幅W1の幅広領域に対向するように突設されている。この枕部9の突出高さ、すなわち、厚みは、例えば0.01mmである。
また、第1,第2腕部11,12には、図3及び図4に示される両主面に、各腕部11,12の延出方向に沿って延びる各溝部14,14が、それぞれ形成されている。
音叉型水晶振動片3には、2つの第1励振電極15及び第2励振電極16と、これら各励振電極15,16を、ベース4の電極パッド7,7にそれぞれ電気的に接続させるために、各励振電極15,16からそれぞれ引き出された引出電極17,18とが設けられている。2つの第1,第2励振電極15,16の一部は、両主面の溝部14,14の内部に形成されている。
第1励振電極15は、第1腕部11の溝部14を含む両主面と第2腕部12の両側面に形成されており、上記引出電極17に共通接続されている。同様に、第2励振電極16は、第2腕部12の溝部14を含む両主面と第1腕部11の両側面に形成されており、上記引出電極18に共通接続されている。
また、図3に示される一方の主面側の第1腕部11及び第2腕部12の先端部11a,12aの幅広領域には、腕先電極25,24がそれぞれ形成されている。先端部11aに形成された腕先電極25は、第1腕部11の両側面に形成された第2励振電極16に接続されており、先端部12aに形成された腕先電極24は、第2腕部12の両側面に形成された第1励振電極15に接続されている。
この実施形態では、後述のように、外部からの衝撃による周波数の変動を抑制するために、図4に示されるように、ベース4の底面に対向する他方の主面側における、第1腕部11及び第2腕部12の先端部11a,12aの幅広領域には、基部10側の一部を除いて腕先電極24,25は、形成されておらず、水晶の素地が露出した無電極領域21,21としている。
図3に示される一方の主面側の幅広の各先端部11a,12aの腕先電極25,24上には、レーザービームなどのビーム照射によって金属膜の質量削減を行うことで音叉型水晶振動片3の周波数を粗調整するための周波数調整用金属膜19,20が、各腕先電極25,24に比べて若干小さな面積で形成されている。周波数調整用金属膜19,20は、各腕部11,12の先端、すなわち、幅広の各先端部11a,12aの先端までそれぞれ延びている。
音叉型水晶振動片3の第1,第2励振電極15,16、引出電極17,18及び腕先電極24,25は、金属蒸着によって各腕部11,12上にクロム層が形成され、このクロム層上に金属、例えば金が形成されて構成される薄膜である。この薄膜は、真空蒸着法やスパッタリング法等の手法により基板全面に形成された後、フォトリソグラフィ法によりメタルエッチングして所望の形状に形成される。なお、第1,第2励振電極15,16、引出電極17,18及び腕先電極24,25は、クロム、金に限らず、クロム、銀などであってもよい。
各腕部11,12の各先端部11a,12aにそれぞれ形成された周波数調整用金属膜19,20は、例えば、電解めっき法などの手法によりめっき形成され、これらの金属膜19,20をめっき形成する際には、後述の金属バンプ8と同じ工程で同時に形成するのが好ましい。本実施形態では、周波数調整用金属膜19,20として金(Au)が使用されている。
図4に示される他方の主面側の接合部13には、ベース4の各電極パッド7,7との接合部位となる、例えば金からなる2つの金属バンプ8,8が形成される。具体的には、一方の金属バンプ8は、第1接合部13bの、第1励振電極15から引き出された引出電極17上に形成され、他方の金属バンプ8は、第2接合部13aの、第2励振電極16から引き出された引出電極18上に形成される。基部10の一部を構成する接合部13は、ベース4の各電極パッド7,7に接合されて、音叉型水晶振動片3を支持する支持部として機能する。金属バンプ8,8の平面視形状は、楕円形であるが、円形状、あるいは、長方形や正方形を含む多角形状のものなどであってもよい。この金属バンプ8,8は、電解めっき法などの手法によりめっき形成する。
上記のように、周波数調整用金属膜19,20が形成された第1,第2腕部11,12の先端部11a,12aの幅W1は、他の部分の幅W2に比べて幅方向に広く形成されており、この実施形態では、他の部分の幅の、例えば3倍以上となっている。
このように周波数調整用金属膜19,20が形成された第1,第2腕部11,12の先端部11a,12aが、幅広であるのは次の理由による。
音叉型水晶振動子の周波数は、音叉型水晶振動片の腕部の長さの二乗に反比例し、腕部の幅に比例する。したがって、音叉型水晶振動子の超小型化を図るために、音叉型振動片の腕部の長さを短くしようとすると、周波数が大きくなるので、それを抑制するためには、腕部の先端側の周波数調整用の錘部となる金属膜の形成領域を大きくしなればならない。なお、腕部の幅を狭くして、周波数が大きくなるのを抑制することも考えられるが、腕部の幅を狭くすると、CI(クリスタルインピーダンス)値が非常に悪くなる。
このため、CI値を悪化させずに、音叉型水晶振動子の超小型化を図ろうとすると、片持ち支持された音叉型水晶振動片の錘部となる周波数調整用金属膜が形成される先端部が大きくなり、腕部の長さを短くしようとすると、上記のように幅広となる。
このように音叉型水晶振動片の腕部の先端部が大きくなると、外部からの衝撃によって撓み易くなる。
更に、音叉型水晶振動子の薄型化を図ろうとすると、パッケージ内の音叉型水晶振動片の上下のクリアランスが小さくなる。
したがって、従来の超小型で薄型の音叉型水晶振動子では、ベースの底面に、枕部を突設し、外部からの衝撃によって、片持ち支持された音叉型水晶振動片が撓んだときに、自由端である振動腕の先端に至る途中の当接部が、枕部に当接することによって、振動腕の、損傷によって最も周波数が変動する先端が、ベースの底面に当接しないようにしているが、耐衝撃試験を行うと、周波数がプラス側へ変動する場合があり、耐衝撃性が十分でない。
本件発明者らは、耐衝撃試験によって、周波数のプラス側の変動が認められた音叉型水晶振動子のパッケージを開封し、音叉型水晶振動片を外して観察したところ、音叉型水晶振動片が撓んだときに、枕部に当接する、腕部の先端部の腕先電極が部分的に削れていることを確認した。
そこで、この実施形態では、上記のように、ベース4の底面に対向する他方の主面側において、図4に示されるように、第1腕部11及び第2腕部12の先端部11a,12aの幅広領域には、基部10側の一部を除いて腕先電極24,25は、形成されておらず、水晶の素地が露出した無電極領域21,21としている。
上記のように、音叉型水晶振動片3の一方の主面側に形成された周波数調整用金属膜19,20は、レーザービームなどのビーム照射によってその一部が除去されて周波数の粗調整が行われる。
図5は、レーザービーム照射による周波数の粗調整を説明するための図である。この図5では、両腕部11,12の内、第1腕部11の先端部11aの周波数調整用金属膜19に対するレーザービームの照射の状態を代表的に示しているが、第2腕部12の先端部12aの周波数調整用金属膜20に対するレーザービームの照射も同様である。
このレーザービームの照射は、水晶ウェハ状態の各々の音叉型水晶振動片3の他方の主面側にレーザービーム照射源(図示せず)を対向させて、一方の主面側の周波数調整用金属膜19を除去するようにしている。
このレーザービームの照射は、質量の減少による周波数の上昇が最も大きい先端側(図5の右側)から、第1腕部11の幅方向(図5の紙面に垂直方向)に沿って走査が開始され、第1腕部11の基部10側(図5の左側)へ向かって順次移動させて走査される。
照射されたレーザービームは、水晶ウェハ状態の各々の音叉型水晶振動片3の他方の主面側から音叉型水晶振動片3の内部の水晶26を透過して、反対側の一方の主面側に形成された周波数調整用金属膜19に至り、一方の主面側の腕先電極25及び周波数調整用金属膜19が除去される。
このように周波数調整用金属膜19に対して、レーザービームを、上方から音叉型水晶振動片3の内部の水晶26を通り抜けるように照射して、一方の主面側のみに形成された周波数調整用金属膜19を除去するので、周波数調整用金属膜19の金属屑が、周波数調整用金属膜19から遠ざかるように下方へ飛散し、音叉型水晶振動片3へ再付着するのを防止することができる。なお、周波数調整用金属膜に対して、レーザービームを、下方から音叉型水晶振動片の内部の水晶を通り抜けるように照射してもよい。この実施形態では、レーザービームとしてグリーンレーザーを用いているが、YAGレーザーや他の波長を有するレーザーを使用してもよい。
水晶ウェハの状態で、レーザービームの照射によって周波数の粗調整がされた多数の音叉型水晶振動片3は、水晶ウェハから個片の音叉型水晶振動片3としてそれぞれ分離され、パッケージ2のベース4の電極パッド7に接合されて実装される。なお、音叉型水晶振動片3を、パッケージ2のベース4の電極パッド7に接合させた状態で、最終の周波数微調整が行われるが、周波数調整用金属膜19,20は、周波数微調整が行われる一方の主面側のみに形成されているので、効率的であると共に、金属の使用量を低減することができる。
図6はパッケージ2内に収納された状態の音叉型水晶振動片3の先端部付近を示す概略断面図である。この図6では、両腕部11,12の内、第1腕部11の先端部11aを代表的に示しているが、第2腕部12の先端部12aも同様である。
音叉型水晶振動片3は、パッケージ2内に収納された状態では、一方の主面側に形成された周波数調整用金属膜19が、蓋体5の内面に対向し、他方の主面側が、ベース4の底面に対向する。
外部からの衝撃によって、片持ち支持された音叉型水晶振動片3がベース4の底面側に撓んだときには、ベース4の底面の枕部9に、第1腕部11の先端以外の部分である当接部11bが当接することによって、第1腕部11の幅広の先端部11aの先端が、ベース4の底面に当接して損傷するのを防止している。同様に、第2腕部12の当接部12b(図示せず)も、音叉型水晶振動片3がベース4の底面側に撓んだときに、枕部9に当接することによって、第2腕部12の幅広の先端部12aの先端が、ベース4の底面に当接して損傷するのを防止している。
更に、図6に示すように第1腕部11の先端部11aの他方の主面側に設けられる無電極領域21は、外部からの衝撃によって、片持ち支持された音叉型水晶振動片3がベース4の底面側に撓んだときに、枕部9に当接する第1腕部11の当接部11bを少なくとも含むと共に、第1腕部11の幅広の先端部11aの先端まで延びている。同様に、第2腕部12の先端部12aの無電極領域21も、音叉型水晶振動片3が撓んだときに、枕部9に当接する第2腕部12の当接部12bを少なくとも含むと共に、第2腕部12の幅広の先端部12aの先端まで延びている。
このようにベース4の底面の枕部9に当接する第1,第2腕部11,12の当接部11b,12bは、腕先電極が形成されていない無電極領域21,21であるので、枕部9との当接によって、腕先電極が削れることがなく、これによって、外部からの衝撃による周波数が、プラス側へ変動するのを抑制することができる。
なお、無電極領域21は、枕部9に当接する第1,第2腕部11,12の当接部11b,12bのみならず、第1,第2腕部11,12の先端まで延びて形成されたが、当接部11b,12bのみ無電極領域としてもよい。
この実施形態では、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3が、ベース4の底面側に撓んだときに、ベース4の底面の枕部9に、各腕部11,12の当接部11b,12bが当接することによって、各腕部11,12の先端が、ベース4の底面に当接して損傷するのを防止するのに加えて、音叉型水晶振動片3が、蓋体5側へ撓んだときに、各腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの先端が、蓋体5の内面に当接して損傷するのを防止している。
すなわち、この実施形態では、レーザービームの照射によって、その一部が除去された周波数調整用金属膜19,20は、蓋体5の内面に対向し、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、蓋体5側へ撓んだときに、蓋体5の内面に当接し、これによって、各腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの先端が、蓋体5の内面に当接するのを阻止している。
このため、周波数調整用金属膜19,20の厚みを厚くし、例えば9μm以上の厚さとしている。この実施形態では、周波数調整用金属膜19,20は、上記のようにめっきによって形成され、その膜厚は、例えば10μm程度としている。
水晶ウェハ状態の各音叉型水晶振動片3の周波数を、所要の周波数範囲内に収めるために行われるレーザービームの照射による周波数の粗調整では、周波数調整用金属膜19,20の除去量は、各音叉型水晶振動片3で異なることになるが、この実施形態では、レーザービームの照射による粗調整が行われた後に、周波数調整用金属膜19,20が、腕部11,12の長手方向(図6の左右方向)に沿って、周波数調整用金属膜の形成領域の長手方向の半分を超えて残存するようにしている。
すなわち、粗調整が行われた後の図6に示される周波数調整用金属膜19,20の長手方向の長さL2は、粗調整が行われる前の図5に示される周波数調整用金属膜19,20の長手方向の長さをL1とすると、
L2>0.5L1
としている。
この実施形態では、上記L1は、例えば0.2mmであり、したがって、上記L2は、例えば0.1mmを超える長さとなる。
このようにレーザービームの照射によって、除去される周波数調整用金属膜19,20は、その長手方向に沿う長さL1の半分以下である、すなわち、周波数調整用金属膜19,20は、その長手方向に沿う長さL1の半分を超えて残存するので、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、蓋体5側へ撓んだときに、残存する周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接し、これによって、各腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの先端が、蓋体5の内面に当接するのが阻止され、各腕部11,12の先端が損傷しないようにしている。
また、周波数調整用金属膜19,20は、その厚さtが、例えば9μm以上と厚いので、周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接したときの衝撃を緩和することができる。
また、上記のように、粗調整が行われた後の周波数調整用金属膜19,20の長手方向の長さL2が、例えば0.1mmを超えるので、周波数調整用金属膜19,20の除去された部分の先端からの長さdは、例えば0.1mm以下となる。なお、周波数調整用金属膜19,20のレーザービームの照射によって除去された部分の長さdは、上記のように、音叉型水晶振動片毎に異なり、d=0の場合もある。
ここで、図3に示す音叉型水晶振動片3の長さをLとすると、この実施形態では、Lは、例えば0.9mmである。
したがって、音叉型水晶振動片3の長さLに対する、周波数調整用金属膜19,20のレーザービームの照射によって除去された部分の長さdの比は、dが0.1mm以下であるので、
d/L≦0.1/0.9=0.11
すなわち、
d/L≦0.11
となる。
また、周波数調整用金属膜19,20の厚さをt、蓋体5の内面から腕部11の周波数調整用金属膜19,20が形成されていない部分までの間隔をHとすると、この実施形態では、間隔Hは、例えば35μmであり、周波数調整用金属膜19,20の厚さtは、例えば9μm以上、15μm以下であるのが好ましい。
したがって、前記間隔Hに対する、周波数調整用金属膜19,20の厚さtの比t/Hは、
9/35=0.257
15/35=0.429
となり、
好ましい範囲は、
0.25≦t/H≦0.43
となる。
すなわち、前記間隔Hに対する、周波数調整用金属膜19,20の厚さtの比は、0.25以上、0.43以下であるのが好ましい。
なお、周波数調整用金属膜19,20の厚さtが、9μm未満になると、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、蓋体5側へ撓んだときに、残存する周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接する前に、各腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの先端が、蓋体5の内面に当接して前記先端が損傷することがある。また、周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接したときの衝撃を十分に緩衝することができない。
また、周波数調整用金属膜19,20の厚さtが、15μmを超えると、外部から僅かな衝撃が加わっただけで、残存する周波数調整用金属膜19,20が金属製の蓋体5に接触してしまう虞がある。
上記のように、レーザービームの照射によって、除去される周波数調整用金属膜19,20の長手方向に沿う長さを、半分以下にするために、この実施形態では、水晶ウェハの状態、すなわち、水晶ウェハに複数の音叉型振動片が一体的に連結された状態で、音叉型振動片の基部及び該基部から延出する複数の腕部に電極を形成する電極形成工程における第1目標周波数を、従来の第1目標周波数よりも高くしている。
図7は、この実施形態における電極形成工程、周波数調整用金属膜19,20を形成する錘付け工程、及び、レーザービームの照射による周波数の粗調整(レーザー加工)工程の目標周波数を説明するための図であり、図8は、従来例の図7に対応する図であり、横軸は周波数を、縦軸は度数を示している。
この実施形態では、水晶ウェハに複数の音叉型振動片が一体的に連結された状態で、音叉型振動片の基部及び該基部から延出する複数の腕部に電極を形成する電極形成工程における図7に示される第1目標周波数fo1を、図8に示される従来例の電極形成工程における図8に示される第1目標周波数fo1´よりも高い周波数としている。
音叉型水晶振動片3の各腕部11,12の先端部11a,12aに周波数調整用金属膜19,20を形成する錘付け工程における図7に示される第2目標周波数fo2は、従来例の錘付け工程における図8に示される第2目標周波数fo2と同じである。
したがって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12の先端部11a,12aに周波数調整用金属膜19,20を形成する錘付け工程における周波数調整用金属膜19,20の形成量(錘付け量)は、従来例に比べて多い。
錘付け工程後のレーザービームの照射による周波数の粗調整工程における第3目標周波数fo3は、上記公称周波数32.768kHzであり、従来例のレーザービームの照射による周波数の粗調整工程における図8に示される第3目標周波数fo3と同じである。
したがって、レーザービームの照射による周波数の粗調整工程における周波数調整用金属膜19,20の除去量は、従来例と略同じである。
レーザービームの照射によって周波数の粗調整がされた水晶ウェハ状態の多数の音叉型水晶振動片3は、水晶ウェハから折り取られて個々の音叉型水晶振動片3に分離され、パッケージ2のベース4の電極パッド7に、音叉型水晶振動片3の金属バンプ8が接合されてベース2内に収容され、蓋体5で封止される。
この実施形態では、電極形成工程における音叉型振動片の第1目標周波数fo1と錘付け工程における第2目標周波数fo2との周波数の差の絶対値|fo1−fo2|に対する、第2目標周波数fo2と粗調整工程における第3目標周波数fo3との周波数の差の絶対値|fo2−fo3|の比率(|fo2−fo3|/|fo1−fo2|)を、0.5以下としている、すなわち、
(|fo2−fo3|/|fo1−fo2|)≦0.5
この実施形態では、この比率(|fo2−fo3|/|fo1−fo2|)を、例えば、0.4程度としている。
このようにすることによって、錘付け工程で各腕部11,12の端部に形成する周波数調整用金属膜19,20の形成量に対する、粗調整工程で除去する周波数調整用金属膜19,20の除去量の割合を、従来例に比べて小さくすることができる。
これによって、粗調整工程後の周波数調整用金属膜19,20を、長手方向に沿って半分を超えて残存させることができる。
したがって、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、蓋体5側へ撓んだときに、残存する周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接し、各腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの先端が、蓋体5の内面に当接して損傷するのを防止することができ、周波数変動を抑制することができる。
この実施形態によれば、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、ベース4側へ撓んで、各腕部11,12の各当接部11b,12bが、ベース4の底面の枕部9に当接しても、従来のように腕先電極が削れて周波数が変動するといったことがない。
更に、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、枕部9が突設されたベース4とは反対側の蓋体5側へ撓んだときには、残存する周波数調整用金属膜19,20が、蓋体5の内面に当接し、各腕部11,12の先端が、蓋体5の内面に当接して損傷するのを防止して周波数変動を抑制することができる。
このように外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3の各腕部11,12が、ベース4側に撓むことに起因する周波数変動、及び、蓋体5側に撓むことに起因する周波数変動のいずれの周波数変動も抑制することができ、良好な耐衝撃性を有する音叉型水晶振動子を得ることができる。
上記実施形態では、レーザービームを照射して周波数を調整したが、レーザービーム以外のイオンビームなどの他のエネルギービームを使用してもよい。
[実施形態2]
図9は、本発明の他の実施形態の図4に対応する図であり、上述の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
上述の実施形態では、外部からの衝撃によって、第1,第2腕部11,12が、ベース4の底面側へ撓んだときに、枕部9に当接する当接部11b,12bを少なくとも含む領域を、腕先電極が形成されていない無電極領域21,21としたが、この実施形態では、従来と同様に、第1,第2腕部11,12の先端部11a,12aの全周に亘って腕先電極25,24が形成されている。
この実施形態では、図9及び図10の概略断面図に示されるように、ベース4の底面に対向する他方の主面側には、外部からの衝撃によって、第1,第2腕部11,12が、ベース4の底面側へ撓んだときに、枕部9に当接する領域に、当接の際の衝撃を緩衝する緩衝部としての金属膜22,22がそれぞれ形成されている。
この金属膜22は、緩衝効果が得られるように、厚さが1μm以上、この例では、例えば10μmであり、上記金属バンプ8と同様に、例えば金からなり、電解めっき法などの手法によりめっき形成する。したがって、この金属膜22は、金属バンプ8と同時に形成することができる。
この金属膜22は、外部からの衝撃によって、第1,第2腕部11,12が、ベース4の底面側へ撓んだときに、枕部9に当接する領域に設けられるものである。この実施形態では、金属膜22は、第1,第2腕部11,12の幅広の先端部11a,12aの幅方向の中央位置であって、基部10側に設けられており、平面視略円形である。
このように第1,第2腕部11,12の、ベース4の底面の枕部9に当接する領域には、枕部9との当接による衝撃を緩衝する金属膜22,22が、1μm以上の厚さでそれぞれめっきによって形成されているので、外部からの衝撃によって、音叉型水晶振動片3が撓んで、各腕部11,12の金属膜22,22が、ベース4の底面の枕部9に当接しても、金属膜22,22が剥離しにくく、その当接の衝撃が、金属膜22,22によって充分に緩衝され、腕先電極25が削れるといったことがなく、外部からの衝撃による周波数が、プラス側へ変動するのを抑制することができる。また、図10の断面概略図に示されるように、音叉型水晶振動片3の他方の主面側の金属膜22の形成位置は、腕部の先端以外の部分である当接部であるため、レーザービームの照射によって周波数調整用金属膜の腕部の先端側の部分が削られても、金属膜22は削減されることがない。これにより、音叉型水晶振動片3と枕部との当接の衝撃を、金属膜22によって緩衝できるとともに、残存した周波数調整用金属膜によって各腕部の先端部と蓋体の内面との接触も防止できる。
なお、緩衝部としての金属膜22は、一箇所に限らず、複数個所、例えば、図11(a)に示すように、二箇所設けてもよい。
また、金属膜22は、平面視円形に限らず、他の形状でもよく、例えば、図11(b)に示すように、各腕部11,12の各先端部11a,12aの幅方向に沿って平面視長方形に形成してもよい。
この実施形態では、緩衝部である金属膜22が形成された部分には、腕先電極24,25が形成されたが、本発明の他の実施形態として、緩衝部である金属膜22の周囲の領域には腕先電極を形成することなく、水晶素地が露出した無電極領域としてもよい。
上記各実施形態では、基部10の一部を構成する接合部13は、第1,第2腕部11,12の延出方向とは逆方向に延びて、前記延出方向に直交する方向の一方(図3では右方)へ延びていたが、接合部13は、図12の音叉型水晶振動片3の外形図に示すように、前記直交する方向の両方(図12の左方及び右方)へ延びる左右対称な形状であってもよく、あるいは、図13に示すように、前記直交する方向の両方(図13の左方及び右方)へ延びて、更に、第1,第2腕部11,12の延出方向にそれぞれ平行に延びる左右対称な形状であってもよく、あるいは、図14に示すように、第1,第2腕部11,12の間から、第1,第2腕部11,12の延出方向と同方向に延びる形状であってもよい。これら各形状の音叉型水晶振動片3では、ベース4の各電極パッド7,7に接合される接合部位である2つの金属バンプ8,8は、図12〜図14に示すように、接合部13の上記のように延びた終端付近とすることができる。なお、接合部13は、前記延出方向に直交する方向へ延びる部分や前記延出方向と同方向へ延びる部分が形成されていなくてもよい。
上記各実施形態では、音叉型水晶振動片に適用して説明したが、これに限るものではなく、水晶以外の他の圧電材料を用いてもよい。
1 音叉型水晶振動子
2 パッケージ
3 音叉型水晶振動片
4 ベース
5 蓋体
7 電極パッド
8 金属バンプ
9 枕部
10 基部
11 第1腕部
12 第2腕部
13 接合部
15 第1励振電極
16 第2励振電極
17,18 引出電極
19,20 周波数調整用金属膜
21 無電極領域
22 金属膜(緩衝部)
24,25 腕先電極
26 水晶
すなわち、本発明の音叉型振動子は、基部と該基部から延出する複数の腕部とを有する音叉型振動片と、前記音叉型振動片が収納されるパッケージとを備え、前記音叉型振動片は、前記基部が前記パッケージの収納部の電極に接合され、前記パッケージの収納部の底面には、前記音叉型振動片の自由端側である前記腕部が、前記底面側へ撓んだときに、前記腕部の先端以外の部分である当接部に当接して前記先端が、前記底面に当接するのを阻止する枕部が突設されている音叉型振動子であって、前記腕部の前記枕部に当接する前記当接部は、電極が形成されていない、振動片の素地が露出した無電極領域であり、前記無電極領域は、前記腕部の少なくとも前記当接部を含んで前記腕部の先端まで延びている

Claims (9)

  1. 基部と該基部から延出する複数の腕部とを有する音叉型振動片と、前記音叉型振動片が収納されるパッケージとを備え、前記音叉型振動片は、前記基部が前記パッケージの収納部の電極に接合され、前記パッケージの収納部の底面には、前記音叉型振動片の自由端側である前記腕部が、前記底面側へ撓んだときに、前記腕部の先端以外の部分である当接部に当接して前記先端が、前記底面に当接するのを阻止する枕部が突設されている音叉型振動子であって、
    前記腕部の前記枕部に当接する前記当接部は、電極が形成されていない、振動片の素地が露出した無電極領域である、
    ことを特徴とする音叉型振動子。
  2. 基部と該基部から延出する複数の腕部とを有する音叉型振動片と、前記音叉型振動片が収納されるパッケージとを備え、前記音叉型振動片は、前記基部が前記パッケージの収納部の電極に接合され、前記パッケージの収納部の底面には、前記音叉型振動片の自由端側である前記腕部が、前記底面側へ撓んだときに、前記腕部の先端以外の部分である当接部に当接して前記先端が、前記底面に当接するのを阻止する枕部が突設されている音叉型振動子であって、
    前記腕部の前記枕部に当接する前記当接部には、前記枕部との当接による衝撃を緩衝する緩衝部が設けられる、
    ことを特徴とする音叉型振動子。
  3. 前記無電極領域は、前記腕部の少なくとも前記当接部を含んで前記腕部の先端まで延びている、
    請求項1に記載の音叉型振動子。
  4. 前記緩衝部が、金属膜からなる、
    請求項2に記載の音叉型振動子。
  5. 前記金属膜の厚みが、1μm以上である、
    請求項4に記載の音叉型振動子。
  6. 前記基部には、前記音叉型振動片を、前記パッケージの収納部の前記電極に接合するための金属バンプが形成されており、前記金属膜と前記金属バンプが同じ材質からなる、
    請求項4または5に記載の音叉型振動子。
  7. 前記腕部の表裏主面の一方の主面の先端側の領域には、周波数調整用金属膜が形成されており、
    前記当接部は、前記腕部の表裏主面の他方の主面にある、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の音叉型振動子。
  8. 前記周波数調整用金属膜が形成されている前記先端側の領域の腕部の幅は、前記先端側の領域以外の腕部の幅より広い、
    請求項7に記載の音叉型振動子。
  9. 前記底面の前記枕部は、片持ち支持された前記音叉型振動片の前記腕部の幅広の前記先端側の領域に対向するように、前記腕部の延出方向に直交する方向に延びている、
    請求項8に記載の音叉型振動子。
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