以下に添付図面を参照して、この発明にかかる地域支援装置、地域支援方法および地域支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(地域支援システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置を含む地域支援システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置を含む地域支援システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の地域支援システム100は、地域支援装置110と、利用者の端末装置120と、店舗の端末装置130と、を含んで構成されている。地域支援システム100は、決済をおこなった利用者を特定し、当該利用者がおこなった決済金額に応じて、当該利用者があらかじめ指定した支援地域を含む所定範囲内で利用可能な特典を提供する地域支援サービスを提供する。
地域支援装置110は、たとえば、地域支援システム100の運用者などによって管理される、汎用的なサーバコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(図2Aを参照)。具体的に、地域支援装置110は、たとえば、クレジットカードを用いた決済(カード決済)を実現するカード決済システムに供されるクレジットカードを発行するカード会社によって管理されるコンピュータ装置によって実現することができる。
クレジットカードを用いたカード決済においては、商品やサービスの代金をカード会社が一時的に立て替え、カード会社が立て替えた代金をカード決済日の後日に利用者がカード会社に対して支払うことによっておこなわれる。この場合、決済をおこなった利用者を特定するための利用者の識別情報としては、たとえば、各クレジットカードに固有のクレジットカード番号を用いることができる。クレジットカードを用いたカード決済においては、店舗(クレジットカードの加盟店)は、カード会社に対して、カード決済にかかる利用手数料を支払ってもよい。
あるいは、地域支援装置110は、デビットカードを用いたカード決済に対応した金融機関などによって管理されるコンピュータ装置によって実現してもよい。デビットカードは、たとえば、銀行や郵便局などの金融機関が発行する、デビットカードとして利用可能なキャッシュカードを用いることができる。
デビットカードを用いたカード決済においては、店舗での決済に際して、決済金額および利用者の暗証番号を決済端末に入力することにより、決済金額が利用者の口座から即時に引き落とされる。利用者の口座から引き落とされた決済金額は、金融機関から該当する店舗の口座に入金される。この場合、決済をおこなった利用者を特定するための利用者の識別情報として、たとえば、口座番号を用いることができる。
あるいは、地域支援装置110は、国によって管理されるコンピュータ装置によって実現してもよい。この場合、あらかじめ、利用者の識別情報を記憶した所定のカードを発行し、決済に際しては当該カードに記憶された利用者の識別情報に基づいて利用者を特定することができる。
地域支援装置110は、地域支援システム100の運用者による地域支援サービスの提供にかかる各種のデータを記憶する各種のデータベースを備えている(図3を参照)。地域支援装置110は、インターネットなどのネットワークに接続されている。これにより、地域支援装置110は、インターネットなどのネットワークを介して、利用者の端末装置120や店舗の端末装置130との間で通信することができる。
地域支援装置110をカード会社によって管理されるコンピュータ装置によって実現する場合、当該地域支援装置110は、さらに、カードの利用者(カード会員)に関する情報など、カード決済の実行にかかる各種の情報を格納するデータベースを備えている。カードの利用者に関する情報は、たとえば、クレジットカード番号や、当該クレジットカード番号によって特定される利用者の氏名や連絡先(住所など)、利用履歴、利用上限額などを記憶している。
また、地域支援装置110を金融機関などによって管理されるコンピュータ装置によって実現する場合、当該地域支援装置110は、さらに、口座番号ごとに、口座を開設した利用者に関する情報を関連付けて記憶するデータベースを備えている。この場合、金融機関などによって管理されるコンピュータ装置が備えるデータベースは、利用者に関する情報として、たとえば、口座を開設した利用者の氏名や連絡先(住所など)、預金額、入出金履歴などを記憶している。
利用者の端末装置120には、地域支援システム100が提供する地域支援サービスを享受するための所定のプログラムがインストールされている。利用者の端末装置120は、ネットワークに接続されており、インストールされている所定のプログラムを実行することにより、地域支援装置110と通信することができる。
店舗の端末装置130は、決済にかかる利用者の識別情報および決済金額を取得し、取得した利用者の識別情報および決済金額を含む決済情報を地域支援装置110に送信する。決済情報は、当該決済情報の送信元となる店舗の端末装置130が設置された店舗の識別情報を含んでいてもよい。
店舗の端末装置130は、具体的には、たとえば、CAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末装置などの決済端末装置によって実現することができる(図2Cを参照)。決済端末装置は、POS端末に接続され、あるいはPOS端末に一体に組み込まれていてもよく、この場合、POS端末を介して地域支援装置110と通信をおこなってもよい。
(地域支援装置110のハードウエア構成の一例)
つぎに、地域支援装置110のハードウエア構成の一例について説明する。図2Aは、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Aにおいて、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)211と、メモリ212と、ネットワークI/F(Interface)213と、を備えている。コンピュータ装置が備える各部211〜213は、バス210によってそれぞれ接続されている。CPU211は、コンピュータ装置の全体の制御をつかさどる。
メモリ212は、ブートプログラムなどのプログラムや各種のデータベースを構成するデータなどを記憶している。メモリ212は、この発明にかかる実施の形態の地域支援プログラムを記憶している。メモリ212は、たとえば、後述する利用者データベース(図3を参照)など、地域支援サービスの提供にかかる各種のデータを記憶する各種のデータベースなどを記憶している。
また、メモリ212は、CPU211のワークエリアとして使用される。メモリ212は、たとえば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)およびHD(Hard Disc)などによって実現することができる。
ネットワークI/F213は、インターネットなどのネットワークに接続され、コンピュータ装置の内部と外部装置とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置の内部と、利用者の端末装置120や店舗の端末装置130などの外部装置と、の間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F213は、電話回線網に接続され、利用者のスマートフォン(あるいは、携帯型電話機、PHS)などに対して、電子メールなどを送信する際に用いることができる。
(利用者の端末装置120のハードウエア構成の一例)
つぎに、利用者の端末装置120のハードウエア構成の一例について説明する。図2Bは、利用者の端末装置120を実現するスマートフォンのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2Bにおいて、利用者の端末装置120(スマートフォン)は、CPU221と、メモリ222と、ネットワークI/F223と、ディスプレイ224と、操作部225と、マイク226と、スピーカ227と、カメラ228と、を備えている。利用者の端末装置120が備える各構成部221〜228は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU221は、利用者の端末装置120の全体の制御をつかさどる。CPU221は、メモリ222が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、利用者の端末装置120の全体の制御をつかさどる。メモリ222は、ROM、RAMなどによって実現することができる。ネットワークI/F223は、ネットワークを介して、外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F223は、電話回線網に接続されており、別のスマートフォン(あるいは、携帯型電話機やPHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
ディスプレイ224は、たとえば、利用者の端末装置120であるスマートフォンにおいて設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ224は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
操作部225は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部225は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部225は、当該操作部225に対する入力操作に応じた信号をCPU221に対して出力する。
操作部225をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイ224の表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
マイク226は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカ227は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。カメラ228は、操作部225の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、メモリ222などに記憶される。
(店舗の端末装置130のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の店舗の端末装置130のハードウエア構成について説明する。図2Cは、店舗の端末装置130のハードウエア構成を示す説明図である。図2Cにおいては、店舗の端末装置130として、クレジットカードによるカード決済をおこなう決済端末装置を示している。
図2Cにおいて、店舗の端末装置130は、CPU231と、メモリ232と、ネットワークI/F233と、ディスプレイ234と、キーボード235と、ブザー236と、カードリーダ237と、プリンタ238と、を備えている。また、店舗の端末装置130が備える各部231〜238は、バス230によってそれぞれ接続されている。
CPU231は、店舗の端末装置130全体の制御をつかさどる。CPU231は、メモリ232が記憶する、カード決済に際して実行させる各種のプログラムやデータを用いて、店舗の端末装置130の全体の制御をつかさどる。メモリ222は、ROM、RAMなどによって実現することができる。メモリ232は、CPU231のワークエリアとして使用される。CPU231は、カード決済に際して、ネットワークI/F233を介して地域支援装置110との間で通信をおこなう。
キーボード235は、カード決済をおこなう店舗の店員などによるカード決済にかかる各種の入力操作を受け付けたり、カードの利用者による暗証番号の入力操作を受け付けたりする。キーボード235は、入力された情報をCPU231に出力する。ディスプレイ234は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ234を実現する液晶パネルは、定型メッセージ、数字、記号などを表示することができる。また、ディスプレイ234を実現する液晶パネルは、7セグメント方式のディスプレイであってもよい。
ブザー236は、店舗の端末装置130においてエラーが発生した場合などに所定のブザー音声を出力する。ブザー236としては、たとえば圧電ブザー、電子ブザー、電磁ブザーなど公知の各種のブザーを用いることができる。カードリーダ237は、クレジットカードなどの、利用者のカードを用いた決済において、利用者のカードに記録された情報を読み出し、読み出された情報をCPU231に対して出力する。
プリンタ238は、伝票用紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。プリンタ238は、たとえば複写が可能な伝票用紙に対する印字が可能なインパクトドットプリンタなどを用いることができる。プリンタ238は、インパクトドットプリンタに限るものではなく、サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ238は、伝票用紙を保持する用紙保持機構、伝票用紙に対して印字をおこなうプリンタヘッドなどを備えて構成されている。
(利用者データベースの一例)
つぎに、利用者データベースの一例について説明する。図3は、利用者データベースの一例を示す説明図である。図3において、利用者データベース310は、たとえば、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ212に設けることができる。この実施の形態においては、利用者データベース310によってこの発明にかかるデータベースを実現することができる。
利用者データベース310は、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が一体的に備えるメモリ212に記憶されているものに限らず、地域支援装置110とは別体で設けられた記憶装置に記憶されていてもよい。また、利用者データベース310は、単一の記憶装置に設けられるものに限らず、複数の記憶装置に設けられていてもよい。
利用者データベース310は、利用者の識別情報ごとに、利用者の氏名、地域特定情報、特典情報(クーポン情報)、特典(クーポン)の利用状況などを記憶する。地域特定情報は、利用者が支援対象とする支援地域を特定する。支援地域は、たとえば、都道府県や市町村などの普通地方公共団体単位あるいは特別地方公共団体で設定することができる。より具体的には、支援地域は、たとえば、都道府県や市町村などの普通地方公共団体が管轄する地域によって実現することができる。
普通地方公共団体は、都道府県および市町村を含む。特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合、財産区を含む。特別区は、地方自治法第281条第1項で「都の区」と規定される日本における特別地方公共団体の一種であって、市に準ずる基礎的地方公共団体を示す。財産区は、市町村合併に際して、旧市町村が所有ないし管理していた土地や財産を、新しい市町村に引き継がずに旧市町村に該当する地域において管理したり処分したりするために設置される行政組織を示す。
利用者データベース310において、地域特定情報は、たとえば、利用者の端末装置120を介して設定することができる。具体的に、支援地域の設定をおこなう利用者は、利用者の端末装置120に対して所定の入力操作をおこなうことによって地域支援装置110に対して支援地域の設定要求を送信することにより、支援地域の設定をおこなうことができる(たとえば、図4を参照)。
クーポン情報は、当該クーポン情報によって利用者が享受することができる特典や優待(以下、適宜「クーポン」という)を示す。この実施の形態にかかる地域支援システム100において、クーポン情報は、たとえば、支援地域が設定された状態におけるカード決済にかかる決済金額に基づいて付与されたポイントを示す。地域支援システム100においては、支援地域が設定された状態において付与されたポイントは累計され、利用者は付与されたポイントに応じた特典や優待を、当該支援地域を含む所定範囲内で享受することができる。
具体的に、この実施の形態にかかる地域支援システム100においては、たとえば、支援地域として「長野県」を設定している利用者がカード決済をおこなった場合、カード決済ごとに当該カード決済にかかる決済金額に応じた数のポイントが付与される。そして、利用者が支援地域として「長野県」を設定している状態において付与されたポイントは累計され、利用者は付与されたポイントに応じたクーポンを、長野県(あるいは長野県近隣の所定範囲内)で利用することができる。
この実施の形態にかかる地域支援システム100において、クーポンは、地域支援システム100の運用において、支援地域を含む所定範囲内における決済がおこなわれた場合に、当該決済にかかる本来の決済金額から所定の額を割り引く割り引き券によって実現することができる。地域支援システム100の運用において、クーポンの利用方法には制限を設けることができるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、1回の決済において利用可能なポイント数に上限を設けることができる。ポイント数の上限は、たとえば、「決済金額の2割まで」、「決済金額と同数まで(無制限)」、「1000円分」などのように設定することができる。また、1回の決済において利用可能なポイント数に上限を設ける場合、「決済金額が2000円以上の場合に「1000円分まで利用可能」などのように、ポイントの利用にかかる条件をさらに設けてもよい。
クーポンの利用状況は、クーポン情報によって示されるクーポンが、該当する利用者によって利用されたか否かを示す。この実施の形態にかかる地域支援システム100において、クーポンの利用状況は、利用者に付与されたポイント数の累計(累計ポイント数)のうち、未利用のポイント数を示す。
地域支援サービスの提供にあたり、クーポンに相当する原資は、カード会社が負担してもよく、あるいは、カード会社と指定した地域の自治体とクーポンを利用した店舗とのそれぞれが負担してもよい。
上記の地域特定情報は、利用者の端末装置120を介して適宜更新(変更)することができる。具体的に、支援地域の変更を希望する利用者は、利用者の端末装置120に対して所定の入力操作をおこなって地域支援装置110に対して地域変更要求を送信することにより、支援地域の変更をおこなうことができる(たとえば、図4を参照)。地域変更要求は、利用者の識別情報および変更後の支援地域を特定する地域特定情報を含む。地域変更要求を受信した地域支援装置110は、受信した地域変更要求に基づいて、データベースにおける該当する利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報を更新する。
地域支援システム100において、支援地域を変更した場合、変更前に保有していたクーポン情報は無効になる。ただし、地域支援システム100においては、支援地域が変更される前に保有するクーポン情報を移動する操作がおこなわれた場合、変更前の支援地域にかかるクーポン情報を別の利用者に移動することができる。
具体的に、クーポン情報の移動を希望する利用者は、利用者の端末装置120に対して所定の入力操作をおこなって、地域支援装置110に対して変更要求を送信することにより、支援地域の変更をおこなうことができる。変更要求は、クーポンを提供する利用者(自身)の識別情報とクーポンの提供を受ける利用者の識別情報とを含む。変更要求を受信した地域支援装置110は、受信した変更要求に基づいて、データベースにおける該当する利用者の識別情報に関連付けられたクーポン情報をクーポンの提供を受ける利用者の識別情報に関連付けて記憶する。
地域支援システム100において、クーポン情報の移動は、クーポンの提供を受ける利用者に設定された支援地域が、クーポンを提供する利用者に設定された支援地域と同じ支援地域である場合におこなうことができる。このため、地域支援システム100の運用上、クーポンの提供を受ける利用者は、クーポンを提供する利用者が変更要求を送信する前に、地域支援装置110に対して、上記の地域変更要求を送信しておく。
また、利用者データベース310は、利用者の識別情報ごとに、当該利用者の端末装置120に関する情報を関連付けて記憶する。地域支援装置110は、利用者の端末装置120に関する情報に基づいて、当該利用者の端末装置120に対して上記の決済情報を送信する。利用者の端末装置120に関する情報は、当該利用者の端末装置120を識別可能な情報であって、具体的には、たとえば、インターネット上でコミュニティを形成し、利用者同士がコミュニケーションするSNS(Social Networking Service)において利用者ごとに設定されたSNS識別子(ID)によって実現することができる。
利用者の端末装置120に関する情報は、当該利用者の端末装置120を識別可能な情報であればよく、たとえば、当該利用者の端末装置120に割り当てられた電子メールアドレスによって実現してもよい。あるいは、利用者の端末装置120に関する情報は、当該利用者の端末装置120が携帯型電話機やPHSである場合には、当該利用者の端末装置120に割り当てられた電話番号によって実現してもよい。これにより、SMS(Short Message Service)を利用して、利用者の端末装置120に対して決済情報を送信することができる。
(表示画面例)
つぎに、利用者の端末装置120が備えるディスプレイ224が表示する表示画面例について説明する。図4は、利用者の端末装置120が備えるディスプレイ224が表示する表示画面例を示す説明図である。図4において、表示画面410は、利用者が、地域特定情報の設定や変更(更新)をおこなう際に、当該利用者の端末装置120に対して所定の入力操作をおこなうことによって、ディスプレイ224に表示される。
表示画面410は、「○○さん ようこそ」のように、地域特定情報の設定や変更の操作をおこなう利用者を特定する情報を表示する。これにより、利用者に対して、設定内容を変更する作業対象を確実に認識させることができる。また、表示画面410は、「応援したい地域を選択してください」などのように、表示画面410を介して操作内容を案内する。
表示画面410において、「応援したい地域」すなわち支援地域はプルダウン表示され、利用者がプルダウン表示された複数の支援地域の中から所望する支援地域を選択してボックス内に表示させることによって支援地域を決定する。支援地域は、都道府県と市町村とに分けてプルダウン表示することができる。これにより、詳細な支援地域を設定することができる。地域支援システム100の運用においては、都道府県のみの選択によって支援地域の設定を受け付けるようにしてもよく、都道府県および市町村を選択することによって支援地域の設定を受け付けるようにしてもよい。
(地域支援装置110の機能的構成)
つぎに、地域支援装置110の機能的構成について説明する。図5は、地域支援装置110の機能的構成を示すブロック図である。図5において、地域支援装置110の機能は、記憶部501と、受信部502と、特定部503と、生成部504と、出力部505と、によって実現することができる。記憶部501は、上記の利用者データベース310を備えている。この実施の形態においては、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やメモリ212によって、この発明にかかる記憶部501を実現することができる。
受信部502は、店舗の端末装置130から送信される決済情報を受信する。決済情報は、決済の内容にかかる情報を含む。決済情報は、具体的には、たとえば、決済をおこなった利用者の識別情報および当該決済にかかる決済金額を含んでいる。
また、受信部502は、利用者の識別情報および地域特定情報を含む地域変更要求を受信する。上記の記憶部501は、利用者データベース310に記憶された利用者の識別情報のうち受信部502によって受信された地域変更要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報を、当該地域変更要求に含まれる地域特定情報に更新する。
また、受信部502は、クーポンを提供する利用者(以下、適宜「提供側利用者」という)の識別情報と、クーポンの提供を受ける利用者(以下、適宜「受取側利用者」という)の識別情報とを含む変更要求を受信する。そして、上記の記憶部501は、利用者データベース310において、受信部502によって受信された変更要求に含まれる提供側利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報が、当該提供側利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報と一致する場合、受取側利用者の識別情報に関連付けられた未利用のクーポン情報を当該受取側利用者の識別情報に関連付けて記憶する。この実施の形態においては、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やネットワークI/F213によって、この発明にかかる受信部502を実現することができる。
特定部503は、利用者データベース310を参照して、受信部502によって受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報によって識別される利用者の支援地域を特定する。具体的に、特定部503は、利用者データベース310において、受信部502によって受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報と一致する利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報を特定する。そして、特定された地域特定情報に基づいて支援地域を特定する。この実施の形態においては、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やメモリ212によって、この発明にかかる特定部503を実現することができる。
生成部504は、受信部502によって受信された決済情報に含まれる決済金額に応じて、特定部503によって特定された支援地域を含む所定範囲内で利用可能なクーポンに関するクーポン情報を生成する。生成部504は、たとえば、受信部502によって受信された決済情報に含まれる決済金額に基づいて、当該決済金額に応じたポイントを算出する。算出されたポイントは次回以降の決済において利用することができる。
生成部504は、決済した場所、店舗の属性、商品属性(例 長野県産の乳製品)に基づいて、ポイントの付与率を変動させてもよい。具体的には、たとえば、支援地域として「長野県」を設定している利用者が長野県内においてカード決済をおこなった場合や、都内にある長野物産店においてカード決済をおこなった場合、あるいは、長野県産の乳製品についてのカード決済をおこなった場合などに、通常の付与率よりも高い付与率となるようにポイントを算出してもよい。
地域支援サービスにおいては、利用者があらかじめ支援地域を設定することにより、利用者が「どこの地域で」、「どの店舗で」、「どんな商品やサービス」を購入した場合にも、当該支援地域の支援につなげることができる。また、このように、「この地域に旅行しよう」、あるいは「この地域を支援しよう」などと決めた地域を支援地域として設定することにより、積極的なカード利用の促進につなげることができる。この実施の形態においては、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やメモリ212によって、この発明にかかる生成部504を実現することができる。
出力部505は、生成部504によって生成されたクーポン情報を、受信部502によって受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報に基づいて特定される利用者の端末装置120に出力する。出力部505は、たとえば、受信部502において決済情報を受信するごと、すなわちカード決済がおこなわれるごとに、生成部504によって生成されたクーポン情報を該当する利用者の端末装置120に出力する。
あるいは、出力部505は、利用者の端末装置120から出力要求を受け付けた場合に、利用者データベース310を参照して、該当する利用者の識別情報に関連付けられた未利用のクーポン情報を出力するようにしてもよい。出力要求は、利用者の識別情報を含む。この場合、利用者は、自身に発行されたクーポンを利用可能な決済をおこなう際、すなわちクーポンが必要なときにクーポン情報を受け取ることができる。
出力要求は、利用者の識別情報に加えて、当該利用者が必要なポイント数(出力ポイント数)に関する情報を含んでいてもよい。これにより、利用者は、クーポンが必要なときに必要なポイント数分のクーポン情報を受け取ることができる。この実施の形態においては、地域支援装置110を実現するコンピュータ装置が備えるCPU211やネットワークI/F213によって、この発明にかかる出力部505を実現することができる。
出力部505は、店舗の端末装置130から利用者の識別情報(利用者の識別情報を含む決済情報)を受信すると、生成部504によって生成された特典情報であって利用者の識別情報に関連付けられた特典情報であるクーポン情報を、店舗の端末装置130に出力するようにしてもよい。この場合、クーポン情報を受信した店舗は、地域支援装置110から送信されたクーポン情報に応じて、本来の決済金額から所定の額を割り引くなどのサービスを提供する。
(地域支援装置110の処理手順)
つぎに、地域支援装置110の処理手順について説明する。図6A〜図6Dは、地域支援装置110の処理手順を示すフローチャートである。図6Aのフローチャートに示す処理は、利用者が店舗においてカード決済をおこなうごとにおこなわれる。
図6Aのフローチャートにおいて、まず、店舗の端末装置130から送信される決済情報を受信するまで待機する(ステップS611:No)。ステップS611において、決済情報を受信した場合(ステップS611:Yes)、受信された決済情報から利用者の識別情報を抽出する(ステップS612)。
つぎに、ステップS612において抽出された利用者の識別情報に基づいて、利用者データベース310を参照して、支援地域が設定されているか否かを判断する(ステップS613)。ステップS613においては、たとえば、利用者データベース310において、ステップS612において抽出された利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報があるか否かを判断することにより支援地域が設定されているか否かを判断する。
ステップS613において、支援地域が設定されている場合(ステップS613:Yes)、ステップS611において受信された決済情報に基づいて決済金額を特定する(ステップS614)。そして、ステップS614において特定された決済金額に基づいて、当該決済金額に応じたポイントを算出する(ステップS615)。
ステップS615においては、決済金額に加えて、支援地域に応じてポイントを算出してもよい。具体的には、たとえば、支援地域ごとにポイントの加算率や加算ポイント数などをあらかじめ設定しておき、ステップS613において判断された支援地域が加算対象となる支援地域である場合は該当する加算率や加算ポイント数に基づいて、決済金額に基づくポイントをさらに加算するようにしてもよい。
また、店舗の端末装置130から送信される決済情報に含まれる店舗識別情報または店舗端末装置の識別情報から特定される店舗の位置と、支援地域との関係に基づいて、ポイントの加算率や加算ポイント数などを設定できるようにしてもよい。たとえば、支援地域(長野県)が設定されている場合はポイントの加算率を1%であるが、決済が長野県で行われた場合はポイントの加算率を1%加算して2%としてもよい。
その後、ステップS615において算出されたポイントを、該当する利用者の識別情報に関連付けて利用者データベース310に記憶して(ステップS616)、一連の処理を終了する。ステップS616においては、先に記憶されているポイントがある場合、当該先に記憶されているポイントに、ステップS615において算出されたポイントを、累計ポイント数および未利用のポイント数に加算することにより利用者データベース310を更新する。ステップS615において、支援地域が設定されていない場合(ステップS615:No)、そのまま一連の処理を終了する。
図6Bのフローチャートに示す処理は、利用者が当該利用者の端末装置120を操作して上記の出力要求を送信するごとにおこなわれる。図6Bのフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置120から送信された出力要求を受信するまで待機する(ステップS621:No)。ステップS621において、出力要求を受信した場合(ステップS621:Yes)、受信された出力要求から利用者の識別情報を抽出する(ステップS622)。
つぎに、ステップS622において抽出された利用者の識別情報に基づいて、利用者データベース310を参照して、累計ポイントを特定する(ステップS623)。ステップS623においては、たとえば、利用者データベース310において、ステップS622において抽出された利用者の識別情報に関連付けられたクーポン情報(累計ポイント数)を特定する。
また、ステップS621:Yesにおいて受信された出力要求に基づいて、出力ポイント数の指定があるか否かを判断する(ステップS624)。ステップS624においては、ステップS621:Yesにおいて受信された出力要求に、出力ポイント数に関する情報が含まれているか否かを判断することにより出力ポイント数の指定があるか否かを判断する。
ステップS624において、出力ポイント数の指定がある場合(ステップS624:Yes)、ステップS621:Yesにおいて受信された出力要求に基づいて出力ポイント数を特定する(ステップS625)。そして、特定された出力ポイント数のポイントにかかるクーポン情報を生成する(ステップS626)。一方、ステップS624において、出力ポイント数の指定がない場合(ステップS624:No)、ステップS626へ移行して、該当する利用者の識別情報に関連付けられているすべてのポイント数にかかるクーポン情報を生成する(ステップS626)。
そして、ステップS621:Yesにおいて受信された出力要求の送信元の利用者の端末装置120に対して、ステップS626において生成されたクーポン情報を出力する(ステップS627)とともに、利用者データベース310を更新して(ステップS628)、一連の処理を終了する。ステップS628においては、クーポン情報の生成にかかるポイントを未利用のポイント数から減算することにより利用者データベース310を更新する。
図6Cのフローチャートに示す処理は、利用者が当該利用者の端末装置120を操作して上記の地域変更要求を送信するごとにおこなわれる。図6Cのフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置120から送信された地域変更要求を受信するまで待機する(ステップS631:No)。ステップS631において、地域変更要求を受信した場合(ステップS631:Yes)、受信された地域変更要求から利用者の識別情報および地域特定情報を抽出する(ステップS632)。
そして、ステップS632において抽出された利用者の識別情報および地域特定情報に基づいて利用者データベース310を更新して(ステップS633)、一連の処理を終了する。ステップS633においては、利用者データベース310を参照して、ステップS632において抽出された利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報を、ステップS632において抽出された地域特定情報に更新することにより利用者データベース310を更新する。また、ステップS633においては、変更前の利用者データベース310においてステップS632において抽出された利用者の識別情報に関連付けられていた地域特定情報の設定下において累計されたポイント数を0に更新することにより利用者データベース310を更新する。
図6Dのフローチャートに示す処理は、利用者が当該利用者の端末装置120を操作して上記の変更要求を送信するごとにおこなわれる。図6Dのフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置120から送信された変更要求を受信するまで待機する(ステップS641:No)。
ステップS641において、変更要求を受信した場合(ステップS641:Yes)、受信された変更要求に基づいてクーポンを提供する利用者を特定する(ステップS642)。ステップS642においては、たとえば、ステップS641において受信された変更要求からクーポンを提供する利用者の識別情報を抽出することによってクーポンを提供する利用者を特定することができる。
そして、ステップS642において特定された利用者の支援地域を特定する(ステップS643)。ステップS643においては、利用者データベース310を参照して、ステップS642において特定された利用者の識別情報に関連付けられている地域支援情報を抽出することにより、該当する利用者の支援地域を特定することができる。
つぎに、ステップS641:Yesにおいて受信された変更要求に基づいて、クーポンの提供を受ける利用者を特定する(ステップS644)。ステップS644においては、ステップS641:Yesにおいて受信された変更要求からクーポンの提供を受ける利用者の識別情報を抽出することによってクーポンの提供を受ける利用者を特定することができる。
そして、クーポンを提供する利用者とクーポンの提供を受ける利用者の支援地域が一致するか否かを判断する(ステップS645)。ステップS645においては、たとえば、利用者データベース310を参照して、ステップS642において特定されたクーポンを提供する利用者の識別情報に関連付けられている地域支援情報と、ステップS644において特定されたクーポンの提供を受ける利用者の識別情報に関連付けられている地域支援情報と、が一致するか否かを判断することにより、双方の支援地域が一致するか否かを判断することができる。
地域支援システム100においては、運用上、クーポンを提供する利用者の支援地域とクーポンの提供を受ける利用者の支援地域とが一部重複する場合に、ステップS645において重複する部分のみを「一致する」と判断してもよく、完全に一致しない場合は「一致しない」と判断してもよい。具体的には、たとえば、クーポンを提供する利用者の支援地域が「長野県上田市」であって、クーポンの提供を受ける利用者の支援地域が「長野県」である場合、「長野県上田市」が重複していることに基づいて「一致する」と判断することができる。
なお、地域支援システム100においては、運用上、クーポンの提供を受ける利用者が支援地域を設定していない場合は、「一致する」と判断してもよい。この場合、クーポンの提供を受ける利用者の支援地域に、クーポンを提供する利用者の支援地域を自動的に設定したほうがよい。
あるいは、上記のように支援地域が一部重複する場合は、クーポンを提供する利用者の支援地域よりもクーポンの提供を受ける利用者の支援地域が広い(大きい)ことを条件として「一致する」と判断するようにしてもよい。この場合、さらに、クーポンの提供を受ける利用者の支援地域が、クーポンを提供する利用者の支援地域全域をと重複していることを条件として「一致する」と判断するようにしてもよい。
ステップS645において、支援地域が一致する場合(ステップS645:Yes)、利用者データベース310を更新して(ステップS646)、一連の処理を終了する。ステップS646においては、たとえば、クーポンを提供する利用者の識別情報に関連付けられている未利用のポイント数を、クーポンの提供を受ける利用者の識別情報に関連付けられている未利用のポイント数に加算する。ステップS646においては、未利用のクーポン情報(未利用のポイント数)の関連付け先のみを更新する。これにより、利用者データベース310において、クーポンを提供する利用者の累計実績を残すことができる。
一方、ステップS645において、支援地域が一致しない場合(ステップS645:No)、一連の処理を終了する。支援地域が一致しない場合は、変更要求の送信元の利用者の端末装置120に対して、支援地域が一致しないために未利用のポイントの変更ができなかったことを示す通知を送信してもよい。クーポンの提供を受ける利用者が支援地域を設定していない場合は、クーポンの提供を受ける利用者にその旨を通知し、当該通知にしたがってクーポンの提供を受ける利用者が支援地域を設定した後に、クーポンを譲渡できるようにしてもよい。
図7および図8は、地域支援システム100のシステムフローを示す説明図である。図7において、利用者の端末装置120は、地域支援装置110に対して、たとえば、支援地域の設定要求を送信する。また、利用者の端末装置120は、地域支援装置110に対して、地域変更要求や変更要求を送信する。
地域支援装置110は、利用者の端末装置120から支援地域の設定要求を受信すると、当該設定要求に基づいて、利用者データベース310において、利用者の識別情報と関連付けて地域特定情報を設定する。また、地域支援装置110は、利用者の端末装置120から受信した地域変更要求や変更要求に基づいて、該当する利用者にかかる地域特定情報を更新するなどして利用者データベース310を更新する。
店舗の端末装置130は、店舗においてカード決済がおこなわれるごとに、当該カード決済にかかる決済情報を地域支援装置110に対して送信する。地域支援装置110は、店舗の端末装置130から受信した決済情報を受信し、受信した決済情報に基づいてポイントを算出する。そして、利用者のデータベースにおいて、算出したポイントを記憶する。
図8において、利用者の端末装置120は、地域支援装置110に対して、たとえば、クーポンの出力要求を送信する。地域支援装置110は、利用者の端末装置120からクーポンの出力要求を受信すると、出力するクーポン情報を特定する。そして、クーポンの出力要求の送信元の利用者の端末装置120に対して、特定されたクーポン情報を出力する。
利用者の端末装置120は、クーポン情報を受信すると、当該クーポン情報に基づいてクーポンを提示する。具体的に、利用者の端末装置120は、たとえば、クーポン情報に基づくクーポンをディスプレイ224に表示することによって提示することができる。地域支援サービスの運営上、地域支援サービスに加盟している店舗は、利用者に提示されたクーポンに応じて、本来の決済金額から所定の額を割り引くなどのサービスを提供する。
(実施例1)
つぎに、実施例1について説明する。図9A〜図9Dは、実施例1における利用者の端末装置120が備えるディスプレイ224が表示する表示画面例を示す説明図である。図9Aにおいて、表示画面910は、表示画面410と同様に、利用者が、ポイントの譲渡をおこなう際に、当該利用者の端末装置120に対して所定の入力操作をおこなうことによって、ディスプレイ224に表示される。
表示画面910は、「○○さん ようこそ」のように、地域特定情報の設定や変更の操作をおこなう利用者を特定する情報とともに、当該利用者に付与されているポイント数を表示する。表示画面910は、たとえば、該当する利用者に付与されているポイント数のうち、未利用のポイント数を表示する。
また、表示画面910は、「自分で使う」、「友達に譲る」などのように、表示画面910に表示された未利用のポイントの用途を選択するキーを表示する。表示画面910において、利用者が「自分で使う」キーを操作した場合、地域支援装置110に対して出力要求が送信され、地域支援装置110において上記の図6Bに示した処理がおこなわれる。また、表示画面910において、利用者が「友達に譲る」キーを操作した場合、利用者の端末装置120のディスプレイ224に図9Bに示す表示画面920が表示される。
図9Bにおいて、表示画面920は、ポイントを移行する際に利用するSNSの種類を選択するキーを表示する。表示画面920は、クーポンを提供する利用者(自身)が加入しているSNSの種類を選択するキーを表示する。クーポンを提供する利用者は、クーポン情報の移動に用いるSNSの種類に該当するキーを操作する。クーポン情報の移動に用いるSNSの種類は、たとえば、クーポンの提供を受ける利用者との間で事前に決めるなどしておく。
図9Cにおいて、表示画面930は、表示画面920において選択されたSNSにおいて、当該SNSの利用者のうち、クーポンを提供する利用者と同じグループに属する利用者の一覧を表示する。クーポンを提供する利用者は、表示画面930に表示された一覧の中から、クーポンの提供を受ける利用者を選択する。
表示画面930において、利用者がクーポンの提供を受ける利用者を選択した場合、地域支援装置110に対して変更要求が送信され、地域支援装置110において上記の図6Dに示した処理がおこなわれる。また、表示画面930において、利用者がクーポンの提供を受ける利用者を選択した場合、利用者の端末装置120のディスプレイ224に図9Dに示す表示画面940が表示される。
図9Dにおいて、表示画面940は、クーポンを提供する利用者からクーポンの提供を受ける利用者に移動したクーポン情報を表示する。表示画面940は、クーポンを提供する利用者が移動したポイント数や、クーポンの提供を受ける利用者などを通知する情報を表示する。
(実施例2)
つぎに、実施例2について説明する。実施例2の地域支援システム100においては、利用者が利用する店舗ごとに、クーポン付与条件を設定してもよい。図10は、実施例2におけるクーポン付与条件データベースを示す説明図である。図10において、クーポン付与条件データベース1000は、地域支援サービスに加盟する店舗を識別する店舗識別子ごとに、店舗名や、当該店舗が支援対象とする支援自治体、および、クーポン付与条件などを関連付けて記憶する。クーポン付与条件は、たとえば、ポイント付与率などによって実現することができる。
また、クーポン付与条件データベース1000は、店舗が特定の支援自治体を支援対象とする際に、当該店舗の支援活動を支援する支援団体がある場合は、店舗識別子ごとに当該支援団体に関する情報を関連付けて記憶してもよい。支援団体は、たとえば、「観光庁」や「地方自治体」、あるいは、地元の支援を希望する企業などによって実現することができる。
図11は、実施例2における決済履歴データベースを示す説明図である。図11において、決済履歴データベース1100は、クーポン付与条件データベース1000に登録されている店舗におけるカード決済の履歴を示す。具体的に、決済履歴データベース1100は、地域支援サービスの利用者のうち、カード決済をおこなった利用者の識別情報ごとに、当該利用者がカード決済をおこなった店舗識別子、カード決済実行日、当該カード決済にかかる決済金額などに関する情報を関連付けて記憶する。
これにより、地域支援サービスの利用者が、どの店舗でどのようなカード決済をおこなったかを管理することができる。そして、決済履歴データベース1100とクーポン付与条件データベース1000の内容に基づいて算出されるポイント数のポイントを該当する利用者に付与することができる。
(実施例3)
つぎに、実施例3について説明する。実施例3の地域支援システム100においては、上記実施例2における支援団体の支援内容に制限を設け、各店舗が、当該制限の範囲内において支援団体からの支援を受けられるようにしてもよい。
図12は、実施例3における支援内容データベースを示す説明図である。図12において、支援内容データベース1200は、支援団体を識別する団体識別子ごとに、当該支援団体の名称(団体名)、当該支援団体が支援対象とする自治体(支援対象自治体)、支援内容などを関連付けて記憶する。支援内容は、たとえば、支援対象自治体に対する支援金額の上限額や、地域支援システム100の利用により実際に支援団体から支援対象自治体に支払われた金額(利用済金額)などによって実現することができる。
地域支援サービスの運用上、支援内容データベース1200の内容は、地域支援サービスの利用者に対して公開されるものであってもよい。これにより、地域支援サービスの利用者は、地域支援サービスを利用したカード決済をおこなう前に、支援内容データベース1200の内容を確認し、たとえば、「利用済金額が支援金額に達していないので『○×そば店』で食事をしよう。」などのように、カード決済の利用先を選択し、ポイントの付与を受けることができる。
実施例3の地域支援システム100においては、利用者が、地域特定情報の設定や変更(更新)をおこなう際に、図4に示した表示画面410を表示した状態において、利用者の端末装置120が備えるディスプレイ224に、支援内容データベース1200の内容の全部または一部を表示してもよい。これにより、利用者は、ディスプレイ224に表示された支援内容データベース1200の内容を参考にして、地域特定情報の設定(支援地域の指定)や変更(更新)をおこなうことができる。
なお、上述した実施の形態においては、利用者が1つの支援地域を設定し、設定した1つの支援地域を支援する例について説明したが、地域支援サービスにおいては、1人の利用者が複数の支援地域を設定できるようにしてもよい。この場合、1人の利用者が指定できる支援地域の数は、たとえば、「2つまで」、「5つまで」あるいは「隣接する3県まで」のように、上限数を設けてもよい。あるいは、この場合、1人の利用者が指定できる支援地域の数は、たとえば、「日本国内における都道府県数を上限とする」などのように、特定の範囲に属する普通地方公共団体単位あるいは特別地方公共団体であれば、指定できる数に制限を設けないようにしてもよい。
さらに、地域支援サービスにおいて、利用者が設定できる支援地域は、日本国内に限るものではない。たとえば、「アメリカ合衆国の州単位」、「アメリカ合衆国の各州における郡または地方行政区画単位」などのように、海外における特定の地域あるいは行政区画を支援地域として設定できるようにしてもよい。この場合も、上述した国内における都道府県や市町村を指定地域として設定する例と同様に、1人の利用者が指定できる支援地域の数は、たとえば、1つであってもよく、複数であってもよい。
以上説明したように、この実施の形態の地域支援装置110は、利用者の識別情報および決済金額を含む決済情報を受信し、データベースを参照して、受信された決済情報に含まれる利用者の識別情報によって識別される利用者の支援地域を特定し、特定された支援地域を含む所定範囲内で利用可能な決済金額に応じたクーポンに関するクーポン情報を生成し、生成されたクーポン情報を、該当する利用者の端末装置120に出力するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、利用者に対して、当該利用者の端末装置120を介して、当該利用者が支援対象とする支援地域を含む所定範囲内で利用可能なクーポンを提供することができる。これにより、クーポンの提供を受けた利用者が、支援地域を含む所定範囲内において当該クーポンを利用することにより、当該支援地域を含む所定範囲に該当する地域を経済的に支援することができ、当該支援地域を含む所定範囲に該当する地域の活性化を図ることができる。
また、この実施の形態の地域支援装置110が用いる地域特定情報は、普通地方公共団体すなわち都道府県および市町村、または、特別地方公共団体すなわち特別区、地方公共団体の組合、財産区を特定するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、支援地域の範囲を、都道府県や市町村、あるいは、特別区や地方公共団体の組合や財産区などのように制限することにより、クーポンを利用可能な地域が過度に拡大することを抑制して、支援地域を含む所定範囲に該当する地域の確実な活性化を図ることができる。
具体的には、たとえば、仮に、支援地域を「東北地方」などのように広大な地域とする場合、クーポンを利用可能な地域が「仙台」などのような交通の利便性が高い特定の大都市に集中することが想定されるが、支援地域の範囲を普通地方公共団体や特別地方公共団体に制限することによって支援地域および当該支援地域を含む所定範囲に該当する地域を制限して、支援地域を含む所定範囲に該当する地域の確実な活性化を図ることができる。
また、この実施の形態の地域支援装置110が用いる地域特定情報は、クーポン情報と、当該クーポン情報にかかるクーポンの利用状況と、を関連付けて利用者の識別情報ごとに記憶し、出力要求を受け付けた場合に、該当する利用者の識別情報に関連付けられた未利用のクーポン情報を出力するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、利用者の端末装置120からの出力要求を受け付けた場合に限って未利用のクーポン情報を出力することにより、決済をおこなうごとにクーポン情報を送信する場合と比較して、利用者の利便性の向上を図ることができる。
具体的に、仮に、決済情報を受信するごとに該当する利用者の端末装置120に対してクーポン情報を送信する場合、クーポンの提供を受けた利用者は複数のクーポン情報を管理しなければならず煩わしい。また、提供を受けたクーポンの管理が行き届かない場合、当該クーポンを効果的に利用することが難しかったり、決済情報を受信するごとに提供を受けた複数のクーポンのうちの一部のクーポンを利用できずに失念してしまったりすることが想定される。
これに対し、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、利用者は、必要なときに地域支援装置110に対して出力要求を送信することによって、過去の複数の決済情報に基づいたクーポン情報をまとめて得ることができる。これにより、クーポンを効果的かつ確実に利用することができ、利用者の利便性の向上を図ることができる。
このようにすることにより、具体的には、たとえば、クーポンを利用可能な地域(支援地域および当該支援地域を含む所定範囲)がクーポン情報の提供を受けた利用者の居住地域から遠隔の地にあるなどの理由により、発行されたクーポンを即時利用することが難しい状況であっても、クーポンを効果的かつ確実に利用することができ、利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110は、地域変更要求に含まれる利用者の識別情報および地域特定情報に基づいて、データベースに記憶された利用者の識別情報のうち受信された地域変更要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられた地域特定情報を、当該地域変更要求に含まれる地域特定情報に更新することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、利用者の端末装置120から送信される地域変更要求に基づいて、データベースにおける地域特定情報を更新することができる。これにより、利用者が支援地域を変更したくなった場合など、適宜、支援地域を変更することができ、地域支援システム100の利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110は、変更要求に含まれるクーポンを提供する利用者の識別情報とクーポンの提供を受ける利用者の識別情報とに基づいて、クーポンを提供する利用者の識別情報に関連付けられた未利用のクーポン情報をクーポンの提供を受ける利用者の識別情報に関連付けて記憶するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、或る利用者と別の利用者との支援地域が一致する場合、或る利用者を提供先として生成されたクーポン情報のうちの未利用のクーポン情報を、別の利用者に提供することができる。これにより、運用上、利用者どうしの合意があれば、支援地域が一致する利用者どうしの間でクーポン情報のやりとりをおこなうことができ、地域支援システム100の利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の地域支援装置110によれば、クーポンの利用者が変更しても支援地域が一致しているため、クーポンの提供を受ける利用者にかかわらず、支援地域および当該支援地域を含む所定範囲に該当する地域の確実な活性化を図ることができる。