JP2018124231A - 誘電率測定システム、装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電率測定システムは、2つの周波数の信号が混ざったRF信号を送信する送信機1と、RF信号を受信して物体3の比誘電率を算出する受信機2とを備える。受信機2は、RF信号を受信するアンテナ20と、アンテナ20で受信されたRF信号を検波し、2つの周波数の信号の差周波信号を出力する検波用ダイオード21と、送信機1と受信機2との間に物体3が存在しない状態と物体3が存在する状態のそれぞれについて差周波信号の位相を測定する位相測定部23と、物体3が存在しない状態で測定された差周波信号の位相と、物体3が存在する状態で測定された差周波信号の位相と、物体3の厚さとから、物体3の比誘電率を算出する比誘電率算出部24とを備える。
【選択図】 図1
Description
(I)第1の理由は、RF信号の周波数を時間掃引しているためである。従来の誘電率測定システムでは、2つの周波数のRF信号を順次生成して物体に照射し、物体を透過した信号の位相を別々に測定していた。
(II)第2の理由は、RF信号の周波数の切り替えをVCOによって行なう際に、所望の周波数に落ち着くまでにセトリング時間が必要であり、周波数の切り替えに時間がかかることである。非特許文献3によると、セトリング時間は、一般的に数msである。
また、本発明の誘電率測定システムの1構成例において、前記受信機は、第1のローカル信号を出力する第1の発振器と、前記アンプと前記位相測定部との間に設けられ、前記アンプから出力された前記差周波信号と前記第1の発振器から出力された前記第1のローカル信号とを混合することにより、前記差周波信号の周波数を、前記無線周波信号および前記第1のローカル信号よりも低い周波数に変換する第1のミキサとをさらに備える。
また、本発明の誘電率測定システムの1構成例において、前記第2のミキサは、前記第2のローカル信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号を通過させ、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有する単側波帯ミキサである。
また、本発明の誘電率測定システムの1構成例は、前記第2のミキサと前記第2のアンテナとの間に設けられたバンドパスフィルタをさらに備え、前記第2のミキサは、前記第2のローカル信号、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を通過させる通過帯域特性を有する両側波帯ミキサであり、前記バンドパスフィルタは、前記第2のミキサから出力された信号のうち、前記第2のローカル信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号を通過させ、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有する。
また、本発明の誘電率測定システムの1構成例において、前記送信機は、中間周波信号と第2のローカル信号との和の周波数の信号を出力する第2の発振器と、前記第2のローカル信号を出力する第3の発振器と、前記第2の発振器から出力された信号と前記第3の発振器から出力された第2のローカル信号とを合波する合波器と、この合波器から出力された無線周波信号を送信する第2のアンテナとを備える。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る誘電率測定システムの構成を示すブロック図である。誘電率測定システムは、送信機1と、受信機2(誘電率測定装置)とから構成される。
送信機1は、このように物体3が配置された状態で、2つの周波数f1,f2のRF信号を物体3に向けて照射する(図2ステップS104)。このステップS104の処理は、ステップS100と同様である。
ここで、本実施例の比誘電率εrの算出原理を図4(A)〜図4(D)を用いて説明する。図4(A)は比誘電率εrの小さい物体3に対して周波数f1,f2のRF信号を順番に照射して、物体3を透過した周波数f1,f2のRF信号の位相θ1,θ2を順番に測定する処理を模式的に表している。この場合、位相差Δθ=θ2−θ1が図4(B)のように得られたとする。
本実施例では、送信機1から周波数f1とf2が混ざったRF信号を送信するが、位相測定部23が測定する位相情報の中に位相差Δθ=θ2−θ1の情報が含まれる。したがって、本実施例の比誘電率算出部24は、式(3)に基づく以下の式(4)により物体3の比誘電率εrを求めることが可能である。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例に係る誘電率測定システムの構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例は、第1の実施例の具体例を説明するものである。本実施例の誘電率測定システムは、送信機1aと、受信機2a(誘電率測定装置)とから構成される。
受信機2aは、アンテナ20と、検波用ダイオード21と、ADC22と、位相測定部23と、比誘電率算出部24と、算出結果出力部25と、IFアンプ26と、発振器27と、IFミキサ28とから構成される。
受信機2aの位相測定部23の動作(図6ステップ205)は、第1の実施例と同様である。本実施例においても、送信機1aと受信機2aとの間に物体3がない場合に測定される差周波信号の位相をθairとする。
受信機2aの算出結果出力部25の動作(図6ステップ213)は、第1の実施例と同様である。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図10は本発明の第3の実施例に係る誘電率測定システムの送信機の構成を示すブロック図であり、図1、図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の送信機1bは、発振器10,11と、アンテナ13と、両側波帯(DSB:Double Sideband)ミキサ12bと、バンドパスフィルタ15とから構成される。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様の機能を有する送信機1bを実現することができる。
また、発振器11の代わりに、第2の実施例の発振器11aと周波数逓倍器14とを用いて周波数faの信号からLO信号を生成してもよい。
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図11は本発明の第4の実施例に係る誘電率測定システムの送信機の構成を示すブロック図であり、図1、図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の送信機1cは、発振器10c,11と、アンテナ13と、合波器16とから構成される。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様の機能を有する送信機1cを実現することができる。
また、発振器11の代わりに、第2の実施例の発振器11aと周波数逓倍器14とを用いて周波数faの信号からLO信号を生成してもよい。
次に、本発明の第5の実施例について説明する。図12は本発明の第5の実施例に係る誘電率測定システムの受信機の構成を示すブロック図であり、図1、図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例の受信機2dは、アンテナ20と、検波用ダイオード21と、ADC22と、位相測定部23と、比誘電率算出部24と、算出結果出力部25と、IFアンプ26とから構成される。
なお、本実施例では、第2の実施例のような差周波信号のダウンコンバートを実施していないため、第1の実施例と同様の高速のADCが必要になることは言うまでもない。
第1〜第5の実施例では、測定対象の物体3の厚さLを既知の値としたが、厚さ検出部(不図示)を用いて物体3の厚さLを検出し、検出した厚さLの値を比誘電率算出部24に入力するようにしてもよい。厚さ検出部の例としては、例えば超音波を用いた厚さ検出部、赤外光を用いた厚さ検出部、カメラで取得した物体3の可視画像から厚さLを算出する厚さ検出部など、既存の様々な厚さ検出の技術を適用することができる。こうして、本実施例では、厚さLが未知の物体3についても、厚さLをリアルタイムに取得して物体3の比誘電率εrを算出することができる。
Claims (9)
- 2つの周波数の信号が混ざった無線周波信号を送信する送信機と、
この送信機との間に測定対象の物体が存在しない状態と前記物体が存在する状態のそれぞれについて前記無線周波信号を受信して前記物体の比誘電率を算出する受信機とを備え、
前記受信機は、
前記無線周波信号を受信する第1のアンテナと、
この第1のアンテナで受信された無線周波信号を検波し、前記2つの周波数の信号の差周波信号を出力する検波器と、
前記送信機と前記受信機との間に前記物体が存在しない状態と前記物体が存在する状態のそれぞれについて前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、
前記物体が存在しない状態で測定された前記差周波信号の位相と、前記物体が存在する状態で測定された前記差周波信号の位相と、前記物体の厚さとから、前記物体の比誘電率を算出する比誘電率算出部とを備えることを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項1記載の誘電率測定システムにおいて、
前記受信機は、前記検波器と前記位相測定部との間に設けられ、前記検波器の出力信号を増幅するアンプをさらに備えることを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項2記載の誘電率測定システムにおいて、
前記受信機は、
第1のローカル信号を出力する第1の発振器と、
前記アンプと前記位相測定部との間に設けられ、前記アンプから出力された前記差周波信号と前記第1の発振器から出力された前記第1のローカル信号とを混合することにより、前記差周波信号の周波数を、前記無線周波信号および前記第1のローカル信号よりも低い周波数に変換する第1のミキサとをさらに備えることを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘電率測定システムにおいて、
前記送信機は、
中間周波信号を出力する第2の発振器と、
第2のローカル信号を出力する第3の発振器と、
前記第2の発振器から出力された中間周波信号と前記第3の発振器から出力された第2のローカル信号とを混合する第2のミキサと、
この第2のミキサから出力された無線周波信号を送信する第2のアンテナとを備えることを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項4記載の誘電率測定システムにおいて、
前記第2のミキサは、前記第2のローカル信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号を通過させ、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有する単側波帯ミキサであることを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項4記載の誘電率測定システムにおいて、
前記第2のミキサと前記第2のアンテナとの間に設けられたバンドパスフィルタをさらに備え、
前記第2のミキサは、前記第2のローカル信号、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を通過させる通過帯域特性を有する両側波帯ミキサであり、
前記バンドパスフィルタは、前記第2のミキサから出力された信号のうち、前記第2のローカル信号、および前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との和の周波数の信号を通過させ、前記第2のローカル信号と前記中間周波信号との差の周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有することを特徴とする誘電率測定システム。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の誘電率測定システムにおいて、
前記送信機は、
中間周波信号と第2のローカル信号との和の周波数の信号を出力する第2の発振器と、
前記第2のローカル信号を出力する第3の発振器と、
前記第2の発振器から出力された信号と前記第3の発振器から出力された第2のローカル信号とを合波する合波器と、
この合波器から出力された無線周波信号を送信する第2のアンテナとを備えることを特徴とする誘電率測定システム。 - 無線周波信号を受信するアンテナと、
このアンテナで受信された無線周波信号を検波し、この無線周波信号に含まれる2つの周波数の信号の差周波信号を出力する検波器と、
前記無線周波信号の到来方向に測定対象の物体が存在しない状態と前記物体が存在する状態のそれぞれについて前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、
前記物体が存在しない状態で測定された前記差周波信号の位相と、前記物体が存在する状態で測定された前記差周波信号の位相と、前記物体の厚さとから、前記物体の比誘電率を算出する比誘電率算出部とを備えることを特徴とする誘電率測定装置。 - 送信機が、この送信機と受信機との間に測定対象の物体が存在しない状態で2つの周波数の信号が混ざった無線周波信号を送信する第1のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在しない状態で前記無線周波信号を受信する第2のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在しない状態で前記無線周波信号を検波し、前記2つの周波数の信号の差周波信号を出力する第3のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在しない状態で前記差周波信号の位相を測定する第4のステップと、
前記送信機が、前記物体が存在する状態で前記2つの周波数の信号が混ざった無線周波信号を送信する第5のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在する状態で前記無線周波信号を受信する第6のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在する状態で前記無線周波信号を検波し、前記差周波信号を出力する第7のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在する状態で前記差周波信号の位相を測定する第8のステップと、
前記受信機が、前記物体が存在しない状態で測定した前記差周波信号の位相と、前記物体が存在する状態で測定した前記差周波信号の位相と、前記物体の厚さとから、前記物体の比誘電率を算出する第9のステップとを含むことを特徴とする誘電率測定方法。
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