JP2020094931A - 周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法 - Google Patents

周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことが可能な周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法を提供する。【解決手段】所定帯域幅を有しローカル信号L1の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、受信系100によって生じる振幅変動量及び位相変動量を検出する変動量検出部22と、変動量検出部22により検出された複数の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータを結合するデータ処理部24と、被測定信号が受信系100に入力された場合に受信系100から出力されるディジタルデータの振幅特性及び位相特性を、データ処理部24により結合された振幅変動量及び位相変動量のデータで除算又は減算するために、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正するフィルタ係数補正部25と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法に関し、特に、RF信号を受信して解析する装置が有する振幅特性及び位相特性を校正するための周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法に関する。
被試験対象(Device Under Test:DUT)から出力される広帯域のRF信号を被測定信号として受信し、当該被測定信号の周波数解析を行うシグナルアナライザなどの信号解析装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような信号解析装置は、入力された被測定信号の搬送波周波数を中間周波数に変換する周波数変換部と、中間周波数信号の中間周波数を含む所定の通過帯域の信号成分のみを通過させる中間処理部と、中間処理部から出力された被測定信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてディジタルデータに変換するA/D変換部と、を備えている。周波数変換部及び中間処理部において中間周波数の帯域内で振幅や位相の変動が起こると、信号解析結果に誤差が生じる。
近年、ミリ波帯を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等の、高周波かつ広帯域な信号を解析したいという要求が高まっている。あらゆる搬送波周波数の被測定信号に対して位相や振幅を正しく測定するためには、広い解析帯域内で信号解析装置の振幅特性及び位相特性が平坦になるようにあらかじめ補正しておくことが望ましい。
特許文献1に開示された信号解析装置においては、FM変調された校正用RF信号を用いて、周波数変換部及び中間処理部に対して振幅特性及び位相特性の補正が行われている。
特開2008−232807号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の信号解析装置においては、補正可能な周波数範囲が校正用RF信号の出力可能な周波数範囲で制限されるという問題があり、近年の広帯域化の要求に十分に応えられないという問題が生じてきている。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことが可能な周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る周波数特性補正装置は、入力信号をローカル信号発生器から出力されるローカル信号と混合して中間周波数信号に変換した後に、ディジタルデータに変換する受信系と、所定周期でかつ所定帯域幅でFM変調された校正用RF信号を生成する校正用信号源と、被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を補正するディジタルフィルタと、を備え、前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ローカル信号発生器が周波数可変な前記ローカル信号を出力する周波数特性補正装置であって、前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記受信系から出力される前記ディジタルデータに基づいて、前記所定帯域幅を有し前記ローカル信号の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、前記受信系によって生じる振幅の変動量及び位相の変動量を検出する変動量検出部と、前記変動量検出部により検出された前記複数の測定周波数範囲における前記振幅の変動量のデータを結合するとともに、前記変動量検出部により検出された前記複数の測定周波数範囲における前記位相の変動量のデータを結合するデータ処理部と、被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に前記受信系から出力される前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を、前記データ処理部により結合された前記振幅の変動量及び前記位相の変動量のデータで除算又は減算するために、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を補正するフィルタ係数補正部と、を備える構成である。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正装置は、従来は不可能であった、校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことができる。
また、本発明に係る周波数特性補正装置においては、前記複数の測定周波数範囲のうちの隣り合う2つの測定周波数範囲は、一方の測定周波数範囲と他方の測定周波数範囲とがそれぞれ互いに重複する重複周波数範囲を含んでおり、前記データ処理部は、前記重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータの平均値と、他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータの平均値との比を算出する平均値比算出部と、前記平均値比算出部により算出された前記比を、前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータに乗算する補正を行う振幅変動量補正部と、前記振幅変動量補正部により補正された前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記振幅変動量補正部により補正されていない前記他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータとを、前記重複周波数範囲において周波数ごとに平均する振幅変動量平均部と、前記振幅変動量補正部により補正された前記重複周波数範囲を除く前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記振幅変動量平均部により平均された前記重複周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記重複周波数範囲を除く前記他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータとを結合する振幅変動量結合部と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正装置は、隣り合う2つの測定周波数範囲の2つの振幅の変動量のデータを連続的に結合することができる。
また、本発明に係る周波数特性補正装置においては、前記複数の測定周波数範囲のうちの隣り合う2つの測定周波数範囲は、一方の測定周波数範囲と他方の測定周波数範囲とがそれぞれ互いに重複する重複周波数範囲を含んでおり、前記データ処理部は、前記重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから算出される近似直線と、他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから算出される近似直線との差分を周波数ごとに算出する差分算出部と、前記差分算出部により算出された前記差分を、前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから減算する補正を行う位相変動量補正部と、前記位相変動量補正部により補正された前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記位相変動量補正部により補正されていない前記他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータとに、前記重複周波数範囲において線形重み付け平均を行う位相変動量平均部と、前記位相変動量補正部により補正された前記重複周波数範囲を除く前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記位相変動量平均部により線形重み付け平均が行われた前記重複周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記重複周波数範囲を除く前記他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータとを結合する位相変動量結合部と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正装置は、隣り合う2つの測定周波数範囲の2つの位相の変動量のデータを連続的に結合することができる。
また、本発明に係る周波数特性補正装置は、前記受信系から出力される前記ディジタルデータを直交復調して互いに直交する直交信号I(t)及びQ(t)を生成する直交復調部を更に備え、前記変動量検出部は、前記直交信号I(t)及びQ(t)に基づいて、前記測定周波数範囲内の前記振幅の変動量及び前記位相の変動量を求める構成であってもよい。
また、本発明に係る周波数特性補正装置は、前記校正用RF信号と前記被測定信号とのいずれかを前記入力信号として前記受信系に入力させる第1のスイッチと、前記直交復調部と前記ディジタルフィルタとのいずれかに、前記受信系からのディジタル信号を入力させる第2のスイッチと、を更に備える構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正装置は、第1及び第2のスイッチを切り替えることにより、ディジタルフィルタのフィルタ係数を補正するためのモードと、被測定信号をディジタルフィルタで処理するためのモードとを切り替えることができる。
また、本発明に係る周波数特性補正装置は、前記ディジタルフィルタにより振幅特性及び位相特性が補正された前記ディジタルデータを解析する信号解析部を更に備える構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正装置は、ディジタルフィルタにより被測定信号の振幅特性及び位相特性を補正するため、受信系の振幅平坦性及び位相平坦性を向上させて、信号解析部にて正確な信号解析を行うことができる。
また、本発明に係る周波数特性補正方法は、入力信号をローカル信号発生器から出力されるローカル信号と混合して中間周波数信号に変換した後に、ディジタルデータに変換する受信系と、所定周期でかつ所定帯域幅でFM変調された校正用RF信号を生成する校正用信号源と、被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を補正するディジタルフィルタと、を備える周波数特性補正装置に対して、前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ローカル信号発生器が周波数可変な前記ローカル信号を出力する周波数特性補正方法であって、前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記受信系から出力される前記ディジタルデータに基づいて、前記所定帯域幅を有し前記ローカル信号の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、前記受信系によって生じる振幅の変動量及び位相の変動量を検出する変動量検出ステップと、前記変動量検出ステップにより検出された前記複数の測定周波数範囲における前記振幅の変動量のデータを結合するとともに、前記変動量検出ステップにより検出された前記複数の測定周波数範囲における位相の変動量のデータを結合するデータ処理ステップと、被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に前記受信系から出力される前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を、前記データ処理ステップにより結合された前記振幅の変動量及び前記位相の変動量のデータで除算又は減算するために、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を補正するフィルタ係数補正ステップと、を含む構成である。
この構成により、本発明に係る周波数特性補正方法は、従来は不可能であった、校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことができる。
本発明は、校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことが可能な周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法を提供するものである。
本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置が備えるDDSから出力される校正用RF信号の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置によって設定される複数の測定周波数範囲を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置によって拡大される補正可能周波数範囲の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置が備えるデータ処理部の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置が備えるデータ処理部の処理を説明するための図(その1)である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置が備えるデータ処理部の処理を説明するための図(その2)である。 本発明の実施形態に係る周波数特性補正装置による周波数特性補正方法の処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明に係る周波数特性補正装置及び周波数特性補正方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、入力信号を中間周波数信号に変換した後にディジタルデータに変換する受信系100に対して、受信系100から出力されるディジタルデータの振幅特性及び位相特性を補正するための装置である。
図1に示すように、周波数特性補正装置1は、校正用信号源10と、第1のスイッチとしてのスイッチ11と、周波数変換部12と、中間処理部13と、A/D変換器(ADC)14と、第2のスイッチとしてのスイッチ15と、ディジタルフィルタ16と、制御部17と、表示部18と、操作部19と、を備える。
校正用信号源10は、例えば、位相校正用発振器又は振幅校正用発振器としてのDDS(Direct Digital Synthesizer)10aと、振幅校正用発振器としてのVCO10bと、スイッチ10cと、を有する。
DDS10aは、所定周期でかつ所定帯域幅ΔfでFM変調された校正用RF信号を生成する。DDS10aから出力される校正用RF信号は、例えば図2(a),(b)に示すような、所定周期Ta又はTbで時間tに比例して周波数が変化する線形チャープ信号である。DDS10aのサンプリングレートは例えば300MHzであり、この場合、校正用RF信号の周波数の上限は150MHzとなる。
VCO(Voltage Controlled Oscillator)10bは、本実施形態においては、例えば50Hz〜6GHzの周波数の校正用RF信号を出力するようになっている。
スイッチ10cは、DDS10aから出力された校正用RF信号と、VCO10bから出力された校正用RF信号とのいずれかをスイッチ11に選択的に入力させるようになっている。
スイッチ11は、校正用信号源10から出力された校正用RF信号と、任意のDUTから出力された被測定信号とのいずれかを入力信号として受信系100に選択的に入力させるようになっている。
周波数変換部12は、ローカル信号L1を出力するローカル信号発生器12aと、スイッチ11により選択された入力信号とローカル信号L1をミキシングするミキサ12bと、を有する。
ローカル信号発生器12aは、例えばPLL回路を含み、ローカル信号L1を出力するようになっている。ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数は、所望の測定周波数範囲に応じて制御部17により可変に設定される。
ミキサ12bは、スイッチ11により選択された周波数fSの入力信号と、ローカル信号発生器12aから出力された周波数fLのローカル信号L1とを混合し、2つの信号の和及び差の周波数の出力信号、すなわち中間周波数|fL−fS|又はfL+fSの中間周波数信号を生成するものである。
中間処理部13は、ローカル信号L2を出力するローカル信号発生器13aと、ミキサ12bのミキシング出力から所定の中間周波数帯の信号を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)13bと、BPF13bを通過した中間周波数信号とローカル信号L2をミキシングするミキサ13cと、ミキサ13cのミキシング出力から所望の帯域の信号を抽出するLPF13dと、を有する。
BPF13bは、ミキサ12bから出力された中間周波数|fL−fS|又はfL+fSの中間周波数信号のいずれかを通過させるようになっている。
ADC14は、中間処理部13のLPF13dを通過した信号を、所定のサンプリングレートでサンプリングしてディジタルデータD(t)に変換するようになっている。ここで、tはサンプリング時刻を表している。
スイッチ15は、後述するディジタルフィルタ16と直交復調部21とのいずれかに、ADC14から出力されたディジタルデータD(t)を選択的に入力させるようになっている。本実施形態の周波数特性補正装置1は、2つのスイッチ11,15により、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正するための校正モードと、ディジタルフィルタ16により補正された被測定信号を後述する信号解析部26で解析処理するための測定モードと、に切り替わるようになっている。
具体的には、校正モード時には、スイッチ11によって校正用信号源10からの校正用RF信号が受信系100に入力される。また、スイッチ15によってADC14からのディジタルデータD(t)が後述する直交復調部21に入力される。一方、測定モード時には、スイッチ11によって任意のDUTから出力された被測定信号が受信系100に入力される。また、スイッチ15によってADC14からのディジタルデータD(t)がディジタルフィルタ16に入力される。
なお、校正モード時には、受信系100は、ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数を変化させることにより、DDS10aから出力された所定帯域幅Δfの校正用RF信号に対して、複数の測定周波数範囲でのディジタルデータD(t)の取得を可能にする。なお、図3に示すように、複数の測定周波数範囲のうちの隣り合う2つの測定周波数範囲は、一方の測定周波数範囲と他方の測定周波数範囲とがそれぞれ互いに重複する重複周波数範囲を含んでいる。
図4に、隣り合う2つの測定周波数範囲とその重複周波数範囲の一例を示す。この例では、DDS10aから出力される校正用RF信号の周波数範囲は75±65MHzであり、すなわち帯域幅Δfは130MHzである。また、ローカル信号発生器13aから出力されるローカル信号L2の周波数は、6.9GHzである。
DDS10aから出力される校正用RF信号は、ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数が6945MHzであるときに、ミキサ12bによりアップコンバートされて、7020MHz±65MHzの周波数範囲の信号を通過させるように設定されたBPF13bを通過する。そして、BPF13bを通過した校正用RF信号は、ミキサ13cによりダウンコンバートされて、6.9GHz以上の周波数の信号を通過させないように設定されたLPF13dを通過する。つまり、ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数が6945MHzである場合には、ADC14に入力される校正用RF信号の測定周波数範囲(以下、「上側測定周波数範囲」とも称する)は、120±65MHzとなる。
また、DDS10aから出力される校正用RF信号は、ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数が6905MHzであるときに、ミキサ12bによりアップコンバートされて、6980MHz±65MHzの周波数範囲の信号を通過させるように設定されたBPF13bを通過する。そして、BPF13bを通過した校正用RF信号は、ミキサ13cによりダウンコンバートされて、6.9GHz以上の周波数の信号を通過させないように設定されたLPF13dを通過する。つまり、ローカル信号発生器12aから出力されるローカル信号L1の周波数が6905MHzである場合には、ADC14に入力される校正用RF信号の測定周波数範囲(以下、「下側測定周波数範囲」とも称する)は、80±65MHzとなる。
上記のように、上側測定周波数範囲が120±65MHzであり、下側測定周波数範囲が80±65MHzである場合には、これらの重複周波数範囲は、55MHz〜145MHzとなる。また、上側測定周波数範囲と下側測定周波数範囲を組み合わせることにより、校正用RF信号による振幅特性及び位相特性の補正が可能な周波数範囲が100±85MHzに拡大される。
なお、図4の説明においては、校正用RF信号が周波数変換部12のミキサ12bによりアップコンバートされるとしたが、これはあくまで一例であり、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、周波数変換部12により校正用RF信号がダウンコンバートされる構成であってもよく、あるいは、周波数変換部12の後段に類似の周波数変換部が更に配置される構成などであってもよい。
ディジタルフィルタ16は、測定モード時に、ADC14からのディジタルデータD(t)の振幅特性及び位相特性を補正するようになっている。ディジタルフィルタ16は、自身のフィルタ係数を変化させることにより、振幅特性及び位相特性を可変調整できるように構成されている。
制御部17は、例えばCPU、記憶部23を構成するROM、RAM、HDDなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、周波数特性補正装置1を構成する上記各部の動作を制御する。また、制御部17は、記憶部23に記憶された所定のプログラムを実行することにより、後述する直交復調部21、変動量検出部22、データ処理部24、フィルタ係数補正部25、及び信号解析部26をソフトウェア的に構成することが可能である。
なお、直交復調部21、変動量検出部22、データ処理部24、フィルタ係数補正部25、及び信号解析部26は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのディジタル回路で構成することも可能である。あるいは、直交復調部21、変動量検出部22、データ処理部24、フィルタ係数補正部25、及び信号解析部26は、ディジタル回路によるハードウェア処理と所定のプログラムによるソフトウェア処理とを適宜組み合わせて構成することも可能である。
直交復調部21は、ADC14から出力されるディジタルデータD(t)を直交復調して、互いに直交する直交信号I(t)及びQ(t)を生成するようになっている。直交復調部21としては、例えばヒルベルト変換を利用した直交分配器を用いることができる。
変動量検出部22は、DDS10aからの校正用RF信号が入力信号として受信系100に入力された場合(校正モード時)に受信系100から出力されるディジタルデータD(t)に基づいて、所定帯域幅Δfを有しローカル信号L1の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、受信系100によって生じる振幅の変動量(振幅変動量)及び位相の変動量(位相変動量)を検出するようになっている。
例えば、変動量検出部22は、各測定周波数範囲で得られた直交信号I(t)及びQ(t)のデータを用いて、下記の式(1),(2)に従って、校正モード時に受信系100から出力されるディジタルデータD(t)の振幅Amp(t)と位相Ph(t)を算出する。さらに、変動量検出部22は、算出した振幅Amp(t)をあらかじめ定められた基準値で除算した値を振幅変動量として記憶部23に記憶させるとともに、算出した位相Ph(t)をあらかじめ定められた基準値で減算した値を位相変動量として記憶部23に記憶させる。
Figure 2020094931
Figure 2020094931
ただし、式(2)におけるatan2は、座標(x,y)の4象限逆正接を返す関数である。
データ処理部24は、変動量検出部22により検出された複数の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータを記憶部23から読み出して、複数の測定周波数範囲における振幅の変動量のデータを結合するとともに、複数の測定周波数範囲における位相の変動量のデータを結合する処理を行うようになっている。図5に示すように、データ処理部24は、平均値比算出部24aと、振幅変動量補正部24bと、振幅変動量平均部24cと、振幅変動量結合部24dと、差分算出部24eと、位相変動量補正部24fと、位相変動量平均部24gと、位相変動量結合部24hと、を含む。
以下、図6及び図7を参照しながら、データ処理部24が実行する処理の内容を説明する。なお以下では、周波数fの関数として振幅変動量や位相変動量を表現する。また、図7に示す位相変動量は、例えば±180での折り返しによる不連続性がなくなるように、あらかじめ連続化されているものとする。
平均値比算出部24aは、注目する重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲(ここでは下側測定周波数範囲とする)の振幅変動量のデータAmp_L(f)の平均値ALと、他方の測定周波数範囲(ここでは上側測定周波数範囲とする)の振幅変動量Amp_U(f)のデータの平均値AUとの比を算出するようになっている。
振幅変動量補正部24bは、平均値比算出部24aにより算出された、一方の測定周波数範囲の平均値ALと他方の測定周波数範囲の平均値AUとの比(例えばAU/AL)を、一方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータに乗算する補正を行うようになっている。これにより、注目する重複周波数範囲における他方の測定周波数範囲の平均値AUと一方の測定周波数範囲の補正後の平均値とが一致する。補正後の一方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータAmp_L'(f)は下記の式(3)に示すようなものとなる。
Figure 2020094931
ここで、15MHz≦f<145MHzである。
以降の処理では、下側測定周波数範囲のうちの重複周波数範囲を除く周波数範囲(15MHz≦f<55MHz)における振幅変動量のデータとして上記のAmp_L'(f)を用い、上側測定周波数範囲のうちの重複周波数範囲を除く周波数範囲(145MHz<f≦185MHz)における振幅変動量のデータとしてAmp_U(f)をそのまま用いる。
振幅変動量平均部24cは、振幅変動量補正部24bにより補正された一方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータAmp_L'(f)と、振幅変動量補正部24bにより補正されていない他方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータAmp_U(f)とを、重複周波数範囲において周波数ごとに平均するようになっている。振幅変動量平均部24cにより算出される平均値Amp'(f)は下記の式(4)に示すようなものとなる。
Figure 2020094931
ここで、55MHz≦f≦145MHzである。
振幅変動量結合部24dは、振幅変動量補正部24bにより補正された重複周波数範囲を除く一方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータAmp_L'(f)と、振幅変動量平均部24cにより平均された重複周波数範囲の振幅変動量のデータAmp'(f)と、重複周波数範囲を除く他方の測定周波数範囲の振幅変動量のデータAmp_U(f)とを結合するようになっている。
差分算出部24eは、注目する重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲(ここでは下側測定周波数範囲とする)の位相変動量のデータPh_L(f)から算出される近似直線LL(f)と、他方の測定周波数範囲(ここでは上側測定周波数範囲とする)の位相変動量のデータPh_U(f)から算出される近似直線UL(f)との差分ΔL(f)を周波数ごとに算出するようになっている。
例えば、下記の式(5),(6)に示すように、差分算出部24eは、他方の測定周波数範囲の重複周波数範囲における位相変動量のデータPh_U(f)を一次関数近似したときの傾きaと切片bを求めるとともに、一方の測定周波数範囲の重複周波数範囲における位相変動量のデータPh_L(f)を一次関数近似したときの傾きcと切片dを求める。
Figure 2020094931
ここで、55MHz≦f≦145MHzである。
また、差分算出部24eは、下記の式(7)に示すように、式(5)と式(6)の差分ΔL(f)を算出する。
Figure 2020094931
位相変動量補正部24fは、差分算出部24eにより算出された差分ΔL(f)を、一方の測定周波数範囲の位相変動量のデータPh_L(f)から減算する補正を行って、補正後の位相変動量のデータPh_L'(f)を出力するようになっている。これにより、下記の式(8)に示すように、一方の測定周波数範囲の重複周波数範囲における位相変動量のデータPh_L(f)の一次関数近似が、他方の測定周波数範囲の重複周波数範囲における位相変動量のデータPh_U(f)の一次関数近似に一致するように、一方の測定周波数範囲の位相変動量のデータPh_L(f)全体が補正される。
Figure 2020094931
ここで、15MHz≦f<145MHzである。
以降の処理では、下側測定周波数範囲のうちの重複周波数範囲を除く周波数範囲(15MHz≦f<55MHz)における位相変動量のデータとして上記のPh_L'(f)を用い、上側測定周波数範囲のうちの重複周波数範囲を除く周波数範囲(145MHz<f≦185MHz)における位相変動量のデータとしてPh_U(f)をそのまま用いる。
位相変動量平均部24gは、位相変動量補正部24fにより補正された一方の測定周波数範囲の位相変動量のデータPh_L'(f)と、位相変動量補正部24fにより補正されていない他方の測定周波数範囲の位相変動量のデータPh_U(f)とに、重複周波数範囲において線形重み付け平均を行うようになっている。位相変動量平均部24gにより算出される線形重み付け平均の平均値Ph'(f)は下記の式(9)に示すようなものとなる。
Figure 2020094931
ここで、55MHz≦f≦145MHzである。
位相変動量結合部24hは、位相変動量補正部24fにより補正された重複周波数範囲を除く一方の測定周波数範囲の前記位相変動量のデータPh_L'(f)と、位相変動量平均部24gにより線形重み付け平均が行われた重複周波数範囲の位相変動量のデータPh'(f)と、重複周波数範囲を除く他方の測定周波数範囲の位相変動量のデータPh_U(f)とを結合するようになっている。
なお、図6及び図7の説明では、一方の測定周波数範囲を下側測定周波数範囲とし、他方の測定周波数範囲を上側測定周波数範囲としたが、逆に、一方の測定周波数範囲を上側測定周波数範囲とし、他方の測定周波数範囲を下側測定周波数範囲としてもよい。
フィルタ係数補正部25は、ディジタルフィルタ16の標準的なフィルタ係数値をあらかじめ記憶しており、データ処理部24から出力された振幅変動量及び位相変動量のデータを基に、それらがフラットな特性になるように上記の標準的なフィルタ係数値を補正する。さらに、フィルタ係数補正部25は、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正した係数で更新する。
すなわち、フィルタ係数補正部25は、測定モード時に受信系100から出力されるディジタルデータD(t)の振幅特性を、データ処理部24により結合された振幅変動量のデータで除算するために、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正する処理を行うようになっている。また、フィルタ係数補正部25は、測定モード時に受信系100から出力されるディジタルデータD(t)の位相特性を、データ処理部24により結合された位相変動量のデータで減算するために、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正する処理を行うようになっている。
なお、変動量検出部22は、VCO10bからの校正用RF信号が入力信号として受信系100に入力されたときには、受信系100から出力されるディジタルデータD(t)に基づいて、例えば、50Hz〜6GHzにわたる測定周波数範囲において受信系100によって生じる振幅変動量のみを検出することが可能である。この場合、フィルタ係数補正部25は、変動量検出部22から出力された振幅変動量を用いて、フィルタ係数の補正を行う。
信号解析部26は、測定モード時に、直交復調部21から出力された直交信号I(t)及びQ(t)に対して、所定の信号解析処理を行うようになっている。直交復調部21は、測定モード時には、ディジタルフィルタ16により振幅特性及び位相特性が補正されたディジタルデータを直交復調して、直交信号I(t)及びQ(t)を生成する。
信号解析部26が実行する信号解析処理としては、例えば、被測定信号の振幅、位相、周波数などの時間変化を示す時系列データやスペクトラムの生成、チャネルパワー、占有帯域幅、隣接チャネル漏洩電力、バースト平均電力、変調精度(EVM)、送信パワーレベル、送信スペクトラムマスク、エラーベクトル振幅、最小入力感度、最大入力レベル、スプリアス放射などの被測定信号の品質を評価するための測定が挙げられる。
表示部18は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、制御部17からの制御信号に応じて、信号解析部26による解析結果などの各種表示内容を表示するようになっている。さらに、表示部18は、各種条件を設定するためのソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象の表示を行うようになっている。
操作部19は、ユーザによる操作入力を受け付けるためのものであり、例えば表示部18の表示画面の表面に設けられたタッチパネルで構成される。あるいは、操作部19は、キーボード又はマウスのような入力デバイスを含んで構成されてもよい。また、操作部19は、リモートコマンドなどによる遠隔制御を行う外部制御装置で構成されてもよい。
操作部19への操作入力は、制御部17により検知されるようになっている。例えば、操作部19により、複数の測定周波数範囲、それらの重複周波数範囲、VCO10bから出力される校正用RF信号の周波数などをユーザが任意に指定することができる。
以下、本実施形態の周波数特性補正装置1を用いる周波数特性補正方法について、図8のフローチャートを参照しながらその処理の一例を説明する。なお、以下の処理では、スイッチ10cによりDDS10aからの校正用RF信号がスイッチ11に入力されており、スイッチ11,15により周波数特性補正装置1が校正モードに切り替えられているとする。
まず、制御部17は、N個(N≧2)の測定周波数範囲を区別するためのインデックスiを1に設定する(ステップS1)。
次に、制御部17は、i番目の測定周波数範囲に対応するローカル信号L1の周波数fLをローカル信号発生器12aに設定する(ステップS2)。
次に、受信系100は、DDS10aからの校正用RF信号をローカル信号L1と混合して中間周波数信号に変換した後に、ADC14によりディジタルデータD(t)に変換する(ステップS3)。
次に、直交復調部21は、ADC14から出力されたディジタルデータD(t)を直交復調して、互いに直交する直交信号I(t)及びQ(t)を生成する(ステップS4)。
次に、変動量検出部22は、ADC14から出力されたディジタルデータD(t)に基づいて、所定帯域幅Δfを有しローカル信号L1の周波数fLに対応するi番目の測定周波数範囲において、受信系100によって生じる振幅変動量及び位相変動量を検出する(変動量検出ステップS5)。また、変動量検出ステップS5において変動量検出部22は、検出したi番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量を記憶部23に記憶させる。
次に、制御部17は、i+1番目の測定周波数範囲に対応するローカル信号L1の周波数fLi+1をローカル信号発生器12aに設定する(ステップS6)。
次に、受信系100は、DDS10aからの校正用RF信号をローカル信号L1と混合して中間周波数信号に変換した後に、ADC14によりディジタルデータD(t)に変換する(ステップS7)。
次に、直交復調部21は、ADC14から出力されたディジタルデータD(t)を直交復調して、互いに直交する直交信号I(t)及びQ(t)を生成する(ステップS8)。
次に、変動量検出部22は、ADC14から出力されたディジタルデータD(t)に基づいて、所定帯域幅Δfを有しローカル信号L1の周波数fLi+1に対応するi+1番目の測定周波数範囲において、受信系100によって生じる振幅変動量及び位相変動量を検出する(変動量検出ステップS9)。また、変動量検出ステップS9において変動量検出部22は、検出したi+1番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量を記憶部23に記憶させる。
次に、データ処理部24は、i番目とi+1番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータを記憶部23から読み出して、i番目とi+1番目の測定周波数範囲における振幅の変動量のデータを結合するとともに、i番目とi+1番目の測定周波数範囲における位相の変動量のデータを結合する(データ処理ステップS10)。例えば、データ処理ステップS10においてデータ処理部24は、i番目の測定周波数範囲のうちの重複周波数範囲を除く周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータをそのまま用い、i+1番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータを変化させるような処理を行う。また、データ処理部24は、結合後のi番目とi+1番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータを、既に記憶部23に記憶されていたi番目とi+1番目の測定周波数範囲における振幅変動量及び位相変動量のデータに上書きする処理を行う。
次に、制御部17は、インデックスiがN−1に到達しているか否かを判断する(ステップS11)。インデックスiがN−1に到達している場合には、制御部17は、ステップS13の処理を実行する。インデックスiがN−1に到達していない場合には、制御部17は、インデックスiをインクリメントして(ステップS12)、再びステップS6以降の処理を実行する。
フィルタ係数補正部25は、データ処理ステップS10により結合された振幅変動量及び位相変動量のデータに基づいて、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正する(フィルタ係数補正ステップS13)。
以上説明したように、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、所定周期でかつ所定帯域幅ΔfでFM変調された校正用RF信号を用いて、所定帯域幅Δfを有しローカル信号L1の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、受信系100によって生じる振幅変動量及び位相変動量を検出する構成になっている。このため、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、従来は不可能であった、校正用RF信号の出力可能周波数範囲を超えた周波数範囲で振幅特性及び位相特性の補正を行うことが可能である。
また、今後、測定帯域が更に広帯域化していくことが見込まれるが、本実施形態に係る周波数特性補正装置1によれば、重複周波数範囲を任意に設けることが可能であるため、簡易な構成で広帯域にわたる校正を容易に行うことが可能である。
また、広い帯域の校正用RF信号を出力できるDDSやDACなどのディジタルの発振器は高価であるが、本実施形態に係る周波数特性補正装置1によれば、既存の比較的安価な発振器を校正用信号源10として用いて、低コストで振幅特性及び位相特性の補正を行うことが可能になる。
また、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、隣り合う2つの測定周波数範囲の2つの振幅変動量のデータを連続的に結合することができる。
また、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、隣り合う2つの測定周波数範囲の2つの位相変動量のデータを連続的に結合することができる。
また、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、スイッチ11,15を切り替えることにより、ディジタルフィルタ16のフィルタ係数を補正するための校正モードと、被測定信号をディジタルフィルタ16で処理するための測定モードとを切り替えることができる。
また、本実施形態に係る周波数特性補正装置1は、ディジタルフィルタ16により被測定信号の振幅特性及び位相特性を補正するため、受信系100の振幅平坦性及び位相平坦性を向上させて、信号解析部26にて正確な信号解析を行うことができる。
1 周波数特性補正装置
10 校正用信号源
11,15 スイッチ
12a ローカル信号発生器
16 ディジタルフィルタ
17 制御部
21 直交復調部
22 変動量検出部
24 データ処理部
24a 平均値比算出部
24b 振幅変動量補正部
24c 振幅変動量平均部
24d 振幅変動量結合部
24e 差分算出部
24f 位相変動量補正部
24g 位相変動量平均部
24h 位相変動量結合部
25 フィルタ係数補正部
26 信号解析部
100 受信系

Claims (7)

  1. 入力信号をローカル信号発生器(12a)から出力されるローカル信号と混合して中間周波数信号に変換した後に、ディジタルデータに変換する受信系(100)と、
    所定周期でかつ所定帯域幅でFM変調された校正用RF信号を生成する校正用信号源(10)と、
    被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を補正するディジタルフィルタ(16)と、を備え、
    前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ローカル信号発生器が周波数可変な前記ローカル信号を出力する周波数特性補正装置(1)であって、
    前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記受信系から出力される前記ディジタルデータに基づいて、前記所定帯域幅を有し前記ローカル信号の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、前記受信系によって生じる振幅の変動量及び位相の変動量を検出する変動量検出部(22)と、
    前記変動量検出部により検出された前記複数の測定周波数範囲における前記振幅の変動量のデータを結合するとともに、前記変動量検出部により検出された前記複数の測定周波数範囲における前記位相の変動量のデータを結合するデータ処理部(24)と、
    被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に前記受信系から出力される前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を、前記データ処理部により結合された前記振幅の変動量及び前記位相の変動量のデータで除算又は減算するために、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を補正するフィルタ係数補正部(25)と、を備えることを特徴とする周波数特性補正装置。
  2. 前記複数の測定周波数範囲のうちの隣り合う2つの測定周波数範囲は、一方の測定周波数範囲と他方の測定周波数範囲とがそれぞれ互いに重複する重複周波数範囲を含んでおり、
    前記データ処理部は、
    前記重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータの平均値と、他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータの平均値との比を算出する平均値比算出部(24a)と、
    前記平均値比算出部により算出された前記比を、前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータに乗算する補正を行う振幅変動量補正部(24b)と、
    前記振幅変動量補正部により補正された前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記振幅変動量補正部により補正されていない前記他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータとを、前記重複周波数範囲において周波数ごとに平均する振幅変動量平均部(24c)と、
    前記振幅変動量補正部により補正された前記重複周波数範囲を除く前記一方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記振幅変動量平均部により平均された前記重複周波数範囲の前記振幅の変動量のデータと、前記重複周波数範囲を除く前記他方の測定周波数範囲の前記振幅の変動量のデータとを結合する振幅変動量結合部(24d)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の周波数特性補正装置。
  3. 前記複数の測定周波数範囲のうちの隣り合う2つの測定周波数範囲は、一方の測定周波数範囲と他方の測定周波数範囲とがそれぞれ互いに重複する重複周波数範囲を含んでおり、
    前記データ処理部は、
    前記重複周波数範囲における、一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから算出される近似直線と、他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから算出される近似直線との差分を周波数ごとに算出する差分算出部(24e)と、
    前記差分算出部により算出された前記差分を、前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータから減算する補正を行う位相変動量補正部(24f)と、
    前記位相変動量補正部により補正された前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記位相変動量補正部により補正されていない前記他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータとに、前記重複周波数範囲において線形重み付け平均を行う位相変動量平均部(24g)と、
    前記位相変動量補正部により補正された前記重複周波数範囲を除く前記一方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記位相変動量平均部により線形重み付け平均が行われた前記重複周波数範囲の前記位相の変動量のデータと、前記重複周波数範囲を除く前記他方の測定周波数範囲の前記位相の変動量のデータとを結合する位相変動量結合部(24h)と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の周波数特性補正装置。
  4. 前記受信系から出力される前記ディジタルデータを直交復調して互いに直交する直交信号I(t)及びQ(t)を生成する直交復調部(21)を更に備え、
    前記変動量検出部は、前記直交信号I(t)及びQ(t)に基づいて、前記測定周波数範囲内の前記振幅の変動量及び前記位相の変動量を求めることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の周波数特性補正装置。
  5. 前記校正用RF信号と前記被測定信号とのいずれかを前記入力信号として前記受信系に入力させる第1のスイッチ(11)と、
    前記直交復調部と前記ディジタルフィルタとのいずれかに、前記受信系からのディジタル信号を入力させる第2のスイッチ(15)と、を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の周波数特性補正装置。
  6. 前記ディジタルフィルタにより振幅特性及び位相特性が補正された前記ディジタルデータを解析する信号解析部(26)を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の周波数特性補正装置。
  7. 入力信号をローカル信号発生器(12a)から出力されるローカル信号と混合して中間周波数信号に変換した後に、ディジタルデータに変換する受信系(100)と、
    所定周期でかつ所定帯域幅でFM変調された校正用RF信号を生成する校正用信号源(10)と、
    被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を補正するディジタルフィルタ(16)と、を備える周波数特性補正装置(1)に対して、
    前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記ローカル信号発生器が周波数可変な前記ローカル信号を出力する周波数特性補正方法であって、
    前記校正用RF信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に、前記受信系から出力される前記ディジタルデータに基づいて、前記所定帯域幅を有し前記ローカル信号の周波数に対応する複数の測定周波数範囲において、前記受信系によって生じる振幅の変動量及び位相の変動量を検出する変動量検出ステップ(S5,S9)と、
    前記変動量検出ステップにより検出された前記複数の測定周波数範囲における前記振幅の変動量のデータを結合するとともに、前記変動量検出ステップにより検出された前記複数の測定周波数範囲における位相の変動量のデータを結合するデータ処理ステップ(S10)と、
    被測定信号が前記入力信号として前記受信系に入力された場合に前記受信系から出力される前記ディジタルデータの振幅特性及び位相特性を、前記データ処理ステップにより結合された前記振幅の変動量及び前記位相の変動量のデータで除算又は減算するために、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を補正するフィルタ係数補正ステップ(S13)と、を含むことを特徴とする周波数特性補正方法。
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