JP6728112B2 - 誘電率測定システム、誘電率測定装置および方法 - Google Patents

誘電率測定システム、誘電率測定装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、誘電率測定システム、誘電率測定装置および方法に関し、特に複数の周波数の電磁波を用いて被測定物の誘電率を測定する技術に関する。
近年、物品の製造メーカにおいては、製品検査の重要度が増している。特に、食品の製造メーカにおいては、加工食品への異物混入により、会社の信頼性低下や出荷停止など、業績を逼迫する状況になる場合も生じている。製品の出荷検査の段階で、製品への異物混入を検出して、異物が混入した製品の出荷を未然に防ぐことが望ましい。
食品における異物混入の検出においては、製造ライン上を流れる食品を短時間で、かつ高精度に検出することが重要である。既存の検出装置であるイメージング装置では、金属の検出は比較的短時間で精度良く行うことが可能であるが、昆虫や、有機物質など、製品の材料とは異なる食品材料の混入を高速かつ高精度で検出することが困難であった。
一方、被測定物である物体の比誘電率を求めることができれば、食品への異物の混入を検出することが可能になる。従来、厚みのある物体の比誘電率を測定する手法として、2周波連続波(CW:Continuous Wave)方式が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。図11は、従来の2周波CW方式による誘電率測定システムの概略を示す図である。誘電率測定システムは、送信機200と、受信機300とを有する。
従来の2周波CW方式では、まず、2つの異なる周波数f1とf2の電磁波が空気のみを透過した場合の位相θ1_airと位相θ2_airを測定し、これらの位相差θair=θ2_air−θ1_airを得る。次に、f1とf2の電磁波が被測定物400を透過した場合の位相θ1_sampleと位相θ2_sampleを測定し、これらの位相差θsample=θ2_sample−θ1_sampleを得る。位相差θairと位相差θsampleの差分は、式(1)で表される。この式(1)により、被測定物400の比誘電率εrを算出することができる。式(1)において、Lは被測定物400の厚さ、cは光速である。
図12に示すように、受信機300側で測定される電磁波の位相変化θは、電磁波の周波数fに比例して増加するが、従来の誘電率測定システムにおいては、0〜2πの範囲でしか位相を測定できないため、実際の位相変化量を算出することができない場合があった。
また、実際の測定環境においては、反射等による位相誤差が存在し、測定される誘電率には測定誤差が含まれる。誘電率の測定誤差は、2つの信号の周波数(以下、「2周波」という。)の間隔df=f2−f1に反比例することから、高精度な誘電率測定を行うためには、この2周波の間隔dfをできるだけ拡げる必要がある。
しかし、2周波のみを含む電磁波を用いる場合、その2周波の間隔df=f2−f1は式(2)で制限されるため、間隔dfには上限が存在する。式(2)に基づく2周波の間隔dfの上限値を超える値を用いると、2周波間の位相差が2πを超えてしまうため、被測定物400の比誘電率εrを測定することができなくなってしまう。式(2)において、εeff_maxは、被測定物400が取りうる最大の比誘電率εrである。
そこで、例えば、非特許文献2には、複数周波数の電磁波を用いて、被測定物400の誘電率の測定精度を改善する技術が開示されている。図13に示すように、従来の複数周波数の電磁波を用いた誘電率の測定誤差を低減する技術では、複数周波数f1,f2,・・・,fm(mは3以上の整数である。)で位相サンプリングを行う。なお、複数周波数f1,f2,・・・,fmのそれぞれは互いに異なる値であり、周波数軸上で隣り合う2周波の間隔は、等間隔である。また、複数周波数f1,f2,・・・,fmにおいて、添字インデックスの値が大きくなるにしたがって信号の周波数が高くなる。
ここで、複数周波数f1,f2,・・・,fmにおいて、周波数軸上で隣り合う2周波の間隔を総称して、「周波数間隔fs」という。詳細には、周波数間隔fsnは、周波数fnと周波数fn+1との間隔を示す(nは1以上で(m−1)以下の整数である。)。また、各周波数間隔fsは、式(3)の条件を満たす。
位相サンプリング後は、周波数軸上で隣り合う各2周波間の位相差が負になった場合に、以降に続く位相に対して2πを加える位相接続を行う。周波数f1での位相と周波数fmでの接続された位相とを用いて、式(1)に基づいて、被測定物400の比誘電率εrを算出する。
図13において、実線の白抜きの点は、電磁波の各周波数fnにおいて検出された位相(位相変化)のサンプリング点を示している。また、点線の白抜きの点は、サンプリング点の位相が接続された位相を示している。
従来の、複数周波数の電磁波を用いて位相接続を行い、被測定物400の比誘電率εrを算出する技術では、周波数の間隔dfを拡げることができるため、比誘電率εrの測定精度を改善することが可能であった。
しかし、前述した従来の2周波CW法を用いて被測定物400の誘電率を測定する技術、および従来の複数周波数を用いた被測定物400の誘電率を測定する技術では、被測定物400の誘電率を高速測定することが困難であった。
具体的には、従来の2周波CW法および複数周波数の電磁波を用いた被測定物400の誘電率の測定技術では、どちらの方式もVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を用いて、各周波数での位相情報を得てから各隣り合う2周波間の位相差を算出する。そのため、周波数掃引を行う必要があり、発振器で周波数を切り替えるときに長いセトリング時間が必要となる。そのため、上述した2つの従来の技術では、被測定物400の誘電率の高速測定が困難であった。
そこで、周波数掃引の必要がなく、被測定物400の誘電率の高速測定が可能な従来の技術として、2周波を有する電磁波を用いたセルフヘテロダインシステムが提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。図14は、従来の2周波の電磁波を用いたセルフヘテロダインシステムである、誘電率測定システム100の構成を示すブロック図である。従来の誘電率測定システム100は、送信機200と、受信機300とを有し、送信機200と受信機300との間に設置された被測定物400の比誘電率εrを測定する。
送信機200は、周波数f1の電磁波を生成する単周波発振器201aと、周波数f2の電磁波を生成する単周波発振器201bとを有し、図15Aに示すように、周波数f1の電磁波と、周波数f2の電磁波が混合された2周波信号を生成する合波器202と、2周波信号を送信するアンテナ203とを備える。
受信機300は、送信機200から送信された2周波信号を受信するアンテナ301と、図15Bに示すように、2周波間の位相差情報を持った周波数f2−f1のビート波(差周波信号)を得る自乗検波素子302と、フィルタ303と、アナログ信号のビート波をデジタル信号に変換するADC304と、ビート波の位相を測定する位相測定部305と、ビート波の位相に基づいて被測定物400の比誘電率εrを算出する比誘電率算出部307と、算出結果出力部308とを備える。
従来の誘電率測定システム100で、被測定物400の比誘電率εrを測定する場合においても、まず、被測定物400の存在しない状態(空気のみが存在する状態)でのビート波の位相θairを測定し、さらに、被測定物400が存在する状態でのビート波の位相θsampleを測定する。そして、式(1)に基づいて比誘電率εrを算出する。
しかし、従来の2周波信号を用いたセルフヘテロダインシステムである、誘電率測定システム100では、比誘電率εrの高速測定は可能になるが、前述のとおり2周波の信号のみを利用しているため、2周波の間隔dfには上限があり、測定精度の高精度化を図ることが困難であった。
そこで、従来の2周波の信号を用いたセルフヘテロダインシステムによる誘電率測定システム100に、従来の複数周波数の信号を用いて位相接続を行う誘電率測定の技術を適用することが可能であれば、誘電率の測定精度を向上できると考えられる。図16は、従来のセルフヘテロダインシステムにおいて、複数周波数の電磁波の信号を生成する構成を適用した誘電率測定システム100aの構成を示すブロック図である。
送信機200は、図17Aに示すような複数周波数f1,f2,・・・,fmの電磁波を生成する単周波発振器201a〜201nを備える。しかし、図13で説明したように、従来の複数周波数の信号を用いた誘電率測定の技術では、周波数軸上で隣り合う各周波数の周波数間隔fsが等間隔である。そのため、受信機300側では、図17Bに示すように、1つのビート波しか生成されず、各隣り合う2周波間の位相情報を得ることができない。
そのため、複数の位相を位相接続して複数周波数の信号における間隔dfを拡げることができず、比誘電率εrの測定精度を改善することができない。したがって、従来の誘電率測定システム100aにおいて、誘電率の測定の高速化と高精度化との両立は困難であった。
徐,他,"食品内異物の検出に向けた2周波CW方式によるTHz波帯誘電率イメージング"電子情報通信学会総合大会2016 T.Jyo et al."THz Permittivity Imaging Using Multi−tone Unwrapped Phase Slope method". in: Proceedings of the 2016 41st International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz waves (IRMMW−THz),(T3A.2). 徐,他,"セルフヘテロダインによる位相差検出を用いたTHz波帯誘電率測定システムの高速化に関する検討"電子情報通信学会総合大会2017
本発明は、被測定物の誘電率をより高速かつ高精度で測定することができる誘電率測定システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る誘電率測定システムは、m個の互いに異なる周波数の信号を生成する複数の単周波発振器と、前記単周波発振器によって生成された前記m個(mは3以上の整数)の信号を足し合わせ、周波数f1、f2、・・・、fmの信号を合波する合波器と、前記合波器から出力された、合波された信号を送信する第1のアンテナと、を備え、前記単周波発振器は、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号の周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1(nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数間隔fs=fn+1−fnが互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
を満たす、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号を生成する、送信機と、前記合波された信号を受信する第2のアンテナと、前記第2のアンテナで受信した前記合波された信号を検波する自乗検波素子と、前記自乗検波素子から出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタと、前記フィルタから出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理部と、前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出部と、を備える受信機と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る誘電率測定システムにおいて、前記自乗検波素子は、前記被測定物が存在しない状態を透過した前記合波された信号と、前記被測定物が存在する状態を透過した前記合波された信号を検波し、前記フィルタは、前記被測定物が存在しない状態を透過した前記合波された信号に基づく第1の差周波信号と、前記被測定物が存在する状態を透過した前記合波された信号に基づく第2の差周波信号を出力し、前記位相測定部は、前記第1の差周波信号の第1の位相と、前記第2の差周波信号の第2の位相とを測定し、前記位相処理部は、前記第2の位相の位相接続を行い、前記比誘電率算出部は、前記第1の位相と、位相接続された前記第2の位相とに基づいて前記被測定物の前記比誘電率を算出してもよい。
また、本発明に係る誘電率測定システムにおいて、前記送信機が備える前記単周波発振器は、前記周波数f1の信号を生成する第1の単周波発振器と、周波数f2−f1、f3−f1、・・・、fm−f1の信号を生成する第2の単周波発振器と、を含み、前記合波器は、前記第2の単周波発振器によって生成された前記周波数f2−f1、f3−f1、・・・、fm−f1の信号を合波する第1の合波器と、前記第1の合波器によって合波された信号を中間周波信号とし、前記周波数f1の信号を局部発振信号として、単側波帯変調信号を出力する単側波帯ミキサと、をさらに備え、前記第1のアンテナは、前記単側波帯ミキサから出力された前記単側波帯変調信号を送信してもよい。
また、本発明に係る誘電率測定システムにおいて、前記受信機は、前記フィルタから出力された前記差周波信号について、前記差周波信号の周波数よりも低い周波数に変換する周波数変換器と、前記周波数変換器と前記位相測定部との間に接続され、前記差周波信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、をさらに備え、前記位相測定部は、前記周波数変換器によって前記低い周波数に変換された差周波信号の位相を測定してもよい。
また、本発明に係る誘電率測定システムにおいて、前記単周波発振器が生成する前記周波数f1、f2、・・・、fmの前記信号は、周波数軸上で互いに隣り合う前記周波数間隔fsの値の差分値が一定であってもよい。
また、本発明に係る誘電率測定システムにおいて、前記差分値は、前記単周波発振器が有する最小の周波数分解能と同じ値であってもよい。
また、本発明に係る誘電率測定装置は、周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1の周波数間隔fs=fn+1−fnが、互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
を満たす、m個(mは3以上の整数、nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数f1、f2、・・・、fmの信号が合波された信号を受信する第2のアンテナと、前記第2のアンテナで受信した前記合波された信号を検波する自乗検波素子と、前記自乗検波素子から出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタと、前記フィルタから出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理部と、前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る誘電率測定方法は、m個の互いに異なる周波数の信号を生成する複数単周波生成ステップと、前記複数単周波生成ステップで生成された前記m個(mは3以上の整数)の信号を足し合わせ、周波数f1、f2、・・・、fmの信号を合波する合波ステップと、前記合波ステップで出力された合波された信号を送信する信号送信ステップと、を備え、前記複数単周波生成ステップは、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号の周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1(nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数間隔fs=fn+1−fnが互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
を満たす、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号を生成する、送信ステップと、前記合波された信号を受信する信号受信ステップと、受信した前記合波された信号を検波する自乗検波ステップと、前記自乗検波ステップで出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタリングステップと、前記フィルタリングステップで出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定ステップと、前記位相測定ステップで出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理ステップと、前記位相測定ステップで出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出ステップと、を備える受信ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、自乗検波素子が、複数周波数の信号が合波された信号を検波し、フィルタが合波された信号における複数の差周波信号を出力し、位相測定部が各差周波信号の位相を測定し、位相処理部が測定された位相を位相接続し、比誘電率算出部が位相接続された位相に基づいて、被測定物の比誘電率を算出する。したがって、被測定物の誘電率の測定をより高速かつ高精度に行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システムの構成例を示すブロック図である。 図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る合波器の出力信号の一例を示す図である。 図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る自乗検波素子の出力信号の一例を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システムにおける動作を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システムの光学系の構成を説明する図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態において比較のための従来の誘電率測定システムを用いたシミュレーションを説明する図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システムにおけるシミュレーションを説明する図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システムにおけるシミュレーションを説明する別の図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係る誘電率測定システムの構成例を示すブロック図である。 図9は、本発明の第3の実施の形態に係る誘電率測定システムの構成例を示すブロック図である。 図10は、本発明の第4の実施の形態において生成される複数周波数の信号を説明する図である。 図11は、従来の誘電率測定システムの概要を示す図である。 図12は、従来の、2周波を用いた誘電率測定を説明する図である。 図13は、従来の、複数周波数を用いて位相接続を行う誘電率測定を説明する図である。 図14は、従来の2周波を用いたセルフヘテロダインシステムによる誘電率測定システムの構成例を示すブロック図である。 図15Aは、図14の従来の誘電率測定システムにおいて、送信機側で生成される信号を示す図である。 図15Bは、図14の従来の誘電率測定システムにおいて、受信機側で生成される信号を示す図である。 図16は、従来のセルフヘテロダインシステムによる誘電率測定システムに複数周波数を用いた場合の構成を示すブロック図である。 図17Aは、図16の誘電率測定システムにおける送信機側で生成される信号を示す図である。 図17Bは、図16の誘電率測定システムにおける受信機側で得られる信号を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図10を参照して詳細に説明する。各図について共通する構成要素には、同一の符号が付されている。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システム1は、周波数軸上で隣り合う2つの周波数の周波数間隔fsのそれぞれが、互いに異なる値を有し、かつ周波数間隔fsのそれぞれが、隣り合う2つの周波数の位相差が2π以上変化しないための条件を満たす、複数の周波数f1,f2,・・・,fmの信号を生成する単周波発振器21a〜21nと、生成された複数の信号を合波する合波器22と、合波された信号を送信するアンテナ23とを有する送信機2と、合波された信号を受信するアンテナ31と、受信信号を検波する自乗検波素子32と、合波された信号の差周波信号を出力するフィルタ33と、差周波信号の位相を測定する位相測定部35と、測定された位相を位相接続する位相処理部36と、位相接続された位相の情報に基づいて被測定物4の比誘電率εrを算出する比誘電率算出部37とを有する受信機3とを備える。
[誘電率測定システムの構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る誘電率測定システム1の構成例を示すブロック図である。誘電率測定システム1は、送信機2と、受信機3とを備え、被測定物4の比誘電率εrを測定する。
送信機2は、複数の単周波発振器21a〜21nと、合波器22と、アンテナ23とを備える。送信機2側では、複数の周波数f1,f2,・・・,fmの信号が生成されて合波される。
受信機3は、アンテナ31と、自乗検波素子32と、フィルタ33と、ADC34と、位相測定部35と、位相処理部36と、比誘電率算出部37と、算出結果出力部38とを備える。受信機3側では、受信した信号のセルフヘテロダイン検波が行われ、複数のビート波を生成し、各ビート波の位相を位相接続して、被測定物4の比誘電率εrを算出する。以下において、「ビート波」を「差周波信号」という。
被測定物4は、厚さLを有する物体であり、樹脂などの誘電体を用いてもよい。被測定物4はその材料に固有の比誘電率εrを有する。
次に、送信機2の各構成について説明する。
単周波発振器21a〜21nは、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)などによって構成される発振器である。単周波発振器21a〜21nはそれぞれ互いに異なる所定の周波数f1,f2,・・・,fmの(mは3以上の整数である。)信号を生成する。なお、生成される信号は電磁波であり、例えば、RF信号などの高周波信号が用いられる。
単周波発振器21a〜21nがそれぞれ生成する複数の信号は、周波数軸上で隣り合う2周波の周波数間隔fsがすべて異なる値となる。具体的には、周波数f1と周波数f2の2周波の周波数間隔fs1=f2−f1、周波数f2と周波数f3の2周波の周波数間隔fs2=f3−f2、・・・、周波数間隔fsm-1=fm−fm-1はすべて異なる値となる。以下において、周波数間隔fsの周波数を有する信号を差周波信号という。
さらに、単周波発振器21a〜21nがそれぞれ生成する複数の信号において、周波数軸上で隣り合う2周波の周波数間隔fsは、それぞれ式(3)の条件を満たす。
合波器22は、単周波発振器21a〜21nでそれぞれ生成された周波数f1,f2,・・・,fmの複数の信号を合波して、出力する。
アンテナ23は、合波器22から出力された合波信号を受信機3に向けて送信する。
ここで、合波器22から出力される信号の例を図2Aに示す。図2Aに示すように、単周波発振器21aで生成された周波数f1の信号と、単周波発振器21bで生成された周波数f2の信号とは、周波数軸上において隣り合っている。また、周波数f2の信号と、単周波発振器21bで生成された周波数f3の信号は、周波数軸上において隣り合っている。
また、周波数軸上で隣り合う周波数f1と周波数f2との周波数間隔fs1と、周波数軸上で隣り合う周波数f2と周波数f3との周波数間隔fs2は、互いに異なる。
次に、受信機3の各構成について説明する。
アンテナ31は、送信機2が送信した複数の周波数の信号が合波された信号を受信する。
自乗検波素子32は、ダイオードなどで構成され、出力信号が入力信号の値の二乗に比例する動作特性を有する検波器である。アンテナ31で受信された合波された信号は自乗検波素子32によって自乗検波され、復調される。自乗検波素子32による自乗検波作用によって、セルフヘテロダイン方式に必要な差周波信号を生成することができる。自乗検波素子32の出力信号は、図2Bに示すように、複数の周波数fs1、fs2の差周波信号を有する。
フィルタ33は、所定の周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有するバンドパスフィルタである。フィルタ33は、自乗検波素子32からの出力信号について所定の周波数帯域の信号を通過させる。具体的には、フィルタ33によって、差周波信号以外の高周波信号を遮断することができる。
ADC34は、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器であり、フィルタ33を通過したアナログ信号の差周波信号をデジタル信号に変換する。
位相測定部35は、差周波信号それぞれの位相を測定する。より詳細には、位相測定部35は、各差周波信号の周波数fsそれぞれにおける位相を測定する。また、位相測定部35は、各差周波信号の強度を測定する。
位相処理部36は、位相測定部35によって測定された差周波信号の周波数fsの位相について位相接続を行う。より詳細には、位相処理部36は、送信機2と受信機3との間に設置された被測定物4を透過した、複数の周波数の信号が合波された信号に基づく差周波信号の位相について、位相接続を行う。被測定物4が存在しない、空気などの背景物質のみが存在する状態で測定された差周波信号の位相については、位相接続は行われない。
ここで、位相処理部36による位相接続について説明する。位相処理部36は、周波数軸上で隣り合う2つの差周波信号の周波数fsn、fsn+1(nは1から(m−2)の整数。)の位相θnと位相θn+1間の差分を算出する。算出した差分が負の場合には、位相処理部36は、θn+1以降の位相変化θn+1,θn+2,・・・,θm-1の全てに2πを加算して更新する。差分が0以上の場合には、位相θn+1,θn+2,・・・,θm-1の全てに0を加算すればよい。すなわち、差分が0以上の場合には値の更新は不要である。
位相処理部36は、上記のような更新ステップを、n=1からn=m−2まで繰り返す。n=m−2までの更新ステップが完了した後の位相θn+1,θn+2,・・・,θm-1を、φn+1,φn+2,・・・,φm-1とする。このような更新ステップを行って、差周波信号の周波数に比例して位相の値が直線的に増加する特性にすることを、本発明では位相接続と呼ぶ。
次に、比誘電率算出部37は、位相処理部36によって位相接続された差周波信号の位相情報に基づいて、被測定物4の比誘電率εrを算出する。より詳細には、比誘電率算出部37は、被測定物4が存在する状態で得られた差周波信号の位相を位相接続した位相の情報と、空気などの背景物質のみが存在する状態で得られた差周波信号の位相の情報とを用いる。そして、式(1)を用いて空気などの背景物質からの位相回転差から被測定物4の比誘電率εrを算出する。
算出結果出力部38は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELなどのディスプレイを有し、比誘電率算出部37によって算出された被測定物4の比誘電率εrなどを表示する。
[誘電率測定システムの動作]
次に、誘電率測定システム1の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、単周波発振器21a〜21nはそれぞれ周波数f1,f2,・・・,fmの信号を生成する(ステップS101)。単周波発振器21a〜21nが生成する周波数f1,f2,・・・,fmの各信号において、周波数軸上で隣り合う2周波の周波数間隔fs1=f2−f1,fs2=f3−f2,・・・,fsm-1=fm−fm-1の値は、それぞれ異なる。さらに、これらの周波数f1,f2,・・・,fmの周波数間隔fs1,fs2,・・・,fsm-1は、それぞれ式(3)の条件を満たす。
単周波発振器21a〜21nは生成した信号を合波器22に出力する。合波器22は、周波数f1,f2,・・・,fmのm個の信号を合波して出力する(ステップS102)。アンテナ23は、周波数f1,f2,・・・,fmが混合する信号を受信機3に向けて送信する(ステップS103)。
続いて、送信機2と受信機3の間に被測定物4が設置されていない状態で、受信機3のアンテナ31は、送信機2から、複数の周波数の信号が合波された信号を受信する(ステップS104)。送信機2と受信機3の間に被測定物4が設置されていない状態とは、例えば、空気など既知の比誘電率を有する背景物質のみが存在する状態である。
次に、自乗検波素子32は、被測定物4が設置されていない状態で受信した信号について自乗検波を行う(ステップS105)。より詳細には、自乗検波素子32は、アンテナ31で受信された周波数f1,f2,・・・,fmの信号が合波された信号を自乗検波し、これらm個の周波数の信号の差周波信号(fs1_air,fs2_air,・・・,fsm-1_air)を含む信号を出力する。
その後、フィルタ33は、自乗検波素子32から出力された差周波信号を含む信号をフィルタリングする(ステップS106)。フィルタ33によって、差周波信号以外の信号を遮断する。
次に、ADC34は、差周波信号(fs1_air,fs2_air,・・・,fsm-1_air)をアナログ信号からデジタル信号に変換する(ステップS107)。位相測定部35は、デジタル信号に変換された差周波信号(fs1_air,fs2_air,・・・,fsm-1_air)の位相θ1_air,θ2_air,・・・,θsm-1_airを測定する(ステップS108)。なお、位相測定部35は、差周波信号の信号強度についても測定する。測定された位相情報、信号強度および差周波信号の情報は記憶部(図示しない)において記憶される。
続いて、今度は、送信機2と受信機3との間に被測定物4を設置する。受信機3のアンテナ31で、被測定物4を透過した、周波数f1,f2,・・・,fmの合波信号を受信する(ステップS109)。次に、自乗検波素子32は、被測定物4が存在する状態で、受信された信号を自乗検波する(ステップS110)。自乗検波素子32から出力される差周波信号(fs1_sample,fs2_sample,・・・,fsm-1_sample)を含む出力信号は、フィルタ33でフィルタリングされて、差周波信号のみが抽出される(ステップS111)。
次に、ADC34において、アナログ信号の差周波信号(fs1_sample,fs2_sample,・・・,fsm-1_sample)をデジタル信号に変換する(ステップS112)。位相測定部35は、デジタル変換された差周波信号(fs1_sample,fs2_sample,・・・,fsm-1_sample)の位相θ1_sample,θ2_sample,・・・,θm-1_sampleを測定する(ステップS113)。なお、位相測定部35は、差周波信号の信号強度についても測定する。測定された位相情報、信号強度および差周波信号の情報は記憶部(図示しない)に記憶される。
次に、位相処理部36は、ステップS113で測定された差周波信号(fs1_sample,fs2_sample,・・・,fsm-1_sample)の位相θ1_sample,θ2_sample,・・・,θm-1_sampleの位相接続を行う(ステップS114)。位相処理部36によって更新された位相情報(θ1_sample,φ2_sample,・・・,φm-1_sample)は記憶部(図示しない)に記憶される。
そして、比誘電率算出部37は、ステップS108で測定された、被測定物4が存在しない状態で背景物質のみを透過した信号における差周波信号の位相θ1_air,θ2_air,・・・,θsm-1_airと、被測定物4を透過した信号の差周波信号の位相が位相接続された位相情報(θ1_sample,φ2_sample,・・・,φm-1_sample)とを用いて、式(1)より、被測定物4の比誘電率εrを算出する(ステップS115)。
最後に、算出結果出力部38は、算出された被測定物4の比誘電率εrを出力して表示する(ステップS116)。
[誘電率測定シミュレーション]
次に、本実施の形態に係る誘電率測定システム1を用いた被測定物4の比誘電率εrの測定シミュレーションについて説明する。本実施の形態におけるシミュレーションでは、3つの周波数f1(300GHz)、f2(310GHz)、f3(319.9GHz)(以下、「3周波」という。)の信号(間隔df=19.9GHz)を用いて被測定物4の比誘電率εrを測定する。また、比較対象として、従来の誘電率測定システム100を用いてf1(300GHz)、f2(310GHz)の2周波(間隔df=10GHz)の信号を用いて被測定物4の比誘電率εrを測定する。
次に、本実施の形態に係るシミュレーションにおける光学系の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、被測定物4は、既知の比誘電率(εr=5.5)を有し、厚さLは10mmから20mmの範囲で値を振った一様な物体である。また、本シミュレーションでは、被測定物4内で発生する無限多重反射の影響を含み、誘電損失tanδは0である。背景物質には、空気(ε0=1)を用い、送信機2と受信機3との距離L0は100mmとする。なお、この条件での2周波における間隔の最大値は11GHzである。
まず、従来の誘電率測定システム100において2周波の信号を用いた場合のシミュレーションについて説明する。図5は、従来の誘電率測定システム100において送信機200と受信機300との間に被測定物4が存在しない場合の、送信機200側と受信機300側それぞれの時間領域および周波数領域の信号強度を示す図である。
送信機200からは、f1(300GHz)とf2(310GHz)の2周波の信号が生成および合波されてアンテナ203から受信機300に送信される。空気での振幅減衰がない条件を仮定すると、受信信号は送信信号と等しくなる。
図5に示すように、受信機300のアンテナ301で受信される、f1(300GHz)とf2(310GHz)の信号が合波された信号を、自乗検波素子302に入力して検波し、フィルタ303から2周波の差分であるfs1(10GHz)の差周波信号を得る。この差周波信号は、f1(300GHz)とf2(310GHz)の信号の位相差情報を持っている。
自乗検波素子302から出力される、差周波信号を10GHz近辺の通過域を有するフィルタ303に通し、ADC304でデジタル信号に変換する。そして、被測定物4が存在しない状態で、空気のみを透過した信号について、位相測定部305で位相θairを測定する。さらに、送信機200と受信機300との間に被測定物4を設置して、同様に、位相測定部305でθsampleを測定する。最後に、比誘電率算出部307において式(1)を用いて、比誘電率εrを算出する。
従来の誘電率測定システム100において、周波数の間隔dfが10GHzの2周波信号を用いた場合に算出される、厚さLが15mmの被測定物4の誘電率の値と、その理論値との誤差は、6.96%である。
次に、本実施の形態に係る誘電率測定システム1において、非等間隔の3周波信号を用いた場合のシミュレーションについて説明する。図6は、誘電率測定システム1において送信機2と受信機3との間に被測定物4が存在しない(空気のみ存在する)場合の、送信機2側と受信機3側それぞれの時間領域および周波数領域の信号強度を示す図である。また、図7は、受信機3側の周波集領域の信号強度を拡大した図である。
図6に示すように、本シミュレーションでは、f1(300GHz)、f2(310GHz)、f3(319.9GHz)の3周波の信号を用いる。これらの信号において、周波数軸上で隣り合う2周波の間隔は、それぞれ10GHz(fs1=f2−f1)と9.9GHz(fs2=f3−f2)である。
まず、被測定物4が存在しない状態で空気のみを透過した、3周波の信号が合波された信号を、受信機3のアンテナ31で受信する。図6および図7に示すように、受信された信号を自乗検波素子32に入力すると、周波数fs1_air(9.9GHz)とfs2_air(10GHz)の差周波信号を含む信号が出力される。これらの差周波信号を、10GHz近辺の通過域を有するフィルタ33に通し、ADC34でデジタル信号に変換する。さらに、位相測定部35で、差収波信号の位相θ1_airと位相θ2_airを測定する。
次に、送信機2と受信機3との間に被測定物4を設置して、同様に、差周波信号の位相θ1_sampleと位相θ2_sampleを測定する。続いて、位相処理部36は、被測定物4を透過する信号の差収波信号の位相θ1_sampleと位相θ2_sampleについて位相接続を行う。比誘電率算出部37は、空気のみを透過する信号の差周波信号の位相θairおよび被測定物4を透過する信号の差周波信号の位相θsample(位相接続後の位相)を算出する。最後に、比誘電率算出部37は、式(1)に位相θairおよび位相θsampleを代入して、被測定物4の比誘電率εrを算出する。
本実施の形態の誘電率測定システム1において、間隔dfが19GHzの3周波の信号を用いた場合に算出される、厚さLが15mmの被測定物4における誘電率の値と理論値との誤差は、1.18%である。前述したように、従来の誘電率測定システム100で2周波の信号を用いて被測定物4の誘電率を算出した場合の誤差が6.96%であることから、本実施の形態に係る誘電率測定システム1は、従来に比べてより高精度に被測定物4の誘電率の測定ができることがわかる。
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、送信機2において、周波数軸上で隣り合う2周波の間隔fs1=f2−f1,fs2=f3−f2,・・・,fsm-1=fm−fm-1が互いに異なり、かつ、周波数軸上で隣り合う2周波の周波数間隔fsがそれぞれ式(3)の条件を満たす複数の周波数f1,f2,・・・,fmの信号を発生し、これら複数の周波数f1,f2,・・・,fmの信号を足し合わせて受信機3に送信する。
そして、受信機3においては、複数の周波数の信号が合波された信号を自乗検波素子32の自乗検波作用によってセルフヘテロダイン検波することで、周波数軸上で隣り合う2周波間の周波数差に応じた複数のビート波である差周波信号(fs1、fs2、・・・、fsm-1)が生成される。
各差周波信号は、それぞれの2周波間の位相差情報を含んでいるため、各差周波信号の位相を測定して位相接続をすることで、周波数の間隔dfを拡張することができる。したがって、被測定物4の誘電率の高速測定ができるセルフヘテロダイン方式の誘電率測定システム1において、複数周波数の信号を適用して、測定誤差を低減することができる。そのため、誘電率測定の高速化と高精度化を両立することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る誘電率測定システム1aの構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1の実施の形態では、送信機2が、複数の高周波信号を生成する単周波発振器21a〜21nを有する場合について説明した。これに対し、第2の実施の形態では、送信機2aは、1つの高周波信号を生成する単周波発振器21aと、複数の単周波発振器21aが生成する信号よりも低周波の信号を生成する単周波発振器21B、21C、・・・、21Nと、合波器22と、単側波帯(SSB:Single Sideband)ミキサ24と、アンテナ23とを備える。
単周波発振器21B、21C、・・・、21Nは、周波数f2,f3,・・・,fmのそれぞれから周波数f1を減算した周波数の信号を生成する。図8に示すように、本実施の形態においては、低周波信号を生成する2つの単周波発振器21B、21Cを有する場合について説明する。単周波発振器21Bは、周波数f2−f1(10GHz)の信号を生成し、単周波発振器21Cは、周波数f3−f2(19.9GHz)の信号を生成して、合波器22に出力する。
合波器22において、周波数f2−f1の信号と、周波数f3−f1の信号とが合波された信号は、中間周波信号(以下、「IF信号」という。)として、SSBミキサ24に入力される。IF信号は、周波数fifの信号である。また、単周波発振器21aから出力された周波数f1の高周波信号は、ローカル信号(以下、「LO信号」という。)として、SSBミキサ24に入力される。LO信号は、周波数flo=f1の信号である。
SSBミキサ24は、IF信号とLO信号とを混合する。SSBミキサ24は、flo、flo+fifの周波数の信号を通過させ、flo−fifの周波数の信号を遮断する通過帯域特性を有するミキサである。SSBミキサ24は、周波数floとflo+fifが混ざった信号を出力する。アンテナ23は、ミキサ24から出力された信号を受信機3に向けて送信する。なお、受信機3については、第1の実施の形態と同じ構成を採用する。
上記のような構成を有する送信機2aを用いることによって、誘電率測定システム1aにおける高周波発振器の数を減らすことができる。そのため、誘電率測定システム1aの構造をより簡易にすることが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図9は、第3の実施の形態に係る誘電率測定システム1bの構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、上述した第1および第2の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1および第2の実施の形態では、受信機3において、フィルタ33を通過した差周波信号が、ADC34に出力される場合について説明した。これに対し、第3の実施の形態では、フィルタ33とADC34との間に周波数変換器39をさらに備える。
周波数変換器39は、フィルタ33を通過した差周波信号と、単周波発振器(図示しない)から出力されたLO信号とを混合することにより、差周波信号の周波数を変換(ダウンコンバート)する。周波数変換器39によるダウンコンバートによって、差周波信号の周波数は、それぞれf’s1=fs1−flo、およびf’s2=fs2−floの周波数に変換される。具体的には、図9に示すように、10GHzの差周波信号は、0.2GHzにダウンコンバートされ、9.9GHzの差周波信号は、0.1GHzにダウンコンバートされる。
周波数変換器39でダウンコンバートされた各差周波信号は、ADC34に入力されてアナログからデジタルの信号に変換される。これにより、ADC34において要求される最低サンプリングレートを0.4GHzまで下げることができる。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、差周波信号をダウンコンバートする周波数変換器39をフィルタ33とADC34との間に設置するため、第1および第2の実施の形態よりも低速のADCを採用することができる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図10は、第4の実施の形態に係る周波数f1,f2,・・・,fmの信号を示す図である。なお、以下の説明では、上述した第1から第3の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1および第3の実施の形態では、単周波発振器21a〜21nのそれぞれが生成する周波数f1,f2,・・・,fmの信号は、隣り合う2周波の周波数間隔fs=fsn+1−fsnがそれぞれ異なり、かつ、各周波数間隔fsの値が式(3)の条件を満たす場合について説明した。これに対して、第4の実施の形態では、単周波発振器21a〜21nがそれぞれ生成する周波数f1,f2,・・・,fmの信号は、さらに、図10に示すように、周波数軸上で隣り合う周波数間隔fsn、fsn+1の差分Δfs(n+1)n(Δfs(n+1)n=fsn+1−fsn)が一定値となる信号である。
このように、周波数軸上で隣り合う周波数間隔fsどうしの差分Δfs(n+1)nが一定値であると、受信機3側の自乗検波素子32から出力される差周波信号の差分が一定となり、ADC34、位相測定部35や位相処理部36での処理がより容易となる。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、単周波発振器21a〜21nがそれぞれ生成する周波数f1,f2,・・・,fmの信号は、周波数軸上で隣り合う2周波の周波数間隔fs=fsn+1−fsnがそれぞれ異なり、各周波数間隔fsの値が式(3)の条件を満たし、かつ、周波数軸上で隣り合う周波数間隔fsn、fsn+1の差分Δfs(n+1)nが一定値である場合について説明した。
これに対し、第5の実施の形態では、さらに、一定値である周波数軸上で隣り合う周波数間隔fsn、fsn+1の差分Δfs(n+1)nの値が、単周波発振器21a〜21nが有する最小の周波数分解能と同じ値となるようにする。
単周波発振器21a〜21nにおいて、周波数軸上で隣り合う周波数間隔fsn、fsn+1の差分Δfs(n+1)nの一定値が、単周波発振器21a〜21nが有する最小の周波数分解能と同じ値となるような周波数f1,f2,・・・,fmの信号を生成することで、例えば、受信機3側のADC34において、より狭い帯域幅を用いることができる。したがって、誘電率測定システム1をより簡易に構成することが可能となる。
以上、本発明の誘電率測定システム、誘電率測定装置および方法における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。
本実施の形態で説明した比誘電率算出部37は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。コンピュータのCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
1、1a、1b…誘電率測定システム、2、2a…送信機、3、3a…受信機、4…被測定物、21a、21b、21c、21n、21B、21C、21N…単周波発振器、22…合波器、23、31…アンテナ、24…単側波帯ミキサ、32…自乗検波素子、34…ADC、35…位相測定部、36…位相処理部、37…比誘電率算出部、38…算出結果出力部、39…周波数変換器。

Claims (8)

  1. m個の互いに異なる周波数の信号を生成する複数の単周波発振器と、
    前記単周波発振器によって生成された前記m個(mは3以上の整数)の信号を足し合わせ、周波数f1、f2、・・・、fmの信号を合波する合波器と、
    前記合波器から出力された、合波された信号を送信する第1のアンテナと、
    を備え、
    前記単周波発振器は、
    前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号の周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1(nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数間隔fs=fn+1−fnが互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
    を満たす、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号を生成する、
    送信機と、
    前記合波された信号を受信する第2のアンテナと、
    前記第2のアンテナで受信した前記合波された信号を検波する自乗検波素子と、
    前記自乗検波素子から出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタと、
    前記フィルタから出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、
    前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理部と、
    前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出部と、
    を備える受信機と、
    を備えることを特徴とする誘電率測定システム。
  2. 前記自乗検波素子は、前記被測定物が存在しない状態を透過した前記合波された信号と、前記被測定物が存在する状態を透過した前記合波された信号を検波し、
    前記フィルタは、前記被測定物が存在しない状態を透過した前記合波された信号に基づく第1の差周波信号と、前記被測定物が存在する状態を透過した前記合波された信号に基づく第2の差周波信号を出力し、
    前記位相測定部は、前記第1の差周波信号の第1の位相と、前記第2の差周波信号の第2の位相とを測定し、
    前記位相処理部は、前記第2の位相の位相接続を行い、
    前記比誘電率算出部は、前記第1の位相と、位相接続された前記第2の位相とに基づいて前記被測定物の前記比誘電率を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘電率測定システム。
  3. 前記送信機が備える前記単周波発振器は、
    前記周波数f1の信号を生成する第1の単周波発振器と、
    周波数f2−f1、f3−f1、・・・、fm−f1の信号を生成する第2の単周波発振器と、を含み、
    前記合波器は、
    前記第2の単周波発振器によって生成された前記周波数f2−f1、f3−f1、・・・、fm−f1の信号を合波する第1の合波器と、
    前記第1の合波器によって合波された信号を中間周波信号とし、前記周波数f1の信号を局部発振信号として、単側波帯変調信号を出力する単側波帯ミキサと、
    をさらに備え、
    前記第1のアンテナは、前記単側波帯ミキサから出力された前記単側波帯変調信号を送信することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の誘電率測定システム。
  4. 前記受信機は、
    前記フィルタから出力された前記差周波信号について、前記差周波信号の周波数よりも低い周波数に変換する周波数変換器と、
    前記周波数変換器と前記位相測定部との間に接続され、前記差周波信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
    をさらに備え、
    前記位相測定部は、前記周波数変換器によって前記低い周波数に変換された差周波信号の位相を測定することを特徴とする
    請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の誘電率測定システム。
  5. 前記単周波発振器が生成する前記周波数f1、f2、・・・、fmの前記信号は、周波数軸上で互いに隣り合う前記周波数間隔fsの値の差分値が一定であることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の誘電率測定システム。
  6. 前記差分値は、前記単周波発振器が有する最小の周波数分解能と同じ値であることを特徴とする請求項5に記載の誘電率測定システム。
  7. 周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1の周波数間隔fs=fn+1−fnが、互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
    を満たす、m個(mは3以上の整数、nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数f1、f2、・・・、fmの信号が合波された信号を受信する第2のアンテナと、
    前記第2のアンテナで受信した前記合波された信号を検波する自乗検波素子と、
    前記自乗検波素子から出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタと、
    前記フィルタから出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定部と、
    前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理部と、
    前記位相測定部から出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出部と、
    を備えることを特徴とする誘電率測定装置。
  8. m個の互いに異なる周波数の信号を生成する複数単周波生成ステップと、
    前記複数単周波生成ステップで生成された前記m個(mは3以上の整数)の信号を足し合わせ、周波数f1、f2、・・・、fmの信号を合波する合波ステップと、
    前記合波ステップで出力された合波された信号を送信する信号送信ステップと、
    を備え、
    前記複数単周波生成ステップは、
    前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号の周波数軸上で隣り合う2つの信号の周波数fn、fn+1(nは1から(m−1)の整数、ただし、fn<fn+1)の周波数間隔fs=fn+1−fnが互いに異なり、かつ、被測定物の取り得る最大比誘電率をεeff_max、前記被測定物の厚さをL、光速をcとしたとき、
    を満たす、前記m個の周波数f1、f2、・・・、fmの信号を生成する、
    送信ステップと、
    前記合波された信号を受信する信号受信ステップと、
    受信した前記合波された信号を検波する自乗検波ステップと、
    前記自乗検波ステップで出力される信号から前記隣り合う2つの信号の周波数fn+1、fnの差fn+1−fnの周波数の差周波信号を出力するフィルタリングステップと、
    前記フィルタリングステップで出力された前記差周波信号の位相を測定する位相測定ステップと、
    前記位相測定ステップで出力された前記差周波信号の位相を位相接続する位相処理ステップと、
    前記位相測定ステップで出力された前記差周波信号の位相の情報に基づいて前記被測定物の比誘電率を算出する比誘電率算出ステップと、
    を備える受信ステップと、
    を備えることを特徴とする誘電率測定方法。
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