JP2018123791A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
Description
エンジン始動時において、エンジン停止を抑制しつつリリーフ弁及び燃圧センサの故障判定が可能な内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
また、好ましくは、前記ソーク状態は、前記内燃機関の始動前の停止開始時における前記内燃機関の冷却水温または潤滑油温と、前記内燃機関の停止開始から前記内燃機関の始動指示までの時間に基づいて設定されるとよい。
また、好ましくは、前記故障判定部は、前記所定期間経過後に前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射によって前記燃圧下降制御を実行して前記圧力検出値の変化度合に基づいて、前記リリーフ弁及び前記圧力検出器の何れが故障であるか特定するとよい。
図1は、本発明の一実施形態の内燃機関の燃料噴射装置の概略構成図である。
本発明の一実施形態に係る燃料噴射装置を備えたエンジン(内燃機関)は、例えば自動車の走行駆動用エンジンであり、4気筒のガソリンエンジンである。エンジンには、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路燃料噴射弁10(10a〜10d)と、燃焼室内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁11(11a〜11d)と、が各気筒に1つずつ備えられている。
また、高圧燃料供給装置20から各筒内燃料噴射弁11a〜11dへの燃料供給路であるデリバリパイプ23には、高圧燃料供給装置20からの燃料の吐出圧であるデリバリ燃圧Pd(圧力検出値)を検出する燃圧センサ24(圧力検出器)が設けられている。
プランジャポンプ33は、筒状のシリンダ36内をプランジャ37が往復動可能に設けられている。プランジャ37は、図示しないエンジンのドライブシャフトに設けられたカムによって移動される。ドライブシャフトは、例えばエンジンの排気カムシャフトに連結しており、よって、エンジンの駆動によりプランジャ37がシリンダ36内を往復動し、シリンダ36内の加圧室38の容積を増減させる。
供給路39には、上流側から順番に、フィルタ30、パルセーションダンパ室31、スピル弁32が配置されている。
フィルタ30は、フィードポンプ13により燃料タンク12から供給された燃料を濾過する機能を有する。パルセーションダンパ室31は、供給路39の燃料の圧力変動を抑制する機能を有する。
吐出路40には、吐出弁34が配置されている。吐出弁34は、スプリングによって閉弁するように付勢されており、前後の差圧が所定値以上、即ち加圧室38内の圧力が筒内燃料噴射弁11への設定供給圧力以上に上昇した場合に開弁するように設定されている。
高圧燃料供給装置20は、プランジャ37の下方への移動時、即ち加圧室38の容積の拡大時には、スピル弁32が開弁し、供給路39から燃料が加圧室38内に供給される。プランジャ37の上方への移動時、即ち加圧室38の容積の縮小時には、ソレノイド42にスピル弁駆動信号を一時的に供給してスピル弁32を閉作動させることで、その後のプランジャ37の上方への移動時にスピル弁32の閉弁状態が維持されて、加圧室38内の燃料が加圧される。
なお、本実施形態の高圧燃料供給装置20では、シリンダ36内におけるプランジャ37に対して加圧室38とは反対側の副室に、パルセーションダンパ室31から燃料を供給して貯留しておくように構成されている。
図2に示す故障診断制御は、ステップS10としてエンジン始動指示(例えばキースイッチオン)されたときに開始する。そして、ステップS20に進む。
ステップS20では、燃圧センサ24により検出したデリバリ燃圧Pdを入力し、当該デリバリ燃圧Pdがリリーフ弁35のリリーフ圧Prに適宜設定された所定値αを加算した値より大きいか否かを判別する。デリバリ燃圧Pdがリリーフ圧Prに所定値αを加算した値より大きい場合(Pd>Pr+α)は、ステップS30に進む。デリバリ燃圧Pdがリリーフ圧Prに所定値αを加算した値以下の場合(Pd≦Pr+α)は、本ルーチンを終了する。
ステップS40では、エンジンを始動する。なお、このときの燃料噴射モードはMPIモードである。そして、ステップS50に進む。
ステップS60では、燃圧下降制御実行条件成立中であるか否かを判別する。燃圧下降制御実行条件成立中である場合には、ステップS70に進む。燃圧下降制御実行条件成立中でない場合には、ステップS60を繰り返す。燃圧下降制御実行条件は、例えば車両電源ONであること、エンストモードまたは始動モードでないこと、筒内燃料噴射弁11が断線故障ではないこと、高圧燃料供給装置20のソレノイド42が天絡、地絡、断線故障ではないこと、燃圧センサ24が天絡、地絡、断線故障ではないこと等の条件である。
ステップS90では、燃圧センサ固着判定タイマを、燃圧下降制御の経過時間分減算する。そして、ステップS100に進む。
ステップS120では、燃圧センサ24が固着した故障状態であると判定し、リリーフ弁35は閉固着していない正常状態であると判定する。そして、本ルーチンを終了する。
更に、本実施形態では、上記ステップS50においてエンジン始動後所定期間taの間、筒内燃料噴射弁11による燃料噴射を禁止して高圧燃料供給装置20をオープンループ制御する際に、この所定期間taあるいはオープンループ制御の制御量Pa(高圧燃料供給装置20による単位時間あたりの吐出量)を、エンジン始動するまでの車両のソーク状態に基づいて変化させる。例えば、所定期間taを固定した上で、機関温度が高く燃圧が上昇し易い状態である場合には、制御量Paを小さくする。あるいは、制御量Paを固定した上で、機関温度が高く燃圧が上昇し易い状態である場合には、所定期間taを短くする。この燃圧が上昇し易い車両のソーク状態については、エンジン停止(キースイッチオフ)時のエンジン水温(冷却水温)または油温(潤滑油温)を検出して記憶しておき、当該エンジン停止時の水温または油温とエンジン停止からエンジン始動指示(キースイッチオン)までの時間とに基づいて設定したり、エンジン停止時のエンジン水温または油温とエンジン始動指示時のエンジン水温または油温とにより推定したりすればよい。エンジン停止時のエンジン水温または油温とエンジン停止からエンジン始動指示までの時間とに基づいて設定する場合には、エンジン停止時のエンジン水温または油温が高くなるに伴って、またエンジン停止からエンジン始動指示までの時間が短くなるに伴って、機関温度が高く燃圧が上昇し易い状態であり、制御量Paを小さくあるいは所定期間taを短くする。エンジン停止時のエンジン水温または油温とエンジン始動指示時のエンジン水温または油温とに基づいて設定する場合には、エンジン始動指示時のエンジン水温または油温が高い程、またエンジン始動指示時のエンジン水温または油温とエンジン停止時のエンジン水温または油温との差が小さいほど燃圧が上昇し易い状態であり、制御量Paを小さくあるいは所定期間taを短くすればよい。
そして、エンジン始動後に筒内燃料噴射弁11による燃料噴射を所定期間ta禁止した後に燃圧下降制御を実行し、所定期間(所定時間または所定点火回数)経過するまでに燃圧センサ24の検出値であるデリバリ燃圧Pdが判定値P1以上低下するか否かによって、燃圧センサ24及びリリーフ弁35のいずれが故障であるか特定できる。
11 筒内燃料噴射弁
20 高圧燃料供給装置
24 燃圧センサ
50 コントロールユニット(燃料噴射制御部)
51 故障判定部
Claims (5)
- 燃料タンクに貯留した燃料を加圧する高圧燃料供給装置と、
前記高圧燃料供給装置により加圧された燃料を供給されて内燃機関の燃焼室に噴射する筒内燃料噴射弁と、
前記内燃機関の吸気通路に燃料を噴射する吸気通路燃料噴射弁と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記筒内燃料噴射弁及び前記吸気通路燃料噴射弁の少なくとも一方により前記内燃機関に燃料を供給させる燃料噴射制御部と、
所定のリリーフ圧で開弁して前記高圧燃料供給装置から前記筒内燃料噴射弁に供給された燃料の圧力を抑制するリリーフ弁と、
前記高圧燃料供給装置から前記筒内燃料噴射弁に供給された燃料の圧力を検出する圧力検出器と、
前記内燃機関の始動の際の前記圧力検出器による圧力検出値に基づいて前記圧力検出器及び前記リリーフ弁の故障判定をする故障判定部と、
を備えた内燃機関の燃料噴射装置であって、
前記故障判定部は、前記内燃機関が始動指示された際の前記圧力検出値が前記リリーフ圧を超えている場合に、前記内燃機関の始動から所定期間経過するまで前記筒内燃料噴射弁による燃料の噴射を停止して前記吸気通路燃料噴射弁のみで前記内燃機関に燃料を供給し、前記所定期間経過後に前記筒内燃料噴射弁に供給された燃料の圧力を低下させる燃圧下降制御を実行して故障箇所を特定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 - 前記故障判定部は、前記内燃機関が始動するまでのソーク状態に基づいて前記所定期間を変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記ソーク状態は、前記内燃機関の始動前の停止開始時における前記内燃機関の冷却水温または潤滑油温と、前記内燃機関の停止開始から前記内燃機関の始動指示までの時間に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記ソーク状態は、前記内燃機関の始動前の停止開始時における前記内燃機関の冷却水温または潤滑油温と、前記内燃機関の始動指示時における前記内燃機関の冷却水温または潤滑油温とに基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
- 前記故障判定部は、前記所定期間経過後に前記筒内燃料噴射弁による燃料噴射によって前記燃圧下降制御を実行して前記圧力検出値の変化度合に基づいて、前記リリーフ弁及び前記圧力検出器の何れが故障であるか特定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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