JP2012145023A - 内燃機関の高圧燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の高圧燃料供給装置において、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の悪化を回復させる。
【解決手段】所定の機能回復制御実行条件が成立したときに高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高く設定した機能回復制御用の目標燃圧に上昇させるように高圧ポンプ14の燃料吐出流量を制御して減圧保持バルブ30の減圧孔29を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行する。ここで、機能回復制御実行条件は、少なくとも、前回の機能回復制御実行後、所定期間が経過したこと、又は、積算走行距離、積算運転時間、積算燃料消費量、運転回数のいずれかが所定値を越えたことを条件とし、更に、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件(例えば燃料噴射カット中)になったことも条件としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、高圧ポンプの燃料吐出動作が停止されているときに高圧燃料通路内の燃圧(燃料圧力)を所定の保持燃圧まで減圧する減圧保持バルブ機構を備えた内燃機関の高圧燃料供給装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、特許文献1(特開2003−322048号公報)に記載されているように、筒内噴射式エンジンでは、燃料タンクから電動式の低圧ポンプで汲み上げた燃料を、エンジンの動力で駆動される高圧ポンプに供給し、この高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を高圧燃料配管を通して燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
一般に、高圧ポンプは、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁を設けることで、高圧燃料配管内の燃圧を高圧に維持するようにしているが、エンジン停止後に高圧燃料配管内の燃圧が高圧に維持されると、エンジン停止中に燃料噴射弁からの燃料漏れ量(油密漏れ量)が多くなる傾向があり、その漏れ燃料が筒内に溜まって次の始動時に未燃焼のまま排出されてしまい、始動時の排気エミッションが悪化するという問題がある。
この対策として、特許文献2(特開2009−121395号公報)に記載されているように、エンジン停止後に高圧燃料配管内の燃圧を所定の保持燃圧まで減圧する減圧保持バルブ機構を設けたものがある。ここで、減圧保持バルブ機構は、高圧燃料配管内と高圧ポンプ内とを連通させる微小径の減圧孔(オリフィス)と、この減圧孔を開閉する減圧保持バルブと、この減圧保持バルブを閉弁方向に付勢するスプリングとから構成され、このスプリングのばね力によって保持燃圧(高圧燃料配管内の減圧後の燃圧)が決まるが、保持燃圧が低くなり過ぎると、再始動性が低下したり、高圧燃料配管内の燃料中にベーパが発生しやすくなるため、保持燃圧は、燃料噴射弁からの燃料漏れ抑制と再始動性確保・ベーパ抑制とを両立させるように設定される。
特開2003−322048号公報 特開2009−121395号公報
ところで、減圧保持バルブ機構の減圧孔は微小径で、減圧時の減圧保持バルブのリフト量も微小であるため、燃料に含まれる微小な異物が減圧保持バルブに噛み込まれたり、減圧孔に詰まってしまうことがある。その結果、減圧保持バルブの開弁時の流路断面積が異物によって狭められて燃圧の減圧速度が正常時より遅くなったり、減圧後も減圧保持バルブの閉じ具合が不完全になって減圧保持性能が悪化し、高圧燃料配管内の燃圧が低くなり過ぎて再始動性が低下したり、高圧燃料配管内の燃料中にベーパが発生しやすくなるという不具合が発生する。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の悪化を回復させることができる内燃機関の高圧燃料供給装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を筒内噴射用の燃料噴射弁に供給する高圧燃料通路と、前記高圧燃料通路内の燃圧を目標燃圧に一致させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御する燃圧制御手段と、前記高圧ポンプの燃料吐出動作が停止されているときに前記高圧燃料通路内の燃圧を前記目標燃圧より低い所定の保持燃圧まで減圧する減圧保持バルブ機構とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置において、所定の機能回復制御実行条件が成立したときに前記高圧燃料通路内の燃圧を一時的に前記目標燃圧より高い燃圧に上昇させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御して前記減圧保持バルブ機構の減圧孔(オリフィス)を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行する機能回復制御手段を備えた構成としたものである。
このように、所定の機能回復制御実行条件が成立したときに、高圧燃料通路内の燃圧を一時的に目標燃圧より高い燃圧に上昇させると、減圧保持バルブ機構の減圧孔を流れる燃料流量が増大するため、減圧保持バルブに噛み込まれた異物や減圧孔に詰まった異物が洗い流されたり、減圧時の減圧保持バルブのリフト量が増大して(減圧保持バルブのリフト量は燃圧が高くなるほど大きくなるため)、減圧保持バルブの閉弁方向の付勢力で異物を粉砕する効果が大きくなり、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の悪化を回復させることができる。
一般に、内燃機関の運転期間が長くなるほど、減圧保持バルブ機構に異物の噛み込みや詰まりが発生している確率が高くなることを考慮して、請求項2のように、前記機能回復制御実行条件は、少なくとも、前回の機能回復制御実行後、所定期間が経過したこと、又は、積算走行距離、積算運転時間、積算燃料消費量、運転回数のいずれかが所定値を越えたことを条件としても良い。このようにすれば、減圧保持バルブ機構に異物の噛み込みや詰まりが発生している可能性のある時期を見計らって機能回復制御を実行することができ、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能を定期的に回復させることができる。
或は、請求項3のように、機能回復制御実行条件は、少なくとも内燃機関の運転条件が予め決められた所定の運転条件になったことを条件としても良い。ここで、所定の運転条件は、例えば、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない運転条件に設定すれば良い。これにより、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
具体的には、例えば、請求項4のように、筒内噴射用の燃料噴射弁の燃料噴射カット中であることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。燃料が噴射されるときに燃圧を上昇させると、噴霧貫徹力(ペネトレーション)が強くなり過ぎてウェットが増加しやすくなり、空燃比がずれてエミッションやドライバビリティが悪化する。従って、燃料噴射カット中に機能回復制御を実行すれば、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
或は、請求項5のように、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムにおいては、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。高圧ポンプで加圧した高燃圧の燃料は、筒内噴射用の燃料噴射弁のみに供給され、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁には低圧ポンプから吐出された低圧の燃料が供給されるため、吸気ポート噴射100%で、筒内噴射0%であれば、機能回復制御によって高圧燃料通路内の燃圧を上昇させても、その影響が吸気ポート噴射に全く現れず、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、請求項6のように、車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両においては、走行モードがモータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。モータ走行モードでは内燃機関への燃料噴射が停止されるため、モータ走行モードのときに機能回復制御を実行すれば、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
以上説明した請求項1〜6に係る発明は、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能が実際に低下したか否かを問わず、所定の機能回復制御実行条件が成立したときに機能回復制御を実行するようにしたが、本発明は、請求項7のように、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下を検出する減圧保持性能低下検出手段を備え、この減圧保持性能低下検出手段で減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下を検出したときに機能回復制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下を検出したときに、速やかに機能回復制御を実行して減圧保持バルブ機構の減圧保持性能を回復させることができる。
この場合、請求項8のように、高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧検出手段を備え、前記減圧保持性能低下検出手段は、減圧期間中に前記燃圧検出手段で検出した燃圧の挙動及び/又は減圧後の燃圧に基づいて減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下の有無を判定するようにしても良い。減圧保持バルブ機構の減圧保持性能が低下すれば、燃圧の減圧速度が正常時より遅くなると共に、減圧後の燃圧が正常時より低下する。このような減圧特性から、減圧期間中の燃圧の挙動や減圧後の燃圧を検出することで、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下の有無を判定することができる。
また、請求項9のように、減圧保持性能低下検出手段で減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに内燃機関の運転条件が予め決められた所定の運転条件になってから前記機能回復制御を実行するようにすると良い。ここで、所定の運転条件は、例えば、エミッションやドライバビリティが悪化しない運転条件に設定すれば良い。これにより、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
具体的には、例えば、請求項10のように、筒内噴射用の燃料噴射弁の燃料噴射カット中になってから機能回復制御を実行するようにしても良い。このように、燃料噴射カット中に機能回復制御を実行すれば、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、請求項11のように、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムにおいては、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%になってから機能回復制御を実行するようにしても良い。このようにしても、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、請求項12のように、車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両においては、走行モードがモータのみで車両を駆動するモータ走行モードになってから機能回復制御を実行するようにしても良い。このようにしても、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、請求項13のように、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムにおいては、減圧保持性能低下検出手段で減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率を吸気ポート噴射100%に変更して機能回復制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、速やかにエミッションやドライバビリティを悪化させない噴射条件に変更して機能回復制御を実行することができる。
また、請求項14のように、車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両においては、減圧保持性能低下検出手段で減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、走行モードをモータのみで車両を駆動するモータ走行モードに切り換えて機能回復制御を実行するようにしても良い。このようにすれば、減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、速やかにハイブリッド車両の走行モードをミッションやドライバビリティを悪化させないモータ走行モードに切り換えて機能回復制御を実行することができる。
図1は本発明の実施例1における筒内噴射式エンジンの高圧燃料供給装置の概略構成を示す図である。 図2は高圧ポンプと減圧保持バルブ機構の構成を示す図である。 図3は高圧ポンプの燃料吐出停止後における正常時の燃圧挙動と異物噛み込み時の燃圧挙動とを対比して示すタイムチャートである。 図4は実施例1の機能回復制御実行条件判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図5は実施例1の機能回復制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図6は実施例2の減圧保持性能低下判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図7は実施例2の機能回復制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図8は実施例3の機能回復制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図9は実施例4の機能回復制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した4つの実施例1〜4を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて筒内噴射式のエンジン(内燃機関)の高圧燃料供給装置全体の概略構成を説明する。
燃料を貯溜する燃料タンク11内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ12が設置されている。この低圧ポンプ12は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ12から吐出される燃料は、燃料配管13を通して高圧ポンプ14に供給される。燃料配管13には、プレッシャレギュレータ10が接続され、このプレッシャレギュレータ10によって低圧ポンプ12の吐出圧(高圧ポンプ14への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し管9により燃料タンク11内に戻されるようになっている。
高圧ポンプ14は、円筒状のポンプ室15内でピストン16(プランジャー)を往復運動させて燃料を吸入/吐出するピストンポンプであり、ピストン16は、エンジンのカム軸17(又はクランク軸)に嵌着されたカム18の回転運動によって駆動される。この高圧ポンプ14の吸入口側には、燃圧制御弁19が設けられている。この燃圧制御弁19は、常開型の電磁弁であり、高圧ポンプ14の吸入行程(ピストン16の下降時)においては、燃圧制御弁19の弁体19aが開弁されてポンプ室15内に燃料が吸入され、高圧ポンプ14の吐出行程(ピストン16の上昇時)においては、燃圧制御弁19の弁体19aが閉弁する期間(閉弁開始時期からピストン16の上死点までの閉弁状態のクランク角区間)を制御することで、高圧ポンプ14の燃料吐出流量を制御して燃圧(吐出圧力)を制御する。
例えば、燃圧を上昇させるときには、燃圧制御弁19の閉弁開始時期(通電開始時期)を進角させることで、燃圧制御弁19の閉弁期間を長くして高圧ポンプ14の吐出流量を増加させ、逆に、燃圧を低下させるときには、燃圧制御弁19の閉弁開始時期(通電開始時期)を遅角させることで、燃圧制御弁19の閉弁期間を短くして高圧ポンプ14の吐出流量を減少させる。
この高圧ポンプ14の吐出口側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁20が設けられている。高圧ポンプ14から吐出される燃料は、高圧燃料配管21(高圧燃料通路)を通してデリバリパイプ22(高圧燃料通路)に圧送され、このデリバリパイプ22からエンジンの各気筒に取り付けられた筒内噴射用の燃料噴射弁23に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ22(又は高圧燃料配管21)には、高圧燃料配管21やデリバリパイプ22等の高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧センサ24(燃圧検出手段)が設けられている。
更に、高圧ポンプ14には、高圧燃料配管21やデリバリパイプ22等の高圧燃料通路内の燃料をポンプ室15へ戻す燃料戻し通路25が設けられ、この燃料戻し通路25の途中に、図2に示すように、減圧保持バルブ機構26付きのリリーフ弁27が設けられている。このリリーフ弁27は、スプリング28によって閉弁方向に付勢され、高圧燃料通路内の燃圧が所定のリリーフ弁作動燃圧(例えば23MPa)よりも高くなったときに開弁して高圧燃料通路内の燃圧をリリーフ弁作動燃圧以下に低下させる。
減圧保持バルブ機構26は、リリーフ弁27に形成した微小径の減圧孔29(オリフィス)と、この減圧孔29を開閉する減圧保持バルブ30と、この減圧保持バルブ30を閉弁方向に付勢するスプリング31とから構成され、このスプリング31のばね力によって保持燃圧(例えば5MPa)が設定される。この減圧保持バルブ30は、高圧燃料通路内の燃圧が保持燃圧よりも高ければ開弁して減圧孔29を開放するが、減圧孔29の流路断面積は、リリーフ弁27の開弁時の流路断面積に比べて大幅に小さくなるように設定されている。
この構成では、エンジン運転中(高圧ポンプ14の燃料吐出動作中)に高圧燃料通路内の燃圧が所定のリリーフ弁作動燃圧よりも高くなったときに、リリーフ弁27が開弁して高圧燃料通路内の燃圧をリリーフ弁作動燃圧以下に低下させる。エンジン運転中(高圧ポンプ14の燃料吐出動作中)は、高圧燃料通路内の燃圧が通常の目標燃圧付近に制御されるため、その燃圧によって減圧保持バルブ30が開弁状態に保持されるが、減圧孔29の孔径が微小であり、減圧孔29を流れる燃料流量が高圧ポンプ14の燃料吐出流量と比較して少ないため、高圧ポンプ14の燃料吐出流量の制御によって高圧燃料通路内の燃圧が通常の目標燃圧付近に維持される。
一方、エンジンが停止して高圧ポンプ14の燃料吐出動作が停止すると、減圧孔29を流れる燃料によって高圧燃料通路内の燃圧が急速に低下し、それによって高圧燃料通路内の燃圧が保持燃圧まで低下した時点で、減圧保持バルブ機構26のスプリング31のばね力によって減圧保持バルブ30が閉弁して減圧孔29を閉鎖することで、高圧燃料通路内の燃圧を保持燃圧に維持する。これにより、エンジン停止中に燃料噴射弁23からの燃料漏れ(油密漏れ)を抑制しながら、高圧燃料通路内の燃料中のベーパ発生を抑制して次回のエンジン始動性を向上させる。
また、エンジンには、吸入空気量を検出するエアフローメータ32や、クランク軸(図示せず)の回転に同期して所定クランク角毎にパルス信号を出力するクランク角センサ33が設けられている。このクランク角センサ33の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)34に入力される。このECU34は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁23の燃料噴射量や点火プラグ(図示せず)の点火時期を制御する。
その際、ECU34は、図示しない燃圧制御ルーチンを実行することで、特許請求の範囲でいう燃圧制御手段として機能し、エンジン運転状態(例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷等)に応じて目標燃圧をマップ又は数式等により算出し、燃圧センサ24で検出した高圧燃料通路内の実燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ14の燃料吐出流量(燃圧制御弁19の通電時期)をフィードバック制御する燃圧フィードバック制御を実行する。
この後、イグニッションスイッチ35のオフやアイドルストップ等によりエンジンが停止されて、高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)が停止されると、図3に示すように、高圧燃料通路内の燃圧が通常の目標燃圧付近から保持燃圧まで急速に低下するが、減圧保持バルブ機構26の減圧孔29は微小径で、減圧時の減圧保持バルブ30のリフト量も微小であるため、燃料に含まれる微小な異物が減圧保持バルブ30に噛み込まれたり、減圧孔29に詰まってしまうことがある。その結果、減圧保持バルブ30の開弁時の流路断面積が異物によって狭められて燃圧の減圧速度が正常時より遅くなったり、減圧後も減圧保持バルブ30の閉じ具合が不完全になって減圧保持性能が悪化して、高圧燃料配管内の燃圧が正常時の保持燃圧より低下してしまい、再始動性が低下したり、高圧燃料配管内の燃料中にベーパが発生しやすくなるという不具合が発生する。
この対策として、本実施例1では、所定の機能回復制御実行条件が成立したときに、高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高く設定した機能回復制御用の目標燃圧に上昇させるように高圧ポンプ14の燃料吐出流量を制御して減圧保持バルブ30の減圧孔29を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行するようにしている。この機能回復制御の実行中に、リリーフ弁27を開弁作動させないようにするために、機能回復制御用の目標燃圧は、リリーフ弁作動燃圧よりも少し低い燃圧に設定され、機能回復制御を所定時間実行した後に通常の目標燃圧に戻される。
機能回復制御の実行中に、高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高く設定した機能回復制御用の目標燃圧に上昇させると、減圧孔29を流れる燃料流量が増大するため、減圧保持バルブ30に噛み込まれた異物や減圧孔29に詰まった異物が洗い流されたり、減圧時の減圧保持バルブ30のリフト量が増大して(減圧保持バルブ30のリフト量は燃圧が高くなるほど大きくなるため)、減圧保持バルブ30の閉弁方向の付勢力で異物を粉砕する効果が大きくなり、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の悪化を回復させることができる。
一般に、エンジンの運転期間が長くなるほど、減圧保持バルブ機構26に異物の噛み込みや詰まりが発生している確率が高くなることを考慮して、前記機能回復制御実行条件は、少なくとも、前回の機能回復制御実行後、所定期間が経過したこと、又は、積算走行距離、積算運転時間、積算燃料消費量、運転回数のいずれかが所定値を越えたことを条件としている。このようにすれば、減圧保持バルブ機構26に異物の噛み込みや詰まりが発生している可能性のある時期を見計らって機能回復制御を実行することができ、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能を定期的に回復させることができる。
更に、本実施例1では、機能回復制御実行条件として、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件になったことを含ませるようにしている。これにより、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
具体的には、例えば、筒内噴射用の燃料噴射弁23の燃料噴射カット中であることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。燃料が噴射されるときに燃圧を上昇させると、噴霧貫徹力(ペネトレーション)が強くなり過ぎてウェットが増加しやすくなり、空燃比がずれてエミッションやドライバビリティが悪化する。従って、燃料噴射カット中に機能回復制御を実行すれば、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、本発明を、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムに適用する場合は、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。高圧ポンプ14で加圧した高燃圧の燃料は、筒内噴射用の燃料噴射弁23のみに供給され、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁には低圧ポンプ12から吐出された低圧の燃料が供給されるため、吸気ポート噴射100%で、筒内噴射0%であれば、機能回復制御によって高圧燃料通路内の燃圧を上昇させても、その影響が吸気ポート噴射に全く現れず、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
また、本発明を、車両の駆動源としてエンジン(内燃機関)とモータとを搭載したハイブリッド車両に適用する場合は、走行モードがモータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることを機能回復制御実行条件に含ませるようにしても良い。モータ走行モードではエンジンへの燃料噴射が停止されるため、モータ走行モードのときに機能回復制御を実行すれば、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
以上説明した本実施例1の機能回復制御は、ECU34によって図4及び図5の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[機能回復制御実行条件判定ルーチン]
図4の機能回復制御実行条件判定ルーチンは、ECU34の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう機能回復制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、前回の機能回復制御実行後、所定期間が経過したか否か、又は、積算走行距離、積算運転時間、積算燃料消費量、運転回数のいずれかが所定値を越えたか否かを判定する。
このステップ101で、「No」と判定されれば、減圧保持バルブ機構26に異物の噛み込みや詰まりが発生していないと判断して、ステップ104に進み、機能回復制御実行条件が不成立であると判定する。
これに対し、上記ステップ101で、「Yes」と判定されれば、減圧保持バルブ機構26に異物の噛み込みや詰まりが発生している可能性のある時期になっていると判断して、ステップ102に進み、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件であるか否かを判定する。
ここで、所定の運転条件は、例えば、筒内噴射用の燃料噴射弁23の燃料噴射カット中であることである。筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムにおいては、所定の運転条件は、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることである。車両の駆動源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両においては、所定の運転条件は、走行モードがモータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることである。
上記ステップ102で、所定の運転条件ではないと判定されれば、機能回復制御を実行するとエミッションやドライバビリティが悪化すると判断して、ステップ104に進み、機能回復制御実行条件が不成立であると判定する。
これに対し、上記ステップ102で、所定の運転条件であると判定されれば、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しないと判断して、ステップ103に進み、機能回復制御実行条件が成立していると判定する。
[機能回復制御ルーチン]
図5の機能回復制御ルーチンは、ECU34の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう機能回復制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、上述した図4の機能回復制御実行条件判定ルーチンの処理結果に基づいて機能回復制御実行条件が成立しているか否かを判定し、その結果、機能回復制御実行条件が不成立と判定されれば、機能回復制御を実行せずに本ルーチンを終了する。
これに対し、上記ステップ201で、機能回復制御実行条件が成立していると判定されれば、ステップ202に進み、機能回復制御を所定時間実行する。この機能回復制御の実行中は、高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高く設定した機能回復制御用の目標燃圧に上昇させて減圧孔29を流れる燃料流量を増大させることで、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能を回復させる。
以上説明した本実施例1によれば、所定の機能回復制御実行条件が成立する毎に高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高い燃圧に上昇させて減圧保持バルブ30の減圧孔29を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行するようにしたので、減圧保持バルブ機構26に異物の噛み込みや詰まりが発生している可能性のある時期を見計らって機能回復制御を実行することができ、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能を定期的に回復させることができる。
しかも、本実施例1では、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件になってから機能回復制御を実行するようにしたので、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
上記実施例1では、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が実際に低下したか否かを問わず、所定の機能回復制御実行条件が成立したときに機能回復制御を実行するようにしたが、図7及び図8に示す本発明の実施例2では、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出する減圧保持性能低下検出手段を備え、この減圧保持性能低下検出手段で減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出したときに機能回復制御を実行するようにしている。高圧燃料供給装置の構成は、上記実施例1と同じである。
イグニッションスイッチ35のオフやアイドルストップ等によりエンジンが停止されて、高圧ポンプ14の燃料吐出が停止されると、図3に示すように、高圧燃料通路内の燃圧が目標燃圧付近から保持燃圧まで急速に低下するが、燃料に含まれる微小な異物が減圧保持バルブ30に噛み込まれたり、減圧孔29に詰まると、減圧保持バルブ30の開弁時の流路断面積が異物によって狭められて燃圧の減圧速度が正常時より遅くなったり、減圧後も減圧保持バルブ30の閉じ具合が不完全になって、高圧燃料配管内の燃圧が正常時の保持燃圧より低下する。
このような減圧保持バルブ機構26の減圧特性を考慮して、本実施例2では、減圧期間中に燃圧センサ24で検出した燃圧の挙動及び/又は減圧後の燃圧に基づいて減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下の有無を判定するようにしている。
例えば、減圧期間中に燃圧センサ24で検出した燃圧の所定時間当たりの減圧量を、正常時の減圧量より少し小さい判定しきい値と比較して、減圧期間中の燃圧の減圧速度が正常時より遅いか否かを判定し、減圧期間中の燃圧の減圧速度が正常時より遅ければ、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が低下していると判定する。或は、減圧期間中の所定時期(減圧開始から所定時間経過後)に検出した燃圧を、正常時の燃圧より少し高い判定しきい値と比較して、減圧期間中の燃圧の減圧速度が正常時より遅いか否かを判定しても良い。
また、減圧が終了してほぼ一定になった燃圧を、正常時の保持燃圧より少し低い判定しきい値と比較して、減圧後の燃圧が判定しきい値より低ければ、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が低下していると判定しても良い。ここで、減圧が終了してほぼ一定になった燃圧の検出方法は、燃圧センサ24で検出した燃圧の所定時間A当たりの減圧量が所定値以下(0付近)になったときの燃圧を検出しても良いし、減圧開始(エンジン停止)から所定時間B経過後の燃圧を検出しても良い。ここで、所定時間Bは、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能低下時に減圧開始から燃圧がほぼ一定になるまでに要する時間のばらつきを考慮して長めの時間に設定すれば良い。
以上説明した本実施例2の減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能低下の判定処理と機能回復制御は、ECU34によって図6及び図7の各ルーチンに従って実行される。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
[減圧保持性能低下判定ルーチン]
図6の減圧保持性能低下判定ルーチンは、ECU34の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう減圧保持性能低下検出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、減圧開始(エンジン停止)か否かを判定し、減圧開始(エンジン停止)ではないと判定されれば、以降の処理を行わずにそのまま本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ301で、減圧開始(エンジン停止)と判定されれば、ステップ302に進み、減圧期間中に燃圧センサ24で検出した燃圧を監視して、減圧期間中の燃圧の減圧速度(所定時間当たりの減圧量)を算出する。或は、減圧期間中の所定時期(減圧開始から所定時間経過後)に燃圧センサ24で検出した燃圧を、燃圧の減圧速度の代用情報として用いても良い。
この後、ステップ303に進み、燃圧の減圧速度を所定の判定しきい値と比較して、燃圧の減圧速度が正常時より遅いか否かを判定する。その結果、燃圧の減圧速度が正常時とほぼ同じであると判定されれば、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が低下していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。
これに対し、上記ステップ303で、燃圧の減圧速度が正常時より遅いと判定されれば、ステップ304に進み、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が低下していると判定する。この後、ステップ305に進み、連続して減圧保持性能低下と判定される回数が所定回数に達したか否か(つまり直近の過去所定回数のエンジン停止時に判定した結果がいずれも減圧保持性能低下であるか否か)を判定し、連続して減圧保持性能低下と判定される回数が所定回数に達していないと判定されれば、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ305で、連続して減圧保持性能低下と判定される回数が所定回数に達したと判定されれば、機能回復制御では減圧保持性能低下を回復できないと判断して、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能低下の原因が異物の噛み込みや詰まりではなく、他の高燃圧系の異常であると判定する。この場合は、高燃圧系の異常の原因を異常診断ルーチン(図示せず)によって判定する。
尚、燃圧センサ24で検出した燃圧を監視して、減圧後にほぼ一定になった燃圧を検出して、減圧後の燃圧を正常時の保持燃圧より少し低い判定しきい値と比較して、減圧後の燃圧が判定しきい値より低ければ、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能が低下していると判定しても良い。
[機能回復制御ルーチン]
図7の機能回復制御ルーチンは、ECU34の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう機能回復制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、上述した図6の減圧保持性能低下判定ルーチンの処理に基づいて減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されたか否かを判定し、減圧保持性能の低下が検出されていなければ、機能回復制御を実行せずに本ルーチンを終了する。
これに対し、上記ステップ401で、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されていると判定されれば、ステップ402に進み、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件であるか否かを判定する。
ここで、所定の運転条件は、例えば、筒内噴射用の燃料噴射弁23の燃料噴射カット中であることである。筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムにおいては、所定の運転条件は、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることである。車両の駆動源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両においては、所定の運転条件は、走行モードがモータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることである。
上記ステップ402で、所定の運転条件ではないと判定されれば、機能回復制御を実行するとエミッションやドライバビリティが悪化すると判断して、機能回復制御を実行せずに本ルーチンを終了する。
これに対し、上記ステップ402で、所定の運転条件であると判定されれば、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しないと判断して、ステップ403に進み、機能回復制御を所定時間実行する。この機能回復制御の実行中は、高圧燃料通路内の燃圧を一時的に通常の目標燃圧より高く設定した機能回復制御用の目標燃圧に上昇させて減圧孔29を流れる燃料流量を増大させることで、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能を回復させる。
以上説明した本実施例2によれば、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出したときに機能回復制御を実行するようにしているため、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出したときに、速やかに機能回復制御を実行して減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能を回復させることができる。
しかも、本実施例2では、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件になってから機能回復制御を実行するようにしたので、エミッションやドライバビリティを悪化させずに機能回復制御を実行することができる。
上記実施例2では、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出したときに、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件になってから機能回復制御を実行するようにしたが、本発明は、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下を検出したときに、機能回復制御を実行してもエミッションやドライバビリティが悪化しない所定の運転条件に強制的に変更して機能回復制御を実行するようにしても良い。
以下、この技術思想を具体化した本発明の実施例3を説明する。
本実施例3は、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムに適用した実施例であり、ECU34によって図8の機能回復制御ルーチンを実行することで、ステップ501で、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されたときに、ステップ502に進み、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率を吸気ポート噴射100%に変更して、ステップ503に進み、機能回復制御を所定時間実行する。本実施例3でも、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能低下の検出は、前記実施例2と同様の方法で行えば良い。
以上説明した本実施例3では、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されたときに、速やかにエミッションやドライバビリティを悪化させない噴射条件に変更して機能回復制御を実行することができる。
尚、本実施例3でも、前記実施例1,2と同様に、イグニッションスイッチ35のオフやアイドルストップ等によりエンジンが停止されて高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)が停止されているときに、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下の有無を判定する処理を実行するようにしても良いが、筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムでは、吸気ポート噴射100%で運転している期間に、高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)を停止して、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下の有無を判定する処理を実行し、その判定終了後に高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)を再開して、燃圧センサ24で検出した高圧燃料通路内の実燃圧を目標燃圧に一致させるように高圧ポンプ14の燃料吐出流量(燃圧制御弁19の通電時期)をフィードバック制御するようにしても良い。
図9に示す本発明の実施例4は、車両の駆動源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両に適用した実施例である。
本実施例4では、ECU34によって図9の機能回復制御ルーチンを実行することで、ステップ601で、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されたときに、ステップ602に進み、ハイブリッド車両の走行モードをモータのみで車両を駆動するモータ走行モードに切り換えて、ステップ603に進み、機能回復制御を所定時間実行する。本実施例6でも、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能低下の検出は、前記実施例2と同様の方法で行えば良い。
以上説明した本実施例4では、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下が検出されたときに、速やかにハイブリッド車両の走行モードをエミッションやドライバビリティを悪化させないモータ走行モードに切り換えて機能回復制御を実行することができる。
尚、本実施例4でも、前記実施例1,2と同様に、イグニッションスイッチ35のオフやアイドルストップ等によりエンジンが停止されて高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)が停止されているときに、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下の有無を判定する処理を実行するようにしても良いが、ハイブリッド車両では、モータのみで車両を駆動するモータ走行モードで運転している期間に、高圧ポンプ14の燃料吐出動作(燃圧フィードバック制御)を停止して、減圧保持バルブ機構26の減圧保持性能の低下の有無を判定する処理を実行するようにしても良い。
尚、本発明は、図2に示すように、リリーフ弁27と減圧保持バルブ機構26とを一体化した構成に限定されず、リリーフ弁と減圧保持バルブ機構とを別々に設けた構成としても良い等、種々変更して実施できることは言うまでもない。
10…プレッシャレギュレータ、11…燃料タンク、12…低圧ポンプ、14…高圧ポンプ、15…ポンプ室、16…ピストン、17…カム軸、18…カム、19…燃圧制御弁、20…逆止弁、21…高圧燃料配管(高圧燃料通路)、22…デリバリパイプ(高圧燃料通路)、23…筒内噴射用の燃料噴射弁、24…燃圧センサ(燃圧検出手段)、25…燃料戻し通路、26…減圧保持バルブ機構、27…リリーフ弁、28…スプリング、29…減圧孔、30…減圧保持バルブ、31…スプリング、34…ECU(燃圧制御手段,機能回復制御手段,減圧保持性能低下検出手段)、35…イグニッションスイッチ

Claims (14)

  1. 高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を筒内噴射用の燃料噴射弁に供給する高圧燃料通路と、前記高圧燃料通路内の燃圧を目標燃圧に一致させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御する燃圧制御手段と、前記高圧ポンプの燃料吐出動作が停止されているときに前記高圧燃料通路内の燃圧を前記目標燃圧より低い所定の保持燃圧まで減圧する減圧保持バルブ機構とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置において、
    所定の機能回復制御実行条件が成立したときに前記高圧燃料通路内の燃圧を一時的に前記目標燃圧より高い燃圧に上昇させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御して前記減圧保持バルブ機構の減圧孔を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行する機能回復制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置。
  2. 前記機能回復制御実行条件は、少なくとも、前回の機能回復制御実行後、所定期間が経過したこと、又は、積算走行距離、積算運転時間、積算燃料消費量、運転回数のいずれかが所定値を越えたことであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  3. 前記機能回復制御実行条件は、少なくとも内燃機関の運転条件が予め決められた所定の運転条件になったことであることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  4. 前記所定の運転条件は、前記筒内噴射用の燃料噴射弁の燃料噴射カット中であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  5. 前記筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムに適用され、
    前記所定の運転条件は、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  6. 車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両に適用され、
    前記所定の運転条件は、走行モードが前記モータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることであることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  7. 高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を筒内噴射用の燃料噴射弁に供給する高圧燃料通路と、前記高圧燃料通路内の燃圧を目標燃圧に一致させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御する燃圧制御手段と、前記高圧ポンプの燃料吐出動作が停止されているときに前記高圧燃料通路内の燃圧を前記目標燃圧より低い所定の保持燃圧まで減圧する減圧保持バルブ機構とを備えた内燃機関の高圧燃料供給装置において、
    前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下を検出する減圧保持性能低下検出手段と、
    前記減圧保持性能低下検出手段で前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに前記高圧燃料通路内の燃圧を一時的に前記目標燃圧より高い燃圧に上昇させるように前記高圧ポンプの燃料吐出流量を制御して前記減圧保持バルブ機構の減圧孔を流れる燃料流量を増大させる機能回復制御を実行する機能回復制御手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の高圧燃料供給装置。
  8. 前記高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧検出手段を備え、
    前記減圧保持性能低下検出手段は、減圧期間中に前記燃圧検出手段で検出した燃圧の挙動及び/又は減圧後の燃圧に基づいて前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下の有無を判定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  9. 前記機能回復制御手段は、前記減圧保持性能低下検出手段で前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに内燃機関の運転条件が予め決められた所定の運転条件になってから前記機能回復制御を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  10. 前記所定の運転条件は、前記筒内噴射用の燃料噴射弁の燃料噴射カット中であることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  11. 前記筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムに適用され、
    前記所定の運転条件は、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率が吸気ポート噴射100%であることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  12. 車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両に適用され、
    前記所定の運転条件は、走行モードが前記モータのみで車両を駆動するモータ走行モードであることであることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  13. 前記筒内噴射用の燃料噴射弁と吸気ポート噴射用の燃料噴射弁とを備えたデュアル噴射システムに適用され、
    前記機能回復制御手段は、前記減圧保持性能低下検出手段で前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、筒内噴射と吸気ポート噴射との比率を吸気ポート噴射100%に変更して前記機能回復制御を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
  14. 車両の駆動源として内燃機関とモータとを搭載したハイブリッド車両に適用され、
    前記機能回復制御手段は、前記減圧保持性能低下検出手段で前記減圧保持バルブ機構の減圧保持性能の低下が検出されたときに、走行モードを前記モータのみで車両を駆動するモータ走行モードに切り換えて前記機能回復制御を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の内燃機関の高圧燃料供給装置。
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