JP5464649B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄圧式燃料噴射装置を用いて内燃機関の制御を行うための内燃機関の制御装置に関するものである。特に、アイドリングストップ制御を実行可能な内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンをはじめとする内燃機関の気筒内に燃料を噴射する装置として、高圧ポンプによって供給される高圧状態の燃料を蓄積するためのコモンレールを備えた蓄圧式燃料噴射装置(コモンレールシステム)が用いられている。コモンレールには複数の燃料噴射弁が接続されており、高圧の燃料が各燃料噴射弁に供給された状態で各燃料噴射弁の開弁時期及び開弁時間が制御されることで、様々な燃料噴射パターンで内燃機関の気筒内に燃料が噴射される。
この蓄圧式燃料噴射装置において、通常、高圧ポンプは内燃機関の動力によって駆動されるように構成されている。具体的には、高圧ポンプのカムシャフトはギアを介して内燃機関のドライブシャフトに連結されており、内燃機関の運転中には高圧ポンプも作動する一方、内燃機関の停止時には高圧ポンプも停止する。
蓄圧式燃料噴射装置では、コモンレール内の圧力(以下「レール圧」と称する。)が燃料噴射特性に大きく影響する。レール圧の制御方法として、高圧ポンプの加圧室へ供給する燃料の流量を流量制御弁によって調節し、高圧ポンプからコモンレールへ供給する高圧の燃料の流量を調節する制御方法がある。
このような蓄圧式燃料噴射装置を用いた内燃機関の制御において、近年、燃費の向上や、排気ガス量及び騒音の低減等を目的として、内燃機関が搭載された車両の一時停止中に内燃機関を自動停止させるアイドリングストップ制御が実用化されている。このアイドリングストップ制御においては、所定のアイドリングストップ条件が成立したときに内燃機関が自動停止させられるとともに、自動停止中に所定の再始動条件が成立したときに内燃機関が再始動させられる。
このアイドリングストップ制御が実行可能な内燃機関が搭載された車両においては、自動停止状態からの再始動性が商品性に重要な影響を与える要素となっている。そのため、内燃機関のアイドリングストップ制御中の停止時間を短縮したり、再始動性を確実に向上させたりすることのできる内燃機関の制御装置が提案されている。より具体的には、アイドリングストップ制御による内燃機関の自動停止時に高圧ポンプの吐出流量を増加させ、内燃機関の負荷を調節することで、クランク角を再始動に適した所定のクランク角で停止させ、再始動時にはスタータの作動と同時に燃料噴射を開始させるようにした内燃機関の制御装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2008−163796号公報(全文、全図)
内燃機関が、例えばディーゼルエンジンの場合、エンジンの自動停止状態からの再始動性を向上させるためには、エンジンにおける圧縮比が十分であり、かつ、蓄圧式燃料噴射装置による燃料噴射が可能であることが要因となる。これらの二つの要因のうち、圧縮比が十分であるか否かはエンジン側の問題であり、燃料噴射が可能であるか否かは蓄圧式燃料噴射装置側の問題である。蓄圧式燃料噴射装置において燃料噴射が可能であるか否かは、レール圧が燃料の正常噴射が可能な圧力(以下「噴射可能圧力」と称する。)以上に確保されているか否かによる。
そのため、内燃機関の再始動性を向上させるために、アイドリングストップ制御による内燃機関の自動停止中においても、レール圧が高い状態で維持されるように制御が行われることがある。このとき、コモンレールに接続された燃料噴射弁や高圧ポンプ、圧力制御弁等が閉じられている場合であっても、これらを含む燃料高圧系に存在する微細な隙間から高圧の燃料の一部が燃料低圧系にリークしてレール圧が徐々に低下する場合がある。そのため、自動停止時にレール圧を維持し始めるときのレール圧の目標値は、噴射可能圧力よりも高い値に設定される。
ここで、内燃機関の再始動時に、レール圧が高い状態で維持されたまま内燃機関を始動させようとすると、高圧ポンプの動き出し時に発生する駆動トルクが著しく大きくなり、高圧ポンプの駆動系に多大な負荷を与えることになる。具体的には、高圧ポンプの加圧室とコモンレールとの間には、加圧室内の圧力がレール圧とバルブスプリングのセット力との和を上回ったときに開弁する燃料吐出弁が備えられているため、内燃機関の再始動時に高圧ポンプの加圧室に燃料が供給され、かつ、レール圧が高い状態で高圧ポンプを駆動させると、燃料吐出弁が開かれるまでの期間は加圧室内の圧力が著しく高くなる。その結果、燃料を加圧するためのプランジャを押し上げる大きな力が必要になって、高圧ポンプの駆動系に多大な負荷が発生する。
また、高圧ポンプの停止状態では、カムシャフトに固定されたカムと、カムの回転力をプランジャの上昇力として伝達するタペットとの接触部位において、潤滑油あるいは潤滑用燃料が流れ出し、油膜が不十分な状態となっている。このようにタペットとカムとの接触部位の油膜が不十分な状態となっている高圧ポンプの動き出し時に高圧ポンプの駆動系に多大な負荷が与えられると、高圧ポンプの耐久性を低下させることにつながる。
そこで、本発明の発明者は鋭意努力し、アイドリングストップ制御による内燃機関の自動停止状態から内燃機関を再始動させる際に、レール圧が必要以上に高くなっている場合には、高圧ポンプの加圧室への燃料の供給開始時期を所定時間遅らせることにより、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、内燃機関の自動停止状態からの再始動時に高圧ポンプの駆動系に与えられる負荷を低減することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料噴射弁が接続されたコモンレールと、コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、高圧ポンプに供給する燃料の流量を調節する流量制御弁と、を備えた蓄圧式燃料噴射装置によって内燃機関の制御を行うための制御装置であって、アイドリングストップ制御を実行可能な内燃機関の制御装置において、所定のアイドリングストップ条件が成立したことを検出するとともに内燃機関を自動停止させるよう指示を出力するアイドリングストップ条件成立検出部と、内燃機関の自動停止中に所定の再始動条件が成立したことを検出するとともに内燃機関を再始動させるよう指示を出力する再始動条件成立検出部と、コモンレール内の圧力を検出するレール圧検出部と、内燃機関の再始動時にコモンレール内の圧力が所定の第1の閾値以上となっているときには、内燃機関の再始動時に所定時間流量制御弁を閉じた状態とする流量制御弁制御部と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、第1の閾値が、高圧ポンプから高圧ポンプの駆動系への許容される負荷に基づく値であることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、流量制御弁制御部は、内燃機関の自動停止時に流量制御弁を閉じた状態で維持するとともに、内燃機関の自動停止中にコモンレール内の圧力が第1の閾値を下回ったときには流量制御弁を開くことが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、流量制御弁制御部は、内燃機関の自動停止時に流量制御弁を開いた状態で維持するとともに、所定の再始動条件の成立時に、コモンレールの圧力が第1の閾値以上と判定されたときに流量制御弁を閉じることが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、流量制御弁制御部は、内燃機関の再始動時に、コモンレール内の圧力が第1の閾値よりも大きく、かつ、燃料噴射弁からの燃料噴射によってコモンレール内の圧力が速やかに第1の閾値未満となるような第2の閾値以下となったときに流量制御弁を開くことが好ましい。
また、本発明の内燃機関の制御装置を構成するにあたり、流量制御弁制御部は、内燃機関の再始動時に、内燃機関の回転数が所定の閾値以上になったときに流量制御弁を開くことが好ましい。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、アイドリングストップ制御による内燃機関の自動停止状態からの再始動時に、レール圧が必要以上に高い状態で維持されている場合には、高圧ポンプの加圧室への燃料の供給開始時期が所定時間遅らせられる。したがって、レール圧が高い状態において、高圧ポンプの加圧室に燃料が供給されることがなくなり、加圧室内の圧力が著しく上昇することが抑えられ、高圧ポンプの駆動系への負荷が低減される。また、所定時間経過後に加圧室への燃料の供給が開始されて加圧室内の圧力が高くなり、駆動系への負荷が与えられるとしても、高圧ポンプが動き出した後においては、タペットとカムとの接触部位に潤滑油又は潤滑用燃料が浸透して油膜が形成されるために、高圧ポンプの耐久性の低下が抑えられる。
蓄圧式燃料噴射装置の構成例を示す全体図である。 高圧ポンプの構成例を説明するための図である。 本発明の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置の構成例を説明するためのブロック図である。 内燃機関の自動停止時にレール圧が高い状態で維持され続けた場合の制御を説明するためのタイムチャート図である。 内燃機関の自動停止時にレール圧が低下した場合の制御を説明するためのタイムチャート図である。 本発明の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置によって実行される制御フローである。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる内燃機関の制御装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に態様を変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同じ部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.蓄圧式燃料噴射装置
図1は、内燃機関の制御に用いられる蓄圧式燃料噴射装置50の構成例を示している。この蓄圧式燃料噴射装置50は、車両に搭載されたディーゼルエンジン40の気筒内に燃料を噴射するための装置であって、燃料タンク1と、低圧ポンプ2と、流量制御弁8と、高圧ポンプ5と、コモンレール10と、圧力制御弁12と、燃料噴射弁13と、制御装置60等を主たる要素として備えている。
低圧ポンプ2と高圧ポンプ5の加圧室5aとは低圧燃料通路18a、18bで接続されており、高圧ポンプ5の加圧室5aとコモンレール10、及びコモンレール10と燃料噴射弁13はそれぞれ高圧燃料通路37、39で接続されている。また、高圧ポンプ5やコモンレール10、燃料噴射弁13等には、燃料噴射弁13から噴射されない余剰の燃料を燃料タンク1に戻すためのリターン通路30a〜30cが接続されている。
高圧ポンプ5内の低圧燃料通路18bの途中には流量制御弁8が備えられている。流量制御弁8は、例えば、供給電流値によって弁体のストローク量が可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の流量制御弁が用いられ、加圧室5aに送られる燃料の流量を調節するために用いられる。本実施形態で用いられる流量制御弁8は、非通電状態で燃料の流路が全開となるノーマルオープンの流量制御弁として構成されている。ただし、非通電状態で燃料の流路が全閉となるノーマルクローズの流量制御弁であってもよい。
流量制御弁8よりも上流側の低圧燃料通路18bから分岐する燃料通路には、流量制御弁8と並列に配置された圧力調整弁14が備えられている。この圧力調整弁14は、燃料タンク1に通じるリターン通路30aに接続されている。この圧力調整弁14は、前後の差圧、すなわち、低圧燃料通路18b内の圧力と、リターン通路30a内の圧力との差圧が所定値を越えたときに開弁されるオーバーフローバルブが用いられている。そのため、低圧ポンプ2によって燃料が圧送されている状態においては、低圧燃料通路18a、18b内の圧力が、リターン通路30a内の圧力に対して所定の差圧分大きくなるように調整される。
低圧ポンプ2は、燃料タンク1内の燃料を吸い上げて圧送し、低圧燃料通路18a、18bを介して高圧ポンプ5の加圧室5aに燃料を供給する。図1に示す低圧ポンプ2は燃料タンク1内に備えられたインタンクの電動ポンプであって、バッテリーから供給される電圧によって駆動されて燃料を圧送する。ただし、低圧ポンプ2は、燃料タンク1の外部に設けられるものであってもよく、また、ディーゼルエンジン40の動力によって駆動するギアポンプであってもよい。
高圧ポンプ5は、燃料吸入弁6を介して低圧ポンプ2によって加圧室5aへ導入される燃料をプランジャ7によって加圧し、高圧状態の燃料を燃料吐出弁9及び高圧燃料通路37を介してコモンレール10に圧送する。燃料吐出弁9は、吐出側に位置するレール圧が高いほどシール性が高められる逆止弁構造となっている。
高圧ポンプ5を駆動するカム15は、ディーゼルエンジン40のドライブシャフトにギアを介して連結されたカムシャフトに固定されている。図1に示す高圧ポンプ5は二本のプランジャ7を備えており、この二本のプランジャ7がカム15によって押し上げられ、二つの加圧室5a内で燃料が加圧されてコモンレール10に対して高圧の燃料が圧送される。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置50の高圧ポンプ5は、噴射用燃料を潤滑油として用いる燃料潤滑式の構成となっており、低圧燃料通路18aを介して高圧ポンプ5内に送られる燃料は一旦カム室16内に流れ込み、そこからさらに低圧燃料通路18bを介して加圧室5aに送られる。
コモンレール10は、高圧ポンプ5から圧送される高圧の燃料を蓄積し、高圧燃料通路39を介して接続された複数の燃料噴射弁13に対して高圧の燃料を供給する。このコモンレール10には、圧力制御弁12及び圧力センサ21が設けられている。このうち圧力センサ21は、圧電素子センサや半導体センサなど公知の圧力センサが用いられる。
また、圧力制御弁12は、例えば、供給電流値によって弁体のストローク量が可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の制御弁が用いられる。目標レール圧や要求噴射量に応じて圧力制御弁12への通電量が制御され、コモンレール10からリターン通路30bに排出される高圧の燃料の流量が調節されることで、レール圧が調節される。
コモンレール10に接続された燃料噴射弁13は、噴射孔が設けられたノズルボディと、進退移動により噴射孔を開閉するノズルニードルとを備えている。燃料噴射弁13は、ノズルニードルの後端側に背圧を負荷することで噴射孔が閉じられる一方、負荷された背圧が逃されることで噴射孔が開かれ、コモンレール10から供給される高圧の燃料をディーゼルエンジンの気筒内に噴射する。この燃料噴射弁13は、レール圧が所定の噴射可能圧力以上のときに正常な燃料噴射が可能になっている。
燃料噴射弁13は、背圧制御手段としてピエゾ素子が備えられたピエゾインジェクタや、背圧制御手段として電磁ソレノイドが備えられた電磁制御式燃料噴射弁が用いられる。本実施形態ではピエゾインジェクタが用いられており、このピエゾインジェクタにおいては背圧を逃がすための通路以外にはリターン通路30cに燃料が漏れ出しにくい構造が採用されている。
2.高圧ポンプ
図2は、高圧ポンプ5の具体的な構成の一例を示している。この高圧ポンプ5は、ポンプハウジング51と、ポンプハウジング51の円柱空間51a内に装着されたシリンダヘッド52と、シリンダヘッド52のシリンダ52aに摺動保持されたプランジャ7と、両端をシリンダヘッド52及びスプリングシート59に係止され、プランジャ7を下方側に付勢するためのスプリング55と、プランジャ7及びカム15の間に介在し、カム15の回転に伴いプランジャ7を芯出ししつつ押し上げるためのタペット構造体58とを備えている。また、シリンダヘッド52のシリンダ52aの上方開口部には燃料吸入弁6が配置されるとともに、シリンダ52aの軸方向に対して横方向には燃料吐出路52bを介して燃料吐出弁9が配置されている。
なお、図2においては、高圧ポンプ5に備えられた流量制御弁8及び圧力調整弁14は図示されていない。
この高圧ポンプ5において、シリンダヘッド52のシリンダ52aの一部は、シリンダヘッド52の内周面とプランジャ7と燃料吸入弁6と燃料吐出弁9とによって閉塞され、加圧室5aとして構成されている。燃料吸入弁6を介して加圧室5aに流入した燃料は、当該加圧室5a内で、カム15の回転運動に伴って押し上げられるプランジャ7によって加圧される。加圧室5a内の圧力が、燃料吐出弁9のバルブスプリングのセット力とレール圧との総和を上回り燃料吐出弁9が押し開かれることにより、加圧された燃料がコモンレールに向けて圧送される。
上述したように、この高圧ポンプ5では、低圧ポンプによって圧送される燃料がカム室16内に流入した後、その一部がカム室16と円柱空間51aとを行き来するようになっている。この燃料は、タペット構造体58のローラ54とカム15との接触部位や、円柱空間51aとタペット構造体58との摺動部、上述したシリンダ52aとプランジャ7との摺動部、カムシャフト11とポンプハウジング51の軸受との摺動部等に行き渡り、潤滑油として機能する。
高圧ポンプ5が駆動している状態において、カム15による巻き上げや低圧ポンプ2の吐出圧によってカム室16内の燃料が各接触部位や摺動部等に行き渡り、噴射用燃料を用いた燃料潤滑は正常に機能する。一方、高圧ポンプ5が停止している状態においては、カム室16内の燃料が各接触部位や摺動部等に行き渡りにくくなり、また、各接触部位や摺動部等から燃料が流れ出すことで、油膜が不十分な状態になりやすい。
3.内燃機関の制御装置
図3は、本実施形態のディーゼルエンジン40の制御装置60のうち、アイドリングストップ制御によるディーゼルエンジン40の自動停止状態からの再始動時に行われる制御に関連する部分を機能的なブロックで表した構成例を示している。
この制御装置60は、アイドリングストップ条件成立検出部61及び再始動条件成立検出部62を含むアイドリングストップ制御部63と、目標レール圧演算部65と、レール圧検出部67と、レール圧判定部69と、燃料噴射弁制御部71と、流量制御弁制御部73と、圧力制御弁制御部75等を備えている。この制御装置60は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、各部はマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。また、制御装置60には、各部での演算結果や検出結果を記憶するための図示しないRAM(Random Access Memory)が備えられている。
(1)アイドリングストップ制御部
アイドリングストップ制御部63は、アイドリングストップ条件成立検出部61によって所定のアイドリングストップ条件の成立が検出されると、燃料噴射を停止してディーゼルエンジン40を停止させるように燃料噴射弁制御部71に対して指示信号を送信する。このとき、アイドリングストップ制御部63は、圧力制御弁12に対して所定の保持電流A1を通電するように圧力制御弁制御部75に対して指示信号を送信する。
また、アイドリングストップ制御部63は、ディーゼルエンジン40がアイドリングストップ制御によって自動停止している間に、再始動条件成立検出部62によって所定の再始動条件の成立が検出されると、燃料噴射を再開してディーゼルエンジン40を再始動させるよう燃料噴射弁制御部71に対して指示信号を送信する。また、アイドリングストップ制御部63は、再始動条件が成立したときには、レール圧判定部69及び流量制御弁制御部73、圧力制御弁制御部75に対して再始動条件成立を示す信号を送信する。
アイドリングストップ条件成立検出部61で検出されるアイドリングストップ条件は、例えば、エンジンスイッチSwがオンの状態にあること、ギアセンサの検出位置Sgがニュートラルであること、サイドブレーキBrがひかれていること、ブレーキペダルセンサの検出位置Sbが踏まれた状態にあること、ディーゼルエンジン40の回転数Neが所定のしきい値以下であること、車速Vが0である状態が所定時間以上継続したこと等のうちの少なくとも一つ以上の条件がそろうことを条件とすることができるが、これに制限されるものではない。
また、再始動条件成立検出部62で検出される再始動条件は、ディーゼルエンジン40の自動停止中に、ギアセンサの検出位置Sgがニュートラル状態から解除されたこと、サイドブレーキBrが解除されたこと、アクセルペダルAccが踏まれたこと等のうちのいくつかの条件がそろうことを条件とすることができるが、これに制限されるものではない。
(2)燃料噴射弁制御部
燃料噴射弁制御部71は、エンジン回転数Neやアクセル操作量Acc等に基づいて目標燃料噴射量Qtgtを算出するとともに、目標燃料噴射量Qtgtに見合う燃料噴射弁13の制御信号を生成し、燃料噴射弁13に対して制御信号を出力する。この燃料噴射弁制御部71は、アイドリングストップ制御部63からアイドリングストップ条件成立を示す信号が送信されると燃料噴射を停止するとともに、再始動条件成立を示す信号が送信されると燃料噴射を再開する。
(3)目標レール圧演算部及びレール圧検出部
目標レール圧演算部65は、エンジン回転数Neやアクセル操作量Acc等に基づいて目標レール圧Ptgtを算出し、RAMに記憶させる。また、レール圧検出部67は、コモンレール10に備えられた圧力センサ21のセンサ値を継続的に読み込み、検出レール圧Psensorを求め、RAMに記憶させる。
(4)レール圧判定部
レール圧判定部69は、アイドリングストップ条件成立検出部61からアイドリングストップ条件成立を示す信号が送信されると、以降の検出レール圧Psensorを継続的に読み込み、検出レール圧Psensorが所定の第1の閾値Prail_thr1以上となっているか否かを判定する。この第1の閾値Prail_thr1は、高圧ポンプ5の駆動を開始した場合であっても高圧ポンプ5の駆動系に対する負荷が大きくならないような値に設定される。例えば、第1の閾値Prail_thr1は、燃料噴射弁13からの正常噴射が可能な噴射可能圧力よりも大きく、アイドリングストップ制御によるディーゼルエンジン40の自動停止時に圧力制御弁12に保持電流A1が通電されたときに想定されるレール圧よりも小さい値とされる。
検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上になっている場合、レール圧判定部69は流量制御弁制御部73に対して、流量制御弁8を閉じさせるよう指示信号を送信する。一方、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1を下回っている場合、レール圧判定部69は流量制御弁制御部73に対して、流量制御弁8を開かせるよう指示信号を送信する。
(5)流量制御弁制御部及び圧力制御弁制御部
流量制御弁制御部73及び圧力制御弁制御部75は、基本的には、検出レール圧Psensorが目標レール圧Ptgtとなるように、それぞれ流量制御弁8あるいは圧力制御弁12の通電制御を実行する。具体的に、流量制御弁制御部73は、流量制御弁8の開度を調節することで高圧ポンプ5の加圧室5aに供給される燃料の流量を制御し、高圧ポンプ5からコモンレール10に圧送される高圧の燃料の流量を変えることでレール圧を調節する。また、圧力制御弁制御部75は、圧力制御弁12の開度を調節することでコモンレール10からリターン通路30bに排出されるリターン燃料の流量を制御し、レール圧を調節する。
レール圧の制御を流量制御弁制御部73によって行うか、圧力制御弁制御部75によって行うか、あるいは、二つの制御部を併用して行うかは、車両の走行状態やディーゼルエンジン40の運転状態に応じて切り分けられている。ただし、いずれの制御モードにおいても、高圧ポンプ5の加圧室5aに燃料を供給するために、少なくとも流量制御弁8は開かれる。
また、圧力制御弁制御部75は、アイドリングストップ制御部63からアイドリングストップ条件成立を示す信号が送信されると、圧力制御弁12に対して所定の保持電流A1を継続的に通電する制御を行う。この保持電流A1は、レール圧が噴射可能圧力よりも大きい値に調節されるような制御値であり、ディーゼルエンジン40が比較的長時間自動停止する場合であっても、再始動時のレール圧が噴射可能圧力以上に確保されるような値に設定される。
圧力制御弁12に保持電流A1が通電されることで、ディーゼルエンジン40の自動停止後、初期の段階では、レール圧が保持電流A1に応じた圧力Pra=a1となるまでコモンレール10内の高圧の燃料の一部がリターン通路30bに排出される。その後は、燃料高圧系に存在する微細な隙間からの燃料のリークによってレール圧が少しずつ低下するものの、ディーゼルエンジン40が長時間停止し続けない限り、再始動時のレール圧が噴射可能圧力以上に維持されやすくなる。
また、流量制御弁制御部73は、アイドリングストップ制御部63からアイドリングストップ条件成立を示す信号が送信されると、流量制御弁8に対する通電を遮断する。本実施形態の流量制御弁8はノーマルオープンの構成となっているために、ディーゼルエンジン40の自動停止時に通電を遮断されると、流量制御弁8は全開となる。一方、流量制御弁制御部73は、アイドリングストップ制御によってディーゼルエンジン40が自動停止状態になると、レール圧判定部69から送信される指示信号にしたがって流量制御弁8に通電を行い流量制御弁8を全閉状態にする。アイドリングストップ条件成立と同時に流量制御弁8を全閉状態にしてもよい。
そして、ディーゼルエンジン40の自動停止中、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上で維持され、かつ、流量制御弁8が閉じられたたまま、再始動条件成立検出部62によって再始動条件の成立が検出されたときには、流量制御弁制御部73は、ディーゼルエンジン40の再始動後も流量制御弁8を閉じた状態で維持する。
このようにしてディーゼルエンジン40の再始動時に高圧ポンプ5の加圧室5aへの燃料供給開始時期を遅らせることで、燃料噴射弁13からの燃料噴射によって検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1を下回る状態になるまで加圧室5aへの燃料の供給が行われず、プランジャ7を上昇させるために大きな力を要することがなくなる。したがって、カム15とタペット構造体58のローラ54との接触部位の油膜が不十分な状態のままで高圧ポンプ5の駆動系に多大な負荷が与えられることが避けられる。
また、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1を下回る状態になったときには、高圧ポンプ5の回転に伴いカム15とタペット構造体58のローラ54との接触部位に潤滑用燃料が浸透して油膜が形成される。そのため、この接触部位の油膜が十分な状態となった後に加圧室5aへの燃料供給が開始することになる。
本実施形態の制御装置60の場合、ディーゼルエンジン40を再始動させた後、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1よりもやや大きい第2の閾値Prail_thr2以下となった時に、高圧ポンプ5の加圧室5aへの燃料供給が開始されるようになっている。この第2の閾値Prail_thr2は、流量制御弁8を開いてから加圧室5a内に燃料が充てんされるまでの遅れ時間を考慮して、遅れ時間の間に検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以下になると想定される値に設定されている。そのため、検出レール圧Psensorが実際に第1の閾値Prail_thr1以下になってから流量制御弁8を開く場合と比較して、電力消費量の低減を図ることができるとともに、加圧室5aへの燃料供給開始時期が早くなって早期に通常のレール圧制御モードに復帰させることができる。
なお、ディーゼルエンジン40の再始動後、高圧ポンプ5の加圧室5aへの燃料供給の開始時期については、上述のような第2の閾値Prail_thr2を用いて決定する方法以外に、燃料噴射開始後レール圧が第2の閾値Prail_thr2以下になると想定される最大の時間をあらかじめ設定しておくこともできる。
3.内燃機関の制御の具体的フロー
次に、上述した内燃機関の制御装置60によって実行されるディーゼルエンジン40の制御の一例について、図4及び図5のタイムチャート及び図6の制御フローに基づいて具体的に説明する。図4及び図5のタイムチャートは、アイドリングストップ制御中のエンジン回転数Ne、実レール圧Pact、流量制御弁8の開閉の経時変化を示しており、図4が、ディーゼルエンジン40の自動停止中にレール圧Pactが第1の閾値Prail_thr1以上で維持されたままディーゼルエンジン40が再始動された場合の例を示し、図5が、ディーゼルエンジン40の自動停止中にレール圧Pactが第1の閾値Prail_thr1を下回った場合の例を示している。
図6の制御フローにおいて、スタート後のステップS11では、所定のアイドリングストップ条件が成立したか否かが判別される(図4及び図5のt0〜t1の期間)。アイドリングストップ条件が成立すると、ステップS12に進み燃料噴射弁13による燃料噴射を停止してディーゼルエンジン40を停止させるとともに、ステップS13で圧力制御弁12に対する保持電流A1の通電を開始する(図4及び図5のt1)。
次いで、ステップS14では、ディーゼルエンジン40の回転数Neが読み込まれ、回転数Neがゼロになったか否かが判別される。このステップS14はディーゼルエンジン40の回転数Neがゼロになるまで繰り返され(図4及び図5のt1〜t2の期間)、回転数Neがゼロになったときには(図4及び図5のt2)、ステップS15に進み検出レール圧Psensorが読み込まれるとともに、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上であるか否かが判別される(図4のt2〜t3の期間及び図5のt2〜t3’の期間)。
検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上である場合には、ステップS16に進み、所定の再始動条件が成立して高圧ポンプ5が動き出した場合であっても高圧ポンプ5の駆動系に多大な負荷が与えられないように流量制御弁8が閉じられる。次いで、ステップS17では所定の再始動条件が成立したか否かが判別され、成立していなければステップS15に戻り検出レール圧Psensorと第1の閾値Prail_thr1との比較が繰り返される(図4のt2〜t3の期間)。一方、再始動条件が成立している場合には、ステップS18に進み燃料噴射弁13からの燃料噴射を再開してディーゼルエンジン40を再始動させる(図4のt3)。
ディーゼルエンジン40が再始動した後は、ステップS19で検出レール圧Psensorが読み込まれるとともに検出レール圧Psensorが第2の閾値Prail_thr2以下であるか否かが判別される(図4のt3〜t4の期間)。レール圧が燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い低下し、検出レール圧Psensorが第2の閾値Prail_thr2以下になったときには、ステップS20で流量制御弁8を閉じる制御を解除し、通常のレール圧制御モードに移行する(図4のt4)。
一方、ステップS15において、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1未満である場合には、所定の再始動条件が成立して高圧ポンプ5が動き出した場合であっても高圧ポンプ5の駆動系に多大な負荷が与えられることがない状態であることから、ステップS21に進み流量制御弁8を開いた状態にして(図5のt3’)、ステップS22で再始動条件が成立するまで待機する(図5のt3’〜t4’の期間)。そして、再始動条件が成立したときにはステップS23に進み燃料噴射弁13からの燃料噴射を再開してディーゼルエンジン40を再始動させる(図5のt4’)。
以上のようにして実行されるディーゼルエンジン40の自動停止状態からの再始動時の制御によれば、再始動時にレール圧が比較的高い状態のときには高圧ポンプ5の加圧室5aへの燃料供給開始時期が遅らされ、高圧ポンプ5の駆動系に多大な負荷が与えられることが回避される。したがって、高圧ポンプの耐久性の低下が抑えられる。
4.応用例
これまで説明した実施の形態の内燃機関の制御装置60では、アイドリングストップ制御によってディーゼルエンジン40が自動停止した直後から検出レール圧Psensorと第1の閾値Prail_thr1とを継続的に比較して、検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上になっている限り流量制御弁8を全閉にする制御が行われている。このような制御に代えて、再始動条件が成立するまでの間は流量制御弁8を全開にしておき、再始動条件の成立時に読込まれる検出レール圧Psensorが第1の閾値Prail_thr1以上であるか否かによって、ディーゼルエンジン40の再始動時に流量制御弁8を所定時間閉じるか否かを決定するようにしてもよい。
また、ディーゼルエンジン40に備えられた回転数センサを用いてディーゼルエンジン40の回転数を検出できるように制御装置60を構成し、ディーゼルエンジン40の回転数が所定の閾値以上になることを加圧室5aへの燃料供給の開始の条件とすることもできる。このように燃料供給開始条件を設定した場合であっても、カム15の回転によってカム15とローラ54との接触部位に潤滑油が浸透し油膜が形成されるため、高圧ポンプ5の駆動系に負荷が与えられた場合であっても高圧ポンプ5の耐久性の低下を軽減することができる。
さらに、上述した実施の形態においては、燃料噴射弁に背圧制御に用いられる燃料以外の燃料のリーク通路が設けられておらず、ディーゼルエンジン40の自動停止時にレール圧が低下しにくい構成の蓄圧式燃料噴射装置50を用いた例について説明したが、本発明はこのような蓄圧式燃料噴射装置50を用いる場合に限られるものではない。
燃料噴射弁が背圧制御に用いられる燃料以外の燃料のリーク通路を有しており、ディーゼルエンジンの自動停止時にレール圧が低下する構成の蓄圧式燃料噴射装置を用いる場合においても、ディーゼルエンジンの再始動時にレール圧が比較的高い状態である場合には、高圧ポンプの加圧室への燃料供給開始時期を遅らせることにより、ディーゼルエンジンの再始動性を確保しつつ、高圧ポンプの駆動系への負荷を低減することができる。
1:燃料タンク、2:低圧ポンプ、5:高圧ポンプ、5a:加圧室、6:燃料吸入弁、7:プランジャ、8:流量制御弁、9:燃料吐出弁、10:コモンレール、12:圧力制御弁、13:燃料噴射弁、14:圧力調整弁(オーバーフローバルブ)、15:カム、16:カム室、18a・18b:低圧燃料通路、21:圧力センサ、30a・30b・30c:リターン通路、37・39:高圧燃料通路、40:内燃機関(ディーゼルエンジン)、50:蓄圧式燃料噴射装置、51:ポンプハウジング、52:シリンダヘッド、52a:シリンダ、52b:燃料吐出路、55:スプリング、58:タペット構造体、59:スプリングシート、60:制御装置、61:アイドリングストップ条件成立検出部、62:再始動条件成立検出部、63:アイドリングストップ制御部、65:目標レール圧演算部、67:レール圧検出部、69:レール圧判定部、71:燃料噴射弁制御部、73:流量制御弁制御部、75:圧力制御弁制御部

Claims (6)

  1. 燃料噴射弁が接続されたコモンレールと、前記コモンレールに燃料を圧送する高圧ポンプと、前記高圧ポンプに供給する燃料の流量を調節する流量制御弁と、を備えた蓄圧式燃料噴射装置によって内燃機関の制御を行うための制御装置であって、アイドリングストップ制御を実行可能な内燃機関の制御装置において、
    所定のアイドリングストップ条件が成立したことを検出するとともに前記内燃機関を自動停止させるよう指示を出力するアイドリングストップ条件成立検出部と、
    前記内燃機関の自動停止中に所定の再始動条件が成立したことを検出するとともに前記内燃機関を再始動させるよう指示を出力する再始動条件成立検出部と、
    前記コモンレール内の圧力を検出するレール圧検出部と、
    前記内燃機関の再始動時に前記コモンレール内の圧力が所定の第1の閾値以上となっているときには、前記内燃機関の再始動時に所定時間、前記流量制御弁を閉じた状態とする流量制御弁制御部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第1の閾値が、前記高圧ポンプから前記高圧ポンプの駆動系への許容される負荷に基づく値であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記流量制御弁制御部は、前記内燃機関の自動停止時に前記流量制御弁を閉じた状態で維持するとともに、前記内燃機関の自動停止中に前記コモンレール内の圧力が前記第1の閾値を下回ったときには前記流量制御弁を開くことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記流量制御弁制御部は、前記内燃機関の自動停止時に前記流量制御弁を開いた状態で維持するとともに、前記所定の再始動条件の成立時に、前記コモンレールの圧力が前記第1の閾値以上と判定されたときに前記流量制御弁を閉じることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記流量制御弁制御部は、前記内燃機関の再始動時に、前記コモンレール内の圧力が前記第1の閾値よりも大きく、かつ、前記燃料噴射弁からの燃料噴射によって前記コモンレール内の圧力が速やかに前記第1の閾値未満となるような第2の閾値以下となったときに前記流量制御弁を開くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記流量制御弁制御部は、前記内燃機関の再始動時に、前記内燃機関の回転数が所定の閾値以上になったときに前記流量制御弁を開くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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