JP2018123655A - 丁番 - Google Patents

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Abstract

【課題】被せ納まりでの扉の開閉動作を可能とし、扉のサイズや重量に応じて閉鎖力が調整でき、収納スペース内部への出っ張りを極力薄く形成可能とした丁番を提供する。
【解決手段】扉側ケース1と、スライド部材2と、羽根部材3を設ける。軸心13を羽根部材3とスライド部材2の軸心挿入孔10に挿入して両者を回動自在に連結する。扉側ケース1内でスライド部材2が直線動作のみ可能に規制された状態で、連動ピン14を扉側ケース1の長孔4とスライド部材2の円弧孔11に同時に貫通させ、羽根部材3の連動ピン挿入孔12に差し込んで扉側ケース1とスライド部材2と羽根部材3を組み付ける。ばね部材とばね受けとばね力調整部材を設け、開閉によるスライド部材2に対する扉側ケース1の移動動作を利用し、閉鎖力を得るとともに閉鎖力自体を調整可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は枠体に扉を開閉自在に保持するための丁番に関するものである。
従来から、家具等の枠体に扉を開閉自在に取り付ける際には丁番やピボットヒンジが使用されており、通常は軸芯を扉面から持ち出した位置に配置した持ち出し吊が扉の開閉の条件として最もよいとされている。しかしながら持ち出し吊の場合は必ず扉の外部に軸芯部分が突出した状態で露出してしまい、収納家具などにおいてはデザイン面でよくないとされている。また収納家具等では枠体の前面に扉が被さった納まりが多く、通常の丁番そのままでは対応しにくい。
そこで扉41の厚み内に軸心13を配置する構成が考えられるのであるが、扉正面17や側面に露出させずに軸心13を配置する場合では、図14(a)に示すように扉正面17や側面に一定の厚みを残した条件で扉内面16を彫り込み、その内部に軸心挿入孔10を有した扉側ケース1を配置し、同様に軸心挿入孔10を有した羽根部材3を扉側ケース1に差し込んで軸心13を両者に貫通させて構成することになる。そして羽根部材3を枠体側板内面18に装着して扉41を枠体42に保持するのであるが、このとき扉内面16と枠体側板前面19はわずかな隙間しか設定されていないため、図14(b)に示すように扉内面端部コーナー20が開放動作と共にすぐに枠体側板前面19に接近後当接してしまう軌跡になり、やはり被せ納まりにおいては適応させることが難しい。そこで枠体側板前面19に扉内面16が被さった状態で開閉可能なスライド丁番が最も一般的に用いられており、複数の扉41が同一面に並んだ状態での壁面収納などにおいては枠体側板前面19が扉41により隠された状態になり非常にデザイン性がよいとされている。
このスライド丁番に関しては、基本構造であるリンクの機構はすでに公知とされており、その改良品としては、特開平6−34665号公報や、特開2000−17931号公報や、特開2002−138748号公報や、特開2005−194747号公報や、特開2012−12823号公報等に多数報告されている。また上記特開平6−34665号公報においてはスライド丁番全ての問題として改良の余地があるとされる項目で、収納スペース内部にスライド丁番自体が出っ張ってしまうため荷物の出し入れの際に邪魔になる点や、クローゼットの場合には衣服の出し入れの際に引っ掛ける点が改良点として挙げられている。そして特開平6−34665号公報では建付け調整のためのねじ等がさらに突出するのを回避するための改良であり、スライド丁番自体の出っ張りを低減させることには触れられていない。つまり現状においては、スライド丁番のリンク機構で固有の動作を得るには現行程度の収納スペース内部での出っ張りは避けられないと想定される。
また特開2000−17931号公報や特開2005−194747号公報にも記されているように、従来のスライド丁番は多数の部品を高精度に仕上げる必要があり、それらの組み立ても厳密さが要求される。そこで部品点数も少なく、もう少し容易な組み立て作業にて実現できる新たな構成が望まれる。
またスライド丁番はばね性を用いたリンク部分の機構にて、閉鎖時に扉が所定の角度以下になると閉鎖力が働く機構を兼ね備えており、その結果扉を完全に閉じきることが可能となる。そして通常の収納家具用の扉では上下に2個のスライド丁番を用いるのであるが、この閉鎖力は1個のスライド丁番に対しては均一の荷重であるため、実際には扉のサイズや重量により閉鎖条件が変わってしまう。つまり幅が狭く軽い扉では非常に強く閉鎖力が働いてしまい、バタンと衝突するような閉鎖条件になり、逆に幅が広く重い扉の場合は閉鎖力が足らなく完全に閉じきらないような現象が起こる。しかし扉が閉じきらない現象は重要度が高く誤作動となるため、大多数の扉でも閉じきるようにバネ力を強めに設定しておき、軽い扉においてはダンパーを用いて最終段階での衝撃を緩和させる手段が採用されており、その構成が特開2002−138748号公報や特開2012−12823号公報等に報告されている。
特開平6−34665号公報 特開2000−17931号公報 特開2002−138748号公報 特開2005−194747号公報 特開2012−12823号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、新しい軌跡にて被せ納まりでの扉の開閉動作を可能とし、扉のサイズや重量に対応した閉鎖最終段階での閉鎖力が得られ、さらに収納スペースの内側に配置する出っ張りを極力薄く形成可能とした丁番を提供することである。
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を設けた。まず長孔を形成した水平面を有した扉側ケースと、軸心挿入孔と軸心挿入孔を中心とした円弧孔が形成された水平面を有したスライド部材と、連動ピン挿入孔と軸心挿入孔が形成された水平面と取り付け面を有する羽根部材を設ける。そして羽根部材とスライド部材の水平面を重ね合わせた状態で、軸心を羽根部材とスライド部材の軸心挿入孔に貫通させて挿入することで両者は回動自在に連結される。次に扉側ケース内でスライド部材が直線動作のみ可能に規制された状態で両者の水平面を重ね合わせて配置し、連動ピンを扉側ケースの長孔とスライド部材の円弧孔に同時に貫通させた状態で羽根部材の連動ピン挿入孔に差し込んで扉側ケースとスライド部材と羽根部材を組み付ける。
また上記の水平面は1個ずつの単独の構成では安定しにくいため、扉側ケースに長孔を有した水平面を平行な配置で2個設け、その間は略直方体の凹み部分として形成し、スライド部材も軸心挿入孔と軸心挿入孔を中心とした円弧孔を有した水平面を2個備えた略箱型形状にて形成し、羽根部材も連動ピン挿入孔と軸心挿入孔を有した2個の水平面を略コの字形状に連結させ、さらに垂直方向の取り付け面を設けた形状にて形成しておくと良い。そして羽根部材の略コの字形状の2個の水平面をスライド部材に挿入し、各々2個の水平面を重ね合わせた状態で軸心にて連結し、その状態の略箱型形状のスライド部材をさらに扉側ケースの凹み部分に一方向にしか移動できない状態で嵌め込んで、各々3個の水平面を重ね合わせた状態で連動ピンを長孔と円弧孔に貫通させて連動ピン挿入孔に差し込んで扉側ケースとスライド部材と羽根部材を組み付けて丁番を構成する。
上記丁番を扉と枠体に装着する手段としては、扉側ケースに取り付け面を形成し、水平面の長孔が扉の厚み内に配置されるように扉の吊元側を彫り込んで扉側ケースを装着し、羽根部材の略コの字形状の部分から連続させて垂直方向の取り付け面を設け、枠体側板内面の手前側位置に羽根部材の取り付け面を装着することで扉が枠体に保持される。このとき閉鎖状態で扉内面が枠体側板前部に一定の隙間を有して近接して配置しておく。
そして閉鎖状態から扉を開放すると、連動ピンがスライド部材の円弧孔と扉側ケースの長孔に同時に挿入されているため、所定角度範囲まではスライド部材に対して扉側ケースを手前方向に徐々に押し出しながら開放する動作になり、扉は扉側ケースに固定されているため、扉内面端部コーナーが枠体側板前面に当接することなく回転する軌跡が得られる。そして所定角度範囲以降はスライド部材に対して扉側ケースが奥方向に戻る動作になる。また扉の最大開放角度はスライド部材の円弧孔の軸心挿入孔に対する開き角度にて設定できるため、最大開放時に扉正面端部コーナーが枠体側板前面に当接する直前の位置になるように、90度以上の任意の角度にてスライド部材の円弧孔の開き角度を設定しておくと良い。
また従来のスライド丁番自体が有している閉鎖力も必要条件となるため、本発明の丁番においても同様の機能を有していなければならないと想定される。そこで扉側ケースの略直方体形状の凹み部分の横側部分に矩形スペースを拡張しておき、スライド部材に第一傾斜面を設け、第二傾斜面を有したばね受けをスライド部材の第一傾斜面とばね受けの第二傾斜面が面対するように配置し、矩形スペース端部と受け部材間にばね部材を挿入して、常に両傾斜面がより多く重なり合う方向に付勢するように構成する。すると閉鎖状態から扉を開放する際には、所定角度範囲まではスライド部材に対して扉側ケースを手前方向に徐々に押し出しながら開放する動作になるため、スライド部材の第一傾斜面がばね受けの第二傾斜面を押し込むと共にばね部材を圧縮させる動作になり、所定角度範囲未満での開放角度でそのまま扉を放置すると、ばね部材の付勢力により扉側ケースを奥方向に戻そうとする力が発生し、その結果扉が閉鎖する動作が得られる
次に扉を所定角度範囲を超えてさらに開放すると、連動ピンがスライド部材の円弧孔と扉側ケースの長孔に同時に挿入されているため、スライド部材に対して手前方向に持ち出されている扉側ケースが奥方向に戻る動作になり、ばね部材の付勢力により扉側ケースを奥方向に戻そうとする力と同方向になり、その結果所定角度範囲を超えた位置で扉を放置すると、そのまま最大開放角度まで扉を開かせる動作が得られる。その結果扉を開ける際には所定角度範囲を真ん中としてそれより開き角度が小さいときにはそのまま扉は閉鎖し、開き角度が大きいときにはそのまま最後まで扉は開放し、閉鎖時にはその逆の動作になり、所定角度範囲を挟んで開放側と閉鎖側に振り分けて付勢する動作が得られる。また扉側ケースの長孔の形状や角度を変えることにより所定角度範囲を任意に設定することも可能である。
また上記閉鎖力を軽い扉の時は小さく、重い扉の時は大きくできるとより効果的である。そこで扉側ケースの矩形スペース内でのばね部材を挟んだばね受けとは逆側にばね力調整部材を設け、扉を開放した状態で扉内面側からばね力調整部材を移動させることで、ばね部材の付勢力を強弱できる操作手段を有しているとさらに良い。その手段としては、傾斜面を有した2個の調整部材を互いの傾斜面が面対した状態で扉側ケースの矩形スペース内でのばね部材を挟んだばね受けとは逆側に配置し、片方の調整部材には雌ねじ部分を設けておき、ばね力調整ねじを雌ねじ部に螺合させた状態でねじの頭部が扉の内面に向いた状態で扉側ケースに対して空転するように配置し、ばね力調整ねじを回すことで他方のばね力調整部材を横方向に移動させてばね部材を押し込むことで付勢力が調整可能となる構成が良い。またさらに別の手段としては、ドライバーと適合する十字ビットと一体化された操作部分を有する偏心カムを設け、操作部分が扉内面に配置された状態で扉側ケースの矩形スペース内に配置し、操作部分を回す動作と共に偏心カムの側面がばね部材を押し込んで付勢力を調整可能とする構成であっても良い。
また家具等の収納スペースをより広く確保することも重要であり、丁番等を枠体側板内面に装着する際に出っ張りは極力小さいことが望まれる。そこで扉側ケースを扉の厚み内に彫り込んだ状態で配置し、その内部で扉の開閉動作を実施し、羽根部材の取り付け面を垂直方向の板形状にて設定しておくことにより、収納スペース内に突出する寸法を低減させることが可能となる。
また施工後に枠体に対して扉の位置を前後左右上下に建付け調整する手段も必要である。そこで、さらに追加して枠側ベース部材を設け、枠側ベース部材に前後調整用の偏心カムを配置して羽根部材の取り付け面に係合させ、左右調整ねじを設けて枠側ベースに対して羽根部材の取り付け面を、支点を中心に角度を変化させる略シーソー動作を採用すると、収納スペース内の出っ張りは非常に薄い形状で、左右と前後方向の調整を実施できる構成にすることが可能になる。また上下調整においては、扉側ケースの取り付け面に上下方向の長孔を設け、取り付けねじを緩めた後に押し引きして上下方向の位置を調整後に再固定する構成が簡単である。
長孔を有する扉側ケースと、軸心挿入孔と円弧孔を有するスライド部材と、連動ピン挿入孔と軸心挿入孔を有する羽根部材を軸心と連動ピンにて組み付けることで、開放時に扉内面側端部コーナーが枠体側板前面に当接することなく回転する軌跡が得られ、被せ納まりでの扉の開閉動作が可能になる。また開閉機構部分自体は扉側ケースを扉の厚み内に彫り込んだ状態での、埋め込まれた範囲で実施可能になるため、家具等の収納スペース内を有効に利用することができる。
開閉動作の際のスライド部材に対する扉側ケースの一方向のみへの移動動作を利用して、扉側ケースに矩形スペースを拡張しておき、その中に第一傾斜面を設けたスライド部材と、第二傾斜面を備えたばね受けとばね部材を挿入し、常に両傾斜面がより多く重なり合う方向にばね部材を付勢させることで、閉鎖状態から扉を開放する際には、スライド部材の第一傾斜面がばね受けの第二傾斜面を押し込むと共にばね部材を圧縮させる動作になり、所定角度範囲未満での開放角度でそのまま扉を放置すると、ばね部材の付勢力により扉側ケースを奥方向に戻そうとする力により扉が閉鎖する動作を得ることができる。
扉を所定角度範囲を超えてさらに開放すると、スライド部材に対して扉側ケースが奥方向に戻る動作になり、ばね部材の付勢力により扉側ケースを奥方向に戻そうとする力と同方向になり、その結果所定角度範囲を超えた位置で扉を放置すると、そのまま最大開放角度まで扉を開かせる動作が得られ、扉が勝手に閉鎖してくることはなく、最大開放位置にて停止保持させることができる。
扉側ケースの矩形スペース内で、ばね部材を挟んだばね受けとは逆側にばね力調整部材を設け、扉を開放した状態で扉内面側からばね力調整部材を移動調整させ、ばね部材の付勢力を強弱できる操作手段を設けると、扉のサイズや重量に任意に対応した閉鎖最終段階での最適な閉鎖力が得られ、扉の急激な閉鎖や、閉じきらないような誤作動を阻止することが可能になる。その結果従来のスライド丁番で用いられている衝撃吸収のためのダンパーは必要なくなると想定される。
さらに建付け調整機構を具備させる場合も、追加して枠側ベース部材を設け、枠側ベース部材に前後調整用の偏心カムを配置して羽根部材の取り付け面に係合させ、左右調整ねじを設けて枠側ベースに対して羽根部材の取り付け面を、支点を中心に角度を変化させる略シーソー動作により実施すると、収納スペース内側には薄平らな調整機構部分が出っ張るのみで左右と前後方向の調整が可能になる。また扉側ケースの取り付け面に上下方向の長孔を設け、取り付けねじを緩めた後に押し引きして上下方向の位置を調整後に再固定する構成の、上下方向への調整機構を有することも簡単である。その結果収納スペース内に突出する寸法を大幅に低減させることが可能となる。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の丁番の、扉の開閉機構部分のみを有した基本形態の斜視図であり、図2は基本形態での扉側ケースの上面図を、図3はスライド部材の上面図を、図4は羽根部材の上面図を示している。まず扉側ケース1は図1と図2に示すように長孔4を備えた2個の平行な水平面5を底面7と両側面で連結した形状の略直方体の凹み部分6を有しており、その上下に取り付け面8を設けておく。また長孔4は図2に示すように一定の角度で傾きを有している。そしてスライド部材2も図1と図3に示すように、軸心挿入孔10と軸心挿入孔10を中心とした円弧孔11を有した水平面5を2個備えた略箱型形状にて形成されている。この時扉側ケース1の凹み部分6にスライド部材2を挿入した際に、がたつきなく一方向にしか移動できないように両者の寸法を設定しておくと良い。
また羽根部材3も図1や図4に示すように、連動ピン挿入孔12と軸心挿入孔10を有した水平面2個を略コの字形状に連結させた部分と垂直方向の取り付け面8からなり、羽根部材3の略コの字形状の部分をスライド部材2に挿入し、上下各々2個ずつの水平面5を重ね合わせた状態で軸心13にて両者を回転自在に連結する。そして連結された状態の略箱型形状のスライド部材2を扉側ケース1の略直方体の凹み部分6にさらに嵌め込んで、上下各々3個の水平面5を重ね合わせた状態で、上下から2本の連動ピン14を扉側ケース1の長孔4とスライド部材2の円弧孔10に貫通させた状態で羽根部材3の連動ピン挿入孔12に差し込んで扉側ケース1とスライド部材2と羽根部材3を組み付けて丁番を構成する。この時連動ピン14は圧入に適したスプリングのロールピン等でもよいが、図1に示すように連動ピン14の片端部を雄ねじ部として形成しておき、羽根部材3の連動ピン挿入孔12を雌ねじ部として形成しておくと連動ピン14の固定が確実でかつ容易である。
図5は上記丁番を箱型の収納部材に取り付けた状態の上面図であり、まず扉41の吊元側を扉側ケース1の凹み部分6と取り付け面8が両方埋め込まれるように2段に彫り込み、扉側ケース1の取り付け面8を木ねじ等の取り付けねじ15で扉内面16に固定する。そして羽根部材3の垂直方向の取り付け面8を枠体側板内面18の手前位置に同様に木ねじ等の取り付けねじ15で固定して扉41を枠体42に装着する。このとき枠体側板前面19に扉内面16が被さった状態で、小さい寸法の隙間を有して近接して配置されるのが一般的な納まりになる。またこの状態からの扉41の開閉動作の説明の際に、位置関係や方向が分かりやすいように、図5に示すように扉41の各箇所の表記としては、外観として見える側を扉正面17とし、その逆の裏側を扉内面16と表記し、扉41の角位置は扉内面端部コーナー20と扉正面端部コーナー21として表記し、方向としては収納部材全体での扉正面17側を手前方向、収納部材の逆側を奥方向として表記する。また枠体42の各箇所の表記に関しても、図5に示すように枠体側板内面18と枠体側板前面19として表記する。
図6は閉鎖状態から扉41を10度ごとに開放した位置を連続させて表記した軌跡図であり、扉側ケース1に対するスライド部材2の位置関係をわかりやすくするために、扉側ケース1の底面7の位置とスライド部材2の手前辺9の位置を主に明記している。まず図6(a)は扉41が完全に閉じた状態であり、連動ピン14は重なった状態での扉側ケース1の長孔4とスライド部材2の円弧孔11の手前端部に貫通して配置されており、扉側ケース1の凹み部分6の底面7にスライド部材2の手前辺9が接した状態で完全に嵌まり込んでいる。そして図6(a)に示す閉鎖状態から扉41を開放すると、連動ピン14がスライド部材2の円弧孔11と扉側ケース1の長孔4に同時に挿入されているため、スライド部材2の円弧孔11に沿って連動ピン14は移動しようとする。このときスライド部材2の円弧孔11と扉側ケース1の長孔4が交差した状態になっており、その交差角度が比較的大きいため、扉側ケース1の長孔4を手前方向に押し出す動作になる。またスライド部材2は扉側ケース1の凹み部分6に対して扉41と垂直方向である扉内面16方向にしか移動できないため、その結果図6(b)に示すようにスライド部材2に対して扉側ケース1の凹み部分6が滑りつつ、扉41を手前方向に持ち出しながら回転することになる。つまり扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9に隙間が生じることになり、その隙間の寸法を図6(b)の状態でB寸法とする。
この開放と共に扉41を手前方向に持ち出す動作は、扉41を20度開放した状態での図6(c)から30度開放した図6(d)を経て40度開放した図6(e)まで続き、したがって扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間はB<C<D<Eと徐々に大きくなっていく。この動作は扉41の開放での初期段階に図14に示すように扉内面端部コーナー20が枠体側板前面19に当接してしまう問題点を解消するのに有効である。ここで図14は同じ条件の扉41と枠体42で、軸心13位置も図6と同じ状態からの単軸での回転軌跡を示しており、図14(a)に示す閉鎖状態では図6(a)と同じ位置にあるが、扉の開放と共に20度〜30度の位置で図14(b)に示すように扉内面端部コーナー20が枠体側板前面19に当接してそれ以上開放できない状態になってしまう。
ところが図6においては、開放と共に扉41自体が扉側ケース1と共に手前方向に持ち出されながら回転するため、図6(a)での閉鎖状態での扉内面16の位置を一点鎖線にて基準線として表示すると、扉内面端部コーナー20が枠体側板前面19に接近しようとする分徐々に扉41自体が持ち出されるため、40度開放位置である図6(e)までは扉内面端部コーナー20は枠体側板前面19にほぼ接近しない軌跡が得られる。
そして40度開放位置の図6(e)から50度開放位置の図6(f)を経て60度開放位置の図6(g)に至る範囲はスライド部材2の円弧孔11と扉側ケース1の長孔4との交差角度が非常に小さい状態になり、扉41の開放角度に対する扉側ケース1の持ち出し量の変化はほとんど無い状態になる。したがって扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間寸法はほぼE≒F≒Gになる。ここで上記の図6(e)から図6(g)に至る範囲を所定角度範囲とする。また図6(e)の段階で扉内面端部コーナー20が枠体側板前面19に接近していないため、その後の開放動作で扉内面端部コーナー20がわずかに枠体側板前面19に接近する軌跡になるが、初期に設定された納まりでの隙間範囲内で十分動作するため、図6(g)においても扉41の開放には全く支障はない。
そして60度開放位置である図6(g)からはまたスライド部材2の円弧孔11と扉側ケース1の長孔4との交差角度が逆方向に徐々に大きくなっていくため、今度は扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間寸法は逆に小さくなっていき、70度開放位置から80度開放を経て90度開放においてはG>H>I>Jになる。そして図6(k)に示す100度開放位置では、扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間Kはかなり小さくなる。またこの100度開放位置で扉正面端部コーナー21が枠体側板前面19に当接する直前にまで移動するため、スライド部材2の円弧孔11の開き角度を100度にて設定しておくと、この位置で扉41の開放を停止させることができる。そして図6(g)から図6(k)においても扉内面端部コーナー20が枠体側板前面19に当接することはない。
上記の扉41を手前方向に持ち出しながら回転させる構成は図6の設定が基本となるのであるが、その持ち出す程度や開放角度ごとの位置は任意に変更可能である。その手段としては扉側ケース1の長孔4の傾斜度合を変更する方法や、長孔4自体の形状を直線形状ではなく、スライド部材2の円弧孔11とは逆Rでの大きな円弧形状にする方法や、直線部分と大きな円弧部分を連続させた形状にする等様々な手段が可能である。また閉鎖状態における凹み部分6内での軸心13の位置とその位置に対する円弧孔11の距離や配置も開放軌跡において影響を及ぼすため、様々な要素を選択して最も有効な開閉軌跡を選択すると良い。
次にもう一つの必要条件である閉鎖機構について説明し、その後にさらにもう一つの必要条件である枠体42に対する扉41の位置を施工後に建付け調整する構成を説明する。図7は図1に示した基本形態に閉鎖機構と建付け調整機構を追加した構成の分解斜視図である。そして図8は基本形態に閉鎖機構のみを追加して組み込んだ構成の上面図である。まず図7と図8に示すようにスライド部材2に第一傾斜面22を設ける。そして図8に示すように扉側ケース1の略直方体形状の凹み部分6の横側部分に矩形スペース25を拡張し、第二傾斜面24を有したばね受け23をばね部材26と共に矩形スペース25に挿入し、スライド部材2の第一傾斜面22とばね受け23の第二傾斜面24が面対するように配置する。このときばね部材26を両傾斜面がより多く重なり合う方向に付勢するように設定する。したがってばね部材26によりばね受け23の第二傾斜面24が常にスライド部材2の第一傾斜面22を押し付けている状態になっている。
この図8の状態から扉41を開放した時の軌跡図が図9であり、開閉機構部分は図6に示す動作と同様であるため、扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9との隙間寸法は図6での0度〜40度まではB<C<D<Eと隙間寸法は増加し、その後の60度解放まではE≒F≒Gとほぼ隙間寸法は一定になり、さらにその後の100度解放まではG>H>I>Jと隙間寸法は再度小さくなっていく。したがって開放初期においては扉側ケース1が手前方向に移動しつつスライド部材2の第一傾斜面22がばね受け23の第二傾斜面24を押す動作になり、両傾斜面により力の方向が変更され、その結果ばね部材を圧縮させることになる。図9(b)は40度開放段階を示しており、ばね部材26は大きく圧縮された状態で、そのまま扉41を放置するとばね部材26が戻ろうとする力によりスライド部材2も図9(a)の閉鎖状態に復帰しようとする力が働き、すなわち扉41を閉鎖することが可能になる。
そして前述のように図9(b)に示す40度開放から図9(c)に示す60度開放付近までは、扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間寸法がほぼ一定である所定角度範囲であるため、この所定角度範囲内で扉41を放置するとそのままの位置で止まった状態になると想定される。そして所定角度範囲を超えてさらに大きく扉41を開放すると、扉側ケース1の底面7とスライド部材2の手前辺9の隙間寸法が小さくなっていく現象になるため、スライド部材2に対して扉側ケース1が奥方向に戻る動作になり、ばね部材26の付勢力によりスライド部材2を奥方向に戻そうとする力と同方向になり、そのまま扉41を放置すると図9(d)に示すようにそのまま最大角度まで扉41を開放させる動作になる。
したがって全体の開閉動作としては、閉鎖状態から扉41を開ける際には所定角度範囲を真ん中としてそれより開き角度が小さいときにはそのまま扉41は閉鎖し、開き角度が大きいときにはそのまま最後まで扉41は開放し、閉鎖時にはその逆の動作になる、所定角度範囲を挟んで開放側と閉鎖側に振り分けて付勢する動作が得られることになる。
ここで従来のスライド丁番においては扉41の閉鎖力は一定であり、したがって間口の狭い軽い扉においてはばね力が勝ってバタンと閉じてしまうような動作になりがちであり、逆に間口の広い重い扉であればばね力が足らずに閉じきらないというような現象がどうしても発生してしまう。そこで強めのばね力に設定しておき、強すぎる場合にはダンパーを用いて閉鎖直前に力を吸収させる構成が用いられることが多い。しかし本来では閉鎖力そのものを調整できればダンパーを使用する必要はないと想定され、さらに効果的な構成が望まれる。
そこで扉側ケース1の矩形スペース25内でのばね部材26を挟んだばね受け23とは逆側にばね力を調整できる構成を設け、扉41を開放した状態で扉内面16側からばね部材26の付勢力を強弱できる操作手段を有していると良い。図10はその手段としての一例の上面図であり、図7にも同様の構成を表記している。まず図7に示すように、ばね部材26を挟んでばね受け23とは逆の位置に、第三傾斜面28を有した略三角形のばね力調整部材27を設け、さらに第四傾斜面31と雌ねじ部29を有した略三角形の雌ねじ部付きばね力調整部材を30設け、図10(a)に示すように、互いの傾斜面が面対した状態で矩形スペース25内に配置し、ばね力調整ねじ32を雌ねじ部付きばね力調整部材30に螺合させた状態で、ばね力調整ねじ32の頭部が扉内面16に向いた配置で扉側ケース1に対して空転するように装着しておく。図11は図10(a)の状態を扉内面16から見た平面図であり、扉41を開けた状態でばね力調整ねじ32を回しやすいように配置しておくと良い。
そして図10(a)はばね部材26による付勢力が最も弱い状態を示しており、雌ねじ部付きばね力調整部材30は矩形スペース25内での手前側に配置されている。この状態からばね力調整ねじ32を回すと、雌ねじ部付きばね力調整部材30が奥方向に移動し、面対した第四傾斜面31と第三傾斜面28によりばね力調整部材27の移動方向が変換され、図10(b)に示すようにばね力調整部材27がばね部材26を圧縮させることになる。すると閉鎖力が増幅されることになり、その結果施工後に扉41のサイズや重量に応じた閉鎖力に簡単に調整することが可能になり、強すぎることもなく、弱すぎることもない適度な閉鎖条件を得ることが容易に実現できる。またばね部材26の付勢力の調整できる範囲を大きく設定することで、1枚の扉41に複数個のスライド丁番を使用している場合においても、本発明の丁番を使用する場合では数量を削減することも可能になると想定される。
またさらに別の手段としては図12に示すように、ドライバーと適合する十字ビットと一体化された操作部分を有する偏心カム33を設け、操作部分が扉内面16側なるように扉側ケース1内に配置し、操作部分を回す動作と共に偏心カム33の側面がばね部材26を押し込んで付勢力を調整可能とする構成であっても良い。この機構を用いる場合はばね部材26により戻る方向への付勢力で偏心カム33が逆回転してしまわないように、接点に細かいギザギザを用いる等の手段を合わせて採用することが必要であり、この点においては図示はしないが、偏心カム33の代わりに等速カムを用いる構成であっても良い。
また施工後に枠体42に対して扉41の位置を前後左右上下の三方向に調整する建付け調整機構も必要であり、様々な構成が可能であるが、本発明の丁番においては、開閉機構部分自体は扉側ケース1を扉41の厚み内に彫り込んだ状態での埋め込まれた範囲で実施可能になることが特徴であり、したがって羽根部材3の枠体42に対する取り付け面8を利用して建付け調整を実施すると良い。さらには収納スペースをより広く確保することも重要であり、枠体側板内面18に装着する際に出っ張りは極力小さいことが望まれる。
そこで図7に示すように、板状で凸状の支点35を挟んで両側に雌ねじ部29を有した枠側ベース部材34を設け、支点35の横にさらに偏心形状の前後調整カム36を配置しておく。そして羽根部材3の取り付け面8を、上下を曲げ込んだ略コの字形状にて形成し、前後調整用長孔39と前後調整カム挿入孔37を設け、枠側ベース部材34に羽根部材3の取り付け面8を被せるようにして、前後調整カム36を前後調整カム挿入孔37に差し込んだ状態で装着する。そして支点35を挟んだ両側の前後調整用長孔39を通して枠側ベース部材34の雌ねじ部29に2本の左右調整ねじ38を螺合しておく。
図13は図7に示す建付け調整機構を備えた丁番を取り付けた状態の上面図であり、あらかじめ枠側ベース部材34を木ねじ等の取り付けねじ15で枠体側板内面18に固定しておき、羽根部材3を2本の左右調整ねじ38にて装着した、建付け調整前の基準状態を示している。そしてこの状態から2本の左右調整ねじ38を少しだけ緩め、前後調整カム36を回転させると前後調整が実施され、2本の左右調整ねじ38を押し引きすることで、羽根部材3は枠側ベース部材34の支点35に対して略シーソー動作して左右調整を実施することが可能となり、適正な位置で左右調整ねじ38を締め込むと固定することができる。また図7と図11に示すように扉側ケース1の取り付け面8の孔を上下方向に長い上下調整用長孔40にしておくと、取り付けねじ15を緩めて上下方向に移動後再度締め付けることで上下方向の調整も併せ持つ構成にできる。
そしてこの建付け調整の構成は、図13に示すように枠側ベース部材34と羽根部材3の取り付け面8と、左右調整のためのシーソー動作による移動幅のみが枠体側板内面18から突出するだけで済み、全体として非常に薄く設定することができ、収納スペースを広く有効に使用することが可能になる。また建付け調整機構は上記の構成に限ったものではなく、略シーソー動作の支点位置を変えた構成であるとか、左右調整を扉側で実施する等限定されず任意である。
本発明の丁番の、開閉機構部分を備えた基本形態の斜視図である。 本発明の丁番の、扉側ケースの上面図である。 本発明の丁番の、スライド部材の上面図である。 本発明の丁番の、羽根部材の上面図である。 本発明の基本形態の丁番を収納家具に装着した状態の上面図である。 本発明の基本形態の丁番の開閉軌跡図である。 本発明の基本形態の丁番に、閉鎖力調整機構と建付け調整機構を追加した構成の斜視図である。 本発明の基本形態の丁番に、閉鎖機構を追加した構成の上面図である。 本発明の基本形態の丁番に、閉鎖機構を追加した構成の開閉軌跡図である。 本発明の基本形態の丁番に、閉鎖力調整機構を追加した構成の上面図である。 本発明の丁番の閉鎖力調整機構に、2個の傾斜面を有するばね力調整部材を用いた構成の平面図である。 本発明の丁番の閉鎖力調整機構に、偏心カムを用いた構成の平面図である。 本発明の基本形態の丁番に、閉鎖力調整機構と建付け調整機構を追加した構成の上面納まり図である。 従来の単軸の丁番を、本発明の丁番と同じ配置で収納家具に装着した時の軌跡図である。
1 扉側ケース
2 スライド部材
3 羽根部材
4 長孔
5 水平面
6 凹み部分
7 底面
8 取り付け面
9 手前辺
10 軸心挿入孔
11 円弧孔
12 連動ピン挿入孔
13 軸心
14 連動ピン
15 取り付けねじ
16 扉内面
17 扉正面
18 枠体側板内面
19 枠体側板前面
20 扉内面端部コーナー
21 扉正面端部コーナー
22 第一傾斜面
23 ばね受け
24 第二傾斜面
25 矩形スペース
26 ばね部材
27 ばね力調整部材
28 第三傾斜面
29 雌ねじ部
30 雌ねじ部付きばね力調整部材
31 第四傾斜面
32 ばね力調整ねじ
33 偏心カム
34 枠側ベース部材
35 支点
36 前後調整カム
37 前後調整カム挿入孔
38 左右調整ねじ
39 前後調整用長孔
40 上下調整用長孔
41 扉
42 枠体

Claims (12)

  1. 枠体に扉を開閉自在に保持するための丁番であって、長孔が形成された水平面を有した扉側ケースと、軸心挿入孔と軸心挿入孔を中心とした円弧孔が形成された水平面を有したスライド部材と、連動ピン挿入孔と軸心挿入孔が形成された水平面と取り付け面を有した羽根部材が設けられ、羽根部材とスライド部材の水平面を重ね合わせた状態で、軸心を羽根部材とスライド部材の軸心挿入孔に貫通させて挿入することで両者は回動自在に連結され、さらに扉側ケース内にスライド部材を一方向にのみ移動可能に規制された状態で水平面を重ね合わせて配置され、連動ピンを扉側ケースの長孔とスライド部材の円弧孔に同時に貫通させた状態で、羽根部材の連動ピン挿入孔に差し込んで扉側ケースとスライド部材と羽根部材を組み付けて構成したことを特徴とする丁番。
  2. 前記扉側ケースに長孔を有した水平面を平行な配置で2個設け、その間は略直方体の凹み部分として形成され、軸心挿入孔と軸心挿入孔を中心とした円弧孔を有した水平面を2個平行に備えた略箱型形状にてスライド部材は形成され、連動ピン挿入孔と軸心挿入孔を有した2個の水平面を略コの字形状に連結して羽根部材が形成され、羽根部材の略コの字形状の2個の水平面をスライド部材に挿入し、各々2個の水平面を重ね合わせた状態で軸心にて連結し、さらに略箱型形状のスライド部材を扉側ケースの凹み部分に一方向にしか移動できない状態で嵌め込んで、各々3個の水平面を重ね合わせた状態で連動ピンを長孔と円弧孔に貫通させて連動ピン挿入孔に差し込んで扉側ケースとスライド部材と羽根部材を組み付けて丁番を構成し、扉側ケースは扉に、羽根部材は枠体に装着されることで扉が枠体に保持され、扉の開閉動作によりスライド部材に対して扉側ケースが出没しながらの羽根部材に対する回転動作が得られることを特徴とする請求項1に記載の丁番。
  3. 前記扉側ケースに垂直方向の取り付け面を形成し、水平面の長孔が扉の厚み内に配置されるように扉の吊元側を彫り込んで扉側ケースを装着し、羽根部材に垂直方向の取り付け面を設け、枠体側板内面の手前位置に羽根部材を装着し、閉鎖状態で扉内面が枠体側板前面に一定の隙間を有して配置された納まり位置から扉を開放すると、連動ピンがスライド部材の円弧孔と扉側ケースの長孔に同時に挿入されているため、所定角度範囲まではスライド部材に対して扉側ケースを手前方向に徐々に押し出す動作になり、その結果扉側ケースと共に扉内面端部コーナーが枠体側板前面に接近する度合いを低減する軌跡が得られ、所定角度範囲以降はスライド部材に対して扉側ケースが奥方向に戻る動作になることを特徴とする請求項2に記載の丁番。
  4. 前記スライド部材の円弧孔の軸心挿入孔に対する開き角度を、最大開放時に扉正面端部コーナーが枠体側板前部面に当接する直前の位置になるように、90度以上の任意の角度にて設定したことを特徴とする請求項3に記載の丁番。
  5. 前記略箱型形状のスライド部材に第一傾斜面が設けられ、扉側ケースの直方体形状の凹み部分の横側部分に矩形スペースが拡張され、ばね部材と第二傾斜面を有したばね受けが設けられ、スライド部材の第一傾斜面とばね受けの第二傾斜面が面対する配置で、ばね部材により両傾斜面がより多く重なり合う方向に付勢するように、扉側ケースの矩形スペース内にばね部材とばね受けが配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の丁番。
  6. 閉鎖状態から扉を開放する際に、所定角度範囲まではスライド部材に対して扉側ケースを手前方向に徐々に押し出す動作により、スライド部材の第一傾斜面がばね受けの第二傾斜面を押し込むと共にばね部材を圧縮させる動作になり、所定角度範囲未満の開放角度でそのまま扉を放置すると、ばね部材の付勢力によりスライド部材を奥方向に戻そうとする力が発生し、その結果扉が閉鎖する動作が得られることを特徴とする請求項3または5に記載の丁番。
  7. 扉を所定角度範囲を超えてさらに開放すると、連動ピンがスライド部材の円弧孔と扉側ケースの長孔に同時に挿入されているため、スライド部材に対して扉側ケースが奥方向に戻る動作になり、ばね部材の付勢力によりスライド部材を奥方向に戻そうとする力と同方向になり、その結果所定角度範囲を超えた位置で扉を放置すると、そのまま最大開放角度まで扉を開かせる動作になることを特徴とする請求項3または5に記載の丁番。
  8. 前記扉側ケースの矩形スペース内でのばね部材を挟んだばね受けとは逆側にばね力調整機構が設けられ、扉を開放した状態で扉内面側からばね部材の付勢力を強弱できる操作手段を有し、施工後にばね部材による付勢力を変えることで扉の閉鎖力が任意に調整可能とされたことを特徴とする請求項3または5に記載の丁番。
  9. 前記ばね力調整機構が、傾斜面を有した2個のばね力調整部材を互いの傾斜面が面対した状態で扉側ケースの矩形スペース内でのばね部材を挟んだばね受けとは逆側に配置され、片方のばね力調整部材には雌ねじ部分が設けてあり、ばね力調整ねじを雌ねじ部に螺合させた状態でねじの頭部が扉内面に向いた状態で扉側ケースに対して空転するように配置され、ばね力調整ねじを回すことで両傾斜面により他方のばね力調整部材がばね部材を押し込むことで付勢力が調整可能となる構成であることを特徴とする請求項8に記載の丁番。
  10. 前記ばね力調整機構が、ドライバーと適合する十字ビットと一体化された操作部分を有する偏心カムが設けられ、操作部分が扉内面に配置された状態で扉側ケースの矩形スペース内に配置されており、操作部分を回す動作と共に偏心カムの側面がばね部材を押し込んで付勢力が調整可能となる構成であることを特徴とする請求項8に記載の丁番。
  11. 前記扉側ケースを扉の厚み内に彫り込んだ状態で配置し、その内部で扉の開閉動作を実施するため、羽根部材の取り付け面を垂直方向の板形状にて設定しておくことにより、収納スペース内に突出する寸法が低減可能となることを特徴とする請求項1または2に記載の丁番。
  12. 施工後に枠体に対して扉の位置を建付け調整する手段として、支点と雌ねじ部を有する枠側ベース部材を設け、枠側ベース部材に偏心形状の前後調整カムを配置して羽根部材の取り付け面に挿入し、前後調整カムを回す操作で前後調整が実施可能とされ、左右調整ねじを羽根部材を介して枠側ベース部材の雌ねじ部に螺合し、枠側ベース部材に対して支点を中心に羽根部材の角度を変化させる略シーソー動作により左右調整が実施可能とされ、扉側ケースの取り付け面に上下方向の長孔を設け、取り付けねじを緩めた後に押し引きして上下方向の位置を調整後に再固定することにより、上下調整が実施可能とされたことを特徴とする請求項1または2に記載の丁番。
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