JP2018123033A - 多結晶シリコン棒の製造方法および多結晶シリコン棒 - Google Patents

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秀一 宮尾
Shuichi Miyao
秀一 宮尾
成大 星野
Shigeo Hoshino
成大 星野
哲郎 岡田
Tetsuo Okada
哲郎 岡田
石田 昌彦
Masahiko Ishida
昌彦 石田
祢津 茂義
Shigeyoshi Netsu
茂義 祢津
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Abstract

【課題】多結晶シリコン棒に内在する残留応力や結晶配向性を、単結晶シリコン製造用原料として好適なものとするための製造技術を提供すること。【解決手段】本発明に係る多結晶シリコン棒の製造方法においては、反応炉内に複数対のシリコン芯線を配置してシーメンス法により多結晶シリコン棒を製造するに際し、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、前記複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定する。この製造方法において、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱して、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を100℃以下に制御するのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、多結晶シリコン棒の結晶成長技術に関し、より詳細には、単結晶シリコンの製造原料として好適な多結晶シリコン棒を製造する技術に関する。
半導体デバイス等の製造に不可欠な単結晶シリコンは、殆どの場合、シーメンス法により製造された多結晶シリコン棒や多結晶シリコン塊を原料として、FZ法やCZ法により育成される。シーメンス法とは、トリクロロシランやモノシラン等のシラン原料ガスを加熱されたシリコン芯線に接触させることにより、該シリコン芯線の表面に多結晶シリコンをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により気相成長(析出)させる方法である。
初期におけるシーメンス法は、反応器内に1対の逆U字型のシリコン芯線を設置して、このシリコン芯線の表面に多結晶シリコンを析出させて多結晶シリコン棒を製造するというものであったが、近年では、1バッチ当たりの生産性を高めるために、反応器を大型化し、複数対のシリコン芯線を設置することで複数本の多結晶シリコン棒を製造するのが一般的である。
このようにして得られた多結晶シリコン棒は、破砕により多結晶シリコン塊とされてCZ法による単結晶シリコンの製造原料とされたり、棒状のままでFZ法による単結晶シリコンの製造原料とされるが、単結晶シリコンの製造収率を更に高める等の要請に応えるべく、原料となる多結晶シリコン棒に対する品質向上の要求も高まってきている。
例えば、CZ単結晶シリコン製造用原料については、石英ルツボ内にチャージした多結晶シリコン塊の全量が融解するまでの時間の短縮化や融解に要する電力量の低減といった観点から、融解特性の改善が求められている。また、FZ単結晶シリコン製造用原料については、単結晶化のプロセスでの結晶線の消失(単結晶崩れ)の頻度を極力低くするための多結晶シリコン棒のもつ結晶性の改善が求められている。
言うまでもなく、CZ法にせよFZ法にせよ、育成される単結晶シリコンは大型化しており、現在では直径は6インチ〜8インチのものが主流である。
ところで、CVDによる析出の過程で多結晶シリコンの径が太くなるにつれ、芯線を加熱するために流れる電流は徐々に析出中の多結晶シリコンの外表面側には流れ難くなり、その結果、多結晶シリコンの外表面側の温度は、中心領域の温度よりも低くなる。このような状況で析出が進行すると、得られた多結晶シリコン棒の外側領域の結晶特性は、中心領域の結晶特性と異なることとなる。例えば、両領域の結晶の熱膨張率に差が生じて結晶内には残留応力が発生することとなる。このような現象は多結晶シリコン棒の径が大きくなるほど顕著になる。
CZ法による単結晶シリコンの育成の際に、比較的大きな残留応力を内在する多結晶シリコン棒をシリコン融液のリチャージに用いると、炉内で破断してしまうことがある。FZ法による単結晶シリコンの原料として用いる場合にも、同様に、結晶育成の途中で、炉内で破断してしまうことがある。これらの問題は、何れも、多結晶シリコン棒に内在する残留応力に起因する。
例えば、特許文献1(特許第3357675号明細書)には、トリクロロシランを原料として製造した多結晶シリコンロッドは、ロッド内の残留応力が大きくFZやリチャージ用のロッドに使用することは不向きと考えられていたこと、また、かかる多結晶シリコンロッドの残留応力を除去しようとして、該多結晶シリコンロッドを融解前にアニール等の熱処理に付した場合には、汚染によりその純度が著しく低下し、もはや単結晶の製造に使用し得なくなること等が記載されている。
そして、特許文献1では、デバイス等の製造に用いられるシリコン単結晶をリチャージ等により製造する際に、直接溶融炉に供給しても割れによるトラブルを防止し得る程度にまで残留歪みが低減され、しかも、安定した溶融特性を有する高純度の多結晶シリコンロッドを得るために、多結晶シリコンロッドの表面の少なくとも一部が1030℃以上の温度を示すまで加熱するという手法が提案されている。
また、特許文献2(特開平7-277874号公報)には、棒状の多結晶シリコンを原料に使用したシリコン単結晶の引上げの際に、加熱・融解中の棒状の多結晶シリコンが破断し、破断部材の落下が生じることがあるという問題に鑑み、最大残留応力が3.5kgf/mm2未満(標準状態下での測定値)であれば破断が防止可能となるとの知見に基づき、融解時の前にアニール等の熱処理により残留応力除去を行うことで融解時の破断を防止する発明が開示されている。
さらに、特許文献3(特開2004-277223号公報)には、熱処理によらずにリチャージでの割れ防止を期待できる耐割れ性に優れた高強度シリコンロッドを提供するために、シーメンス法により多結晶シリコンロッドを製造する際に、ロッドの表面温度を950〜1010℃に管理することにより、常温でのロッド長手方向の引張強度が90MPa以上の高強度多結晶シリコンを得る発明が開示されている。
特許第3357675号明細書 特開平7-277874号公報 特開2004-277223号公報 特開2016−003164号公報 特開2015−214428号公報
しかし、特許文献1(特許第3357675号明細書)は、多結晶シリコンロッドの表面の少なくとも一部を、1030℃以上という比較的高い温度で加熱する必要があり、このような高温での熱処理により、熱処理後の多結晶シリコンロッドの諸物性(結晶粒径分布や熱拡散率など)が、熱処理前のものと変わってしまうおそれがある。
特許文献2(特開平7-277874号公報)には、融解時の前にアニール等の熱処理により残留応力除去を行うことが提案されてはいるが、当該残留応力除去のための具体的な条件の詳細については不明である。
特許文献3(特開2004-277223号公報)に開示の方法は、特許文献1に記載の値よりは低い温度(950〜1010℃)で熱処理するものとされるが、このような温度で熱処理しても、多結晶シリコンロッドの諸物性が熱処理前のものと変わってしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多結晶シリコン棒の融解特性や内在する残留応力ないし結晶配向性を、単結晶シリコン製造用原料として好適なものとするための製造技術を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る多結晶シリコン棒の製造方法は、反応炉内に複数対のシリコン芯線を配置してシーメンス法により多結晶シリコン棒を製造するに際し、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、前記複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定する、ことを特徴とする。
好ましくは、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱して、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を100℃以下に制御する。
また、好ましくは、前記平均値Dは150mm以上である。
本発明に係る多結晶シリコン棒は、析出工程後の半径の平均値がR(mm)である多結晶シリコン棒であって、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取してXRD測定したときに、X線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として面内回転させて得られたミラー指数面<111>からのブラッグ反射強度(I<111>)とミラー指数面<220>からのブラッグ反射強度(I<220>)との比(I<111>/I<220>)が、前記径方向の全域において1.0未満である、ことを特徴とする。
好ましくは、前記多結晶シリコン棒の成長方向におけるR/2〜Rの領域において針状結晶が生成している。
以下に、図面を参照して、本発明に係る多結晶シリコン棒の製造技術について説明する。
上述のとおり、多結晶シリコン棒を製造するに際しては、これを単結晶シリコン製造用原料として用いた場合の融解特性の改善や残留応力をはじめとする結晶性の更なる向上が求められている。具体的には、局所的な未融解部分が生じないような融解特性であることが望まれ、反応炉内での破断等が生じない程度にまで残留応力が制御されたものであることが望まれている。本発明者らは、このような高い結晶品質の多結晶シリコン棒を得るための検討を進めた結果、複数の多結晶シリコン棒を育成するに際し、析出中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を適切に制御することにより、融解特性に優れた多結晶シリコン棒を得ることができるとの結論に至った。そしてこのような多結晶シリコン棒は、残留応力が適切に制御されており、安定的な製造を可能とするものであることも明らかになった。
本発明において、上記温度差ΔT(=Tc−Ts)は100℃以下に制御される。また、これを反応炉内でのシリコン芯線を配置の観点からみると、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、前記複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定する。
つまり、本発明に係る多結晶シリコン棒の製造方法においては、反応炉内に複数対のシリコン芯線を配置してシーメンス法により多結晶シリコン棒を製造するに際し、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、前記複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定する。
この製造方法において、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱して、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を100℃以下に制御するのが好ましい。
なお、CZ法にせよFZ法にせよ、育成される単結晶シリコンは現在では直径が6インチ〜8インチのものが主流であるから、上記D値は150mm以上であることが好ましい。
このような方法で得られた多結晶シリコン棒は融解特性に優れるとともに残留応力が適切に制御されており、X線回折法(XRD)で評価した場合には、下記のような特徴を有している。
すなわち、本発明に係る多結晶シリコン棒は、析出工程後の半径の平均値がR(mm)である多結晶シリコン棒であって、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取してXRD測定したときに、X線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として面内回転させて得られたミラー指数面<111>からのブラッグ反射強度(I<111>)とミラー指数面<220>からのブラッグ反射強度(I<220>)との比(I<111>/I<220>)が、前記径方向の全域において1.0未満である。
そしてこのような多結晶シリコン棒では、前記多結晶シリコン棒の成長方向におけるR/2〜Rの領域において針状結晶が生成している。
以下に、上述のD/Lの値が多結晶シリコン棒の結晶特性(品質)に及ぼす効果について、より詳しく説明する。
[D/Lの値]
シーメンス法による多結晶シリコン棒の育成(析出)においては、シリコン芯線に電流を流して約1000〜1100℃に加熱し、原料ガスを供給してシリコン芯線の表面に多結晶シリコンを析出させることで多結晶シリコン棒の径が拡大してゆく。この工程において、多結晶シリコン棒の直径が約100mmを超える時点で、中心温度(Tc)と表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)が大きくなる。
一般的にはTc>TsであるからΔT>0となるが、この温度差ΔTにより、結晶内には熱歪みによる変形が生じて残留応力が大きくなり、このようなΔTが大きな状態が継続すると、直径が150mmを超える程度にまで径拡大した時点で自立が困難となり倒壊する等の不都合が生じる。
本発明者らは、上記温度差ΔTを極力低くするために、析出中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱することが効果的であるとの知見に至った。
隣接する多結晶シリコン棒同士は、CVD反応工程中、その表面からの熱輻射を互いに受容するから、CVD工程中の多結晶シリコン棒の表面温度は、複数対の棒同士の距離である電極間距離に応じて、CVD温度、表面温度が上昇する。
表面で受容された輻射熱は、熱伝導により多結晶シリコン棒の中心部にまで到達し、やがて全体の温度が上昇する。このため、隣接する多結晶シリコン棒からの輻射熱を利用しない場合に比較して、シリコン芯線に流す電流量(すなわち、供給電力量)は少なくて済むこととなる。
本発明では、このような輻射熱を、望ましい品質の多結晶シリコン棒を得る観点から、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定することとしている。
上記、D/Lの値が0.40よりも小さいと、隣接する多結晶シリコン棒からの輻射熱を効率的に受容することができない。なお、D/Lの値が0.40よりも小さい場合には、後述する針状結晶の析出が確認されなかった。
一方、D/Lの値が0.90よりも大きいと、隣接する多結晶シリコン棒からの輻射熱の影響が大きくなり過ぎ、析出中の多結晶シリコン棒の表面温度が過剰に高まってしまう。
[結晶配向性]
本発明においては、多結晶シリコン棒の表面で受容された輻射熱を、熱伝導により、多結晶シリコン棒の中心部にまで到達させることで全体の温度を上昇させる。従って、析出中の多結晶シリコン棒の、表面から中心に向かう方向での熱伝導性が高い場合に、本発明の効果が顕著となる。
本発明者らの知見によれば、多結晶シリコン棒中における表面から中心に向かう方向に長軸方向を有する「針状結晶」の存在が、上記方向の熱伝導性を高める(熱拡散率を高める)ために効果的である。
本発明者らは、目視による針状結晶の存在確認に加え、多結晶シリコン棒から採取した板状試料をXRD測定することで、多結晶シリコン棒の径方向に長軸方向を有する「針状結晶」の多寡を評価することとした。具体的には、析出工程後の多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、X線照射領域が板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として面内回転させ、このφスキャンで得られたミラー指数面<111>からのブラッグ反射強度(I<111>)とミラー指数面<220>からのブラッグ反射強度(I<220>)との比(I<111>/I<220>)で評価することとした。
なお、多結晶シリコン棒中における表面から中心に向かう方向に長軸方向を有する「針状結晶」の存在が顕著になるほど上記ブラッグ反射強度比(I<111>/I<220>)は小さくなる。このようなXRD測定は、特許文献4(特開2016−003164号公報)に記載の手順で行った。その結果、上記ブラッグ反射強度比が多結晶シリコン棒の径方向の全域において1.0未満である多結晶シリコン棒は、単結晶シリコン製造用原料として好適であるとの結論に至った。
特に、多結晶シリコン棒の成長方向におけるR/2〜Rの領域において針状結晶が生成している多結晶シリコン棒は、単結晶シリコン製造用原料として好ましい特性を示すとの結論を得た。
[残留応力]
本発明者らは、特許文献5において、多結晶シリコン棒中の残留応力が圧縮性のものである場合には、例えばFZ法によるシリコン単結晶の育成の際の倒壊や落下といったトラブルが発生しないことを既に報告済みである。よって、単結晶シリコン製造用原料としての多結晶シリコンは、残留応力が圧縮性のものであることが好ましいが、下記に示すように、上記ブラッグ反射強度比が多結晶シリコン棒の径方向の全域において1.0未満である多結晶シリコン棒は、当該条件を満足するとの結論に至った。
[ΔT=Tc−Ts]
また、多結晶シリコン棒中に内在する残留応力を圧縮性のものとするためには、析出工程中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱して、析出工程中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を100℃以下に制御することが好ましいとの結論にも至った。
反応炉内に複数対のシリコン芯線を配置してシーメンス法により多結晶シリコン棒を育成した。多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値Dは150〜300mmの範囲に設定した。なお、複数対のシリコン芯線の相互間隔L(mm)は、シリコン芯線の両下端部が収容される2つの電極を結ぶ中心点の相互間距離を変えることで設定した。なお、反応炉は内径1.8mで高さ3mであり、多結晶シリコンの原料であるトリクロロシランのガス濃度は30vol%、希釈用の水素ガスの流量は100Nm3/時間である。
実施例1〜8および比較例1〜3の多結晶シリコン棒の評価結果を、表1および表2に纏めた。なお、実施例1〜6および比較例1〜3のものは上記Dが150mmであり、実施例7および実施例8のものはそれぞれ、上記Dが250mmおよび300mmである。残留応力およびブラッグ反射強度比の測定は何れも、特許文献4に記載の手順に沿った。
表1に示した結果から、D/L値が0.40〜0.90の範囲に設計された実施例1〜5のものは何れも圧縮性の残留応力を示している。なお、比較例2および3で圧縮と引張が併記されているのは、板状結晶の採取位置により、圧縮性の内部応力と引張性の内部応力となっているためである。
また、多結晶シリコン棒の表面領域およびR/2の領域の何れにおいても、針状結晶の存在が確認されている。多結晶シリコン棒から採取した板状試料を用いて測定したブラッグ反射強度比(rI=I<111>/I<220>)に注目すると、D/L値が0.40よりも小さい比較例1〜3は何れも、当該rIの値が1.0以上であるのに対し、実施例1〜4のものは何れも1.0未満を示している。
さらに、これらの多結晶シリコン棒を原料としてCZ単結晶シリコンを育成させる際の溶解特性に着目すると、比較例1〜3に比較して、実施例1〜4のものは何れも溶解し易いことが分かる。また、これらの多結晶シリコン棒を原料としてFZ単結晶シリコンを育成させる際の結晶線消失の有無に着目すると、比較例1〜3のものでは結晶線消失が生じることがあるのに対し、実施例1〜4のものは何れも結晶線消失が生じていない。なお、表中の電力使用量は、多結晶シリコン棒の析出工程で供給した電力量を比較例1のものを100として評価した値であるが、実施例1〜4のものは何れも10%以上の電力量が削減可能であることが分かる。
また、表2に示した結果から、D/L値が0.40〜0.90の範囲に設計された実施例5〜7のものは何れも圧縮性の残留応力を示し、多結晶シリコン棒の表面領域およびR/2の領域の何れにおいても、針状結晶の存在が確認されている。さらに、多結晶シリコン棒から採取した板状試料を用いて測定したブラッグ反射強度比(rI=I<111>/I<220>)に注目すると、実施例5〜7のものは何れも1.0未満を示している。つまり、直径が300mmという大口径の多結晶シリコン棒においても、その融解特性や内在する残留応力ないし結晶配向性は、単結晶シリコン製造用原料として好適なものとなっている。
本発明は、多結晶シリコン棒の融解特性や内在する残留応力ないし結晶配向性を、単結晶シリコン製造用原料として好適なものとするための製造技術を提供する。

Claims (6)

  1. 反応炉内に複数対のシリコン芯線を配置してシーメンス法により多結晶シリコン棒を製造するに際し、多結晶シリコン棒の析出工程後の直径の平均値がD(mm)とし、前記複数対のシリコン芯線の相互間隔をL(mm)としたときに、D/Lの値を0.40以上で0.90以下の範囲に設定する、多結晶シリコン棒の製造方法。
  2. 前記析出工程中の多結晶シリコン棒の表面を、隣接する多結晶シリコン棒の表面からの輻射により加熱して、前記析出工程中の多結晶シリコン棒の中心温度(Tc)との表面温度(Ts)の差ΔT(=Tc−Ts)を100℃以下に制御する、請求項1に記載の多結晶シリコン棒の製造方法。
  3. 前記平均値Dは150mm以上である、請求項1または2に記載の多結晶シリコン棒の製造方法。
  4. 析出工程後の半径の平均値がR(mm)である多結晶シリコン棒であって、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取してX線回折(以下、XRD)測定したときに、X線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として面内回転させて得られたミラー指数面<111>からのブラッグ反射強度(I<111>)とミラー指数面<220>からのブラッグ反射強度(I<220>)との比(I<111>/I<220>)が、前記径方向の全域において1.0未満である、多結晶シリコン棒。
  5. 前記多結晶シリコン棒の成長方向におけるR/2〜Rの領域において針状結晶が生成している、請求項4に記載の多結晶シリコン棒。
  6. 請求項5に記載の多結晶シリコン棒を原料として使用する単結晶シリコンの製造方法。
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