JP2018122908A - 容器及び容器入り多層ゼリー - Google Patents

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Abstract

【課題】2種類以上の異なる比重や異なる粘度を有する融解ゲル化内容物を、順次容器内へ流し込んで積層させて製造する多層ゼリーにおいて、従来の製造方法を利用しながら、更に視覚的にバリエーションに富んだ水菓子類を提供する。
【解決手段】周壁部1と底壁部2と足部3を設けた容器Aにおいて、前記足部3と足部3の間にゲート部4を設け、前記ゲート部4と前記足部3の間の位置において部分的に前記底壁部2を除去するためのつまみ部5を形成し、前記つまみ部5が形成される前記底壁部2の下面とは逆の上面側の前記底壁部2に、前記周壁部1の内周壁より小さい略筒状の第二周壁部6を外方へ突出させて形成した容器Aである。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器内に収容したプリンやゼリーなどの寒天状食品等の内容物を装飾できる容器であり、容器の底壁部の内面側に第二周壁部を形成し、前記第二周壁部の壁を境として内壁側と外壁側に異なる比重の内容物や異なる色目の内容物を収容し固形化させ、前記内容物を逆さまにして内容物を落下させ外へ取り出した時に、前記内容物の上端側の一部に図柄が表示できる容器及び容器入り多層ゼリーに関するものである。
従来からプリンやゼリーなどの水菓子類は、味や食感や香りなどの工夫により、他社製品と差別化をはかる商品開発が行われている。特に多層ゼリーは、2種類以上の異なる味や食感、香りを同時に楽しめるため消費者には人気であり、各社さまざまな工夫を実施している。その中で、視覚的な要素においても、他社製品との差別化を図ることがニーズとして求められており、従来から行われている製造過程の中で視覚的にバリエーションに富んだ水菓子類を実現することが課題としてある。
水菓子類はゼラチンや寒天などに甘味料等を混合して煮溶かし、液状にしたものを容器などへ流し込み冷却することで凝固化、すなわちゲル化する。この様な水菓子類に2種類以上の異なる味や色目のゼリー液を順次流し込むことで多層ゼリーが製造でき、その製造方法が特許文献1や特許文献2に記載されている。
例えば特許文献1に記載の容器入り多層ゼリー状食品製造の方法は、融解したゲル化性組成物を容器に充填・静置し、これに、その温度におけるその粘度が約200cps以上高く、かつ、比重が約0.05以上大きい第2融解状ゲル化性組成物を注加・沈降させ、その容器に比重・粘度の大きいものを下層に、それらの小さいものを上層にと、2層を形成させ、これを冷却しゲル化させた容器入り多層ゼリー状食品製造の方法が提案されている。
また特許文献2に記載の菓子の製造方法は、溶解液を所定形状の容器内に少量流し込んで冷却することにより菓子本体の基部を凝固形成し、次いでこの基部上に生クリームや飴などを素材とする所定形状の可食体を形成し、更に前記基部及び前記可食体上に溶解液を流し込んで冷却し凝固した菓子の製造方法が提案されている。
更に、特許文献3に記載の容器は、容器本体の底面部に突起を突出させて前記突起部を折り倒すことで、前記底面部に空気穴が開通して、内容物が下方に落下し容器から内容物を皿などへ容易に取り出すことができるもので、取り出した内容物の外観形状を楽しむことができる容器として提案されている。
特開昭50−36652号公報 特開昭64−27439号公報 特開2008−168946号公報
2種類以上の異なる比重や異なる粘度を有する融解ゲル化組成物を、順次容器内へ流し込んで積層させて製造する多層ゼリーにおいて、従来の製造方法を利用しながら、更に視覚的にバリエーションに富んだ水菓子類を提供することを課題としている。すなわち本発明の容器は、内容物となる水菓子類の天面に色目が異なる2色以上の図柄を形成可能とする容器であり、内容物となる水菓子類を容器内で凝固させた後、容器の外へ落下させて皿などへ取り出した際においても、視覚的に楽しめる内容物が簡単に作れる容器及び容器入り多層ゼリーを提供することである。
本発明は、略筒状の周壁部と、底壁部と、前記底壁部より下方に延びる足部を設けた容器において、前記足部と足部の間にゲート位置を設け、前記ゲート位置と前記足部の間の位置において部分的に前記底壁部を除去するためのつまみ部を形成し、前記つまみ部が形成される前記底壁部の外面とは逆の内面側の前記底壁部に、前記底壁部の内周壁より小さい略筒状の第二周壁部を外方へ突出させて形成した容器である。
本発明は、前記容器を開口部側からみた時に前記第二周壁部が略図形模様を形成する容器である。
本発明は、前記第二周壁部の壁の厚み幅は底壁部に近い前記第二周壁部の端部の壁の厚みから先端の壁の厚みに向うにつれて、壁の厚みが薄くなるように傾斜を形成する請求項1または請求項2に記載の容器。
を形成する容器である。
本発明は、前記第二周壁部は複数形成される容器である。
本発明は、前記第二周壁部を境として前記第二周壁部の内壁側と外壁側には異なる比重の内容物が別々に収容される容器である。
本発明は、前記容器を逆さまにして前記内容物を容器内から落下させて外へ取り出した時に、前記内容物の上端には2色以上の色目が形成される容器入り多層ゼリーである。
本発明は、略筒状の周壁部と、底壁部と、前記底壁部より下方に延びる足部を設けた容器において、前記足部と足部の間にゲート部を設け、前記ゲート部と前記足部の間の位置において部分的に前記底壁部を除去するためのつまみ部を形成し、前記つまみ部が形成される前記底壁部の外面とは逆の内面側の前記底壁部に、前記周壁部の内周壁より小さい略筒状の第二周壁部を外方へ突出させて形成した容器であるので、前記第二周壁部の壁を境として内壁側と外壁側に異なる比重や異なる粘度などの内容物を挿入し固形化させることで、前記内容物を逆さまにして落下させて外へ取り出した時に、ハートやクローバーなどの図柄形状や乗り物や動物などを現したシルエット図柄形状などが、内容物の上端側の一部に従来の製造方法を用いて簡単に作ることができる容器を提供できる。
本発明は、前記容器を開口部側からみた時に前記第二周壁部は図形模様の壁を形成する容器であるので、前記第二周壁部の壁を境として内壁側と外壁側に異なる比重や異なる粘度などの内容物を挿入し固形化させることで、前記内容物を逆さまにして落下させて外へ取り出した時に、ハートやクローバーなどの図柄形状や乗り物や動物などを現したシルエット図柄形状などが、内容物の上端側の一部に従来の製造方法を用いて簡単に作ることができる容器を提供できる。
本発明は、前記第二周壁部の壁の厚み幅は底壁部に近い前記第二周壁部の端部の壁の厚みから先端の壁の厚みに向うにつれて、壁の厚みが薄くなるように傾斜を形成する容器であるので、前記第二周壁部の壁を境として内壁側と外壁側に異なる比重や異なる粘度などの内容物を挿入し固形化させることで、前記内容物を逆さまにして落下させて外へ取り出した時に、前記第二周壁部の壁面を比重または粘度の異なるゲル状の内容物がすべり落ちながら弾性変形することで、互いの面が当接し隙間を埋めることができる容器を提供することができる。
本発明は、前記第二周壁部を境として前記第二周壁部の内壁側と外壁側には異なる比重の内容物が別々に収容できるので、2種類以上の味や風味を楽しめることはもとより、比重の異なる内容物を異なる色目のものを挿入することで、前記第二周壁部の壁を境として内壁側と外壁側に異なる色目の内容物が固形化させることができるので、固形化した状態で、容器を逆さまにして内容物を落下させ外へ取り出した時に、ハートやクローバーなどの図柄形状や乗り物や動物などを表したシルエット図柄形状が、内容物の上端の一部に形成したように加飾できる容器を提供することができる。
本発明は、容器内に収容された内容物であって、前記容器を逆さまにして前記内容物を容器内から落下させて外へ取り出した時に、前記内容物の上端には2色以上の色目が形成される容器入り多層ゼリーであるので、容器の外へ落下させて皿などへ取り出した際においても、視覚的に楽しめる容器入り多層ゼリーを提供することができる。
本発明の実施形態の容器の斜視図である。 同実施形態の容器の正面図である。 図2のyからy’方向にカットした斜視図である。 図3の断面図である。 図2のxからx’方向にカットした断面図である。 図5の第二周壁部周辺のV部分を拡大した断面図である。 本発明の実施形態である成形方法1を示す断面図である。 本発明の実施形態である成形方法2を示す断面図である。 図4のつまみ部周辺のW部分を拡大した断面図である。 図9のつまみ部を折り倒した状態を示す断面図である。 本実施形態の容器入り多層ゼリーを外へ取り出した状態の断面図である。 図11の斜視図である。 図12と異なる形状の斜視図である。
本発明の容器Aは、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂等からなる合成樹脂製の一体成形容器Aである。図1乃至図4に示すように本発明の容器Aは、プリンやゼリーなどの寒天状食品の内容物Bを収容する容器Aである。前記容器は底側を小径とし、開口側を大径とした筒状の周壁部1と、底壁部2と、前記周壁部1の開口側の外周に外方へ突出したフランジ部7を有している。また、前記底壁部2には下端に向って外方へ突出した足部3を設けている。更に前記足部3と足部3の間にゲート部4を設けており、前記ゲート部4と前記足部3の間の位置において部分的に前記底壁部2を除去し、空気穴8を形成するためのつまみ部5を形成している。
図3及び図4は、図2に示すyからy’方向に切断した状態の断面図であるが、図3及び図4に示すように、前記つまみ部5は足部3と同じ方向へ下方に突出しており、前記足部3よりも低く地面に接触しない長さであり、前記足部3はつまみ部5を保護する役割を有している。また、前記つまみ部5の形状は円錐形でも四角錐形でも良い。更に、足部3は、一体でリング状に形成されても、または複数個から形成されても良い。
図3及び図4に示すように本発明の容器Aには、前記つまみ部5が形成されている前記底壁部2下面とは逆の面の前記底壁部2の上面側には、前記周壁部1の内周壁より小さい第二周壁部6を外方へ突出させて形成している。前記第二周壁部6は、図1に示すようにハートなどの図形や、自動車や動物などのシルエットをリング状にカタチどられた略筒状の壁を形成している。
図5は図2に示すxからx’方向に切断した状態の断面図であり、図6は図5の第二周壁部6の周辺を拡大した断面図である。前記第二周壁部6は、比重または粘度の異なる内容物B1と内容物B2を別々にわけるための壁である。また凝固化した内容物Bを容器A内から外へ落下させた時に、前記第二周壁部6の壁面を比重または粘度の異なる内容物B1と内容物B2がすべり落ちながら互いが当接できるように、底壁部2に近い前記第二周壁部6の端部の壁の厚み6aから先端の壁の厚み6bに向うにつれて、壁の厚みが薄くなるように傾斜を形成している。これにより、前記第二周壁部6が取り除かれた状態の時に、凝固状態の内容物B1と内容物B2のゲル同士が、弾性変形することで互いの面が当接し隙間が埋まることになる。具体的には、前記第二周壁部6の端部の壁の厚さ6aは2mm以下で、且つ、前記第二周壁部6の壁の高さ6cを3mm以上にし、前記端部の壁の厚さ6aから先端の壁の厚さ6bにむけて薄くなるように形成する。また、前記第二周壁部6の先端付近の壁の厚さをより薄くなるようにするために、前記第二周壁部6の先端を尖らすなど、略鋭角形状にすると、凝固状態の内容物B1と内容物B2のゲル同士の面が更に安定的に当接しやすくなる。
図7及び図8において、本発明である容器Aを射出成形する方法を説明する。固定金型であるキャビ型9bと可動金型であるコア型9aとで一対の金型9が構成される。前記キャビ型9bには、合成樹脂高温で溶融する樹脂射出器と前記樹脂射出器と連結し合成樹脂材を外へ流出する射出部9cを設けている。図7において、キャビ型9bとコア型9aが突き合って金型9が型締めされた状態を示す。図7のような型締め状態では、キャビ型9bの外面型とコア型9aの内面型によって製品形状すなわち容器が形成され、前記樹脂射出器内には高温で溶融した合成樹脂材が射出部9cから高圧力で射出され、容器Aが成形される。前記容器Aが硬化した後、コア型9aがキャビ型9bから後退し、図8に示すように金型9が型開きし、成形品が取り出される。前記第二周壁部6の壁は、金型9から抜きやすいようにするため、底壁部2に接している前記第二周壁部6の端部の壁の厚み6aから先端の壁の厚み6bに向うにつれ、第二周壁部6の壁の厚さを薄く形成するようにしている。
また、図示していないが、前記第二周壁部6の先端を形成する箇所に近い位置の金型a内部に、高圧力で射出した時に空気だまりが発生しないよう、エアー抜けするための通路を設けている。これにより、高温で溶融した合成樹脂材は、高圧力で射出しても空気だまりが発生せず、第二周壁部6の先端まで射出できるので、前記第二周壁部6にショートなどの成形不良を発生することがない製品を提供することができる。
図9及び図10において、本発明の容器入り多層ゼリーCの内容物Bを、容器Aから取り出しやすくするために設けたつまみ部の機能について説明する。図9及び図10はつまみ部周辺を示した図であるが、前記つまみ部5の基部がつながる底壁部2に薄肉の領域2aと薄肉の領域2aより厚みのある腕部2bとを形成している。前記腕部2bを支点にして、かつ、前記腕部2bを残し前記底壁部2から突出した前記つまみ部5を、図10に示すように折ることによって内容物取り出し用の空気穴8を形成可能とする。前記腕部2bは、複数であっても1つでも良い。また容器Aに空気穴8を形成できればいいため、つまみ部5の形状は図示した形状に限定されるものではない。
図11及び図12において、本発明の容器入り多層ゼリーCを逆さまにして皿などに落下させ、取り出した状態のイメージ図である。例えば、内容物Bがプリンであった場合、図1に示すように第二周壁部6の内壁と底壁部2で形成された部分には、ピンクや水色や茶色などに着色されたゲル状になるソースなどの内容物B2を入れる。次に、それ以外の容器A内のスペースには、カスタードなどのクリーム色の液状プリン材となる内容物B1を入れる。異なる2種類以上の内容物Bが入っている状態で容器を冷やして、内容物Bを凝固させ固形化した状態で容器Aを逆さまにして内容物Bを皿などに落下させ外に取り出した状態を図11及び図12に示している。内容物Bの上面には、ハートなどの図柄形状がピンクや水色や茶色などに着色されたゲル状のソースでカタチどられ、また、ハート形状の周りの背景色がプリン材のクリーム色に覆われて、2色のコントラストとして内容物Bを表現でき、視覚で楽しむことができる。以上のように第二周壁部6の形状を様々な形にすることで、視覚的にバリエーションに富んだ水菓子類を提供することができる。
図13は別の図柄を示した内容物Baである。図11及び図12で示した見せ方とは逆になり、容器Aの内壁面の一部と第二周壁部6の外壁と底壁部2で形成した部分にピンクや水色や茶色などに着色されたゲル状のソースなどを入れ、それ以外のところにプリン材を入れることで、クリーム色でカタチどられた動物等のシルエットなどの図柄を表示させることができる。また動物などのシルエットを図柄にした場合、底壁部2の面には、目や鼻、口などをイメージする凹凸模様を施すことも可能である。更に、第二周壁部6は1つだけに限らず、底壁部2へ複数個所設置しても良い。
本発明の容器入り多層ゼリーCを作る方法としては、融解した内容物B1を容器Aに充填・静置し、その温度における粘度が高い、または比重が大きい第2の内容物B2を注加・沈降させ、比重・粘度の大きいものを下層に、それら小さいものを上層にし、2層以上を形成し冷却させてつくる方法が望ましい。しかしながら、その逆で、粘度が高い、または比重が大きい内容物B2を容器Aに充填・静置してから、粘度の低い、または比重の軽い内容物B1を容器Aに充填・静置する方法でもあってよい。また、本発明の容器入り多層ゼリーCは、ゼリー強度が350g以下である状態の内容物Bを皿などに落下させて外へ取り出した時に、内容物B1と内容物B2の適度な弾性力が互いの面に寄りかかり、内容物B1と内容物B2の間に隙間が発生しない内容物Bになる。尚、ゼリー強度とは、容器入り多層ゼリーCのゼリー部分に12.7mm径のプランジャーで荷重をかけ4mm押し下げられた時の内容物Bの硬さのことを言う。
1 周壁部
2 底壁部
2a 薄肉の領域
2b 腕部
3 足部
4 ゲート部
5 つまみ部
6 第二周壁部
6a 端部の壁の厚み
6b 先端の壁の厚み
6c 壁の高さ
7 フランジ部
8 空気穴
9 金型
9a コア型
9b キャビ型
9c 射出部
A 容器
B 内容物
B1 内容物
B2 内容物
Ba 内容物
C 容器入り多層ゼリー

Claims (6)

  1. 略筒状の周壁部と、底壁部と、前記底壁部より下方に延びる足部を設けた容器において、前記足部と足部の間にゲート部を設け、前記ゲート部と前記足部の間の位置において部分的に前記底壁部を除去するためのつまみ部を形成し、前記つまみ部が形成される前記底壁部の下面とは逆の上面側の前記底壁部に、前記周壁部の内周壁より小さい略筒状の第二周壁部を外方へ突出させて形成したことを特徴とする容器。
  2. 前記容器を開口部側からみた時に前記第二周壁部は図形模様の壁を形成することを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記第二周壁部の壁の厚み幅は底壁部に近い前記第二周壁部の端部の壁の厚みから先端の壁の厚みに向うにつれて、壁の厚みが薄くなるように傾斜を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器。
  4. 前記第二周壁部は複数形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の容器。
  5. 記第二周壁部を境として前記第二周壁部の内壁側と外壁側には異なる比重の内容物が別々に収容できることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の容器内に収容された内容物であって、前記容器を逆さまにして前記内容物を容器内から落下させて外へ取り出した時に、前記内容物の上端には2色以上の色目が形成されることを特徴とする容器入り多層ゼリー。
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