JP2018122717A - 船舶の摩擦低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】船舶の摩擦低減装置において、構造の簡素化を図ると共に摩擦抵抗低減効果の向上を図る。
【解決手段】船体の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体の外方とを仕切る船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42と、圧縮機と、圧縮機と気体室41とを接続して気体室41へ連通する通路面積が空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定される副空気供給配管路46と、気体室41内で空気吹き出し口42を被覆して区画する容器64と、副空気供給配管46の気体室41への接続部46aに対向しない容器64の所定位置に設けられる複数の貫通孔67とを設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、船舶の船体に作用する摩擦抵抗を低減する船舶の摩擦低減装置に関するものである。
船舶の船体に作用する摩擦抵抗を低減する技術として、空気(気泡)を水中に吹き出して船体の表面を気泡で覆うものが知られている。この船体摩擦抵抗低減装置は、気体室(エアチャンバ)に気体供給管が接続されると共に、気体室における船底の外板部に複数の空気噴出口が設けられ、気体室の気体供給管の接続部と各空気噴出口との間にバッフルプレートを配設してものとなっている。そのため、気体供給管から気体室に供給された空気がバッフルプレートに衝突して拡散され、各空気噴出口から水中へほぼ一様な状態で噴出される。このような船体摩擦抵抗低減装置としては、例えば、下記特許文献1−3に記載されているものがある。
特開2008−143345号公報 特開2010−120609号公報 特開2015−081043号公報
上述した従来の摩擦抵抗低減型船舶では、船内に設けられたブロアを駆動し、外部から吸い込んだ空気を気体供給管から気体室に供給し、バッフルプレートに衝突して拡散された空気を各空気噴出口から水中へほぼ一様な状態で噴出している。この場合、気体室は、船底における所定の位置に複数設けられており、ブロアから各気体室に複数の気体供給管を配設する必要がある。ところが、船内は、多数の構造物や隔壁があることから、気体供給管の配設スペースが限られてしまう。そこで、ブロアに代えてコンプレッサを用いると共に、気体供給管の配管径を小さくすることで、気体供給管自体を小型化して配設スペースの縮小化を図ることが考えられる。しかし、コンプレッサを用いて気体供給管の配管径を小さくすると、気体供給管から気体室に供給される空気の流速が増加し、バッフルプレートに衝突した空気を気体室内に一様に拡散することが困難となる。すると、気体室内の空気の圧力分布が不均一となり、各空気噴出口から水中へ噴出される空気量にばらつきが生じ、船体の摩擦抵抗を十分に低減することが困難となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、構造の簡素化を図ると共に摩擦抵抗低減効果の向上を図る船舶の摩擦低減装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の船舶の摩擦低減装置は、船体の内部に設けられる気体室と、前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に設けられる複数の空気吹き出し口と、圧縮機と、前記圧縮機と前記気体室とを接続して前記気体室へ連通する通路面積が前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定される空気供給通路と、前記気体室内で前記空気吹き出し口を被覆して区画する容器と、前記空気供給通路の前記気体室への接続部に対向しない前記容器の所定位置に設けられる複数の貫通孔と、を備えることを特徴とするものである。
従って、圧縮機により生成された圧縮空気は、空気供給通路を通して気体室に供給され、このとき、気体室に供給された圧縮空気は、容器に衝突することで気体室内に均一に分散され、各貫通孔を通して容器内に進入し、各空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出される。このとき、空気供給通路における気体室への通路面積が空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることで、空気供給通路から気体室に供給される圧縮空気の流速と単位時間当たりの流量が規定されることとなり、各空気吹き出し口からの空気の噴出量を均一化して船体の表面を気泡により適正に覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。また、空気供給通路を細径化することで、構造を簡素化して配設スペースの縮小化を図ることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記貫通孔は、1個の前記空気吹き出し口に対応して複数個設けられ、前記空気供給通路の通路面積は、1個の前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることを特徴としている。
従って、空気供給通路の通路面積が1個の空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることで、空気供給通路から気体室に供給される圧縮空気の流速と単位時間当たりの流量が規定されることとなり、各空気吹き出し口からの空気の噴出量を均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、1個の前記貫通孔は、通路面積が1個の前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることを特徴としている。
従って、空気供給通路から気体室に供給されて、被覆板に衝突することで、拡散した空気が空気供給通路の通路面積より大きい各空気吹き出し口から水中に吹き出されることで、各空気吹き出し口からの空気の噴出量を均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記容器は、前記空気供給通路の前記気体室への接続部に対向する位置に配置される衝突板と、前記衝突板と前記仕切壁とを連結する区画板とを有し、前記貫通孔は、前記区画板に形成されることを特徴としている。
従って、容器を衝突板と区画板とにより構成し、貫通孔を区画板に形成することで、空気供給通路から気体室に供給された圧縮空気が衝突板に衝突することで、空気を気体室内で均一に分散することができ、その後、各貫通孔を通して容器内に均一に進入することとなり、各空気吹き出し口を通って船体外部の水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記気体室は、前記仕切壁に対向する天井部と、前記仕切壁と前記天井部とを連結する側壁部とを有し、前記側壁部と前記区画板との間に所定隙間が設けられることを特徴としている。
従って、気体室に供給されて衝突板に衝突した空気は、所定隙間を回り込んで貫通孔から容器内に進入することとなり、空気を容器内で均一に分散し、各空気吹き出し口から船体外部の水中に均一に噴出することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記貫通孔は、前記仕切壁側に近接して設けられることを特徴としている。
従って、貫通孔を仕切壁側に近接して設けることで、船体のメンテナンス時に、気体室と容器との間に溜まった水を貫通孔から容器内に導き、空気吹き出し口から容易に外部に排水することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記容器は、前記複数の空気吹き出し口を被覆することを特徴としている。
従って、容器が複数の空気吹き出し口を被覆することで、容器の構造の簡素化を図ることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記容器は、1個の衝突板と2個の区画板から構成され、長手方向の各端部が前記気体室の側壁部に連結され、前記区画板が連結されない前記側壁部と2個の前記区画板との間に所定隙間が設けられることを特徴としている。
従って、容器を衝突板と区画板とから構成し、長手方向の各端部を気体室の側壁部に連結することで、簡単な構成で容易に容器内に密閉空間を確保することができ、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記容器は、内部に前記空気吹き出し口ごとに区画する仕切板が設けられることを特徴としている。
従って、仕切板により容器の内部を空気吹き出し口ごとに区画することで、各空気吹き出し口から水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記容器は、前記複数の空気吹き出し口ごとに被覆するように複数設けられ、前記貫通孔は、複数の前記容器に複数設けられることを特徴としている。
従って、容器が空気吹き出し口ごとに被覆することで、各空気吹き出し口から水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記貫通孔は、前記容器に複数設けられ、少なくとも一つの前記貫通孔に着脱自在なプラグが装着されることを特徴としている。
従って、容器に設けられた複数の貫通孔のうちの一つにプラグを装着することで、使用中の貫通孔が海洋生物などにより閉塞したとき、プラグを外して別の貫通孔を使用可能とすることで、装置を長期間にわたって使用することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記空気供給通路は、中途部から分岐して主通路と副通路が設けられ、前記主通路と前記副通路は、それぞれ前記気体室に接続されると共に、開閉弁が設けられることを特徴としている。
従って、空気供給通路として主通路と副通路を設けられ、開閉弁により主通路を開放して副通路を閉塞して使用するとき、使用中の主通路が海洋生物などにより閉塞したとき、開閉弁により副通路を開放して使用可能とすることで、装置を長期間にわたって使用することができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置では、前記圧縮機は、500kPa以上の圧縮空気を前記気体室に供給可能であることを特徴としている。
従って、空気供給通路を細径化することで、構造を簡素化して配設スペースの縮小化を図ることができる。
本発明の船舶の摩擦低減装置によれば、構造の簡素化を図ることができると共に摩擦抵抗低減効果の向上を図ることができる。
図1は、第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略側面図である。 図2は、船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略底面図である。 図3は、空気供給系統を表す概略図である。 図4は、気体室を模式的に表した斜視図である。 図5は、気体室を表す縦断面図である。 図6は、図5のVI−VI断面図である。 図7は、図5のVII−VII断面図である。 図8は、気体室を表す分解図である。 図9は、第2実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。 図10は、第3実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を模式的に表した斜視図である。 図11は、気体室を表す縦断面図である。 図12は、第4実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。 図13は、気体室の作用を表す縦断面図である。 図14は、第5実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。 図15は、第6実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を模式的に表した斜視図である。 図16は、気体室を表す縦断面図である。 図17は、図16のXVII−XVII断面図である。 図18は、気体室を表す分解図である。 図19は、第7実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。 図20は、第8実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の断面図である。 図21は、気体室を表す縦断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る船舶の摩擦低減装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略側面図、図2は、船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の概略底面図、図3は、空気供給系統を表す概略図である。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶は、図1及び図2に示すように、例えば、旅客船(カーフェリー)であって、船体10は、船首11と、船尾12と、船底13と、左舷(船側)14と、右舷(船側)15を有している。本実施形態では、船体10の船長方向(前後方向)をX方向、船幅方向(幅方向)をY方向、船高方向(上下方向)をZ方向として表している。そして、CLは、船体10のセンターラインを表し、WLは、船体10の満載喫水線を表している。
船体10は、船尾12側に隔壁16により機関室17が区画され、この機関室17に主機関(例えば、ディーゼルエンジン)18が配置されている。この主機関18は、推進力を伝達するプロペラ19が駆動連結されている。また、船体10は、船尾12に船体10の方向を制御する舵20が設けられている。
また、船体10は、空気供給機器室21と、船倉22と、車両甲板23と、ランプ24と、甲板暴露部25と、隔壁26と、船底外板27と、船側外板28,29とを有している。空気供給機器室21は、船倉22より船首11側に配置されている。空気供給機器室21と船倉22は、隔壁26により仕切られている。車両甲板23は、空気供給機器室21及び船倉22の床面を形成している。ランプ24は、自動車(図示略)が船倉22に乗り降りするために使用される。甲板暴露部25は、例えば、船首11の上甲板であり、空気供給機器室21の上方に配置される。
摩擦低減装置31は、空気供給装置32と、エアクーラ33と、通風筒34と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36と、空気吹き出し部37と、海水取入部38と、ポンプ39とを有している。空気吹き出し部36は、左舷14(船側外板28)と、右舷15(船側外板29)に配置されている。空気吹き出し部37及び海水取入部38は、船首11側の船底13(船底外板27)に配置されている。空気供給装置32及びエアクーラ33は、空気供給機器室21に設置されている。通風筒34及び空気吸い込み口35は、甲板暴露部25に配置されている。通風筒34は、空気供給機器室21に連通され、空気供給機器室21を換気するために用いられる。空気吸い込み口35は空気供給装置32に接続されている。空気供給装置32は、エアクーラ33を介して空気吹き出し部36,37に接続されている。海水取入部38は、ポンプ39を介してエアクーラ33に接続されている。
海水取入部38と空気吹き出し部37は、例えば、船体10のセンターラインCL上に配置され、船底13における船底外板27の平坦な部分に配置されている。海水取入部38は、空気吹き出し部37より船首11側に配置されている。空気吹き出し部36は、船首11側における左舷14と右舷15の各船側外板28,29に配置されている。各空気吹き出し部36は、センターラインCLに対して対称に配置され、船首11側が接近するように斜めに配置されている。海水取入部38は、両舷14,15に設けられた空気吹き出し部36の間に配置されている。
空気供給装置32は、空気吸い込み口35から吸い込んだ空気を加圧し、その加圧された圧縮空気をエアクーラ33から空気吹き出し部36,37に供給する。ポンプ39は、海水取入部38から取り入れられた海水をエアクーラ33に供給する。エアクーラ33は、海水を用いて圧縮空気を冷却する。エアクーラ33は、例えば、圧縮空気と海水を熱交換する熱交換器である。また、エアクーラ33は、圧縮空気中に海水を散布して圧縮空気を冷却するように構成してもよく、海水中に圧縮空気を吹き出して圧縮空気を冷却するように構成してもよい。空気吹き出し部36,37は、空気供給装置32から供給された圧縮空気を水中に吹き出す。即ち、船体10の空気吹き出し部36,37から水中に空気が吹き出され、この吹き出された空気により形成される気泡が船底13の平坦部に送り出され、この気泡により船体10が覆われることで船体10の摩擦抵抗が低減される。
また、船首11側の船底13に配置された空気吹き出し部37は、図3に示すように、船体10の内部に設けられる複数の気体室41と、この各気体室41内と船体10の外方とを仕切る仕切壁としての船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42とを有している。気体室41は、密閉された空間であって、エアクーラ33を介して空気供給装置32が接続されている。複数の空気吹き出し口42は、気体室41から船底外板27を貫通して船体10の外方、つまり、水中に流通する通路である。この複数の空気吹き出し口42は、船底13の船長方向(X方向)に沿うと共に、船幅方向(Y方向)に所定間隔を空けて配置されている。そのため、複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出された圧縮空気は、気泡となり、船底13の平坦部を後方に流れると共に幅方向に拡散する。
空気供給装置32は、気体室41と、空気吹き出し口42と、圧縮機43と、主空気供給配管44と、メインチャンバ45と、複数の副空気供給配管(空気供給通路)46とを有している。圧縮機43は、空気取り込み配管47を介して空気吸い込み口35が接続されている。また、圧縮機43は、主空気供給配管44を介してメインチャンバ45が接続されている。この圧縮機43は、例えば、取り込んだ空気を500kPa以上(望ましくは、700kPa〜1300kPa)に加圧することができる。主空気供給配管44は、開閉弁48、流量計49、圧力計50が設けられている。
メインチャンバ45は、圧縮機43により加圧供給された圧縮空気を所定圧の状態で、所定量だけ貯留することができる。このメインチャンバ45は、主空気供給配管44の下流端部が接続されると共に、複数の副空気供給配管46の各上流側他端部がそれぞれ接続されている。この各副空気供給配管46は、下流側端部がそれぞれ気体室41に接続されている。副空気供給配管46は、流量調整弁51と遮断弁52が設けられている。
そのため、開閉弁48を開放して圧縮機43を駆動すると、圧縮機43は、取り込んだ空気を所定圧まで加圧し、主空気供給配管44を通してメインチャンバ45に送り、メインチャンバ45は、圧縮空気を所定圧の状態で貯留する。ここで、流量調整弁51と遮断弁52を開放すると、メインチャンバ45の圧縮空気が各副空気供給配管46を介して各気体室41にそれぞれ供給され、各気体室41に供給された圧縮空気が複数の空気吹き出し口42から水中に吹き出され、気泡となって船底13の平坦部に沿って船体10の後方に流れる。
ここで、第1実施形態の気体室41について詳細に説明する。図4は、気体室を模式的に表した斜視図、図5は、気体室を表す縦断面図、図6は、図5のVI−VI断面図、図7は、図5のVII−VII断面図、図8は、気体室を表す分解図である。
気体室41は、図4から図7に示すように、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。天井部61は、船底外板27(船底13)に対向して平行をなして配置され、複数(本実施形態では、5個)の空気吹き出し口42の直列方向に沿って長い矩形の平板形状をなしている。一対の第1側壁部62は、互いに平行をなすと共に船底外板27に対して直交するように配置され、各空気吹き出し口42の直列方向に沿って長い矩形の平板形状をなしている。一対の第2側壁部63は、互いに平行をなすと共に船底外板27に対して直交するように配置され、各空気吹き出し口42の直列方向に直交する方向に沿って長い矩形の平板形状をなしている。そして、一対の第1側壁部62と一対の第2側壁部63が矩形状をなす枠体を構成し、各側壁部62,63が船底外板27と天井部61を連結している。
気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。この副空気供給配管46は、接続部46aが5個の空気吹き出し口42のうちの中央部の空気吹き出し口42に対向する位置の天井部61に設定されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する容器64が設けられている。容器64は、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。衝突板65は、船底外板27(船底13)及び天井部61の間で、且つ、両者に対向して平行をなして配置され、各空気吹き出し口42の直列方向に沿って長い矩形の平板形状をなしている。一対の区画板66は、互いに平行をなすと共に船底外板27に対して直交し、且つ、第1側壁部62と平行をなすように配置され、各空気吹き出し口42の直列方向に沿って長い矩形の平板形状をなしている。そして、衝突板65と各区画板66がC字形状をなすカバーを構成し、衝突板65及び各区画板66の長手方向の各端部が各第2側壁部63に連結され、各区画板66の下端部が船底外板27に連結されている。
容器64は、衝突板65が気体室41の天井部61と所定間隔を空けて配置されると共に、各区画板66が気体室41の第1側壁部62と所定間隔を空けて配置されている。そして、容器64は、衝突板65に副空気供給配管46の接続部46aが対向して配置されている。
また、容器64は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に貫通孔67が設けられている。この貫通孔67は、一対の区画板66に複数形成されている。この各貫通孔67は、各区画板66に各空気吹き出し口42と同数設けられており、各空気吹き出し口42の両側に対向して設けられている。そのため、副空気供給配管46は、船高方向Zに沿って配置され、各貫通孔67は、船長方向Xに沿って形成され、各空気吹き出し口42は、船高方向Zに沿って配置されることとなる。
そして、本実施形態にて、副空気供給配管46が気体室41(空気供給空間S1)に連通する接続部46aの通路面積は、各空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。具体的に、各空気吹き出し口42は、船幅方向Yに沿って複数設けられ、各貫通孔67は、1個の空気吹き出し口42に対応して複数個(本実施形態では、2個)設けられ、副空気供給配管46における接続部46aの通路面積が、1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。また、1個の貫通孔67は、通路面積が1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。
なお、各空気吹き出し口42は、真円形状であり、全て同形状で、且つ、同開口面積に設定されている。但し、空気吹き出し口42の形状は、真円形状に限らず、楕円形状、長円形状、小判型形状、角丸四角形状、四角形状、ひし形状、三角形状などとしてもよい。また、各貫通孔67も、真円形状であり、全て同形状で、且つ、同開口面積に設定されている。但し、貫通孔67の形状も、真円形状に限らず、他の形状としてもよい。
そして、各空気吹き出し口42や各貫通孔67を全て同形状、同開口面積や同通路面積としたが、例えば、形状を変更し、副空気供給配管46の接続部46aから遠い位置の空気吹き出し口42の開口面積や各貫通孔67の通路面積を大きくしてもよい。この場合、副空気供給配管46における接続部46aの通路面積が、最も大きい空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定される。また、最も大きい貫通孔67の通路面積が、最も大きい空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定される。
また、1個の空気吹き出し口42に対して2個の貫通孔67を設けたが、その数や形成位置は、上述したものに限定されるものではない。
なお、副空気供給配管46は、接続部46aが気体室41の天井部61に接続され、この接続部46aの通路面積が空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定している。この場合、副空気供給配管46は、長手方向のどの位置であってもほぼ同径であり、接続部46aが直接天井部61に接続されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、副空気供給配管46の接続部46aと気体室41との間に拡径部を設けた構成でもよく、この構成であっても、拡径部に接続される接続部46aの通路面積が空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定している。
ところで、図8に示すように、気体室41や容器64は、メンテナンス性を考慮し、分解可能な構成となっている。気体室41にて、天井部61は、外周部に複数の取付孔71が形成され、各側壁部62,63のフランジ部72に複数の取付孔73が形成されている。そして、天井部61が各側壁部62,63のフランジ部72に載置された状態で、ボルト74が各取付孔71,73を貫通し、ナット75に螺合することで、天井部61が各側壁部62,63に締結されている。同様に、容器64にて、衝突板65は、外周部に複数の取付孔76が形成され、各区画板66のフランジ部77に複数の取付孔78が形成されている。そして、衝突板65が各区画板66のフランジ部77に載置された状態で、ボルト79が各取付孔76,78を貫通し、ナット80に螺合することで、衝突板65が各区画板66に締結されている。なお、天井部61と各側壁部62,63との間、衝突板65と各区画板66との間にシール部材を介装してもよい。
そのため、気体室41にて、図3から図7に示すように、圧縮機43(図3参照)が加圧した圧縮空気が副空気供給配管46を通して気体室41の空気供給空間S1に供給される。ここで、空気供給空間S1に供給された圧縮空気は、容器64の衝突板65に衝突することで、気体室41内の水平な放射方向に沿って向きを変えて流れ、この気体室41内にほぼ均一に分散される。この気体室41でほぼ均一に分散された圧縮空気は、第1側壁部62と区画板66との間の隙間に流れ込み、各貫通孔67を通して容器64内の空気流通空間S2に進入する。そして、空気流通空間S2に進入した圧縮空気は、各空気吹き出し口42を通って船底外板27の外部の水中に吹き出される。
このように第1実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、船体10の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体10の外方とを仕切る船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42と、圧縮機43と、圧縮機43と気体室41とを接続して気体室41へ連通する通路面積が空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定される副空気供給通路46と、気体室41内で空気吹き出し口42を被覆して区画する容器64と、副空気供給通路46の気体室41への接続部46aに対向しない容器64の所定位置に設けられる複数の貫通孔67とを設けている。
従って、副空気供給通路46における気体室41への通路面積が1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されることで、副空気供給通路46から気体室41に供給される圧縮空気の流速と単位時間当たりの流量が規定されることとなり、各空気吹き出し口42からの空気の噴出量を均一化して船体の表面を気泡により適正に覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
即ち、空気供給源として圧縮機43を用いることで、空気を加圧した圧縮空気を気体室41に供給することから、副空気供給通路46を細径化することができる。この副空気供給通路46を細径化することができると、副空気供給通路46の加工性を向上することができると共に、船体10内への配索性を向上することができる。その結果、製作性が良くなって構造を簡素化することができ、船体10内の配設スペースの縮小化を図ることができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、1個の貫通孔67の通路面積を1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定している。従って、気体室41から貫通孔67を通って容器64内に進入する空気量が制限されることとなり、気体室41内での空気の圧力のばらつきを減少して容器64から空気吹き出し口42を通過する空気量を均一化することができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、容器64として、副空気供給通路46の気体室41への接続部46aに対向する位置に配置される衝突板65と、衝突板65と船底外板27とを連結する区画板66とを設け、貫通孔67を区画板66に形成している。従って、副空気供給通路46から気体室41に供給された圧縮空気が衝突板65に衝突することで、空気を気体室41内で均一に分散することができ、その後、各貫通孔67を通して容器64内に均一に進入することとなり、各空気吹き出し口42を通って水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、気体室として、船底外板27に対向する天井部61と、船底外板27と天井部61とを連結する複数の側壁部62,63とを設け、第1側壁部62と区画板66との間に所定隙間を設けている。従って、気体室41に供給されて衝突板65に衝突した空気は、所定隙間を回り込んで各貫通孔67から容器64内に進入することとなり、空気を容器64内で均一に分散し、各空気吹き出し口42から水中に均一に噴出することができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、複数の空気吹き出し口42が船幅方向Yに沿って設けられ、容器64は、複数の空気吹き出し口42を被覆している。従って、容器64の構造の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、容器64を1個の衝突板65と2個の区画板66から構成し、長手方向の各端部を気体室41の第2側壁部63に連結し、区画板66が連結されない第1側壁部62と2個の区画板66との間に所定隙間を設けている。従って、簡単な構成で容易に容器64内に密閉した空気流通空間S2を確保することができ、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
第1実施形態の船舶の摩擦低減装置では、圧縮機43が500kPa以上の圧縮空気を気体室41に供給可能としている。従って、副空気供給配管46の構造を簡素化して配設スペースの縮小化を図ることができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図9に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する容器64が設けられている。容器64は、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。容器64は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に貫通孔67が設けられている。この貫通孔67は、一対の区画板66に船底外板27側に近接して複数形成されている。即ち、貫通孔67は、区画板66における船体10の高さ方向の中間位置より下方に設けられている。この場合、貫通孔67を区画板66における船体10の高さ方向の最下端位置に切欠として設けてもよい。
そのため、圧縮機43(図3参照)が加圧した圧縮空気が副空気供給配管46を通して気体室41の空気供給空間S1に供給される。ここで、空気供給空間S1に供給された圧縮空気は、容器64の衝突板65に衝突することで、気体室41内の水平な放射方向に沿って向きを変えて流れ、この気体室41内にほぼ均一に分散される。この気体室41でほぼ均一に分散された圧縮空気は、第1側壁部62と区画板66との間の隙間に流れ込み、各貫通孔67を通して容器64内の空気流通空間S2に進入する。そして、空気流通空間S2に進入した圧縮空気は、各空気吹き出し口42を通って船底外板27の外部の水中に吹き出される。
ところで、気体室41は、満載喫水線WLより下方に位置していることから、空気吹き出し口42から水中に空気が吹き出されていないとき、海水が空気吹き出し口42から容器64内に入り、貫通孔67を通して気体室41内に入り、気体室41と容器64に海水が充満する。そして、この状態で、圧縮空気が副空気供給配管46を通して気体室41に供給され、各貫通孔67を通して容器64内に進入し、各空気吹き出し口42を通って水中に吹き出されると、気体室41と容器64の海水が空気により空気吹き出し口42から水中に押し出される。このとき、貫通孔67が船底外板27側に近接して形成されていることから、海水が第1側壁部62と区画板66との隙間に残留することが抑制される。
このように第2実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、貫通孔67は、区画板66における船底外板27側に近接して設けられている。即ち、貫通孔67は、区画板66における船体10の高さ方向の中間位置より下方に設けられている。
従って、空気吹き出し口42から水中に空気が吹き出されていないとき、海水が空気吹き出し口42から気体室41と容器64に入り込むが、貫通孔67が船底外板27側に近接して形成されていることから、船体10のメンテナンス時に、船体を陸上に引き上げると、気体室41や容器64の海水が空気吹き出し口42から外部に排水され、第1側壁部62と区画板66との隙間に残留することがほとんどない。その結果、気体室41や容器64のメンテナンス性を向上することができる。
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を模式的に表した斜視図、図11は、気体室を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図10及び図11に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆する容器64Aが設けられている。容器64Aは、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空間を形成している。また、容器64Aは、内部に内部空間を空気吹き出し口42ごとに区画する仕切板81が複数設けられている。そのため、容器64Aは、各仕切板81により箱形密閉形状をなす複数の空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25を形成している。そして、容器64Aは、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に複数の貫通孔67が設けられている。即ち、この各貫通孔67は、各区画板66における各空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に対応して形成されている。
そのため、副空気供給配管46を通して気体室41の空気供給空間S1に供給された圧縮空気は、容器64の衝突板65に衝突することで、気体室41内の水平な放射方向に沿って向きを変えて流れ、この気体室41内にほぼ均一に分散される。この気体室41でほぼ均一に分散された圧縮空気は、各貫通孔67を通して容器64内の各空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に進入する。そして、各空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に進入した圧縮空気は、各空気吹き出し口42を通って船底外板27の外部の水中に吹き出される。
このように第3実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、容器64Aは、内部に空気吹き出し口42ごとに区画する仕切板81を設けている。
従って、容器64Aは、各仕切板81により各空気吹き出し口42に対応した複数の空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に区画することで、各空気吹き出し口42から水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図、図13は、気体室の作用を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図12に示すように、気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する容器64が設けられている。容器64は、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。容器64は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置、つまり、各区画板66に複数の貫通孔67が設けられている。そして、複数の貫通孔67は、その半分以下の貫通孔67に着脱自在なプラグ91が装着されている。このプラグ91は、区画板66の外側、つまり、気体室41側(空気供給空間S1側)から装着されている。
そのため、複数の貫通孔67は、プラグ91が装着されていないものが使用可能となっている。複数の貫通孔67は、空気が流通するだけでなく、摩擦低減装置の不使用時には、海水が流入する。すると、海洋生物が付着して貫通孔67を閉塞してしまうおそれがある。また、区画板66に海水が付着することから、錆が発生する可能性がある。区画板66に海洋生物や錆などの異物が付着すると、この異物が貫通孔67を閉塞してしまうことがある。船体10のメンテナンス時に、異物による貫通孔67の閉塞が見つかると、図13に示すように、閉塞した貫通孔67をプラグ92により閉塞し、複数の貫通孔67からプラグ91(図12参照)を取外して使用可能とする。なお、このプラグ92は、区画板66の内側、つまり、容器64の内側(空気流通空間S2側)から装着されている。この場合、複数の貫通孔67からプラグ91を取外し、閉塞した貫通孔67をプラグ92により閉塞しなくてもよい。
このように第4実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、容器64に設けられた複数の貫通孔67のうち、少なくとも一つの貫通孔67に着脱自在なプラグ91を装着している。従って、使用中の貫通孔67が海洋生物などの異物により閉塞したとき、別の貫通孔67からプラグ91を外して使用可能とすることで、装置を長期間にわたって使用することができる。
[第5実施形態]
図14は、第5実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図14に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する容器64が設けられている。容器64は、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。容器64は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に貫通孔67が設けられている。
副空気供給配管46は、中途部から分岐して主通路としての副空気供給配管46と、副通路53が設けられている。そして、副空気供給配管46と副通路53は、気体室41に接続されると共に、開閉弁54,55がそれぞれ設けられている。
そのため、副空気供給配管46は、開閉弁54が開放されて使用可能となっており、副通路53は、開閉弁55が閉止されて使用不能となっている。副空気供給配管46は、空気が流通するだけでなく、摩擦低減装置の不使用時には、海水が流入する。すると、海洋生物が付着して副空気供給配管46を閉塞してしまうおそれがある。また、副空気供給配管46に海水が付着することから、錆が発生する可能性がある。副空気供給配管46に海洋生物や錆などの異物が付着すると、この異物が通路を閉塞してしまうことがある。船体10のメンテナンス時に、異物による副空気供給配管46の閉塞が見つかると、副空気供給配管46の開閉弁54を閉止して使用不能とし、副通路53の開閉弁55を開放して使用可能とする。
このように第5実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、副空気供給配管46の中途部から分岐して主通路としての副空気供給配管46と副通路52を設け、副空気供給配管46と副通路53を気体室41に接続すると共に、開閉弁54,55をそれぞれ設けている。従って、使用中の副空気供給配管46が海洋生物などの異物により閉塞したとき、副空気供給配管46の開閉弁54を閉止して使用不能とし、副通路53の開閉弁55を開放して使用可能とすることで、装置を長期間にわたって使用することができる。
[第6実施形態]
図15は、第6実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を模式的に表した斜視図、図16は、気体室を表す縦断面図、図17は、図16のXVII−XVII断面図、図18は、気体室を表す分解図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図15から図17に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。この副空気供給配管46は、接続部46aが5個の空気吹き出し口42のうちの中央部の空気吹き出し口42に対向する位置の天井部61に設定されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する複数の容器101が設けられている。空気吹き出し口42は、船幅方向Yに沿って複数(本実施形態では、5個)設けられ、容器101は、空気吹き出し口42ごとに被覆するように複数設けられている。
各容器101は、衝突板102と、区画筒103とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。衝突板102は、船底外板27(船底13)及び天井部61の間で、且つ、両者に対向して平行をなして配置され、1個の空気吹き出し口42に対向した円板形状をなしている。区画筒103は、円筒形状をなすと共に船底外板27に対して直交し、各空気吹き出し口42の周囲に配置されている。そして、衝突板102と各区画筒103が一方側が開放された中空円筒を構成し、開放側の区画筒103の端部が船底外板27に連結されている。
各容器101は、複数の空気吹き出し口42をそれぞれ被覆することで、各容器101同士が所定間隔を空けて配置されている。また、各容器101は、衝突板102が気体室41の天井部61と所定間隔を空けて配置されると共に、各区画筒103が気体室41の各側壁部62,63と所定間隔を空けて配置されている。そして、各容器101は、直線状に配置され、その中間部の容器101の衝突板102に副空気供給配管46の接続部46aが対向して配置されている。
また、各容器101は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に貫通孔104が設けられている。この貫通孔104は、各区画筒103に周方向に等間隔で複数(本実施形態では、4個)形成されている。そのため、副空気供給配管46は、船高方向Zに沿って配置され、各貫通孔104は、船高方向Zに直交する方向(船長方向Xと船幅方向Y)に沿って形成され、各空気吹き出し口42は、船高方向Zに沿って配置されることとなる。
そして、本実施形態にて、副空気供給配管46が気体室41(空気供給空間S1)に連通する接続部46aの通路面積が、各空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。具体的に、各空気吹き出し口42は、船幅方向Yに沿って複数設けられ、各容器101が1個の空気吹き出し口42に対して設けられており、1個の容器101に対して4個の貫通孔104が設けられ、副空気供給配管46における接続部46aの通路面積が、1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。
また、1個の貫通孔104は、通路面積が1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されている。
なお、各貫通孔104は、真円形状であり、全て同形状で、且つ、同通路面積に設定されている。但し、貫通孔104の形状は、真円形状に限らず、楕円形状や多角形状などとしてもよい。また、1個の空気吹き出し口42に対して1個の容器101を設け、1個の容器101に4個の貫通孔104を設けたが、その数や形成位置は、上述したものに限定されるものではない。
ところで、図18に示すように、気体室41や容器101は、メンテナンス性を考慮し、分解可能な構成となっている。容器101にて、衝突板102は、外周部に複数の取付孔111が形成され、各区画筒103のフランジ部112に複数の取付孔113が形成されている。そして、衝突板102が各区画筒103のフランジ部112に載置された状態で、ボルト114が各取付孔111,113を貫通し、ナット115に螺合することで、衝突板102が各区画筒103に締結されている。
そのため、気体室41にて、圧縮機43(図3参照)が加圧した圧縮空気が副空気供給配管46を通して気体室41の空気供給空間S1に供給される。ここで、空気供給空間S1に供給された圧縮空気は、容器101の衝突板102に衝突することで、気体室41内の水平な放射方向に沿って向きを変えて流れ、この気体室41内にほぼ均一に分散される。この気体室41でほぼ均一に分散された圧縮空気は、各側壁部62,63と各区画筒103との間の隙間に流れ込み、各貫通孔104を通して各容器101内の空気流通空間S2に進入する。そして、空気流通空間S2に進入した圧縮空気は、各空気吹き出し口42を通って船底外板27の外部の水中に吹き出される。
このように第6実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、船体10の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体10の外方とを仕切る船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42と、圧縮機43と、圧縮機43と気体室41とを接続して気体室41へ連通する通路面積が空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定される副空気供給通路46と、気体室41内で空気吹き出し口42を被覆して区画する容器101と、副空気供給通路46の気体室41への接続部46aに対向しない容器101の所定位置に設けられる複数の貫通孔104とを設けている。
従って、副空気供給通路46における気体室41への通路面積が1個の空気吹き出し口42の開口面積より小さい面積に設定されることで、副空気供給通路46から気体室41に供給される圧縮空気の流速と単位時間当たりの流量が規定されることとなり、各空気吹き出し口42からの空気の噴出量を均一化して船体の表面を気泡により適正に覆うことで摩擦抵抗低減効果を向上させることができる。
即ち、空気供給源として圧縮機43を用いることで、空気を加圧した圧縮空気を気体室41に供給することから、副空気供給通路46を細径化することができる。この副空気供給通路46を細径化することができると、副空気供給通路46の加工性を向上することができると共に、船体10内への配索性を向上することができる。その結果、製作性が良くなって構造を簡素化することができ、船体10内の配設スペースの縮小化を図ることができる。
第6実施形態の船舶の摩擦低減装置では、複数の空気吹き出し口42を船幅方向Yに沿って設け、複数の容器101を空気吹き出し口42ごとに被覆するように設け、各容器101に複数の貫通孔104を設けている。従って、各空気吹き出し口42から水中に吹き出される空気の噴出量を均一化することができる。
[第7実施形態]
図19は、第7実施形態の船舶の摩擦低減装置における気体室を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第7実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図19に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。この副空気供給配管46は、接続部46aが5個の空気吹き出し口42のうちの中央部の空気吹き出し口42に対向する位置の天井部61に設定されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆して空気供給空間S1から区画する複数の容器101が設けられている。空気吹き出し口42は、船幅方向Yに沿って複数(本実施形態では、5個)設けられ、容器101は、空気吹き出し口42ごとに被覆するように複数設けられている。各容器101は、衝突板102と、区画筒103とから構成され、船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気流通空間S2を形成している。各容器101は、複数の空気吹き出し口42をそれぞれ被覆することで、各容器101同士が所定間隔を空けて配置されている。また、容器101は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に貫通孔104が設けられている。この貫通孔104は、各区画筒103に周方向に等間隔で複数(本実施形態では、4個)形成されている。そして、この貫通孔104は、区画筒103に船底外板27側に近接して複数形成されている。即ち、貫通孔104は、区画筒103における船体10の高さ方向の中間位置より下方に設けられている。この場合、貫通孔104を区画筒103における船体10の高さ方向の最下端位置に切欠として設けてもよい。
なお、本実施形態の作用は、第6実施形態並びに第2実施形態とほぼ同様であることから、説明は省略する。
このように第7実施形態の船舶の摩擦低減装置にあっては、貫通孔104は、区画筒103における船底外板27側に近接して設けられている。即ち、貫通孔104は、区画筒103における船体10の高さ方向の中間位置より下方に設けられている。
従って、空気吹き出し口42から水中に空気が吹き出されていないとき、海水が空気吹き出し口42から気体室41と容器101に入り込むが、貫通孔104が船底外板27側に近接して形成されていることから、船体10のメンテナンス時に、船体を陸上に引き上げると、気体室41や容器101の海水が空気吹き出し口42から外部に排水され、第1側壁部62と区画筒103との隙間に残留することがほとんどない。その結果、気体室41や容器101のメンテナンス性を向上することができる。
[第8実施形態]
図20は、第8実施形態の船舶の摩擦低減装置を搭載した船舶の断面図、図21は、気体室を表す縦断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第8実施形態において、図20に示すように、船体10は、摩擦低減装置31が設けられており、この摩擦低減装置31は、空気供給装置32と、空気吸い込み口35と、空気吹き出し部36とを有している。空気吹き出し部36は、船首11側の傾斜した船底13(船底外板27)に配置されている。
空気供給装置32は、気体室41と、空気吹き出し口42と、圧縮機43(図3参照)と、複数の副空気供給配管46とを有している。圧縮機43は、空気吸い込み口35が接続されると共に、複数の副空気供給配管46を介して気体室41が接続されている。気体室41は、船体10の吃水部であって、船体10の幅の変化により、船体10の高さ方向の位置が変わると船体10の幅が変わる部分に設けられている。よって、この気体室41は、船体10の船底13(船底外板27)の傾斜している部分に設けられている。
第8実施形態の船舶の摩擦低減装置において、図21に示すように、気体室41は、天井部61と、一対の第1側壁部62と、一対の第2側壁部63とから構成され、傾斜した船底外板27(船底13)と共に箱形密閉形状をなす空気供給空間S1を形成している。気体室41は、天井部61に空気供給装置32の副空気供給配管46の先端部が接続されている。
気体室41は、内部に各空気吹き出し口42を被覆する容器64が設けられている。容器64は、衝突板65と、一対の区画板66とから構成され、傾斜した船底外板27(船底13)及び気体室41の各第2側壁部63と共に箱形密閉形状をなす空間を形成している。また、容器64は、内部に内部空間を空気吹き出し口42ごとに区画する仕切板81が複数設けられている。そのため、容器64は、各仕切板81により箱形密閉形状をなす複数の空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25を形成している。そして、容器64は、副空気供給配管46の接続部46aが対向しない所定位置に複数の貫通孔67a,67b,67c,67d,67eが設けられている。即ち、この各貫通孔67a,67b,67c,67d,67eは、各区画板66における各空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に対応して形成されている。
各容器64は、各貫通孔67a,67b,67c,67d,67eの通路面積が相違している。具体的に、船体10の高い位置にある空気吹き出し口42に対応する容器64の貫通孔67eの通路面積は、船体10の低い位置にある空気吹き出し口42に対応する容器64の貫通孔67aの通路面積よりも小さいものに設定されている。そのため、空気供給空間S1から各貫通孔67a,67b,67c,67d,67eを通して空気流通空間S2に流入する空気流量は、高い位置にある貫通孔67eに対応する容器64の方が、低い位置にある貫通孔67aに対応する容器64よりも少なくなる。つまり、複数の容器64は、この容器64に対応する貫通孔67a,67b,67c,67d,67eが高い位置にあるほど、対応する空気吹き出し口42へ導く空気の流量を少なくする。すると、複数の容器64の貫通孔67a,67b,67c,67d,67eは、容器64に対応する空気吹き出し口42へ導く空気の流量を調節する機能を有する。
そのため、圧縮機43(図3参照)が加圧した圧縮空気が副空気供給配管46を通して気体室41の空気供給空間S1に供給される。ここで、空気供給空間S1に供給された圧縮空気は、容器64の衝突板65に衝突することで、気体室41内の水平な放射方向に沿って向きを変えて流れ、この気体室41内にほぼ均一に分散される。この気体室41でほぼ均一に分散された圧縮空気は、第1側壁部62と区画板66との間の隙間に流れ込み、各貫通孔67a,67b,67c,67d,67eを通して容器64内の空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に進入する。そして、空気流通空間S21,S22,S23,S24,S25に進入した圧縮空気は、各空気吹き出し口42を通って船底外板27の外部の水中に吹き出される。
このとき、空気吹き出し口42が高い位置にあるほど、この空気吹き出し口42に導かれる空気の流量が少なくなる。一方、空気吹き出し口42が低い位置にあるほど、この空気吹き出し口42には、船体10の外部から高い水圧がかかり、この空気吹き出し口42から水中への吹き出す空気に対する水の抵抗が大きくなる。その結果、互いに高さの異なる複数の空気吹き出し口42から吹き出される空気の流量が均等化される。
このように第8実施形態の摩擦低減装置にあっては、船体10の内部に設けられる気体室41と、気体室41内と船体10の外方とを仕切る船底外板27と、船底外板27に設けられる複数の空気吹き出し口42と、圧縮機43と、圧縮機43と気体室41とを接続する副空気供給通路46と、気体室41内で空気吹き出し口42を被覆して区画する容器64と、容器64の内部を空気吹き出し口42ごとに区画する複数の仕切板81と、副空気供給通路46の気体室41への接続部46aに対向しない容器64の所定位置に設けられる複数の貫通孔67a,67b,67c,67d,67eとを設け、船体10の高い位置にある空気吹き出し口42に対応する容器64の貫通孔67eの通路面積を、船体10の低い位置にある空気吹き出し口42に対応する容器64の貫通孔67aの通路面積よりも小さいものに設定している。
従って、複数の空気吹き出し口42から吹出される空気の流量が均等化されると共に、複数の空気吹き出し口42から吹出される空気の拡散性も均等化されることで、船外壁に沿った空気の分布の均等化を図ることができる。
なお、上述した各実施形態にて、四角い箱型形状をなす気体室41と、四角い箱型形状をなす容器64または円筒形状をなす容器101とを説明したが、この気体室41や容器64,101の形状に限定されるものではなく、船体10内の配置場所などに応じて適宜設定すればよいものである。
10 船体
11 船首
12 船尾
13 船底
14 左舷(船側)
15 右舷(船側)
21 空気供給機器室
27 船底外板
28,29 船側外板
31 摩擦低減装置
32 空気供給装置
33 エアクーラ
34 通風筒
35 空気吸い込み口
36,37 空気吹き出し部
38 海水取入部
39 ポンプ
41 気体室
42 空気吹き出し口
43 圧縮機
44 主空気供給配管
45 メインチャンバ
46 副空気供給配管(空気供給通路)
61 天井部
62 第1側壁部
63 第2側壁部
64,64,101 容器
65,102 衝突板
66 区画板
67,67a,67b,67c,67d,67e,104 貫通孔
103 区画筒(区画板)
S1 空気供給空間
S2,S21,S22,S23,S24,S25 空気流通空間
X 船長方向
Y 船幅方向
Z 船高方向

Claims (13)

  1. 船体の内部に設けられる気体室と、
    前記気体室内と前記船体の外方とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に設けられる複数の空気吹き出し口と、
    圧縮機と、
    前記圧縮機と前記気体室とを接続して前記気体室へ連通する通路面積が前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定される空気供給通路と、
    前記気体室内で前記空気吹き出し口を被覆して区画する容器と、
    前記空気供給通路の前記気体室への接続部に対向しない前記容器の所定位置に設けられる複数の貫通孔と、
    を備えることを特徴とする船舶の摩擦低減装置。
  2. 前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記貫通孔は、1個の前記空気吹き出し口に対応して複数個設けられ、前記空気供給通路の通路面積は、1個の前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることを特徴とする請求項1に記載の船舶の摩擦低減装置。
  3. 1個の前記貫通孔は、通路面積が1個の前記空気吹き出し口の開口面積より小さい面積に設定されることを特徴とする請求項2に記載の船舶の摩擦低減装置。
  4. 前記容器は、前記空気供給通路の前記気体室への接続部に対向する位置に配置される衝突板と、前記衝突板と前記仕切壁とを連結する区画板とを有し、前記貫通孔は、前記区画板に形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  5. 前記気体室は、前記仕切壁に対向する天井部と、前記仕切壁と前記天井部とを連結する側壁部とを有し、前記側壁部と前記区画板との間に所定隙間が設けられることを特徴とする請求項4に記載の船舶の摩擦低減装置。
  6. 前記貫通孔は、前記仕切壁側に近接して設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  7. 前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記容器は、前記複数の空気吹き出し口を被覆することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  8. 前記容器は、1個の衝突板と2個の区画板から構成され、長手方向の各端部が前記気体室の側壁部に連結され、前記区画板が連結されない前記側壁部と2個の前記区画板との間に所定隙間が設けられることを特徴とする請求項7に記載の船舶の摩擦低減装置。
  9. 前記容器は、内部に前記空気吹き出し口ごとに区画する仕切板が設けられることを特徴とする請求項8に記載の船舶の摩擦低減装置。
  10. 前記複数の空気吹き出し口は、前記船体の幅方向に沿って設けられ、前記容器は、前記複数の空気吹き出し口ごとに被覆するように複数設けられ、前記貫通孔は、複数の前記容器に複数設けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  11. 前記貫通孔は、前記容器に複数設けられ、少なくとも一つの前記貫通孔に着脱自在なプラグが装着されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  12. 前記空気供給通路は、中途部から分岐して主通路と副通路が設けられ、前記主通路と前記副通路は、それぞれ前記気体室に接続されると共に、開閉弁が設けられることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
  13. 前記圧縮機は、500kPa以上の圧縮空気を前記気体室に供給可能であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の船舶の摩擦低減装置。
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