JP2018122431A - 活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】使用するインク組成物の硬化性に優れ、黄変及び臭気の少ない印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、上記インクジェット記録方法により形成された印刷物を提供すること。
【解決手段】波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、合性化合物を含むインク組成物をインクジェット印刷方式により吐出する吐出工程、並びに、吐出された前記インク組成物を酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、印刷物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率よく使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
従来のインクジェットプリンタとしては、特許文献1に記載のものが挙げられる。
また、従来のインクジェット記録方法としては、特許文献2又は3に記載のものが挙げられる。
特開2005−144679号公報 特開2009−84313号公報 特表2011−502188号公報
本発明の目的は、使用するインク組成物の硬化性に優れ、黄変及び臭気の少ない印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、上記インクジェット記録方法により形成された印刷物を提供することである。
本発明の上記課題は下記の<1>、及び、<15>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<14>と共に以下に記載する。
<1>成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、成分Bとして、重合性化合物を含むインクジェット記録用硬化性インク組成物をインクジェット印刷方式により吐出する吐出工程、並びに、吐出された前記インク組成物を酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程、を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<2>成分Aが、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有するラジカル重合開始剤を含む、<1>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<3>上記インク組成物における成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5〜10質量%である、<1>又は<2>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<4>成分Aの重量平均分子量が、1,000〜50,000である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<5>成分Bが、多官能重合性化合物を含み、上記インク組成物における上記多官能重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対して、50質量%以上である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<6>成分Bが、アミノ基を有する多官能重合性化合物を含み、上記インク組成物における上記アミノ基を有する多官能重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<7>上記アミノ基を有する多官能重合性化合物の重量平均分子量が、500〜100,000である、<6>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<8>上記アミノ基を有する多官能重合性化合物のアミン価が、20〜500mgKOH/gである、<6>又は<7>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<9>上記インク組成物が、成分Cとして、重合性基を有さず、かつアミノ基を有する重量平均分子量500〜2,000の化合物を含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<10>上記インク組成物が、成分Dとして、重量平均分子量500以上の光増感剤を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<11>成分Dが、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有する、<10>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<12>上記インク組成物における成分Dの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5〜10質量%である、<10>又は<11>に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<13>成分Dの重量平均分子量が、500〜50,000である、<10>〜<12>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<14>上記吐出工程における上記インクジェット印刷方式が、シングルパス方式であり、上記吐出工程及び上記硬化工程における印刷速度が、25〜50m/minである、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法、
<15><1>〜<14>のいずれか1つに記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法により形成された印刷物。
本発明によれば、使用するインク組成物の硬化性に優れ、黄変及び臭気の少ない印刷物を得ることができる活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、上記インクジェット記録方法により形成された印刷物を提供することができた。
本発明に好適に用いられるインクジェット記録装置の一例を示すである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
更に、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(活性光線硬化型インクジェット記録方法、及び、印刷物)
本発明の活性光線硬化型インクジェット記録方法(以下、単に「インクジェット記録方法」ともいう。)は、成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、成分Bとして、重合性化合物を含むインクジェット記録用硬化性インク組成物をインクジェット印刷方式により吐出する吐出工程、並びに、吐出された前記インク組成物を酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法により形成された印刷物である。
従来、UV−LED(紫外線発光ダイオード)を用いた場合、露光照度が低いため、インクジェット記録用硬化性インク組成物を硬化させることが非常に難しかった。
また、一般的なLED(発光ダイオード)における発光波長である365nmや385nmに合わせた従来のインク組成物の処方では、黄変が発生するという問題があった。
本発明者らは、波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源を使用し、かつ特定のポリマー型重合開始剤を含むインク組成物を使用し、更に低酸素雰囲気下で硬化を行うことにより、硬化性に優れると共に、得られる印刷物の黄変及び臭気が抑制できることを見出した。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット吐出性にも優れる。
また、本発明のインクジェット記録方法は、支持体上の同一部分において、上記吐出工程及び硬化工程を2回以上行うこと、すなわち、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパス方式で行ってもよいが、支持体上の同一部分において、上記吐出工程及び硬化工程を1回のみ行う、すなわち、シングルパス方式で行うことが好ましい。
<吐出工程>
本発明のインクジェット記録方法は、成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、成分Bとして、重合性化合物を含むインクジェット記録用硬化性インク組成物(単に「インク組成物」ともいう。)をインクジェット印刷方式により吐出する吐出工程(単に「吐出工程」ともいう。)を含む。
本発明に用いるインクジェット記録用硬化性インク組成物の詳細については、後述する。
上記吐出工程は、インクジェット記録用硬化性インク組成物をインクジェット印刷方式により支持体(記録媒体、記録材料等)上に吐出する工程であることが好ましい。
上記支持体の膜厚は、10〜90μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
支持体としては、特に制限はなく、公知の支持体を用いることができるが、膜厚が10〜90μmであり、かつ、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選択される成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルムを使用することが好ましい。
なお、上記の「成分を少なくとも1つ含有する樹脂フィルム」とは、樹脂フィルムが多層構造を有する積層フィルムである場合に、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びナイロンよりなる群から選択される成分からなる層を少なくとも1つ有することを意味する。なお、ポリプロピレンとポリエチレンとの積層フィルムのように、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンよりなる群から選択される成分からなる層を2つ以上有していてもよい。
ポリエチレンとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレンとしては、CPP(無延伸ポリプロピレン)、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、KOP(ポリ塩化ビニリデンコートOPP)、AOP(PVAコートOPP)、PETとしては、2軸延伸ポリエステル、ナイロンとしては、ON(延伸ナイロン)、KON(延伸ナイロン)、CN(無延伸ナイロン)が好ましく用いられる。
その他、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合フィルム)、PVA(ビニロン),EVOH(ポリビニルアルコール)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン、サラン)、セロハン(PT、MST、Kセロ)、ZX(ゼクロン(ポリアクリロニトリル、PAN))、PS(ポリスチレン、スチロール)との組み合わせを用いることも好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、パッケージ印刷に好適であり、食品包装用のパッケージ印刷に特に好適である。
パッケージの用途により、最適な素材が選択され、また、多層構造のフィルムとすることで、各素材の特徴が組み合わされたフィルムを作製することができる。
また、パッケージの強度向上、酸素遮断等の目的で、AL(アルミニウム箔)、VMフィルム(アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム)等を多層構造に組み込むことも可能である。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサーを含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、上記インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズの液滴を、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度のドットとなるように吐出駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記吐出工程において、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物の温度安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
<硬化工程>
本発明のインクジェット記録方法は、吐出された前記インク組成物を酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程(単に「硬化工程」ともいう。)を含む。
本発明で、「波長275〜310nmの間にピークを有する」とは、光源の発光スペクトルを測定した場合に、発光強度の極大値が波長275〜310nmの間にあることを意味する。
上記硬化工程において、吐出されたインク組成物は、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程を照射することによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる成分Aが上記紫外線を含む光の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。
上記硬化工程においては、波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源を用いて紫外線を照射して、上記吐出工程において吐出された上記インク組成物を硬化させる。
LED光源は、従来用いられる水銀ランプやメタルハライドランプと比較して、小型、高寿命、高効率、及び、低コストである。
使用されるLED光源は、波長275〜310nmの間にピークを有するものであり、波長280〜305nmの間にピークを有するものであることが好ましい。上記範囲であると、特定波長の紫外線を十分強度で照射することができ、硬化性により優れ、硬化後の臭気をより抑制することができる。
また、上記硬化工程においては、上記UV−LEDの露光面(例えば、支持体)上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
また、上記硬化工程において、紫外線を、吐出された上記インク組成物に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射することが適当である。
更に、上記紫外線を含む光の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることが好ましい。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、支持体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な支持体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応の重合性化合物の残留を抑えることができるので好ましい。
また、上記硬化工程においては、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で光を照射して吐出された上記インク組成物を硬化させる。硬化雰囲気の酸素濃度を5体積%以下に抑えることで、波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源による紫外線の照射による硬化であっても、パッケージ印刷物特性として重要な硬化性、及び、臭気の改良に効果的であることが見出された。
一般的にラジカル重合系のインク組成物は、特に空気と接する表面が酸素重合阻害を受けやすく、特に表面の硬化不良が起きやすい。しかし、酸素濃度5体積%以下の環境下で露光することで、上記の酸素重合阻害の程度を低減させ、硬化性及び臭気が改良されると推定される。
酸素濃度5体積%以下の雰囲気は、窒素やアルゴン等の不活性ガスを空気に混合した雰囲気であることが好ましく、窒素を空気に混合した雰囲気であることがより好ましい。
上記不活性ガスとは、N2、CO2などの一般的な気体や、He、Ne、Arなどの希ガス類をいう。この中でも、安全性や入手の容易さ、コストの問題から、N2が好適に利用される。
酸素濃度の下限には、特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば、窒素)で置換することにより酸素濃度を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。
硬化工程における上記酸素濃度は、0.001〜5体積%であることが好ましく、0.001〜3体積%であることがより好ましく、0.001〜1体積%であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、また、硬化後の臭気をより抑制できる。
硬化雰囲気の酸素濃度を5体積%以下に制御する雰囲気調整手段としては、例えば、窒素ガスをフローしながら硬化を行う手段や、画像形成装置を閉じた系にして、窒素雰囲気や二酸化炭素雰囲気に置換する手段などがある。
窒素の供給手段としては、例えば、窒素ボンベを用いたり、酸素と窒素の中空糸膜に対する透過性の違いを利用し空気中から窒素ガスのみを分離する装置を用いる方法がある。二酸化炭素の供給手段としてもボンベによる供給方法がある。
また、硬化工程における硬化雰囲気は、減圧下であってもよいが、大気圧下であることが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法の上記吐出工程及び上記硬化工程における印刷速度が、25〜50m/minであることが好ましい。上記のような高速印刷であっても、本発明のインクジェット記録方法は、硬化性に優れ、硬化後の臭気が抑制された印刷物が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、以下に説明する本発明のインクジェット記録装置により好適に実施される。
インクジェット記録装置は、支持体を搬送する搬送手段と、インク組成物をインクジェット方式により吐出する吐出手段と、波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して吐出された上記インク組成物を硬化させる硬化手段と、上記硬化手段による光照射時の雰囲気を酸素濃度5体積%以下とする雰囲気調整手段と、を少なくとも有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、所謂シングルパス方式のインクジェット記録装置であって、支持体の搬送方向上流側から順に、インク組成物を吐出する吐出手段と、上記インク組成物を硬化させる硬化手段とが、配置されていることが好ましい。
図1は、本発明で好ましく使用されるインクジェット記録装置の模式図である。支持体の搬送手段である、支持体巻き取りロール5、5’に張架された支持体6は、矢印方向に搬送され、各色のインク組成物を吐出する打滴ヘッドが配備されたインクジェットヘッドユニット7にて、各色のインク組成物(K:ブラック、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、W:ホワイト)が吐出される。
図1に示すように、LED光源ユニット1は、不活性ガスブランケット2に囲まれており、不活性ガス配管3を介して不活性ガス発生装置4に接続している。不活性ガスブランケット2内の雰囲気を貧酸素雰囲気とする手段である不活性ガス発生装置4は、不活性ガス配管3を介して不活性ガスブランケット2の内部に不活性ガスを供給するもので、初期状態では、不活性ガスブランケット2内雰囲気は空気であるが、不活性ガス発生装置4を稼働させると、不活性ガスブランケット2内の空気は不活性ガスに置換され、酸素濃度5体積%以下の雰囲気となる。不活性ガスは、既述の通り、N2などを利用することができる。
また、LED光源ユニット1は、波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源を1つ以上備えた光源ユニットである。
また、本発明のインクジェット記録方法では、支持体上に上記インク組成物を用いてインクジェット印刷を行った後、印刷物上部をラミネート加工することが好ましい。
ラミネート加工により、印刷物からのインク成分の溶出、ブロッキング、及び、臭気を抑制でき、特に食品パッケージ用として、好ましく使用できる。
また、近年、樹脂を、平行した2つ以上のスリットから共に押出し、成膜すると同時にラミネートまで行う、共押出しフィルムも好ましく使用される。フィルム状にできないような数μmという薄いものでも、例えば、5〜7層積層可能なので、いろいろな性能及び用途のフィルムが作製されている。
本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物を1種単独で使用しても、2種以上使用してもよい。例えば、カラー画像を形成するため、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの各色インク組成物を用いることができる。中でも、本発明のインクジェット記録方法に使用するシアンインク組成物が、成分A及び成分Bを含む上記インク組成物であることが好ましく、本発明のインクジェット記録方法に使用するいずれのインク組成物も、成分A及び成分Bを含む上記インク組成物であることがより好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで紫外線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
<インクジェット記録用硬化性インク組成物>
本発明の活性光線硬化型インクジェット記録方法は、成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、成分Bとして、重合性化合物を含むインクジェット記録用硬化性インク組成物を少なくとも1種使用する。
また、上記インク組成物は、波長300nmの紫外線を少なくとも含む光の照射により硬化可能な油性のインク組成物である。
また、本発明のインク組成物は、上記紫外線硬化型のインク組成物であり、水性インク組成物や溶剤インク組成物とは異なる。上記インク組成物は、水及び揮発性溶剤をできるだけ含有しないことが好ましく、含有していたとしても、インク組成物の全質量に対し、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
また、上記インク組成物は、印刷物の黄変を抑制できるため、シアンインク組成物、ホワイトインク組成物又はクリアインク組成物として好適である。
成分A:波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤
上記インク組成物は、成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤を含む。
成分Aを含有するインク組成物を用いることにより、硬化性に優れ、印刷物の臭気及び黄変を抑制できる。
成分Aは、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、1,000L/(cm・mol)以上であることが好ましく、5,000L/(cm・mol)以上であることがより好ましく、10,000L/(cm・mol)以上であることが特に好ましい。
また、成分Aにおける波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数の上限値は、特に制限はないが、1,000,000L/(cm・mol)以下であることが好ましく、100,000L/(cm・mol)以下であることがより好ましく、50,000L/(cm・mol)以下であることが特に好ましい。
上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
本発明における波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数の測定方法は、溶媒として、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業(株)製)を使用し、測定する開始剤を0.0001質量%に希釈し、25℃において波長300nmの紫外線の吸収を少なくとも測定し、そこでの吸収からモル吸光係数を算出する。測定装置としては、例えば、分光光度計U−3900((株)日立ハイテクサイエンス製)等により測定することができる。
成分Aの重量平均分子量は、500〜100,000であり、800〜80,000であることが好ましく、1,000〜50,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましく、1,000〜5,000であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
また、成分Aは、分子量分布を有するものであっても、有しないものであってもよい。分子量分布を有しないもの、すなわち、単一の分子量の化合物である場合、重量平均分子量=分子量であることは言うまでもない。後述する成分B〜成分Dにおいても同様である。
本発明における成分A等の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定法により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量である。GPC測定装置の具体例としては、例えば、(株)島津製作所製HPLC LC−10AD等が挙げられる。また、このGPC測定には、カラムとして例えば、昭和電工(株)製のShodex GPC−KF−804が用いられ、溶離液として例えば、テトラヒドロフラン(THF)が使用され、重量平均分子量は標準ポリスチレンの分子量との比較により算出される。
また、化合物の構造や組成式が判明しており、分子量がわかる場合は、上記測定を行うまでもなく、重量平均分子量=分子量である。
成分Aは、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有するラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。上記構造を有することにより、印刷物の臭気をより抑制することができる。
また、成分Aは、重合開始能を有する構造を2以上有するラジカル重合開始剤であることが好ましく、ベンゾフェノン構造、α−ジケトン構造、α−アミノアセトフェノン構造、及び、p−アミノアセトフェノン構造よりなる群から選ばれた構造を2以上有するラジカル重合開始剤であることがより好ましく、ベンゾフェノン構造、及び、α−アミノアセトフェノン構造よりなる群から選ばれた構造を2以上有するラジカル重合開始剤であることが更に好ましく、ベンゾフェノン構造を2以上有するラジカル重合開始剤、又は、α−アミノアセトフェノン構造を2以上有するラジカル重合開始剤であることが特に好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気及び黄変をより抑制することができる。
成分Aとしては、市販品を用いることもでき、例えば、Speedcure 7003、7005、7006及び7020(以上、Lambson社製)、Esacure 1001(Prospector社製)、IHT−PL 2702及び2712、Omnipol 910、SZ及びBP(以上、IGM Resins社製)、Genopol BP−1及びBP−2(以上、Rahn社製)等が挙げられる。
成分Aは、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
成分Aの含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、5〜10質量%であることが特に好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
上記インク組成物は、硬化性及び印刷物の臭気の観点から、成分A以外のラジカル重合開始剤を併用することが好ましい。
上記インク組成物が成分A以外のラジカル重合開始剤を含有する場合、成分A以外のラジカル重合開始剤の含有量は、成分Aの含有量以下であることが好ましく、成分Aの含有量の50質量%以下であることがより好ましい。
また、上記インク組成物における成分A以外のラジカル重合開始剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。上記範囲であると、印刷物の臭気及び黄変をより抑制することができる。
上記インク組成物が成分A以外のラジカル重合開始剤を含有する場合、上記インク組成物は、後述するアミノ基を有する多官能重合性化合物、及び/又は、後述する重合性基を有さず、かつアミノ基を有する重量平均分子量500〜2,000の化合物を含有することが好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
また、成分A以外のラジカル重合開始剤としては、分子量500未満のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
成分B:重合性化合物
上記インク組成物は、成分Bとして、重合性化合物を含む。
成分Bは、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
また、成分Bは、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
成分Bは、多官能重合性化合物を含むことが好ましく、2官能重合性化合物を含むことがより好ましい。
また、上記インク組成物における上記多官能重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70〜95質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
更に、成分Bにおける上記多官能重合性化合物の含有量は、成分Bの全質量に対し、60〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることが更に好ましく、95〜100質量%であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
換言すれば、上記インク組成物は、成分Bとして、単官能重合性化合物を含有しないか、含有する場合には成分B全体の40質量%以下であることが好ましく、単官能重合性化合物を含有しないか、含有する場合には20質量%以下であることがより好ましく、含有しないか、含有する場合には10質量%以下であることが更に好ましく、含有しないか、含有する場合には5質量%以下であることが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
多官能重合性化合物は、2官能重合性化合物を含むことが好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましい。
2官能重合性化合物としては、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた化合物を好ましく挙げることができ、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、及び、ポリエチレングリコールジアクリレートよりなる群から選ばれた化合物をより好ましく挙げることができる。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
上記インク組成物は、成分Bとして、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレートを含むことが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、及び、ポリエチレングリコールジアクリレートを含むことがより好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
また、上記インク組成物における3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレートの含有量は、インク組成物の全質量に対して、40〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく、55〜80質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
上記インク組成物は、成分Bとして、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられ、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられ、ポリエチレングリコールジアクリレートが特に好ましく挙げられる。
また、上記インク組成物におけるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物の全質量に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましく、10〜15質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性及び吐出性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分Bは、アミノ基を有する多官能重合性化合物を含むことが好ましく、アミノ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましい。
上記インク組成物における上記アミノ基を有する多官能重合性化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、1.5〜5質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、吐出性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
アミノ基を有する多官能重合性化合物の重量平均分子量は、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましい。
アミノ基を有する多官能重合性化合物のアミン価は、20〜500mgKOH/gであることが好ましく、20〜150mgKOH/gであることがより好ましい。
重合性化合物のアミン価の測定は、以下の方法により行うものとする。
試料を0.5〜2g精秤する(試料量:Sg)。精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が、緑から黄の間の色に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の計算式1によりアミン価を求める。
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]:計算式1
アミノ基を有する多官能重合性化合物は、少なくとも1つのアミノ基、及び、少なくとも2つの重合性基を有する化合物であり、少なくとも1つのアミノ基、及び、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
アミノ基を有する多官能重合性化合物は、1分子当たり少なくとも1つのアミノ基を有し、1〜6のアミノ基を有することが好ましく、1〜3のアミノ基を有することがより好ましく、1又は2のアミノ基を有することが更に好ましい。
また、アミノ基を有する多官能重合性化合物は、1分子当たり少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有し、2〜6の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、2〜4の(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましく、2つの(メタ)アクリロイル基を有することが更に好ましい。
アミノ基を有する多官能重合性化合物としては、アミノ基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、アミノ基を有するポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、アミノ基を有するポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及びアミノ基を有するエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
また、アミノ基を有する多官能重合性化合物の市販品としては、CN371、CN550、CN551(以上、Sartomer社製)、Genomer5161、Genomer5171、Genomer5275(以上、Rahn社製)が挙げられる。
また、成分Bとしては、上記の化合物以外にも、公知の重合性化合物を用いることができ、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(PO)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
また、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレートが例示できる。
上記インク組成物は、成分Bとして、単官能重合性化合物を含有してもよい。
単官能重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート化合物、単官能(メタ)アクリルアミド化合物、単官能芳香族ビニル化合物、単官能ビニルエーテル化合物、単官能N−ビニル化合物などが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニルメチル)(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
更に、本発明に用いられる重合性化合物としては、例えば、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど)、アリルエステル類(酢酸アリルなど)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン、塩化ビニルなど)、ビニルエーテル(メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルなど)、シアン化ビニル((メタ)アクリロニトリルなど)、オレフィン類(エチレン、プロピレンなど)、N−ビニルラクタム類(N−ビニルカプロラクタムなど)などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物等も挙げられる。
更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
成分Bは、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明において、成分Bの含有量は、硬化性の観点から、インク組成物の全質量に対し、60〜95質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましく、75〜90質量%が更に好ましい。
成分C:重合性基を有さず、かつアミノ基を有する重量平均分子量500〜2,000の化合物
上記インク組成物は、成分Cとして、重合性基を有さず、かつアミノ基を有する重量平均分子量500〜2,000の化合物を含むことが好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分Cの重量平均分子量は、500〜2,000であり、500〜1,500であることが好ましく、500〜1,200であることがより好ましく、800〜1,200であることがより好ましい。
成分Cにおけるアミノ基は、芳香環に直接結合したアミノ基であることが好ましい。また、成分Cにおけるアミノ基は、第三級アミノ基であることが好ましい。
成分Cは、1以上のアミノベンゾエート構造を有する化合物であることが好ましい。
成分Cは、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が1,000L/(cm・mol)以上であることが好ましく、5,000L/(cm・mol)以上であることがより好ましく、10,000L/(cm・mol)以上であることが特に好ましい。
また、成分Cにおける波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数の上限値は、特に制限はないが、1,000,000L/(cm・mol)以下であることが好ましく、100,000L/(cm・mol)以下であることがより好ましく、50,000L/(cm・mol)以下であることが特に好ましい。
成分Cの市販品としては、Speedcure 7040及びPDA(以上、Lambson社製)、Genopol AB−1及びAB−2(以上、Rahn社製)、Omnipol AB及びASA(以上、IGM Resins社製)が挙げられる。
成分Cは、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明において、成分Cの含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、1.5〜5質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、吐出性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分D:重量平均分子量500以上の光増感剤
上記インク組成物は、成分Dとして、重量平均分子量500以上の光増感剤を含むことが好ましい。上記態様であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分Dとしては、波長300nmの紫外線を少なくとも含む光を吸収して成分A等の重合開始剤の分解を促進させることができる重量平均分子量500以上の化合物であればよい。
成分Dの重量平均分子量は、500以上であり、500〜50,000であることが好ましく、700〜5,000であることがより好ましく、750〜2,000であることが特に好ましい。上記範囲であると、硬化性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分Dは、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であることが好ましく、1,000L/(cm・mol)以上であることがより好ましく、2,000L/(cm・mol)以上であることが特に好ましい。
また、成分Dにおける波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数の上限値は、特に制限はないが、1,000,000L/(cm・mol)以下であることが好ましく、50,000L/(cm・mol)以下であることがより好ましく、10,000L/(cm・mol)以下であることが特に好ましい。
成分Dとしては、例えば、多核芳香族構造、キサンテン構造、シアニン構造、メロシアニン構造、チアジン構造、アクリジン構造、アントラキノン構造、スクアリウム構造、クマリン構造、チオクロマノン構造、及び、チオキサントン構造よりなる群から選ばれた構造を少なくとも有する化合物であることが好ましく、チオクロマノン構造、及び、チオキサントン構造よりなる群から選ばれた構造を少なくとも有する化合物であることがより好ましく、チオキサントン構造を少なくとも有する化合物であることが更に好ましい。
また、成分Dは、上記構造を2以上有する化合物であることが好ましく、上記構造を2〜10個有する化合物であることがより好ましく、上記構造を2〜6個有する化合物であることが更に好ましく、上記構造を2個有する化合物であることが特に好ましい。
成分Dは、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有することが好ましい。上記構造を有することにより、印刷物の臭気をより抑制することができる。
成分Dの市販品としては、Speedcure 7010(Lambson社製)、Genopol TX−1及びTX−2(以上、Rahn社製)、Omnipol TX(IGM Resins社製)が挙げられる。
成分Dは、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明において、成分Dの含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、吐出性により優れ、印刷物の臭気をより抑制することができる。また、上記インク組成物は、印刷物の臭気及び黄変の観点から、分子量500未満の光増感剤を含有しないことが好ましい。
成分E:着色剤
上記インク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加してもよい。また、分散性向上のため、予め溶剤又は本発明に使用する重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物の全質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
成分F:分散剤
上記インク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Lubrizol社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物の全質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
成分G:界面活性剤
上記インク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。また、上記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(例えば、有機フルオロ化合物等)やシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン化合物等)を用いてもよい。上記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。上記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
上記ポリシロキサン化合物としては、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。変性の例として、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いられてもかまわない。また、中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物がインクジェットにおける吐出安定性改良の観点で好ましい。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、SILWET L−7604、SILWET L−7607N、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2161(日本ユニカー(株)製)、BYK306、BYK307、BYK331、BYK333、BYK347、BYK348等(BYK Chemie社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤が好ましく挙げられ、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤がより好ましく挙げられ、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンが更に好ましく挙げられる。
インク組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物の全質量に対し、0.0001〜1質量%であることが好ましい。
<その他の成分>
上記インク組成物には、必要に応じて、上記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、上記インク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。上記インク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な支持体を用いた場合でも、支持体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化重合性化合物の低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
なお、本発明におけるインク組成物等の粘度は、液温25℃に保持し、デジタル粘度計(DV-I Prime、ブルックフィールド社製)で測定した粘度である。
上記インク組成物の25℃における表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、20.5mN/m以上35.0mN/m以下であることがより好ましい。なお、本発明におけるインク組成物等の表面張力は、液温25℃に保持し、表面張力計(表面張力計CBVP−Z、協和界面科学(株)製)を用いて測定した値である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、以下の記載における「部」とは「質量部」を示し、「%」とは「質量%」を示すものとする。
また、本実施例におけるモル吸光係数は、特に断りのない限り、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数であり、上記方法にて測定した値である。
本実施例で使用した素材は下記に示す通りである。
<着色剤>
・IRGALITE RED D3773(Pigment Red(PR)48:4、マゼンタ顔料、BASF社製)
・Paliotol YellowD1155(Pigment Yellow(PY)185、イエロー顔料、BASF社製)
・HELIOGEN BLUE D 7110 F(Pigment Blue(PB)15:4、シアン顔料、BASF社製)
・SP BLACK 250(Pigment Black(Pbk)7、ブラック顔料、Cabot社製)
・Kronos white2300(Pigment White(PW)6、ホワイト顔料、Kronos社製)
<分散剤>
・EFKA7701(BASF社製、塩基性高分子分散剤)
・Solsperse32000(Lubrizol社製、塩基性高分子分散剤)
・Solsperse41000(Lubrizol社製、酸性高分子分散剤)
<ポリマー型重合開始剤>
Figure 2018122431
<ポリマー型増感剤>
Figure 2018122431
<アミノ基を有するラジカル重合性化合物(アミンオリゴマー)>
・CN371(Sartomer社製、アミン価130mgKOH/g)
・CN550(Sartomer社製、アミン価50mgKOH/g)
・CN551(Sartomer社製、アミン価20mgKOH/g)
・EBECRYL 80(ダイセル・オルネクス(株)製)
・EBECRYL 7100(ダイセル・オルネクス(株)製)
・GENOMER 5142(Rahn社製)
・GENOMER 5161(Rahn社製)
・GENOMER 5271(Rahn社製)
・GENOMER 5275(Rahn社製)
なお、上記アミンオリゴマーは、いずれも分子量500を超える化合物である。
<重合性基を有しないアミン化合物>
・Speedcure 7040(1,3-di({α-4-(dimethylamino)benzoylpoly[oxy(1-methylethylene)]}oxy)-2,2-bis({α-4-(dimethylamino)-benzoylpoly[oxy(1-methylethylene)]}oxymethyl)propaneと、{α-4-(dimethylamino)benzoylpoly(oxyethylene)-poly[oxy(1-methylethylene)]-poly(oxyethylene)}4-dimethylamino)benzoateとの混合物、Lambson社製、分子量1,066、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
・Speedcure PDA(Butoxy(poly(oxy(methyl-1,2-ethandiyl)))-4-dimethylaminobenzoate、Lambson社製、分子量1,000未満、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
・Genopol AB−1(ポリアミノベンゾエート誘導体、Rahn社製、分子量860、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
・Genopol AB−2(ポリアミノベンゾエート誘導体、Rahn社製、分子量860、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
・Omnipol AB(ポリアミノベンゾエート誘導体、IGM Resins社製、分子量860、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
・Omnipol ASA(下記化合物、IGM Resins社製、分子量510、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
Figure 2018122431
<ラジカル重合性化合物(モノマー)>
・SR341:3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート(Sartomer社製)
・SR344:ポリエチレングリコールジアクリレート(Sartomer社製)
・SR506:イソボロニルアクリレート(Sartomer社製)
・NPGPODA:ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート(Sartomer社製)
・SR833:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製)・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(Sartomer社製)
・SR454:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製)
・SR351:トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製)
・SR295:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(Sartomer社製)
・SR238:ヘキサンジオールジアクリレート(Sartomer社製)
<ラジカル重合開始剤>
・Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASF社製、分子量419、モル吸光係数9,000L/(cm・mol))
・Irg907:2−[4−(メチルチオ)ベンゾイル]−2−(4−モルホリニル)プロパン(IRGACURE 907、BASF社製、分子量279、モル吸光係数100L/(cm・mol))
・Irg184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184、BASF社製、分子量204、モル吸光係数20,000L/(cm・mol))
<重合禁止剤>
・UV−22(Irgastab(登録商標)UV22、BASF社製)
<界面活性剤>
・BYK−307(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、BYK Chemie社製)
<マゼンタ顔料分散液(マゼンタ(M)ミルベース)の調製>
IRGALITE RED D3773を300質量部と、SR341を1,050質量部と、EFKA7701を150質量部とを撹拌混合し、マゼンタ顔料分散液を得た。なお、マゼンタ顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<顔料分散液(イエロー(Y)ミルベース)の調製>
Paliotol Yellow D1155を300質量部と、SR341を1,050質量部と、EFKA7701を150質量部とを撹拌混合し、イエロー顔料分散液を得た。なお、イエロー顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<シアン顔料分散液(シアン(C)ミルベース)の調製>
HELIOGEN BLUE D 7110 Fを300質量部と、SR341を1,050質量部と、Solsperse32000を150質量部とを撹拌混合し、シアン顔料分散液を得た。なお、シアン顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<ブラック顔料分散液(ブラック(K)ミルベース)の調製>
SP BLACK 250を300質量部と、SR341を1,050質量部と、Solsperse32000を150質量部とを撹拌混合し、ブラック顔料分散液を得た。なお、ブラック顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<ホワイト顔料分散液(ホワイト(W)ミルベース)の調製>
Kronos white2300を500質量部と、SR341を40質量部と、Solsperse41000を50質量部とを撹拌混合し、ホワイト顔料分散液を得た。なお、ホワイト顔料分散液の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(実施例1〜84、及び、比較例1〜6)
<インク組成物の調製>
表3〜表10に示す割合で、各素材をミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて、室温(25℃)で4,000回転/分にて20分撹拌混合し、実施例1〜84、及び、比較例1〜6で使用したインク組成物をそれぞれ調製した。表3〜表10に示す含有量の単位は、質量部である。また、表3〜表10の空欄は、その成分を含有していないことを意味する。
<硬化性評価>
得られたインク組成物を、東芝(株)製インクジェットヘッド(CA3)でPET(厚み12μm)上に6μmの厚みになるようベタ印字してから、窒素パージ露光機(305nmUV−LED光源、波長305nmにピークを有する。)を用い、酸素濃度1体積%で、積算露光量が500mJ/cmとなる条件で、露光し、基材上に硬化膜を有する印画物(印画物サンプル)を得た。この印刷物を積み、1日後の転写具合の評価で硬化性を判断した。評価3以上であれば実用上問題ない。
5:1,000枚以上1,500枚まで積んでも転写無し。
4:500枚以上999枚まで積んでも転写無し。1,000枚以上で転写あり。
3:300枚以上499枚まで積んでも転写無し。500枚以上で転写あり。
2:200枚以上299枚まで積んでも転写無し。300枚以上で転写あり。
1:199枚まで積んでも転写無し。200枚以上で転写あり。
<臭気評価>
上記硬化性評価に記載の方法で得られた印画物サンプルを、1cm四方にカットし、イソオクタン1mLでインク膜に残っているモノマー及び開始剤由来物を1時間抽出し、液体クロマトグラフィーで測定した。評価3以上であれば実用上問題ない。
5:1ppm以下
4:1ppmより多く3ppm以下
3:3ppmより多く5ppm以下
2:5ppmより多く10ppm以下
1:10ppmより多い
<黄変評価>
シアンインク及びホワイトインクで作成した、上記硬化性評価に記載の方法で得られた印画物サンプルを5cm四方にカットし、グレタグ測定器(X−rite社製Ci6x)によりグレタグ測定を実施した。bの値による下記の評価が、評価3以上であれば実用上問題ない。
5:bの値が1以下
4:bの値が1より大きく2以下
3:bの値が2より大きく4以下
2:bの値が4より大きく8以下
1:bの値が8より大きい
<吐出性評価>
得られたインク組成物を、東芝(株)製インクジェットヘッド(CA3)で30分間の連続吐出を3回行い不吐出ノズル(ノズル抜け)数で評価した。3以上であれば実用上問題ない。
5:3回ともノズル抜け無し。
4:3回中1回にノズル抜け3本以下あり。残り2回は抜け無し。
3:3回中1回にノズル抜け4本以上5本以下あり。残り2回は抜け無し。
2:3回中2回にノズル抜け3本以上あり。
1:3回中3回にノズル抜け3本以上あり。
イエローインク、マゼンタインク又はブラックインクを使用した実施例44〜46においては、黄変評価として、上記硬化性評価に記載の方法で得られた印画物サンプルと硬化前のインクとを目視により比較観察したが、色のくすみ等の黄変由来する色調の変化は何ら見られなかった。
また、実施例32、44、45、46及び47のイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク及びホワイトインクを使用した4CK画像で同様の評価を実施したところ、全ての項目で評価5となった。
Figure 2018122431
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Figure 2018122431
Figure 2018122431
Figure 2018122431
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1:LED光源ユニット、2:不活性ガスブランケット、3:不活性ガス配管、4:不活性ガス発生装置、5,5’:支持体巻き取りロール、6:支持体、7:インクジェットヘッドユニット

Claims (15)

  1. 成分Aとして、波長300nmの紫外線におけるモル吸光係数が500L/(cm・mol)以上であり、かつ重量平均分子量500〜100,000のラジカル重合開始剤、及び、成分Bとして、重合性化合物を含むインクジェット記録用硬化性インク組成物をインクジェット印刷方式により吐出する吐出工程、並びに、
    吐出された前記インク組成物を酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で波長275〜310nmの間にピークを有するLED光源により紫外線を照射して硬化させる硬化工程、を含むことを特徴とする
    活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  2. 成分Aが、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有するラジカル重合開始剤を含む、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物における成分Aの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5〜10質量%である、請求項1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  4. 成分Aの重量平均分子量が、1,000〜50,000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  5. 成分Bが、多官能重合性化合物を含み、
    前記インク組成物における前記多官能重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対して、50質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  6. 成分Bが、アミノ基を有する多官能重合性化合物を含み、
    前記インク組成物における前記アミノ基を有する多官能重合性化合物の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  7. 前記アミノ基を有する多官能重合性化合物の重量平均分子量が、500〜100,000である、請求項6に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  8. 前記アミノ基を有する多官能重合性化合物のアミン価が、20〜500mgKOH/gである、請求項6又は7に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  9. 前記インク組成物が、成分Cとして、重合性基を有さず、かつアミノ基を有する重量平均分子量500〜2,000の化合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  10. 前記インク組成物が、成分Dとして、重量平均分子量500以上の光増感剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  11. 成分Dが、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、及び/又は、ポリブチレングリコール鎖を有する、請求項10に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  12. 前記インク組成物における成分Dの含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5〜10質量%である、請求項10又は11に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  13. 成分Dの重量平均分子量が、500〜50,000である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  14. 前記吐出工程における前記インクジェット印刷方式が、シングルパス方式であり、
    前記吐出工程及び前記硬化工程における印刷速度が、25〜50m/minである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法により形成された印刷物。
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