JP2018121666A - 計測装置および計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転型MRI装置の磁石を回転させながらより安全に装置を作動させる計測装置を提供する。
【解決手段】回転軸を中心とする円周上の第1範囲に設けられた第1磁石112a、bと、回転軸を中心とする円周上の第1範囲とは異なる第2範囲に設けられた第2磁石114a、bと、第1磁石112a、bおよび第2磁石114a、bを回転軸を中心として回転させる駆動部170と、回転軸の回転に伴って第1磁石112a、bにより発生された第1磁場および第2磁石114a、bにより発生された第2磁場のそれぞれが与えられる設置位置に置かれた計測対象を計測するための計測部200と、計測対象の計測中において、設置位置に対する第1磁石112a、bおよび第2磁石114a、bの位置に応じて回転軸の回転速度を変化させる制御部230とを備える計測装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気共鳴を利用した計測装置及び計測方法に関する。
生体中の核磁気共鳴(NMR)を画像化する磁気共鳴イメージング(MRI)装置、および、フリーラジカルの不対電子の電子スピン共鳴(ESR)を画像化する電子スピン共鳴イメージング(ESRI)装置等が知られている。また、フリーラジカルの電子スピンを静磁場下で励起し、電子スピンから核スピンへとエネルギーを遷移させることによって核スピンの偏極を増強してMRI画像を生成するDNP(動的核偏極)−MRI装置が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
また、静止した被検体に対して、MRI用の静磁場を形成する磁石およびESR用の静磁場を形成する磁石を回転させ、被検体のMRI画像を生成する回転型MRI装置が知られている(例えば、特許文献4)。
[特許文献1]特開2006−204551号公報
[特許文献2]特表2011−527222号公報
[特許文献3]特開2007−316008号公報
[特許文献4]国際公開第2014/196525号
回転型MRI装置において、被検体が静磁場に置かれる時間は磁石の回転方向の幅に依存する。従来の回転型MRI装置によると、ESRおよびNMRを生じさせる時間およびESRからNMRへの遷移時間を変更するには、磁石の幅および配置等を変更する必要があった。また、回転型MRI装置等に使用される磁石は大型で重量があり、磁石を回転させながらより安全に装置を作動させることが望まれていた。
本発明の第1の態様においては、回転軸を中心とする円周上の第1範囲に設けられた第1磁石と、前記回転軸を中心とする前記円周上の前記第1範囲とは異なる第2範囲に設けられた第2磁石と、前記第1磁石および前記第2磁石を前記回転軸を中心として回転させる駆動部と、前記第1磁石および前記第2磁石の回転に伴って前記第1磁石により発生された第1磁場および前記第2磁石により発生された第2磁場のそれぞれが与えられる設置位置に置かれた計測対象を計測するための計測部と、前記計測対象の計測中において、前記設置位置に対する前記第1磁石および前記第2磁石の位置に応じて前記第1磁石および前記第2磁石の回転速度を変化させる制御部と、を備える計測装置を提供する。
本発明の第2の態様においては、回転軸に対して軸方向の異なる位置に設けられ、回転軸中心に回転する一対の回転ユニットと、前記一対の回転ユニットの間の空間に設けられ、計測対象を設置するための非回転ユニットと、を備え、前記一対の回転ユニットの少なくとも一方は、当該回転ユニットにおける、前記回転軸を中心とする円周上の第1範囲に収容され、前記一対の回転ユニットの間の空間に第1磁場を発生させる第1磁石と、当該回転ユニットにおける、前記回転軸を中心とする円周上の前記第1範囲とは異なる第2範囲に収容され、前記一対の回転ユニットの間の空間に第2磁場を発生させる第2磁石と、を有する計測装置を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態における計測装置10の概略構成図を示す。 上側から観察した図1の計測装置10の概略図である。 斜め上方から観察した計測装置10の一例である。 計測装置10の回転モジュール100の概略図である。 ジャケット101bを含む回転ユニット110bの一例を示す。 本実施形態におけるジャケット101bの一例を示す。 本実施形態における計測装置10の処理フローの一例を示す。 計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。 計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。 計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。 計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。 計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。 制御部230による回転速度の制御の一例を示す。 本実施形態の変形例に係る計測装置30を示す。 コンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態における計測装置10の概略構成図を示す。計測装置10は、ESR用の磁石およびMRI用の磁石を搭載し、回転軸AXを軸として回転する回転ユニット110a〜bを備え、計測対象20のESR信号またはNMR信号等を計測する。計測装置10は、回転モジュール100と、回転軸部材140と、軸受部142aと、軸受部142bと、筐体146と、支柱150と、基台152と、対象保護部156と、ローラ158、動力伝達部160と、駆動部170と、非回転ユニット180と、計測部200と、異常検出部210と、入力部220と、制御部230と、表示部240とを備える。
回転モジュール100は、計測装置10における可動モジュールであり、一対の回転ユニット110a〜b(以下、適宜「回転ユニット110」と総称する。)を有する。本実施形態においては、計測装置10は回転軸(Axis)AXとなる剛体の回転軸部材(Shaft)140を備え、一対の回転ユニット110a〜bは、回転軸部材140に対して軸方向の異なる位置に固定して設けられ、回転軸AXを中心に回転する。これに代えて、計測装置10は、剛体の回転軸部材140を備えず、仮想的な回転軸AXを中心に回転してもよい。
回転ユニット110aおよび回転ユニット110bは、一対の回転ユニット110の間の空間に向かって、第1磁場を発生させる第1磁石112aおよび第1磁石112b(以下、適宜「第1磁石112」と総称する。)、並びに、第2磁場を発生させる第2磁石114aおよび第2磁石114b(以下、適宜「第2磁石114」と総称する。)を含む。例えば、図1に示すように、上側(+Z方向側)の回転ユニット110aが第1磁石112aおよび第2磁石114aを含み、下側(−Z方向側)の回転ユニット110bが第1磁石112bおよび第2磁石114bを含む。ここで、十分な第1磁場および第2磁場が得られる場合には、第1磁石112および第2磁石114の少なくとも一方を、回転ユニット110a〜bの一方のみに設けてもよい。
回転ユニット110a〜bは、互いに回転軸AX上の異なる位置に設けられて回転軸AXを中心として共に回転する。回転ユニット110a〜bは、第1磁石112a〜bと第2磁石114a〜bとの相対的な位置を維持するように回転する。これにより、回転モジュール100は回転しつつ、略一定の第1磁場および第2磁場をそれぞれ発生じさせる。第1磁石112a〜b、および第2磁石114a〜bのそれぞれは、相対した状態で磁極の向きが同一方向に揃うように配置される。例えば、第1磁石112a〜bは、共に上側がN極で下側がS極となるように相対して配置される。また例えば、第2磁石114aおよび第2磁石114bは、共に上側がN極で下側がS極となるように相対して配置される。
例えば、第1磁石112a〜bは、計測対象20の電子スピン共鳴を惹起するための第1磁場を提供するESR用永久磁石であり、第2磁石114a〜bは計測対象20の核磁気共鳴を惹起するための第2磁場を提供するMRI用永久磁石である。この場合、第1磁石112a〜bは、第2磁石114a〜bよりも磁力が弱く、例えば、第1磁石112a〜bによる第1磁場は5mTであってよく、第2磁石114a〜bの第2磁場は0.3Tであってよい。ここで、第2磁場は、人体を測定対象とする計測装置10においては例えば0.1T〜3Tの範囲内であってよく、人体以外を測定対象とするのであれば例えば〜7Tまたはそれ以上であってもよい。第1磁場は、例えば1mT〜0.1Tの範囲内であってよく、第2磁場の強度に応じて決定される。
回転ユニット110は、第1磁石112および第2磁石114を収容して固定するジャケットを有する。一対の回転ユニット110の構造の詳細は後述する。
回転軸部材140は、回転ユニット110の回転軸AXを構成するように回転ユニット110に固定され、これにより回転ユニット110の回転の物理的な中心軸となる。本実施形態において回転軸部材140は、縦方向(すなわち、鉛直方向:図中のZ方向)に設けられ、水平面(XY平面)に沿って回転する。本実施形態に係る計測装置10においては、回転軸部材140は、第2磁石114a〜bを通過する磁路を通過させるバックヨークとしても機能するので、磁性体の材料を用いて形成される。これに代えて、バックヨークを別途設ける場合においては、回転軸部材140には、強度および耐腐食性に優れた非磁性材質を用いてよく、例えば非磁性のステンレス系材料、および、真鍮系材料等を用いたものを使用してよい。
軸受部142aおよび軸受部142b(以下、適宜「軸受部142」と総称する。)は、回転軸部材140を、一対の回転ユニット110の外側の両側で支える。軸受部142aは、回転ユニット110aの上側で回転軸部材140を回転可能な状態で支持し、軸受部142bは、回転ユニット110bの下側で回転軸部材140を回転可能な状態で支持する。これにより、軸受部142は、回転ユニット110を安全に計測装置10内に保持することができる。軸受部142は、各種のベアリングまたは流体等を用いた摺動機構を含んでもよい。
筐体146は、計測装置10を外部から保護し、計測装置10の少なくとも一部を収容し、計測装置10を支持する。例えば、筐体146は、一対の回転ユニット110と、軸受部142と、非回転ユニット180とを覆って収納する。
筐体146は、フレームおよびプレートを有してよく、例えば、フレームで骨格を形成し、骨格の外側をプレートで覆った構造を有してよい。一例として、筐体146は、箱形状であってよく、主にフレームによって回転する回転モジュール100の荷重を支え、プレートが計測装置10の内部を外部から隠ぺいし保護する。フレームおよびプレートは、鋼およびアルミニウム等の金属、または、樹脂等の強度がある材質を用いて形成されてよい。なお、筐体146は、軸受部142、および非回転ユニット180等を支持する骨格の外側に外装用のプレートを取り付けるためのフレームを設けた多重構造を採ってもよい。
支柱150は、筐体146の下部に配置され、基台152と共に回転モジュール100および筐体146等の荷重を支持する。基台152は、地面または床上に配置され、支柱150を固定して計測装置10全体を支持する基盤となる。支柱150および基台152は、筐体146の一部であってよく、または、筐体146とは別個に設けられてもよい。
対象保護部156は、筐体146のフレームから一対の回転ユニット110の間の空間へと延伸し、上側の回転ユニット110aまたは下側の回転ユニット110bの少なくとも一方が万が一回転軸部材140から外れてしまった場合においても、回転ユニット110aおよび回転ユニット110bの間に挟まってこれらの間のすき間を確保することにより計測対象20を保護する。これにより、例えば、上側の回転ユニット110aが回転軸部材140から脱落してしまった場合においても、回転ユニット110aの落下を防止することができる。例えば、対象保護部156は、筐体146の2箇所以上に設けられてもよい。対象保護部156は、第1回転ユニット110aおよび第2回転ユニット110bの間隔と略同じ高さ(例えば、間隔の70〜95%の高さ)を有してよく、これにより、更に回転ユニット110aおよび回転ユニット110bの間隔を十分に確保すると共に、回転ユニット110aが回転軸部材140から脱落して落下した場合においてもその衝撃を低減する。また、対象保護部156には、上面および/または下面に回転ユニット110aおよび/または回転ユニット110bの回転を円滑化するためのローラが設けられてもよい。
なお、対象保護部156は必須ではなく、回転ユニット110aおよび回転ユニット110bと回転軸部材140との固定の態様に応じて、また後述する非回転ユニット180の強度に応じて省略することもできる。
ローラ158は、筐体146に1または複数個取り付けられて、一対の回転ユニット110を回転可能な状態で支持する。これにより、ローラ158は、一対の回転ユニット110の回転を安定化し、計測装置10の安全性を向上させる。ローラ158には回転センサおよび/または振動センサ等が設けられてよく、これにより計測装置10は回転ユニット110の回転状態を監視してよい。本実施形態においては、ローラ158は、回転ユニット110a〜bのジャケット(後述)部分に接する。これに代えて、またはこれと共に、ローラ158は、一対の回転ユニット110の上下に接するように設けられてもよい。例えば、回転ユニット110aと筐体146の天井部分の間、および/または、回転ユニット110bおよび筐体146の底面の間にローラを設けて、これにより回転ユニット110の回転を安定化させてもよい。なお、回転モジュール100の回転の安定性が十分に確保できるのであれば、ローラ158を省くこともできる。
動力伝達部160は、回転軸部材140に駆動部170からの動力を伝えて回転軸部材140を回転させる。例えば、動力伝達部160は、減速機または変速機を含んでよく、駆動部170から入力軸に沿って入力された回転を減速して入力軸と同一または異なる方向の回転軸部材140に伝えてよい。
駆動部170は、モータ等により動力を発生し、動力伝達部160を介して回転軸部材140に動力を与えて回転軸部材140を回転させ、これにより第1磁石112a〜bおよび第2磁石114a〜bを回転軸AXを中心として回転させる。駆動部170は、例えば、サーボ機構により回転数が制御可能なサーボモータまたはインバータに接続されたモータを含んでよい。これにより、駆動部170は、動力伝達部160へ入力する回転数を調整することで、回転軸部材140の回転数を調節することができる。また、駆動部170は、回転数を連続的または非連続的に可変してもよい。さらに、駆動部170は、停止と回転を繰り返す動作としてもよい。駆動部170は、モータ回転軸に回転角度を検出する回転角度センサを備え、モータ回転軸の回転角度を制御部230に供給してよい。例えば、回転角度を検出するセンサは、エンコーダやレゾルバ等を含んでよい。制御部230は、モータ回転軸の回転角度と動力伝達部160の減速比から回転軸部材140の回転角度を算出してよい。また、回転角度を検出するセンサは、回転軸部材140または動力伝達部160の出力軸に備え、回転軸部材140の回転角度を制御部230に供給してよい。
非回転ユニット180は、一対の回転ユニット110の間の空間に設けられ、回転ユニット110に対して固定される固定モジュールであり、計測対象20が設置される。非回転ユニット180は、コイル部184、傾斜磁場発生部188、および、静磁場調整部190を有する。
コイル部184は、ESR用コイル部(不図示)と、NMR用送受信コイル部(不図示)とを含む。ESR用コイル部は、計測対象20に対して第1磁場を与えている状態において、計測対象20に電子スピン共鳴を惹起させるための電磁波を発生する。NMR用送受信コイル部は、RFコイルを含み、計測対象20に対して第2磁場を与えている状態において、所定の周波数の電磁波を生成して計測対象20に対して送信(照射)して核磁気共鳴を惹起させ、計測対象20が生成するNMR信号を受信する。
傾斜磁場発生部188は、計測対象20に対して傾斜磁場を与える。例えば、傾斜磁場発生部188は、XYZの3方向の傾斜磁場コイルを有し、当該3方向のそれぞれにおいて傾斜磁場を生成する。これにより、傾斜磁場発生部188は、コイル部184が3次元空間の任意の平面でNMR信号を受信し、計測装置10が3次元空間上のMRI情報を生成することを可能にする。
静磁場調整部190は、計測対象20の設置位置に対して予め定められた位置(本図においては計測対象20の上下)に設けられ、第1磁石112a〜b、および第2磁石114〜bが計測対象20に対して与える第1磁場および第2磁場の少なくとも一方の静磁場の強度を変える。本実施形態に係る静磁場調整部190は、制御部230の制御に応じて第1磁場の強度を可変とするための静磁場調整用コイルを有し、第1磁場による静磁場の強さを加減する。静磁場調整用コイルは、計測対象20および計測対象20において計測する組成物により異なる静磁場を生成する。例えば、静磁場調整部190は、計測対象20に与える静磁場の強度を変えてESRを惹起することにより生じた動的核偏極をNMR測定をすることで、計測対象20に含まれる特定のラジカル種を計測する。更に静磁場調整部190は、計測対象20に含まれる複数種類のラジカル種のそれぞれに応じて最適な静磁場に調整してESRを惹起しNMR測定をすることで、計測装置10が複数のラジカル種を画像化することを可能にする。
計測部200は、第1磁石および第2磁石の回転に伴って第1磁石により発生された第1磁場および第2磁石により発生された第2磁場のそれぞれが与えられる、非回転ユニット180の設置位置に置かれた計測対象20のNMR信号を所定のタイミングで計測する。例えば、計測部200は、コイル部184のRFコイルから所定の周波数の電磁波を生じさせたことに応じて、RFコイルが受信した計測対象20からのNMR信号を計測する。
一例として、計測部200は、第1磁場により計測対象20に電子スピン共鳴が惹起された後、第2磁場により計測対象20に核磁気共鳴が惹起された状態で計測対象20を計測する。これにより、計測部200は、電子スピン共鳴を惹起することにより生じた動的核偏極で増幅されたNMR信号を受信することができる。計測部200は、受信したNMR信号を制御部230に供給する。
異常検出部210は、計測装置10に取り付けられ、当該計測装置10の異常を検出する。例えば、異常検出部210は、振動センサ部を有し、筐体146に取り付けられて、筐体146の水平方向の振動、および、垂直方向の振動を検出する。異常検出部210は、検出した振動情報を制御部230に供給する。なお、計測装置10は、異常検出部210として、振動センサ以外にも計測装置10の異常を検出するための種々のセンサを備えてよい。例えば、計測装置10は、磁気センサ、温度センサ、音センサ、変位センサ、および/または、湿度センサ等を備えてよい。
入力部220は、ユーザからの計測装置10への指示等を入力する。例えば、入力部220は、マウス、キーボード、および/または、タッチパネル等の入力機器に接続され、これらの入力機器から入力されるユーザの指示を制御部230に供給する。
制御部230は、計測装置10の動作全体を制御する。例えば、制御部230は、駆動部170を制御して回転軸部材140を回転させながら、計測部200を制御して計測対象20へのESR惹起および/またはNMRの計測を行う。一例として、制御部230は、回転軸部材140に接続された駆動部170のモータの回転数を制御することで、第1磁石112a〜bおよび第2磁石114a〜bの回転速度を制御し、回転ユニット110を回転させながら計測を行う。
制御部230は、例えば、回転ユニット110を回転させつつ、計測対象20に第1磁石112による第1磁場が照射されるタイミングで、傾斜磁場発生部188に所定の傾斜磁場を発生させ、コイル部184内のESR用コイル部から計測対象20に対して所定の周波数の電磁波を照射してESRを生じさせる。そして、制御部230は、回転ユニット110の回転を維持させたまま、計測対象20に第2磁石114による第2磁場が照射されるタイミングで、傾斜磁場発生部188に所定の傾斜磁場を発生させ、計測対象20にRFコイルから所定の周波数の電磁波を照射してNMRを生じさせ、計測部200にNMR信号を受信させる。ここで、制御部230は、計測対象20に第1磁場および第2磁場のいずれが与えられているかに応じてコイル部184内の静磁場調整用コイルが発生する磁場の強度を変更してよい。一例として、制御部230は、計測対象20に第1磁場が与えられている場合に、計測すべき組成物に応じた強度の磁場を静磁場調整用コイルから発生させる。
制御部230は、計測部200から受け取ったNMR信号を画像化する。例えば、制御部230は、NMR信号を演算し、画像処理することにより、MRI画像を生成する。制御部230は、3次元の傾斜磁場下で得られたNMR信号から計測対象20の3次元情報(例えば、計測対象20の水分子またはフリーラジカルの3次元分布等)を取得し、3次元情報に基づくMRI画像を生成してよい。制御部230は、計測対象20にESRを生じさせるので、通常のMRI画像に加えて、計測対象のESRおよびDNPを利用したMRI画像(DNP−MRI画像)を生成することができる。
制御部230は、計測対象20の計測中において、計測対象20の設置位置に対する第1磁石112および第2磁石114の位置に応じて回転軸部材140の回転速度を変化させてよい。これにより、制御部230は、第1磁石112による第1磁場と第2磁石114による第2磁場が計測対象20に与えられる時間を制御し、計測対象20のESRおよびNMRを制御することができる。制御部230による具体的な回転速度の制御の例は後述する。
また、制御部230は、異常検出部210が各種センサにより計測装置10の異常、例えば回転モジュール100等の部品の基準以上の異常変位、または基準値以上の振動等を検出したことに応じて、一対の回転ユニット110の回転を停止し、または、一対の回転ユニット110の回転速度を低下させて安全性を確保する。
表示部240は、動作中および動作前後の計測装置10に関する情報を表示する。例えば、表示部240は、制御部230が生成したMRI画像および/またはESRスペクトル等を表示してよい。また、表示部240は、回転ユニット110の回転位置および/または回転速度等を表示してよい。
このように、本実施形態の計測装置10によると、ESR用の第1磁石112およびNMR用の第2磁石114を覆って一対の回転ユニットに格納し、これを回転軸AXを中心にして非回転ユニット180に対して回転させる。従って、本実施形態の計測装置10によると、特許文献3等に示される磁石自体を回転させる従来の方法に比べて計測対象20のESR惹起およびNMR計測をより安全に実行することができる。また、計測装置10によると、回転ユニット110の回転速度を回転中に制御することにより、計測対象20にESRおよびNMRを生じさせる時間を制御することができる。なお、計測装置10は、説明した要素のいずれかを含まない構成を採りうる。例えば、計測装置10は、ローラ158および/または異常検出部210を含まなくてもよい。
図2は、上側から観察した図1の計測装置10の概略図である。図示するように筐体146は、格子状構造を形成する複数の上部フレーム148を有する。軸受部142aは、上部フレーム148の格子状構造に搭載されて固定され、回転軸部材140を上側から支持する。これにより、筐体146は、上側から回転ユニット110を保持し、計測装置10全体の安定性を向上させる。対象保護部156は、筐体146の四隅のうち非回転ユニット180が設けられていない側の支柱となるフレーム部分に固定され、当該支柱から中央部に延びるように設けられる。本実施形態に係る計測装置10においては、非回転ユニット180は計測対象20を保護することができる強度を有しているので、非回転ユニット180が設けられている側の支柱には対象保護部156を別途設けていない。
また、図2の点線で囲った領域は非回転ユニット180が位置する領域の一例を示す。非回転ユニットは、筐体146の少なくとも一つの側面側に設けられ、計測対象20が配置できるように一定の大きさを有する。一例として、非回転ユニット180は、筐体146に固定されたガイドと、計測装置10本体に対して着脱可能であって当該ガイドに嵌合してスライドされることによって計測装置10本体に取り付けられる非回転ユニット180本体とを含む。
図3は、斜め上方から観察した計測装置10の一例である。図示するように、筐体146は、外部カバー147に覆われてもよい。計測装置10の正面側における外部カバー147の一部には、計測対象20を非回転ユニット180へと導くための開口183が設けられる。例えば、計測対象20が人体の場合、計測装置10は、開口183から体の一部を非回転ユニット180に対して挿入させて当該体の一部を計測してよい。または、計測装置10は、人体等を開口183から筐体146に侵入させ非回転ユニット180の設置面に横臥させることで体全体を計測してよい。また、非回転ユニット180は、筐体146に対してスライドし、開口183を通して着脱可能とすることができる。
図4は、計測装置10の回転モジュール100の概略図である。一対の回転ユニット110のそれぞれは、相対する面を有する回転盤状である。例えば、図示するように一対の回転ユニット110のそれぞれは、略円盤状である。図4において、XY平面と平行な平面PLより上の領域が回転ユニット110aに対応し、平面PLより下の領域が回転ユニット110bに対応する。
回転ユニット110aは、ジャケット101a、第1バックヨーク102aおよび第1磁石ヨーク部103a、第2バックヨーク104aおよび第2磁石ヨーク部105a、第1ポールピース115a、第2ポールピース116a、支持プレート117a、並びに、支柱118aを更に含む。
ジャケット101aは、回転ユニット110aの第1磁石112aおよび第2磁石114aを固定した状態で収納する。ジャケット101aの具体的な構造は後述する。
第1バックヨーク102aおよび第1磁石ヨーク部103aは、第1磁石112aに隣接して設けられ、第1磁石112aの磁束を通過させる。本実施形態に係る第1バックヨーク102aおよび第1磁石ヨーク部103aは、磁路を形成すべく接しており、第1磁石ヨーク部103aが第1磁石112aの上側から第1バックヨーク102aに至るまでの間に位置して第1磁石112aの磁束を第1バックヨーク102aへと導く。そして、第1バックヨーク102aが回転軸AXに沿って形成されて、第1磁石112aからの磁束を回転ユニット110b側の第1バックヨーク102bへと導く。
第2バックヨーク104aおよび第2磁石ヨーク部105aは、第2磁石114aに隣接して設けられ、第2磁石114aの磁束を通過させる。本実施形態に係る第2バックヨーク104aおよび第2磁石ヨーク部105aは磁路を形成すべく一体に形成される。第2磁石ヨーク部105aは、ジャケット101aの上側から回転軸部材140に至る部分に形成されて第2磁石114aの磁束を第2バックヨーク104aへと導く。回転軸AXと重なる第2バックヨーク104aは、第2磁石114aの磁束を回転ユニット110b側の第2バックヨーク104bへと導く。このように、本実施形態においては、第2バックヨーク104aは、回転ユニット110aの回転軸AXと重なる支柱を含み、第1バックヨーク102aは当該支柱の外側に沿って円周の一部をなすように設けられる。
第1ポールピース115aは、ジャケット101aの開口からジャケット101aの下側へと露出する第1磁石112aにおける露出部分の縁部に設けられ、第1磁石112aの磁界が回転ユニット110aの外側へと広がるのを防ぐ。同様に、第2ポールピース116aは、ジャケット101aの開口からジャケット101aの下側へと露出する第2磁石114aにおける露出部分の縁部に設けられ、第2磁石114aの磁界が回転ユニット110aの外側へと広がるのを防ぐ。
支持プレート117aは、回転軸部材140の軸部材に対して固定され、支柱118a並びに第2磁石ヨーク部105aを介してジャケット101aを回転軸部材140に対して固定する。例えば、支持プレート117aは、ステンレスおよびアルミニウム等の剛性が高い非磁性金属材料、または十分な強度がある樹脂等の非磁性材料で形成されてよく、円盤又は多角形等の回転盤状形状を有する。1または複数の支柱118aは、ジャケット101aを支持プレート117aに対して固定するために設けられ、これによりジャケット101aを含む回転ユニット110a全体の剛性を高める。支柱118aは、支持プレート117a等と同様の材質で形成されてよく、例えば、断面がH字となるH形鋼であってよい。
なお、ジャケット101aに十分な厚みを持たせることによって剛性を十分に保つことができる場合には、回転ユニット110aに支持プレート117aおよび支柱118aを設ける必要はなく、回転軸部材140に対して直接ジャケット101aを固定してもよい。
回転ユニット110bは、ジャケット101b、第1バックヨーク102bおよび第1磁石ヨーク部103b、第2バックヨーク104bおよび第2磁石ヨーク部105b、第1ポールピース115b、第2ポールピース116b、支持プレート117b、並びに、支柱118bを更に含む。回転ユニット110bは、回転ユニット110aをXY平面に対して反転した形状であってよい。
ジャケット101bは、回転ユニット110bの第1磁石112bおよび第2磁石114bを固定した状態で収納する。ジャケット101bはジャケット101aと同様の形態を有してよい。
第1バックヨーク102bおよび第1磁石ヨーク部103bは、第1磁石112bに隣接して設けられ、第1磁石112bの磁束を通過させる。第2バックヨーク104bおよび第2磁石ヨーク部105bは、第2磁石114bに隣接して設けられ、第2磁石114bの磁束を通過させる。ここで、第1バックヨーク102b、第1磁石ヨーク部103b、第2バックヨーク104b、および第2磁石ヨーク部105bは、第1バックヨーク102a、第1磁石ヨーク部103a、第2バックヨーク104a、および第2磁石ヨーク部105aと同様の機能および構造を有するので、以下必要な場合を除いて説明を省略する。
第1バックヨーク102bは、回転ユニット110aの第1バックヨーク102aと接続されて固定されてよく、または、第1バックヨーク102aと一体化されて単一の部材を構成してよい。第2バックヨーク104bは、回転ユニット110aの第2バックヨーク104aと接続されて固定されてよく、または、第2バックヨーク104aと一体化されて単一の部材を構成してよい。これにより、回転ユニット110aおよび回転ユニット110bは、一体として回転することができる。
第1ポールピース115bは、ジャケット101bの開口からジャケット101bの上側へと露出する第1磁石112bにおける露出部分の縁部に設けられる。第2ポールピース116bは、ジャケット101bの開口からジャケット101bの上側へと露出する第2磁石114bにおける露出部分の縁部に設けられる。回転ユニット110bの第1ポールピース115bおよび第2ポールピース116b、支持プレート117b、並びに、支柱118bは、回転ユニット110aの第1ポールピース115aおよび第2ポールピース116a、支持プレート117a、並びに、支柱118aと同様に形成されてよい。
図5は、ジャケット101bを含む回転ユニット110bの一例を示す。図示するように、支持プレート117bは、支柱118b、および、第2磁石ヨーク部105bを介して、ジャケット101bの片面を支える。ジャケット101bは、第1磁石112bを収容する第1範囲111bおよび第2磁石114bを収容する第2範囲113bを有する。第1範囲111bは、回転軸AXに対して固定され、回転軸AXを中心とする円周上の領域に位置する。第2範囲113bは、回転軸AXに対して固定され、回転軸AXを中心とする円周上の第1範囲111bとは異なる領域に位置する。
回転ユニット110aにおいても、回転ユニット110bと同様に第1磁石112aに対応して第1範囲111a(不図示)が設けられ、第2磁石114aに対応して第2範囲113a(不図示)が設けられる。回転ユニット110bの第1範囲111bおよび第2範囲113bは、回転ユニット110aの第1範囲111aおよび第2範囲113aと相対する位置に設けられる。すなわち、回転ユニット110bは、回転ユニット110aを上下反転し、回転ユニット110aに対して第1磁石112および第2磁石114が向かい合うように相対させたものであってよい。
図6は、本実施形態におけるジャケット101bの一例を、図4における下方斜めから見た図を示す。ジャケット101aは、ジャケット101bと略同様の構造を採るため、必要な場合を除き以下説明を省略する。図示するようにジャケット101bは、第1開口107b、第2開口108b、および、第3開口109bが設けられた円盤であってよい。例えば、ジャケット101bは、ステンレス、アルミニウム等の剛性が高い非磁性金属、または、十分な強度のある樹脂等の非磁性材料により形成されてよい。また、ジャケット101bは、第1磁石112bおよび第2磁石114bを収納する厚みを有しており、例えば、1〜200mmの厚みであってよい。また、支持プレート117bおよび支柱118bを用いない場合には、ジャケット101bをさらに厚くしてもよい。
ジャケット101bは、計測対象20に相対する面とは反対側の面(すなわちジャケット101bにおいては図4における下側から第1磁石112bおよび第2磁石114bの少なくとも一部を第1開口107bおよび第2開口108b内へと収容する。第1開口107bは、第1磁石112bと略同寸法または第1磁石112bよりも大きい寸法を有し、第2開口108bは、第2磁石114bと略同寸法または第2磁石114bよりも大きい寸法を有する。例えば、第1開口107bは、第1磁石112bと略同形状であり、第1範囲111bに対応してよい。また、例えば、第2開口108bは、第2磁石114bと略同形状であり、第2範囲113bに対応してよい。
本実施形態に係るジャケット101bは、第1開口107bおよび第2開口108b内に、第1磁石112bおよび第2磁石114bを係止して第1磁石112bおよび第2磁石114bが計測対象20側へと抜け出るのを防止する係止部106を有する。一例として、この係止部106は、計測対象20に相対する底部側に第1開口107bおよび第2開口108bの周縁に沿って設けられた突起または段差等であり、ジャケット101bの本体部分と一体に形成される。これにより、ジャケット101bは、第1磁石112bおよび第2磁石114bの収容時の脱落を防止することができる。これに代えて、ジャケット101bは、ボルトまたは締め具等の公知の固定具により第1磁石112bおよび第2磁石114bを固定してもよい。
このように、ジャケット101bは、第1開口107bで第1磁石112bを安全に収容して固定し、回転ユニット110bの回転時に第1磁石112bが脱落等することを防ぐ。また、ジャケット101bは、第2開口108bで第2磁石114bを安全に収容して固定し、回転ユニット110bの回転時に第2磁石114bが脱落等することを防ぐ。すなわち、ジャケット101bは、第1磁石112bおよび第2磁石114bを内部に含む円盤を形成することにより、第1磁石112bおよび第2磁石114bを安全に固定する。第3開口109bは、第1バックヨーク102bおよび第2バックヨーク104bを通すことができる大きさおよび形状を有し、第1磁石112bおよび第2磁石114bの磁束を通す。
第1磁石112bは、回転軸AXに対して固定され、回転軸AXを中心とする円周上の第1範囲111bに収容される。例えば、第1範囲111bは、回転軸AXを中心とする半径rの円周上を移動した円(半径r:r<r)により形成される円弧形状(例えば、Cの字形状)であってよく、第1磁石112bは第1範囲111bの外縁の内側の全体または少なくとも一部の範囲に設けられた磁石であってよい。これにより、第1磁石112bは、回転ユニット110bの回転中、第1範囲111に対応する円弧部分が計測対象20に重なる比較的長い時間の間、静磁場を計測対象20に与えることができる。また、ジャケット101b上には、ジャケット101b全体の重さおよび/またはバランスを調節するためのスペーサ部材が配置されてもよい。
第2磁石114bは、回転軸AXに対して固定され、回転軸AXを中心とする円周上の第1範囲111bとは異なる第2範囲113bに収容される。第1範囲111bは第2範囲113bと比較して円周上の範囲が広くてよい。例えば、第2範囲113bは、半径r(r<r)の円形状であってよく、第2磁石114bは第2範囲113bの外縁に沿った枠形状の磁石であってよい。これにより、第2磁石114bは、回転ユニット110bの回転中、円が計測対象20に重なる比較的短い時間の間、静磁場を計測対象20に与えることができる。また、ジャケット101b上には、ジャケット101b全体の重さおよび/またはバランスを調節するためのスペーサ部材が配置されてもよい。
なお、第1磁石112bおよび第2磁石114bは図6とは異なる形状であってよい。例えば、第1磁石112bが円形状で第2磁石114bが円弧形状、両方とも円形状、または、両方とも円弧形状であってもよい。
また、回転ユニット110bは、第1磁石112bおよび第2磁石114bにおける計測対象20側に、補正用の1または複数個の磁性体または磁石を適切な位置に張り付けた構成を採りうる。これにより、回転ユニット110bは、計測対象20に対してより均一な静磁場を提供することができる。
なお、回転ユニット110a〜bは、ジャケット101a〜bにおける計測対象20側に相対する面側を、例えばアクリル板等の非磁性材料であって好ましくは非導電性のカバーにより覆う構成を採用してもよい。
ここで、回転ユニット110a〜bの少なくとも一方は、第1範囲111の回転方向における先頭おける末尾および第2範囲113の回転方向における先頭および末尾において、位置検出用のセンサまたは計測装置10本体側に設けられたセンサによって検出されるべき被検出ユニットを有してもよい。これにより、制御部230は、回転ユニット110における第1範囲の先頭/末尾および第2範囲の先頭/末尾が基準位置(例えば、非回転ユニット180上の所定位置)に達したタイミングでトリガ信号を受け取って、当該トリガ信号を用いて回転速度を変更することができる。
図7は、本実施形態における計測装置10の処理フローの一例を示す。計測装置10は、S700〜S770の処理を実行することにより、計測対象20を計測する。本実施形態において、計測装置10は、DNP−MRI画像を生成するDNP−MRIモードおよび電子スピン共鳴の惹起を伴わないMRI画像を生成するMRIモードの2種類の動作モードを有する。
DNP−MRIモードにおいては、回転モジュール100を回転させながら計測対象20に第1磁場を与えて電子スピン共鳴の惹起した後に第2磁場を与えて核磁気共鳴を計測する動作を繰り返す(S715〜S755)。DNP−MRIモードにおいては、制御部230は、計測対象20の計測中において、計測対象20の設置位置に対する第1磁石112および第2磁石114の位置に応じて回転軸部材140の回転速度を変化させる。
MRIモードにおいては、回転モジュール100を停止させて計測対象20に第2磁場を与えて核磁気共鳴を計測する(S765〜S770)。
まず、S700において、計測装置10は、初期化処理を行う。例えば、計測装置10は、電源投入処理、制御部230の起動処理、計測に必要となる規定パラメータの読み込み、異常が発生していないことのチェック、回転モジュール100の初期位置の検出または初期位置への移動、並びに、回転速度および各種コイルの磁場のキャリブレーション等を行う。本実施形態に係る計測装置10の制御部230は、規定パラメータの一部として、回転モジュール100において第1磁石112が設けられた第1範囲における開始角度から終了角度までの第1角度範囲、第2磁石114が設けられた第2範囲における開始角度から終了角度までの第2角度範囲、第1範囲の終了角度から第2範囲の開始角度までの第1遷移期間の第1遷移角度範囲、第2範囲の終了角度から第1範囲の開始角度までの第2遷移期間の第2遷移角度範囲を規定パラメータとして読み込む。
S705において、制御部230は、入力部220を介して計測装置10のユーザまたはオペレータから、今回の計測に用いる計測パラメータを入力して動作設定を行う。これに代えて、計測装置10は、外部のコンピュータ等に予め格納された計測パラメータをネットワークを介して受け取って動作設定を行ってもよい。
本実施形態に係る制御部230は、計測パラメータの一例として、DNP−MRIモードおよびMRIモードのいずれで計測をするかのモード設定を取得する。また、DNP−MRIモードにおいては、制御部230は、計測対象20に第1磁場を与える期間(以下「ESR期間」と示す。)における回転モジュール100の回転速度を定めるためのESR期間設定と、計測対象20に第2磁場を与える期間(以下「NMR期間」と示す。)における回転モジュール100の回転速度を定めるためのNMR期間設定と、ESR期間およびNMR期間の間の遷移期間における回転モジュール100の回転速度を定めるための遷移期間設定とを取得する。
制御部230は、ESR期間、NMR期間、および遷移期間を決定するための計測パラメータを様々な形式で受け取ってよい。例えば、制御部230は、ESR期間の第1回転速度(例えば角速度)、ESR期間からNMR期間へと遷移する第1遷移期間の第2回転速度、NMR期間の第3回転速度、NMR期間からESR期間へと遷移する第2遷移期間の第4回転速度を直接受け取ることができる。
これに代えて、制御部230は、計測すべき組成物の種類を計測パラメータとして受け取ることもできる。例えば、制御部230は、計測すべき組成物の種類と、その組成物の場合に必要となるESR期間、NMR期間、第1遷移期間、および第2遷移期間との対応関係を予めテーブルとして格納しておき、指定された組成物の種類に応じて当該テーブルを参照してESR期間、NMR期間、および遷移期間の長さを定めることができる。そして、制御部230は、ESR期間の間に第1角度範囲分を回転させる回転速度を算出してESR期間の第1回転速度とし、第1遷移期間の間に第1遷移角度範囲分を回転させる回転速度を算出して第1遷移期間の第2回転速度とし、NMR期間の間に第2角度範囲分を回転させる回転速度を算出してNMR期間の第3回転速度とし、第2遷移期間の間に第2遷移角度範囲分を回転させる回転速度を算出して第2遷移期間の第4回転速度とする。なお、NMR期間の終了後ESR期間を開始するまでの第2遷移期間については、組成物の種類に応じて決定する必要性は低いので、組成物の種類によらず一定としてもよい。
更に、制御部230は、計測すべき組成物の種類に応じてESR期間中に静磁場調整部190内の静磁場調整用コイルから発生すべき磁界の大きさを示す計測パラメータを受け取る。ここで制御部230は、計測すべき組成物の種類に応じて静磁場調整用コイルから発生すべき磁界の大きさも、上記のテーブルに予め保持しておき、このテーブルから取得することもできる。
なお、計測すべき組成物の種類が複数である場合、制御部230は、複数種類の組成物のそれぞれに応じたESR期間設定、NMR期間設定、遷移期間設定、および静磁場調整用コイルが発生すべき磁界の大きさを取得する。
またS705において、計測対象20が非回転ユニット180に設置される。計測装置10が計測対象20のDNP−MRI画像を生成する場合、計測対象20に予め標識試料を導入してもよい。例えば、計測対象20に対し、検出に用いるためのラジカルを導入する。これにより、計測装置10は、生体等を計測対象20とした場合に生体内の酸化還元代謝をリアルタイムで計測し、画像解析をすることができる。
S710において、制御部230は、DNP−MRIモードおよびMRIモードのいずれが指定されたかを判断する。DNP−MRIモードが指定されていた場合、制御部230は、回転軸部材140を回転させて、回転ユニット110をDNP−MRIモード用の初期位置(計測スタート位置)に配置する。例えば、計測装置10は、ESR用の第1磁石112aが配置される第1範囲が、回転方向において非回転ユニット180の直前となる位置に配置する。
図8は、S710においてDNP−MRIモードの動作開始前における計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。本図においては、回転ユニット110a(および回転ユニット110b)が一例として時計回りに回転し、計測対象20を設置した非回転ユニット180が回転ユニット110の図面上側に配置される。この場合、制御部230は、計測対象20の左側に第1範囲111aの右端部が配されるように回転ユニット110の位置を制御する。制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより回転ユニットの位置が正しくセットされたことを検出した後、回転ユニット110を一旦停止してよく、これに代えて回転を続けて連続的に次の処理(S715の処理)を行ってもよい。
これに対し、MRIモードの場合、制御部230は、処理をS765へと進める。
次に、S715において、制御部230は、回転軸部材140および回転ユニット110の回転速度を、第1磁石112により発生された第1磁場が計測対象20に与えられている間の第1回転速度に変更する。これにより、制御部230は、ESR用に設定された第1回転速度で回転ユニット110を回転させる。制御部230は、計測対象20が第1範囲111に重なる間、回転ユニット110を第1回転速度で等速回転させてよい。
図9は、S715における計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。例えば、制御部230は、計測対象20が第1範囲111に重なる状態において駆動部170の回転速度を制御して回転ユニット110を第1回転速度で時計回りに回転させる。第1回転速度については後述する。
S715と同時またはS715と前後して、S720において、制御部230は、静磁場調整部190を制御して、静磁場調整用コイルからS705において定められた磁界を発生させることにより、ESR期間における第1磁場の強度を変更する。これにより、制御部230は、計測すべき組成物(例えばラジカル種)に応じて静磁場の強度を変化させて、そのラジカル種に応じた共鳴点を設定し、その結果として計測対象20に含まれるラジカル種を特定可能とすることができる。
複数種類の組成物を計測する場合において、制御部230は、今回のNMR計測(S745)において計測すべき組成物に応じて静磁場調整用コイルから発生させる磁場の強度を変える。これにより、制御部230は、S715〜S755までの繰り返しに伴って、静磁場調整用コイルから発生させる磁場の強度を変えながら、第1磁場を複数回計測対象20に与えることができる。
S715およびS720に伴って、S725において、計測装置10は、計測対象20の電子スピン共鳴(ESR)を生じさせる。例えば、制御部230は、計測対象20が第1範囲111に重なっているESR期間において、コイル部184のESR用コイル部から計測対象20に所定の電磁波を照射し、計測対象20に動的核偏極(DNP)を惹起させる。一例として、第1磁石112等の第1磁場が0.005Tである場合、制御部230は、ESR用コイル部から組成物の種類に応じて130〜150MHzの電磁波を照射する。ここで、制御部230は、計測対象20が第1磁場を通過する間の期間の一部でコイル部184の発振を中止して、S25におけるESR惹起の時間を調整してもよい。
制御部230は、第1遷移期間となり計測対象20が第1範囲111と重ならなくなると処理をS730に進める。例えば、制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより計測対象20が第1範囲111と重ならなくなったことを検出した後、処理をS730に進めてよい。
S730において、計測装置10は、回転ユニット110の回転速度を、第1磁石112が計測対象20と相対しなくなってから第2磁石114が計測対象20と相対するまでの第1遷移期間(すなわち、計測対象20に与える磁場が第1磁場から第2磁場に切り替わる間)に対して決定された第2回転速度に変更する。これにより、制御部230は、第1遷移期間用に設定された第2回転速度で回転ユニット110を回転させる。第2回転速度については後述する。
図10は、S730における計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。例えば、制御部230は、計測対象20が第1範囲111aに重なる状態から抜けた後、第2範囲113aに重なるまでの間、駆動部170等を制御して回転ユニット110を第2回転速度で時計回りに回転させる。例えば、制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより計測対象20が第2範囲113aと重なり始めたことを検出するまでの間、回転ユニット110を第2回転速度で回転させてよい。
S730と同時または前後して、S735において、制御部230は、傾斜磁場発生部188の静磁場調整用コイルからの磁場の発生を停止することによって、静磁場変更を停止する。
次に、S740において、計測装置10は、回転ユニット110の回転速度を、第2磁石114により発生された第2磁場が計測対象20に与えられているNMR期間の第3回転速度に変更する。これにより、制御部230は、NMR用に設定された第3回転速度で回転ユニット110を回転させる。制御部230は、計測対象20が第2範囲113に重なる間、回転ユニット110を第3回転速度で等速回転させてよい。第3回転速度については後述する。
図11は、S740における計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。例えば、制御部230は、計測対象20が第2範囲113aに重なり始めるとき、駆動部170等を制御して回転ユニット110を第3回転速度で時計回りに回転させる。一例として、制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより計測対象20が第2範囲113aと重なり始めたことを検出した後、S740の処理を開始してよい。
S740に伴って、S745において、計測装置10は、計測対象20の核磁気共鳴を生じさせる。例えば、制御部230は、計測対象20が第2範囲113に重なっている間に、傾斜磁場発生部188から所定の傾斜磁場を生成し、コイル部184のRFコイルから計測対象20に所定の電磁波を照射し、計測対象20にNMRを生じさせる。一例として、第2磁石114等の第2磁場が0.3Tである場合、制御部230は、RFコイルから約13MHzの電磁波を照射してよい。
計測部200は計測対象20からのNMR信号をコイル部184のRFコイルにより受信し、制御部230に供給する。制御部230は、NMR信号に基づいて計測対象20のMRI画像を生成していく。これにより、制御部230は、計測対象20に複数回第1磁場を与えるのに伴い、第1磁場を与えた後に毎回第2磁場を計測対象20に与えて計測対象20を計測することができる。ここで、計測対象20の原子核スピンにはS725におけるESRの惹起により動的核偏極が惹起されている。この結果、制御部230は、動的核偏極が惹起された原子核スピンからの共鳴信号を含むMRI画像(DNP−MRI画像)を生成していくことができる。
DNP−MRI画像には、不対電子の電子スピンの分布情報が含まれる。従って、制御部230は、DNP−MRI画像において、計測対象20の不対電子を含むフリーラジカルの分布を示すことができる。なお、制御部230は、S725におけるESR用コイル部からの電磁波照射を省略することにより、ESRからのエネルギー遷移を伴わない、計測対象20の水分子分布等を示すDNPを伴わないMRI画像を生成することもできる。また、制御部230は、DNP−MRI画像からDNPを伴わないMRI画像の差分をとった画像を生成することで計測対象20の不対電子を含むフリーラジカルの分布をより強調した画像を生成してもよい。
計測対象20が第2範囲113と重なる間、複数のスライスのMRI画像を生成してよい。例えば、制御部230は、第2範囲113において第2磁石114が計測対象20と1回相対する間に、計測対象20に与える電磁波の傾斜磁場を切り換えながら計測部200に複数(例えば、2〜10回)の計測を行わせ、計測結果に基づいて複数のMRI画像を生成してよい。制御部230は、複数のスライスのMRI画像を生成することにより、効率よく計測対象20のMRI画像を生成していくことができる。
次に、S750において、計測装置10は、回転ユニット110の回転速度を、第2磁石114が計測対象20と相対しなくなってから第1磁石112が計測対象20と相対するまでの第2遷移期間(すなわち、計測対象20に与える磁場が第2磁場から第1磁場に切り替わる間)に対する第4回転速度に設定する。これにより、制御部230は、第2遷移期間用に設定された第4回転速度で回転ユニット110を回転させる。第4回転速度については後述する。
図12は、S750における計測装置10の回転ユニット110aの位置を示す概略図である。例えば、制御部230は、計測対象20が第2範囲113aに重なる状態から外れた後、第1範囲111aに重なるまでの間、駆動部170等を制御して回転ユニット110を第4回転速度で時計回りに回転させる。一例として、制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより計測対象20が第1範囲111aと重なることを検出するまでの間、回転ユニット110を第4回転速度で回転させてよい。
次に、S755において、制御部230は、計測対象20の計測を終了するか判断する。例えば、制御部230は、計測すべき組成物の各種類について予め定められた枚数のMRI画像を生成したか、計測対象20の予め定められた領域の計測が終了したか、計測を開始してから予め定められた時間が経過したか、等の予め設定された終了条件が成立したかどうかを判断する。
制御部230は、計測を終了しないと判断する場合は、処理をS715へと戻してS715〜S750の処理を繰り返す。制御部230は、計測対象20が第1範囲111に再び重なる状態からS715の処理を開始する。ここで、計測すべき組成物が複数種類ある場合には、制御部230は、次の組成物を計測すべく当該組成物に対応づけられた第1〜4回転速度および静磁場の強度を用いてS715〜S750の処理を行う。また、制御部230は、計測対象20の複数スライスのMRI画像を生成するために、S745で計測対象20に与える傾斜磁場を変えてS715〜S750の処理を行う。
計測を終了する場合、制御部230は、回転ユニット110の回転を速やかに停止させる。ここで制御部230は、駆動部170を制御して、第2磁石114を予め設定された位置へと移動させてよい。例えば、制御部230は、回転ユニット110の第1磁石112および第2磁石114が、計測対象20側から離れた位置となる状態で回転を停止してよい。特に計測対象20または作業者から磁力の強い第2磁石114を最も離して回転を停止させることで、計測対象20等の安全を確保することができる。
S755において計測を終了させると、制御部230は、S760において、計測の結果生成されたMRI画像を表示部240へと表示させる。制御部230は、入力部220を介してユーザまたはオペレータの操作を受け取り、操作に応じてMRI画像の拡大・縮小、コマ送り、スライス方向の変更、および、画像フィルタ処理等の各種の表示処理を行う。また、制御部230は、生成されたMRI画像を内部またはネットワークを介した記憶装置に格納する。
S710においてMRIモードが指定されていたと判断した場合、制御部230は、処理をS765に進める。S765において、制御部230は、第2磁石114a〜bが計測対象20に相対するように回転モジュール100を回転させる。そして、制御部230は、計測対象20に第2磁場を与えた状態で、回転モジュール100の回転を停止させる。例えば、制御部230は、駆動部170の回転角度センサにより計測対象20が第2範囲113aに重なることを検出した状態で、回転モジュール100の回転を停止してよい。
S770において、制御部230は、傾斜磁場を変えながら、計測対象20の複数スライスについてのNMR信号を収集し、MRI画像を生成していく。すなわち、制御部230は、計測箇所に応じた傾斜磁場を生成し、コイル部184から計測対象20に所定の電磁波を照射して計測対象20にNMRを生じさせる。次に、制御部230は、コイル部184のRFコイルからのNMR信号を計測部200を介して受け取り、NMR信号に基づいて計測対象20のMRI画像を生成していく。制御部230は、回転モジュール100の回転を停止させて計測対象20が第2磁場内にある状態でこの処理を繰り返して、MRI画像を生成する。MRI画像を生成し終えると、制御部230は、処理をS760へと進める。
ここで、以上に示した処理フロー中における、制御部230による回転軸部材140の回転速度の制御について説明を加える。以上に示したように、制御部230は、第1〜4回転速度の少なくとも1つを他と異なるように制御する。これにより、制御部230は、回転ユニット110が回転軸部材140を中心に1回転する間に、計測対象20と回転ユニット110の位置関係に応じて回転速度(すなわち、角速度)を変化させることにより、計測すべき組成物の種類や測定時間の制約に合わせて、計測対象20の最適な計測を実現することができる。
例えば、制御部230は、MRI処理時の第3回転速度を、ESR処理時の第1回転速度よりも低くしてよい。これにより、制御部230は、MRI処理時の磁場変動によるノイズを低減し、かつ、計測対象20が第2磁場にある時間を延長することでより多数のスライスの計測を安定的に行うことができる。
また、例えば、制御部230は、遷移期間の少なくとも一部において、計測対象20に第1磁石112が相対する期間または第2磁石114が相対する期間と比較して回転軸の回転速度を高めてよい。一例として、制御部230は、遷移期間の少なくとも一部において、第2回転速度および/または第4回転速度を第1回転速度および/または第3回転速度に対して高めてよい。制御部230は、遷移期間が0.3秒以下となるように第2回転速度および第4回転速度を制御してよい。
これにより制御部230は、回転モジュール100の回転をESR用の第1範囲111からNMR用の第2範囲113に素早く進め、および/または、回転モジュール100の回転をMRI用の第2範囲113からESR用の第1範囲111に素早く進めることができる。このため、計測装置10は、例えば、ESRにより計測対象20の電子スピン励起後、緩和時間が経過する前にNMRの計測を開始することができる。
また、制御部230は、第1磁石112(または第2磁石114)が計測対象20と相対しない状態から第2磁石114(または第1磁石112)が計測対象20と相対するまでの予め定められた期間の範囲内における回転軸部材140の回転速度である第2回転速度および第4回転速度を、第1回転速度および第3回転速度によらず予め定められた上限値以下に制限してよい。
一例として、制御部230は、第3回転速度<第1回転速度<第2回転速度,第4回転速度、第1回転速度<第3回転速度<第2回転速度,第4回転速度、または、第1回転速度=第3回転速度<第2回転速度,第4回転速度となるように各回転速度を設定してよい。一例として、第1〜4回転速度は、ESR惹起からNMR計測までの目標時間、およびNMRの緩和時間等に合わせて0.5〜0.12RPS等に設定される。
制御部230は、計測すべき組成物の種類に応じて、ESR用の第1回転速度および/またはMRI用の第3回転速度を設定してよい。すなわち、計測対象20に含まれる組成物中のフリーラジカル種の種類により不対電子の電子スピン分布の性質が異なる。従って、制御部230は、計測対象20の組成物の種類に応じて第1回転速度および/または第3回転速度を制御することで、適切な時間ESRおよび/またはNMRを生じさせることができる。
また、制御部230は、計測対象20の種類に応じて第1回転速度および/または第3回転速度を設定してよい。例えば、制御部230は、計測対象20の大きさ、素材、生物の種別、および/または、臓器の種別等に応じて第1回転速度および/または第3回転速度を設定する。
また、制御部230は、処理の途中で回転ユニット110の回転を適宜停止させてよい。例えば、制御部230は、S210のNMR計測中に回転を一時的に中止してもよい。この場合、第3回転速度は0となる。これに加えて/代えて、制御部230は、処理の途中で回転ユニット110の回転を適宜回転と停止を適宜繰り返してもよい。例えば、制御部230は、S210のNMR計測中に回転の停止(第3a回転速度=0)と回転の再開(第3b回転速度>0)を繰り返すことにより、少しずつ回転位置を変えながら複数のスライスのNMR計測を行ってよい。
このように計測装置10によると、制御部230が駆動部170を制御することにより、回転ユニット110の回転速度を制御する。これにより、計測装置10によると、計測対象20にESRおよびNMRをそれぞれ生じさせる時間、ESR惹起からNMR計測への遷移時間、および、NMR計測から再びESR惹起に遷移する時間を制御することができる。これにより、例えば、計測装置10によるとDNPによるNMR惹起の減殺を抑えてNMR計測をすることができ、NMR計測において所望の数のスライスの計測をすることができる。従って、計測装置10によると、計測装置10の計測精度及計測効率を向上させることができる。
図13は、図7の処理フロー実行時の制御部230による回転速度の制御の一例を示す。例えば、制御部230は、まず1回転目で回転ユニット110を静止状態(回転速度0)から第1回転速度で回転させ、S725でESRを実行する。次に、制御部230は、回転速度を第1回転速度よりも高速な第2回転速度に上げ、計測対象20がESR用の第1範囲111からNMR用の第2範囲113へと位置するように遷移させる(S730)。次に、制御部230は、第1回転速度よりも低速な第3回転速度に減速させ、S745でNMR計測を実行する。次に、制御部230は、回転速度を第1回転速度および第3回転速度よりも高速な第4回転速度に上げ、計測対象20がMRI用の第2範囲113からESR用の第1範囲111へと位置するように遷移させる(S750)。
また、図13では、制御部230が回転ユニット110を予め定められた範囲において等速回転および等角加速度回転させる例を示した。すなわち、本例では、回転ユニット110は、離散的に角加速度を変化させて第1〜第4回転速度を実現したが、制御部230は回転ユニット110に連続的な角加速度を与えて、第1〜第4回転速度を各期間内で変化させてよい。これにより、計測装置10は、より滑らかな回転速度の変化を回転ユニット110に与え、急な回転速度変化による磁場の歪みを低減することができる。また、回転モジュール100における第1遷移角度範囲および第2遷移角度範囲が小さい場合には、本図のように遷移期間中の第2、4回転速度をESR期間およびNMR期間中の第1、3回転速度よりも高くするのではなく、第1回転速度および第3回転速度の間で線形的またはなめらかに回転速度を変化させてもよい。
このように、計測装置10は、制御部230により、回転ユニット110が搭載する磁石の特性、および、計測対象20の種類(例えば、計測対象20に含まれるラジカルの種類および/または組成物に応じた緩和時間等)に応じて、回転速度を適宜調整することができる。
図14は、本実施形態の変形例に係る計測装置30を示す。本変形例において回転軸部材340は、略水平方向に設けられてよい。回転モジュール300は、回転軸AXを構成する回転軸部材340と共に回転する一対の回転ユニット310aおよび回転ユニット310b(以下、適宜「回転ユニット310」と総称する。)を有する。回転ユニット310は、回転ユニット110と同様にESR用の第1磁石が内部に配置される第1範囲312、および、NMR用の第2磁石が内部に配置される第2範囲314を有する。
本変形例において、非回転ユニット380は、回転軸AXよりも上側に設けられてよい。例えば、図示するように非回転ユニット380を、回転軸AXの上側に、主面が回転軸AXと平行になるように配置し、この上に計測対象20を配置してよい。これに代えて、非回転ユニット380は、回転軸AXの横側に設けられてもよい。例えば、非回転ユニット380は、回転軸AXの手前側に、主面が回転軸AXと平行になるように置かれてよい。
非回転ユニット380における計測対象20の設置面は、例えば、測定が行われる建物/部屋の床と一体となるように設けられてよい。これにより、計測装置30は、回転軸部材340を含む駆動部分を床下に収納し、計測対象20を床の上または床の上の検査台等に設置して測定することができる。
本変形例に係る計測装置30は、非回転ユニット380の設置面下に一対の回転ユニット310に回転可能に接続されたローラ350を備えてよい。ローラ350は、回転軸部材140の回転に代えて/加えて回転ユニット310に回転力を付与することができる。計測装置30は、回転ユニット310のそれぞれに対して、2以上のローラを設けてもよい。
本変形例によると、計測対象20の上部に回転する回転ユニット110aが配置されることがないので、計測対象20の計測時の圧迫感を軽減し、計測装置30の安全性を更に向上させることができる。
本実施形態の計測装置10および変形例の計測装置30(以下、「計測装置10等」と総称する。)は、更にヒーターを備えてよい。例えば、制御部230はヒーターを制御して回転ユニット110および回転ユニット310(以下、「回転ユニット110等」と総称する。)の内部の各磁石の温度を制御する。これにより、計測装置10等は、各磁石による静磁場の強さを微調整することができる。
また、計測装置10等は、複数の非回転ユニット180を有してもよい。例えば、計測装置10等は、複数セットのコイル部184、および、傾斜磁場発生部188等を有し、これらを回転軸AX等に対して異なる位置に配置してよい。これにより、計測装置10等は、複数の計測対象20を同時に計測することができ、計測の効率を向上させることができる。
また、これに加えて/これに代えて、計測装置10等は、回転ユニット110等において各種類の磁石を複数有してもよい。例えば、回転ユニット110等は、1対のESR用の磁石およびMRI用の磁石のセットを複数有し、または、ESR用の磁石およびMRI用の磁石の一方を複数有してもよい。これにより、計測装置10等は、回転速度を低減してよりノイズの少ない計測を実現することができる。
より具体的には、回転ユニット110等は、回転軸AX等を中心とする円周上に複数の第1磁石112および複数の第2磁石114が交互に設けられた構造を採ることができる。この場合、制御部230は、1回転中に複数回のESR惹起およびNMR計測を行うことができる。また、複数種類の組成物を計測する場合においては、制御部230は、回転ユニット110等が1回転する間に、複数の第1磁石112の少なくとも2つが計測対象20に相対する間に静磁場調整用コイルから互いに異なる強度の磁場を発生させ、少なくとも2つの第1磁石112に後続する少なくとも2つの第2磁石114が計測対象20に相対する間に計測対象20を計測する。これにより、計測装置10は、回転ユニット110の1回転中に2以上の組成物のそれぞれについて計測を行うことができる。
また、以上に示した実施形態においては、静磁場調整部190は、計測対象20に第1磁場を与える際に静磁場の強度を変更するために用いられ、計測対象20に第2磁場を与える際には磁場の発生を停止している。これに代えて、静磁場調整部190は、回転ユニット110等の回転に伴って第1磁場および第2磁場の少なくとも一方が変動してしまう場合に、この変動を抑えるべく、制御部230の制御を受けて、回転ユニット110等の回転角に応じた補正磁場を発生するためにも用いることも可能である。制御部230は、キャリブレーション動作等または人手による測定等により計測した回転ユニット110等の回転角毎の補正量を記憶しておき、この補正量に応じて静磁場調整部190を制御する。
また、計測装置10は、第1磁石112をESR惹起用に限らず、複数の磁石の磁場強度差による緩和時間の差を利用した緩和度イメージングに用いてよい。例えば、計測装置10は、まず磁場強度が異なる第1磁石112による第1磁場を計測対象20に与え、次に第2磁石114による第2磁場を計測対象20に与えた状態でMRI計測を行い、生体内の組織の種類により緩和時間差が異なることを利用して、生体内の癌等の異常が他の正常な組織から区別可能な画像を生成する。
本実施形態及び変形例では、計測装置10等が回転軸AXと重なる回転軸部材140等を備え、回転軸部材140を介して回転ユニット110を一括して駆動する実施形態について説明した。ここで、計測装置10等が回転軸AXと重なる回転軸部材140等を備えない場合、計測装置10等は、回転軸部材140等の代わりにローラ158等により一対の回転ユニット110a〜bを回転が同期するように個別に駆動してもよい。これにより、計測装置10等は、一対の回転ユニット110a〜bの間により広い計測空間を確保することができる。
図15は、計測装置10等の少なくとも一部(主に制御部230)として機能するコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、および表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、およびCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070を有するレガシー入出力部を備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000およびグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010およびRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。
グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示部240を介して表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、有線または無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。
また、通信インターフェイスは、計測装置10等における通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラムおよびデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、および/または、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続するとともに、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
計測装置10等用のプログラムは、計測モジュールと、入力モジュールと、制御モジュールと、表示モジュールとを備える。
これらのプログラムまたはモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、計測部200と、入力部220と、制御部230と、表示部240の少なくとも一部としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である計測部200と、入力部220と、制御部230と、表示部240の少なくとも一部として機能する。
そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算または加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の計測装置10等が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。
通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、またはCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。
このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置または通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030または記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。
そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。
本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、および/または記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。
例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすか否かを判断し、条件が成立した場合(または不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
以上に示したプログラムまたはモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVDまたはCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 計測装置、20 計測対象、30 計測装置、100 回転モジュール、101a〜b ジャケット、102a〜b 第1バックヨーク、103a〜b 第1磁石ヨーク部、104a〜b 第2バックヨーク、105a〜b 第2磁石ヨーク部、106 係止部、107b 第1開口、108b 第2開口、109b 第3開口、110a〜b 回転ユニット、111a〜b 第1範囲、112a〜b 第1磁石、113a〜b 第2範囲、114a〜b 第2磁石、115a〜b 第1ポールピース、116a〜b 第2ポールピース、117a〜b 支持プレート、118a〜b 支柱、140 回転軸部材、142a〜b 軸受部、146 筐体、147 外部カバー、148 上部フレーム、150 支柱、152 基台、156 対象保護部、158 ローラ、160 動力伝達部、170 駆動部、180 非回転ユニット、183 開口、184 コイル部、188 傾斜磁場発生部、190 静磁場調整部、200 計測部、210 異常検出部、220 入力部、230 制御部、240 表示部、300 回転モジュール、310a〜b 回転ユニット、312 第1範囲、314 第2範囲、340 回転軸部材、350 ローラ、380 非回転ユニット、1900 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フレキシブルディスク・ドライブ、2060 CD−ROMドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フレキシブルディスク、2095 CD−ROM

Claims (14)

  1. 回転軸を中心とする円周上の第1範囲に設けられた第1磁石と、
    前記回転軸を中心とする前記円周上の前記第1範囲とは異なる第2範囲に設けられた第2磁石と、
    前記第1磁石および前記第2磁石を前記回転軸を中心として回転させる駆動部と、
    前記第1磁石および前記第2磁石の回転に伴って前記第1磁石により発生された第1磁場および前記第2磁石により発生された第2磁場のそれぞれが与えられる設置位置に置かれた計測対象を計測するための計測部と、
    前記計測対象の計測中において、前記設置位置に対する前記第1磁石および前記第2磁石の位置に応じて前記第1磁石および前記第2磁石の回転速度を変化させる制御部と、
    を備える計測装置。
  2. 前記制御部は、前記第1磁石により発生された前記第1磁場が前記計測対象に与えられている間の第1回転速度を、前記第2磁石により発生された前記第2磁場が前記計測対象に与えられている間の第2回転速度と異なる速度に設定する請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記制御部は、計測すべき組成物の種類に応じて前記第1回転速度および前記第2回転速度の少なくとも一方を設定する請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記第1磁石は前記第2磁石よりも弱く、
    前記制御部は、前記第2回転速度を、前記第1回転速度よりも低くする
    請求項2または3に記載の計測装置。
  5. 前記第1磁場は、前記計測対象の電子スピン共鳴を惹起するためのものであり、
    前記第2磁場は、前記計測対象の核磁気共鳴を惹起するためのものであり、
    前記計測部は、前記第1磁場により電子スピン共鳴が惹起され、前記第2磁場により核磁気共鳴が惹起された状態で前記計測対象を計測する請求項2から4のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 前記制御部は、計測すべき組成物の種類に応じて前記第1磁場を前記計測対象に与えてから前記第2磁場を前記計測対象に与えるまでの時間を設定する請求項1から5のいずれか1項に記載の計測装置。
  7. 前記制御部は、前記第1磁石が前記計測対象と相対しなくなってから前記第2磁石が前記計測対象と相対するまでの遷移期間の少なくとも一部において、前記計測対象に前記第1磁石または前記第2磁石が相対する期間と比較して前記回転速度を高める請求項1から6のいずれか一項に記載の計測装置。
  8. 前記制御部は、前記第1磁石が前記計測対象と相対しない状態から前記第2磁石が前記計測対象と相対するまでの予め定められた期間の範囲内における前記回転速度を、前記計測対象に前記第1磁場および前記第2磁場のそれぞれが与えられる期間における前記回転速度によらず予め定められた上限値以下に制限する請求項1から7のいずれか一項に記載の計測装置。
  9. 前記計測部は、前記第2磁石が前記計測対象と1回相対する間に、前記計測対象に与える電磁波の周波数および傾斜磁場の少なくとも一方を切り換えながら複数の計測を行う請求項1から8のいずれか一項に記載の計測装置。
  10. 前記設置位置に対して予め定められた位置に設けられ、前記第1磁石および前記第2磁石が前記計測対象に対して与える前記第1磁場および前記第2磁場の少なくとも一方の静磁場の強度を変えるための静磁場調整用コイルを更に備え、
    前記制御部は、前記計測対象に前記第1磁場および前記第2磁場のいずれが与えられているかに応じて前記静磁場調整用コイルが発生する磁場の強度を変更する
    請求項1から9のいずれか一項に記載の計測装置。
  11. 前記第1磁場は、前記計測対象の電子スピン共鳴を惹起するためのものであり、
    前記第2磁場は、前記計測対象の核磁気共鳴を惹起するためのものであり、
    前記制御部は、前記計測対象に前記第1磁場が与えられている場合に、計測すべき組成物に応じた強度の磁場を前記静磁場調整用コイルから発生させる
    請求項10に記載の計測装置。
  12. 複数種類の組成物を計測する場合において、前記制御部は、計測すべき組成物に応じて前記静磁場調整用コイルから発生させる磁場の強度を変えながら前記第1磁場を複数回前記計測対象に与え、前記第1磁場を与えた後に毎回前記第2磁場を前記計測対象に与えて前記計測対象を計測する請求項11に記載の計測装置。
  13. 回転ユニットに、前記回転軸を中心とする円周上に複数の前記第1磁石および複数の前記第2磁石が交互に設けられており、
    複数種類の組成物を計測する場合において、前記制御部は、
    前記回転ユニットが1回転する間に、前記複数の第1磁石の少なくとも2つが前記計測対象に相対する間に前記静磁場調整用コイルから互いに異なる強度の磁場を発生させ、
    少なくとも2つの前記第1磁石に後続する少なくとも2つの前記第2磁石が前記計測対象に相対する間に前記計測対象を計測する
    請求項11または12に記載の計測装置。
  14. 回転軸を中心とする円周上の第1範囲に設けられた第1磁石と、
    前記回転軸を中心とする前記円周上の前記第1範囲とは異なる第2範囲に設けられた第2磁石と、
    前記第1磁石および前記第2磁石を前記回転軸を中心として回転させる駆動部と、
    前記回転軸を中心とする前記円周上の前記第1範囲とは異なる第2範囲に設けられた第2磁石と、を備える計測装置による計測方法であって、
    前記第1磁石および第2磁石の回転に伴って前記第1磁石により発生された第1磁場および前記第2磁石により発生された第2磁場のそれぞれが与えられる設置位置に置かれた計測対象を計測する計測段階と、
    前記計測対象の計測中において、前記設置位置に対する前記第1磁石および前記第2磁石の位置に応じて前記第1磁石および第2磁石の回転速度を変化させる制御段階と、
    を備える計測方法。
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