JP2018120080A - 調光フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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裕介 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】一度構成した調光フィルムを解体することなく、電極フィルムの一部を剥離する精度の高い工程や、調光層を有機溶剤で除去する工程を必要とせずに形成された給電部構造を備える調光フィルム、及びその製造方法を提供すること。【解決手段】調光フィルムの少なくとも1辺の端部には調光層が存在せず、かつ前記調光層が存在しない領域では、基材部と導電層からなる導電性テープの少なくとも導電層が導電性粘着層を介して前記調光層の第1及び第2の面側の透明導電膜と貼合しており、かつ前記導電性テープの導電層が、調光層の第1の面側の透明導電膜と貼合する領域と、調光層の第2の面側の透明導電膜と貼合する領域とは平面視で重ならず、かつ導電性テープは調光フィルムの端部から舌片状に延出して給電部を形成している調光フィルムとする。【選択図】図3

Description

本発明は、液晶を用いる調光層を備えた調光フィルム、及びその製造方法に関する。
調光フィルムは、電極間に保持された調光層を備え、電極に印加する電圧により調光層に含まれる液晶分子の配向状態を変化させて、入射した光を散乱する不透明状態と、入射した光を透過する透明状態とを切り替え可能なように構成されている(例えば特許文献1)。尚、調光フィルムの不透明度(白濁度)は通常ヘイズ(Haze)と呼ばれる。
調光フィルムは、例えばガラス等の透明性基材に固定することにより、窓ガラスや展示ウィンドウ、パーテーションなどに採用することができ、例えばプライベート空間とパブリック空間とを分離するため等、空間を分離する設備の他、自動車のサンルーフやサンバイザー用途としての利用についても検討されている。
従来の調光体フィルムにおける給電部の構造は、図5に示すように、透明性フィルム基材51−1、透明導電膜52−1、及び調光層53が切り欠かれた調光フィルム50の端部に設けられ、露出した透明導電膜52−2の上に塗布された導電ペースト61と、導電ペースト61の上側に圧着されたピンコネクタ62とから成る。ピンコネクタ62は延出する延出部62aを備え、ハンダ63によってリード線64が前記延出部62aに連結されて配線部が形成されている(例えば特許文献2)。
前記のような従来の給電部構造は、調光フィルムを構成後に形成されるのが一般的である。すなわち、1対の透明性フィルム基材上の透明導電膜間に調光層を保持させた後、端部を部分的に切り欠き解体する要領で片側の透明導電膜52−2を露出させて電極を形成し、これに導電ペースト等を積層し、その上に配線部を形成する。次に反対側の端部についても、同様に上側の透明性フィルム基材51−1、透明導電膜52−1をベースとする電極を形成する。こうして両側に形成された電極から調光層に電圧を印加することが可能となる。
特開2014−146051号公報 実公平6−37395号公報
上記のように、従来の技術により形成される給電部構造は、調光フィルムを部分的に解体することで形成されるため、まず構成している1対の透明性フィルム基材及び透明導電膜(以後適宜、合わせて電極フィルムと記す)の両端部の上下片側ずつを剥離する必要があった。特に近年取扱いの利便性から、剥離する電極フィルムは1mm以下の厚みのタイプが主流となってきており、片側のフィルムだけを切り欠き剥離することは困難が伴っている。
また片側の電極フィルムを剥離した後も、反対側の電極フィルム上に残存している調光層は絶縁材料からなるため、残存したままでは導通を阻害する。さらに調光層は液状半液状の特性を有しており、導電ペースト等を積層する際に密着阻害を引き起こすため、残存液晶を有機溶剤等で電極面へのダメージを考慮しつつ慎重に除去する必要があった。また、給電部が切り欠けられた構造であり、透明導電膜の端部が露出することになるため、液晶の除去により不要な短絡を招きやすいリスクが上昇する。また、液晶材料も密封されずに空気接触することになり、温度変化,不純物の混入を招きやすい構造であるため、液晶の駆動特性,各種耐性にも影響を与えやすい。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、一度構成した調光フィルムを解体することなく、従来必要とされた1mm以下の電極フィルムの一部を剥離する精度の高い工程や、電極フィルム剥離後露出した調光層を有機溶剤で除去する工程を必要とせずに形成された給電部構造を備える調光フィルム、及びその製造方法を提供することにある。
上述の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、調光層と、前記調光層の第1及び第2の面側に、透明導電膜と透明性フィルム基材とをこの順に備え、前記透明導電膜を通して前記調光層に印加する電圧に応じてヘイズを2種類以上に切り替えることができる調光フィルムであって、
前記調光フィルムの少なくとも1辺の端部には前記調光層が存在せず、
かつ前記調光層が存在しない領域では、基材部と導電層からなる導電性テープの少なくとも前記導電層が導電性粘着層を介して前記調光層の第1及び第2の面側の透明導電膜と貼合しており、
かつ前記導電性テープの前記導電層が、前記調光層の第1の面側の透明導電膜と貼合する領域と、前記調光層の第2の面側の透明導電膜と貼合する領域とは平面視で重ならず、
かつ前記導電性テープは前記調光フィルムの端部から舌片状に延出して給電部を形成していることを特徴とする調光フィルムとしたものである。
請求項2に記載の発明は、前記導電性テープの前記導電層の、前記調光層の第1の面側及び第2の面側の透明導電膜と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっていることを特徴とする請求項1に記載の調光フィルムとしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の調光フィルムの製造方法であって、次の1)〜4)の工程を含むことを特徴とする調光フィルムの製造方法としたものである。
1)前記透明導電膜を形成した前記透明性フィルム基材の1対と、前記基材部の少なくとも片面に前記導電層を有する前記導電性テープを用意する工程。
2)前記導電性テープの、前記透明性フィルム基材と貼合する前記導電層を含む領域に、導電性粘着層を形成する工程。
3)前記1対の透明性フィルム基材の一方の前記透明導電膜上に液晶を塗工する工程。
4)相対させた前記1対の透明性フィルム基材の少なくとも1辺に、前記導電性テープの前記導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させて1対の透明性フィルム基材と前記導電性テープを貼合し、挟持させない前記導電性テープの領域を前記1対の透明性フィルム基材の外部に舌片状に延出して給電部を形成する工程。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の調光フィルムの製造方法であって、次の1)〜5)の工程を含むことを特徴とする調光フィルムの製造方法としたものである。
1)前記透明導電膜を形成した前記透明性フィルム基材の1対と、前記基材部の少なくとも片面に前記導電層を有する前記導電性テープを用意する工程。
2)前記導電性テープの前記導電層をパターニングする工程。
3)前記導電性テープの、前記透明性フィルム基材と貼合する前記導電層を含む領域に、導電性粘着層を形成する工程。
4)前記1対の透明性フィルム基材の一方の前記透明導電膜上に液晶を塗工する工程。
5)相対させた前記1対の透明性フィルム基材の少なくとも1辺に、前記導電性テープの
前記導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させて1対の透明性フィルム基材と前記導電性テープを貼合し、挟持させない前記導電性テープの領域を前記1対の透明性フィルム基材の外部に舌片状に延出して給電部を形成する工程。
本発明によれば、一度構成した調光フィルムを解体することなく給電部構造の形成を行うことができる。すなわち、従来必要とされた1mm以下の電極フィルムの一部を剥離する精度の高い工程が不要となる。また電極フィルム剥離後、露出した調光層を電極面にダメージを与えることなく有機溶剤で除去する工程も不要となる。さらに、液晶材料の露出を避けた給電部構造であるので、調光層の変性や劣化(電気特性の変化を含む)が抑えやすく、電極フィルムの透明導電膜の露出に伴う不要な短絡の可能性が低減される。加えて、有機溶剤の使用が不要となるので労働衛生環境の改善も見込まれる。
本発明の調光フィルムの第1の実施形態に係る(a)模式平面図、(b)端部の模式断面図である。 本発明の調光フィルムの第2の実施形態に係る(a)模式平面図、(b)端部の模式断面図である。 本発明の調光フィルムの第3の実施形態に係る(a)模式平面図、(b)端部の模式断面図である。 本発明の調光フィルムの第4の実施形態に係る(a)模式平面図、(b)端部の模式断面図である。 従来の調光フィルムの給電部構造を例示する模式断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る調光フィルム及びその製造方法について詳細に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態に限定されるものではない。尚、同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じではない。
(本発明の調光フィルムの構成)
図1〜4は、本発明の調光フィルムの第1〜4の実施形態に係る(a)模式平面図、(b)端部の模式断面図である。これらの実施形態において、本発明の調光フィルム10、20、30、40はいずれも、調光層3と、調光層3の第1の面側((b)の断面模式図で上側)、第2の面側(同じく下側)に、透明導電膜2−1、2−2と透明性フィルム基材1−1、1−2とをこの順に備え、調光層3を成す液晶は封止部4によって封止されている。尚、高分子ネットワークが強固な場合は、封止部4は必ずしも必要としない。
また、いずれの実施形態においても、調光フィルム10、20、30、40の少なくとも1辺の端部の、前記封止部4の外側には調光層が存在しない領域があり、調光層が存在しない領域では、基材部7と導電層8(または8−1、8−2)からなる導電性テープ5L、5R(または6、6L、6R)が導電性粘着層9−1、9−2を介して透明導電膜2−1、2−2と貼合している。尚、図ではいずれも導電性テープの両側に導電性導電性粘着層9−1、9−2を備えているが、少なくとも導電層8(または8−1、8−2)と透明導電膜2−1、2−2が貼合する側にあればよい。これは調光層3の液晶の粘着性により上下の電極フィルムの密着性は保たれるからである。
また、導電性テープ5L、5R(または6、6L、6R)の導電層8(または8−1)が透明導電膜2−1と貼合する領域と、導電層8(または8−2)が透明導電膜2−2と貼合する領域とは平面視で重ならない構成となっている。また、導電性テープ5L、5R(または6、6L、6R)は調光フィルム10、20、30、40の端部から舌片状に延出して、導電層8(または8−1、8−2)が電気配線と接続する給電領域を形成する。尚、図では延出した部分は導電性テープのみとしているが、導電性粘着層の接着性は強固ではないため、支障がなければ導電性テープの上に導電性粘着層が残っていてもよい。さらに導電性粘着層の上に離型フィルムを備えていてもよい。
図1の第1の実施形態における特徴として、調光フィルム10の2辺の端部に調光層が存在しない領域があり、各々の調光層が存在しない領域では、基材部7と導電層8からなる導電性テープ5L、5Rが導電性粘着層9−1、9−2を介して透明導電膜2−1、2−2と貼合している。ここで、導電性テープ5L、5Rでは基材部7と導電層8の層構成が上下逆であり、該層構成はX方向に一様で変化しない。従って、導電性テープ5L、5Rの導電層8が透明導電膜2−1、2−2と貼合する領域はいずれも単領域であるので、基材部の片面に導電層を有する2枚の導電性テープを上下逆にするだけで、導電層をパターニングする必要はなく、第1の実施形態の調光フィルム10が得られる。
第2〜4の実施形態の調光フィルム20、30、40においては、導電性テープ6、6L、6Rの導電層8−1、8−2が透明導電膜2−1、2−2と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっている。加えて、前記複数に分割された領域は、導電性テープ6、6L、6Rが導電層8−1が透明導電膜2−1と貼合する領域と、導電層8−2が透明導電膜2−2と貼合する領域とは平面視で重ならないように、両面ともに導電層が存在しない非導通領域21、31、41によって離間されている。これは調光フィルムが曲折した場合も上下の透明導電膜2−1、2−2が接触して短絡するリスクを避けるためである。
図2の本発明の調光フィルムの第2の実施形態における特徴として、調光フィルム20の1辺の端部に調光層が存在しない領域があり、導電性テープ6の導電層8−1、8−2が透明導電膜2−1、2−2と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっている。このような形態は、基材部の両面に導電層を有する1枚の導電性テープに両面ともにパターニングを施すことによって得られる。
図3、図4の本発明の調光フィルムの第3、第4の実施形態における特徴として、調光フィルム30、40の2辺の端部に調光層が存在しない領域があり、導電性テープ6L、6Rの導電層8−1、8−2が透明導電膜2−1、2−2と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっている。このような形態は、基材部の両面に導電層を有する2枚の導電性テープに、両面ともにパターニングを施すことによって得られる。
図3、図4の第3、第4の実施形態の調光フィルム30、40は、導電性テープ6L、6Rのパターニングされた導電層と基材部のX方向の並びが異なっている。すなわち、第3の実施形態では、導電性テープ6Lのパターニングされた導電層のY方向の向かい側は、導電性テープ6Rのパターニングされた導電層である。一方、第4の実施形態では、導電性テープ6Lのパターニングされた導電層のY方向の向かい側は、導電性テープ6Rの導電層が除去された基材部となっている。
以上のように、本発明の第1〜第4の実施形態の調光フィルムでは、導電性テープから形成する給電部構造において、導電層と、基材部が露出した部分とのX−Y平面における構成が異なっている。これは、以下のように、調光フィルムの多様なヘイズへの対応を可能とするためである。
一般に、調光フィルムの面積が大きくなると、給電部から離れた調光部の領域では、透明導電膜の抵抗により電圧降下が発生し、調光層に印加される実効電圧が低下する。給電部近傍と、給電部から離れた位置とにおいて実効電圧の差が大きくなると、例えば、給電部近傍では調光フィルムが透明となり、給電部から離れた位置では調光フィルムが不透明となってしまうという「ヘイズ差(ムラ)」が発生し無視できない問題となる。
本発明の第1〜第4の実施形態の調光フィルムは、導電性テープから形成する給電部構造のX−Y平面における構成が異なっているため、給電部のサイズや配置関係に多様性をもたせることができる。すなわち、給電部の数を増やし、給電部間距離を小さくすることや給電部配置を平均化すること等により実効電圧の面内差を小さくすれば、ヘイズ差は小さくなる。反面、給電部の構成を複雑化すれば、製造工程が増え、生産性の低下につながる。
従って、本発明の様々な形態の調光フィルムは、該調光フィルムの用途や仕様に応じて給電部構造を作り分けることが適切である。また、ヘイズ差を積極的に利用して、意匠性やアイキャッチ効果を兼ね備えた調光フィルムを作製することも可能である。
(本発明の調光フィルムの製造方法)
本発明の請求項1に記載の調光フィルムの製造方法は、次の1)〜4)の工程を含むことを特徴とする調光フィルムの製造方法である。
工程1)透明導電膜を形成した透明性フィルム基材の1対と、基材部の少なくとも片面に導電層を有する導電性テープを用意する工程。ここで、導電層が片面であっても第1の実施形態の調光フィルムは作製することができる。第2〜4の実施形態の調光フィルムの作製には基材部の両面に導電層を有する導電性テープを用意する必要がある。
工程2)導電性テープの、透明性フィルム基材と貼合する導電層を含む領域に、導電性粘着層を形成する工程。ここで、導電性粘着層は、透明性フィルム基材と貼合する全域に形成してもよいが、パターニングされた導電層であれば少なくともパターニングされた導電層上に形成すればよい。少なくともパターニングされた導電層上でよい理由は、既述のように、調光層3の液晶の粘着性により上下の電極フィルムの密着性は保たれるからである。導電性粘着層の形成方法は、塗料吐出方式であるコンマコーター、リップコーター(いずれもヒラノテクシード社商標)、ダイコータによる塗工法が一般的であるが、粘着塗料の特性(粘度)などによってはグラビア方式で塗工することも可能である。
工程3)1対の透明性フィルム基材の一方の透明導電膜上に液晶を塗工する工程。塗工方法としては、公知の滴下塗工法が好ましい。
工程4)相対させた1対の透明性フィルム基材の少なくとも1辺に、導電性テープの導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させて1対の透明性フィルム基材と導電性テープを貼合し、挟持させない導電性テープの領域を1対の透明性フィルム基材の外部に舌片状に延出して給電部を形成する工程。ここで、導電性テープの導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させればよい理由は、既述のように、支障がなければ導電性テープの延出した部分に導電性粘着層が残っていてもよく、さらに導電性粘着層の上に離型フィルムを備えていてもよいからである。
請求項2に記載の調光フィルムは、導電性テープの導電層の、調光層の第1の面側及び第2の面側の透明導電膜と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっている。このため、請求項2に記載の調光フィルムを製造する方法は、前記の工程1)〜4)に加えて、導電性テープの導電層をパターニングする工程を含む製造方法となる。本発明の第2〜第4の実施形態の調光フィルムは、上記の多様な給電部の構成を、リソグラフィ法や印刷法等を利用した導電層のパターニングにより一括的に形成することができる。
(本発明の調光フィルムを構成する材料)
導電性テープの材料としては、銅、アルミニウム等の電気抵抗が低い金属を導電層とし、ポリイミド(商品名:カプトン、東レ・デュポン株式会社製)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、テフロン(登録商標)などの硬質ポリマーやセラミックスを基材とする導電性テープが好ましく、総膜厚は5〜125μm程度が好ましく、さらに好ましくは25〜100μmである。これは総膜厚が5μmより薄いとフィルムとしてのハンドリングが難しくなり、導電性テープへの導電性粘着層の塗布、及び透明性フィルム基材による狭持が困難となるためである。また総厚が125μmより厚いと透明導電膜に挟持される調光層との厚みの差が大きくなり、平坦性のよい狭持が難しくなること、さらには調光フィルム自体の総厚が厚くなり、調光フィルムの取扱いの利便性(曲面追従性等)が低下するためである。
導電性粘着層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、天然ゴム、合成ゴム等のベース樹脂に、酸化錫、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、カーボン、銀、銅等の導電性フィラーを含有するものが好ましく、市販品を用いることができる。ベース樹脂としては、粘着剤としての物性の制御のしやすさ、及びコストを考慮するとアクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。導電性フィラーとしては、導電性、コスト及び絶縁性基材テープと境目を視認し易いという点を考慮するとカーボンが好ましい。
本発明の調光フィルムを構成する透明性フィルム基材、透明導電膜、封止材としては、従来の調光フィルムに用いられている公知の材料を用いることができる。
液晶を用いる調光層としては、印加電圧の制御により透明、不透明を切り替える調光機能を有するものであればよい。調光機能を有する方式として、例えば、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)方式、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)方式、配向膜を形成した透明性フィルムでTN(Twisted Nematic)液晶を挟持する方式などが挙げられる。
本発明の調光フィルムは、不透明状態から電圧を印加にすることで透明状態へ変化するノーマルモード方式に加えて、電圧の印加で透明状態から不透明状態へと変化するリバースモード方式にも適用可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(導電性テープのパターニング)
導電性テープとして、両面に銅メッキしたカプトンフィルム(総膜厚:41μm。商品名:メタロイヤル、東レフィルム加工製)を幅12.5mmのスリット状に切り出した。これにグラビア塗工でポジ型レジスト(商品名:LC140、ロームアンドハース製)を塗布し、長さ方向に50mmおきに矩形のレジストパターンを形成し、100℃、60分、オーブン中で乾燥させた。同様の手法により、その裏面に表(おもて)面のパターンと平面視で重ならないように、表(おもて)面と同じレジストパターンを形成した。
前記レジストパターンを形成した導電性テープを、塩化第二鉄水溶液に浸漬時間300秒で浸漬し、レジストの被覆のない銅メッキ層をエッチングで除去した。次に、純水で塩
化第二鉄水溶液の残留分を洗浄除去した後、40mJ/cmで露光を行い、5wt%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することでポジ型レジストを除去した。
さらに、形成した導電性テープの両面のパターン上に、導電性粘着層を各面で乾燥膜厚2μmとなるよう塗工し、120℃で乾燥した後、離型フィルムを貼合した。これを40℃で4日間エージングし、総膜厚45μm、幅12.5mm、表裏互い違いに50mmおきに導電層のパターンが形成された導電性テープを得た。尚、導電性粘着層のための組成物は、アクリル系粘着剤としてサイビノールTPO−3183(サイデン化学社製)100重量部に対し、硬化剤サイビノールK−341(サイデン化学社製)1重量部、導電性フィラー(福田金属箔粉工業社製、商品名:Ni123)7重量部を配合して得た。
(調光フィルムの作製)
得られたパターン付き導電性テープを用いる以外は、特許第4387931号に準じる方法で調光フィルムを作製した。すなわち、ITOの透明導電膜付PETフィルム上に液晶材料を塗工し、幅方向端部に前記作製したパターン付き導電性テープを幅2〜6mmが延出するように狭持させ(このとき導電性テープが来る部分の液晶材料は押し出され、封止部は必要としない)、もう1枚のITO膜付PETフィルムを重ねた後、紫外線露光により液晶材料を高分子ネットワーク化して、本発明の第2の実施形態で封止部を持たない調光フィルムを得た。
尚、本実施例では、ロールツーロール方式での透明導電膜付き透明性フィルム基材の流れ方向(MD方向)に導電性テープを同伴させて、前記透明性フィルム基材の幅方向(TD方向)端部に導電性テープを挟み込む方法を採ったが、本発明はそれに限定されるものではなく、前記透明性フィルム基材の流れ方向端部に間欠的に導電性テープを挟み込む手法も採用してもよい。すなわち、前記透明性フィルム基材をロールツーロールで加工しながら、導電性テープを同伴するように供給し幅方向に挟み込んでも良いし、前記透明性フィルム基材をロールツーロールで加工する過程で一旦停止し、流れ方向に導電性テープを挟み込んでも良い。
本発明の調光フィルムは、ガラス等の透明性基材に固定することにより窓ガラスや展示ウィンドウ、パーテーションなどへの適用の他、視野遮断可能なスクリーン、プロジェクション等の用途にも応用することができる。
1−1、1−2・・・透明性フィルム基材
2−1、2−2・・・透明導電膜
3・・・・・・・・・調光層
4・・・・・・・・・封止部
5L、5R・・・・・導電性テープ(片面導電層付き)
6、6L、6R・・・導電性テープ(両面導電層付き)
7・・・・・・・・・・・基材部
8、8−1、8−2・・・導電層
9−1、9−2・・・導電性粘着層
10、20、30、40・・・調光フィルム
21、31、41・・・・非導通領域
50・・・調光フィルム、 51−1、51−2・・・透明性フィルム基材
52−1、52−2・・・透明導電膜、 53・・・・・・・・・調光層
61・・・導電ペースト、 62・・・ピンコネクタ、 62a・・・延出部
63・・・ハンダ、 64・・・リード線

Claims (4)

  1. 調光層と、前記調光層の第1及び第2の面側に、透明導電膜と透明性フィルム基材とをこの順に備え、前記透明導電膜を通して前記調光層に印加する電圧に応じてヘイズを2種類以上に切り替えることができる調光フィルムであって、
    前記調光フィルムの少なくとも1辺の端部には前記調光層が存在せず、
    かつ前記調光層が存在しない領域では、基材部と導電層からなる導電性テープの少なくとも前記導電層が導電性粘着層を介して前記調光層の第1及び第2の面側の透明導電膜と貼合しており、
    かつ前記導電性テープの前記導電層が、前記調光層の第1の面側の透明導電膜と貼合する領域と、前記調光層の第2の面側の透明導電膜と貼合する領域とは平面視で重ならず、
    かつ前記導電性テープは前記調光フィルムの端部から舌片状に延出して給電部を形成していることを特徴とする調光フィルム。
  2. 前記導電性テープの前記導電層の、前記調光層の第1の面側及び第2の面側の透明導電膜と貼合する領域は、いずれも複数に分割された領域となっていることを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 請求項1に記載の調光フィルムの製造方法であって、次の1)〜4)の工程を含むことを特徴とする調光フィルムの製造方法。
    1)前記透明導電膜を形成した前記透明性フィルム基材の1対と、前記基材部の少なくとも片面に前記導電層を有する前記導電性テープを用意する工程。
    2)前記導電性テープの、前記透明性フィルム基材と貼合する前記導電層を含む領域に、導電性粘着層を形成する工程。
    3)前記1対の透明性フィルム基材の一方の前記透明導電膜上に液晶を塗工する工程。
    4)相対させた前記1対の透明性フィルム基材の少なくとも1辺に、前記導電性テープの前記導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させて1対の透明性フィルム基材と前記導電性テープを貼合し、挟持させない前記導電性テープの領域を前記1対の透明性フィルム基材の外部に舌片状に延出して給電部を形成する工程。
  4. 請求項2に記載の調光フィルムの製造方法であって、次の1)〜5)の工程を含むことを特徴とする調光フィルムの製造方法。
    1)前記透明導電膜を形成した前記透明性フィルム基材の1対と、前記基材部の少なくとも片面に前記導電層を有する前記導電性テープを用意する工程。
    2)前記導電性テープの前記導電層をパターニングする工程。
    3)前記導電性テープの、前記透明性フィルム基材と貼合する前記導電層を含む領域に、導電性粘着層を形成する工程。
    4)前記1対の透明性フィルム基材の一方の前記透明導電膜上に液晶を塗工する工程。
    5)相対させた前記1対の透明性フィルム基材の少なくとも1辺に、前記導電性テープの前記導電性粘着層を形成した領域の少なくとも一部を挟持させて1対の透明性フィルム基材と前記導電性テープを貼合し、挟持させない前記導電性テープの領域を前記1対の透明性フィルム基材の外部に舌片状に延出して給電部を形成する工程。
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