JP2018119918A - 放射線分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の測定位置の測定と測定結果の解析を、短時間で行うことができる放射線分析装置を提供する。【解決手段】放射線分析装置100は、試料Sから発生する放射線を検出し、当該放射線のエネルギーに応じた信号を出力するEDS検出器9と、EDS検出器9からの信号を受け付けて、当該信号に基づく放射線エネルギーデータを順次生成する信号処理部(検出器制御装置20)と、放射線エネルギーデータを、順次、受け付けて、測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、放射線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成し、当該データ列をデータ列記憶部52に書き込むデータ列生成部66と、データ列記憶部52に記憶されたデータ列を読み出して、測定位置ごとに解析を行うデータ解析部68と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線分析装置に関する。
エネルギー分散型X線検出器(EDS)が搭載された走査電子顕微鏡(SEM)や、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)などの分析装置では、粒子解析を行うことができる。例えば、特許文献1では、電子顕微鏡像から粒子の形状を求め、元素分析によって粒子の組成を求めて、これらの結果から統計を行うことで、粒子解析を行っている。
特開2015−148499号公報
図7は、エネルギー分散型X線検出器が搭載された電子顕微鏡における粒子解析の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、粒子解析の対象となる視野の電子顕微鏡像を取得する(ステップS10)。
次に、取得した電子顕微鏡像に対して画像処理を行い、粒子の部分を抽出する(ステップS12)。
次に、抽出した各粒子の大きさを算出する。また、抽出した各粒子の位置座標を特定する(ステップS14)。
次に、粒子の位置座標の情報に基づき各粒子に電子線を照射し、発生した特性X線を検出して各粒子のX線エネルギーデータを取得する。そして、取得した各粒子のX線エネルギーデータからスペクトル解析(スペクトルの生成、定量分析、定性分析等)を行う(ステップS16)。
以上の工程により、粒子解析を行うことができる。なお、上記の工程(ステップS10〜ステップS16の工程)を行った後に、試料ステージを移動させて、別の視野で、上記の一連の工程を行ってもよい。
図8は、エネルギー分散型X線検出器が搭載された電子顕微鏡における粒子解析の一例(参考例)を示すシーケンス図である。なお、電子顕微鏡は、電子顕微鏡本体と、電子顕微鏡本体を制御しデータの解析を行う分析システムと、検出器を制御する検出器システムと、を含んで構成されているものとする。
まず、分析システムが、電子顕微鏡に1つ目の粒子の位置座標情報と電子プローブ移動命令を送る。
電子顕微鏡本体は、位置座標情報に基づいて測定位置を特定し、電子プローブ移動命令に基づいて電子プローブを特定された測定位置の座標に移動させる。そして、電子顕微鏡本体は、分析システムに移動完了通知を送る。
分析システムは、移動完了通知を受け付けると、検出器システムに粒子の測定条件(測定時間)の情報およびスペクトル収集開始命令を送る。
検出器システムは、スペクトル収集開始命令に基づいて、設定された測定時間だけスペクトル収集(X線エネルギーデータの収集)を行い、得られたX線エネルギーデータを出力する。このX線エネルギーデータは記憶装置に記憶される。
分析システムは、検出器システムに対してスペクトル収集が終了したか否かを定期的に確認する(ステータスの取得)。分析システムは、スペクトル収集が終了したこと(すなわち測定時間が経過したこと)を確認したら、記憶装置に記憶されたX線エネルギーデータを取得し、1つ目の粒子に対するスペクトル解析(スペクトルの生成、定量分析、定性分析など)を行う。
分析システムは、スペクトル解析が終了したら、2つ目の粒子に対しても同様に一連の処理を行う。この一連の処理は、測定対象となる粒子数分だけ繰り返し行われる。
図8に示す粒子解析では、粒子解析に時間がかかってしまうという問題がある。例えば、図8に示す粒子解析では、1つの粒子のスペクトル解析が終わるまで、分析システムは、次の粒子の位置座標情報およびプローブ移動命令を検出器システムに送らない。すなわち、1つの粒子のスペクトル解析が終わるまで、次の粒子の測定が行われない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、複数の測定位置の測定と測定結果の解析を短時間で行うことができる放射線分析装置を提供することにある。
(1)本発明に係る放射線分析装置は、
試料上の複数の測定位置に電子プローブを移動させ、設定された測定時間だけ前記測定位置に前記電子プローブを照射して分析を行う放射線分析装置であって、
試料から発生する放射線を検出し、当該放射線のエネルギーに応じた信号を出力する検出器と、
前記検出器からの信号を受け付けて、当該信号に基づく放射線エネルギーデータを順次生成する信号処理部と、
前記放射線エネルギーデータを、順次、受け付けて、前記測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、前記放射線エネルギーデータと前記測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成し、当該データ列をデータ列記憶部に書き込むデータ列生成部と、
前記データ列記憶部に記憶された前記データ列を読み出して、前記測定位置ごとに解析を行うデータ解析部と、
を含む。
このような放射線分析装置では、測定と解析を並行して行うことができるため、複数の測定位置の測定と測定結果の解析を、短時間で行うことができる。
(2)本発明に係る放射線分析装置において、
前記データ列生成部は、設定された前記測定時間の間隔で前記測定区切フラグを加えてもよい。
このような放射線分析装置では、放射線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成することができる。このデータ列からは1測定ごとの放射線エネ
ルギーデータを取り出すことができる。したがって、このような放射線分析装置では、測定と解析を並行して行うことができ、複数の測定位置の測定と測定結果の解析を、短時間で行うことができる。
(3)本発明に係る放射線分析装置において、
前記データ列生成部は、前記電子プローブが移動する時間として設定された移動時間および前記測定時間に基づくタイミングで前記測定区切フラグと移動区切フラグを加えて、前記放射線エネルギーデータと前記測定区切フラグと前記移動区切フラグとが時系列に並んだ前記データ列を生成してもよい。
このような放射線分析装置では、電子プローブが移動している間の放射線エネルギーデータを解析から除外することができる。したがって、このような放射線分析装置によれば、より精度よく解析を行うことができる。
(4)本発明に係る放射線分析装置において、
前記データ列生成部は、
前記移動時間と前記測定時間の和の間隔で前記測定区切フラグを加える処理と、
前記測定区切フラグを加えた後、前記移動時間経過したタイミングで前記移動区切フラグを加える処理と、
を行ってもよい。
このような放射線分析装置では、データ列から電子プローブが移動している間の放射線エネルギーデータを取り出して、電子プローブが移動している間の放射線エネルギーデータを解析から除外することができる。
(5)本発明に係る放射線分析装置において、
前記データ解析部は、前記データ列から前記移動区切フラグで区切られた前記放射線エネルギーデータを取り出して、解析から除外してもよい。
このような放射線分析装置では、より精度よく解析を行うことができる。
(6)本発明に係る放射線分析装置において、
前記移動時間の情報の入力を受け付ける入力部を含んでいてもよい。
(7)本発明に係る放射線分析装置において、
前記データ列生成部による前記データ列の書き込みと、前記データ解析部による前記データ列の読み出しとが並行して行われてもよい。
このような放射線分析装置では、複数の測定位置の測定と測定結果の解析を、短時間で行うことができる。
(8)本発明に係る放射線分析装置において、
前記測定時間の情報の入力を受け付ける入力部を含んでいてもよい。
(9)本発明に係る放射線分析装置において、
前記電子プローブを制御するための光学系と、
前記光学系を制御する光学系制御部と、
を含み、
前記光学系制御部は、設定された前記測定時間に基づいて前記光学系制御部を制御してもよい。
(10)本発明に係る放射線分析装置において、
前記光学系制御部は、
複数の前記測定位置のうちの第1測定位置に前記電子プローブを移動させて前記測定時間だけ前記電子プローブを停止させる処理と、
複数の前記測定位置のうちの第2測定位置に前記電子プローブを移動させて前記測定時間だけ前記電子プローブを停止させる処理と、
を連続して行ってもよい。
このような放射線分析装置では、第1測定位置での測定が終わると、直ちに、第2測定位置での測定が行われるため、複数の測定位置の測定を短時間で行うことができる。
(11)本発明に係る放射線分析装置において、
前記光学系制御部は、前記電子プローブが前記試料に照射された状態で、前記電子プローブを前記第1測定位置から前記第2測定位置に移動させてもよい。
このような放射線分析装置では、複数の測定位置の測定を短時間で行うことができる。
本実施形態に係る電子顕微鏡の構成を模式的に示す図。 データ列記憶部に記憶されたデータ列の構成を説明するための図。 本実施形態に係る電子顕微鏡における粒子解析の流れの一例を示すフローチャート。 本実施形態に係る電子顕微鏡における粒子解析の一例を示すシーケンス図。 データ列記憶部に記憶されたデータ列の構成の変形例を説明するための図。 データ列記憶部に記憶されたデータ列の構成の変形例を説明するための図。 エネルギー分散型X線検出器が搭載された電子顕微鏡における粒子解析の流れの一例を示すフローチャート。 エネルギー分散型X線検出器が搭載された電子顕微鏡における粒子解析の一例(参考例)を示すシーケンス図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
また、以下では、本発明に係る放射線分析装置として、エネルギー分散型X線検出器が搭載された電子顕微鏡を例に挙げて説明するが、本発明に係る放射線分析装置は、これに限定されない。本発明に係る放射線装置は、電子プローブマイクロアナライザーであってもよい。また、本発明に係る放射線装置は、X線以外のその他の放射線(γ線等)を検出して分析を行う装置であってもよい。
1. 分析装置
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡100について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を模式的に示す図である。
電子顕微鏡100には、EDS検出器(エネルギー分散型X線検出器)9が搭載されている。電子顕微鏡100では、電子源2で発生した電子を集束レンズ3および対物レンズ4で集束して電子プローブを形成し、当該電子プローブで試料S表面を走査したときの電子プローブの照射点から放出される二次電子を検出して画像化することができる。また、
電子顕微鏡100では、電子プローブを試料Sに照射した際に発生する特性X線を検出して、スペクトルを得ることができる。
また、電子顕微鏡100は、試料S上の複数の測定位置に電子プローブを移動させ、設定された測定時間だけ測定位置に電子プローブを照射して発生したX線を検出して解析を行うことができる。具体的には、電子顕微鏡100では、粒子解析を行うことができる。粒子解析では、電子顕微鏡像から、試料S表面の粒子を規定されたルールに従って抽出して個々の粒子の大きさ等の粒子形状情報を算出し、それらの粒子に電子プローブを照射して得られるX線を検出することにより粒子の組成等の情報を取得する。
電子顕微鏡100は、電子顕微鏡本体1と、電子顕微鏡本体制御装置10と、検出器制御装置20と、操作部30と、表示部40と、記憶部50と、データ列記憶部52と、処理部60と、を含む。
電子顕微鏡本体1は、電子源2と、集束レンズ3と、対物レンズ4と、偏向器5と、試料ステージ7と、二次電子検出器8と、EDS検出器9と、を含んで構成されている。
電子源2は、電子を発生させる。電子源2は、例えば、陰極から放出された電子を陽極で加速し電子線を放出する電子銃である。
集束レンズ3は、電子源2から放出された電子線を集束させて電子プローブを形成するためのレンズである。集束レンズ3によって、電子プローブの径やプローブ電流(照射電流量)を制御することができる。
対物レンズ4は、試料Sの直前に配置された電子プローブを形成するためのレンズである。対物レンズ4は、例えば、コイルと、ヨークと、を含んで構成されている。対物レンズ4では、コイルで作られた磁力線を、鉄などの透磁率の高い材料で作られたヨークに閉じ込め、ヨークの一部に切欠き(レンズギャップ)を作ることで、高密度に分布した磁力線を光軸上に漏洩させる。
偏向器5は、集束レンズ3と対物レンズ4との間に配置されている。偏向器5は、集束レンズ3と対物レンズ4とによって形成された電子プローブ(電子線)を偏向させる。偏向器5は、電子プローブを、試料S上で走査するために用いられる。また、偏向器5は、試料Sの任意の位置に電子プローブを移動させて、当該位置を電子プローブで照射するためにも用いられる。偏向器5は、電子プローブを制御するための光学系として機能する。
偏向器5は、図示の例では、2段であるが、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。また、ここでは、偏向器5が2つの用途(電子プローブの走査と電子プローブの任意の位置への照射)に用いられるが、電子プローブの走査に用いられる偏向器と、電子プローブで試料S上の任意の位置を照射するために用いられる偏向器と、がそれぞれ設けられてもよい。
試料ステージ7には、試料Sが載置される。試料ステージ7は、試料Sを支持し、試料Sを移動させることができる。試料ステージ7は、試料Sを移動させるための駆動機構を有している。
二次電子検出器8は、電子プローブが照射されて試料Sから放出された二次電子を検出するための検出器である。二次電子検出器8の出力信号は、電子線の走査信号に同期して記憶部50に記憶される。これにより、電子顕微鏡像(二次電子像)を得ることができる。
EDS検出器9は、電子プローブを試料Sに照射することにより試料Sから発生する特性X線を検出する。EDS検出器9は、X線をエネルギーで弁別し、スペクトルを得るための検出器である。EDS検出器9は、入射したX線のエネルギーに応じた信号を出力する。
電子顕微鏡本体制御装置10は、電子顕微鏡本体1の各部(EDS検出器9を除く)を制御する。電子顕微鏡本体制御装置10は、例えば、処理部60からの制御信号に基づいて、集束レンズ3や対物レンズ4に対する励磁電流の供給や、試料ステージ7の駆動機構の制御を行う。また、電子顕微鏡本体制御装置10は、処理部60からの制御信号に基づいて偏向器5に走査信号を送る。これにより、電子プローブが試料S上で走査される。
検出器制御装置20は、EDS検出器9を制御する。検出器制御装置20は、処理部60(検出器制御部64)からの制御信号に基づいてEDS検出器9を制御する。検出器制御装置20は、制御信号に基づき設定された測定位置に電子プローブが移動するように偏向器5を動作させる。
なお、偏向器5は電子顕微鏡本体制御装置10(電子顕微鏡本体制御部62)によって制御されてもよいし、検出器制御装置20(検出器制御部64)によって制御されてもよい。
また、検出器制御装置20は、EDS検出器9からの信号を受け付けて、当該信号に基づくX線エネルギーデータ(放射線エネルギーデータの一例)を生成する信号処理部として機能する。検出器制御装置20は、EDS検出器9の出力信号(EDS検出器9で検出されたX線のエネルギーに応じた信号)を受け付けて、当該信号に基づくX線エネルギーデータを、順次、生成する。X線エネルギーデータは、EDS検出器9に入射したX線のエネルギーの情報を持つ。
検出器制御装置20は、例えば、EDS検出器9の出力信号から、検出されたX線のエネルギーに応じた高さを持つパルス信号を生成し、当該パルス信号の波高値の情報を取得する。X線エネルギーデータは、この波高値のデータである。
検出器制御装置20は、測定位置の情報を含む測定位置データを出力する。検出器制御装置20は、測定位置データおよびX線エネルギーデータを、処理部60に出力する。
操作部30(入力部の一例)は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部60に送る処理を行う。操作部30の機能は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどにより実現できる。
表示部40は、処理部60によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。
記憶部50は、処理部60が各種の計算処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部50は、処理部60の作業領域として用いられ、処理部60が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部50の機能は、ハードディスク、RAMなどにより実現できる。
記憶部50には、例えば、電子顕微鏡像(SEM像)が記憶される。
データ列記憶部52は、後述するデータ列が記憶される。データ列記憶部52の機能は
、例えば、複数の読み取りや書き込みを同時(またはほぼ同時)に行うことができるデュアルポートメモリにより実現できる。
処理部60は、後述する粒子解析を行うための処理を行う。また、処理部60は、操作部30からの操作信号に応じた各種の処理、表示部40に各種の情報を表示させる処理などの処理を行う。処理部60の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、処理部60の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。処理部60は、電子顕微鏡本体制御部62と、検出器制御部64(光学系制御部の一例)と、データ列生成部66と、データ解析部68と、を含む。
電子顕微鏡本体制御部62は、電子顕微鏡本体1の各部を制御するための制御信号を生成し、当該制御信号を電子顕微鏡本体制御装置10に送る処理を行う。
検出器制御部64は、EDS検出器9を制御するための制御信号を生成し、当該制御信号を検出器制御装置20に送る処理を行う。
データ列生成部66は、検出器制御装置20から出力されるX線エネルギーデータおよび測定位置データを、順次、受け付けて、設定された測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えて、X線エネルギーデータと測定位置データと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成する(図2参照)。データ列生成部66は、例えば、設定された測定時間の間隔で、測定区切フラグを加える。なお、測定時間は、一測定に要する時間(1つの測定位置に電子プローブを照射する時間)であり、適宜設定可能である。
データ列生成部66は、生成されたデータ列を、順次、データ列記憶部52に書き込む。データ列記憶部52に記憶されたデータ列の構造については後述する。
データ解析部68は、データ列記憶部52に記憶されたデータ列を読み出して、スペクトル解析を行う。データ解析部68は、測定区切フラグで区切られたデータ列を1つの測定位置分のデータとして、各測定位置ごとにスペクトルを生成し、生成されたスペクトルから定性分析、定量分析等を行う。
また、データ解析部68は、電子顕微鏡像から粒子を抽出する処理や、抽出した各粒子の大きさを算出する処理、抽出した各粒子の位置座標を特定する処理などを行う。
図2は、データ列記憶部52に記憶されたデータ列の構成を説明するための図である。
データ列は、X線エネルギーデータDと、測定位置データPと、測定区切フラグMと、を含んで構成されている。
X線エネルギーデータDは、上述したように、検出器制御装置20で生成されるデータであり、EDS検出器9に入射したX線のエネルギー値のデータである。
測定位置データPは、測定位置の座標(試料ステージ7上での位置座標)のデータである。測定位置データPは、試料ステージ7上での位置(X座標、Y座標)に加えて、試料ステージ7(試料S)の傾斜角の情報、試料ステージ7(試料S)の回転角の情報を含んでいてもよい。
測定区切フラグMは、一測定分のデータ(すなわち1つの測定位置でのデータ)を取り出すためのフラグである。測定区切フラグMは、設定された測定時間Tに基づくタイミン
グで加えられる。本実施形態では、測定区切フラグMは、設定された測定時間Tの間隔で加えられる。例えば、測定時間Tが1秒に設定された場合、測定区切フラグMは1秒間隔で加えられる。データ列生成部66における測定区切フラグMを加える処理は、測定の開始(最初の測定位置への電子プローブの照射の開始)と同じタイミングで開始される。
本実施形態では、電子プローブの移動時間(電子プローブがn−1番目の測定位置からn番目の測定位置に移動する間の時間)は考慮されていない。すなわち、測定区切フラグMで区切られるデータ列のなかには電子プローブが移動している間のX線エネルギーデータDも含まれている。しかしながら、電子顕微鏡において、通常、測定時間T(例えば数十m秒〜数十秒程度)に対して電子プローブの移動時間(例えば数μ秒程度)は極めて短い。そのため、電子プローブが移動している間のX線エネルギーデータDがスペクトル解析に与える影響は無視できる。
なお、データ列は、X線エネルギーデータDおよび測定位置データP以外の測定条件のデータを含んでいてもよい。このようなデータとしては、経過時間の情報、実経過時間(Real Time)の情報などが挙げられる。ここで、経過時間とは測定開始から実際に経過した時間であり、実経過時間とはEDSの不感時間(Dead Time)を除いた実質的な測定時間である。
データ列は、X線エネルギーデータD、測定位置データP、および測定区切フラグMが、時間軸に沿って一列に並んだデータ(時系列データ)である。なお、X線エネルギーデータD、測定位置データP、測定区切フラグMは、それぞれ時間の情報(時間軸の座標の情報)を持っていてもよい。
測定区切フラグMで区切られたデータ列に含まれるX線エネルギーデータを取り出すことで、測定位置ごとにスペクトルを生成することができる。具体的には、測定区切フラグMで区切られたデータ列に含まれるX線エネルギーデータDの数をエネルギーごとにカウントすることで、その測定位置でのスペクトル(EDSスペクトル)を生成することができる。また、測定区切フラグMで区切られたデータ列に含まれる測定位置データPから、測定位置を特定することができる。
2. 粒子解析
次に、電子顕微鏡100における粒子解析について説明する。電子顕微鏡100では、粒子解析が自動で行われる。図3は、電子顕微鏡100における粒子解析の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザーは、粒子解析を開始する指示を行う前に、操作部30を介して解析を行う粒子の数、および測定条件(測定時間など)の設定を行う。ユーザーは、粒子数および測定条件の設定を行った後に、操作部30を介して粒子解析を開始する指示を行う。操作部30は、測定条件(測定時間)の情報の入力、粒子解析を開始する指示の入力を受け付ける。
処理部60は、ユーザーが粒子解析を開始する指示(開始指示)を行ったか否かを判断し(ステップS100)、開始指示が行われるまで待機する(ステップS100のNO)。処理部60は、操作部30から開始指示が入力された場合に、ユーザーが開始指示を行ったと判断する。
開始指示が行われたと判断された場合(ステップS100のYES)、電子顕微鏡本体制御部62が電子顕微鏡像を取得する(ステップS102)。
具体的には、電子顕微鏡本体制御部62は、電子顕微鏡像を取得するための制御信号を
生成して電子顕微鏡本体制御装置10に送る。電子顕微鏡本体制御装置10は当該制御信号に基づき電子顕微鏡本体1を動作させる。これにより、1視野分の電子顕微鏡像が記憶部50に記憶される。
次に、データ解析部68は、取得した電子顕微鏡像に対して、画像処理を行い、粒子部分を抽出する(ステップS104)。
次に、データ解析部68は、抽出した各粒子の大きさを算出する。さらに、データ解析部68は、抽出した各粒子の位置座標を特定する(ステップS106)。
次に、処理部60は、各粒子の測定(EDS法による測定)を行ってX線エネルギーデータを取得し、得られたX線エネルギーデータから各粒子のスペクトル解析(スペクトルの生成、定量分析、定性分析等)を行う(ステップS108)。本処理の詳細は、後述する。
次に、処理部60は、設定された粒子数分のスペクトル解析が行われたか否かを判定する(ステップS110)。
設定された粒子数分のスペクトル解析が行われていないと判定された場合(ステップS110のNO)、ステップS100に戻って、電子顕微鏡本体制御部62が、試料ステージ7を移動させて別の視野の電子顕微鏡像を取得する(ステップS100)。そして、別の視野の電子顕微鏡像を用いてステップS102〜ステップS110の処理が行われる。
設定された粒子数分のスペクトル解析が行われたと判定した場合(ステップS110のYES)、各粒子の大きさの算出結果、および設定された粒子数分のスペクトル解析の結果をもとに、粒子を規定されたルールに基づき分類する(ステップS112)。処理部60は、この粒子の分類結果を表示部40に表示させる制御を行い、処理を終了する。
X線エネルギーデータの収集およびスペクトル解析(ステップS108)について説明する。図4は、電子顕微鏡100における粒子解析(X線エネルギーデータの収集およびスペクトル解析(ステップS108))の一例を示すシーケンス図である。
処理部60(検出器制御部64)は、測定時間の情報と、ステップS104の処理で電子顕微鏡像から抽出された全部の粒子の位置座標(測定位置の座標)の情報と、を含む測定条件の情報を検出器制御装置20に送り、測定条件を設定する。
測定条件が設定されると、プローブの移動処理、X線エネルギーデータの収集処理、スペクトル解析処理が並行して行われる。すなわち、各粒子に対するEDS測定が行われてX線エネルギーデータが収集されている間に、並行してスペクトル解析が行われる。以下、プローブ移動処理、X線エネルギーデータ収集処理、プローブ移動処理について説明する。
<プローブ移動処理>
検出器制御部64は、測定条件が設定されると、プローブ移動命令を検出器制御装置20を介して電子顕微鏡本体1(偏向器5)に送る。電子顕微鏡本体1(偏向器5)は、プローブ移動命令に基づいて電子プローブを測定位置(粒子の位置座標)に移動させる。そして、電子顕微鏡本体1は、電子プローブが測定位置に移動すると、電子プローブを設定された測定時間だけ停止させる。
検出器制御部64は、測定時間経過したと判断すると、次の測定位置(次の粒子の位置
座標)に電子プローブを移動させるための、プローブ移動命令を電子顕微鏡本体1(偏向器5)に送る。すなわち、検出器制御部64は、設定された測定時間間隔で、プローブ移動命令を電子顕微鏡本体1に送る。そのため、電子顕微鏡本体1(偏向器5)では、プローブ移動命令に基づいて電子プローブを次の測定位置に移動させ、電子プローブを測定時間だけ停止させる動作が繰り返し行われる。
このように、検出器制御部64は、n−1番目の測定位置(第1測定位置)に電子プローブを移動させて設定された測定時間だけ電子プローブを停止させる処理と、n番目の測定位置(第2測定位置)に電子プローブを移動させて設定された測定時間だけ電子プローブを停止させる処理と、を連続して行う。すなわち、検出器制御部64は、n−1番目の測定位置に設定された測定時間だけ電子プローブを停止させた後、直ちに、n番目の測定位置に電子プローブを移動させて設定された測定時間だけ電子プローブを停止させる。このとき、検出器制御部64は、電子プローブが試料Sを照射している状態で、電子プローブをn−1番目の測定位置からn番目の測定位置に移動させる。設定された粒子数の測定が行われるまで、電子プローブは試料Sを照射した状態(電子プローブはONの状態)である。
<X線エネルギーデータの収集処理>
検出器制御装置20は、EDS検出器9の出力信号を受け付けて、当該出力信号に基づきX線エネルギーデータを生成し、当該X線エネルギーデータを処理部60に出力する。データ列生成部66は、検出器制御装置20から、順次、送られるX線エネルギーデータに、測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えて、X線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列として、データ列記憶部52に書き込む。
上述したようにプローブ移動処理では、n−1番目の測定位置に電子プローブを移動させて設定された測定時間だけ電子プローブを停止させる処理と、n番目の測定位置に電子プローブを移動させて設定された測定時間だけ電子プローブを停止させる処理と、が連続して行われる。そのため、n−1番目の測定位置におけるX線エネルギーデータおよびn番目の測定位置におけるX線エネルギーデータも連続する。データ列生成部66は、設定された測定時間の間隔で測定区切フラグを加えるため、n−1番目の測定位置におけるX線エネルギーデータとn番目の測定位置におけるX線エネルギーデータとを区切ることができる(図2参照)。
検出器制御装置20は、測定が終了するまで(例えば、設定された粒子数の解析が行われたと判定されるまで(ステップS110のYES))、X線エネルギーデータを出力し続ける。そのため、データ列記憶部52には、測定が終了するまで、データ列が書き込まれ続ける。
上述したように、検出器制御部64によるプローブ移動処理と、データ列生成部66による測定区切フラグを加える処理とは、時間によって管理されている。具体的には、検出器制御部64による電子プローブを移動させる処理、およびデータ列生成部66による測定区切フラグを加える処理は、ともに設定された測定時間間隔で行われる。そのため、2つの処理を同じタイミングで行うことができる。
<スペクトル解析>
データ解析部68は、データ列記憶部52に記憶されたデータ列を読み出して、スペクトル解析を行う。データ解析部68は、データ列のうちの測定区切フラグで区切られたデータ列を1つの測定位置分のデータとして、各測定位置ごとに、スペクトルを生成し、定性分析、定量分析を行う。
データ解析部68によるデータ列の読み出しは、データ列生成部66によるデータ列の書き込みと並行して行われる。データ解析部68は、データ列記憶部52に一定量のデータが書き込まれると、データ列記憶部52からデータ列を読み出す。なお、データ列記憶部52からデータ列を読み出すタイミングは特に限定されない。データ解析部68は、プローブ移動処理、およびX線エネルギーデータの収集処理が行われている間にも、スペクトル解析を行う。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、検出器制御装置20がEDS検出器9からの信号を受け付けてX線エネルギーデータを順次生成し、データ列生成部66が測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、X線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成してデータ列記憶部52に書き込む。そのため、データ解析部68は、データ列記憶部52に記憶されているデータ列を読み出すことで、1測定ごとのX線エネルギーデータを取り出すことができる。したがって、電子顕微鏡100では、EDS測定とスペクトル解析を並行して行うことができ、短時間で粒子解析を行うことができる。
電子顕微鏡100では、データ列生成部66は、設定された測定時間の間隔で測定区切フラグを加える。そのため、X線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成することができる。このデータ列から測定位置ごとのX線エネルギーデータを取り出すことができる。したがって、電子顕微鏡100では、EDS測定とスペクトル解析を並行して行うことができ、短時間で粒子解析を行うことができる。
電子顕微鏡100では、データ列生成部66によるデータ列記憶部52に対するデータ列の書き込みと、データ解析部68によるデータ列記憶部52に対するデータ列の読み出しとは並行して行われる。そのため、電子顕微鏡100では、短時間で粒子解析を行うことができる。
電子顕微鏡100では、検出器制御部64は、複数の測定位置のうちの第1測定位置に電子プローブを移動させて測定時間だけ第1測定位置で停止させる処理と、複数の測定位置のうちの第2測定位置に電子プローブを移動させて測定時間だけ電子プローブを第2測定位置に停止させる処理と、を連続して行う。すなわち、電子顕微鏡100では、第1測定位置での測定が終わると、直ちに、第2測定位置での測定が行われるため、複数の測定位置の測定を、短時間で行うことができる。
電子顕微鏡100では、検出器制御部64は、電子プローブが試料Sに照射された状態で、電子プローブを第1測定位置から第2測定位置に移動させる。そのため、電子顕微鏡100では、複数の測定位置の測定を、短時間で行うことができる。
ここで、電子顕微鏡100における粒子解析と、図8に示す粒子解析と、を比較する。
図8に示す粒子解析では、1つの粒子に対するEDS測定が終了しなければスペクトル解析を行うことができなかった。すなわち、EDS測定が行われている間は、スペクトル解析が行われていなかった。これに対して、電子顕微鏡100の粒子解析では、EDS測定と、スペクトル解析を並行して行うことができるため、EDS測定が行われている間にも、スペクトル解析を行うことができる。
また、図8に示す粒子解析では、電子プローブが測定位置への移動を完了すると、移動完了通知を分析システムに返している。これに対して、電子顕微鏡100の粒子解析では
、上述したように、プローブ移動処理は時間で管理されているため、電子顕微鏡本体1は電子プローブの測定位置への移動を完了しても移動完了通知を返す必要がない。したがって、電子顕微鏡100では、粒子解析にかかる時間を短縮できる。
また、図8に示す粒子解析では、分析システムは、1つの測定位置を測定するごとに測定条件の情報を検出器システムに送っている。これに対して、電子顕微鏡100の粒子解析では、測定が開始される前に、測定条件の情報を一度に検出器制御装置20に送っているため、粒子解析にかかる時間を短縮できる。
また、図8に示す粒子解析では、分析システムは検出器システムに測定の終了(ステータスの取得)を一定の時間間隔で問い合わせている。しかし、測定が終了していても、問い合わせのタイミングによっては遅延が生じる。これに対して、電子顕微鏡100では、処理部60は検出器制御装置20に測定の終了を問い合わせる必要がなく、このような遅延が生じない。したがって、電子顕微鏡100では、粒子解析にかかる時間を短縮できる。
3. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
3.1. 第1変形例
上述した実施形態では、データ列生成部66が、測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、X線エネルギーデータと測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成してデータ列記憶部52に書き込む例について説明した。
これに対して、本変形例では、データ列生成部66は、電子プローブが移動する時間として設定された移動時間および測定時間に基づくタイミングで、測定区切フラグと移動区切フラグを加えて、X線エネルギーデータと測定区切フラグと移動区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成してデータ列記憶部52に書き込む。
具体的には、データ列生成部66は、移動時間と測定時間の和の間隔で測定区切フラグを加える処理と、測定区切フラグを加えた後、移動時間経過したタイミングで移動区切フラグを加える処理と、を行う。
移動時間は、電子プローブの移動時間に相当する時間として設定される。ユーザーは、粒子解析を開始する指示を行う前に、操作部30を介して移動時間を設定する。操作部30は、移動時間の情報の入力を受け付ける。
データ解析部68は、データ列から移動区切フラグで区切られたX線エネルギーデータを取り出して、解析から除外する。
図5は、データ列記憶部52に記憶されたデータ列の構成を説明するための図である。
データ列は、X線エネルギーデータDと、測定位置データPと、測定区切フラグMと、移動区切フラグNと、を含んで構成されている。
測定区切フラグMは、移動時間tと測定時間Tの和t+Tの間隔で加えられる。移動時間tは、例えば、数μ秒〜数十μ秒程度に設定される。また、測定時間Tは、例えば、数十m秒〜数十秒程度に設定される。
移動区切フラグNは、電子プローブが移動している間のデータを取り出すためのフラグである。移動区切フラグNは、設定された移動時間tおよび測定時間Tに基づくタイミングで加えられる。具体的には、移動区切フラグNは、測定区切フラグMが加えられた後、移動時間t経過したタイミングで加えられる。すなわち、移動区切フラグNと測定区切フラグMとの間隔は、移動時間tである。移動区切フラグNは、測定区切フラグMと同様に、移動時間tと測定時間Tの和t+Tの間隔で加えられる。
データ列は、X線エネルギーデータD、測定位置データP、測定区切フラグM、および移動区切フラグNが、時間軸に沿って一列に並んだデータ(時系列データ)である。
測定区切フラグMで区切られたデータ列(より具体的には測定区切フラグMから移動区切フラグNまでのデータ列)に含まれるX線エネルギーデータを取り出すことで、1つの測定位置に対応するスペクトルを生成することができる。また、移動区切フラグNで区切られたデータ列(より具体的には移動区切フラグNから測定区切フラグMまでのデータ列)に含まれるX線エネルギーデータを取り出すことで、取り出されたデータを電子プローブが移動している間のデータとして、スペクトル解析から除外することができる。
本変形例によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本変形例では、データ列生成部66は、電子プローブが移動する時間として設定される移動時間および測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグと移動区切フラグを加えてデータ列を生成する。そのため、電子プローブが移動している間のX線エネルギーデータをスペクトル解析から除外することができる。したがって、本変形例によれば、より精度よく粒子解析を行うことができる。特に、高い定量精度が要求される粒子解析や、電子プローブの移動時間が長い装置を用いて粒子解析を行う場合などに有効である。
また、本変形例では、データ列生成部66は、移動時間と測定時間の和の間隔で測定区切フラグを加える処理と、測定区切フラグを加えた後、移動時間経過したタイミングで移動区切フラグを加える処理と、を行う。そのため、本変形例によれば、データ列から電子プローブが移動している間のX線エネルギーデータを取り出して、解析から除外することができる。
3.2. 第2変形例
上述した実施形態では、図2に示すように、各測定位置での測定時間Tが同じであったが、図6に示すように、各測定位置での測定時間Tは、異なっていてもよい。例えば、n−2番目の測定位置での測定時間がT1、n−1番目の測定位置での測定時間がT2、n番目の測定位置での測定時間がT3、n+1番目の測定位置での測定時間がT4に設定された場合、データ列生成部66は、n−3番目の測定位置の区切フラグを加えた後、測定時間T1経過後、測定時間T1+T2経過後、測定時間T1+T2+T3経過後、測定時間T1+T2+T3+T4経過後に、それぞれ測定区切フラグを加える。
本変形例によれば、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
3.3. 第3変形例
上述した実施形態では、電子顕微鏡100が粒子解析を行う場合について説明したが、本発明は、複数の測定位置の測定と測定結果の解析が行われる分析手法に適用可能である。このような分析としては、例えば、電子プローブを走査して各点からのX線を検出して元素の分布を画像化する面分析(元素マッピング、定量マッピング)や、複数の測定位置を自動で測定して測定結果の解析を行う点分析などが挙げられる。
また、上述した実施形態では、電子顕微鏡100がエネルギー分散型X線検出器(EDS検出器9)を搭載している例について説明したが、電子顕微鏡100は例えば波長分散型X線分光器を搭載していてもよいし、エネルギー分散型X線検出器および波長分散型X線分光器の両方を搭載していてもよい。
3.4. 第4変形例
上述した実施形態では、処理部60がデータ列生成部66を含んでいたが、検出器制御装置20がデータ列生成部66を含んで構成されていてもよい。すなわち、検出器制御装置20が、信号処理部としての機能とデータ列生成部としての機能とを有していてよい。この場合、検出器制御装置20は、EDS検出器9からの信号を受け付けて、当該信号に基づくX線エネルギーデータを順次生成し、測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、データ列を生成してデータ列記憶部52に書き込む処理を行う。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子顕微鏡本体、2…電子源、3…集束レンズ、4…対物レンズ、5…偏向器、7…試料ステージ、8…二次電子検出器、9…EDS検出器、10…電子顕微鏡本体制御装置、20…検出器制御装置、30…操作部、40…表示部、50…記憶部、52…データ列記憶部、60…処理部、62…電子顕微鏡本体制御部、64…検出器制御部、66…データ列生成部、68…データ解析部、100…電子顕微鏡

Claims (11)

  1. 試料上の複数の測定位置に電子プローブを移動させ、設定された測定時間だけ前記測定位置に前記電子プローブを照射して発生した放射線を検出して解析を行う放射線分析装置であって、
    試料から発生する放射線を検出し、当該放射線のエネルギーに応じた信号を出力する検出器と、
    前記検出器からの信号を受け付けて、当該信号に基づく放射線エネルギーデータを順次生成する信号処理部と、
    前記放射線エネルギーデータを、順次、受け付けて、前記測定時間に基づくタイミングで測定区切フラグを加えることで、前記放射線エネルギーデータと前記測定区切フラグとが時系列に並んだデータ列を生成し、当該データ列をデータ列記憶部に書き込むデータ列生成部と、
    前記データ列記憶部に記憶された前記データ列を読み出して、前記測定位置ごとに解析を行うデータ解析部と、
    を含む、放射線分析装置。
  2. 請求項1において、
    前記データ列生成部は、設定された前記測定時間の間隔で前記測定区切フラグを加える、放射線分析装置。
  3. 請求項1において、
    前記データ列生成部は、前記電子プローブが移動する時間として設定された移動時間および前記測定時間に基づくタイミングで前記測定区切フラグと移動区切フラグを加えて、前記放射線エネルギーデータと前記測定区切フラグと前記移動区切フラグとが時系列に並んだ前記データ列を生成する、放射線分析装置。
  4. 請求項3において、
    前記データ列生成部は、
    前記移動時間と前記測定時間の和の間隔で前記測定区切フラグを加える処理と、
    前記測定区切フラグを加えた後、前記移動時間経過したタイミングで前記移動区切フラグを加える処理と、
    を行う、放射線分析装置。
  5. 請求項4において、
    前記データ解析部は、前記データ列から前記移動区切フラグで区切られた前記放射線エネルギーデータを取り出して、解析から除外する、放射線分析装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項において、
    前記移動時間の情報の入力を受け付ける入力部を含む、放射線分析装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記データ列生成部による前記データ列の書き込みと、前記データ解析部による前記データ列の読み出しとが並行して行われる、放射線分析装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、
    前記測定時間の情報の入力を受け付ける入力部を含む、放射線分析装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、
    前記電子プローブを制御するための光学系と、
    前記光学系を制御する光学系制御部と、
    を含み、
    前記光学系制御部は、設定された前記測定時間に基づいて前記光学系制御部を制御する、放射線分析装置。
  10. 請求項9において、
    前記光学系制御部は、
    複数の前記測定位置のうちの第1測定位置に前記電子プローブを移動させて前記測定時間だけ前記電子プローブを停止させる処理と、
    複数の前記測定位置のうちの第2測定位置に前記電子プローブを移動させて前記測定時間だけ前記電子プローブを停止させる処理と、
    を連続して行う、放射線分析装置。
  11. 請求項10において、
    前記光学系制御部は、前記電子プローブが前記試料に照射された状態で、前記電子プローブを前記第1測定位置から前記第2測定位置に移動させる、放射線分析装置。
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