JP2018119916A - 検査用ディスク - Google Patents

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靖之 祖父江
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Abstract

【課題】ウェル内における液体試料の均一性を高めることができる検査用ディスクの提供。【解決手段】検査用ディスクは、円盤状のウェル形成ディスク本体を備える。ウェル形成ディスク本体は、第1ウェル21と、第2ウェル22とを有する。第1ウェル21は、液体試料が外部から注入されるウェルである。第2ウェル22は、ウェル形成ディスク本体の径方向において第1ウェル21よりも外周側に位置し、第1ウェル21から移動する液体試料を溜めるためのウェルである。第2ウェル22の開口面29は、開口面29の一部が開口面29に沿って設けられた少なくとも1つの壁39で塞がれるように、形成されている。あるいは、開口面は、ウェル形成ディスク本体の円周方向における開口面の中心において径方向と直交する直交線に交差するように、形成されている。【選択図】図8

Description

本発明は、検査用ディスクに関し、より詳細には、液体試料を溜めるためのウェルを有する円盤状のウェル形成ディスク本体を備える検査用ディスクに関する。
特許文献1には、血液等の生体試料に含まれる生体高分子を分析するための試料用分析ディスクについて記載されている。
特許文献1に記載された試料用分析ディスクは、試料分析用ディスクの中心に対して回転対称となるように内周側に設けられた複数の注入孔を有する。各注入孔から注入された試料は、試料分析用ディスクの回転により、流路を伝わり、検出領域に到達する。
特開2013−64722号公報
しかしながら、特許文献1に記載された検査用ディスク(試料用分析ディスク)では、各注入孔から注入されて検出領域に到達した液体試料は、検出領域内において、流路と連通する開口面から外周方向に向かって均一には分布しない。検出領域において流路と連通する開口面は均一であるものの、上記液体試料の多くは、検査用ディスクの回転加速などの影響により、検出領域内のうち、検査用ディスクの円周方向における回転の向き側の領域に流れる流路を形成する。その後、上記回転の向き側の領域の液体試料の一部が、上記回転とは逆向き側に広がっていく。その結果、検出領域内において液体試料が検出領域の片方に偏ってしまい、検出領域内において液体試料が不均一に存在するという問題があった。つまり、回転の向き側の領域のほうが回転とは逆向き側よりも、液体試料が多く溜まっている。
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、ウェル内における液体試料の均一性を高めることができる検査用ディスクを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る検査用ディスクは、円盤状のウェル形成ディスク本体を備える。前記ウェル形成ディスク本体は、第1ウェルと、第2ウェルとを有する。前記第1ウェルは、液体試料が外部から注入されるウェルである。前記第2ウェルは、前記ウェル形成ディスク本体の径方向において前記第1ウェルよりも外周側に位置し、前記第1ウェルから移動する前記液体試料を溜めるためのウェルである。前記第2ウェルの開口面は、前記開口面の一部が前記開口面に沿って設けられた少なくとも1つの壁で塞がれていること、及び、前記ウェル形成ディスク本体の円周方向における前記開口面の中心において前記径方向と直交する直交線に前記開口面が交差することの少なくとも一方によって、形成されている。
本発明の第2の態様に係る検査用ディスクは、第1の態様において、フィルタを更に備える。前記フィルタは、前記開口面に沿って設けられており、前記第1ウェルから前記第2ウェルへ移動する前記液体試料から特定の物質を除去する。
本発明の第3の態様に係る検査用ディスクでは、第1又は2の態様において、前記壁は、前記開口面のうち前記直交線に沿った方向における少なくとも片側を塞ぐように設けられている。
本発明の第4の態様に係る検査用ディスクでは、第3の態様において、前記片側は、前記円周方向の回転の向き側である。
本発明の第5の態様に係る検査用ディスクでは、第3の態様において、前記壁は複数設けられている。前記複数の壁は、前記開口面のうち前記直交線に沿った方向における両側に設けられている。
本発明の第6の態様に係る検査用ディスクでは、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、前記開口面は、前記円周方向における前記開口面の中心から前記円周方向の回転の向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の外周側に位置する。さらに、前記開口面は、前記中心から前記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の内周側に位置する。
本発明の第7の態様に係る検査用ディスクでは、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、前記開口面は、前記円周方向における前記開口面の中心から前記円周方向の回転の向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の内周側に位置する。さらに、前記開口面は、前記中心から前記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の外周側に位置する。
本発明の第8の態様に係る検査用ディスクでは、第1又は2の態様において、前記開口面は、前記壁で塞がれている第1領域と、前記直交線と交差する第2領域とを有する。
本発明の第9の態様に係る検査用ディスクは、第1〜8の態様のいずれか1つにおいて、フィルタカートリッジを更に備える。前記フィルタカートリッジは、前記第1ウェルに設置される。前記フィルタカートリッジは、フィルタを有する。前記フィルタは、前記第1ウェルから前記第2ウェルへ移動する前記液体試料から特定の物質を除去する。
本発明によれば、第1ウェルから移動する液体試料を溜めるための第2ウェル内における液体試料の均一性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る検査用ディスクの平面図である。 図2Aは、同上の検査用ディスクの斜視図である。図2Bは、同上の検査用ディスクの一部破断した斜視図である。図2Cは、図2Bの要部Cの拡大図である。 図3は、同上の検査用ディスクの分解斜視図である。 図4は、同上の検査用ディスクにおけるディスク本体の下側から見た斜視図である。 図5は、同上の検査用ディスクにおけるトラックの拡大平面図である。 図6は、同上の検査用ディスクにおけるフィルタを構成する多孔質構造体のSEM像(Scanning Electron Microscope Image)図である。 図7は、同上の検査用ディスクを利用して液体試料の検査を行う検出装置の構成図である。 図8Aは、同上の検査用ディスクにおける要部の下側から見た斜視図である。図8Bは、図8AのX−X断面図である。 図9は、図1の要部拡大図である。 図10は、図8Aの要部拡大図である。 図11は、本発明の一実施形態の変形例1に係る検査用ディスクの要部拡大図である。 図12は、本発明の一実施形態の変形例2に係る検査用ディスクの要部拡大図である。 図13は、本発明の一実施形態の変形例3に係る検査用ディスクの要部拡大図である。 図14は、本発明の一実施形態の変形例4に係る検査用ディスクの要部拡大図である。
以下の実施形態に係る検査用ディスクでは、ウェル形成ディスク本体において、液体試料が外部から注入される第1ウェルと、第1ウェルから移動する液体試料を溜めるための第2ウェルとが形成されている。そして、第2ウェルの開口面は、開口面の一部が少なくとも1つの壁で塞がれていること、及び、ウェル形成ディスク本体の円周方向における開口面の中心において径方向と直交する直交線に開口面が交差することの少なくとも一方によって、形成されている。
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中において各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)検査用ディスクの全体構成
以下では、本実施形態に係る検査用ディスク(液体試料検査用ディスク)1について、図1〜図10に基づいて説明する。
検査用ディスク1は、円盤状のウェル形成ディスク本体2と、複数のフィルタカートリッジ3とを備える。ウェル形成ディスク本体2は、図2A〜図2C及び図3に示すように、円盤状のディスク本体4と、ディスク本体4よりも柔軟な円盤状のプレート5とを備える。検査用ディスク1は、軸心回りに回転し、回転に伴って第2ウェル22(図1参照)に溜められた液体試料を光学的に走査し分析するために用いられる。
ウェル形成ディスク本体2では、ディスク本体4とプレート5とが互いに重なるようにして接合されている。ウェル形成ディスク本体2では、ディスク本体4の中心軸45(図3参照)とプレート5の中心軸56(図3参照)とが一直線上に揃っている。要するに、ディスク本体4の中心軸45とプレート5の中心軸56とが一直線上に揃った状態で、ディスク本体4とプレート5とが互いに重なるように接合されている。
液体試料は、複数種類の物質を含んでいる。フィルタカートリッジ3のフィルタ35(図1及び図2B参照)は、第1チャンバー401から第2チャンバー402へ移動する液体試料から特定の物質を除去する。
検査用ディスク1は、例えば、液状の生体試料(例えば、人の血液)中の検体(例えば、赤血球)への病原性微生物(例えば、マラリアの原虫)の感染率を検査するために用いられる。マラリアの原虫は、例えば、ハマダラ蚊が人の血を吸ったときに人の体内に侵入し、血液中において赤血球に侵入し、赤血球中に寄生する。ここでいう「感染率」は、{[病原性微生物の感染している検体の数]/[検体の全数]}×100〔%〕である。液体試料は、少なくとも、液状の生体試料を含む。液体試料は、例えば、生体試料が血液である場合、粘性を低下させるために、血液を希釈液により希釈してあることが好ましい。希釈液としては、生体試料に含まれる血液細胞(赤血球、白血球)を変性させない液を用いる。希釈液としては、例えば、緩衝液、等張液、培養液、界面活性剤等を用いることができる。
検査用ディスク1では、病原性微生物の核酸を染色するための蛍光試薬(蛍光色素)が、ウェル形成ディスク本体2の第2ウェル22に配置されていることが好ましい。蛍光試薬は、例えば、凍結乾燥法、スピンコート法などにより配置されていることが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第2ウェル22へ移動した液体試料中の検体(赤血球)に寄生している病原性微生物の核酸を蛍光標識することが可能となる。蛍光試薬により染色された核酸は、外部から励起光が照射されたときに蛍光を発する。病原性微生物の核酸を染色するための蛍光試薬は、粉末でもよい。
検査用ディスク1では、フィルタ35が、特定の第2物質(検体)である赤血球を通し、かつ、特定の第1物質である白血球を捕捉するように構成されている。言い換えれば、フィルタ35は、赤血球と白血球とを分離し赤血球を抽出する分離部として機能するように構成されている。したがって、検査用ディスク1では、生体試料から赤血球を抽出することが可能となる。
病原性微生物の核酸を染色するための蛍光試薬は、白血球も染色することができる材料である。しかしながら、検査用ディスク1では、第1ウェル21に入れられた液体試料中の白血球がフィルタ35に捕捉される。よって、検査用ディスク1では、第1ウェル21へ入れられた液体試料に含まれている白血球が蛍光試薬により染色されるのを防ぐことが可能となる。
検査用ディスク1において、フィルタカートリッジ3は、液体試料を収納可能な収納空間31(図1参照)を有することが好ましい。ここで、フィルタカートリッジ3におけるフィルタ35は、ディスク本体4の径方向において収納空間31と第2チャンバー402との間にあることが好ましい。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3がディスク本体4の第1チャンバー401に入れられるので、フィルタカートリッジ3の収納空間31にある液体試料を、第1チャンバー401内に入れた液体試料とみなすことができる。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3におけるフィルタ35が収納空間31と第2チャンバー402との間にあることにより、収納空間31に入れた液体試料中の赤血球を、フィルタ35を通して第2ウェル22へ移動させることが可能となる。収納空間31に液体試料を入れる作業は、フィルタカートリッジ3がウェル形成ディスク本体2の第1ウェル21に嵌め込まれた状態で行うことが好ましい。
検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3が第1チャンバー401に入れられた状態において、収納空間31、フィルタ35及び第2チャンバー402が、ディスク本体4の中心側から外周側に向かってこの順に並んでいることが好ましい。要するに、検査用ディスク1では、ウェル形成ディスク本体2の中心側からウェル形成ディスク本体2の径方向の外向きにおいて、収納空間31、フィルタ35及び第2ウェル22が、この順に並んでいることが好ましい。これにより、検査用ディスク1を回転させたときに液体試料に作用する遠心力により、収納空間31中の液体試料を、フィルタ35を通して第2ウェル22へ移動させることが可能となる。第2ウェル22内において、液体試料には、遠心力の他に、表面張力等も作用する。検査用ディスク1の回転の向きは、検査用ディスク1の上側(検査用ディスク1におけるディスク本体4の第2面42側)から見て、時計回り(右回り)の向きである。
検査用ディスク1において第1ウェル21からフィルタ35を通して第2ウェル22へ送られた液体試料中の検体は、例えば、図7に示すような検出装置70によって検査される。
(2)検査用ディスクの各構成要素
検査用ディスク1の各構成要素については、以下に、詳細に説明する。
検査用ディスク1は、図1に示すように、ウェル形成ディスク本体2と、複数(9つ)のフィルタカートリッジ3とを備える。図1では、9つのフィルタカートリッジ3のうち5つのフィルタカートリッジ3のみを図示してある。
(2.1)ウェル形成ディスク本体
ウェル形成ディスク本体2は、図2A〜図2Cに示すように、円盤状のディスク本体4と、ディスク本体4の第1面41側においてディスク本体4に接合された円盤状のプレート5と、接合部6とを備える。ウェル形成ディスク本体2では、円盤状のディスク本体4と、円盤状のプレート5とが、接合部6を介して積層されている。
ウェル形成ディスク本体2の形状は、円盤状である。ウェル形成ディスク本体2の形状は、光ディスク(CD、DVD等)と同様、円盤状であることが好ましい。ウェル形成ディスク本体2の中央には、円形状の孔28が形成されていることが好ましい。検査用ディスク1の直径は、例えば、120mmである。
ディスク本体4は、複数(9つ)のフィルタカートリッジ3に一対一に対応する複数(9つ)のチャンバー400を有する。チャンバー400は、ディスク本体4の厚さ方向から見て、ディスク本体4の中心から離れるにつれてディスク本体4の周方向に沿った方向の幅が徐々に大きくなっており、外周側の端において幅が徐々に狭くなっている。
各チャンバー400は、図2A及び図4に示すように、第1チャンバー401と、第2チャンバー402とを有する。第1チャンバー401は、ディスク本体4の厚さ方向に貫通しており、プレート5側の開口をプレート5により塞がれている。これにより、ウェル形成ディスク本体2では、第1チャンバー401は、ディスク本体4の厚さ方向においてプレート5側とは反対側が開放されている。第2チャンバー402は、ディスク本体4の第1面41に形成されており、ディスク本体4の厚さ方向においてプレート5側とは反対側が閉塞されている。また、第2チャンバー402は、プレート5側の開口をプレート5により塞がれている。第2チャンバー402は、第1チャンバー401と連通している(繋がっている)。ここにおいて、ディスク本体4は、第1チャンバー401と第2チャンバー402との間に、第1チャンバー401及び第2チャンバー402それぞれに連通する第1チャネル403(図2B及び図4参照)を有することが好ましい。第1チャネル403は、ディスク本体4の第1面41に形成されており、ディスク本体4の厚さ方向においてプレート5側とは反対側が閉塞されている。
ここにおいて、複数のチャンバー400は、ディスク本体4の周方向に略等間隔で並んでいる。したがって、複数の第1チャンバー401は、ディスク本体4の周方向において等間隔で並んでいる。同様に、複数の第1チャネル403も、ディスク本体4の周方向において等間隔で並んでいる。複数の第2チャンバー402も、ディスク本体4の周方向において等間隔で並んでいる。ウェル形成ディスク本体2には、第1ウェル21と第2ウェル22とのセットが9セット形成される。第2ウェル22は、ウェル本体24と、第1ウェル21とウェル本体24との間にある流路23とを有する。流路23は、第1ウェル21とウェル本体24とを連通させる。
ディスク本体4の中央には、ウェル形成ディスク本体2の孔28の一部を構成する円形状の孔48が形成されている。
ディスク本体4の材質は、例えば、アクリル樹脂であるが、これに限らない。ディスク本体4の材質は、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート等のプレート本体50の材質と同じ材質でもよい。ただし、プレート本体50とディスク本体4の材質は必ずしも同じ材質を採用する必要はなく、例えば、プレート本体50がポリカーボネート、ディスク本体4がポリスチレンという組み合わせでもよい。ディスク本体4は、射出成形によって形成されている。これにより、ディスク本体4には、孔48、チャンバー400等が形成されている。
ディスク本体4は、蛍光色素と同様に半導体レーザ71からの励起光によって励起されて蛍光を発する蛍光材を含有させてあることが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、検出装置70により赤血球の検査を行うときに、画像において赤血球の背景画像を明るくすることが可能となり、赤血球の輪郭を画像認識しやすくなり、検査の精度を向上させることが可能となる。蛍光材から発生する蛍光の波長は、例えば、480〜600nmである。このような蛍光材としては、希土類イオンで付活された蛍光体等を採用することができる。
無機系の蛍光体の例として、BAM系の蛍光体(例えば、BaMgAl1017:Eu2+)、SCA系の蛍光体(例えば(Sr,Ba,Ca)5(PO43Cl:Eu2+)、SMS系の蛍光体(Sr3MgSi28:Eu2+)、YAG系の蛍光体(例えばY3Al312)、CASN系蛍光体(例えばCaAlSiN3:Eu)、SSE系蛍光体(Sr3SiO5:Eu)等が挙げられる。上記の蛍光体は必ずしも上記組成と完全一致する必要はなく、添加物が含まれていたり、組成比が異なったりしてもよい。また、上記の蛍光体以外にも、3波長形蛍光ランプ用蛍光体、特殊ランプ用蛍光体、冷陰極ランプ用蛍光体、PDP(Plasma Display Panel)用蛍光体、LED(Light Emitting Diode)用蛍光体、蛍光灯用蛍光体、等の広く用いられている蛍光体を使用することができる。また、有機系の蛍光体の例として、赤色発光蛍光体(Eu錯体化合物、Sm錯体化合物、Pr錯体化合物、ジシアノメチレン系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポリアルキルチオフェン誘導体)、黄色発光蛍光体(ルブレン系化合物、ペリミドン誘導体)、青色発光蛍光体(ペリレン系化合物、ピレン系化合物、アントラセン系化合物、ジスチリル誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体)、緑色発光蛍光体(クマリン系化合物、Tb錯体化合物、キナクリドン化合物)等が挙げられる。
これらの蛍光体は、1種を単独で用いてもよいし、同色系ないしは異なる色調に発光するものの2種以上を併用してもよい。少量配合で良好な蛍光発光特性を示す観点から、有機系の蛍光体としては、赤色発光蛍光体のEu錯体化合物を用いることが好ましい。
ディスク本体4の第1面41と第2面42との間の厚さは、例えば、2.0mmである。ここにおいて、ディスク本体4の第2チャンバー402の深さは、検体のサイズよりも十分に大きいことが好ましい。第2チャンバー402の深さは、例えば、400μmである。
ところで、ディスク本体4は、図1に示すように、第1面41に形成された複数(図示例では9つ)のゲート跡411と、第2面42から突出する複数(図示例では9つ)の突部421とを有する。各突部421は、ディスク本体4の厚さ方向においてゲート跡411に重なる。ディスク本体4では、突部421の先端面の全体が、第2面42における突部421以外の部位と比べて表面粗さの大きな粗面部431であることが好ましい。なお、ディスク本体4では、9つの粗面部431を区別するために、9つの粗面部431の近傍に互いに異なる文字A〜Iが形成されている。
プレート5は、図2A〜図2Cに示すように、ディスク本体4の第1面41側においてチャンバー400を覆うようにディスク本体4に接合されている。
また、プレート5の中央には、ウェル形成ディスク本体2の孔28の一部を構成する円形状の孔58が形成されている。また、プレート5は、円盤状のプレート本体50(図2C参照)を備える。プレート本体50の材質は、例えば、透明な樹脂である。プレート本体50は、厚さ方向において互いに反対側にある表面51及び裏面52を有する。プレート本体50の表面51には、光ディスクと同様に、プレート本体50の裏面52を通して入射したビーム状の光を追従させるための螺旋状のトラック53(図5参照)が形成されていることが好ましい。トラック53は、溝である。トラック53は、プレート本体50の中央部から外周部まで螺旋状に形成されている。トラック53にはアドレス情報が連続的に記録されている。これにより、プレート本体50では、アドレス情報によって位置が特定できるようになっている。したがって、例えば、検査用ディスク1の面内における第2ウェル22の位置情報は、アドレス情報により特定される。検査用ディスク1は、光ディスクと同様、トラック53が光により走査されることにより、アドレス情報が再生される。光は、励起光である。励起光の波長は、例えば、400nm〜410nmであることが好ましく、405nmであることがより好ましい。トラック53の深さは、例えば、50nmである。
プレート5の厚さは、例えば、0.6mmである。検査用ディスク1は、プレート5におけるプレート本体50の裏面52側から検査用の光(励起光)を入射させることを想定している。このため、検査用ディスク1では、プレート5の厚さがディスク本体4の厚さよりも薄いことが好ましい。プレート5の厚さは、励起光のビームスポットのコマ収差を低減する観点から、励起光の波長が短いほど薄いことが好ましい。
プレート本体50の材質は、透明な樹脂であることが好ましい。プレート本体50は、射出成形によって形成されている。これにより、プレート本体50には、孔58、トラック53(図5参照)が形成されている。プレート本体50の材質は、例えば、ポリカーボネートであるが、これに限らない。プレート本体50の材質は、例えば、ポリメチルメタクリレート、非晶質ポリオレフィン、ポリエチレン、エチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコーン樹脂、ポリフェニレンオキサイド及びポリスルホン等でもよい。
プレート5は、プレート本体50の表面51上に形成された誘電体膜54(図2C参照)を更に備える。誘電体膜54は、例えば、ZnS−SiO2膜である。誘電体膜54は、トラック53を覆うように形成されている。誘電体膜54は、トラッキングのために励起光の一部を反射し、残りのほとんどを透過させるように構成されている。励起光に対する誘電体膜54の反射率は、例えば、5%以上20%以下である。上述の蛍光に対する誘電体膜54の反射率は、例えば、上述の励起光に対する誘電体膜54の反射率以下であることが好ましい。検査用ディスク1では、プレート本体50の裏面52に入射した励起光を反射する反射面55(図2C参照)が、誘電体膜54とプレート本体50との界面により構成されている。
プレート5とディスク本体4とは、例えば、接着剤からなる接合部6により接合されている。接着剤は、例えば、アクリレート系の接着剤である。
プレート5は、ディスク本体4の第1面41側でディスク本体4に接合されている。これにより、プレート5とディスク本体4との間に介在させる接合部6の厚さを薄くすることが可能となる。また、検査用ディスク1では、ウェル形成ディスク本体2の外周部において、接合部6にボイド等が発生するのを抑制することが可能となる。これにより、検査用ディスク1は、検査用ディスク1の外周部におけるプレート5とディスク本体4との接合性を向上させることが可能となる。
ところで、ウェル形成ディスク本体2では、ディスク本体4における第1チャンバー401の内壁面とプレート5とで囲まれた空間が、液体試料を溜める第1ウェル21(図1及び図2B参照)を構成している。また、ウェル形成ディスク本体2では、ディスク本体4における第2チャンバー402の内壁面とプレート5とで囲まれた空間が、第1ウェル21から移動させた液体試料を溜める第2ウェル22(図1及び図2B参照)を構成している。また、ウェル形成ディスク本体2では、ディスク本体4における第1チャネル403の内壁面とプレート5とで囲まれた空間が、第1チャンバー401と第2チャンバー402との間で液体試料を通す流路23(図1及び図2B参照)を構成している。
ウェル形成ディスク本体2には、ウェル形成ディスク本体2の中心側から外周側に向かって、第1ウェル21及び第2ウェル22がこの順で設けられている。つまり、第1ウェル21、流路23及びウェル本体24がこの順で設けられている。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3を第1ウェル21にウェル形成ディスク本体2の厚さ方向から嵌め込むことができるので、フィルタカートリッジ3をウェル形成ディスク本体2の径方向から嵌め込む場合に比べて、比較的容易に嵌め込むことが可能となる。
検査用ディスク1では、複数のチャンバー400が、ウェル形成ディスク本体2の中心軸25を中心に等角度間隔で放射状に配列されている。これにより、検査用ディスク1は、複数の液体試料の検査に利用することができる。また、検査用ディスク1を利用した赤血球の検査方法では、複数のフィルタカートリッジ3の収納空間31のそれぞれに液体試料を入れ、かつ、複数のフィルタカートリッジ3をウェル形成ディスク本体2において一対一で対応する第1ウェル21に嵌め込んだ状態で、検査用ディスク1を、ウェル形成ディスク本体2の中心軸25を中心として回転させる。これにより、検査方法では、複数の液体試料のそれぞれから赤血球を互いに異なる第2ウェル22へ抽出することが可能となり、検査時間の短縮化を図ることが可能となる。
第1ウェル21は、ディスク本体4に形成された第1チャンバー401の内壁面とプレート5と接合部6とで囲まれた空間である。第1チャンバー401は、ディスク本体4の径方向において、ディスク本体4の孔48付近に設けられている。第1チャンバー401及び第1ウェル21の形状は、ウェル形成ディスク本体2の厚さ方向から見てフィルタカートリッジ3と略同じである。これにより、検査用ディスク1では、第1ウェル21に嵌め込まれたフィルタカートリッジ3のがたつきを抑制することが可能となる。
ウェル形成ディスク本体2では、第1ウェル21と第2ウェル22のウェル本体24とがウェル形成ディスク本体2の径方向において離れており、第1ウェル21とウェル本体24とが流路23を通して連通していることが好ましい。
流路23の開口面積は、第1ウェル21から離れてウェル本体24に近づくにつれて徐々に小さくなっていることが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第1ウェル21からウェル本体24へ移動した液体試料中に気泡が発生するのを抑制することが可能となる。
ディスク本体4におけるチャンバー400は、ディスク本体4の周方向において第1チャネル403の両側に1つずつ形成された2つの第2チャネル405(図9参照)を有する。第2チャネル405の深さは、第2チャンバー402の深さと略同じである。第2チャネル405は、検査用ディスク1における通気流路11(図1及び図9参照)に連通している。通気流路11は、ディスク本体4の第1チャンバー401の内壁面においてディスク本体4の厚さ方向の全長にわたって設けられた溝404とフィルタカートリッジ3の側面との間に形成されている。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3におけるディスク本体4の周方向に沿った方向の両側それぞれに通気流路11が形成されている。これにより、検査用ディスク1では、第1ウェル21から第2ウェル22へ液体試料を移動させたときに第2ウェル22内に気泡が発生するのを抑制することが可能となる。よって、検査用ディスク1では、検出装置70により光を照射したときにノイズの原因となる気泡の発生を抑制できるので、検出装置70による検査の精度を向上させることが可能となる。検査用ディスク1は、第1チャンバー401の内壁面において第1面41と第2面42との間の部位からフィルタカートリッジ3に向かって突出したリブ47(図9参照)を一体に備えている。ここにおいて、ディスク本体4では、リブ47におけるプレート5との対向面と第2チャネル405の底面とが連続して略面一となっている。これにより、検査用ディスク1では、第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する液体試料が通気流路11を通して検査用ディスク1の外へ飛散するのを防止することが可能となる。第2チャネル405の底面は、第2チャンバー402の底面と連続して略面一となっている。
ディスク本体4の厚さ方向から見て第2チャンバー402の面積が第1チャンバー401の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、検査用ディスク1では、第1ウェル21から第2ウェル22へ液体試料を移動させたときに、液体試料を第2ウェル22内において第1ウェル21よりも広い範囲に広げることが可能となる。よって、検査用ディスク1は、検査用ディスク1の厚さ方向において赤血球が重なるのを抑制することが可能となり、検出装置70による検査の精度を向上させることが可能となる。
検査用ディスク1では、第2ウェル22の内壁面に適宜の表面処理が施されていることが好ましい。ここにおいて、表面処理としては、例えば、プレート5における第2チャンバー402の底面との対向面に、赤血球の電荷と逆極性の電荷を持たせるプラズマ処理等である。これにより、検査用ディスク1では、第2ウェル22へ移動した赤血球がプレート5の厚さ方向において重なるのを抑制することが可能となり、プレート5上のより広い範囲に赤血球を単層化することが可能となる。言い換えれば、プレート5上における赤血球の被覆率を高め、かつプレート5の厚さ方向に赤血球が重なるのを抑制することが可能となる。
(2.2)フィルタカートリッジ
フィルタカートリッジ3は、第1チャンバー401から第2チャンバー402へ移動する液体試料から特定の物質を除去するフィルタ35(図1及び図2B参照)を有する。ここで、「特定の物質を除去する」とは、特定の物質を捕捉することを意味する。
フィルタ35は、液体試料から特定の第1物質を捕捉し特定の第2物質を通す多孔質構造体36(図6参照)を含む。多孔質構造体36は、例えば、特定の第1物質(白血球)を通過させず特定の第2物質(赤血球)を通過させるように構成されている。多孔質構造体36は、例えば、図6に示すSEM像図のように、複数の繊維状物質361により形成されている。より詳細には、多孔質構造体36は、複数の繊維状物質361が互いに絡み合って形成されており、多数の空隙362が形成されている。空隙362は、隣り合う繊維状物質361間にある。多孔質構造体36は、複数の繊維状物質361がそれぞれ湾曲して絡み合っている。繊維状物質361は、例えば、酸化シリコンである。より詳細には、繊維状物質361は、アモルファス状の二酸化シリコンである。繊維状物質361の太さ(繊維径)は、例えば、0.01μm〜1μm程度である。繊維状物質361は、枝分かれしていてもよい。空隙362は、例えば、多孔質構造体36において、赤血球を通し、かつ、白血球を捕捉できるような大きさである。ここで、空隙362は、赤血球よりも大きいことが好ましいが、必ずしも赤血球よりも大きい必要はない。これは、赤血球が、変形能を有し、自身よりも小さな空隙362を通ることが可能であるからである。また、空隙362は、白血球等の捕捉対象物よりも小さい。これは、白血球は、赤血球よりも変形能が小さいからである。
フィルタカートリッジ3は、ディスク本体4の第1チャンバー401に入れられる。ここにおいて、検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3は、ウェル形成ディスク本体2の第1ウェル21に嵌め込まれる。
フィルタカートリッジ3は、フィルタ35を保持するケース30を備えている。ケース30は、ウェル形成ディスク本体2の厚さ方向から見て第1ウェル21と略同じ形状である。ケース30は、ウェル形成ディスク本体2の厚さ方向から見て、ウェル形成ディスク本体2の径方向においてウェル形成ディスク本体2の中心から離れるにつれて幅が徐々に広くなる形状である。ケース30は、第2チャンバー402側の一面に開口部320(図9参照)を有する。フィルタカートリッジ3では、フィルタ35がケース30の開口部320を塞ぐように配置されている。
フィルタ35は、多孔質構造体36と、多孔質構造体36を保持する保持体とを備える。フィルタ35は、ケース30に対して、例えば、嵌め込みにより固定されている。フィルタカートリッジ3では、ケース30とフィルタ35とで囲まれた空間が液体試料の収納空間31(図1参照)を構成している。フィルタ35は、第2ウェル22の開口面29に沿って設けられている。
多孔質構造体36を保持する保持体には、複数の貫通孔が形成されている。各貫通孔は、フィルタ35の法線方向に沿って形成されている。各貫通孔は、フィルタ35を通る特定の物質(例えば、赤血球)を通す大きさに形成されている。各貫通孔の開口形状は、例えば、円形状、楕円形状又は矩形状である。
フィルタカートリッジ3は、図3に示すように、液体試料を収納空間31に注入するための注入孔33を有する。これにより、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料が入っておらず、かつ、フィルタカートリッジ3をウェル形成ディスク本体2の第1ウェル21に嵌め込んでいないときに、フィルタ35のフィルタ性能の検査の一種としてリーク試験を行うことが可能となる。リーク試験では、例えば、フィルタ35の圧力損失を測定する。フィルタ35の圧力損失は、例えば、試験用清浄空気をフィルタ35に流通させたときの上流側と下流側との全圧差をマノメータによって測定することよって得られる。より詳細には、注入孔33から所定圧力の試験用清浄空気をケース30内へ導入したときのフィルタ35での圧力損失を測定する。これにより、検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3をウェル形成ディスク本体2の第1ウェル21に嵌め込む前に、フィルタ35のフィルタ性能を検査することができる。注入孔33は、ケース30の上壁において開口部320から遠い位置にあることが好ましい。
また、フィルタカートリッジ3の収納空間31の形状は、検査用ディスク1の厚さ方向から見て、図1に示すように、U字形状である。フィルタカートリッジ3では、ケース30においてU字形状の収納空間31の第1端に連通するように注入孔33が設けられており、第2端に連通するように通気孔38が設けられている。これにより、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料を注入する際に、収納空間31内部に存在していた空気をフィルタ35以外の部分からも逃がすことが可能となるために、スムーズに液体試料を注入することができる。通気孔38の形状は、例えば、円形である。通気孔38は、液体試料の漏れを防ぐ観点から、できるだけ小さいほうが好ましく、注入孔33よりも小さいほうが好ましい。
フィルタカートリッジ3の製造時には、多孔質構造体36を含むフィルタ35をケース30に固定する前に、多孔質構造体36の厚さをレーザ変位計等によって測定することができる。フィルタカートリッジ3では、その製造時に、フィルタ性能を決める要因の一つである多孔質構造体36の厚さをレーザ変位計等により検査することができる。
ところで、検査用ディスク1は、上述したように、円盤状のウェル形成ディスク本体2を備える。ウェル形成ディスク本体2は、第1ウェル21と、第2ウェル22とを有する。第1ウェル21は、液体試料が外部から注入されるウェルである。第2ウェル22は、ウェル形成ディスク本体2の径方向において第1ウェル21よりも外周側に位置し、第1ウェル21から移動する液体試料を溜めるためのウェルである。検査用ディスク1が回転すると、遠心力により、液体試料が第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する。
図8A及び図8Bに示すように、第2ウェル22は、第1ウェル21よりも、ウェル形成ディスク本体2の厚さ方向の高さが低い。さらに、第2ウェル22は、液体試料が溜められるウェル本体24と、第1ウェル21とウェル本体24とを連通させる流路23とを有する。流路23は、第1ウェル21からウェル本体24に近づくにつれてウェル形成ディスク本体2の厚さ方向の高さが低くなる。また、第1ウェル21は、ウェル形成ディスク本体2の厚さ方向の一面が開口している。一方、第2ウェル22は、上記厚さ方向の両面が塞がれている。
本実施形態に係る検査用ディスク1では、図8A、図8B、図9及び図10に示すように、第2ウェル22の開口面29の一部が1つの壁39で塞がれている。本実施形態の壁39は、フィルタカートリッジ3のケース30の一部である。開口面29は、第2ウェル22が第1ウェル21と連通するために開口している面である。なお、図10の矢印は、検査用ディスク1の回転の向きを示している。
また、上述したように、検査用ディスク1は、フィルタ35を備える。より詳細には、検査用ディスク1を構成するフィルタカートリッジ3がフィルタ35を有する。フィルタ35は、第2ウェル22の開口面29に沿って設けられており、第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する液体試料から特定の物質を除去する。
本実施形態に係る検査用ディスク1では、壁39は、開口面29のうち直交線L1に沿った方向における少なくとも片側を覆うように設けられている。より詳細には、壁39は、ウェル形成ディスク本体2の円周方向の回転の向き側に設けられている。つまり、壁39は、開口面29のうち回転の向きを示す矢印の先端側(図10の下側)に設けられている。
また、壁39は、直交線L1に沿って設けられている。直交線L1とは、ウェル形成ディスク本体2の中心から開口面29の円周方向における中心293を通る線分に直交する軸である。
このような壁39が第2ウェル22の開口面29に沿って設けられていると、フィルタカートリッジ3に収容されている液体試料すなわち第1ウェル21にある液体試料は、検査用ディスク1が回転した場合に、液体試料が壁39に衝突する。つまり、液体試料は、遠心力によって、検査用ディスク1の円周方向の回転の向き側において液体試料が壁39に衝突する。そして、円周方向の回転の向き側の液体試料は、第1ウェル21内において円周方向の回転とは逆向き側に流れ、フィルタ35を通して第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する。
(3)検出装置
図7に示す検出装置70は、上述したように、検査用ディスク1において第1ウェル21(図1参照)からフィルタ35(図1参照)を通して第2ウェル22(図1参照)へ送られた液体試料中の検体を検査する。検出装置70は、例えば、光ディスク用の光ピックアップ装置と同様の光学系を備える。検出装置70の光学系の動作も、光ディスク用の光ピックアップ装置の動作と同様である。検出装置70の光学系は、半導体レーザ71と、偏光ビームスプリッタ72と、対物レンズ73と、ダイクロイックプリズム74と、蛍光検出器75と、アナモフィックレンズ76と、反射励起光検出器77とを備える。検出装置70の光学系は、検査用ディスク1の回転に伴って第2ウェル22に溜められた液体試料を光学的に走査する。
検出装置70は、上述の光学系の他、ホルダ81と、アクチュエータ82と、回転装置83と、第1の信号演算回路84と、サーボ回路85と、第2の信号演算回路86と、画像解析装置87と、画像表示装置88とを備える。回転装置83は、モータであり、検査用ディスク1を回転させる。回転装置83は、サーボ回路85によって制御される。
検出装置70では、回転装置83により回転するテーブルに検査用ディスク1がセットされた後に、所定動作が開始される。
光学系、ホルダ81及びアクチュエータ82は、CDやDVDの記録/再生に用いる既存の光ピックアップ装置と同様、ハウジングに設置されている。また、このハウジングは、所定のガイド機構によって、検査用ディスク1の径方向に移動可能となっている。サーボ回路85は、ハウジングの移動の制御も行う。この制御は、既存のCDプレーヤやDVDプレーヤにおける制御と同様のアクセス制御なので、その詳細な説明は省略する。
半導体レーザ71は、波長405nm程度の光(励起光)を出射する。図7には、光の進行経路を一点鎖線で示している。半導体レーザ71から出射された励起光は、偏光ビームスプリッタ72によって反射され、対物レンズ73に入射する。
対物レンズ73は、所定の開口数(Numerical Aperture)を有し、励起光を検査用ディスク1に対して適正に収束させるように構成されている。具体的には、対物レンズ73は、偏光ビームスプリッタ72側から入射する励起光が収束するように構成されている。
対物レンズ73は、ホルダ81に保持された状態で、アクチュエータ82により、フォーカス方向(検査用ディスク1の厚さ方向)とトラッキング方向(検査用ディスク1の径方向)に駆動される。すなわち、対物レンズ73は、励起光が検査用ディスク1の反射面55(図2C参照)に合焦された状態でトラック53(図5参照)を追従するように駆動される。反射面55に合焦された励起光は、一部が反射面55によって反射され、大部分が反射面55を透過する。
対物レンズ73によって収束された励起光が赤血球において蛍光標識された核酸に照射されると、蛍光が発生する。蛍光の波長は、励起光の波長と異なる。蛍光の波長は、例えば、440nm〜490nmであることが好ましく、455nmであることがより好ましい。蛍光色素としては、例えば、SYTO(登録商標)Blue等を用いることができる。マラリアの原虫が感染していない赤血球は、蛍光標識されていないので、励起光を照射されても蛍光を発生しない。したがって、検出装置70では、マラリアの原虫が感染している赤血球と感染していない赤血球とを蛍光の有無で区別することができる。
ダイクロイックプリズム74は、波長405nm程度の光を反射し、波長440〜600nm程度の光を透過するよう構成されている。
反射面55によって反射された励起光(以下、「反射励起光」という)は、偏光ビームスプリッタ72を透過し、ダイクロイックプリズム74によって反射され、アナモフィックレンズ76に入射する。
アナモフィックレンズ76は、偏光ビームスプリッタ72側から入射する反射励起光に非点収差を導入する。アナモフィックレンズ76を透過した反射励起光は、反射励起光検出器77に入射する。反射励起光検出器77は、受光面上に反射励起光を受光するための4分割センサを有している。反射励起光検出器77の検出信号は、第2の信号演算回路86に入力される。
第2の信号演算回路86は、反射励起光検出器77の検出信号から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成し、かつ、ウォブル信号(Wobble Signal)を生成する。フォーカスエラー信号は、対物レンズ73の焦点位置と検査用ディスク1とのずれ(焦点誤差)を示す信号である。トラッキングエラー信号は、励起光のスポットとトラック53とのずれ(トラッキング誤差)を示す信号である。ウォブル信号は、トラック53により規定されるグルーブの蛇行形状に応じた波形信号である。フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は、非点収差法と1ビームプッシュプル法に従って生成される。ウォブル信号は、トラッキングエラー信号に基づいて生成される。具体的には、トラッキングエラー信号から、ウォブル信号に応じた周波数成分を抽出することにより、ウォブル信号が生成される。サーボ回路85は、第2の信号演算回路86から出力されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を用いて、アクチュエータ82を制御する。また、サーボ回路85は、第2の信号演算回路86から出力されたウォブル信号を用いて、所定の線速度で検査用ディスク1が回転されるように回転装置83を制御する。
また、第2の信号演算回路86は、ウォブル信号を復調して生成した再生データ(アドレス情報)を画像解析装置87に出力する。
対物レンズ73側からダイクロイックプリズム74に入射する蛍光は、ダイクロイックプリズム74を透過し、蛍光検出器75に入射する。蛍光検出器75は、受光した蛍光を電気信号からなる検出信号に変換して出力するセンサを有している。蛍光検出器75の検出信号は、第1の信号演算回路84に入力される。
第1の信号演算回路84は、蛍光検出器75からの検出信号を増幅して生成した蛍光輝度情報を画像解析装置87に出力する。
画像解析装置87は、第1の信号演算回路84から出力される蛍光輝度情報と、第2の信号演算回路86から出力されるアドレス情報とに基づいて第2チャンバー402内の液体試料の画像を生成して画像表示装置88に表示させる。さらに、画像解析装置87は、当該画像における赤血球及び赤血球に感染しているマラリア原虫の核酸を検出して、感染率を演算し、その演算結果を画像表示装置88に表示させる。画像解析装置87は、例えば、パーソナルコンピュータに適宜のプログラムを実行させることにより実現できる。また、画像表示装置88は、例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイにより構成できる。
(4)検査方法
検査用ディスク1及び検出装置70を用いて赤血球の検査を行う例の手順について、簡単に説明する。
患者から採血された血液(生体試料)を準備してから、血液と希釈液とを混合することで液体試料を調製する。
その後、フィルタカートリッジ3の収納空間31に液体試料を入れる。収納空間31に生体試料を入れるときには、例えば、ピペット(Pipette)、シリンジ(Syringe)、毛細管(Capillary)等を用いる。ここでは、フィルタカートリッジ3をウェル形成ディスク本体2の第1ウェル21に嵌め込んだ状態において液体試料を収納空間31に入れることが好ましい。
その後、検出装置70において、検査用ディスク1を所定の線速度で所定の回転時間だけ回転させる。検出装置70は、ウェル形成ディスク本体2の中心軸25を中心として検査用ディスク1を回転させる。このとき、液体試料中の白血球は、フィルタカートリッジ3のフィルタ35に捕捉され、第2ウェル22へは到達しない。よって、検査用ディスク1では、液体試料に含まれている赤血球を第1ウェル21から第2ウェル22へ移動させることができ、かつ、液体試料に含まれている白血球をフィルタ35で捕捉することができる。
その後、検出装置70において、第2ウェル22内の液体試料(ここで、第2ウェル22内に移動した液体試料は液相状態から固相状態に変化していてもよい)の画像を生成して、画像表示装置88に表示させ、更に感染率を画像表示装置88に表示させる。これにより、医師等が顕微鏡を利用して検査を行う場合と比べて、検査時間を短縮することが可能となる。第2ウェル22内に移動した液体試料は、検出装置70において検査を行う場合に、液相状態でもよいし、液相状態から固相状態に変化していてもよいが、液体試料の励起光に対する屈折率は、円盤状のディスク本体4、円盤状のプレート5、及び、ディスク本体4とプレート5とを接合している接合部6それぞれの材料の励起光に対する屈折率に近いほうが好ましく、1.3〜1.6程度である。
検査用ディスク1は、フィルタカートリッジ3を備えており、フィルタカートリッジ3単体でフィルタ性能の検査を行うことができる。ここにおいて、「フィルタ性能」とは、フィルタ35の性能であり、赤血球を透過し白血球を捕捉する性能である。検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3単体でフィルタ性能の検査を行うことができることにより、フィルタ性能の信頼性の向上を図ることが可能となる。これにより、例えば、検査用ディスク1及び検出装置70を用いた感染率の検査の精度を向上させることが可能となる。
以上説明した検査用ディスク1及び検出装置70を用いた検査方法では、赤血球へのマラリアの原虫の感染の有無を確認することにより、自覚症状のない潜伏期間においてマラリアの原虫の感染の有無を精度よく検査することが可能となる。
(5)変形例
本実施形態の変形例1として、検査用ディスク1は、図11に示すような構造を有してもよい。なお、図11の矢印は、検査用ディスク1の回転の向きを示している。
変形例1に係る検査用ディスク1では、第2ウェル22の開口面29aの一部が、壁39(図10参照)ではなく、複数(図示例では2つ)の壁39a、39bで塞がれている。変形例1の複数の壁39a、39bは、フィルタカートリッジ3のケース30の一部であり、開口面29aのうち直交線L1に沿った方向における両側に設けられている。壁39a、39bは、壁39と同様に、直交線L1に沿って設けられている。
また、変形例1においても、フィルタカートリッジ3の保持体に形成された複数の貫通孔は、本実施形態と同様に、フィルタ35の法線方向に沿って形成されている。
このような複数の壁39a、39bが第2ウェル22の開口面29aに沿って設けられていると、フィルタカートリッジ3に収容されている液体試料すなわち第1ウェル21にある液体試料は、検査用ディスク1が回転した場合に、円周方向の回転の向き側において液体試料が壁39aに衝突し、円周方向の回転とは逆向き側の液体試料が壁39bに衝突する。そして、回転の向き側及び回転とは逆向き側の液体試料は、第1ウェル21内において中央に流れ、フィルタ35を通して第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する。これにより、第1ウェル21から第2ウェル22へ移動する液体試料の流路を変更することができる。その結果、変形例1の検査用ディスク1においても、第2ウェル22内における液体試料の均一性を高めることができる。
本実施形態の変形例2として、検査用ディスク1は、図12に示すような構造を有してもよい。なお、図12の矢印は、検査用ディスク1の回転の向きを示している。
変形例2に係る検査用ディスク1では、検査用ディスク1を上方から見たときに、第2ウェル22の開口面29bは、検査用ディスク1の半径と直交する直交線L1に対して傾斜している。なお、変形例2に係る検査用ディスク1には、壁39(図10参照)は設けられていない。
開口面29bは、ウェル形成ディスク本体2の円周方向における開口面29bの中心293から上記円周方向の回転の向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の外周側に位置する。さらに、開口面29bは、中心293から上記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の内周側に位置する。言い換えると、第2ウェル22の開口面29bは、図12に示す矢印の基端側から先端側になるほど、ウェル形成ディスク本体2の中心からの距離が長くなるように形成されている。開口面29bと直交線L1とでなす角θ1は5°以上80°以下であることが好ましい。
このように開口面29bが傾斜して形成されていると、開口面29bにおいて、回転とは逆向き側よりも回転の向き側のほうが、液体試料が開口面29bに到達するまでの距離が長くなる。このため、回転とは逆向き側よりも回転の向き側のほうが、液体試料が第1ウェル21から第2ウェル22へ流れにくくなる。また、検査用ディスク1が回転した場合に、開口面29bに直交する方向が、遠心力と回転加速による慣性力との合成力のベクトル方向に近くなる。このため、回転とは逆向き側においても液体試料が第1ウェル21から第2ウェル22へ流れやすくなる。その結果、変形例2の検査用ディスク1においても、第2ウェル22内における液体試料の均一性を高めることができる。
本実施形態の変形例3として、検査用ディスク1は、図13に示すような構造を有してもよい。なお、図13の矢印は、検査用ディスク1の回転の向きを示している。
変形例3に係る検査用ディスク1では、検査用ディスク1を上方から見たときに、第2ウェル22の開口面29cは、検査用ディスク1の半径と直交する直交線L1に対して、変形例2の開口面29b(図12参照)とは逆向きに傾斜している。なお、変形例3においても、変形例2と同様に、検査用ディスク1には、壁39(図10参照)は設けられていない。
開口面29cは、ウェル形成ディスク本体2の円周方向における開口面29cの中心293から上記円周方向の回転の向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の内周側に位置する。さらに、開口面29cは、中心293から上記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の外周側に位置する。言い換えると、第2ウェル22の開口面29cは、図13に示す矢印の基端側から先端側になるほど、ウェル形成ディスク本体2の中心からの距離が短くなるように形成されている。開口面29cと直交線L1とでなす角θ1は5°以上80°以下であることが好ましい。
また、変形例3においても、フィルタカートリッジ3の保持体に形成された複数の貫通孔は、本実施形態と同様に、フィルタ35の法線方向に沿って形成されている。
このように開口面29cが傾斜して形成されていると、検査用ディスク1が回転した場合に、開口面29cに直交する方向が、検査用ディスク1の回転による遠心力と回転加速度による慣性力との合成力のベクトル方向から遠ざかる。このため、回転加速度が生じているときは、液体試料が第1ウェル21から第2ウェル22へ流れにくくなる。その後、検査用ディスク1の回転が等速になると、回転加速度による慣性力はゼロに近くなるため、液体試料は、遠心力により第1ウェル21から第2ウェル22へ流れる。このとき、回転加速度がゼロに近いため、開口面29cの位置に関係なく、液体試料は第1ウェル21から第2ウェル22へ均等に流れる。回転とは逆向き側の領域においても液体試料が第1ウェル21から第2ウェル22へ流れやすくなる。その結果、変形例3の検査用ディスク1においても、第2ウェル22内における液体試料の均一性を高めることができる。
本実施形態の変形例4として、検査用ディスク1は、図14に示すような構造を有してもよい。なお、図14の矢印は、検査用ディスク1の回転の向きを示している。
変形例4に係る検査用ディスク1では、開口面29dは、壁39dで塞がれている第1領域291と、直交線L1と交差する第2領域292とを有する。壁39dは、壁39(図10参照)と同様に、直交線L1に沿って形成されている。直交線L1とは、ウェル形成ディスク本体2の中心から開口面29dの円周方向における中心293を通る線分に直交する線である。開口面29dの第2領域292は、ウェル形成ディスク本体2の円周方向における開口面29dの中心293から円周方向の回転の向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の内周側に位置する。さらに、開口面29cは、中心293から円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて中心293よりもウェル形成ディスク本体2の外周側に位置する。
なお、変形例4において、壁39dは、直交線L1に沿って形成されていることには限定されない。壁39dは、例えば、第2領域292の開口面29dに沿って開口面29dと一直線になるように形成されてもよい。つまり、壁39dと直交線L1とでなす角が開口面29dと直交線L1とでなす角と同じになるように、壁39dが形成されてもよい。
上記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、ディスク本体4では、第1チャンバー401がディスク本体4の厚さ方向に貫通した貫通孔である場合に限らず、ディスク本体4の第2面42に形成された凹部でもよい。
また、ディスク本体4は、第1面41に第1チャンバー401が形成されていてもよい。この場合、ディスク本体4は、第1面41を上面、第2面42を下面として使用されてもよい。また、この場合、検査用ディスク1は、必ずしもプレート5を備えていなくてもよく、ディスク本体4の第1面41側を別部材で覆ってもよい。
また、ディスク本体4は、複数のチャンバー400を有する場合に限らず、少なくとも1つのチャンバー400を有していればよい。
また、検査用ディスク1では、フィルタカートリッジ3の数が第1チャンバー401の数と同じ場合に限らず、少なくてもよい。
また、検査用ディスク1は、第2ウェル22の内壁面に親水化処理が施されていてもよい。親水化処理としては、例えば、TritonX(登録商標)に代表される界面活性剤や、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基等の親水基を持つ高分子化合物を塗布する処理がある。また、親水化処理としては、酸素プラズマ処理、コロナ放電処理等もある。
プレート5とディスク本体4との接合の方法は、接着剤には限られず、例えば、溶着(熱溶着、超音波溶着、振動溶着、スピン溶着、レーザ溶着)、プラズマ接合、表面活性化接合等を採用してもよい。
また、フィルタカートリッジ3の収納空間31に入れる液体試料は、病原性微生物の核酸を染色する染色液を含んでいてもよい。この場合、ウェル形成ディスク本体2には、核酸を染色させるための蛍光試薬を配置しなくてもよい。染色液を利用した染色方法としては、例えば、ギムザ染色、アクリジンオレンジ染色、ライト染色、ジェンナー染色、リーシュマン染色、ロマノフスキー染色等を採用することができる。染色液は、病原性微生物の種類及び染色方法に応じて適宜の染色液を用いればよい。
検査用ディスク1を赤血球の検査に用いる例について説明したが、検査用ディスク1の用途はこれに限定されず、例えば、DNA検査、蛋白質検査等にも用いることが可能である。
(6)効果
上述の実施形態から明らかなように、第1の態様に係る検査用ディスク(1)は、円盤状のウェル形成ディスク本体(2)を備える。ウェル形成ディスク本体(2)は、第1ウェル(21)と、第2ウェル(22)とを有する。第1ウェル(21)は、液体試料が外部から注入されるウェルである。第2ウェル(22)は、ウェル形成ディスク本体(2)の径方向において第1ウェル(21)よりも外周側に位置し、第1ウェル(21)から移動する液体試料を溜めるためのウェルである。第2ウェル(22)の開口面(29;29a;29b;29c;29d)は、開口面(29;29a;29d)の一部が開口面(29;29a;29d)に沿って設けられた少なくとも1つの壁(39;39a、39b;39d)で塞がれていること、及び、ウェル形成ディスク本体(2)の円周方向における開口面(29b;29c)の中心(293)において径方向と直交する直交線(L1)に開口面(29b;29c)が交差することの少なくとも一方によって、形成されている。
第1の態様に係る検査用ディスク(1)では、第2ウェル(22)の開口面(29;29a;29b;29c;29d)は、開口面(29;29a;29d)の一部が少なくとも1つの壁(39;39a、39b;39d)で覆われていること、及び、ウェル形成ディスク本体(2)の円周方向における開口面(29b;29c)の中心(293)においてウェル形成ディスク本体(2)の径方向と直交する直交線(L1)に開口面(29b;29c)が交差することの少なくとも一方によって、形成されている。これにより、第2ウェル(22)内において特定の流路に沿って大量の液体試料が流れることを低減できるので、第2ウェル(22)内における液体試料の不均一性を低減させることができる。すなわち、第1ウェル(21)から移動する液体試料を溜めるための第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第2の態様に係る検査用ディスク(1)は、第1の態様において、フィルタ(35)を更に備える。フィルタ(35)は、開口面(29;29a;29b;29c;29d)に沿って設けられており、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)へ移動する液体試料から特定の物質を除去する。
第2の態様に係る検査用ディスク(1)では、フィルタ(35)が液体試料から特定の物質を除去する。これにより、検査に適した液体試料を第2ウェル(22)に移動させることができる。
第3の態様に係る検査用ディスク(1)では、第1又は2の態様において、壁(39;39a、39b)は、開口面(29;29a)のうち直交線(L1)に沿った方向における少なくとも片側を塞ぐように設けられている。
第3の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29;29a)の少なくとも片側を覆うことによって、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)への液体試料の流路を変更させることができる。これにより、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第4の態様に係る検査用ディスク(1)では、第3の態様において、上記片側は、上記円周方向の回転の向き側である。
第4の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29)のうちウェル形成ディスク本体(2)の円周方向の回転の向き側に壁が設けられている。これにより、液体試料が開口面(29)のうち回転の向き側を通って第1ウェル(21)から第2ウェル(22)へ流れることを抑制できる。その結果、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第5の態様に係る検査用ディスク(1)では、第3の態様において、壁(39a、39b)は複数設けられている。複数の壁(39a、39b)は、開口面(29a)のうち直交線(L1)に沿った方向における両側に設けられている。
第5の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29a)のうち直交線(L1)に沿った方向における両側に壁(39a、39b)が設けられている。これにより、液体試料が開口面(29a)の両側を通って第1ウェル(21)から第2ウェル(22)へ流れることを抑制し、開口面(29a)の中央領域を通って第1ウェル(21)から第2ウェル(22)へ流れる液体試料を増加させることができる。その結果、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性をより高めることができる。
第6の態様に係る検査用ディスク(1)では、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、開口面(29b)は、上記円周方向における開口面(29b)の中心(293)から上記円周方向の回転の向きに離れるにつれて中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の外周側に位置する。さらに、開口面(29b)は、中心(293)から上記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の内周側に位置する。
第6の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29b)は、ウェル形成ディスク本体(2)の円周方向における中心(293)に対して上記円周方向の回転の向き側では中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の外周側に位置する。さらに、開口面(29b)は、中心(293)に対して上記円周方向の回転とは逆向き側では中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の内周側に位置する。これにより、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)への液体試料の流路を変更させることができる。その結果、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第7の態様に係る検査用ディスク(1)では、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、開口面(29c)は、上記円周方向における開口面(29c)の中心(293)から上記円周方向の回転の向きに離れるにつれて中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の内周側に位置する。さらに、開口面(29c)は、中心(293)から上記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の外周側に位置する。
第7の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29c)は、ウェル形成ディスク本体(2)の円周方向における中心(293)に対して上記円周方向の回転の向き側では中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の内周側に位置する。さらに、開口面(29c)は、中心(293)に対して上記円周方向の回転とは逆向き側では中心(293)よりもウェル形成ディスク本体(2)の外周側に位置する。これにより、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)への液体試料の流路を変更させることができる。その結果、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第8の態様に係る検査用ディスク(1)では、第1又は2の態様において、開口面(29d)は、壁(39d)で塞がれている第1領域(291)と、直交線(L1)と交差する第2領域(292)とを有する。
第8の態様に係る検査用ディスク(1)では、開口面(29d)の第1領域(291)が壁(39d)で塞がれており、開口面(29d)の第2領域(292)が直交線(L1)に交差するように形成されている。これにより、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)への液体試料の流路を変更させることができる。その結果、第2ウェル(22)内における液体試料の均一性を高めることができる。
第9の態様に係る検査用ディスク(1)は、第1〜8の態様のいずれか1つにおいて、フィルタカートリッジ(3)を更に備える。フィルタカートリッジ(3)は、第1ウェル(21)に設置される。フィルタカートリッジ(3)は、フィルタ(35)を有する。フィルタ(35)は、第1ウェル(21)から第2ウェル(22)へ移動する液体試料から特定の物質を除去する。
第9の態様に係る検査用ディスク(1)では、フィルタカートリッジ(3)がウェル形成ディスク本体(2)の第1ウェル(21)に設置される構造となっている。これにより、フィルタカートリッジ(3)を第1ウェル(21)に入れる前にフィルタカートリッジ(3)のフィルタ性能を検査することができる。その結果、検査用ディスク(1)では、フィルタ性能の信頼性の向上を図ることができるので、検査用ディスク(1)の信頼性の向上を図ることができる。
1 検査用ディスク
2 ウェル形成ディスク本体
21 第1ウェル
22 第2ウェル
29、29a、29b、29c、29d 開口面
291 第1領域
292 第2領域
293 中心
3 フィルタカートリッジ
35 フィルタ
39、39a、39b、39d 壁
L1 直交線

Claims (9)

  1. 円盤状のウェル形成ディスク本体を備え、
    前記ウェル形成ディスク本体は、
    液体試料が外部から注入される第1ウェルと、
    前記ウェル形成ディスク本体の径方向において前記第1ウェルよりも外周側に位置し、前記第1ウェルから移動する前記液体試料を溜めるための第2ウェルとを有し、
    前記第2ウェルの開口面は、前記開口面の一部が前記開口面に沿って設けられた少なくとも1つの壁で塞がれていること、及び、前記ウェル形成ディスク本体の円周方向における前記開口面の中心において前記径方向と直交する直交線に前記開口面が交差することの少なくとも一方によって、形成されている
    ことを特徴とする検査用ディスク。
  2. 前記開口面に沿って設けられており、前記第1ウェルから前記第2ウェルへ移動する前記液体試料から特定の物質を除去するフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1記載の検査用ディスク。
  3. 前記壁は、前記開口面のうち前記直交線に沿った方向における少なくとも片側を塞ぐように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の検査用ディスク。
  4. 前記片側は、前記円周方向の回転の向き側であることを特徴とする請求項3記載の検査用ディスク。
  5. 前記壁は複数設けられており、
    前記複数の壁は、前記開口面のうち前記直交線に沿った方向における両側に設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の検査用ディスク。
  6. 前記開口面は、前記円周方向における前記開口面の中心から前記円周方向の回転の向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の外周側に位置し、前記中心から前記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の内周側に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査用ディスク。
  7. 前記開口面は、前記円周方向における前記開口面の中心から前記円周方向の回転の向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の内周側に位置し、前記中心から前記円周方向の回転とは逆向きに離れるにつれて前記中心よりも前記ウェル形成ディスク本体の外周側に位置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査用ディスク。
  8. 前記開口面は、
    前記壁で塞がれている第1領域と、
    前記直交線と交差する第2領域とを有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の検査用ディスク。
  9. 前記第1ウェルに設置されるフィルタカートリッジを更に備え、
    前記フィルタカートリッジは、前記第1ウェルから前記第2ウェルへ移動する前記液体試料から特定の物質を除去するフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査用ディスク。
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