JP4781827B2 - 分析方法および分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は試料溶液の光学分析を行うための分析装置に関する。
近年、DNA、RNAおよびタンパク質などの生体試料の分析技術が著しく発展している。これら生体試料の検出法としては、蛍光法、吸収法、化学発光法およびラジオアイソトープ法などが挙げられる。このうちでは、検出感度の高さおよび取り扱い易さを兼ね備えた蛍光法が多くの研究者に使用されている。
しかしながら、蛍光法においては、試料が発する蛍光よりも数万倍強い励起光が試料からの蛍光に混入し、検出感度を低下させるという問題がある。したがって、蛍光法において試料からの蛍光を高感度に検出するためには、上記励起光を取り除くことが必要である。
このための手法として、例えば特許文献1には、平板状の基板に形成された流路に、基板面に垂直な方向から励起光を照射し、流路内の試料の蛍光を基板面と平行な方向から検出することにより、励起光の混入を防ぎ、検出感度を向上させたものが開示されている。図15は、この手法による分析用のチップを用いた蛍光検出の様子を示す図である。
同図に示すように、基板200には、断面形状が矩形の流路202、溶液溜203および試料溜204等が形成されている。流路202の途中には検出部210が設けられている。検出部210では、励起光源205からの励起光が流路202に入射しやすいように、流路202の下壁に入射窓(図示せず)が形成されている。さらに、検出部210における流路202の側壁には第1の出射窓206aが形成され、この第1の出射窓206aと基板200の端面に形成された第2の出射窓206bとの間における基板200の内部には、導波路207が形成されている。したがって、流路202内部の試料が発する蛍光は、第1の出射窓206a、導波路207および第2の出射窓206bを通り、第2の出射窓206bに対向して配置された蛍光検出器208に入射する。
上記の構成では、検出のための蛍光の取り出し方向は、基板200への励起光の入射方向に対して垂直方向である。よって基板200を透過した励起光は、蛍光検出器208の方向へ進行しにくくなる。これにより、励起光に起因するバックグラウンド光を減らすことができ、流路202中に保持された試料の蛍光の検出感度を向上できるようになっている。
特開2002−214194(平成14年7月31日公開)
ここで、上記の従来技術に用いられる基板200中の流路202は、矩形の断面形状を有し、基板200の平面(表面)に平行な底面およびこれに垂直な左右の側面を有する。すなわち、流路202の両側面の上端部および下端部にはエッジ部が生じている。したがって、これらエッジ部に励起光が照射された場合、ここから回折光が発せられる。そして、この回折光の進行方向は、エッジの延伸方向すなわち流路の方向に対して垂直な方向となり、蛍光検出器208の配置方向と一致する。したがって、上記従来の構成では、観測すべき試料の蛍光と共に上記回折光を受光してしまう。このため、励起光の回折光による影響を充分に低減できず、試料からの発光を感度よく検出することができないという問題点を有している。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、励起光が流路のエッジ部に照射されるような場合であっても、回折光の受光量を充分に低減して、試料からの発光を感度良く検出することができる分析装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の分析装置は、試料を保持可能なセルが形成されたセル形成部材の前記セルに対して光を照射する光照射手段と、前記光照射手段からの光照射により前記試料からの発光を検出する光検出手段とを備えた分析装置において、前記光検出手段は前記セルの延伸方向に沿う方向に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の分析方法は、試料を保持可能なセルが形成されたセル形成部材の前記セルに対して光を照射し、この光照射による前記試料からの発光を検出する分析方法において、前記試料からの発光の検出を、前記セルからの透過光の光路外であって、前記セルの延伸方向に沿う方向にて行うことを特徴とする。
上記の構成によれば、光検出手段がセルの延伸方向に沿う方向に配置されているので、回折光の受光量を充分に低減して、試料からの発光を感度良く検出することができる。すなわち、セル形成部材のセルがエッジ部を有し、このエッジ部において光照射により回折光が生じた場合、この回折光は前記エッジ部の延伸方向に対して直交する方向を中心に進行し、延伸方向に向かうにしたがって徐々に減衰する。したがって、前記エッジ部において光照射により回折光が生じ易い場合であっても、セルの延伸方向に沿う方向である光検出手段の配置方向には前記回折光が進行せず、光検出手段ではバックグラウンド光の少ない状態で試料からの発光の検出が可能となる。
上記の分析装置において、前記入射光が前記セルを通過する際の前記入射光の幅は、前記セルにおける前記延伸方向と直行する幅を含む幅に設定されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、前記入射光は前記入射光が前記セルを通過する際の前記入射光の幅は、前記セルにおける前記延伸方向と直行する幅を含む幅に設定されているので、入射光は、セル内を局所的ではなく全体的に満遍なく照射することができる。したがって、セル内の試料からの発光を確実かつ安定に行わせることができる。
上記の分析装置において、前記入射光は前記セルの外部において焦点を結ぶ収束光であり、焦点を結ぶ前に前記セルを照射する場合は前記セルの出射側面を含む平面上での前記入射光の幅が前記セルの出射面側の幅の0.6倍以上かつ3倍以下であり、焦点を結んだ後に前記セルを照射する場合は前記セルの入射側面を含む平面上での前記入射光の幅が前記セルの入射面側の幅の0.6倍以上かつ3倍以下である構成としても良い。
上記の構成によれば、レンズなどにより収束した入射光をより効率よくセルに照射でき、セル内の試料からの発光をより確実かつ安定に行わせることができる。
上記の分析装置は、前記セル形成部材と前記光ピックアップを相対的に移動させる移動手段をさらに備え、前記セル形成部材には前記入射光の照射位置を案内するための案内溝が形成され、前記光照射手段は、前記セルに光を照射するとともに前記セル形成部材からの反射光を受光する光ピックアップと、前記反射光からの検出信号に基づき、前記案内溝に前記入射光が追従するように前記光ピックアップを制御するトラッキング手段とを備え、前記移動手段は、前記光ピックアップに対して前記セル形成部材を前記案内溝方向に相対的に移動させる構成としても良い。
上記の構成によれば、セル形成部材上の案内溝をピックアップが読み取ることで、セル形成部材のセル上の正確な位置に入射光の焦点を合わせることができるため、セル内の試料に的確に入射光(励起光)を照射することができる。
以上のように、本発明の分析装置は、前記光検出手段が、前記セルの延伸方向に沿う方向に配置されている構成である。
これにより、セル形成部材のセルがエッジ部を有し、このエッジ部において光照射により回折光が生じ易い場合であっても、セルの延伸方向に沿う方向である光検出手段の配置方向には前記回折光が進行しにくく、光検出手段ではバックグラウンド光の少ない状態で試料からの発光の検出が可能となる。したがって、回折光の受光量を充分に低減して、試料からの発光を感度良く検出することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明では、分析装置が電気泳動やクロマトグラフィー等に使用する流路状セルを有する場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における分析装置21の要部を示すものであって、分析用基板(セル形成部材)1を流路(セル)2の延伸方向に平行な面で切った断面を含む分析装置21の説明図である。この分析装置21は、入射光照射装置(光照射手段)31および光検出装置41を備え、分析用基板1を使用して試料の分析を行うものである。なお、同図における分析用基板1は、分析用基板1に形成されている流路2の延伸方向と平行な面で切った縦断面を示している。
図1に示すように、分析用基板1には、断面(上記延伸方向に直行する面で切った断面)が長方形の流路2を有している。具体的には、分析用基板1は基板14を有し、この基板14に溝状の流路2が形成されている。基板14における流路2の形成側の面は、流路の開口面を含め、カバー層12より覆われている。
入射光照射装置31は、光源(図示せず)とレンズ32とを備え、光源が発した光(励起光)をレンズ32により集光し、その光を分析用基板1に対する入射光33として、基板平面(カバー層12の表面)に対する垂直方向から流路2に入射させる。
光検出装置41は、光学フィルター42と発光検出器(光検出手段)43と備える。光学フィルター42は、入射光33の波長の光の透過率が低く、試料からの発光34の波長の光の透過率が高いものである。発光検出器43は光電変換を行い、検出した入射光に応じた電気信号を出力する。光検出装置41、すなわち光学フィルター42および発光検出器43は、入射光照射装置31の光源とは反対側であって、入射光33による基板14の透過光35の光路外かつ流路2の延伸方向に沿った位置に配置される例を示している。なお、光検出装置41は、入射光照射装置31の光源とは同じ側であって、入射光33による基板14の透過光35の光路外かつ流路2の延伸方向に沿った位置に配置してもかまわない。
上記の構成において、流路2には光励起により蛍光や燐光などの発光34を放出する試料が保持されている。したがって、この試料は入射光33により励起されると発光34を発する。発光34の一部は、光学フィルター42を通過後、その後ろに配置された発光検出器43に到達しここで検出される。
上記のように、本実施の形態の分析装置21では、光検出装置41が透過光35の光路外かつ流路2の延伸方向に沿った位置に配置されているので、感度の良い発光測定が可能である。これは次の理由による。
仮に光検出装置41が透過光35の光路内に配置されていた場合は、強い透過光35の波長成分を光学フィルター42により完全にカットしきれない場合が多く、試料からの発光34の検出感度を低下させてしまうこともある。また、透過光35が光学フィルター42に入射することで、透過光35が照射された光学フィルター42の部位からは自家発光が発せられる恐れがある。自家発光の波長は一般に励起波長よりも長波長であるため、試料の発光34と区別することは難しく、発光検出感度を下げる原因となる。よって光検出装置41(発光検出器43)は可能な限り透過光35の光路外に配置するのが好ましい。
さて、本願の分析装置21においては、光検出装置41が流路2の延伸方向に沿った位置に配置されている点が大きな特徴である。この場合には、光検出装置41が流路2の延伸方向に垂直な方向の位置に配置にされている場合と比べて、発光検出器43への回折光や屈折光によるバックグラウンド光の入射量を少なくすることができる。これにより、本願の分析装置21は、試料からの発光34を高感度にて測定が可能となる。
次に、図1のように光検出装置41(発光検出器43)を配置した分析装置21の優位性、すなわち分析装置21における試料の発光の検出感度を向上する上での優位性について、図3(a)に示すように、図1とは異なる位置に光検出装置41(発光検出器43)を配置した分析装置221を用いて説明する。なお、図3(a)は図1に示した分析装置の比較例を示すものであって、分析用基板1を流路2の延伸方向に直交する面で切った断面を含む分析装置221の説明図、図3(b)は、図3(a)における流路2付近の拡大図である。
分析装置221では光検出装置41(発光検出器43)が流路2の延伸方向に対して垂直な方向に配置されている。分析装置221は、この点が分析装置21と異なり、それ以外のレンズ32の配置、励起光の入射光33の分析用基板1への入射法などは図1の構成と同様である。
図3(b)に示すように、分析装置221の流路2は延伸方向に垂直な面で切った断面が例えば長方形であり、この断面において4個のエッジ部2aを有している。これらエッジ部2aでは、入射光33が照射されると散乱光や回折光36が発生しやすい。この散乱光や回折光36(以後は説明の便宜上、散乱光や回折光36を回折光36と記す)はエッジ部2a(流路2)の延伸方向に対して垂直な方向を中心に進行する。この点は分析装置21においても同様である。
分析装置221では、光検出装置41が流路2の延伸方向に対して垂直な方向に配置されているので、エッジ部2aにおける上記回折光36の一部が直接光検出装置41に入射してしまうことになる。したがって、分析装置221において、光検出装置41の発光検出器43は、試料が発する発光34だけでなく、回折光36も受光してしまうので、試料の発光34の検出感度を充分に高めることができない。
さらに、分析装置221では、屈折光37も試料の発光検出感度を低下させる原因となる。上記屈折光37は以下のようにして生じる。
入射光33が流路2に照射されるとき、入射光33の一部である光33aは流路2の側面に照射される。この側面は流路2内の試料と基板材料の界面となっている。一般に、流路2内の試料は水などの溶媒が主成分である。これに対して分析用基板1の基板材料はガラスやプラスチック等から成り、屈折率はガラスやプラスチックの方が大きい。これにより、光33aは上記界面で屈折し、流路2の側面に対し垂直な方向に進行する成分を持つ屈折光37となる。したがって、分析装置221のように流路2の延伸方向に対して垂直な方向に発光検出器43が配置されている場合には、発光検出器43が透過光35の光路外に配置されている場合であっても、屈折光37が発光検出器43に入射しやすい。このため、屈折光37によるバックグラウンド光が生じて試料の発光34の検出感度が低下する。この屈折光37は、入射光33の波長、対物レンズ32の開口数、基板1と流路内の溶媒の屈折率に依存するため、条件によっては発光検出器43への入射が減る場合もあるが、通常は入射してバックグラウンド光になりやすい。
以上のように、光検出装置41(発光検出器43)を流路2の延伸方向に対して垂直な方向に配置した場合には、その位置が透過光35の光路外であっても、試料からの発光34の検出感度を充分に高めることができない。
これに対し、本実施の形態の分析装置21では、光検出装置41(発光検出器43)は、流路2の延伸方向に配置されているので、流路2の延伸方向に対して垂直な方向に進む回折光36や屈折光37を直接に検出することがない。したがって、これら回折光36や屈折光37によるバックグラウンド光を抑制し、試料からの発光34の検出感度を充分に高めることができる。
図4(a)は、分析装置21の要部の構成を示すものであって、図1(正面図)に対する側面図である。同図において、分析用基板1は流路2の延伸方向に対して垂直な面で切った縦断面を示している。なお、図4(b)は、図4(a)における流路2付近の拡大図である。
図4(a)に示すように、分析装置21では、入射光照射装置31のレンズ32により集光された入射光33は、流路2への入射前に焦点38を作る。その後、入射光33は、焦点38から再び広がり、図4(b)に示すように、光束幅39が流路2の入射側の幅2bと等しくなる位置にて流路2に入射するようになっている。
上記の構成によれば、流路2の幅いっぱいに入射光33が照射される。したがって、流路2内の試料は入射光(励起光)33により効率よくかつ安定に励起され、信頼性の高い発光分析が可能となる。次に、このような、流路2への入射光33の入射条件について図5(a)〜図5(c)により詳細に説明する。
図5(a)には、流路2に対する入射光33の入射側位置とは反対側位置(入射光33の出射側位置)に入射光33の焦点38が存在する場合を示す。ここでは、焦点38に向けて収束する入射光33の光束幅が流路2における入射側とは反対側の幅と等しくなる状態にて入射光33が流路2に入射している。この場合には、流路2の試料に対して入射光33が満遍なく照射されるので、試料は入射光33により効率よくかつ安定に励起される。
図5(b)には、例えば図5(a)の状態よりレンズ32を分析用基板1から遠ざけて行き、流路2内に焦点38が移動した場合を示す。このように、入射光33の焦点38が流路2に近づいて行くと、流路2内の試料の一部に入射光33が局所的に強く照射されるので、蛍光色素の劣化による蛍光強度の低下が生じる。特に、図5(b)に示すように、焦点38が流路2内に存在する状態では、焦点38の付近で入射光33のエネルギー密度が高くなり、蛍光強度が最も低下する。
図5(c)には、例えば図5(b)の状態よりレンズ32をさらに分析用基板1から遠ざけて行き、流路2に対する入射光33の入射側位置に焦点38が移動した場合を示す。ここでは、入射光33の光束幅が流路2における入射側の幅と等しくなる状態にて入射光33が流路2に入射している。この場合には、図5(a)の場合と同様、流路2の試料に対して入射光33が満遍なく照射されるので、試料は入射光33により効率よくかつ安定に励起される。
図6は、レンズ32−分析用基板1間の距離と試料からの発光34の検出強度との関係を測定した結果を示すグラフである。レンズ32と分析用基板1を近接させた状態から徐々に両者を離していくと、次第に流路2に入射光33が集中的に照射され始め、Aにおいて発光34の検出強度の極大が現れる。さらに両者を遠ざけると、図5(a)の位置に達する。この位置を通過すると、流路2内で過度に入射光強度が高くなるために発光34の検出強度が低下し、流路2の中心である図5(b)の位置に焦点38が移動し、この位置にて検出強度は極小値Bをとる。さらに両者を遠ざけると、図5(c)の位置に達し、再び流路2に満遍なく入射光33が照射されるようになる。この位置を通過すると、Cの位置に発光34の検出強度の極大が現れる。その後、さらに両者を遠ざけると、流路2内の入射光33の強度が下がるため、発光34の検出強度が低下する。
図5(a)における流路2の幅Wが100μm、深さDが30μm、分析用基板1の材料がポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)、レンズ32の開口数が0.65、入射側の分析用基板1の表面から流路2の入射側面までの距離Lが50μmという条件を用いて、図5(a)〜図5(c)におけるレンズ32−分析用基板1間の距離を計算すると、図6に示した(a)〜(c)のとおりになる。なお、(b)を0μmとすると、(a)の位置は−78μm、(c)は+78μmとなる。
さて、検出感度が高い範囲を図6に示されたデータから設定すると、以下のとおりとなる。検出感度が高い範囲は図中の(α)と(β)の範囲である。この(α)と(β)の範囲を、極小値を示す(b)からの距離であらわすと、(α)と(β)は共に±50μm〜±200μmと言える。まず(α)は、焦点を結ぶ前にセルを照射する場合であり、この(α)の範囲をセルの出射側面を含む平面上での入射光の幅に変換すると、60μm〜300μmとなる(基板材料と溶媒間での屈折の効果を見込んだ計算結果である)。この入射光の幅を、セルの出射面側の幅との比で表すと、0.6倍〜3倍となる。次に、(β)は、焦点を結んだ後にセルを照射する場合であり、この(β)の範囲を前記セルの入射側面を含む平面上での入射光の幅に変換すると、同様に60μm〜300μmとなり、セルの出射面側の幅との比で表すと、0.6倍〜3倍となる。したがって、入射光の幅と、セルの幅との比が0.6倍〜3倍の範囲となるように設定すれば、バックグラウンド光を抑えた高感度の検出が可能である。
さて、上述したように本実施例では、発光検出器41は流路(セル)2の延伸方向に沿った位置に配置される。この延伸方向の具体的な範囲は、上記の(α)と(β)の範囲に依存することを以下に示す。図7は、基板1を上方から見た図であり、入射光の入射方向は紙面に直角となる。発光検出器41は、図中の流路(セル)2の延伸方向に沿った位置に配置される。入射光の中心(焦点の延長上の位置)から、円106で示すように入射光は放射状に収束および発散し、流路(セル)2のエッジ112’で回折される。流路(セル)2のエッジ112’と入射光の外縁(円106)が交わる面における入射光の幅(径)が大きいほど、回折光の進行方向は広がる。したがって、回折光を避けて発光検出器41を配置する範囲は狭くなる。上述の(α)と(β)の範囲で考えると、流路(セル)2のエッジ112’と入射光の外縁が交わる面における入射光の幅(径(円106))の最大値は300μmとなる。このとき、回折光が存在しない範囲を、入射光の中心位置(中心軸)と流路(セル)2の延伸方向とを結ぶ線からの角度で表すと、Sin-1(±50μm/150μm)=±20度となり、−20度〜+20度の範囲であれば回折光を避けられる。したがって、この範囲に発光検出器41を配置すれば、回折光の混入をさけてバックグラウンド光の少ない高感度な検出が可能である。つまり、発光検出器41を配置する範囲は、流路(セル)2の延伸方向に沿った−20度〜+20度の範囲となる。
上記の説明では、断面が長方形のセル(流路2)を分析用基板1が有する場合を例に挙げているが、本発明はセル(流路2)が上記以外の形状であってもよく、セル(流路2)がエッジ部を有するものであれば適用可能である。すなわち、上述のとおり、光検出装置41を流路などのセルの延伸方向に沿った方向に配置することで、流路などのセルのエッジ部に励起光である入射光が照射されてもバックグラウンド光の少ない高感度の発光測定が可能となる。
また、上記の説明では、励起光である入射光33を分析用基板1の表面に対し垂直方向から入射させる場合を例示しているが、これに限定されない。すなわち、上記の例では、分析用基板1の表面に対して垂直に入射する入射光33を対物レンズ32によって集光しているため、分析用基板1の表面に対して垂直な成分以外に焦点38に向かって斜めに収束していく成分も含まれている。したがって、入射光33は分析用基板1の表面に対して垂直なものに限られるわけではなく、それ以外の角度から入射した場合でも、流路の延伸方向に沿った方向に配置することにより、同様に回折光、屈折光によるバックグラウンド光の影響の少ない高感度の発光検出が可能である。
また、流路2は断面が長方形のものを例に挙げて説明したが、これ以外の形状としてもよい。例えば、流路の断面が円形の場合はエッジ部は存在しないが、入射光33の入射時に、流路2と基板材料との界面において屈折光と反射光が流路の延伸方向に対して垂直方向に放出される。この場合でも、分析装置21では、光検出装置41が流路の延伸方向に配置されるため、屈折光や反射光が光検出装置41に入射されることはなく、バックグラウンド光の少ない高感度な発光測定が可能である。
以上のように、本発明の構成によれば、試料や試薬からの光学的な変化を感度良く検出するための分析装置を提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態を図面に基づいて以下に説明する。以下の例では、分析用基板が試料溶液を保持するセルとして電気泳動における流路を備えている。また、分析用基板には、入射光照射装置31からの入射光33の照射を案内する案内手段(例えばトラック)が形成され、分析装置21が上記案内手段を読み取り、分析用基板の流路に保持された試料に入射光33を自動的かつ的確に照射できるようになっている。ここでは、入射光照射装置31の光源を含む手段として、CDやDVD等に使用される光ピックアップを用いる。
図2に示した分析用基板1は、基板14、基板14に形成された流路2およびカバー層12に加えて、反射膜11、保護層13、案内手段としての案内溝15、および微小開口16を備えている。反射膜11は、例えば金属膜からなり、基板14における流路2の形成側の面を覆うように形成されている。保護層13は例えば誘電体からなり、反射膜11の上に形成されている。保護層13は、反射膜11が金属薄膜からなる場合に、大気から反射膜11を保護し、反射膜11の酸化を防止する。保護層13の一例としては、反射膜11上に窒化シリコン膜を20nm形成したものである。案内溝15は、入射光照射装置31の光ピックアップによるトラッキングが可能なように、カバー層12に形成されている。微小開口16は、入射光照射装置31からの入射光33を流路2に入射できるように、流路2における入射光33の入射側面の反射膜11を一部除去することにより形成されている。
図8は、分析装置21の入射光照射装置31が備える入射光制御装置50および光ピックアップ(光照射手段)51の主要部の構成を示すブロック図である。光ピックアップ51は、レンズ32およびこのレンズ32を駆動するアクチュエータ51a以外に、半導体レーザーやフォトディテクタ、ビームスプリッタなどの光学部品により構成される光学系51bを備えている。入射光制御装置50は、番地再生回路52、コントローラ53(トラッキング手段)、およびサーボ回路54(トラッキング手段)を備えている。
上記の制御装置50において、光ピックアップ51から出射された入射光33は、レンズ32によって集光され、分析用基板1へ入射される。この入射光33は、分析用基板1の案内溝15または番地情報記録部(図示せず)に照射される。案内溝15または番地情報記録部からの反射光は再び光ピックアップ51に戻り、光ピックアップ51はフォーカス誤差信号・トラック誤差信号55を出力する。
フォーカス誤差信号・トラック誤差信号55はサーボ回路54を介してアクチュエータ51aにフィードバックされる。これにより、サーボ回路54は、案内溝15または番地情報記録部に入射光が案内されるようにアクチュエータ51aを制御する。また、光量検出信号56は番地再生回路52に入力され、番地再生回路52は光量検出信号56から番地情報57を検出し、この番地情報57をコントローラ53に送る。コントローラ53では、番地情報57を確認しながら制御信号58をサーボ回路54に出力し、入射光33を所望の案内溝15にアクセスさせる処理を行う。これにより、入射光33を分析用基板1の所望の位置に移動させ、微小開口16上の流路2に的確に入射させることができる。
なお、案内溝15の微小開口16の位置では、直前の案内溝15でのトラッキング状態が保持される。このためには、微小開口16を横切る時間がサーボの応答時間(サーボ帯域の逆数に比例)よりも十分に短ければよい。あるいは、微小開口16を横断するときにサーボ動作を一時的に保持すればよい(ホールド動作)。こうすれば、入射光33が流路2を横断してもトラッキングが乱されること無く、試料に的確に入射光33を照射し、その後、再び案内溝15に到達してトラッキング動作に復帰することができる。
上記の構成において、レンズ32により集光された入射光33は、分析用基板1の表面(流路2が形成されている側の面)に対して垂直の方向から微小開口16を通じて流路2に入射される。流路2には入射光33により励起され発光34を放つ試料が保持されている。したがって、流路2の試料に入射光33が照射されると、試料から発光34が発散光として発せられる。この発光34の一部は光検出装置41に入射し、ここで検出される。光検出装置41は、前述のように、入射光照射装置31(光ピックアップ)とは反対側であって、入射光33による基板14の透過光35の光路外かつ流路2の延伸方向に沿った位置に配置されている。
上記の構成によれば、光検出装置41が入射光33による基板14の透過光35の光路外かつ流路2の延伸方向に沿った位置に配置されているので、前述のように、入射光33の回折光や屈折光の影響が少なく抑えられ、高感度の発光測定が可能となる。
また、図示はしないが、入射光33の光束幅と流路2の幅との関係は、図6に示した(α)または(β)の範囲にあり、流路2が満遍なく照射されるため、試料を均一に励起することができ、安定した高感度の発光分析が可能である。
図9には、図2に示した分析用基板1の主要部の構成をディスク状基板すなわち分析用ディスク(セル形成部材)70に適用し、電気泳動を用いて試料の分析を行う場合について示す。この分析用ディスク70では電気泳動を使った分析を行うことができる。
分析用ディスク70には、分析装置のターンテーブルの中心に分析用ディスク70を固定するための中心穴71、電気泳動による試料の分析を行う4つの分析用チップ72、案内溝15および番地情報記録部73が形成されている。各分析用チップ72は、液溜・注入口74および泳動路(セル)75を有する。また、塗りつぶし部分は反射膜11が形成される部位であり、泳動路75上の反射膜11の一部には微小開口16が形成されている。
分析用チップ72の泳動路75は、前記流路2に相当するものであり、長い第1泳動路75aと短い第2泳動路75bとが十文字に形成されている。この分析用チップ72の構造は、電気泳動による分析において一般に使われている構造であり、例えば特開2003−66003公報(平成15年3月5日公開)に分析例と共に開示されている。
第1泳動路75aは分析用ディスク70の径方向に延び、第2泳動路75bは第1泳動路75aに直交して延びている。液溜・注入口74a〜74dは、泳動路75の4個の端部に泳動路75と連通するように各1個が配置されている。即ち、第2泳動路75bの一端部に液溜・注入口74a、他端部に液溜・注入口74cが配置され、第1泳動路75aの一端部に液溜・注入口74b、他端部に液溜・注入口74dが配置されている。
上記の分析用ディスク70での分析プロセス(電気泳動プロセス)では、バッファ/ゲル溶液を液溜・注入口74dから注入し、泳動路75aと75bに充填させる。次に74b、74cにもバッファ/ゲル溶液を注入する。その後サンプル溶液を液溜・注入口74aに注入する。
サンプル溶液には例えばDNAを使用する。このDNAは末端への蛍光色素導入、またはインターカレーター型蛍光色素との混合等の方法で蛍光標識する必要がある。例えば前述のバッファ/ゲル溶液にインターカレーター型蛍光色素を添加することで、流路をDNAが通過する際に蛍光染色をする方法をとってもよい。
次に、分析装置21の電源から供給される電極を各液溜・注入口74a〜74dに配置し、それら電極を次のように接続する。まず、液溜・注入口74cに配置した電極を+電圧電源(数十〜数百ボルト)に接続し、液溜・注入口74a、74b、74dに配置された電極をグランドに接続する。これにより、液溜・注入口74cに+電圧(数十〜数百ボルト)が印加され、液溜・注入口74aにゼロボルトが印加され、泳動路75に注入されたサンプル(DNA断片:マイナスに帯電)は第2泳動路75bの中を液溜・注入口74a(−電極)から液溜・注入口74c(+電極)に向かって泳動する。
次に、泳動させたサンプルが泳動路75における十文字の交点に到達した後、液溜・注入口74dに配置された電極を+電圧電源(数十〜数キロボルト)に接続する一方、液溜・注入口74a、74cに配置された電極は液溜・注入口74dに配置された電極の電圧よりも低い電圧を出力する+電圧電源(数〜数キロボルト)に接続し、液溜・注入口74bに配置された電極をグランドに接続する。これにより、液溜・注入口74dの電極に+電圧(数十〜数キロボルト)が印加され、液溜・注入口74bの電極にゼロボルトが印加され、泳動路75に注入されたサンプルは第1泳動路75aの中を十文字の交点から液溜・注入口74dに向かって泳動する。このときサンプル(DNA)の移動度は、充填されたゲルによる分子ふるい効果のために分子量により異なるので、各分子量断片のフラグメントに分けることができる。このようなマイクロキャピラリにおける電気泳動分析の原理は、上述の特開2003−66003公報に開示されているように良く知られているため、詳細な説明は省略する。
ここで、電気泳動を行った実験例について図11および図12を用いて説明する。この場合の実験条件を以下に列記する。
DNA試料:Fermentas LIFE SCIENCES社製 GeneRuler DNA Ladder, Low Range(DNA
濃度500 ng/μl)
蛍光試薬:インビトロジェン社 SYTO62
電気泳動用キット試薬:IC-1100形試薬(日立化成) 内部標準DNAおよび泳動ゲル
濃度:(1)DNA溶液 10倍希釈したDNA Ladder1μlとキットの内部標準DNA9μlを
混合
(2)ゲル・蛍光分子溶液 キットの泳動ゲル:SYTO62 20μM=100:1(容量
比)
測定基板:PMMA基板(日立化成 i-チップ)
流路サイズ:100μm(幅)×30μm(深さ)
印加電圧:導入時0V−300V、分離時0V−130V−750V
光源:波長(半導体レーザー)655nm、対物レンズNA0.6、照射光量3mW
図11は、測定基板を基板表面上方から見た図であり、説明の便宜上導入ウェルと泳動路のみを描いてある。
〔1〕試料導入時(図11(a)):試料溶液の導入時は上記(2)ゲル・蛍光分子溶液を導入ウェルA〜Cのいずれかから注入して、気泡が入らないように泳動路全体に充填する。次に、導入ウェルDに上記(1)DNA溶液を充填し、導入ウェルAおよびBをGND(0V)に、BおよびCを300Vに接続する。すると、DNAは導入ウェルDから泳動されて泳動路の交点に達する。
〔2〕分離時(図11(b)):十分に達したら、次は分離を行う。導入ウェルAをGND(0V)に、BとDを130Vに、Cを750Vに接続する。すると、DNA断片はおのおのの分子量に従って異なる速さで交点から導入ウェルCへ向かって泳動を行う。その結果、DNA断片は分子量毎に帯を作って泳動し、この帯に測定点にて光源からの光ビームを照射し、蛍光を検出する。
図12は、この測定点において検出された蛍光強度の測定データである。横軸は、検出された時間であり、縦軸は検出強度を電圧で測定したものである。同図のように各DNA断片の分子量毎にピークが観測され、たとえば300bpのDNA断片は0.78ng/μlの濃度で検出できており、700bpのDNA断片は0.23ng/μlの濃度で検出できている。このように、DNAを高感度で分離検出ができている。なお、図中のbpは塩基対の数を表す単位であり、DNA断片の分子量に対応する。
図9において、分析用ディスク70には、上記分析用チップ72の他に、入射光33を案内するための案内溝15と番地情報を記録した番地情報記録部73とが設けられている。分析用ディスク70が回転すると、分析装置21は、分析用ディスク70の番地情報73に含まれる半径位置を読み出しながら、分析用ディスク70の所望の半径位置に入射光33をアクセスする。したがって、分析装置21では、一つの分析用チップ72内の泳動路75に沿った所望の位置にて試料からの発光34を検出することができる。
さらに、分析用チップ72は全部で4つ形成され、それぞれが90度の角度をおいて配置されている。したがって、隣り合う分析用チップ72の間には、案内溝15と番地情報記録部73とが周方向に並んで形成されることになる。入射光33は、番地情報記録部73の番地情報に含まれる分析用チップ72の番号を読み出しながら、周方向に並ぶ分析用チップ72にアクセスするため、4つの分析用チップ72のうちの所望の分析用チップにて試料の分析(発光検出)を行うことができる。このとき、入射光33が1つのトラック(案内溝15)を周方向に走査すると、案内溝15のトラッキング領域→番地情報記録部73→案内溝15のトラッキング領域→泳動路75の順にこれらを繰り返し走査することになる。
分析用ディスク70を使用する場合の分析装置21では、光検出装置41は、光ピックアップ51からの入射光33が分析用ディスク70の微小開口16から第1泳動路75aに入射される状態において、入射光33による分析用ディスク70の透過光35の光路外であって、第1泳動路75aの延伸方向に沿った位置に配置される。
図10は、分析用ディスク70での入射光33のトラッキングにおいて、入射光33が微小開口16を通り過ぎて、案内溝15のトラッキング領域に移った状態を示す分析用ディスク70の縦断面図である。
同図に示すように、入射光33は光路81を通って案内溝15に集光される。この入射光33は遮光層として機能する反射膜11によって反射され、反射光82となってレンズ32へ戻る。この過程において、入射光33は、案内溝15において回折し、反射光82には回折光の分布が反映されるので、光ピックアップ51によって入射光33を案内溝15に追従させることができる。したがって、案内溝15を流路2の所望の検出位置を横切るように(だだし、流路2自体には存在しないように)形成しておけば、入射光は案内溝15の延長上にある流路2の所望の位置を横切り、その位置で試料の蛍光を検出(分析)できる。また、上記のように、入射光33が流路2を通過する期間においてトラッキング制御は入射光33が流路2を通過する直前の状態に保持されているので、流路2自体に案内溝15が存在しなくても、流路2の通過前の案内溝15aからその延長上にある案内溝15bへ連続して安定なトラッキングが行われる。なお、上述の例では、案内手段として案内溝15を例に挙げて説明したが、これに限らずたとえばウォブルピットを案内手段としてもかまわない。
以上のように、本実施の形態においても、光検出装置41は入射光照射装置31(光ピックアップ51)とは反対側であって、流路2(第1泳動路75a)の延伸方向に沿った位置に配置されているので、バックグラウンド光の少ない高感度の発光測定が可能となる。また入射光33の光束幅と流路2の幅との関係は、実施の形態1の場合と同様であるので、入射光33により流路2が満遍なく照射される。したがって、入射光33により流路2内の試料を均一に励起することができ、安定した高感度の発光分析が可能である。
また、分析装置21は、反射膜11上に形成された案内溝15を読み取る光ピックアップ51を備え、入射光33を案内溝15に追従させることができる。したがって、入射光33は案内溝15の延長上にある微小開口16を通じて流路2を正確に照射することができる。これにより、分析装置21では、試料や試薬からの光学的な変化を感度良く、さらに自動的かつ正確に検出することができる。また、入射光33の焦点を反射膜11上に合わせた状態にて入射光33の光束幅と流路2の入射側面の幅とが等しくなるように分析用基板1を設計しておけば、分析用基板1に対して、複雑な制御を行うことなく、正確かつ効率のよい励起光の入射が可能となる。
上記の例においては、電気泳動における蛍光検出の場合について示したが、分析装置21の構成は、これに限らずクロマトグラフィーなどの蛍光検出にも応用可能である。また、分析用基板1はディスク形状(分析用ディスク70)に限らず他の形状であってもよい。また、以上の説明では、試料からの蛍光検出の例を示したが、燐光など、外部光源により励起されて発光を放つ試料を検出するための装置にも適用可能である。
次に、分析用ディスク70を使用して電気泳動により分析を行う分析装置の電気配線や分析用ディスク70を駆動する構成について説明する。
図13は、ディスク分析装置における、分析用ディスク70の回転機構120の一例を示す斜視図である。この例において、分析用ディスク70には、図14に示すように、液溜74a〜74dにそれぞれ接続された4本の電源接続配線122が分析用ディスク70の内周部に引き出して形成されている。また、分析用ディスク70には、分析装置のターンテーブルの中心に分析用ディスク70を固定するための中心穴71と、回転角度を固定するための切欠き部131が設けられている。
回転機構130は、分析用ディスク70を載置して回転させるターンテーブル133とディスク押さえ134とを備えている。ターンテーブル133は、ディスク中心出し部135および回転角度固定具136を有し、スピンドルモータ137によって回転駆動される。ターンテーブル133に載置された分析用ディスク70は、中心穴71がディスク中心出し部135に嵌合され、ターンテーブル133に対する回転が回転角度固定具136によって阻止される。即ち、分析用ディスク70の中心穴71にディスク中心出し部135が入り、切欠き部131に回転角度固定具136が入ると、分析用ディスク70は回転中心とターンテーブル133に対する回転方向の角度が固定される。これにより、後述するように、分析用ディスク70の電源接続配線122とディスク押さえ134の接点138とがずれることなく接続される。ターンテーブル133の凸状に形成されたディスク中心出し部135の周囲には、ディスク押さえ134の接点138と接続される接点139が設けられている。これら接点139は分析装置21の電源と接続されている。
分析用ディスク70がターンテーブル133に載置されると、その分析用ディスク70の上に固定用のディスク押さえ(スピンドルキャップ)134が配される。このディスク押さえ134は、一般に良く知られているように、分析用ディスク70に対して上部から圧力を加えることによって、もしくは磁気力によって、分析用ディスク70をターンテーブル133上に強固に固定するものである。
ディスク押さえ134には複数の接点138が設けられている。これら各接点138は、分析用ディスク70の各電源接続配線122およびターンテーブル133の各接点139に対応しており、ディスク押さえ134の下面から中心穴140の内面に向かって延びている。接点138におけるディスク押さえ134の下面部分は、分析用ディスク70の電源接続配線122と接触する第1接触部138aであり、中心穴140の内面に延びた部分は、ターンテーブル133のディスク中心出し部135における接点139と接触する第2接触部138bである。
分析用ディスク70上にディスク押さえ134が配された場合、分析用ディスク70の電源接続配線122は、ディスク押さえ134の接点138における第1接触部138aに接続され、ターンテーブル134の接点139はディスク押さえ134の接点138における第2接触部138bに接続される。これにより、分析用ディスク70の各分析用チップ72へは電気泳動のための電源を供給することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の分析装置は、例えば一方向に延伸されたセルを有する分析用基板を使用し、前記セルに収容された種々の形態の試料からの発光の分析に利用可能である。
図1は、本発明の実施の形態における分析装置の要部を示すものでって、分析用基板を流路の延伸方向に平行な面で切った断面を含む分析装置の説明図である。 図1に示した分析装置の斜視図である。 図3(a)は図1に示した分析装置の比較例を示すものであって、分析用基板を流路の延伸方向に平行な面で切った断面を含む分析装置の説明図、図3(b)は図3(a)に示した流路付近の拡大図である。 図4(a)は、図1に示した分析装置の要部を示すものであって、分析用基板を流路の延伸方向に垂直な面で切った断面を含む分析装置の説明図、図4(b)は、図4(a)における流路付近の拡大図である。 図5(a)は、図1に示した分析装置において分析用基板の流路に対する入射光の入射側位置とは反対側位置に入射光の焦点が存在する場合を示す説明図、図5(b)は、同分析装置において分析用基板の流路内に入射光の焦点が存在する場合を示す説明図、図5(c)は、同分析装置において分析用基板の流路に対する入射光の入射側位置に入射光の焦点が存在する場合を示す説明図である。 図1に示した分析装置のレンズ−分析用基板間の距離と試料からの発光の検出強度との関係を測定した結果を示すグラフである。 図1に示した発光検出器を配置する領域の説明図である。 本発明の実施の形態における分析装置の入射光照射装置が備える入射光制御装置および光ピックアップの主要部の構成を示すブロック図である。 図2に示した分析用基板の構成を適用した分析用ディスクを示す正面図である。 図9に示した分析用ディスクを使用する分析装置において、入射光が流路を通り過ぎて案内溝のトラッキング領域に移った状態を分析用ディスクの縦断面を用いて示す説明図である。 図11(a)は、本実施の形態の分析装置を使用して行った電気泳動の実験例を示すものであって、基板への試料導入時の状態を示す概略の平面図、図11(b)は同実験例において同基板における試料の分離時の状態を示す概略の平面図である。 図11に示した実験において検出された蛍光強度の測定結果を示すグラフである。 図9に示した分析用ディスクを使用する分析装置における、分析用ディスクを装着した状態の回転機構の一例を示す斜視図である。 図13に示した回転機構に適合する分析用ディスクを示す正面図である。 従来の分析装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 分析用基板(セル形成部材)
2 流路(セル)
2a エッジ部
11 反射膜
12 カバー層
13 保護層
14 基板
15 案内溝
16 微小開口
21 分析装置
31 入射光照射装置(光照射手段)
32 レンズ
33 入射光
34 発光
35 透過光
36 回折光
37 屈折光
41 光検出装置
42 光学フィルター
43 発光検出器(光検出手段)
50 入射光制御装置
51 光ピックアップ(光照射手段)
52 番地再生回路
53 分析装置
54 サーボ回路
70 分析用ディスク(セル形成部材)
72 分析用チップ
73 番地情報記録部
74a〜74d 液溜・注入口
75 泳動路(セル)
75a 第1泳動路
75b 第2泳動路

Claims (5)

  1. 試料を保持可能な流路を有し、エッジを有する流路セルが形成されたセル形成部材の前記流路セルに対して光を照射する光照射手段と、前記光照射手段からの光照射により前記試料からの発光を検出する光検出手段とを備えた分析装置において、
    前記光検出手段は、前記光照射手段から照射された光の前記セル形成部材からの透過光の光路外の位置に配置されており、
    前記透過光の光路外の位置は、前記流路セルへの前記光照射手段からの入射光の、前記セル形成部材の表面と垂直な光軸と直交する面において、前記入射光の光軸と前記流路セルの延伸方向とを結ぶ線に対する−20度〜+20度の範囲の位置であって、前記エッジでの回折光が存在しない位置であることを特徴とする分析装置。
  2. 前記光照射手段からの入射光が前記流路セルを通過する際の前記入射光の幅は、前記流路セルにおける前記流路の延伸方向と直行する幅を含む幅に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記光照射手段からの入射光は前記流路セルの外部において焦点を結ぶ収束光であり、焦点を結ぶ前に前記流路セルを照射する場合は前記流路セルの出射側面を含む平面上での前記入射光の幅が前記流路セルの前記出射側面の幅の0.6倍以上かつ3倍以下であり、焦点を結んだ後に前記流路セルを照射する場合は前記流路セルの入射側面を含む平面上での前記入射光の幅が前記流路セルの前記入射側面の幅の0.6倍以上かつ3倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  4. 前記セル形成部材と光ピックアップとを相対的に移動させる移動手段をさらに備え、
    前記セル形成部材には前記光照射手段からの入射光の照射位置を案内するための案内溝が形成され、
    前記光照射手段は、前記流路セルに光を照射するとともに前記セル形成部材からの反射光を受光する光ピックアップと、前記反射光からの検出信号に基づき、前記案内溝に前記入射光が追従するように前記光ピックアップを制御するトラッキング手段とを備え、
    前記移動手段は、前記光ピックアップに対して前記セル形成部材を前記案内溝方向に相対的に移動させることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
  5. 試料を保持可能な流路を有し、エッジを有する流路セルが形成されたセル形成部材の前記流路セルに対して光を照射し、この光照射による前記試料からの発光を検出する分析方法において、
    前記試料からの発光の検出を、前記セル形成部材からの透過光の光路外の位置にて行い、
    前記透過光の光路外の位置は、前記流路セルへの前記光照射による入射光の、前記セル形成部材の表面と垂直な光軸と直交する面において、前記入射光の光軸と前記流路セルの延伸方向とを結ぶ線に対する−20度〜+20度の範囲の位置であって、前記エッジでの回折光が存在しない位置であることを特徴とする分析方法。
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