JP2020134458A - 較正方法及び検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度の低下を抑制するための検出装置の較正方法、及び検出装置を提供する。【解決手段】検出板21の表面に形成された近接場を用いて、検出板21の表面上の検出領域39において標的物質を含む結合体を検出する検出装置100の較正方法であって、第1磁場を印加して磁性体を検出板21の表面に引き寄せる印加ステップと、検出板21の表面に引き寄せられる磁性体に基づいて、検出板21の表面における第1磁場の中心領域を特定する特定ステップと、第1磁場の中心領域と検出領域39との位置合わせを行う較正ステップと、を含む。【選択図】図7

Description

本開示は、近接場を利用して、液体中に存在する標的物質を光学的に検出する検出装置の較正方法及び当該較正のための機能を有する検出装置に関する。
近年、溶液中に存在する微小な標的物質、特にDNA、RNA等の核酸、またはタンパク質等、ウイルス、細菌等の生体関連物質を検出及び定量する方法が開発されている。当該方法として、特許文献1には、近接場を用いてこれらの標的物質を検出する光学的検出方法が開示されている。特許文献1に開示された光学的検出方法では、検出対象となる標的物質を、外力により近接場が照射される範囲に誘導して検出を行う。
国際公開第2017−187744号 特開2013−32934号公報
しかしながら、外力による標的物質の誘導においては、標的物質の検出精度が低下してしまう場合がある。そこで本開示は、検出精度の低下を抑制するための検出装置の較正方法、及び検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る較正方法の一態様においては、検出板の表面に形成された近接場を用いて、前記検出板の表面上の検出領域において標的物質を含む結合体を検出する検出装置の較正方法であって、第1磁場を印加して磁性体を前記検出板の表面に引き寄せる印加ステップと、前記検出板の表面に引き寄せられる前記磁性体に基づいて、前記検出板の表面における前記第1磁場の中心領域を特定する特定ステップと、前記第1磁場の中心領域と前記検出領域との位置合わせを行う較正ステップと、を含む。
また、本開示に係る検出装置の一態様においては、照射光の照射により表面に近接場が形成される検出板と、前記検出板の表面に、標的物質を含む結合体を引き寄せる第1磁場を印加する第1磁場印加部と、前記検出板の表面における前記第1磁場の中心領域と前記検出板の表面上の検出領域との位置合わせを行う較正部と、前記検出領域において前記結合体を検出する検出部と、を備える。
本開示に係る較正方法等により検出精度の低下が抑制される。
本開示の実施の形態に係る検出装置の概略構成図である。 本開示の実施の形態に係る検出装置によって検出される結合体について説明する図である。 本開示の実施の形態に係る検出装置が発生する第1磁場について説明する図である。 本開示の実施例1に係る第1磁場の印加前における試料溶液の様子を示す概略図である。 本開示の実施例1に係る第1磁場の印加後における試料溶液の様子を示す概略図である。 本開示の実施例1に係る光検出部において撮像された検出領域の画像データ及びその外側領域を示す図である。 本開示の実施例1に係る予測に基づく検出装置の動作を説明する図である。 本開示の実施例1に係る検出領域の移動によって取得される画像データの変化を説明する図である。 本開示の実施の形態に係る較正方法を説明するフローチャートである。 本開示の実施の形態に係る較正方法をより具体的に説明するフローチャートである。 本開示の実施例2に係る光検出部において撮像された検出領域の画像データを示す図である。 本開示の実施例3に係る検出装置の概略構成図である。 本開示の実施例3に係る第1磁場の移動によって取得される画像データの変化を説明する図である。
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1には、近接場を用いて検出板の表面上の標的物質を含む結合体(つまり対象物質)による蛍光または散乱光を光信号として検出する、標的物質の光学的検出方法が開示されている。
より具体的には、この光学的検出方法では、結合体は少なくとも標的物質と磁性粒子との結合によって形成されている。また、結合体を検出板の表面に平行な方向もしくは表面から遠ざける方向に移動させるか、または結合体の姿勢を変化させる磁場を印加する第1の結合体変動工程を実施する。または検出板の裏面側に配される磁場印加部からの磁場の印加により結合体を検出板の表面上に引き寄せるとともに、磁場を印加した状態で磁場印加部を検出板の表面の面内方向と平行な方向の移動ベクトル成分を持つ方向に移動させる。このような磁場印加部の移動に追従させて結合体を移動させる、または結合体の姿勢を変化させる第2の結合体変動工程を実施する。
つまり、特許文献1に開示された光学的検出方法は、いずれかの結合体変動工程の実施によって生じる光信号の低減または変動を計測して、標的物質を検出することを特徴とする検出方法である。
また、ドラッグデリバリー等で磁性微粒子(つまり対象物質)の利用について研究開発がなされ、磁性微粒子の観察や制御についても研究開発が進められている。これに対し、微粒子の扱いが困難であることから、微粒子の制御及び観察は困難である。特許文献2には、観察セル内部に存在する磁性微粒子を含む流体を撮像することで、磁性微粒子を観察、分離、または制御することができる装置が開示されている。
より具体的には、観察セル内の磁性微粒子の画像を連続して撮像する撮像装置と、撮像された画像から磁性微粒子の座標と断面積を求める演算部と、前回撮像された画像と新たに撮像された画像とを比較して追尾の対象の磁性微粒子である追尾粒子を追尾する追尾部と、表示装置に、撮像された画像とともに画像上の追尾粒子にマークを表示する表示処理部と、観察セルが存在する観察領域内の磁界を調整可能な磁力線を発生させる磁力発生部と、観察セル内の流体が静止した状態で、追尾粒子を所定の目標位置に把持させる磁力線を発生させる制御値を出力して磁力発生部を制御する粒子移動制御部と、異なる方向から撮像された追尾粒子の複数の画像から求めた当該追尾粒子の体積と、制御値から求めた当該追尾粒子に与えられる重力、及び観察領域に磁性微粒子が配置されない状態で予め測定された観察領域の磁界分布を利用して当該追尾粒子の磁気特性と、を求める特性演算部とを備えることを特徴とする粒子観察装置が開示されている。
このように、近年、磁場を用いた標的物質の検出、観察、及び制御等を目的とする装置が開発されている。しかしながら、このような磁場を用いた検出、観察、及び制御等においては、必ずしもこのような検出等を行う検出領域(例えば撮像部の視野)の中心と印加される磁場の中心領域とが一致しているとは限らない。例えば、上記のように磁場の中心に、標的物質を含む対象物質を集合する、または磁場を用いて対象物質の位置を制御する等の装置構成においては、印加しようとする仮想的な磁場の中心領域と、実際に印加される磁場の中心領域との間にずれが生じる場合がある。このため、対象物質に含まれた標的物質の正確な検出、観察、及び制御等が実現できないといったことが起こり得る。
上記のずれは例えば、磁場を印加するための磁石を保持する磁石保持治具等の形状のゆがみ等といった仕上がりの精度、磁石保持冶具を稼働させる位置変更機構の精度、または他の磁石が存在すること等による磁場の歪み等が理由として挙げられる。よって、使用している磁石が発生すると予想される仮想的な磁場の中心領域をもとに検出等を行う領域の中心を決定すると、検出等を行う領域の中心からずれた位置に対象物質が移動してしまうといったことが起こり得る。またその際、標的物質の量(標的物質を含む対象物質の量)が非常に少ない場合には、わずかな磁場の中心領域のずれでも検出等を行う領域内に入らない対象物質が存在してしまい、正確に標的物質の検出等が実施できないといった課題がある。
本開示は、上記の課題を解決しようとするものであり、磁場の印加により対象物質を検出板へ集合する際に、対象物質が集合される領域(つまり磁場の中心領域)が、対象物質を検出する検出領域中の対応する中心領域からずれてしまい、正確に対象物質を検出することができないことを抑制するための検出装置の較正方法、及び当該較正のための機能を有する検出装置を提供することを目的とする。
したがって、本開示によれば磁石等の磁場印加部を用いて検出板の表面近傍に対象物質を集合する際に、対象物質を検出する検出領域の中に正確に集合できるため、標的物質が非常に少なく、標的物質を含む対象物質がわずかである場合においても検出が可能となる。
(本開示の概要)
本開示における較正方法、及び検出装置は、上記の目的を達成するために以下の特徴を有する。
(1)検出板の表面に形成された近接場を用いて、検出板の表面上の検出領域において標的物質を含む結合体(言い換えると対象物質)を検出する検出装置の較正方法であって、第1磁場を印加して磁性体を検出板の表面に引き寄せる印加ステップと、検出板の表面に引き寄せられる磁性体に基づいて、検出板の表面における第1磁場の中心領域を特定する特定ステップと、第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行う較正ステップと、を含む。
これにより、第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。したがって、検出板の表面近傍に対象物質を集合する際に、対象物質が検出される検出領域の中に対象物質を正確に集合できるため、標的物質が非常に少なく、標的物質を含む対象物質がわずかである場合においても検出が可能となる。また、このような検出領域の外側に位置する対象物質の数をより少なくすることができる。つまり、対象物質を計数する場合などにおいては、より正確な計数を行うことができる。よって、検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。
(2)また、例えば本開示における較正方法は、較正ステップでは、検出領域を撮像する撮像部及び第1磁場を印加するための第1磁場印加部の少なくとも一方を移動させることにより、第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行ってもよい。
これにより、撮像部及び/または第1磁場印加部を移動させ、これらの相対的な位置関係を変化させることにより第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。よって、撮像部及び/または第1磁場印加部を移動するのみで容易に較正を行うことができる。
(3)また、例えば本開示における較正方法は、特定ステップでは、印加ステップ中の磁性体の動きに基づいて、第1磁場の中心領域を予測してもよい。
これにより、印加ステップ中の磁性体の動きをもとに第1磁場の中心領域を予測し、予測により特定された第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。よって検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。
(4)また、例えば本開示における較正方法では、特定ステップは、印加ステップ中の2以上の磁性体の移動ベクトルを導出するステップと、2以上の移動ベクトルそれぞれを延長した2以上の延長線の交点の位置に基づいて、第1磁場の中心領域を予測するステップと、を含んでもよい。
これにより、磁性体の移動方向を示す移動ベクトルを用いて第1磁場の中心領域を予測し、予測により特定された第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。よって検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。また、このような予測に基づく第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせは、第1磁場の印加中に行うこともできる。つまり、印加ステップと較正ステップとは並行して実施されてもよい。このような較正方法においては、較正のための時間を短縮することができる。また、印加ステップよりも較正ステップの方が短い場合においては、印加ステップと並行して開始した較正ステップが、印加ステップよりも早く完了するため、較正のための時間を設けなくてもよい。
(5)また、例えば本開示における較正方法では、特定ステップは、印加ステップ後の検出板の表面上の磁性体の分布に基づいて、第1磁場の中心領域を特定してもよい。
これにより、印加ステップ後の磁性体の分布をもとに第1磁場の中心領域を特定し、特定された第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。よって検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。また、予測により第1磁場の中心領域を特定する構成とは異なり、予測精度等を考慮する必要がないため、簡単かつ高精度に第1磁場の中心領域を特定することができる。
(6)また、例えば本開示における較正方法では、磁性体として、結合体を用いてもよい。
これにより、検出したい結合体を含む試料溶液をそのまま較正に用いることができる。したがって、較正のための磁性体を別途用意する必要がなく、容易に較正を実施することができる。また、較正後に改めて結合体を含み得る試料溶液を導入することなく、較正結果を実際の検出時の環境に適応させることができる。
(7)また、例えば本開示における較正方法では、さらに、較正ステップの後に、磁性体として用いられた結合体を検出する検出ステップを含んでもよい。
これにより、較正を実施した後に、結合体の検出を行うことができる。このように結合体を用いて較正を実施した後、結合体の検出を行うことで、較正のための磁性体を結合体に置き換える操作が不要となり、当該操作によって生じ得る磁場の中心領域のずれが生じなくなる。よって、検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。
(8)また、例えば本開示における較正方法では、検出ステップは、印加ステップにおいて検出板の表面に引き寄せられた結合体を、検出板の表面に沿ってさらに移動させる第2磁場を印加し、移動する結合体を、撮像部によって検出してもよい。
これにより、第2磁場の印加によって移動しない夾雑成分を区別することができ、第2磁場によって移動する結合体を高精度に検出することができる。
(9)また、本開示における検出装置の一態様は、照射光の照射により表面に近接場が形成される検出板と、検出板の表面に、標的物質を含む結合体を引き寄せる第1磁場を印加する第1磁場印加部と、検出板の表面における第1磁場の中心領域と検出板の表面上の検出領域との位置合わせを行う較正部と検出領域において結合体を検出する検出部と、を備える。
これにより、較正部によって第1磁場の中心領域と検出領域とが位置合わせされた状態で、結合体を検出することができる。よって検出装置を用いた結合体の検出において、検出精度の低下が抑制される。
(10)また、例えば本開示における検出装置では、較正部は、第1磁場印加部及び検出部の少なくとも一方を移動させるアクチュエータと、第1磁場の中心領域と検出領域とを位置合わせするように、アクチュエータを制御する制御部と、を有してもよい。
これにより、アクチュエータの制御によって、検出部及び/または第1磁場印加部を移動させ、これらの相対的な位置関係を変化させることにより第1磁場の中心領域と検出領域との位置合わせを行える。よって、検出部及び/または第1磁場印加部を移動するのみで容易に較正を行うことができる。
(11)また、例えば本開示における検出装置は、さらに、検出板の表面に引き寄せられた結合体を、検出板の表面に沿って移動させる第2磁場を印加する第2磁場印加部を備え、検出部は、印加される前記第2磁場によって移動する結合体を検出してもよい。
これにより、第2磁場の印加によって移動しない夾雑成分を区別することができ、第2磁場によって移動する結合体を精度よく検出することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータープログラムまたはコンピューター読み取り可能なCD−ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータープログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
(実施の形態)
本開示の実施の形態について以下、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、及び、矩形などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の誤差等の差異も含むことを意味する表現である。
また、各図において、それぞれ互いに直交するX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を適宜用いて説明する。特にZ軸方向のプラス側を上側、マイナス側を下側として説明する場合がある。
はじめに、本開示の実施の形態に係る検出装置の概要について図1〜図3を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る検出装置の概略構成図である。なお、図1において溶液保持部20は、溶液保持部20が形成する空間27のY軸方向における中央を通るXZ平面で切断した断面を示している。
[検出装置]
図1に示すように、本実施の形態に係る検出装置100は、光照射部10と溶液保持部20と光検出部30と磁場印加部40と較正部50とを備える。検出装置100では、光照射部10から照射された照射光15により溶液保持部20内に近接場を形成し、溶液保持部20内に保持された溶液に含まれる結合体(対象物質)が近接場に照射されることで発生する蛍光、または散乱光を光検出部30によって受光することで結合体を検出する。ここで、磁場印加部40により、溶液保持部20内における結合体の位置を制御することで、結合体を近接場に照射される位置に誘導する。また、磁場印加部40は、さらに、結合体を移動させることにより、結合体が発生する蛍光、または散乱光を、光検出部30の検出領域39内で移動させる。これにより、光検出部30では、結合体に対応する動光点が受光される。
[光照射部]
光照射部10は、光源11と光導入部13とを備える。光源11としては、一例としてレーザ光源を用いることができる。なお、光源11は、LEDが用いられてもよく、フィラメント電球または放電現象を利用したランプ等が用いられても良い。光源11は、所定の波長の光を含む照射光15を発する構成であればどのような形態で実現されてもよい。また、光源11は、さらに、所定の波長の光を含む照射光15を分光により取り出す分光装置を備えてもよい。
光導入部13は、光源11が発した照射光15が入射される光学部材である。光導入部13は、屈折及び/または反射により入射された照射光15の光路を規定する導光機能を有する。また、光導入部13は、照射光15が入射される入射面とは異なる面において、後述する検出板21の裏面と接合されている。裏面から入射した照射光15が検出板21の表面で全反射されるように設計されている。光導入部13は、例えば、公知のプリズム等により実現される。
[溶液保持部]
溶液保持部20は、検出板21と溶液保持槽23とカバーガラス25とを備える。検出板21は、前述したように裏面において光導入部13に接合されている。また、検出板21は、光透過性を有する板状部材である。検出板21の裏面と光導入部13とは、これらが接合される接合層において照射光15の損失が極力生じないように密着されていることが望ましい。接合層は、一例として、接着剤を用いて実現され、当該接着材により、光導入部13と検出板21とが接着される。なお、接合層は、屈折率マッチングオイル等で実現されてもよく、当該屈折率マッチングオイル等により、光導入部13と検出板21とが単に光学的に接触されてもよい。
検出板21の表面及び裏面は、互いに背向し、かつ平行である。光導入部13から接合層を介して裏面に入射された照射光15は、検出板21の内部を通り、前述したように検出板21の表面で全反射される。この際に、検出板21の表面における、照射光15が反射される側と反対側にエバネセント場、または増強電場等の近接場が形成される。近接場は、検出板21の表面から遠ざかるにつれて急激に減衰する性質を有する。つまり、近接場は、検出板21の表面近傍にのみ形成される。なお、検出板21の構成としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択されてもよい。したがって、検出板21は、単層で構成されてもよく、電場増強を目的とした積層体で構成されてもよい。
溶液保持槽23は、検出板21に積層されるシート状の部材であり、例えばシリコン樹脂等によって構成される。溶液保持槽23は、検出板21と同様の外形を有する。また、溶液保持槽23は、シートの内部(面内方向における内部)において、シートの両主面を貫通してくりぬかれたくりぬき部を有する。溶液保持槽23は、検出板21に積層されることで、検出板21の表面と、くりぬき部の外周(つまり溶液保持槽23の内側面)とに囲まれた容器形状を形成する。本実施の形態において溶液保持槽23のくりぬき部は、溶液保持槽23を平面視した場合に円形である。したがって検出板21と、溶液保持槽23とによって形成される容器形状は、円柱状の空間27である。なお、くりぬき部の形状は、円形に限定されず多角形状等のいかなる形状であってもかまわない。
カバーガラス25は、溶液保持槽23にさらに積層される板状の部材である。カバーガラス25は、透光性の材料によって形成されていれば形状に限定はない。カバーガラス25は、検出板21と溶液保持槽23とによって形成された空間27の蓋の役割を担うため、平面視において前述したくりぬき部を覆うことができる形状、及び大きさである。
このようにして、検出板21、溶液保持槽23、及びカバーガラス25によって空間27は、略密閉可能となる。ここで、空間27には検出装置100によって検出される試料溶液29が充填される(図3参照)。つまり、試料溶液29が溶液保持部20に充填された状態で、試料溶液29に含まれ得る結合体の検出が行われる。試料溶液29は、カバーガラス25を開くことで空間27に導入される。つまり、カバーガラス25は、空間27にアクセス可能な開口を覆う。当該開口は、結合体を含み得る試料溶液29が導入される導入部の一例である。なお、空間27と外部とを連通する細孔を設けてもよく、この場合には、当該細孔が導入部となる。
[光検出部]
空間27内で発生した光は、カバーガラス25を介して外部に透過し、溶液保持部20に対向して配置された光検出部30において受光される。光検出部30は、集光性を有する集光部材31と一部の波長の光を選択的に透過させるフィルタ33とイメージセンサ35とが筐体37に内蔵された受光装置である。集光部材31は、例えば屈折式のレンズであり、光検出部30が受光した光をイメージセンサ35に集光する。集光部材31は単一のレンズによって構成されてもよく、複数のレンズを用いて構成されてもよい。
フィルタ33は、例えば、結合体が発生する蛍光の主要な波長成分のみを透過させ、その他を吸収または反射する光学特性を有する。これにより、結合体が発生した蛍光のみを高精度に検出することができる。イメージセンサ35は、フォトダイオードを用いるもの、及び光増倍管を組み合わせたもの等の、公知の光検出手段であってもかまわない。検出領域39が2次元であるために、イメージセンサ35としてCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の2次元センサを用いることで、より多くの情報を得ることが可能となり好適である。
また、筐体37は、金属または樹脂等で構成される。筐体37には、カバーガラス25に対向する面に開口を有し、当該開口から受光された光がイメージセンサ35に入射する。筐体37には、上記の開口から受光された光の光路に沿って、集光部材31、フィルタ33、イメージセンサ35がこの順に配置され、それぞれの位置関係が一定に保たれるように保持部が形成されている。なお、筐体37は、集光部材31に入射する光を除き、その他の外光が筐体37の内部に入り込まないよう、遮光性を有する材料によって構成されている。
光検出部30は、集光部材31によって規定された検出領域39において結合体の検出を行う。したがって、光検出部30は、検出部の一例である。また、光検出部は、イメージセンサ35を用いて検出領域39を撮像することにより結合体の検出を行う。つまり、光検出部30は、撮像部とみなしてもよい。
[磁場印加部]
磁場印加部40は、第1磁場印加部41と保持冶具43と位置変更機構45と第2磁場印加部47とを備える。
第1磁場印加41は、第1磁場を発生し、光導入部13及び検出板21を介して空間27に対して当該第1磁場を印加する。第1磁場印加部41は、例えばネオジム磁石等の永久磁石によって構成されるが、第1磁場印加部41の材料に特に限定はない。第1磁場印加部41は、酸化鉄等を主成分とするフェライト磁石、またはアルミニウム、ニッケル、及びコバルト等を主成分とするアルニコ磁石等で構成されてもよい。
保持冶具43は、第1磁場印加部41を保持する部材である。保持冶具43は、例えば樹脂等により構成される。なお、第1磁場印加部41が発生する第1磁場に影響を与えない材料であればどのような材料であってもよい。保持冶具43は、第1磁場印加部41を重力方向の下方(図中のZ軸方向マイナス側)から支持し、かつ重力方向と直交する水平方向(図中のX軸方向)のずれを抑制する壁部を有する形状である。したがって、保持冶具43は、第1磁場印加部41と対応する形状に窪みを有する凹形状である。なお、保持冶具43は、重力方向と直交するY軸方向のずれを抑制してもよく、この場合、第1磁場印加部41と対応する形状に窪みを有する容器形状となる。また、保持冶具43の形状はこれに限らず、第1磁場印加部41を保持できればどのような形状であってもよい。
位置変更機構45は、保持冶具43の位置を変更することにより、第1磁場印加部41を光導入部13に対応する位置、または光導入部13に対応しない位置に移動させる。これにより、第1磁場印加部41が発生する第1磁場を、空間27に印加するか、または空間27に印加しないかを切り替えることができる。位置変更機構45は、例えばレールであり、保持冶具43を所定の軌道で上記の2つの位置間を移動させる。つまり、保持冶具43の、位置変更機構45に対応する箇所には、レールに沿って移動する車輪、または摺動溝等の可動機構が備えられる。位置変更機構45は、保持冶具43を上記の2つの位置間で移動させる機構であればどのような形態であってもよい。また、位置変更機構45の形態に合わせ、保持冶具43には、対応する機構が備えられる。
第2磁場印加部47は、第1磁場の方向と交差する方向の第2磁場を発生し、溶液保持槽23を介して空間27に対して当該第2磁場を印加する。第2磁場印加部47は、例えばネオジム磁石等の永久磁石によって構成されるが、第2磁場印加部47の材料に特に限定はない。第2磁場印加部47は、酸化鉄等を主成分とするフェライト磁石、またはアルミニウム、ニッケル、及びコバルト等を主成分とするアルニコ磁石等で構成されてもよい。
第1磁場は、空間27に印加されると、空間27内に存在する強磁性体または常磁性体等の磁性体を検出板21の表面に引き寄せる。また、第1磁場は、検出板21の表面と交差する方向に印加される。したがって第2磁場は、第1磁場と交差する検出板21の表面に沿う方向に印加される。よって、第2磁場は、空間27に印加されると、空間27内に存在する強磁性体または常磁性体等の磁性体を検出板21の表面に沿って移動させる。
ここで、磁性体の移動とは、印加される磁場の方向に沿って磁性体の位置が変化することをいう。また、磁性体を含む結合体も同様に印加される磁場の方向に沿って位置が変化し、このような位置の変化を結合体の移動として説明する。
[較正部]
較正部50は、アクチュエータ51と制御部53とを備える。アクチュエータ51は、光検出部30に設置され、光検出部30の位置を変更する駆動装置である。アクチュエータ51は、例えば、モータの駆動によってシリンダを押し出すことで当該シリンダと連動する光検出部30の位置を変更する。図中では、光検出部30のX軸方向両側にアクチュエータ51が設置され、X軸方向に沿って光検出部30の位置を変更できる構成を示した。図示しないが、光検出部30のY軸方向両側にも同様のアクチュエータ51が備えられ、Y軸方向に沿っても光検出部30の位置を変更できる。つまり、アクチュエータ51は、XY平面に沿って光検出部30の位置を変更できる。
制御部53は、メモリとプロセッサとによって構成される処理装置である。制御部53は、光検出部30のイメージセンサ35に接続され、イメージセンサ35が撮像した画像データを取得する。制御部53は、さらにアクチュエータ51に接続されている。制御部53は、取得した画像データに基づいてアクチュエータ51の駆動量を算出し、アクチュエータ51に対して当該駆動量を出力することにより、光検出部30の位置の変更量を制御する。
制御部53が出力した駆動量に基づいてアクチュエータ51は、光検出部30を移動させ、光検出部30のXY平面上の位置を任意に変化させることができる。これにより、光検出部30と第1磁場印加部41との相対位置が変更され、第1磁場の中心領域と検出領域39との相対位置が変更される。このような動作により、検出装置100は、第1磁場の中心領域と、検出領域39とを位置合わせすることができる。言い換えると、上記の動作により、第1磁場の中心領域と、検出領域39の中心領域とが位置合わせされる。
[結合体]
図2は、実施の形態に係る検出装置によって検出される結合体について説明する図である。
図2に示すように、本実施の形態において、結合体60は、標的物質61、磁性粒子65、標識物質63からなる。標的物質61は、例えば、タンパク質、脂質、糖、核酸等であり、検出したい対象のウイルス粒子、微生物、細菌等の産生する、またはこれらを構成する生体関連物質である。磁性粒子65は、強磁性、または常磁性等の磁性を有する磁性体によって構成される粒子である。磁性粒子65は磁性を有するため、第1磁場、及び第2磁場によって引き寄せられる。
また、磁性粒子65は、前述した標的物質61と結合する性質を有する。これは例えば、磁性粒子65の表面に配置された抗体67によって実現される。なお、標的物質61と磁性粒子65との結合形態は、これに限らず、磁性粒子65を第1磁場及び第2磁場により引き寄せる際に解離しない結合強度を有する結合形態であればどのような形態であってもよい。結合形態は、標的物質61に合わせて適宜選択されればよい。
標識物質63は、結合体60を標識し、検出可能にする物質であり、例えば光の照射により励起されて蛍光を発生する蛍光体により実現される。つまり、標識物質63によって結合体60が蛍光を発生する。なお、結合体60を構成する標的物質61が蛍光を発生する場合もあり、その際、結合体60は、標識物質63を備えなくてもよい。
標識物質63は、磁性粒子65と同様に抗体67によって標的物質61に結合する。なお、標的物質61と磁性粒子65とを結合する抗体67、及び標的物質61と標識物質63とを結合する抗体67は、同一の抗体であってもよく、異なる抗体であってもよい。また、標的物質61と標識物質63との結合形態は、これに限らず、磁性粒子65を第1磁場及び第2磁場により引き寄せる際に解離しない結合強度を有する結合形態であればどのような形態であってもよい。結合形態は、標的物質61に合わせて適宜選択されればよい。
ここで、図3を用いて、第1磁場の印加による磁性体の動きについて説明する。図3は、実施の形態に係る検出装置が発生する第1磁場について説明する図である。なお、図3では、第1磁場印加部41、光導入部13、及び溶液保持部20のみを図示し、その他の構成については省略している。また、空間27には、磁性体を含む試料溶液29が充填されているものとする。
図3に破線矢印で示すように、第1磁場印加部41が、N極からS極へと向かう磁力線(つまり第1磁場)を発生している。なお、磁力線は、簡略化のため第1磁場印加部41の中心から生じる一部のみを図示している。この場合、N極とS極とを結ぶ方向(つまりZ軸方向)に第1磁場が印加される。試料溶液29に含まれる磁性体は、第1磁場によって引き寄せられ、矢印49で示す方向の移動が生じる。つまり、検出板21の表面に向かってZ軸マイナス方向に引き寄せられるとともに、第1磁場の中心に向かってX軸方向、及び図示しないがY軸方向にも引き寄せられる。言い換えると、第1磁場の印加により、第1磁場の中心付近(言い換えると中心領域)に、試料溶液29に含まれる強磁性または常磁性を示す粒子が集合する。粒子の集合により、試料溶液29中における粒子の密度に勾配が生じ、局所的に粒子の濃縮が生じる。なお、実施の形態の第1磁場印加部41では、Z軸方向プラス側にN極を配置したが、Z軸マイナス側にN極を配置してもよい。
[実施例1]
本開示の実施の形態について、実施例に基づいて以下に説明する。本実施例では、標的物質61である光源と結合した標識物質63が蛍光信号を発する場合について説明する。
本実施例においては、検出板21として厚さ650μmのSiO基板を用いた。また、検出板21の表面に、溶液保持槽23として厚さ2mmのシリコン樹脂性のシートを密着させて配置した。また、溶液保持槽23の中心部には、φ8mmの円形のくりぬき部を設けた。当該くりぬき部によって形成された空間27には、PBS(Phosphate Buffered Saline)のなかに磁性粒子65、蛍光体である標識物質63、及び標的物質61として抗体67に対する抗原性を有する抗原を混合し、試料溶液29として配置した。
磁性粒子65及び標識物質63の表面には、標的物質61と結合する抗体67を修飾し、配置した。これにより、磁性粒子65及び標識物質63は、表面に配置された抗体67の抗原抗体反応により抗原である標的物質61に対してそれぞれが結合することで対象物質である結合体60を形成する。
溶液保持槽23及び空間27に配置された試料溶液29の上部を覆うようにカバーガラス25を配置した。また検出板21は、光導入部13として用いたプリズムの表面に屈折率マッチングオイルを使用して光導入部13に対して光学的に接触させた。
光源11には、レーザ光源を用いた。光源11が発したレーザ光(照射光15)は、光導入部13に入射して屈折し、光導入部13内部を通り、屈折率マッチングオイルに達する。当該レーザ光は、さらに、屈折率マッチングオイルを通り、検出板21の裏面から入射され、検出板21内部を通り、検出板21の表面において全反射する。この時検出板21の表面の試料溶液29側に増強電場等の近接場が形成される。
上記構成による溶液保持部20に対向するように、光検出部30であるCCDカメラを配置した。光検出部30は、溶液保持槽23のくりぬき部によって形成された空間27のうち、集光部材31によって規定された領域を検出領域39として撮像する。本実施例の光検出部30の構成においては、検出板21表面における検出領域39は、およそφ2mmの円形である。
第1磁場印加部41及び第2磁場印加部47としては、それぞれコイン状のネオジム磁石を用いた。
制御部53には、回路及びメモリを用いて光検出部30が撮像した画像データを取得し、画像解析により、自動的に結合体60の発生する蛍光による光点を認識する構成を用いた。また、制御部53は、認識した結合体60の蛍光による光点に基づきアクチュエータ51に対して当該アクチュエータ51の駆動量を出力し、アクチュエータ51が設置された光検出部30をXY平面上の任意の位置に移動できる構成とした。
ここで、図4及び図5を用いて、第1磁場の印加によって移動する粒子の様子を説明する。図4は、実施例1に係る第1磁場の印加前における試料溶液の様子を示す概略図である。図4の(a)は、空間27に充填された試料溶液29をY軸方向マイナス側から見た図であり、空間27に重複するY軸方向マイナス側の一部の溶液保持槽23を省略している。図4の(b)は、空間27に充填された試料溶液29をZ軸方向プラス側から見た図である。
また、図5は、実施例1に係る第1磁場の印加後における試料溶液の様子を示す概略図である。図5の(a)は、空間27に充填された試料溶液29をY軸方向マイナス側から見た図であり、空間27に重複するY軸方向マイナス側の一部の溶液保持槽23を省略している。図5の(b)は、空間27に充填された試料溶液29をZ軸方向プラス側から見た図である。
図4及び図5に示すように、試料溶液29に含まれる磁性粒子65が第1磁場印加部41により検出板21の表面に引き寄せられるため、図中に小円で示した結合体60は、検出板21の表面に引き寄せられる。
また、結合体60を形成せずに標識物質63単独で存在する粒子、標識物質63と標的物質61のみが結合した粒子、または図中に三角形で示した夾雑成分69等は、磁性体を有さない粒子であるため、検出板21の表面に引き寄せられない。したがって、これらの粒子は、近接場によって照射されにくい。よって、これらの粒子は、光検出部30によって検出されにくい。
一方、結合体60を形成せずに磁性粒子65単独で存在する粒子、または磁性粒子65と標的物質61のみが結合した粒子は、結合体60と同様に検出板21の表面に引き寄せられる。しかしながら、これらの粒子は、標識物質63を伴わないため、蛍光を発生しない。よって、これらの粒子は、光検出部30によって検出されない。
また、試料溶液29の条件によっては、標識物質63と磁性粒子65とが結合した擬陽性粒子が形成される場合がある。擬陽性粒子は、本来検出したい結合体60とは異なるものの、第1磁場によって引き寄せられ、近接場により蛍光を発生するため、光検出部30によって検出され得る。したがって、擬陽性粒子を減らし、結合体60が支配的に形成される良好な試料溶液29の条件を、検出したい標的物質61に合わせて検討することが望ましい。
ここで、図5に示すように、第1磁場を印加した際に、多数の結合体60が図中に破線で示した検出領域39内に入らないことがある。これは、検出領域39の中心領域と、第1磁場の中心領域とがずれているために生じる。このようなずれは、例えば第1磁場印加部41が印加する磁場の中心が、第1磁場印加部41のコイン形状の中心と一致していないことにより、コイン形状をもとに検出装置100を設計した場合に起こる。
また、光検出部30の光軸のずれ、または保持治具43及び位置変更機構45のいずれか、もしくは両方の仕上がりが悪く、検出領域39と第1磁場との相対位置がずれることによっても起こり得る。さらに、位置変更機構45上を保持冶具43が移動した際、光導入部13に対応する位置に正確に移動しなかった場合も原因となり得る。
このように第1磁場印加部41が印加する第1磁場の中心領域が検出領域の中心領域と一致していない場合、多数の結合体60が検出領域39の外側に集まる。したがって、多数の結合体60の一部において、試料溶液29中に存在するにもかかわらず検出されないことが起こり得る。
ここで図6〜図8を用いて、本実施例における検出装置100の第1磁場の中心領域と、検出領域39の中心領域とを位置合わせする較正方法について説明する。なお、以降の説明において、検出装置100の第1磁場の中心領域と、検出領域39の中心領域とを位置合わせするとは、これらが一致している場合を含み、結合体60の検出への影響が無視できる範囲のずれを許容する相対位置に設定することをいう。
図6は、実施例1に係る光検出部において撮像された検出領域の画像データ及びその外側領域を示す図である。図6には、検出領域39に対応する画像データ上の検出領域39a、及び実際には取得されないが当該画像データにおける検出領域39aの外側を、空間27に対応する範囲27aまで拡張して示している。また図6には、第1磁場の印加前に撮像されたと仮定した結合体60の位置に対応する光点60aを破線小円で示し、第1磁場の印加後に撮像されたと仮定した結合体60の位置に対応する光点60bを実線小円で示す。
光検出部30による撮像は、連続的に行われる。したがって、制御部53は、画像データが時系列に沿って並んだ動画像を取得する。
取得される画像データによる動画像上では、XY平面上における第1磁場の中心領域に向かって直線的に移動する結合体60の光点を追跡することができる。つまり、各光点60aが各光点60bに至る移動ベクトル(つまり移動方向)は、動画像から容易に導出することができる。なお、移動ベクトルの始点は、検出領域においてはじめに撮像される光点の位置である。つまり、以降の説明では、移動ベクトルは、始点と方向を示しているものとして説明する。
このような移動ベクトルを延長した延長線上には、第1磁場の中心があることが推測される。つまり、少なくとも2つの移動ベクトルの延長線が交点は、第1磁場の中心であることが推測される。図6に示す検出領域39a内における任意の2つの光点の移動経路を基に移動ベクトル71及び73を導出する。これらの移動ベクトル71及び73の延長線71a及び73aが交点は、検出領域39aよりも紙面右側にあることがわかる。実際に、第1磁場により集合した結合体60による光点60bの多くは、紙面右側に位置している。
したがって、このような算出された第1磁場の中心を含む中心領域に検出領域39aの中心領域が重なるように光検出部30を移動させることで、より正確に結合体60の検出(つまり標的物質61の検出)が実施できる。よって、このような第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれに起因する結合体60の検出精度の低下を抑制することができる。
ただし、結合体60が移動する経路上に他の粒子等の障害物が存在すると、移動ベクトルのずれが生じる場合がある。このため、少なくとも2つの移動ベクトルの交点が第1磁場の中心と一致しない場合がある。
例えば、図6に示すように4つの光点が成す移動経路を基に4つの移動ベクトル71〜77を導出し、これらの移動ベクトル71〜77の延長線71a〜77aが交差する6つの点を算出することで、6つの点のXY平面上における平均位置の点を第1磁場の中心として予測してもよい。つまり、第1磁場の中心を予測するために使用する結合体60の光点は、複数であってもよい。
また、移動ベクトルの延長線どうしの成す角度が極端な鋭角である場合に、特に上記のような移動ベクトルのずれの影響が大きくなる。よって、例えば、2つの延長線どうしの成す角度に閾値を設定してもよい。つまり、閾値である所定の角度よりも大きい角度を成す2つの延長線の交点を有効な点、所定の角度よりも小さい角度を成す2つの延長線の交点を無効な点として第1磁場の中心を予測してもよい。
また、上記を組み合わせて、光点を複数用い、かつ所定の角度より大きい角度を成す2つの延長線の交点のみを用いて第1磁場の中心を予測してもよい。
このようにして予測された第1磁場の中心を含む中心領域は、前述したように第1磁場の中心近辺であり、算出された点を中心とする所定の半径を有する円形である。このような所定の半径は、予測に用いる光点の数、磁場の強度、移動ベクトルの延長線どうしの成す角度等、予測の信頼性に応じて設定され、当該信頼性が高いほど半径を小さくしてもよい。なお、第1磁場の中心領域は、磁場の歪み等に応じた形状であってもよく正円でなく任意の形状でもよい。したがって、第1磁場の中心領域において算出された点が中心でなくてもよい。
図7は、実施例1に係る予測に基づく検出装置の動作を説明する図である。
図7に示すように、予測された第1磁場の中心領域に対応する位置に検出領域39を移動させるため、制御部53は、光検出部30を移動させるためのアクチュエータ51の駆動量を当該アクチュエータ51に出力する。アクチュエータ51が駆動量に応じて駆動することで、光検出部30は移動され、検出領域39の中心領域が予測された第1磁場の中心領域と位置合わせされる。なお、検出領域39の中心領域は、予測された第1磁場の中心領域と一致する形状であり、一例として検出領域39の中心から所定の半径を有する円形である。なお、面出領域39の中心領域は、第1磁場の中心領域と同様に、正円でなく任意の形状でもよい。
図8は、実施例1に係る検出領域の移動によって取得される画像データの変化を説明する図である。図8は、図6と同様の図であるが、検出領域39aが移動され、移動後の検出領域39bとして示されている。
図8に示すように、予測された第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とが位置合わせされることで、各光点60bの位置は移動しないが、検出領域39bが移動している。これにより、検出領域39b内にほぼすべての光点60bが位置している。よって、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれに起因する結合体60の検出精度の低下を抑制することができる。
以上のようにして、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれが較正された状態で、第2磁場印加部47を用いて第2磁場が印加される。検出領域39に対応する画像データ上の検出領域39a内では、結合体60に対応する検出領域39a内の光点60bが、第2磁場の方向に引き寄せられる。試料溶液29内において、X軸方向マイナス側に結合体60が引き寄せられるため、画像データ上でもこれに対応した光点60bの移動がみられる。
例えば、結合体60を形成せずに標識物質63単独で存在する粒子が、第1磁場の印加よりも前から検出板21の表面近傍にあり、近接場によって照射される場合を考える。このような粒子は、近接場によって照射されて蛍光を発生し、画像データ上では結合体60の光点60bと区別することができない。
そこで、上記のように第2磁場を印加すると、結合体60が引き寄せられて移動するのに対し、このような粒子は、磁性粒子65をもたないので移動しない。よって画像データが時系列に沿って並んだ動画像上において、移動する光点に対する移動しない光点として、このような粒子は区別され、より正確に結合体60のみを検出することができる。結合体60は、標的物質61を含んでいるため、結合体60を検出することにより、間接的に標的物質61を検出することができる。
[較正方法]
次に、上記実施例1において、検出装置100によって実施された較正方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本開示の実施の形態に係る較正方法を説明するフローチャートである。
本実施の形態における較正方法は、第1磁場の中心領域と、検出領域39の中心領域とのずれを最小化し、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とを位置合わせする方法である。
図9に示すように、本実施の形態に係る較正方法では、はじめに結合体60を含み得る試料溶液29を導入する導入ステップS101が実施される。導入ステップS101においては、試料溶液29が溶液保持部20の空間27内に充填される。これは例えば、カバーガラス25を開状態として、図1におけるZ軸方向プラス側に開口された空間27に試料溶液29を充填し、再度カバーガラス25を閉状態とすることにより実施される。
空間27内に充填された試料溶液29に対して、第1磁場印加部41により第1磁場を印加する印加ステップS102が実施される。第1磁場の印加により、試料溶液29に含まれる結合体60等の、強磁性または常磁性を示す粒子は、検出板21の表面近傍に引き寄せられる。つまり図1におけるZ軸方向マイナス側への移動が生じる。強磁性または常磁性を示す粒子は、さらに、第1磁場の印加によって第1磁場の中心領域へと引き寄せられる。つまり、強磁性または常磁性を示す粒子は、図1のZ軸方向マイナス側への移動と同時に、XY平面上のいずれかの箇所に位置する第1磁場の中心領域に対応する箇所に向かってX軸方向及びY軸方向への移動も生じる。このようにして、強磁性または常磁性を示す粒子は、検出板21の表面近傍、かつ第1磁場の中心領域に集合する。
ここで、集合した粒子から結合体60を検出する際、光検出部30による検出領域39と粒子が集合した領域とが一致しない場合、検出領域の中心領域と第1磁場の中心領域とがずれていることが予想され、較正する必要がある。このようなずれの較正においては、まず、第1磁場の中心領域を特製する特定ステップS103が実施される。
続いて、特定ステップS103において特定された第1磁場の中心領域に対して、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とを位置合わせする較正ステップS104が実施される。
なお、以上のずれの較正に必要な特定ステップS103及び較正ステップS104は、検出領域39の中心領域と第1磁場の中心領域とがずれているか否かに応じて、実施するか否かが選択されてもよい。特定ステップS103及び較正ステップS104の詳細については、図10を用いて後述する。
較正ステップS104において、検出領域39の中心領域と第1磁場の中心領域とが位置合わせされた状態で、結合体60を検出する検出ステップS105が実施される。検出ステップS105では、結合体60の検出において第2磁場印加部47が用いられる。より具体的には、第2磁場印加部47により、結合体60を検出板21の表面に沿って移動させる第2磁場が印加される。第2磁場の印加により、結合体60は、第2磁場印加部47が設置された方向へと、検出板21の表面に沿って移動する。このとき、強磁性または常磁性を示す粒子のみが第2磁場によって引き寄せられるため、強磁性または常磁性を示す結合体60を第2磁場による移動に基づいて検出することができる。以上のように、検出領域39に対する相対位置が較正された第1磁場と、第2磁場とを用いて結合体60の検出が実施される。
なお、導入ステップS101において、結合体60を含み得る試料溶液29を導入する構成を説明したが、試料溶液29は、検出可能な大きさの単なる磁性粒子を含むものであってもよい。また、例えば、結合体60を第1磁場によって制御することが目的の場合には、検出ステップS105は、実施されなくてもよい。例えば、検出装置100を、結合体60の集合のために用いる場合等がこれにあたる。
図10は、本開示の実施の形態に係る較正方法をより具体的に説明するフローチャートである。
特定ステップS103では、はじめに、ステップS201を実施する。ステップS201では、光検出部30によって撮像された画像データが時系列に沿って並んだ動画像をもとに、画像データ上の検出領域39a内の動光点を追跡する。また、ステップS201では、この動光点の追跡により、光点の動き(つまり移動)の経路を取得する。この光点の経路上における任意の2点を結ぶことで、光点の移動の方向(つまり移動ベクトル)を導出する。さらに、ステップS201では、移動ベクトルを光点の移動方向に向けて延長した延長線を算出する。
その後、ステップS202を実施する。ステップS202では、延長線から第1磁場の中心領域を予測するために必要な、既定の移動ベクトルが導出されたか否かを判断する。既定の移動ベクトルとは、例えば、導出された移動ベクトルの数が少なくとも2つであること、導出された移動ベクトルの数があらかじめ定められた数以上であること、及び導出された移動ベクトルの延長線どうしの成す角度が所定の角度以上の移動ベクトルであること等である。ステップS202において、既定の移動ベクトルが導出されていないと判断された場合(S202でNo)、ステップS201に戻り、すでに移動ベクトルを導出した光点とは別の光点について、移動ベクトルの導出及び延長線の算出を行う。
ステップS202において、既定の移動ベクトルが導出されたと判断された場合(S202でYes)、ステップS203を実施する。ステップS203では、移動ベクトルの延長線が交点を算出する。このような交点の算出は、移動ベクトルが3つ以上ある場合には、2つの移動ベクトルの組み合わせすべてについて行われる。なお、2つの移動ベクトルの組み合わせのうち、延長線どうしの成す角度が所定の角度以上の組み合わせのみについて行われてもよい。
次に、ステップS204を実施する。ステップS204では、ステップS203において算出された移動ベクトルの延長線が交点に基づいて第1磁場の中心領域を予測する。より具体的には、ステップS204では、算出された交点が1つであった場合に、当該交点を中心として、第1磁場の中心領域を予測する。また、ステップS204では、算出された交点が複数であった場合に、複数の交点から算出されるXY平面上の平均位置となる点を中心として、第1磁場の中心領域を予測する。ステップS204では、このように既定の移動ベクトルの条件に基づき、第1磁場の中心領域を予測することで、第1磁場の中心領域の特定を行う。つまり、以上のステップS201〜S204が特定ステップS103に該当する。
その後、ステップS205を実施する。ステップS205では、予測された第1磁場の中心領域と、検出領域39の中心領域とを位置合わせする。特定された第1磁場の中心領域に対する、検出領域39の中心領域のずれに基づいて、制御部53は、アクチュエータ51の駆動量を出力する。アクチュエータ51は、出力された駆動量に基づいて、光検出部30を移動させ、検出領域39と第1磁場との相対位置が変更される。このようにして特定された第1磁場の中心領域に対する、検出領域39の中心領域のずれが較正されることで、前述した較正ステップS104が完了する。
[実施例2]
以下では、さらに実施例1の変形例である実施例2について、図11を用いて説明する。図11は、実施例2に係る光検出部において撮像された検出領域の画像データを示す図である。図11では、第1磁場の印加直後に撮像された結合体60の位置に対応する光点60cを実線小円で示す。
本実施例においては、光検出部30の集光部材31が切替可能な構成である。より具体的には、空間27に対応する範囲の光を集光可能な集光部材31を備える。つまり、図11に示すように、空間27全域に及ぶ拡大された検出領域39cを撮像可能な構成である。なお、この構成においては、空間27に面する検出板21の表面全域において近接場が形成されるよう、適宜光照射部10の構成を設定すればよい。
このような構成とすることで、検出装置100は、第1磁場の印加直後から光点の移動を追跡することができる。つまり、各光点60aと各光点60cとを結ぶ移動経路に基づき、第1磁場の印加直後から各光点の移動ベクトルを導出できる。よって、延長線どうしの交点を即座に算出することができる。
また、検出領域39aのように限られた領域において通過する結合体60の光点を用いる必要がなく、例えば、結合体60が通過しない可能性、及び短距離の結合体60の移動に基づく移動ベクトルを用いることによる誤差の拡大等を抑制できる。
なお、このように拡大された検出領域39cを用いる構成においては、移動ベクトルを用いた予測を行う必要はなく、すべての結合体60が移動を終えた光点60bの分布に基づき、第1磁場の中心領域を特定してもよい。これは例えば、所定の面積を有する単位領域内における光点60bの密度が最も高くなる位置を計算することで特定してもよい。
また、検出領域39aのように限られた範囲を用いる構成であっても、すべての結合体60が移動を終えた光点60bの分布に基づき、第1磁場の中心領域を特定してもよい。これは、検出範囲39a内における光点60bの密度が最も高くなる位置を計算し、当該位置に検出領域39aを移動させる。このような移動を繰り返すことで、範囲27a内における光点60bの密度が最も高くなる位置を特定すればよい。
[実施例3]
以下では、さらに実施例1の変形例である実施例3について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、実施例3に係る検出装置の概略構成図である。図12では、図1と同様の視点における本実施例の検出装置100の概略構成を示している。
本実施例においては、アクチュエータ51が位置変更機構45に設置されている。より具体的には、本実施例においては、光検出部は固定であり、磁場印加部40が移動することで、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とを位置合わせする。つまり、予測された第1磁場の中心領域を検出領域39に対応する位置に移動させるため、制御部53は、磁場印加部40の位置変更機構45を移動させるためのアクチュエータ51の駆動量を当該アクチュエータ51に出力する。アクチュエータ51が駆動量に応じて駆動することで、位置変更機構45は移動され、予測された第1磁場の中心領域が検出領域39の中心領域と位置合わせされる。
図13は、実施例3に係る第1磁場の移動によって取得される画像データの変化を説明する図である。図13は、図6及び図8と同様の図であるが、第1磁場が移動され、第1磁場の移動に伴って移動した光点60dを示している。
図13に示すように、検出領域39aの中心領域と予測に基づき移動された第1磁場の中心領域とが位置合わせされることで、検出領域39aの位置は移動しないが、各光点が移動している。これにより、検出領域39a内にほぼすべての光点60dが位置している。よって、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれに起因する結合体60の検出精度の低下を抑制することができる。
なお、実施例1と実施例3とを組み合わせ、光検出部30、及び磁場印加部40の位置変更機構45の双方を移動させる構成であってもよい。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態において検出装置100を構成する構成要素について例示したが、検出装置100が備える構成要素の各機能は、検出装置100を構成する複数の部分にどのように振り分けられてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
上記の実施例では、第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とを位置合わせする際に、第1磁場印加部41が配置される位置変更機構45、もしくは光検出部30のいずれか、または双方を移動させる較正を説明した。例えば、2軸の自由度を有する回動機構を備えることで、光検出部30の光軸の角度を変更し、検出領域39の中心領域を第1磁場の中心領域に位置合わせする構成であってもよい。また、第1磁場印加部41が同様の回動機構を備えることにより、第1磁場の印加される角度を変更し、第1磁場の中心領域を検出領域39の中心領域に位置合わせする構成であってもよい。
また、上記では、第2磁場印加部47により第2磁場を印加することで動光点として結合体60を検出する構成を説明した。例えば、第1磁場によって集合した光点60bを単に計測する構成であれば、検出装置100は、第2磁場印加部47を用いなくてもよい。
また、上記では、第1磁場印加部41、及び第2磁場印加部47にコイン状のネオジム磁石等の永久磁石を用いたが、例えば、電磁石で構成されてもよい。
また、例えば、検出装置100を組み立てる際に上記の較正方法を実施することで初期状態における第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれを較正してもよい。あらかじめ検出装置100に組み込まれた較正機能により、自動的に第1磁場の中心領域と検出領域39の中心領域とのずれを較正でき、時間的、及び人的コストを削減することができる。
本開示は、簡単、高速、高精度な標的物質の検出、観察、及び制御等を目的とする装置に用いられる。
11 光源
13 光導入部
15 照射光
21 検出板
23 溶液保持槽
25 カバーガラス
29 試料溶液
30 光検出部
39 検出領域
41 第1磁場印加部
47 第2磁場印加部
60 結合体
61 標的物質
63 標識物質
65 磁性粒子
100 検出装置

Claims (11)

  1. 検出板の表面に形成された近接場を用いて、前記検出板の表面上の検出領域において標的物質を含む結合体を検出する検出装置の較正方法であって、
    第1磁場を印加して磁性体を前記検出板の表面に引き寄せる印加ステップと、
    前記検出板の表面に引き寄せられる前記磁性体に基づいて、前記検出板の表面における前記第1磁場の中心領域を特定する特定ステップと、
    前記第1磁場の中心領域と前記検出領域との位置合わせを行う較正ステップと、を含む
    較正方法。
  2. 前記較正ステップでは、前記検出領域を撮像する撮像部及び前記第1磁場を印加するための第1磁場印加部の少なくとも一方を移動させることにより、前記第1磁場の中心領域と前記検出領域との位置合わせを行う
    請求項1に記載の較正方法。
  3. 前記特定ステップでは、前記印加ステップ中の前記磁性体の動きに基づいて、前記第1磁場の中心領域を予測する
    請求項1または2に記載の較正方法。
  4. 前記特定ステップは、
    前記印加ステップ中の2以上の前記磁性体の移動ベクトルを導出するステップと、
    前記2以上の移動ベクトルそれぞれを延長した2以上の延長線の交点の位置に基づいて、前記第1磁場の中心領域を予測するステップと、を含む
    請求項3に記載の較正方法。
  5. 前記特定ステップは、
    前記印加ステップ後の前記検出板の表面上の前記磁性体の分布に基づいて、前記第1磁場の中心領域を特定する
    請求項1または2に記載の較正方法。
  6. 前記磁性体として、前記結合体を用いる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の較正方法。
  7. さらに、前記較正ステップの後に、前記磁性体として用いられた前記結合体を検出する検出ステップを含む
    請求項6に記載の較正方法。
  8. 前記検出ステップは、前記印加ステップにおいて前記検出板の表面に引き寄せられた前記結合体を、前記検出板の表面に沿ってさらに移動させる第2磁場を印加し、前記検出領域において移動する前記結合を検出する
    請求項7に記載の較正方法。
  9. 照射光の照射により表面に近接場が形成される検出板と、
    前記検出板の表面に、標的物質を含む結合体を引き寄せる第1磁場を印加する第1磁場印加部と、
    前記検出板の表面における前記第1磁場の中心領域と前記検出板の表面上の検出領域との位置合わせを行う較正部と、
    前記検出領域において前記結合体を検出する検出部と、を備える
    検出装置。
  10. 前記較正部は、
    前記第1磁場印加部及び前記検出部の少なくとも一方を移動させるアクチュエータと、
    前記第1磁場の中心領域と前記検出領域とを位置合わせするように、前記アクチュエータを制御する制御部と、を有する
    請求項9に記載の検出装置。
  11. さらに、前記検出板の表面に引き寄せられた前記結合体を、前記検出板の表面に沿って移動させる第2磁場を印加する第2磁場印加部を備え、
    前記検出部は、印加される前記第2磁場によって移動する前記結合体を検出する
    請求項9または10に記載の検出装置。
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