JP2018119816A - アブソリュートエンコーダ、産業機械、および物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な絶対位置を得るのに有利なアブソリュートエンコーダを提供する。【解決手段】互いに異なる第1マークおよび第2マークが配列されたスケールと、前記スケールからの信号を検出して、前記第1マークに対応する階調および前記第2マークに対応する階調を有する周期信号を出力する検出部と、前記周期信号に基づいて、前記スケールまたは前記検出部の絶対位置または絶対角度の情報を得る処理部と、を有し、前記処理部は、前記周期信号の位相に基づいて、前記第1マークまたは前記第2マークに対応する周期ごとに前記周期信号の信号強度を表す代表値を得、前記周期信号の互いに隣接する2つの前記周期にそれぞれ対応する2つの前記代表値の差を得、前記差に基づいて、前記周期ごとに前記周期信号の量子化を行って符号列を得、前記符号列に基づいて、前記情報を得ることを特徴とするアブソリュートエンコーダを提供する。【選択図】図3
Description
本発明は、アブソリュートエンコーダ、産業機械、および物品の製造方法に関する。
位置や角度の絶対値を計測する際に、アブソリュートエンコーダが用いられている。アブソリュートエンコーダは、グレイコードやM系列コードなどのバイナリパターンを受光素子アレイや撮像素子で読み取ることで、絶対位置情報を出力することができる。アブソリュートエンコーダには、複数の格子列を用いる方法と、単一の格子列を用いる方法とがある。
複数の格子列を用いる方法としては、異なるコードを配置する複数のトラック(の情報)を同時に読み取るグレイコード方式が知られている。グレイコード方式では、複数のトラックを同時に読み取るために、エンコーダ(ヘッド及びスケール)の取付敏感度が高く、高分解能化と取付敏感度の抑制とを同時に実現することが困難である。一方、単一の格子列を用いる方法は、エンコーダの取付敏感度が低い方法として知られており、高分解能化を図った技術も提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、複数の異なる符号にそれぞれ対応する複数の異なる階調を有する周期信号を単一の格子列から発生させている。そして、当該周期信号の複数の階調から得られる絶対位置情報と、当該周期信号の位相情報とに基づいて、高分解能の絶対位置情報を得ている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、当該周期信号の複数の階調から絶対位置情報を得るための符号判定(2値化)処理の取付敏感度に注意を要する。例えば、エンコーダの取付状態が変化し、ヘッドとスケールとのギャップの変動やヨーイングが発生した場合、周期信号には歪みが生じ、信号値のオフセットが生じうる。また、例えば、スケールの透過部の透過率が低下し、半透過部の透過率が高くなるなど、スケールの透過率が変動した場合、周期信号における異なる2つの階調の差が小さくなりうる。このような周期信号の変動があると、閾値による符号判定(2値化)には誤りが生じうる。
本発明は、正確な絶対位置を得るのに有利なアブソリュートエンコーダを提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのアブソリュートエンコーダは、互いに異なる第1マークおよび第2マークが配列されたスケールと、前記スケールからの信号を検出して、前記第1マークに対応する階調および前記第2マークに対応する階調を有する周期信号を出力する検出部と、前記周期信号に基づいて、前記スケールまたは前記検出部の絶対位置または絶対角度の情報を得る処理部と、を有し、前記処理部は、前記周期信号の位相に基づいて、前記第1マークまたは前記第2マークに対応する周期ごとに前記周期信号の信号強度を表す代表値を得、前記周期信号の互いに隣接する2つの前記周期にそれぞれ対応する2つの前記代表値の差を得、前記差に基づいて、前記周期ごとに前記周期信号の量子化を行って符号列を得、前記符号列に基づいて、前記情報を得ることを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、正確な絶対位置を得るのに有利なアブソリュートエンコーダを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としてのアブソリュートエンコーダAEの構成を示す概略図である。アブソリュートエンコーダAEは、図1に示すように、LEDなどの点光源1から射出された光(発散光)を、相対移動可能に配置されたスケール(又はディスク)2に照明し、スケール2からの光(透過光)を検出部3で検出する。
スケール2は、透過部2a及び非透過部2bで構成されるインクリメンタルパターンを含み、透過部(第1マーク)2aの一部を半透過部(第2マーク)2cに置き換えることでアブソリュートコードを埋め込んだ構成を有している。このように、スケール2には、互いに異なる階調を有する透過部2a及び半透過部2cが一定の周期で第1方向に沿って配列されている。透過部2a、非透過部2b及び半透過部2cのそれぞれの透過率は、例えば、60%、5%及び30%に設定されている。本実施形態におけるアブソリュートコードは、透過部2aを1、半透過部2cを0とするM系列符号や原始多項式で生成されるその他の巡回符号などを用いることができる。スケール2からの光は、インクリメンタルエンコーダで得られるような正弦波状の周期性を有し、図1に示すように、検出部3において、アブソリュートコードの情報を反映した階調の変化を含む光量分布4を形成する。
検出部3は、複数の光電変換素子(受光素子)を含むアレイ、例えば、CMOSセンサやCCDセンサなどで構成されている。検出部3に関しては、アブソリュートエンコーダAEの光学系の構成によって決定される光量分布の明暗の1周期の設計値PをN分割するように、各光電変換素子のピッチの設計値を決定する。これにより、各光電変換素子が出力する信号の位相が等間隔にずれるように、検出部3が構成される。例えば、アブソリュートコードのビット数Mを16、光量分布の明暗の1周期に対する検出部3を構成するアレイの分割数Nを12とする場合、光電変換素子の数(素子数)を、N×M=192とする。これにより、アブソリュートコードの情報を含む周期信号が得られる。但し、実際には、検出部3の素子数は、冗長性をもたせるために、余裕をもって決定するとよい。本実施形態では、読み取りビット数Lを20とし、N×L=240とする場合の例について説明する。このように、検出部3は、透過部2a及び半透過部2の周期よりも小さいピッチで第1方向に沿って配置された複数の光電変換素子によってスケール2からの光を検出して、透過部2a及び半透過部2cに対応する周期信号を出力する。
処理部10は、CPUやメモリなどを含み、アブソリュートエンコーダAEを制御する。後述するように、処理部10は、検出部3から出力された周期信号に基づいて、スケール2又は検出部3の絶対位置又は絶対角度の情報、本実施形態では、検出部3に対するスケール2の第1方向における絶対位置を求める処理(信号処理)を行う。
図2は、光量分布の明暗の1周期の設計値Pが1250周期含まれる符号列(アブソリュートコード)の一例を示す図である。例えば、光量分布の明暗の1周期の設計値Pを160μmとする場合、発散光を用いてスケール2の2倍の光学像を検出部3に投影するアブソリュートエンコーダAEにおいては、図2に示す符号列を用いて100mmのスケール2を構成することができる。
アブソリュートエンコーダAEは、アブソリュートコードの情報を反映した振幅の変化を含む周期信号から、かかる振幅の変化を読み取ることでアブソリュート位置情報を決定し、周期信号成分を用いて位相情報を決定する。そして、アブソリュート位置情報と位相情報とを組み合わせることで、検出部3に対するスケール2の絶対位置を高精度に求めることができる。設計値Pを160μmとする場合には、80μmごとに決定されるアブソリュート位置情報と、80μm以下に分割される位相情報との組み合わせによって、スケール2の絶対位置が決定される。
図3を参照して、アブソリュートエンコーダAEにおけるスケール2の絶対位置を求める処理、即ち、処理部10で行われる信号処理について説明する。まず、S302では、検出部3から出力される周期信号(波形データ)を取得する。
上述したように、アブソリュートコードは、周期信号の各周期(透過部2a又は半透過部2cに対応する周期ごと)の振幅として埋め込まれているため、各周期の振幅情報を抽出する必要がある。振幅情報は、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値である。本実施形態では、振幅情報として、周期信号の各周期の信号強度の極大値を用いる。ここで、極大値は、階調を有する周期信号の各周期における最大値を示す。図1に示す光量分布4を参照するに、光量分布4の1周期がn番目の光電変換素子からn+12番目の光電変換素子に対応する場合、最大の信号強度を有する出力値を、周期信号のある1周期における信号強度の極大値とする。本実施形態では、n+6番目の光電変換素子を、信号強度の極大値を出力する光電変換素子として決定する。周期信号の各周期の信号強度の極大値は、位相情報が得られれば、決定することができる。
そこで、S304では、S302で取得された周期信号に対して位相演算を行う。そして、S306では、S304での位相演算の結果から、周期信号の各周期の信号強度の極大値を取得する。このように、処理部10は、位相演算から得られる周期信号の位相に基づいて、周期信号の各周期の信号強度の極大値(信号強度を表す代表値)を求める。
S308では、周期信号の隣接する周期間の極大値の差を表す差分値を取得する。具体的には、S306で取得された各極大値について、隣接する極大値同士で差分演算を行う。アブソリュートコードの1・0の符号に対応する振幅情報に対応して、1・0の符号が変化する場合には差分値が大きく、1・0の符号が変化しない場合には差分値が小さくなる。
S310では、S308で取得された周期間の差分値を補正する。例えば、周期信号の波形に基づいて、周期間の差分値に含まれる低周波成分を補正する。但し、S310の差分値の補正は、必要に応じて行われる。S312では、S308で取得された周期間の差分値に基づいて、周期信号を量子化するための閾値を決定する。S314では、閾値判定を行う。具体的には、S308で取得された差分値、或いは、S310で補正された差分値を、S312で決定された閾値と比較する。S316では、S314での閾値判定の結果から、差分値の符号の変化を取得する。なお、S310の差分値の補正、及び、S312の閾値の決定については、後で詳細に説明する。
S318では、S316で取得された符号の変化に基づいて、アブソリュートコードの符号を決定する。このように、周期信号の周期間の差分値に基づいて、周期信号を量子化して符号列を求める。S318の符号の決定については、後で詳細に説明する。
S320では、S318で決定されたアブソリュートコードの符号に基づいて、事前に用意されたルックアップテーブルを参照して、アブソリュート位置情報を決定する。S322では、S304での位相演算から得られる位相情報と、S320で決定されたアブソリュート位置情報とを組み合わせて、検出部3に対するスケール2の絶対位置を決定する。このように、周期信号を量子化した符号列に基づいて、スケール2の絶対位置を求める。
以下、図2に示す符号列を用いた場合における信号処理について詳細に説明する。シリアル出力型の検出部3から出力されるアナログ信号は、検出部3における光量分布を反映したアナログ電圧値であり、順次A/D変換され、波形データとしてデジタル値が得られる。
図4(a)は、図2に示す下線部に対応する波形データ(周期信号)5aを示す図である。波形データ5aは、アブソリュートエンコーダAEが理想的な取付状態である場合に取得された実測値である。上述したように、波形データ5aを用いて、位相演算が行われる。具体的には、例えば、4つの基準信号のそれぞれに対して、波形データ5aの出力値を乗算し、その総和を逆正接演算することで、インクリメンタルエンコーダと同等の精度で位相を決定する。4つの基準信号としては、例えば、検出部3から出力される周期信号の1周期の設計値と同じ周期で、一定の振幅を有する、位相がπ/4ずつずれた4つの信号を用いることができる。位相演算を行うことで、波形データ5aの検出部上での極大値の位置を決定することができる。
図4(b)は、波形データ5aの各周期の極大値を、各極大値が得られる検出部3の光電変換素子の位置に対してプロットしたグラフである。極大値の数は、読み取りビット数(本実施形態では、L=20)と同じ数、即ち、20となる。かかる極大値は、1・0の符号情報を有している。
波形データ5aから得られた極大値のそれぞれについて、隣接する極大値同士の差分値を取得する。ここでは、各極大値を、図4(b)に示すように、左から順にK1、K2、K3、・・・、K20とする。そして、極大値K1乃至K20のそれぞれについて、差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)を取得する。図4(c)は、差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)をプロットしたグラフである。差分値の数は、読み取りビット数から1を引いた数、即ち、19となる。ここでは、差分値(K2−K1)を極大値K2が得られる光電変換素子の位置、差分値(K3−K2)を極大値K3が得られる光電変換素子の位置、という順でプロットしている。
このようにして得られた各差分値に対して、符号の変化を取得するために、閾値判定を行う。隣接する極大値の符号の配列としては、符号が1から0に変化する場合、0から1に変化する場合、及び、符号が変化しない場合の3通りが想定される。極大値Kiの符号が1、極大値Ki+1の符号が0である場合、差分値(Ki+1−Ki)は、負の値となる。なお、iは、1〜19の整数である。また、極大値Kiの符号が0、極大値Ki+1の符号が1である場合、差分値(Ki+1−Ki)は、正の値となる。極大値Kiの符号及び極大値Ki+1の符号がともに1又は0である場合、差分値(Ki+1−Ki)は、0である。但し、アブソリュートエンコーダAEの光学系の配置、光学素子や光電変換素子の特性のばらつき、電気的なノイズの影響などを考慮すると、極大値Kiの符号と極大値Ki+1の符号とが同じ場合でも、差分値(Ki+1−Ki)は、必ずしも0にならない。
上述した3通りについて、各差分値から符号の変化を取得するために、閾値判定を行う。符号の変化を反映する差分値は、正負の2種類があるため、閾値も同様に、正負の2種類設定する。アブソリュートコードのビット数Mは、本実施形態では、16ビットとしているため、極大値K3乃至K18のそれぞれについて、1・0の符号の変化を取得すればよい。従って、閾値判定を行う必要がある差分値は、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)の15個である。本実施形態では、図4(d)に示すように、15個の差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)のうちで絶対値が最も大きい値の1/2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値6a及び6bを設定している。このように、差分値の絶対値の最大値の1/2(半分)の絶対値を有する正の値及び負の値を閾値とする。
各差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)について、その値が、閾値6aと閾値6bとの間であれば「0」、閾値6b以下であれば「−」、閾値6a以上であれば「+」と表すものとする。この場合、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・の順に、「0−+000−00+−0000」となる。このような符号の変化と差分値との関係から、アブソリュートコードを求めることができる。但し、先頭の符号を決定する必要がある。先頭の符号は、最初の符号の変化から決定することができる。最初の符号の変化が「−」である場合には、先頭の符号は「1」である必要があり、最初の符号の変化が「+」である場合には、先頭の符号は「0」である必要がある。このように、先頭の符号が決定されれば、全ての符号を順次決定することができる。本実施形態では、最初の符号の変化が「−」であるため、先頭の符号は「1」となる。上述した符号の変化と、先頭の符号とに基づいて、以下のように符号を決定することができる。具体的には、本実施形態では、符号の変化は、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・の順に、「0−+000−00+−0000」であり、先頭の符号が「1」であるため、K3=K4=1と決定することができる。また、K5=0、K6=K7=K8=K9=1、K10=K11=K12=0、K13=1、K14=K15=K16=K17=K18=0と順次決定することができる。従って、アブソリュートコードは、「1101111000100000」となる。本実施形態では、最初の符号の変化に基づいて、先頭の符号を決定し、それ以降の符号を順次決定している。但し、最後の符号の変化に基づいて、最後尾の符号を決定し、それ以前の符号を順次決定してもよい。
このようにして得られたアブソリュートコードは、事前に用意されたルックアップテーブルを参照して、アブソリュート位置情報として出力される。図5は、図2に示す符号列に対応する、アブソリュートコードとアブソリュート位置情報との関係を表すルックアップテーブルの一部を示す図である。図5を参照するに、「1101111000100000」のアブソリュートコードに対応するアブソリュート位置情報は、40.64mmとなる。そして、かかるアブソリュート位置情報と位相情報とを組み合わせることで、絶対位置を求めることができる。
これまでは、アブソリュートエンコーダAEが理想的な取付状態である場合を例に説明した。但し、アブソリュートエンコーダAEが理想的な取付状態からずれると、光量分布が検出部3の各光電変換素子の位置に対して2次関数で近似できる変動を示す場合がある。この場合、差分値は、検出部3の各光電変換素子の位置に対して線形なオフセットを含むことになる。かかるオフセットを考慮して差分値を線形補正することで、光量分布の変動の影響を低減することができる。
以下では、アブソリュートエンコーダAEが理想的な取付状態ではない場合について説明する。図6は、アブソリュートエンコーダAEにおけるヘッド7とスケール2との配置例を示す図である。ヘッド7は、例えば、点光源1や検出部3などを含んで構成されている。本実施形態では、図6に示すように、ヘッド7とスケール2との間の間隔を「Gap」と称し、ヘッド7の姿勢を「Yawign」と称する。
まず、Gapに変動を与えた場合を例に説明する。図7(a)は、理想的な取付状態からGapを0.4mm広げた場合に取得される波形データ(周期信号)5bを示す図である。波形データ5bは、図4(a)に示す波形データ5aに対応している(即ち、スケール2の同じ箇所を読み取ることで得られる)。図7(a)では、波形データ5bを実線で示し、波形データ5aを点線で示している。波形データ5bと波形データ5aとを比較するに、Gapの変動によって、波形データ5bに歪が生じていることがわかる。
図7(b)は、図4(b)に対応するグラフであって、波形データ5bの各周期の極大値K1乃至K20を、各極大値が得られる検出部3の光電変換素子の位置に対してプロットしたグラフである。図7(c)は、図4(c)に対応するグラフであって、波形データ5bから得られた極大値のそれぞれについて、隣接する極大値同士の差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)をプロットしたグラフである。
波形データ5bに生じている歪は、両端部で出力値が減少しており、検出部3の各光電変換素子の位置に対して2次関数で近似できる形状を有している。図7(c)を参照するに、それを反映するように、線形なオフセットがあることがわかる。このようなオフセットがあると、閾値判定を行う際に、符号の変化がない箇所でも、符号の変化があると誤判定される可能性がある。そこで、波形データ5bから得られた各差分値を用いて線形補正を行い、オフセットを取り除くことで、誤判定を抑制するとよい。図7(d)は、線形補正を行った場合において、隣接する極大値同士の差分値(K4−K3)、・・・、(K18−K17)をプロットしたグラフである。図7(d)と図7(c)とを比較するに、オフセットが取り除かれていることがわかる。
線形補正を行った場合には、図7(d)に示すように、補正された差分値に基づいて、閾値を決定する。本実施形態では、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)のうちで絶対値が最も大きい値の1/2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値6a及び6bを設定している。閾値判定の結果から得られる符号の変化は、理想的な取付状態での結果と同様に、「0−+000−00+−0000」となる。従って、アブソリュートコードも同様に、「1101111000100000」となり、正しい符号が得られることがわかる。
図8(a)は、特許文献1に開示された技術を用いて、波形データ5aに対して符号判定を行った結果を示す図である。図8(b)は、特許文献1に開示された技術を用いて、波形データ5bに対して符号判定を行った結果を示す図である。特許文献1に開示された技術では、検出部3の各光電変換素子の出力値の和である隣接和データと固定閾値とを比較することで符号判定を行う。また、特許文献1に開示された技術では、位相演算を予め行い、隣接和データにおいて符号判定を行う箇所を決定している。
図8(a)及び図8(b)では、符号判定を行う箇所を縦線で示しており、それぞれの箇所における隣接和データと固定閾値との比較結果を示している。隣接和データが固定閾値よりも大きければ、その箇所での符号を1とし、隣接和データが固定閾値よりも小さければ、その箇所での符号を0とする。図8(a)を参照するに、アブソリュートコードは、「1101111000100000」となり、理想的な取付状態での符号判定は、本実施形態での結果と一致する。
一方、図8(b)を参照するに、高い階調で判定されるべき隣接和が固定閾値よりも小さい箇所がある。この場合、アブソリュートコードは、「0001111000100000」となり、最初の2つの符号について、「1」と判定されるべき箇所が「0」と判定され、誤りがあることがわかる。これは、Gapの変動に起因して波形データが歪み、検出部3の両端部で光量が2次関数的に減少したためである。
特許文献1に開示された技術では、隣接和を取得しているため、平均化効果によって高周波な変動を抑制することができるが、低周波な変動については、そのまま反映してしまう。一方、本実施形態では、周期信号の隣接する周期間の極大値の差をとるため、低周波な変動がある場合でも、その影響を受けにくく、安定した符号判定を実現することができる。
また、特許文献1に開示された技術では、アブソリュートコードの符号判定を誤った場合に、その誤り(エラー)を検出することは困難である。一方、本実施形態では、閾値判定に誤りがあった場合、例えば、「+」と「−」の符号の変化が交互に現れなければ、誤りがあることを検出することができる。このような場合、即ち、周期信号の周期間の差分値が連続して同じ符号を有する場合には、エラーを報知(通知)するとよい。
次に、スケール2の透過率に変動を与えた場合を例に説明する。図9(a)は、理想的な状態から半透過部2cの透過率を10%大きくした場合に取得される波形データ(周期信号)5cを示す図である。波形データ5cは、図4(a)に示す波形データ5aに対応している(即ち、スケール2の同じ箇所を読み取ることで得られる)。図9(a)では、波形データ5cを実線で示し、波形データ5aを点線で示している。波形データ5cと波形データ5aとを比較するに、異なる2つの階調の差が小さくなっていることがわかる。
図9(b)は、図4(b)に対応するグラフであって、波形データ5cの各周期の極大値K1乃至K20を、各極大値が得られる検出部3の光電変換素子の位置に対してプロットしたグラフである。図9(c)は、図4(c)に対応するグラフであって、波形データ5cから得られた極大値のそれぞれについて、隣接する極大値同士の差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)をプロットしたグラフである。
図9(c)を参照するに、差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)が傾きを有している。このような場合には、上述したように、線形補正を行ってから、閾値判定を行うとよい。図9(d)は、線形補正を行った場合において、隣接する極大値同士の差分値(K4−K3)、・・・、(K18−K17)をプロットしたグラフである。本実施形態では、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)のうちで絶対値が最も大きい値の1/2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値6a及び6bを設定している。閾値判定の結果から得られる符号の変化は、理想的な取付状態での結果と同様に、「0−+000−00+−0000」となる。従って、アブソリュートコードも同様に、「1101111000100000」となり、正しい符号が得られることがわかる。
図8(c)は、特許文献1に開示された技術を用いて、波形データ5cに対して符号判定を行った結果を示す図である。隣接和データと固定閾値とを比較して符号判定を行うと、低い階調で判定されるべき隣接和が固定閾値よりも大きい箇所がある。この場合、アブソリュートコードは、「1111111000100000」となり、3つ目の符号について、「0」と判定されるべき箇所が「1」と判定され、誤りがあることがわかる。
このように、特許文献1に開示された技術では、階調の差が小さくなると、固定閾値(の設定)に対して非常に敏感となる。一方、本実施形態では、差分値を用いているため、階調の差が小さくなっても、差分値の値が確保できている範囲では、安定した符号判定を実現することができる。
次に、Gap、Yawign及びスケール2の透過率に変動を与えた場合を例に説明する。図10(a)は、理想的な取付状態から、Gapを0.4mm広げ、Yawingを2度傾け、透過部2aの透過率を10%小さくし、半透過部2cの透過率を10%大きくした場合に取得される波形データ(周期信号)5dを示す図である。波形データ5dは、図4(a)に示す波形データ5aに対応している(即ち、スケール2の同じ箇所を読み取ることで得られる)。図10(a)では、波形データ5dを実線で示し、波形データ5aを点線で示している。波形データ5dと波形データ5aとを比較するに、波形データ5dに歪が生じ、異なる2つの階調の差が小さくなっていることがわかる。
図10(b)は、図4(b)に対応するグラフであって、波形データ5dの各周期の極大値K1乃至K20を、各極大値が得られる検出部3の光電変換素子の位置に対してプロットしたグラフである。図10(c)は、図4(c)に対応するグラフであって、波形データ5dから得られた極大値のそれぞれについて、隣接する極大値同士の差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)をプロットしたグラフである。
図10(c)を参照するに、差分値(K2−K1)、(K3−K2)、・・・、(K20−K19)が傾きを有している。このような場合には、上述したように、線形補正を行ってから、閾値判定を行うとよい。図10(d)は、線形補正を行った場合において、隣接する極大値同士の差分値(K4−K3)、・・・、(K18−K17)をプロットしたグラフである。本実施形態では、差分値(K4−K3)、(K5−K4)、・・・、(K18−K17)のうちで絶対値が最も大きい値の1/2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値6a及び6bを設定している。閾値判定の結果から得られる符号の変化は、理想的な取付状態での結果と同様に、「0−+000−00+−0000」となる。従って、アブソリュートコードも同様に、「1101111000100000」となり、正しい符号が得られることがわかる。
図8(d)は、特許文献1に開示された技術を用いて、波形データ5dに対して符号判定を行った結果を示す図である。隣接和データと固定閾値とを比較して符号判定を行うと、隣接和データの全体が閾値よりも小さくなる。この場合、アブソリュートコードは、「0000000000000000」となり、明らかに誤りがあることがわかる。
このように、特許文献1に開示された技術では、固定閾値を用いているため、大きなオフセットの変動に対応することができない。一方、本実施形態では、差分値に基づいて決定された閾値を用いているため、オフセットの変動の影響を受けることなく、安定した符号判定を実現することができる。
図11乃至図13は、特許文献1に開示された技術(従来技術)を用いて得られるアブソリュートコードの正誤と、本実施形態を用いて得られるアブソリュートコードの正誤とを示す図である。図11は、Gapに変動を与えた場合の図である。図11では、Gapを−0.4mm乃至+0.4mmの範囲で変動させている。図12は、スケール2の透過率に変動を与えた場合の図である。図12では、半透過部2cの透過率を0%乃至10%の範囲で変動させている。図13は、Gap、Yawign及びスケール2の透過率に変動を与えた場合の図である。図13では、Gapを+0.4mm変動させ、透過部2aの透過率を−10%変動させ、半透過部2cの透過率を+10%変動させ、Yawingを−3度乃至+3度の範囲で変動させている。図11乃至図13では、アブソリュートコードに誤りがない場合(即ち、アブソリュートコードが正しい場合)を「OK」と表記し、アブソリュートコードに誤りがある場合を「NG」と表記している。図11乃至図13を参照するに、本実施形態では、理想的な取付状態に変動を与えた全ての場合に対して、正しいアブソリュートコードが得られていることがわかる。
本実施形態によれば、アブソリュートエンコーダAEが理想的な取付状態から変動した場合であっても、符号の誤判定を抑制して、正しいアブソリュートコードを取得することができる。従って、アブソリュートエンコーダAEは、検出部3に対するスケール2の絶対位置を高精度に求めることができる。
本実施形態では、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値として、周期信号の各周期の信号強度の極大値を例に説明したが、これに限定されるものではない。周期信号の各周期の信号強度の極大値と、かかる極大値を出力した光電変換素子の近傍、例えば、隣接する光電変換素子から出力された信号強度の値との和を、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値としてもよい。具体的には、図1を参照するに、n+6番目の光電変換素子の出力値だけではなく、その両隣の光電変換素子、即ち、n+5番目及びn+7番目の光電変換素子の出力値との和を、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値とする。また、両隣の光電変換素子の出力値だけではなく、隣接する複数の光電変換素子の出力値の和を、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値としてもよい。これにより、検出部3から出力される周期信号に多くのノイズが含まれる場合でも、平均化効果によって、ノイズの影響を緩和することができる。また、周期信号の各周期に含まれる信号強度の総和(n番目からn+12番目の光電変換素子の出力値の和)を、周期信号の各周期の信号強度を表す代表値としてもよい。これにより、ノイズの影響を更に緩和することができる。
また、極大値を取得する手法として、位相演算の結果から1箇所の極大値を決定し、光量分布の明暗の1周期に対する検出部3の分割数Nごとの各光電変換素子の出力値を極大値として取得することも可能である。本実施形態では、N=12であるため、12個ごとの各光電変換素子の出力値を極大値として取得することが可能である。
また、本実施形態では、周期信号の周期間の極大値の差分値を用いて閾値判定を行っているが、かかる差分値を2乗した値を用いて閾値判定を行ってもよい。これにより、閾値判定のマージンを大きくすることができる。また、差分値を2乗した値は正であるため、閾値は1つでよい。閾値判定によって符号の変化があると判定された値に対して、2乗する前の差分値を参照すれば、符号の変化の仕方も決定することができる。2乗する前の差分値が正であれば、符号の変化は「0」から「1」への変化であり、2乗する前の差分値が負であれば、符号の変化は「1」から「0」への変化である。このように、差分値を2乗した値を用いた場合にも、符号の変化を取得することができる。
本実施形態では、差分値の絶対値の最大値の1/2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値(2つの閾値)を設定しているが、これに限定されるものではない。光量分布の変動の計算値や実験値に基づいて、最適な値を閾値として設定してもよい。
また、本実施形態では、全ての差分値に対して同一の閾値を採用しているが、検出部3を構成する複数の光電変換素子のそれぞれの位置に応じて、閾値を変更してもよい。図4(a)を参照するに、検出部3の中央部と両端部とでは、波形データ5aの振幅が異なる。具体的には、検出部3の両端部において、波形データ5aの振幅が小さくなる傾向があり、差分値も同様な傾向を示す。そこで、図14に示すように、検出部3の中央部では、差分値の最大値の1/2を閾値として設定し、検出部3の両端部では、差分値の最大値の1/3を閾値として設定してもよい。ここでは、差分値K3乃至K7及びK14乃至K18を検出部3の両端部とし、差分値K8乃至K13を検出部3の中央部としている。このように閾値を設定することで、より安定した符号判定を実現することができる。更に、曲線状の閾値を用意して、差分値の最大値と、最大値に対応する光電変換素子の位置の情報とに基づいてオフセットを決定し、閾値としてもよい。
また、上述したように、「+」と「−」の符号の変化が交互に現れず、エラーが生じた場合には、閾値の設定に問題がある可能性がある。例えば、波形データ5aに対して、差分値の絶対値の最大値の1/1.2の大きさを閾値の絶対値として採用し、正負それぞれの閾値を設定した場合における差分値と閾値との関係を図15に示す。この場合、符号の変化は、「0−0000−・・・」となり、「1」から「0」への符号の変化が生じた後、再び、「1」から「0」への符号の変化が生じているため、明らかなエラーである。これは、閾値を大きく設定したため、3つ目の符号の変化を誤って検出したことが原因である。このような場合には、上述したように、エラーを通知してもよいし、閾値を再設定してもよい。閾値を再設定する場合には、差分値の絶対値の最大値の1/1.2とした分母を変更して、エラーが生じない数字を採用すればよい。例えば、上述したように、分母に2を採用すれば、エラーを生じずに、符号の変化を正しく判定することができる。
更に、上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現されうる。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。ここで、当該コンピュータ等は、処理部10としうる。
[応用例]
他の実施形態としてのアブソリュートエンコーダの応用例を説明する。アブソリュートエンコーダは、原点(基準位置)検出のための動作を必須としないため、種々の駆動装置や、それを含むロボットや運輸機械または装置等の産業機械または装置(工作、加工、計測、製造に係る機械または装置を含む)等において有用である。当該駆動装置は、(物体の処理を行うための)可動部と、該可動部の運動に係る絶対位置または絶対角度を計測するアブソリュートエンコーダとを含みうる。更に、当該駆動装置は、該可動部の運動に係る駆動を行う駆動部(アクチュエータ)と、該アブソリュートエンコーダの出力に基づいて該駆動部を制御する制御部とを含みうる。ここでは、一例として、産業機械としてのリソグラフィ装置(露光装置等)に備えられるステージ(XYステージ)装置への適用例を説明する。図16は、本応用例におけるステージ装置1000の構成例を示す図である。
他の実施形態としてのアブソリュートエンコーダの応用例を説明する。アブソリュートエンコーダは、原点(基準位置)検出のための動作を必須としないため、種々の駆動装置や、それを含むロボットや運輸機械または装置等の産業機械または装置(工作、加工、計測、製造に係る機械または装置を含む)等において有用である。当該駆動装置は、(物体の処理を行うための)可動部と、該可動部の運動に係る絶対位置または絶対角度を計測するアブソリュートエンコーダとを含みうる。更に、当該駆動装置は、該可動部の運動に係る駆動を行う駆動部(アクチュエータ)と、該アブソリュートエンコーダの出力に基づいて該駆動部を制御する制御部とを含みうる。ここでは、一例として、産業機械としてのリソグラフィ装置(露光装置等)に備えられるステージ(XYステージ)装置への適用例を説明する。図16は、本応用例におけるステージ装置1000の構成例を示す図である。
なお、リソグラフィ装置は、パターンを基板に形成する装置であって、例えば、露光装置、描画装置、インプリント装置として具現化されうる。露光装置は、例えば、(極端)紫外光を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、描画装置は、例えば、荷電粒子線(電子線等)を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、インプリント装置は、基板上のインプリント材を成型して基板上にパターンを形成する。
ステージ装置1000は、図16に示すように、Y軸方向へのステージ1008(可動部)の移動に用いられるY軸モータ1009(駆動部)と、X軸方向へのステージ1008の移動に用いられるX軸モータ1012(駆動部)とを有する。ここで、例えば、各モータの固定子および可動子の一方に上述のアブソリュートエンコーダAEのスケール2を、他方に上述のアブソリュートエンコーダAEの検出部1を取り付けることにより、ステージ1008の絶対位置を得ることができる。
また、産業機械は、ガルバノ走査装置(ガルバノスキャナ)を含みうる。ガルバノ走査装置は、レーザ穴あけ装置、レーザトリマ装置、レーザリペア装置などのレーザ加工装置に用いられうる。図17は、ガルバノ走査装置を用いたレーザ加工装置400の構成例を示す図である。レーザ加工装置400は、加工対象の物体Wにレーザ光を照射し、例えば、物体Wの切断、穴あけ、溶接などの加工を行う。レーザ加工装置400は、光源410およびレンズ420を有する。本実施形態のレーザ加工装置400は、物体Wの表面に平行なXY平面において、光源410から射出したレーザ光をX方向およびY方向に走査する。ガルバノ走査装置430および440は、X方向走査およびY方向走査に関して、それぞれ1つずつ配置され、レーザ光をミラーで反射して物体Wに照射する。可動部であるミラーは、モータにより駆動され、モータの回転制御は、上述のアブソリュートエンコーダAEの出力に基づいて行われる。
また、産業機械は、6軸アーム型ロボットなどの産業用ロボットを含みうる。図18は、6軸アーム型ロボット600の構成例を示す図である。各関節部に駆動装置610、620、630、640、650及び660が設けられている。可動部である各関節部は、モータにより駆動され、モータの回転制御は、上述のアブソリュートエンコーダAEの出力に基づいて行われる。上述のアブソリュートエンコーダAEを産業機械に適用することにより、例えば、可動部の正確な位置決めまたは角度決めの点で有利な産業機械を提供しうる。
上述したような産業機械は、物品の製造方法に使用しうる。当該物品の製造方法は、当該産業機械を用いて物体の処理を行う工程を含み、当該工程を介して物品を製造するものである。当該処理は、例えば、加工、切断、搬送、組立(組付)、検査、および選別のうちの少なくともいずれか1つを含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストのうちの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
AE:アブソリュートエンコーダ 2:スケール 2a:透過部 2b:非透過部 2c:半透過部 3:検出部 10:処理部
Claims (14)
- 互いに異なる第1マークおよび第2マークが配列されたスケールと、
前記スケールからの信号を検出して、前記第1マークに対応する階調および前記第2マークに対応する階調を有する周期信号を出力する検出部と、
前記周期信号に基づいて、前記スケールまたは前記検出部の絶対位置または絶対角度の情報を得る処理部と、を有し、
前記処理部は、
前記周期信号の位相に基づいて、前記第1マークまたは前記第2マークに対応する周期ごとに前記周期信号の信号強度を表す代表値を得、
前記周期信号の互いに隣接する2つの前記周期にそれぞれ対応する2つの前記代表値の差を得、
前記差に基づいて、前記周期ごとに前記周期信号の量子化を行って符号列を得、
前記符号列に基づいて、前記情報を得ることを特徴とするアブソリュートエンコーダ。 - 前記代表値は、前記周期ごとの前記周期信号の信号強度の極大値を含むことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記代表値は、前記極大値を有する信号に隣接する前記周期信号における信号の信号強度の値と前記極大値との和を含むことを特徴とする請求項2に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記代表値は、前記周期ごとの前記周期信号の信号強度の総和を含むことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記差と閾値とに基づいて前記量子化を行うことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記差に基づいて前記閾値を決定することを特徴とする請求項5に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記差の絶対値の最大値の半分の絶対値を有する正の値および負の値を前記閾値とすることを特徴とする請求項6に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記周期ごとに前記閾値を決定することを特徴とする請求項5又は6に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記差を2乗して得られた値に基づいて前記量子化を行って前記符号列を得ることを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記差を2乗して得られた値と閾値とに基づいて前記量子化を行うことを特徴とする請求項9に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、
前記周期信号の低周波成分に基づいて、前記差の補正を行い、
前記補正により得られた値に基づいて前記量子化を行うことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。 - 前記処理部は、前記差が連続して同じ符号を有する場合には、エラーを報知することを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 物体の処理を行うための可動部と、
前記可動部を駆動する駆動部と、
前記可動部の絶対位置または絶対角度の情報を得る請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダと、
前記アブソリュートエンコーダの出力に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする産業機械。 - 請求項13に記載の産業機械を用いて物体を処理する工程を含み、前記工程を介して物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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- 2017-01-23 JP JP2017009776A patent/JP2018119816A/ja active Pending
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