JP2007024636A - 検出装置および方法、走査装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】より高精度な位置情報を取得することができるようにする。
【解決手段】 センサ101は、軸72の回動に応じた第1の回動角度を検出し、センサ102は、センサ101とは異なる位置に設けられ、軸72の回動に応じた第2の回動角度を検出する。補正回路104は、検出した第1の回動角度および第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正することで、より高精度な位置情報を取得することができるようになる。本発明は、検出装置または走査装置に適用できる。
【選択図】図6
【解決手段】 センサ101は、軸72の回動に応じた第1の回動角度を検出し、センサ102は、センサ101とは異なる位置に設けられ、軸72の回動に応じた第2の回動角度を検出する。補正回路104は、検出した第1の回動角度および第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正することで、より高精度な位置情報を取得することができるようになる。本発明は、検出装置または走査装置に適用できる。
【選択図】図6
Description
本発明は検出装置および方法、走査装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より高精度な位置情報を取得することができるようにした検出装置および方法、走査装置および方法、並びにプログラムに関する。
入射してくる光を走査するガルバノスキャナ(走査装置)は、レーザ加工機、半導体に文字を刻印するレーザマーカ、またはレーザを走査して大気中に射出するレーザショウなどの装置に組み込まれて利用されている。また、ガルバノスキャナは、レーザを光源とするディスプレイに組み込まれて使用されることもある。
従来のガルバノスキャナ1は、図1に示すように、入射した光を反射する走査ミラー11、走査ミラー11を回動(回転)させるガルバノモータ12、および走査ミラー11の位置情報を計測するロータリエンコーダ13からなり、ガルバノモータ12の軸21に走査ミラー11が設けられ、さらに、その軸21の同軸上に、ロータリエンコーダ13が設けられる。
ガルバノモータ12は、軸21を矢印A1に示す方向(図中、左右方向)に往復させるように回動させることによって走査ミラー11を回動させ、走査ミラー11に入射した光を走査する。したがって、矢印B1により示される走査ミラー11に入射した光は、矢印B11乃至矢印B13に示すように、走査ミラー11の回動する角度に応じて、走査ミラー11において反射される方向が変化する。
ロータリエンコーダ13は、ガルバノモータ12の、軸21の回動の角度を計測し、計測した回動角度をガルバノモータ12に供給する。すなわち、ロータリエンコーダ13は、ガルバノモータ12と走査ミラー11とを回動させる軸21と同軸に設けられ、ロータリエンコーダ13が、走査ミラー11を回動させる軸21の角度を検出することにより、走査ミラー11の角度を検出する。そして、ガルバノモータ12は、ロータリエンコーダ13から供給される角度を示す信号に応じて、操作ミラー11を回動させることになる。
また、ロータリエンコーダ13の内部には、軸21の同軸上の軸(回動軸)に、等間隔の格子目盛りが刻まれたスリット円板が取り付けられ、これに相対して同じ間隔の目盛りが刻まれた固定スリットが固定されている。この2つのスリットを挟んで、発光ダイオードとフォトトランジスタとが設けられ、発光ダイオードから出力される光は、この軸が回動することによってスリット1ピッチごとに光路を遮られ回動量(回転量)に比例した回数の明暗を繰り返す。そして、ロータリエンコーダ13は、この明暗をフォトトランジスタで電気信号として取得し、取得した電気信号の波形整形をして矩形波の信号、すなわち、パルスをガルバノモータ12に出力する。すなわち、ロータリエンコーダ13の出力するパルスが、軸21の同軸上の軸が回動した角度を示す信号となる。
図2は、ロータリエンコーダ13の内部に設けられるスリット円板の詳細を説明する図である。
図2において、スリット円板31は、軸21の同軸上の軸(回動軸)に取り付けられ、そのスリット円板31上には、等間隔のスリット(格子目盛り)32が刻まれている。スリット円板31は、直径が19.00(mm)で、スリット32の中心が直径16.00(mm)、すなわち、ロータリエンコーダ13は、1回転で5000パルスを発生する場合、その関係を、5000/360=13.8(パルス/度)、360/5000=0.072(度/パルス)のように表すことができる。また、そのとき、スリット32の中心における円周の長さは、直径×円周率(π)、すなわち、16×3.14159=50.26(mm)となり、そのとき、スリット32のそれぞれの間隔は、1回転で5000パルスを発生するので、50.26/5000=10(μm)となる。
なお、図中のA乃至Dのそれぞれは、説明を分かり易くするために付された、スリット円板31上の所定の位置を示す記号である。すなわち、スリット円板31の中心をOとした場合、Oを中心に、Aから反時計回りに90°回った位置がBとなり、以下同様に、Bから反時計回りに90°回った位置がCとなり、Cから反時計回りに90°回った位置がDとなり、Dから反時計回りに90°回った位置がAとなるように、A乃至Dのそれぞれが付されている。また、AとCとを直線で結んだ軸をAC軸と称し、BとDとを直線で結んだ軸をBD軸と称する。なお、A乃至Dのそれぞれは、以下の説明においても同様のものとする。
ところで、ロータリエンコーダ13を高精度に動作させるためには、ガルバノモータ12の軸21と、ロータリエンコーダ13の軸(回動軸)とを精度よく取り付ける必要があるが、実際には、軸21に対して、ロータリエンコーダ13の軸が偏ってしまう、すなわち、偏心することがある。
次に、図3および図4を参照して、スリット円板31の偏心について説明する。
図3は、ロータリエンコーダ13が、取り付け時に0.1(mm)(100(μm))偏心した場合を示す図である。すなわち、スリット円板31上の2本の直線が交差する点は、ロータリエンコーダ13の軸の位置(すなわち、スリット円板31の中心)を示し、軸21に対して、ロータリエンコーダ13の軸がAC軸方向に0.1(mm)偏心していることになる。また、センサ41は、上述したように、発光ダイオードやフォトトランジスタから構成され、スリット円板32の中心に取り付けられた軸の回動した角度を検出する。
このとき、AC軸上のスリット32に注目した場合、AC軸上のスリット32は、回動軸がAC軸方向に偏心しているためにその影響を受けずに、偏心による誤差はないことになる。また、スリット円板31を時計回りに回動させる場合、回動とともに偏心による影響を受けはじめ、図3のスリット円盤31が時計回りに90°回ったとき、すなわち、スリット円盤31が、図4で示すような状態となったとき、100(μm)偏心するので、その偏心による影響が最も大きくなる。
すなわち、AC軸方向に100(μm)偏心している場合、図3で示すように、AC軸上のスリット32では偏心による誤差は発生せず、それに対して、図4で示すように、BD軸上のスリット32では偏心による誤差が最大となり、スリット32の間の間隔が10(μm)であるので、100(μm)/10(μm)=10(パルス)の誤差が発生する。
ところで、ロータリエンコーダ13を精度良く取り付けたとしても、アクチュエータ自身の部品寸法精度などから、20(μm)程度の誤差は必ず発生するので、スリット32の間の間隔が10(μm)の場合、20(μm)/10(μm)=2(パルス)が誤差となる。ガルバノスキャナ1をレーザ加工機、レーザマーカ、またはレーザショウなどの装置に組み込んで使用する場合、その位置制御で許容される誤差は、0.5(%)から1(%)までの間くらいであるが、レーザを光源とするディスプレイに組み込んで使用する場合、0.01(%)程度のより厳しい精度が要求される。例えば、ディスプレイにおいて、横2000画素に対して1/4のずれを許容した場合、1画素あたりの許容される誤差は、1/2000/4=0.0125(%)となり、0.0125(%)程度の精度が要求される。
このように、レーザを光源とするディスプレイに使用するガルバノスキャナ1では、高精度の位置制御を行うために、偏心の影響を極力減らしたロータリエンコーダ13を実装する必要がある。
また、固定体に対して回転可能になっている回転体の回転を検出するための回転検出装置であって、回転体には、回転体が回転する際に空気の流れに変化を与えるために、回転体の回転方向に沿って凹凸部が形成され、回転体が回転する際に凹凸部が発生する空気の流れの変化が検出される回転検出装置もある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、ロータリエンコーダの軸が偏心した場合、高精度な位置情報を取得できないという問題があった。
例えば、高精度のロータリエンコーダを精度よく動作させるためには、ガルバノモータの軸(回動軸)と、ロータリエンコーダのスリット円板の軸(回動軸)との精度を合わせるために、スリット円板とハブの取り付け、ハブと軸の取り付けを高精度に行う必要があり、その取り付けの精度が悪い場合、偏心することで正確な位置情報を取得できないという問題があった。また、ロータリエンコーダを精度よく動作させるための調整には、顕微鏡やオシロスコープなどの調整用の機器が必要となり、さらに、それらの機器を使用して調整するのに時間がかかるという問題もあった。
さらに、高精度のロータリエンコーダは、取り付け時の作業が複雑なために工数を要するので、コストがかかってしまうため、その用途は高精度の制御を要する産業用に用途が限られてしまっていた。そのため、高精度のロータリエンコーダをディスプレイ、特に、民生用のディスプレイに使用するためには、より安価な、高精度のロータリエンコーダを実現する必要があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より高精度な位置情報を取得することができるようにするものである。
本発明の一側面(第1の側面)は、回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置において、前記軸の回動に応じた第1の回動角度を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、前記軸の回動に応じた第2の回動角度を検出する第2の検出手段と、検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正手段とを備える検出装置である。
前記補正手段には、前記第1の回動角度をS1、前記回動板の中心と前記第1の検出手段および前記第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および前記軸が1回転する間に検出した前記第1の回動角度と前記第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)により算出される補正値を、前記第1の回動角度から減じることで、前記第1の回動角度を補正させることができる。
前記第2の検出手段には、前記回動板の中心を基準にして、前記第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられるようにすることができる。
本発明の一側面(第1の側面)は、回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置の検出方法において、第1の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップを含む検出方法である。
本発明の一側面(第1の側面)は、回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置の処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、第1の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップを含むプログラムである。
本発明の一側面(第1の側面)においては、回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置において、前記軸の回動に応じた第1の回動角度が検出され、前記第1の回転速度が検出される位置とは異なる位置で、前記軸の回動に応じた第2の回動角度が検出され、検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度が補正される。
本発明の一側面(第2の側面)は、光を走査する走査装置において、第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させる駆動手段と、前記第1の軸に設けられ、光を走査するように、入射された光を反射する反射手段と、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度を検出する第2の検出手段と、検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正手段とを備え、前記駆動手段は、補正された前記第1の回動角度に基づいて、前記第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させる走査装置である。
前記補正手段には、前記第1の回動角度をS1、前記回動板の中心と前記第1の検出手段および前記第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および前記軸が1回転する間に検出した前記第1の回動角度と前記第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)により算出される補正値を、前記第1の回動角度から減じることで、前記第1の回動角度を補正させることができる。
前記第2の検出手段には、前記回動板の中心を基準にして、前記第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられるようにすることができる。
本発明の一側面(第2の側面)は、第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させて、前記第1の軸に設けられた反射手段により、入射された光を反射して光を走査する走査装置の走査方法において、第1の検出手段により検出される、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップを含む走査方法である。
本発明の一側面(第2の側面)は、第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させて、前記第1の軸に設けられた反射手段により、入射された光を反射して光を走査する走査装置の処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、第1の検出手段により検出される、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップを含むプログラムである。
本発明の一側面(第2の側面)においては、光を走査する走査装置において、第1の軸が所定の角度の範囲で往復するように回動され、前記第1の軸に設けられ、光を走査するように、入射された光が反射され、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度が検出され、前記第1の回転速度が検出される位置とは異なる位置で、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度が検出され、検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度が補正され、補正された前記第1の回動角度に基づいて、前記第1の軸が所定の角度の範囲で往復するように回動される。
本発明によれば、より高精度な位置情報を取得することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面(第1の側面)の検出装置(例えば、図5のロータリエンコーダ63)は、軸の回動に応じた第1の回動角度(例えば、検出角度1)を検出する第1の検出手段(例えば、図6のセンサ101)と、第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、軸の回動に応じた第2の回動角度(例えば、検出角度2)を検出する第2の検出手段(例えば、図6のセンサ102)と、検出した第1の回動角度および第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正する補正手段(例えば、図6の補正回路)とを備える。
補正手段は、第1の回動角度をS1、回動板の中心と第1の検出手段および第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および軸が1回転する間に検出した第1の回動角度と第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)により算出される補正値を、第1の回動角度から減じることで、第1の回動角度を補正することができる。
第2の検出手段は、回動板の中心を基準にして、第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられることができる。
本発明の一側面(第1の側面)の検出方法またはプログラムは、第1の検出手段により検出される、軸の回動に応じた第1の回動角度、および第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正する補正ステップ(例えば、図21のステップS13の処理)を含む。
本発明の一側面(第1の側面)のプログラムは、記録媒体(例えば、図22の磁気ディスク221)に記録することができる。
本発明の一側面(第2の側面)の走査装置(例えば、図5のガルバノスキャナ51)は、第1の軸(例えば、図5の軸71)を所定の角度の範囲で往復するように回動させる駆動手段(例えば、図5のガルバノモータ62)と、第1の軸に設けられ、光を走査するように、入射された光を反射する反射手段(例えば、図5の走査ミラー61)と、第1の軸と同軸上の第2の軸(例えば、図5の軸72)の回動に応じた第1の回動角度(例えば、検出角度1)を検出する第1の検出手段(例えば、図6のセンサ101)と、第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、第2の軸の回動に応じた第2の回動角度(例えば、検出角度2)を検出する第2の検出手段と(例えば、図6のセンサ102)、検出した第1の回動角度および第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正する補正手段(例えば、図6の補正回路104)とを備え、駆動手段は、補正された第1の回動角度に基づいて、第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させる。
補正手段は、第1の回動角度をS1、回動板の中心と第1の検出手段および第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および軸が1回転する間に検出した第1の回動角度と第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)により算出される補正値を、第1の回動角度から減じることで、第1の回動角度を補正することができる。
第2の検出手段は、回動板の中心を基準にして、第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられることができる。
本発明の一側面(第2の側面)の走査方法またはプログラムは、第1の検出手段により検出される、第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度、および第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、第2の軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、第1の回動角度を補正する補正ステップ(例えば、図21のステップS13の処理)を含む。
本発明の一側面(第2の側面)のプログラムは、記録媒体(例えば、図22の磁気ディスク221)に記録することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図5は、本発明を適用したガルバノスキャナ51の一実施の形態を示すブロック図である。
ガルバノスキャナ51は、入射してくる光を走査する、本発明の走査装置の一例である。
ガルバノスキャナ51は、走査ミラー61、ガルバノモータ62、ロータリエンコーダ63、モータ制御回路64、およびモータ駆動回路65を含むように構成される。
ガルバノモータ62は、モータ駆動回路65から供給される駆動信号により駆動され、所定の範囲の角度で、その範囲内において向きを変えるように軸71を回動(回転)させる。すなわち、ガルバノモータ62は、所定の角度の範囲を往復するように軸71を回動させる。ガルバノモータ62の軸71には、走査ミラー61が装着されている。ガルバノモータ62の軸71が回動することによって、走査ミラー61を回動させることになる。
ロータリエンコーダ63は、ガルバノモータ62によって回動される軸71と同軸上の軸であって、自分に接続されている軸である軸72の回動する角度(または回転する角度)、すなわち、走査ミラー61の回動する角度を検出する。そして、ロータリエンコーダ63は、検出した回動する角度を示す信号(以下、回動角度信号と称する)を生成し、生成した回動角度信号をモータ制御回路64に供給する。また、ロータリエンコーダ63は、軸72の回動した角度を検出する、本発明の検出装置の一例である。
なお、ロータリエンコーダ63の計測方法は、インクリメンタル方式またはアブソリュート方式のいずれであってもよいが、本発明においては、説明を分かり易くするために、入力軸(例えば軸72)の角度位置に対応したコード信号を出力するアブソリュート方式によるロータリエンコーダとして説明する。また、ロータリエンコーダ63の動作原理として、例えば、光電方式、磁気方式、または静電方式などの方式があり、いずれの方式であってもよいが、本発明においては、光電方式によるロータリエンコーダとして説明する。さらに、ロータリエンコーダ63は、アナログ方式およびデジタル方式のいずれの方式であってもよい。
モータ制御回路64は、ロータリエンコーダ63から供給された、回動角度信号を基に、モータ駆動回路65を制御し、ガルバノモータ62を駆動させる。
モータ駆動回路65は、モータ制御回路64の制御の基に、ガルバノモータ62を駆動させるための駆動電流を生成し、生成した駆動電流をガルバノモータ62に供給することにより、ガルバノモータ62を駆動させて走査ミラー91を回動させる。例えば、モータ駆動回路65は、生成した駆動電流をガルバノモータ62のコイル(図示せず)に供給する。ガルバノモータ62は、モータ駆動回路65からの駆動電流に応じて、内蔵しているコイルがSまたはN極の極性を帯びるようにコイルに磁界を発生させて、磁石(図示せず)に装着されている軸71を回動させる。
なお、図5においては、ロータリエンコーダ63の軸72が、ガルバノモータ62の軸71の同軸上に接続されている構成としたが、軸72を設けずに、ガルバノモータ62の軸71がロータリエンコーダ63に直接接続されるような構成としてもよい。
図6は、ロータリエンコーダ63の詳細を示すブロック図である。
ロータリエンコーダ63は、センサ101、センサ102、スリット円板103、および補正回路104を含むようにして構成される。
センサ101は、スリット円板103上の所定の位置を検出し、検出した位置を示す信号を補正回路104に供給する。例えば、センサ101は、スリット円板103の中心に設けられる軸72と、自分およびスリット円板103上の所定の位置(例えばA)とのそれぞれを結ぶ直線がなす角度(以下、検出角度1と称する)を検出し、検出した検出角度1を補正回路104に供給する。
センサ101は、発光素子101A、レンズ101B、固定スリット101C、および受光素子101Dを含むようにして構成される。
発光素子101Aは、例えば、発光ダイオードなどから構成される。発光素子101Aは、レンズ101Bを介して、光をスリット円板103に集光させる。
スリット円板103は、円形の板であって、その円の中心には軸72が設けられ、さらに、円板上には等間隔の格子目盛り(後述するスリット121)が刻まれている。発光素子101A(または後述するセンサ102の発光素子102A)から出力された光は、軸72が回動することでスリット円板103も回動するので、スリット円板103上の後述するスリット121によって、スリット121の1ピッチごとに光路が遮られ、すなわち、スリット円板103(軸72)の回動量(回動量)に比例した所定の回数の明暗を繰り返す。
受光素子101Dは、例えば、フォトトランジスタなどから構成される。受光素子101Dと発光素子101Aとは、スリット円板103およびスリット円板103に相対して同様の目盛り(スリット)が刻まれている固定スリット101Cの、2つのスリットを挟むようにして設けられる。
受光素子101Dは、発光素子101Aから出力された光であって、スリット円板103の回動によって明暗を繰り返す光を受光し、この明暗を電気信号として取得する。受光素子101Dは、取得した電気信号の波形を整形して矩形波の信号であるパルスを生成し、生成したパルス(すなわち検出角度1)を補正回路104に供給する。
センサ102は、センサ101と同様に、スリット円板103上の所定の位置を検出し、検出した位置を示す信号を補正回路104に供給する。例えば、センサ102は、スリット円板103の中心に設けられる軸72と、自分およびスリット円板103上の所定の位置(例えばC)とのそれぞれを結ぶ直線がなす角度(以下、検出角度2と称する)を検出し、検出した検出角度2を補正回路104に供給する。
センサ102は、センサ101と同様に、発光素子102A、レンズ102B、固定スリット102C、および受光素子102Dを含むようにして構成される。
発光素子102Aは、発光素子101Aと同様に、例えば、発光ダイオードなどから構成され、レンズ102Bを介して、光をスリット円板103に集光させる。
受光素子102Dは、受光素子101Dと同様に、例えば、フォトトランジスタなどから構成される。受光素子102Dと発光素子102Aとは、スリット円板103およびスリット円板103に相対して同様の目盛り(スリット)が刻まれている固定スリット102Cの、2つのスリットを挟むようにして設けられる。
受光素子102Dは、発光素子102Aから出力された光であって、スリット円板103の回動によって明暗を繰り返す光を受光し、この明暗を電気信号として取得する。受光素子102Dは、取得した電気信号の波形を整形して矩形波の信号であるパルスを生成し、生成したパルス(すなわち検出角度2)を補正回路104に供給する。
また、詳細は後述するが、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103の中心に設けられた軸72と、それら2つのセンサのそれぞれを結ぶ直線とが、例えば、30°,45°,90°,または180°などの所定の角度をなすように設けられる。
補正回路104は、センサ101から供給される検出角度1およびセンサ102から供給される検出角度2を基に、検出角度1に対して、所定の補正の処理を実行し、補正が施された検出角度1(すなわち、軸72の回動角度を示す回動角度信号)をモータ制御回路64(図5)に供給する。
ここで、詳細は後述するが、所定の補正の処理とは、ロータリエンコーダ63のスリット円板103の中心に設けられる軸72が、ガルバノモータ62の軸71に対して、偏心している場合に、その偏心による誤差を補正するために行う処理である。この補正の処理によって、軸71と軸72との精度を合わせることができるので、ロータリエンコーダ63を精度よく動作させることができる。
図7は、スリット円板103と、センサ101およびセンサ102との位置関係を説明する図である。
図7で示される例においては、図6の横側から見たスリット円板103を、上側から見たスリット円板103として表現している。図6に示す場合と同様の部分には、同一の符号が付してあり、その説明は適宜省略する。また、図7のロータリエンコーダ63においては、説明を分かり易くするため、センサ101およびセンサ102のそれぞれを、スリット円板103と離れた位置に表現しているが、実際には、図6のように、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103上に設けられる。さらに、図7のロータリエンコーダ63においては、スリット円板103、センサ101、およびセンサ102のみを表現しているが、実際には、図6によって説明したロータリエンコーダ63と同様の構成となる。なお、これらのロータリエンコーダ63の説明については、以下の説明においても同様のものとする。
図7で示される例において、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103の回動する軸の中心と、それら2つのセンサのそれぞれを結ぶ直線とが180°となるように設けられている。また、スリット円板103上の2本の直線が交差する点は、軸72が設けられている位置を示しており、軸71に対して、軸72がAC軸方向に偏心していることを示している。
このように軸72がAC軸方向に偏心している場合における、センサ101が検出する角度(検出角度1)について、図8を参照して説明する。図8は、センサ101が検出する角度について説明する図である。
図8で示される例のおいて、軸72(スリット円板103の中心)およびセンサ101のそれぞれを結ぶ直線とAC軸とがなす角度をθ1(すなわち検出角度1)とし、軸71およびセンサ101のそれぞれを結ぶ直線とAC軸とがなす角度をθ2(すなわち偏心がない場合の角度(以下、絶対角度と称する))とした場合、図8に示すように、tanθ1=a/b1、tanθ2=a/b2のような関係を得ることができる。ここで、例えば、b1=0.99×b2とした場合、a/tanθ1=0.99×a/tanθ2となり、θ1について解くと、θ1=tan-1(tanθ2/0.99)のように表すことができる。
すなわち、センサ101は、軸72が、軸71に対して偏心している場合、例えば、θ1=tan-1(tanθ2/0.99)の式から、検出角度1(θ1)を検出し、検出した検出角度1(θ1)を補正回路104に供給する。また、センサ102は、例えば、センサ101と同様に、検出角度2を検出し、検出した検出角度2を補正回路104に供給する。
次に、図9乃至図11を参照して、上述した処理を、実際に検出される検出角度1や検出角度2などの具体的な値によって説明する。
図9は、スリット円板103の中心とセンサ101およびセンサ102のそれぞれをと結ぶ直線のなす角度(センサ101とセンサ102とのなす角度)が180°となるように設けられた場合における、それらのセンサが検出する角度の例について説明する図である。
図9の表において、1行目は項目を示し、2行目以降は、センサ101およびセンサ102のそれぞれが検出する値およびそれらの検出された値に基づいて算出された値を示す。すなわち、図9の表は、図7で示されるように、軸72がAC軸方向に偏心している場合に、スリット円板103が反時計回りに回動(回転)したときに検出(算出)されたデータを示す。
また、1列目はその行が何番目のデータであるかを示す番号を示し、2列目は軸72の偏心がない場合のAを基点とした反時計回りの角度である絶対角度(15°刻み)を示し、3列目は偏心がある場合のセンサ101が検出する角度である検出角度1を示し、4列目は偏心がある場合のセンサ102が検出する角度である検出角度2を示す。さらに、5列目はセンサ101を基準とした場合のセンサ102が検出する角度(以下、相対角度と称する)を示し、6列目はセンサ101およびセンサ102のそれぞれが検出する角度の平均の角度(以下、平均角度と称する)を示し、7列目は絶対角度(1列目)と平均角度(6列目)との角度の差(以下、角度差と称する)を示す。
なお、相対角度、平均角度、および角度差のそれぞれの算出方法であるが、相対角度=検出角度2-180°、平均角度=検出角度1+相対角度/2、角度差=絶対角度-平均角度のそれぞれの式によって算出される。
まず、図9の表の3列目を参照して、センサ101が検出する検出角度1について説明する。
センサ101は、軸72がAC軸方向に偏心している場合、スリット円板103上のAにおいて、検出角度1=0°を検出する。このとき、絶対角度=0°であり、検出角度1と絶対角度とが一致している(すなわち、ずれが発生していない)。その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度1は、15.1°,30.3°,45.4°,60.5°,75.6°となるので、絶対角度に対するずれが0.1°,0.3°,0.4°,0.5°,0.6°のように増加していく。そして、Aから反時計回りに90°回動したBにおいて、検出角度1が90.6°、すなわち、絶対角度とのずれが0.6°となり、その(正の)ずれが最大となる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度1は、105.6°,120.5°,135.4°,150.3°,165.1°となるので、今度は逆にそのずれが、0.6°,0.5°,0.4°,0.3°,0.1°のように減少していく。そして、Aから反時計回りに180°回動したCにおいて、検出角度1が180.0°、すなわち、再度、絶対角度とのずれがなくなる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度1は、194.9°,209.7°,224.6°,239.5°,254.4°となるので、そのずれが、-0.1°,-0.3°,-0.4°,-0.5°,-0.6°のように増加していく。そして、Aから反時計回りに270°回動したDにおいて、検出角度1が269.4°、すなわち、絶対角度とのずれが-0.6°となり、その(負の)ずれが最大となる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度1は、例えば、284.4°,299.5°,314.6°,329.7°,344.8°となるので、そのずれが、-0.6°,-0.5°,-0.4°,-0.3°,-0.2°のように減少していく。そして、Aから反時計回りに360°回動した(反時計回りに1回動した)Aにおいて、検出角度1が360.0°、すなわち、再度、絶対角度とのずれがなくなる。
すなわち、軸72がAC軸方向に偏心している場合、センサ101が検出する検出角度1は、絶対角度と比較して、A(絶対角度=0°)においては絶対角度と一致しているが、B(絶対角度=90°)においては最大のずれが発生し、またそのずれは絶対角度よりも進んでいる。また、C(絶対角度=180°)においては、再度、絶対角度と一致しているが、D(絶対角度=270°)においては最大のずれが発生し、またそのずれは絶対角度よりも遅れている。
次に、図9の表の4列目および5列目を参照して、センサ102が検出する検出角度2と相対角度について説明する。
センサ102は、軸72がAC軸方向に偏心している場合、スリット円板103上のCにおいて、検出角度2=180°を検出する。このとき、相対角度=0°であり、絶対角度と一致しているので、ずれは発生していない。その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度2は、194.9°,209.7°,224.6°,239.5°,254.4°となり、その相対角度は、14.9°,29.7°,44.6°,59.5°,74.4°となるので、絶対角度に対するずれが、-0.1°,-0.3°,-0.4°,-0.5°,-0.6°のように増加していく。そして、Cから反時計回りに90°回動したDにおいて、検出角度2が269.4°となり、その相対角度は89.4°、すなわち、絶対角度とのずれが-0.6°となり、その(負の)ずれが最大となる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度2は、284.4°,299.5°,314.6°,329.7°,344.8°となり、その相対角度は、104.4°,119.5°,134.6°,149.7°,164.8°となるので、そのずれが、-0.6°,-0.5°,-0.4°,-0.3°,-0.2°のように減少していく。そして、Cから反時計回りに180°回動したAにおいて、検出角度2が360.0°となり、その相対角度は180.0°、すなわち、再度、絶対角度とのずれがなくなる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度2は、375.1°,390.3°,405.4°,420.5°,435.6°となり、その相対角度は、195.1°,210.3°,225.4°,240.5°,255.6°となるので、そのずれが、0.1°,0.3°,0.4°,0.5°,0.6°のように増加していく。そして、Cから反時計回りに270°回動したBにおいて、検出角度2が450.6°となり、その相対角度は270.6°、すなわち、絶対角度とのずれが0.6°となり、その(正の)ずれが最大となる。
その後、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、検出角度2は、例えば、465.6°,480.5°,495.4°,510.3°,525.1°となり、その相対角度は、285.6°,300.5°,315.4°,330.3°,345.1°となるので、そのずれが、0.6°,0.5°,0.4°,0.3°,0.2°のように減少していく。そしてCから反時計回りに360°回動した(反時計回りに1回動した)Cにおいて、検出角度2が540.0°となり、その相対角度は360°、すなわち、再度、絶対角度とのずれがなくなる。
すなわち、軸72がAC軸方向に偏心している場合、センサ102が検出する検出角度2から算出した相対角度は、絶対角度と比較して、C(絶対角度=0°)においては絶対角度と一致しているが、D(絶対角度=90°)においては最大のずれが発生し、またそのずれは絶対角度よりも遅れている。また、A(絶対角度=180°)においては、再度、絶対角度と一致しているが、B(絶対角度=270°)においては最大のずれが発生し、またそのずれは絶対角度よりも進んでいる。
また、図9の0乃至24番目のデータのそれぞれにおいては、検出角度1と検出角度2との平均である平均角度は、絶対角度と一致しているので、0乃至24番目のデータのすべてにおいて、角度差=0.0°となる。
すなわち、センサ101が検出する検出角度1のずれが、絶対角度よりも進んでいる場合、センサ102が検出する検出角度2(相対角度)のずれが、絶対角度よりも、検出角度1のずれと同じ量だけ遅れている。また、検出角度1のずれが、絶対角度よりも遅れている場合、検出角度2(相対角度)のずれが、絶対角度よりも、検出角度1のずれと同じ量だけ進んでいる。
したがって、センサ101が検出する検出角度1と、センサ102が検出する検出角度2との平均値(すなわち平均角度)は、偏心の影響がキャンセルされるので、絶対角度と同じ大きさの角度となる。
図10は、センサ101とセンサ102とのなす角度が180°である場合における、それらのセンサが検出する角度に対して行う補正の例について説明する図である。
図10の表における1乃至5列目のそれぞれは、上述した図9の表における1乃至5列目のそれぞれと同様であり、その説明は適宜省略する。
図10の表において、1乃至5列目のそれぞれは、図9の表と同様に、番号、絶対角度、検出角度1、検出角度2、および相対角度のそれぞれを示し、6列目は検出角度1(3列目)と相対角度(5列目)との角度の差(以下、検出角度差と称する)を示し、7列目は検出角度1を補正する値(以下、補正値と称する)を示し、8列目は検出角度1(3列目)を補正値(7列目)で補正した角度(以下、補正角度と称する)を示し、9行目は絶対角度(1列目)と補正角度(8列目)との角度の差(以下、角度差と称する)を示す。
まず、図10の表の6列目を参照して、検出角度差について説明する。
検出角度差は、センサ101が検出する検出角度1と、センサ102が検出する検出角度2(相対角度)との角度の差であるので、上述したように、絶対角度=90°となる場合(すなわち、センサ101がAの角度を検出し、センサ102がDの角度を検出する場合)に最大の値となり、絶対角度=270°となる場合(すなわち、センサ101がDの角度を検出し、センサ102がBの角度を検出する場合)に最小の値となる。また、絶対角度が、0°,180°,360°である場合、検出角度1と相対角度とが一致するので、その場合、検出角度差は、0.00°となる。
図11は、センサ101とセンサ102とのなす角度が180°である場合における、絶対角度と検出角度差との関係を示すグラフである。
図11において、縦軸は検出角度差(度)の値を示し、縦軸(y軸)の値が大きい(小さい)ほど、絶対角度に対するずれが大きくなる。また、横軸(x軸)は絶対角度(度)を示し、絶対角度の方向は図中左から右に向かう方向となる。すなわち、絶対角度が0°から360°まで変化する間に、スリット円板103が反時計回りに1回動することになる。
図11の曲線は、図10の表の絶対角度(1列目)と検出角度差(6列目)との関係を示すグラフである。すなわち、絶対角度と検出角度差との関係を示す曲線は、図10の表のように、例えば、(x,y)=(0°,0.00°),(15°,0.30°),(30°,0.58°),(45°,0.81°),(60°,1.00°),・・・,(330°,-0.58°),(345°,-0.30°),(360°,0.00°)などの関係を満たす曲線となる。
また、図11の曲線において、検出角度差が最大となるのは、(x,y)=(90°,1.15°)となるときなので、この検出角度差の最大値を基に、7列目の補正値を算出するための式を導くことができる。補正値は、例えば、以下に示す式(1)により算出される。
補正値 = 1.15/2×sin(S1)・・・(1)
なお、S1は、センサ101から検出される検出角度1であり、以下の説明においても同様のものとする。
具体的には、式(1)は、センサ101およびセンサ102とAC軸とが、一直線に並んだ場合(すなわち、S1=0°,180°.360°,・・・の場合)、補正値が0となり、センサ101およびセンサ102とAC軸とが、直角となる場合(すなわち、S1=90°,450°,810°・・・の場合)、補正値が1.15である検出角度差の最大値の1/2となるように導かれている。また、センサ101およびセンサ102とAC軸とが、直角となる場合(すなわち、S1=270°,630°,990°・・・の場合)、補正値が-1.15である検出角度差の最大値の1/2となる。
なお、式(1)において、検出角度差の最大値を1/2しているが、これは、1.15である検出角度差の最大値には、センサ101およびセンサ102の両方の誤差が含まれており、1/2することでセンサ101の補正値を算出することができる。
次に、図10の表の7列目を参照して、検出角度1を補正する値である補正値について説明する。
上述したように、補正値は、検出角度1に応じて、式(1)により算出される。すなわち、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、センサ101が検出する検出角度1(例えば、S1=0.0°,15.1°,30.3°,・・・,90.6°,・・・,180°,・・・,269.4°,・・・,329.7°,344,8°,360.0°)を、1.15/2×sin(S1)に代入することで、補正値(例えば、0.00,0.15,0.29,・・・,0.57,・・・,0.00,・・・,-0.57,・・・-0.29,-0.15,0.00)を算出する。
また、図10の0乃至24番目のデータのそれぞれにおいては、検出角度1を補正値で補正した補正角度は、絶対角度と一致しているので、0乃至24番目のデータのすべてにおいて、角度差(絶対角度−補正角度)=0.0°となる。
このように、補正角度と絶対角度とが一致するので、ロータリエンコーダ63は、軸72が、軸71に対して偏心している場合であっても、軸72の回動する角度を検出することで、走査ミラー61を回動させる軸71と同じ角度を検出することができる。
ところで、上述した例においては、センサ101とセンサ102とのなす角度が180°である場合について説明したが、本発明においては、それに限らず、センサ101とセンサ102とのなす角度が、90°,45°,30°などであってもよい。したがって、以下、図12乃至図20を参照して、2つのセンサのなす角度が90°,45°,または30°のそれぞれとなる場合について説明する。
まず、図12乃至図14を参照して、センサ101とセンサ102とのなす角度が90°である場合について説明する。
図12は、スリット円板103と、センサ101およびセンサ102との位置関係を説明する図である。図7に示す場合と同様の部分には、同一の符号が付してあり、その説明は省略する。
図12で示される例において、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103の回動する軸の中心と、それら2つのセンサのそれぞれを結ぶ直線とが90°となるように設けられている。また、図7と同様に、軸72(図示せず)は、軸71に対して、AC軸方向に偏心している。
次に、図13を参照して、図12で示される例のように、センサ101とセンサ102とのなす角度が90°である場合における、それらのセンサが検出する角度に対して行う補正の例について説明する。
図13の表において、1乃至9行目のそれぞれは、図10の表と同様に、番号、絶対角度、検出角度1、検出角度2、相対角度(ただし、センサ101とセンサ102とのなす角度が90°であるので、相対角度 = 検出角度2-90°)、検出角度差、補正値、補正角度、および角度差のそれぞれを示す。
図13の表において、センサ101が検出する検出角度1(3列目)は、図7と図12のセンサ101の設置された位置は同じであるので、図10の表の3列目と同一の角度となる。
また、センサ102が検出する検出角度2(4列目)から算出した相対角度(5列目)は、図12のように、センサ102がセンサ101と90°の角度をなすように配置されているので、B(絶対角度=0°)において最大のずれ(0.6°-0°=0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも進んでいる)。また、相対角度は、C(絶対角度=90°)においては絶対角度と一致し、D(絶対角度=180°)においては最大のずれ(179.4°-180°=-0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも遅れている)。さらに、相対角度は、A(絶対角度=270°)においては絶対角度と一致している。
検出角度差(6列目)は、センサ101が検出する検出角度1と、センサ102が検出する検出角度2(相対角度)との角度の差であるので、絶対角度=135°となる場合に最大の値(135.4°-134.6°=0.81°)となり、絶対角度=315°となる場合に最小の値(314.6°-315.4°=-0.82°)となる。また、絶対角度が、45°,225°である場合、検出角度1と相対角度とが一致するので、その場合、検出角度差は、0.00°となる。
図14は、センサ101とセンサ102とのなす角度が90°である場合における、絶対角度と検出角度差との関係を示すグラフである。
図14において、縦軸および横軸のそれぞれは、図11のグラフと同様であるので、その説明は省略する。
図14の曲線は、図13の表の絶対角度(1列目)と検出角度差(6列目)との関係を示すグラフである。すなわち、絶対角度と検出角度差との関係を示す曲線は、図14の表のように、例えば、(x,y)=(0°,-0.58°),(15°,-0.41°),(30°,-0.21°),(45°,0.00°),(60°,0.21°),・・・,(330°,-0.79),(345°,-0.71°),(360°,-0.58°)などの関係を満たす曲線となる。
また、図14の曲線において、検出角度差が最大となるのは、(x,y)=(315°,-0.82°)(または、(x,y)=(135°,0.81°)であってもよい)となるときなので、この検出角度差の最大値を基に、7列目の補正値を算出するための式を導くことができる。補正値は、例えば、以下に示す式(2)により算出される。
補正値 = 0.82×/sin(90/2)/2×sin(S1)・・・(2)
具体的には、式(2)において、“0.82/2×sin(S1)”の項は、式(1)と同様に導くことができ、“×/sin(90/2)”の項は、センサ101とセンサ102とのなす角度が90°であるので、180°と比較して出力値(検出する角度)の差が小さくなることを補正する項である。
図13の表に戻り、7列目を参照して、検出角度1を補正する値である補正値について説明する。
上述したように、補正値は、検出角度1に応じて、式(2)により算出される。すなわち、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、センサ101が検出する検出角度1(例えば、S1=0.0°,15.1°,30.3°,・・・,90.6°,・・・,180°,・・・,269.4°,・・・,329.7°,344,8°,360.0°)を、0.82×/sin(90/2)/2×sin(S1)に代入することで、補正値(例えば、0.00,0.15,0.29,・・・,0.58,・・・,0.00,・・・,-0.58,・・・-0.29,-0.15,0.00)を算出する。
また、図13の0乃至24番目のデータのそれぞれにおいては、検出角度1を補正値で補正した補正角度は、絶対角度と一致しているので、0乃至24番目のデータのすべてにおいて、角度差(絶対角度−補正角度)=0.0°となる。
次に、図15乃至図17を参照して、センサ101とセンサ102とのなす角度が45°である場合について説明する。
図15は、スリット円板103と、センサ101およびセンサ102との位置関係を説明する図である。図7に示す場合と同様の部分には、同一の符号が付してあり、その説明は省略する。
図15で示される例において、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103の回動する軸の中心と、それら2つのセンサのそれぞれを結ぶ直線とが45°となるように設けられている。また、図7と同様に、軸72(図示せず)は、軸71に対して、AC軸方向に偏心している。
次に、図16を参照して、図15で示される例のように、センサ101とセンサ102とのなす角度が45°である場合における、それらのセンサが検出する角度に対して行う補正の例について説明する。
図16の表において、1乃至9行目のそれぞれは、図10の表と同様に、番号、絶対角度、検出角度1、検出角度2、相対角度(ただし、センサ101とセンサ102とのなす角度が45°であるので、相対角度 = 検出角度2-45°)、検出角度差、補正値、補正角度、および角度差のそれぞれを示す。
図16の表において、センサ101が検出する検出角度1(3列目)は、図7と図15のセンサ101の設置された位置は同じであるので、図10の表の3列目と同一の角度となる。
また、センサ102が検出する検出角度2(4列目)から算出した相対角度(5列目)は、図15のように、センサ102がセンサ101と45°の角度をなすように配置されているので、絶対角度=45°において最大のずれ(45.6°-45°=0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも進んでいる)。また、相対角度は、絶対角度=135°においては絶対角度と一致し、絶対角度=225°においては最大のずれ(224.4°-225°=-0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも遅れている)。さらに、相対角度は、絶対角度=315°においては絶対角度と一致している。
検出角度差(6列目)は、センサ101が検出する検出角度1と、センサ102が検出する検出角度2(相対角度)との角度の差であるので、絶対角度=165°となる場合に最大の値(165.1°-164.7°=0.44°)となり、絶対角度=345°となる場合に最小の値(344.8°-345.3°=-0.44°)となる。
図17は、センサ101とセンサ102とのなす角度が45°である場合における、絶対角度と検出角度差との関係を示すグラフである。
図17において、縦軸および横軸のそれぞれは、図11のグラフと同様であるので、その説明は省略する。
図17の曲線は、図16の表の絶対角度(1列目)と検出角度差(6列目)との関係を示すグラフである。すなわち、絶対角度と検出角度差との関係を示す曲線は、図16の表のように、例えば、(x,y)=(0°,-0.41°),(15°,-0.35°),(30°,-0.27°),(45°,-0.17°),(60°,-0.06°),・・・,(330°,-0.44),(345°,-0.44°),(360°,-0.41°)などの関係を満たす曲線となる。
また、図17の曲線において、検出角度差が最大となるのは、(x,y)=(165°,0.44°)(または、(x,y)=(345°,-0.44°)であってもよい)となるときなので、この検出角度差の最大値を基に、7列目の補正値を算出するための式を導くことができる。補正値は、例えば、以下に示す式(3)により算出される。
補正値 = 0.44×/sin(45/2)/2×sin(S1)・・・(3)
具体的には、式(3)において、“0.82/2×sin(S1)”の項は、式(1)と同様に導くことができ、“×/sin(90/2)”の項は、センサ101とセンサ102とのなす角度が45°であるので、180°と比較して出力値(検出する角度)の差が小さくなることを補正する項である。
図16の表に戻り、7列目を参照して、検出角度1を補正する値である補正値について説明する。
上述したように、補正値は、検出角度1に応じて、式(3)により算出される。すなわち、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、センサ101が検出する検出角度1(例えば、S1=0.0°,15.1°,30.3°,・・・,90.6°,・・・,180°,・・・,269.4°,・・・,329.7°,344,8°,360.0°)を、0.44×/sin(45/2)/2×sin(S1)に代入することで、補正値(例えば、0.00,0.15,0.29,・・・,0.57,・・・,0.00,・・・,-0.57,・・・-0.29,-0.15,0.00)を算出する。
また、図16の0乃至24番目のデータのそれぞれにおいては、検出角度1を補正値で補正した補正角度は、絶対角度と一致しているので、0乃至24番目のデータのすべてにおいて、角度差(絶対角度−補正角度)=0.0°となる。
次に、図18乃至図20を参照して、センサ101とセンサ102とのなす角度が30°である場合について説明する。
図18は、スリット円板103と、センサ101およびセンサ102との位置関係を説明する図である。図7に示す場合と同様の部分には、同一の符号が付してあり、その説明は省略する。
図18で示される例において、センサ101およびセンサ102のそれぞれは、スリット円板103の回動する軸の中心と、それら2つのセンサのそれぞれを結ぶ直線とが30°となるように設けられている。また、図7と同様に、軸72(図示せず)は、軸71に対して、AC軸方向に偏心している。
次に、図19を参照して、図18で示される例のように、センサ101とセンサ102とのなす角度が30°である場合における、それらのセンサが検出する角度に対して行う補正の例について説明する。
図19の表において、1乃至9行目のそれぞれは、図10の表と同様に、番号、絶対角度、検出角度1、検出角度2、相対角度(ただし、センサ101とセンサ102とのなす角度が30°であるので、相対角度 = 検出角度2-30°)、検出角度差、補正値、補正角度、および角度差のそれぞれを示す。
図19の表において、センサ101が検出する検出角度1(3列目)は、図7と図18のセンサ101の設置された位置は同じであるので、図10の表の3列目と同一の角度となる。
また、センサ102が検出する検出角度2(4列目)から算出した相対角度(5列目)は、図18のように、センサ102がセンサ101と30°の角度をなすように配置されているので、絶対角度=60°において最大のずれ(60.6°-60°=0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも進んでいる)。また、相対角度は、絶対角度=150°においては絶対角度と一致し、絶対角度=240°においては最大のずれ(239.4°-240°=-0.6°)が発生する(そのずれは絶対角度よりも遅れている)。さらに、相対角度は、絶対角度=330°においては絶対角度と一致している。
検出角度差(6列目)は、センサ101が検出する検出角度1と、センサ102が検出する検出角度2(相対角度)との角度の差であるので、絶対角度=165°となる場合に最大の値(165.1°-164.9°=0.30°)となり、絶対角度=345°となる場合に最小の値(344.8°-345.1°=-0.30°)となる。また、絶対角度が、75°,255°である場合、検出角度1と相対角度とが一致するので、その場合、検出角度差は、0.00°となる。
図20は、センサ101とセンサ102とのなす角度が30°である場合における、絶対角度と検出角度差との関係を示すグラフである。
図20において、縦軸および横軸のそれぞれは、図11のグラフと同様であるので、その説明は省略する。
図20の曲線は、図19の表の絶対角度(1列目)と検出角度差(6列目)との関係を示すグラフである。すなわち、絶対角度と検出角度差との関係を示す曲線は、図19の表のように、例えば、(x,y)=(0°,-0.29°),(15°,-0.26°),(30°,-0.21°),(45°,-0.15°),(60°,-0.08°),・・・,(330°,-0.29),(345°,-0.30°),(360°,-0.29°)などの関係を満たす曲線となる。
また、図20の曲線において、検出角度差が最大となるのは、(x,y)=(165°,0.30°)(または、(x,y)=(345°,-0.30°)であってもよい)となるときなので、この検出角度差の最大値を基に、7列目の補正値を算出するための式を導くことができる。補正値は、例えば、以下に示す式(4)により算出される。
補正値 = 0.30×/sin(30/2)/2×sin(S1)・・・(4)
具体的には、式(4)において、“0.30/2×sin(S1)”の項は、式(1)と同様に導くことができ、“×/sin(30/2)”の項は、センサ101とセンサ102とのなす角度が30°であるので、180°と比較して出力値(検出する角度)の差が小さくなることを補正する項である。
図19の表に戻り、7列目を参照して、検出角度1を補正する値である補正値について説明する。
上述したように、補正値は、検出角度1に応じて、式(4)により算出される。すなわち、スリット円板103が反時計回りに回動するとともに、センサ101が検出する検出角度1(例えば、S1=0.0°,15.1°,30.3°,・・・,90.6°,・・・,180°,・・・,269.4°,・・・,329.7°,344,8°,360.0°)を、0.30×/sin(30/2)/2×sin(S1)に代入することで、補正値(例えば、0.00,0.15,0.29,・・・,0.58,・・・,0.00,・・・,-0.58,・・・-0.29,-0.15,0.00)を算出する。
また、図19の0乃至24番目のデータのそれぞれにおいては、検出角度1を補正値で補正した補正角度は、絶対角度と一致しているので、0乃至24番目のデータのすべてにおいて、角度差(絶対角度−補正角度)=0.0°となる。
ところで、上述した補正値の算出するための式であるが、式(1)乃至式(4)のそれぞれにおいて、スリット円板103の中心とセンサ101およびセンサ102のそれぞれを結ぶ直線との角度をθとし、ロータリエンコーダ63を1回転させたときの、検出角度1と相対角度との差である検出角度差の最大値をSmaxとした場合、補正値は、例えば、以下に示す式(5)により算出される。
補正値=Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)・・・(5)
すなわち、式(5)は補正値を算出する一般式となるので、スリット円板103の中心とセンサ101およびセンサ102のそれぞれを結ぶ直線との角度は、上述した、θ=180°,90°,45°,30°以外の角度であってもよい。換言すれば、偏心している方向がいずれの方向であっても、センサ101およびセンサ102のそれぞれが、スリット円板103の軸72を中心として対称な位置に設置されていれば、2つのセンサのそれぞれが検出する角度の位相がずれるだけで、同様に偏心の影響をキャンセルすることができる。
また、この式(5)によって、補正角度の算出方法を一般化すると、まず、センサ101およびセンサ102のそれぞれと、スリット円板103の中心とのなす角度がθである位置に、センサ101およびセンサ102のそれぞれを配置する。次に、ロータリエンコーダ63を1回転させたときの、検出角度1と相対角度との差である検出角度差の最大値Smaxを予め算出しておく。そうすることで、θとSmaxとが定数となり、式(5)のパラメータがS1(検出角度1)のみとなるので、スリット円板103の回動に応じて、センサ101から検出されるS1(検出角度1)を、Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)に代入することで、補正値を算出することができる。そして、検出角度1から補正値を減じることで、補正角度を算出することができる。
したがって、センサ101が検出する検出角度1から補正角度を算出することができる。
なお、上述した、例えば、式(5)などの、偏心をキャンセルさせる補正値を算出する計算式であるが、一例であって、その計算式に限定されるものではなく、例えば、位置情報や回転速度を微分または積分した値から計算式を導いてもよい。すなあち、2つのセンサを設けて、その2つのセンサによって検出された情報を基に、偏心をキャンセルすることができる計算式であればよい。
次に、図21のフローチャートを参照して、ロータリエンコーダ63による、角度補正の処理について説明する。
ステップS11において、センサ101は、スリット円板103の回動(回転)する軸72の中心と、自分およびスリット円板103上の所定の位置とのそれぞれを結ぶ直線がなす角度である検出角度1を検出し、検出した検出角度1を補正回路104に供給する。
例えば、ステップS11において、センサ101は、2つのセンサのなす角度が180°であって、絶対角度=90°である場合、90.6°である検出角度1を検出し、検出した検出角度1を補正回路104に供給する。
ステップS12において、センサ102は、スリット円板103の回動(回転)する軸72の中心と、自分およびスリット円板103上の所定の位置とのそれぞれを結ぶ直線がなす角度である検出角度2を検出し、検出した検出角度2を補正回路104に供給する。
例えば、ステップS12において、センサ102は、2つのセンサのなす角度が180°であって、絶対角度=90°である場合、269.4°である検出角度2を検出し、検出した検出角度2を補正回路104に供給する。
ステップS13において、補正回路104は、センサ101から供給される検出角度1およびセンサ102から供給される検出角度2を基に、検出角度1に対して、所定の補正の処理を実行し、補正を施した検出角度1である補正角度(すなわち、軸72の回動角度を示す回動角度信号)をモータ制御回路64に供給して、ステップS11の処理に戻り、上述した処理が繰り返される。
例えば、ステップS13において、補正回路104は、2つのセンサのなす角度が180°であって、絶対角度=90°である場合、センサ101から供給される90.6°である検出角度1およびセンサ102から供給される269.4°である検出角度2を基に、所定の補正の処理を実行する。すなわち、補正回路104は、スリット円板103が1回動したときに、2つのセンサのなす角度が180°であり、検出角度差の最大値が1.15であることにより、補正値 = 1.15/2×sin(S1)の式を予め導いているので、この式に値を代入することで、補正値=0.57を算出する。そして、補正回路104は、算出した補正値を基に、補正角度=90.6°-0.57=90.0°を算出し、算出した90.0°である補正角度をモータ制御回路64に供給する。その後、スリット円板103が反時計回りに回動し、例えば、絶対角度=105°となり、ステップS11に戻り、絶対角度=105°における、上述した処理が繰り返される。
以上のように、本発明によれば、より高精度な位置情報を取得することができる。また、本発明によれば、ロータリエンコーダの軸(回動軸)が偏心していても、2つのセンサによって偏心の影響をキャンセルすることができるので、正確な位置情報を取得することが可能となる。
例えば、ガルバノスキャナ51は、2つのセンサによって偏心の影響が少なくなり、より高精度の位置制御をすることができるので、画像表示装置(ディスプレイ)、プロジェクタ、プリンタ、またはスキャナなどに組み込むことも可能となる。
また、一般的に、高精度のロータリエンコーダは、取り付け時に複雑な作業が伴うために工数を要するので、非常に高額なものであるが、本発明によれば、取り付け時に偏心していても、2つのセンサによって偏心の影響をキャンセルすることができるので、余計な工数がかからず、安価に、高精度のロータリエンコーダを提供することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図22は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するロータリエンコーダ63の構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)201は、ROM202、または記録部208に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インターフェース205が接続されている。入出力インターフェース105には、入力部206、出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果得られたデータを出力部207に出力する。
入出力インターフェース205に接続されている記録部208は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部209は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部209は、入力画像を取得するか、または出力画像を出力する、外部とのインターフェースとして動作する。
また、通信部209を介してプログラムを取得し、記録部208に記録してもよい。
入出力インターフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク221、光ディスク222、光磁気ディスク223、または半導体メモリ224などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部208に転送され、記録される。
一連の処理をさせるプログラムが格納されている記録媒体は、図22に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク221(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク122(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク223(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、若しくは半導体メモリ224などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM202や、記録部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、上述した一連の処理を実行させるプログラムは、必要に応じてルータ、モデムなどのインターフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を介してコンピュータにインストールされるようにしてもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
51 ガルバノスキャナ, 61 走査ミラー, 62 ガルバノモータ, 63 ロータリエンコーダ, 64 モータ制御回路, 65 モータ駆動回路, 71 軸, 72 軸, 101 センサ, 102 センサ, 103 スリット円板, 104 補正回路
Claims (10)
- 回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置において、
前記軸の回動に応じた第1の回動角度を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、前記軸の回動に応じた第2の回動角度を検出する第2の検出手段と、
検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正手段と
を備える検出装置。 - 前記補正手段は、前記第1の回動角度をS1、前記回動板の中心と前記第1の検出手段および前記第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および前記軸が1回転する間に検出した前記第1の回動角度と前記第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、
Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)
により算出される補正値を、前記第1の回動角度から減じることで、前記第1の回動角度を補正する
請求項1の検出装置。 - 前記第2の検出手段は、前記回動板の中心を基準にして、前記第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられる
請求項1の検出装置。 - 回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置の検出方法において、
第1の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップ
を含む検出方法。 - 回動板の中心に設けられる軸の回動した角度を検出する検出装置の処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
第1の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップ
を含むプログラム。 - 光を走査する走査装置において、
第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させる駆動手段と、
前記第1の軸に設けられ、光を走査するように、入射された光を反射する反射手段と、
前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられ、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度を検出する第2の検出手段と、
検出した前記第1の回動角度および前記第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正手段と
を備え、
前記駆動手段は、補正された前記第1の回動角度に基づいて、前記第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させる
走査装置。 - 前記補正手段は、前記第1の回動角度をS1、前記回動板の中心と前記第1の検出手段および前記第2の検出手段のそれぞれとを結ぶ直線のなす角度をθ、および前記軸が1回転する間に検出した前記第1の回動角度と前記第2の回動角度との差の最大値をSmaxとしたとき、
Smax×sin(θ/2)/2×sin(S1)
により算出される補正値を、前記第1の回動角度から減じることで、前記第1の回動角度を補正する
請求項6の走査装置。 - 前記第2の検出手段は、前記回動板の中心を基準にして、前記第1の検出手段と所定の角度をなすように設けられる
請求項6の走査装置。 - 第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させて、前記第1の軸に設けられた反射手段により、入射された光を反射して光を走査する走査装置の走査方法において、
第1の検出手段により検出される、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップ
を含む走査方法。 - 第1の軸を所定の角度の範囲で往復するように回動させて、前記第1の軸に設けられた反射手段により、入射された光を反射して光を走査する走査装置の処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
第1の検出手段により検出される、前記第1の軸と同軸上の第2の軸の回動に応じた第1の回動角度、および前記第1の検出手段とは異なる位置に設けられた第2の検出手段により検出される、前記第2の軸の回動に応じた第2の回動角度に基づいて、前記第1の回動角度を補正する補正ステップ
を含むプログラム。
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