JP2015224955A - 角度誤差推定装置およびエンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】検出部の検出軸と回転盤の回転軸との軸ズレに起因した角度誤差を推定する角度誤差推定装置およびその角度誤差推定装置を備えたエンコーダの提供。【解決手段】エンコーダ1は、エンコーダ本体2と、角度誤差推定装置である信号処理装置3と、を備えている。信号処理装置3は、軸ズレによって生じるZ相信号とA相信号の位相ズレに基づいて、回転盤の回転角θに含まれる角度誤差δを推定する誤差演算部32を有する。【選択図】図9

Description

本発明は、角度誤差推定装置、および、その角度誤差推定装置を備えたエンコーダに関する。
インクリメンタル型ロータリエンコーダ(以下、単にエンコーダとも呼ぶ。)は、検出部と回転盤とを備えている。回転盤は、周方向に所定間隔で設けられた複数の回転角検出用スリットと、異なる半径の周方向に基準位置を検出するための基準位置検出用スリットとを有し、回転軸を中心に回転する。検出部は、例えば、スリットを通過する投光素子からの検出光を受光素子で受光して検出する。
エンコーダを設計するにあたり、座標原点を通過するXY直交座標系を定義し、投光素子と受光素子の設置位置は、XY直交座標系の座標原点からの位置として設定され、回転盤の回転軸はXY直交座標系の座標原点に配置するように設定される。なお、スリットを挟んで投光素子と受光素子とを結ぶ直線を検出軸と呼ぶ。
たとえば、検出軸の位置が上記座標系の座標原点を基準として正しく設置され、回転盤の回転軸も正規の座標原点に配置されている場合、エンコーダの検出結果には、部品の設置位置ズレに伴う誤差は含まれない。しかし、検出部の検出軸の位置が座標原点基準で正しく設置されていても、回転盤の回転軸が座標原点からズレている場合、エンコーダが検出する角度に角度誤差が含まれるという問題がある。
なお、特許文献1には、周方向に設けられた目盛り線が理想目盛り線位置から周方向にずれている目盛り盤の目盛り線位置を2つの目盛り読み取りヘッドを用いて校正する角度検出器の発明が記載されている。
特許第3826207号公報
上述のエンコーダにおいては、エンコーダが検出する角度を補正するため、特許文献1の構成を採用すると装置が大型化してコストアップの要因となる。
(1)本発明の好ましい実施形態による角度誤差推定装置は、所定半径位置に設けられて基準位置を検出するための第1被検出部、および第1被検出部とは異なる半径位置に周方向に設けられて前記基準位置からの回転角を検出するための第2被検出部を有する回転盤と、前記第1被検出部を検出することで第1相信号を検出し、前記第2被検出部を検出することで第2相信号を検出する検出部と、前記第1相信号と前記第2相信号とに基づいて前記回転盤の前記基準位置からの回転角を演算する回転角演算部と、を備えたエンコーダに用いられる角度誤差推定装置であって、前記回転盤と前記検出部の軸ズレによって生じる前記第1相信号と前記第2相信号の位相ズレを算出し、この位相ズレに基づいて、前記回転角演算部で演算される前記回転角に含まれる角度誤差を推定する信号処理部を有する。
(2)さらに好ましい実施形態では、前記信号処理部は、後述する実施形態に記載している式(6)に基づいて、前記角度誤差を求める。
(3)さらに好ましい実施形態では、前記第1被検出部は一つのスリットを有し、前記第2被検出部は複数のスリットが周期的に設けられた回転スリット群を有し、前記検出部は、光源と、前記第1被検出部に対応する第1固定スリット、および前記第2被検出部に対応する第2固定スリットが設けられたスリット板と、前記第1被検出部の第1固定スリットを通過する検出光を受光する第1受光素子と、前記第2被検出部の第2固定スリットを通過する検出光を受光する第2受光素子とを有し、前記信号処理部は、前記第1受光素子と前記第2受光素子の受光信号に基づいて前記位相ズレを推定する。
(4)さらに好ましい実施形態では、前記検出部は、第3相信号をさらに検出し、前記信号処理部は、前記第2相信号、および、前記第3相信号に基づいて、前記回転盤の正転・逆転を判別する。
(5)本発明のエンコーダは、上記角度誤差推定装置と、前記回転盤と、記検出部と、前記回転角演算部とを備える。
(6)エンコーダの好ましい実施形態では、回転角演算部は、前記角度誤差推定装置で算出された前記角度誤差を用いて前記回転盤の回転角度を補正して真の回転角度を演算する。
本発明によれば、インクリメンタル型ロータリエンコーダが検出する回転角に含まれる軸ズレに起因した角度誤差を推定することができ、エンコーダの小型化と低コスト化に寄与することができる。
エンコーダを示した図。 図1のエンコーダ本体を側方から見て検出軸を示す図。 軸ズレしていない場合の回転盤、検出部、座標原点(軸)、回転盤の回転軸を示す図。 軸ズレしていない場合に得られるA相、B相、Z相の信号波形を示した図。 軸ズレしている場合に得られるA相、B相、Z相の信号波形を示した図。 軸ズレしていない場合の検出部とスリットの位置関係を示した図。 軸ズレしている場合の回転盤、検出部、座標原点(軸)、回転盤の回転軸、角度誤差を示す図。 軸ズレしている場合の検出部とスリットの位置関係を示した図。 (a)はエンコーダのブロック図、(b)は誤差演算部のブロック図。 カウンタのタイミングを示した図。 実誤差と推定誤差の比較図。
以下に示す実施形態では、本発明を光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダに適用した例で説明する。なお、本発明は磁気式インクリメンタル型ロータリエンコーダにも適用できる。
―実施形態―
図1は、光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダ1(以下、単に、エンコーダ1と呼ぶ)の構成を示す図である。エンコーダ1は、エンコーダ本体2と信号処理装置3を備えている。エンコーダ本体2は、回転盤20と検出部10を備えている。エンコーダ本体2を側方から見た図2も参照して説明する。
エンコーダ1を設計する際、検出部10の配置位置をXY直交座標系での座標位置で定義するとき、回転盤20の回転中心軸はXY直交座標系の原点を通過するように設計する。この理想状態を軸ズレしていない状態と呼び、回転盤20の回転中心軸が座標原点からズレた状態を軸ズレしている状態と呼ぶ。そして本発明は、組み立て誤差等に起因して軸ズレ状態が発生しても、エンコーダ1自身に内蔵した自己補償機能により、自動的に検出誤差を補償するものである。なお、軸ズレに関する定義については、後で図を用いて詳細に説明する。
回転盤20は、所定半径の周上に所定周期で等間隔に設けられた複数のスリット21Sを有する回転スリット群21と、回転スリット群21とは異なる所定半径位置に設けられた一つのスリット22とを備えている。スリット22は、Z相、すなわち回転盤20の基準位置を検出するために設けられている。回転スリット群21は、A相およびB相、すなわち、回転盤20の回転角度位置と回転方向を検出するために設けられている。回転スリット群21は、周方向に所定周期で複数のスリットを有していることにより、回転スリット群21から得られる検出信号は周期および位相を有する信号となる。
回転盤20のシャフト23は、不図示の回転体のシャフト、例えば、モータのロータシャフトに互いの回転軸が合うように、すなわち同軸状態で接続される。図2において、符号O2Xはシャフト23の中心線を示し、符号O1Xは、後述するXY座標系の座標原点を通過する中心線である。図2では、シャフト23の回転中心軸O2Xと座標原点軸O1Xが一致して描かれている。シャフト23の回転中心軸O2Xと座標原点軸O1Xについては後で詳細に説明する。
検出部10は、A相、B相、Z相の検出部10A、10B、10Zを代表して示している。各相の検出部10は、それぞれ、投光素子である発光ダイオード11と、固定スリット板12と、受光素子であるフォトダイオード13とを備えている。
発光ダイオード11は、A相、B相、Z相用の発光ダイオード11A、11B、11Zを含み、フォトダイオード13は、A相、B相、Z相用のフォトダイオード13A、13B、13Zを含んでいる。発光ダイオード11は、不図示の電源から電力を受けて、光を発する。
固定スリット板12には、A相、B相、Z相用のスリット12A、12B、12Zがあけられている。スリット12Aは、A相用の発光ダイオード11Aからの検出光が通過し、スリット12Bは、B相用の発光ダイオード11Bからの検出光が通過するように設けられている。スリット12Aとスリット12Bは、回転盤20の回転角度で90度位相がずれた位置に設けられている。このように位相がずれたA相パルスとB相パルスの波形の時間変化に基づいて、回転盤20の正転・逆転を認識することができる。スリット12Zは、Z相用の発光ダイオード11Zからの検出光が通過するように設けられている。
フォトダイオード13A、13B、13Zは、回転盤20のスリット21S、22と、固定スリット板12のスリット12A、12B、12Zを通過した発光ダイオード11A、11B、11Zからの光を受光する。各フォトダイオード13は、受光している状態と受光していない状態で異なる信号を信号処理装置3に出力する。本実施形態では、受光している状態ではHigh状態(H状態)を出力し、受光していない状態ではLоw状態(L状態)を出力する。
図2の符号50A、50B、50Zは、各相の発光ダイオード11から発せられた光がフォトダイオード13に受光されるまでの検出光の光軸であり、以下では検出軸と呼ぶ。発光ダイオード11Aから出射した光は、回転盤20の回転スリット群21を通過し、固定スリット12Aを通過した後、フォトダイオード13Aに受光される。この検出光の光路が検出軸50Aとなる。同様に、発光ダイオード11Bから出射した光は、回転盤20の回転スリット群21を通過し、固定スリット12Bを通過した後、フォトダイオード13Bに受光される。この検出光の光路が検出軸50Bとなる。発光ダイオード11Zから出射した光は、回転盤20のスリット22を通過し、固定スリット12Zを通過した後、フォトダイオード13Zに受光される。この検出光の光路が検出軸50Zとなる。
なお、この実施形態では、回転盤20のスリット21Sの周方向の幅(以下、スリット幅)と隣接するスリット21Sまでの幅は等しくされ、固定スリット12A,12Bの周方向のスリット幅は、回転盤20のスリット21Sのスリット幅と等しく設定されている。A相、B相検出部10A、10Bは、回転盤20の回転に伴い、スリット21Sが検出光の光路を横断する期間はハイレベル信号を出力し、検出光の光路が次のスリットを横断し始めるまでの期間はローレベル信号を出力する。
回転盤20に設けられたZ相用のスリット22の幅は、A相,B相パルス信号の一周期と等しい時間幅のハイレベル信号を検出部10Zが出力するように設定される。
スリット21S、22を挟んで発光ダイオード11とフォトダイオード13とを結ぶ直線である検出軸50A、50B、50Z(以下、代表して符号50で示すこともある)の位置は次のように定められる。
エンコーダ1を設計するにあたり、座標原点O1を通過するXY直交座標平面を定義すると、検出軸50の位置は、XY座標平面上のXY座標位置で定義される。ここで重要な点は、回転盤20の回転中心軸O2Xが、座標原点O1を通過する座標原点軸O1Xに一致させる点である。図2では、座標原点O1を通過する座標原点軸O1Xに回転中心軸O2Xが一致して示されている。
図2に示すように、検出軸50A、50B、50Zは、それぞれ座標原点軸O1Xと平行であり、各軸同士も平行になる。また、A相、B相の検出軸50A,50Bは、座標原点軸O1Xに対して等しい距離だけ離間するよう設計されている。Z相の検出軸50Zは、A相、B相の検出軸50A,50Bと座標原点軸O1Xとの距離とは異なる所定の距離だけ座標原点軸O1Xに対して離間するよう設計されている。本実施形態では、Z相の検出軸50Zと座標原点軸O1Xとの距離は、A相、B相の検出軸50A,50Bと座標原点軸O1Xとの距離より小さく設定されている。
なお、図2は、エンコーダ本体2を側方から示したため、A相とB相の検出軸50A、50Bが区別なく描かれているが、上述したとおり、回転盤20の正面視ではA相とB相の検出軸50A,50Bは異なる座標位置に設定されている。
本明細書において、「軸ズレしていない」とは、設計上のXY座標系の座標原点O1を通過する座標原点軸O1Xと、回転盤20の回転中心軸O2Xが一致していることを意味する。一方、「軸ズレしている」とは、回転盤20の回転中心軸O2Xが、座標原点軸O1Xに垂直な方向に平行移動していることを意味する。よって、本明細書では、軸ズレしている場合でも、回転盤20の回転中心軸O2Xは、座標原点軸O1Xと平行である。
図3は、軸ズレしていない場合の検出部10と回転盤20の位置関係を示している。具体的には、回転盤20の回転中心軸O2Xが、直交するX軸とY軸の交点に位置する座標原点O1を通過するように設置されている。検出部10は、X軸上の設計位置に模式的に配置して示されている。回転盤20の回転方向は矢印Arrで示されている。ここで、以降での説明のため、軸ズレしていない回転盤20を符号20−1で示している。図3では、A相、B相、Z相それぞれの検出部10A、10B、10Zを代表して検出部10として示した。
図4は、軸ズレしていない場合に検出部10A、10B、10Zがそれぞれ検出したA相、B相、Z相のパルス信号を示している。見易さのため、振幅方向(図示上下方向)にオフセットを持たせている。図4に示すように、軸ズレしていない場合には、A相信号とZ相信号は同時点で立ち上がり、Z相信号のH期間の半分の時点でA相パルス信号が立ち下がる。すなわち、Z相信号の中心線60上にA相パルス信号の立ち下がりエッジ61が位置している。
図5は、軸ズレしている場合に検出部10A、10B、10Zが、それぞれ検出したA相、B相、Z相のパルス信号を示している。見易さのため、振幅方向(図示上下方向)にオフセットを持たせている。図5に示すように、軸ズレしている場合には、Z相パルス信号が立ち上がって所定時間経過した時点でA相パルス信号が立ち上がる。A相パルス信号は、スリット21Sの幅Ls/2に対応するパルス幅だけハイレベル状態を維持して立ち下がる。したがって、A相パルス信号の立ち下がりエッジはZ相パルス信号の中心線60よりも遅れる。図5では、この遅れを符号dφで表記している。
本発明の角度補正は、後述するように、A相パルス信号が立ち下がる時刻と、Z相パルス信号の中心線60の時刻との時間差に基づいて行われる。この時間差は、後述する式(7)に示すように、回転位相差dφ(位相ズレdφ)に変換して補正演算に使用される。
図6(a)は、回転盤20を正面から見た模式的な図であり、軸ズレしていない場合の検出部10A、10B、10Zと、回転盤20の一つのA相スリット21Sと、Z相スリット22(Z相のスリット22)の位置関係が示されている。軸ズレしていないので、上述したとおり、回転盤20の回転中心軸O2Xは座標原点軸O1Xに一致している。図6(b)は、図6(a)の破線で囲まれた領域の拡大図である。
回転盤20に周方向に所定間隔で配設された一つのスリット21Sに着目したとき、発光ダイオード11からの光が一つのスリット21Sを通過してフォトダイオード13に入射すると、フォトダイオード13は、スリット21Sの周方向長さのスリット幅に応じたハイレベル信号を出力する。スリット間は発光ダイオード11の光を遮断する遮断領域21Qであり、その周方向長さはスリット幅と等しい。発光ダイオード11からの光が遮断領域21Qに入射されている間、フォトダイオード13はローレベル信号を出力する。フォトダイオード13から出力されるハイレベル信号とローレベル信号がA相パルス信号の1周期の信号となる。図6(a)では、スリット21Sと遮断領域21Qが示されている。実際はこれらスリット21Sと遮断領域21Qを一組とするパターンが周上に複数個並設される。スリット21Sと遮断領域21Qを一組とするパターンを被検出部21SQとも呼ぶ。
上述したように、本実施形態では、A相信号とZ相信号が同時点で立ち上がり、Z相信号のH期間の半分の時点でA相パルス信号が立ち下がるように、回転盤20のA相用のスリット21SとZ相用のスリット22が形成されている。図6を参照して、A相用の被検出部21SQによるA相パルス信号の生成と、Z相用のスリット22によるZ相パルス信号の生成について詳細に説明する。
なお、Z相用のスリット22はZ相、すなわち基準位置検出用被検出部である。
図6に示すように、Z相用のスリット22は、回転中心軸O2Xから半径rの周上に一つだけ設けられている。Z相用のスリット22の幅はLsであり、その中央、すなわちLs/2の位置をX軸が通過している。A相用のスリット21Sは、左側エッジがZ相用のスリット22の左側エッジと一致し、右側エッジがX軸上に位置している。A相用のスリット21Sのスリット幅はZ相用のスリット22の幅Lsの半分である。A相用のスリット21Sは、回転中心軸O2Xから半径rABの周上に所定周期で複数形成され、スリット間は検出光を遮断する領域であり、符号21Qとして模式的に示している。このスリット間の遮光領域21Qの幅は、A相用のスリット21Sの幅であるLs/2と等しい。
なお、A相用のスリット21SとZ相用のスリット22の距離はrAB−rである。
図7は、軸ズレしている場合の検出部10と回転盤20の位置関係を示している。
図7を用いて、軸ズレによって生じる角度誤差δを説明する。軸ズレしているので、上述したとおり、回転盤20の回転中心軸O2Xは座標原点軸O1Xに一致していない。図7では、回転盤20は、回転盤20−1の位置から、回転盤20−2の位置に移動して示されている。
一方、検出部10は、座標原点O1を有するXY座標平面内で設計値通りに配置されているとともに、回転盤20の回転中心軸O2Xが座標原点軸O1Xと軸ズレしている。その結果、回転中心軸O2Xと検出部10を結ぶ線がX軸に対して角度δだけ傾くことになる。軸ズレしている場合、検出部10の検出角度、すなわち回転盤20の回転角検出値に角度誤差δの成分が含まれる。本発明は、角度誤差δを推定し、検出部10の検出角度から角度誤差δの成分を除去することで、検出部10の検出角度を補正する。
図8(a)は、回転盤20を正面から見た模式的な図であり、軸ズレしている場合の検出部10A、10Zと回転盤20のA相スリット21SおよびZ相スリット22の位置関係が示されている。図8(b)は、図8(a)の破線で囲まれた領域の拡大図である。軸ズレしているので、上述したとおり、回転盤20の回転中心軸O2Xは座標原点軸O1Xに一致していない。
図8(a)に示す回転中心軸O2Xを通る図示上下に伸びる破線と回転中心軸O2Xを通る斜めの実線とのなす角δを角度誤差とすると、回転中心軸O2Xを通る図示上下に伸びる破線とX軸が平行であることから、回転中心軸O2Xと検出部10Aを結ぶ斜めの実線とX軸のなす角もδとなる。
図5および図8を用いて、角δと位相差dφとの関係を導く。図8(b)の角δを囲む三角形の関係より、デルタの値は以下の式(1)によって表される。
Figure 2015224955
ここで、スリットの通過速度、すなわち回転盤20の回転速度が一定であるとすると、受光素子の出力信号の1周期は、Lsに比例するため、位相差dφは、以下の式(2)によって、表される。
Figure 2015224955
これを式変形すると、
Figure 2015224955
となる。
ここで、Lsの長さは、回転盤20の回転スリット群21のスリット数Nと半径rABにより、以下の式(4)のように表される。
Figure 2015224955
よって、式(1)、(3)、(4)より、角度誤差δは、以下の式(5)のように表される。
Figure 2015224955
ここで、arctan関数の引数の値が小さいと考えると、式(5)は、以下の式(6)のように、近似される。
Figure 2015224955
以上より、A相とZ相の位相差dφを取得し、式(6)を用いて、位相差dφを角度誤差δに変換する。
以下では、エンコーダ1の信号処理装置3による、以上に示した原理を用いた信号処理について説明する。
図9(a)には、エンコーダ1の信号処理装置3のブロック図が示されている。信号処理装置3は、角度変換部31と、誤差演算部32と、差分器33を備えている。角度変換部31は、エンコーダ本体2から入力されたA相信号、B相信号、Z相信号を用いて、回転盤20の回転角θを出力する。回転角θはZ相信号を基準とした角度である。角度変換部31は、一般的なエンコーダが有しているものである。誤差演算部32は、エンコーダ本体2から入力されたA相信号、B相信号、Z相信号と以上の式(6)を用いて、回転角θに含まれる軸ズレによる角度誤差δを出力する。誤差演算部32内での信号処理に関しては、後述する。差分器33は、回転角θから角度誤差δを減算し回転角θcorrを出力する。
図9(b)は、誤差演算部32のブロック図を示している。図9(b)に示した誤差演算部32を図10も用いて説明する。図10は、図5と同じ信号波形を示しているが、図10にはカウントの時刻I〜IVが記載されている。
誤差演算部32は、カウンタ321とカウンタ322を備えている。カウンタ321には、A相信号とB相信号とZ相信号が入力される。カウンタ321は、図10に示すZ相信号の立ち上がりエッジの時刻Iから時間計測を開始し、B相信号がH状態にあるA相信号の立ち下がりエッジの時刻IIIで時間計測を終了し、時間CAedgeを出力する。すなわち、時間CAedgeは、図10で示す時刻Iから時刻IIIまでの時間である。なお、回転盤20の回転が正転か逆転か分かっている場合は、例えば、A相の立ち下がりエッジの位置を時刻IIIとすると決めておけば、B相信号を用いる必要はない。
カウンタ322には、Z相信号が入力される。カウンタ322は、図10に示すZ相信号の立ち上がりエッジの時刻Iから時間計測を開始し、Z相信号の立ち下がりエッジの時刻IVで時間計測を終了し、時間CZallを出力する。すなわち、時間CZallは、図10で示す時刻Iから時刻IVまでの時間である。なお、時刻IIがZ相信号の中心線60の時刻であるため、図10で示す時刻Iから時刻IIまでの時間は、時間CZall/2となる。
演算器323は、カウンタ321とカウンタ322の出力結果を用いて以下の演算を行う。まず、演算器323は、以下に示す式(7)に、カウンタ321とカウンタ322の出力結果を入力して、位相差dφを求める。
Figure 2015224955
そして、求められた位相差dφを式(6)に入力して、角度誤差δを求める。なお、以上の演算のために、演算器323は、予め、式(6)と式(7)を記憶している。式(6)に含まれる半径rABや半径rや、回転盤20の回転スリット群21のスリット数Nは、設計事項であるので、予め式(6)に数値として入力できる。
エンコーダ誤差発生治具を用いて、エンコーダ1に対して実誤差δを発生させ、その状況で本発明を適用して以上のように式(6)、(11)を用いて角度誤差δ(推定誤差δ)を推定した。図11は、推定誤差δを横軸に、実誤差δを縦軸にプロットしたものである。プロットした点(×印)は、「推定誤差δ=実誤差δ」の直線にほぼ載っており、本発明の推定精度の良さが理解される。
上述した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)エンコーダ1は、周方向に1ヶ所設けられたZ相のスリット22と周方向に所定周期で複数設けられたスリット21Sで構成される回転スリット群21とを有する回転盤20と、Z相スリット22を検出することでZ相信号を検出し、そして、A相スリット21Sを検出することでA相信号を検出する検出部10と、Z相信号とA相信号に基づいて回転盤20の回転角θを演算する角度変換部31とを備える。
このようなエンコーダ1に使用する実施形態の信号処理装置3は、回転盤20と検出部10の軸ズレによって生じるZ相信号とA相信号の位相ズレdφに基づいて、回転盤20の回転角θに含まれる角度誤差δを推定する誤差演算部32を有する。
これによって、インクリメンタル型ロータリエンコーダであるエンコーダ1が検出する回転角θに含まれる軸ズレに起因した角度誤差δを精度良く推定することができる。
(2)その結果、エンコーダ1において、その精度良く推定された角度誤差δを用いて、回転角θを精度良く補正することができる。
(3)誤差演算部32は、A相信号、および、検出部10がさらに検出するB相信号に基づいて、回転盤20の正転・逆転を判別する。
これによって、回転盤20の回転の向きを把握していない場合であっても、エンコーダ1が検出する回転角θに含まれる軸ズレに起因した角度誤差δを精度良く推定することができる。
(4)検出部10は、光源である発光ダイオード11と、光学スリットである固定スリット12A、12B、12Zと、受光素子であるフォトダイオード13とを有し、Z相スリット22およびA相,B相スリット21Sを光学的に検出する。
これによって、光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダであるエンコーダ1が検出する回転角θに含まれる軸ズレに起因した角度誤差δを精度良く推定することができる。
―変形例―
以上の実施形態では、光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダであるエンコーダ1が信号処理装置3を有する場合で説明した。しかし、本発明は、これに限定されない。
例えば、磁気式インクリメンタル型ロータリエンコーダ、すなわち、回転スリット群21やスリット22の代わりに磁気パターンを設け、検出部10の代わりに、磁気パターンを読み取る磁気読み取りヘッドを設ければよい。それぞれの配置は、図1や図2に示される配置と同様にすればよい。
これによって、光学式インクリメンタル型ロータリエンコーダであるエンコーダ1に搭載される信号処理装置3と同様の作用効果を奏する。
以上では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1:エンコーダ
2:エンコーダ本体
3:信号処理装置
10:検出部
11:発光ダイオード
12:固定スリット板
13:フォトダイオード
20:回転盤
21:回転スリット群
22:スリット
23:シャフト
50A:検出軸
50B:検出軸
50Z:検出軸
O1:座標原点
O1X:座標原点軸
O2X:回転中心軸
21SQ:被検出部
N:スリット数
AB:半径
:半径
δ:角度誤差
dφ:位相差

Claims (6)

  1. 所定半径位置に設けられて基準位置を検出するための第1被検出部、および第1被検出部とは異なる半径位置に周方向に設けられて前記基準位置からの回転角を検出するための第2被検出部を有する回転盤と、前記第1被検出部を検出することで第1相信号を検出し、前記第2被検出部を検出することで第2相信号を検出する検出部と、前記第1相信号と前記第2相信号とに基づいて前記回転盤の前記基準位置からの回転角を演算する回転角演算部と、を備えたエンコーダに用いられる角度誤差推定装置であって、
    前記回転盤と前記検出部の軸ズレによって生じる前記第1相信号と前記第2相信号の位相ズレを算出し、この位相ズレに基づいて、前記回転角演算部で演算される前記回転角に含まれる角度誤差を推定する信号処理部を有する角度誤差推定装置。
  2. 請求項1に記載の角度誤差推定装置において、
    前記信号処理部は、以下の式(1)に基づいて、前記角度誤差を求める角度誤差推定装置。
    Figure 2015224955
    ここで、式(1)において、
    δは、前記角度誤差であり、
    は、前記回転盤の中心から前記第1被検出部までの距離であり、
    ABは、前記回転盤の中心から前記第2被検出部までの距離であり、
    Nは、前記第2被検出部の周方向に設けられた数であり、
    dφは、前記位相ズレである。
  3. 請求項1または2に記載の角度誤差推定装置において、
    前記第1被検出部は一つのスリットを有し、前記第2被検出部は複数のスリットが周期的に設けられた回転スリット群を有し、
    前記検出部は、光源と、前記第1被検出部に対応する第1固定スリット、および前記第2被検出部に対応する第2固定スリットが設けられたスリット板と、前記第1被検出部の第1固定スリットを通過する検出光を受光する第1受光素子と、前記第2被検出部の第2固定スリットを通過する検出光を受光する第2受光素子とを有し、
    前記信号処理部は、前記第1受光素子と前記第2受光素子の受光信号に基づいて前記位相ズレを推定する角度誤差推定装置。
  4. 請求項1または2に記載の角度誤差推定装置において、
    前記検出部は、第3相信号をさらに検出し、
    前記信号処理部は、前記第2相信号、および、前記第3相信号に基づいて、前記回転盤の正転・逆転を判別する角度誤差推定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の角度誤差推定装置と、
    前記回転盤と、
    前記検出部と、
    前記回転角演算部とを備えるエンコーダ。
  6. 請求項5に記載のエンコーダにおいて、
    前記回転角演算部は、前記角度誤差推定装置で算出された前記角度誤差を用いて前記回転盤の回転角度を補正して真の回転角度を演算するエンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105424073A (zh) * 2015-12-29 2016-03-23 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 一种增量式光电编码器精度检测系统
WO2021075190A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 株式会社デンソー 回転角検出装置

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