JP2016173287A - 検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの点で有利な、複数のエンコーダ信号を処理する検出装置を提供する。【解決手段】放射状のスケールを有する部材1の回転角度を検出する検出装置100であって、部材1の回転軸2に関して対向する2箇所に配置され、スケールからの第1および第2信号をそれぞれ検出し、互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する第1および第2検出部(3aおよび3b)と、各検出信号を第1および第2デジタルデータにそれぞれ変換する第1および第2変換部(4aおよび4b)と、第1検出信号に基づいて計数データを得る計数部6と、第1デジタルデータと計数データとに基づいて第1角度を得る第1処理部7と、第1角度と第2デジタルデータとに基づいて、第2角度を得る第2処理部8と、第1角度と第2角度とに基づいて回転角度を得る第3処理部9と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は,検出装置に関する。
レーザ加工装置などの物品処理装置に用いられるガルバノスキャナは、ガルバノモータの回転軸に取り付けられたミラーを軸周りに高精度に回転駆動させることにより、ミラーで反射されるレーザ光を走査する。回転角度の検出器として静電容量センサや、光学式または磁気式エンコーダが用いられる。これら検出器には高い角度検出精度が求められているが、例えば、エンコーダの角度検出精度はガルバノモータの回転軸の偏心の影響を受ける。そこで、特許文献1は、エンコーダスケールを有する回転ディスクに少なくとも2つの検出部を回転軸に関して対向する位置に配置して、それぞれの検出部の出力値を平均化する検出装置を開示している。
特開2008−197035号公報
特許文献1に開示された検出装置は、複数の検出部で検出したエンコーダ信号を処理するため、それぞれの検出部に対し、アナログデジタル(AD)変換手段、2値化手段および計数部を有している。
本発明は、例えば、ハードウェアの規模の小ささの点で有利な検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、放射状のスケールを有する部材の回転角度を検出する検出装置であって、部材の回転軸に関して対向する2箇所にそれぞれ配置され、スケールからの第1信号および第2信号をそれぞれ検出し、互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする第1検出信号および互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする第2検出信号をそれぞれ出力する第1および第2検出部と、第1および第2検出信号を第1および第2デジタルデータにそれぞれ変換する第1および第2変換部と、第1検出信号に基づいて計数データを得る計数部と、第1デジタルデータと計数データとに基づいて第1角度を得る第1処理部と、第1角度と第2デジタルデータとに基づいて、第2角度を得る第2処理部と、第1角度と第2角度とに基づいて回転角度を得る第3処理部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、ハードウェアの規模の小ささの点で有利な検出装置を提供することができる。
第1実施形態に係るガルバノスキャナの構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る検出装置のブロック回路構成図である。 第1実施形態に係る角度検出のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係るエンコーダ信号のA相信号およびB相信号が存在する象限の切り替わりを示す図である。 第1実施形態に係る第1検出部3aおよび第2検出部3bのエンコーダ信号と回転角度との関係を示す図である。 第1実施形態に係る第1検出部3aおよび第2検出部3bの検出角度の関係を示す図である。 第2実施形態に係る回転角度検出のフローチャートを示す図である。 駆動装置の一例としてのリソグラフィ装置に備えられるステージ装置の構成例を示す図である。 産業機械の一例としてのレーザ加工装置の構成例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る検出装置を適用可能な駆動装置について説明する。本実施形態でいう駆動装置は、ミラーをガルバノモータの軸周りに回転駆動させて、レーザ光を走査するガルバノスキャナとする。図1は、本実施形態に係るガルバノスキャナ200の構成を示す概略図である。ガルバノスキャナ200は、回転の対象物としてのミラー201とモータ203とを含む駆動部と、モータ203の動作を制御する制御部210とを備える。制御部210は、検出部202と、DSP204と、D/A変換部206と、電流アンプ205とを含む。RM、はモータ203のコイル抵抗およびコイルインダクタンスであり、Vはモータ203に印加する電圧である。検出部202は、インクリメンタルエンコーダ(図示しない)の信号からモータ203の回転角度を検出し,DSP204にてフィードバック制御の計算を実施し、電流指令をD/A変換部206へ出力している。電流アンプ205はブリッジ駆動のリニアアンプであり、モータコイルに流れる電流を抵抗Rにて検出しフィードバックすることで電流指令値irefとモータ駆動電流iが同じになるように出力電圧Vが調整される。これにより、ミラーの位置制御を行うことができる。
図2は、本発明の第1実施形態に係る検出装置のブロック回路構成図である。検出装置100により回転角度を検出される放射状のスケールを有する部材(例えば、回転ディスク)1は、回転軸2に取り付けられ、回転情報を得るための測定対象物と共に回転する。放射状のスケールは、回転軸2を中心に部材1上に等ピッチで設けられている。検出装置100は、第1検出部3aと、第2検出部3bと、第1変換部4aおよび第2変換部4bと、2値化手段5と、計数部6と、第1処理部7と、第2処理部8と、第3処理部9と、記憶部10とを備える。
第1検出部3aおよび第2検出部3bは、部材1の回転軸2に関して対向する2箇所にそれぞれ配置されている。各検出部は、部材1上のスケールに光束を照射する投光手段と、スケールからの反射光束を検出する受光手段とを有し、部材1上の2点からの回転情報に基づく光束(信号)を同時に検出している。これにより、部材1の中心が回転中心に対して多少ずれている場合もしくはモータ軸の軸ブレがある場合、即ち偏心がある場合には偏心情報は符号の反転した情報として、各検出部により検出される。したがって、第1検出部3aおよび第2検出部3bにより検出した回転情報(検出角度)の平均を求めることで、偏心などによる回転情報の検出誤差を補正できる。第1検出部3aおよび第2検出部3bは部材1の回転情報に基づいて、第1信号および第2信号をそれぞれ検出し、互いに位相が異なる複数の周期信号を1組とする第1検出信号および第2検出信号をそれぞれ出力する。本実施形態では、位相差約90度の2つの周期信号(A相信号、B相信号)を一組の検出信号とする。第1検出部3aのA相信号をCa、B相信号をSa、第2検出部3bのA相信号をCb、B相信号をSbとする。本実施形態ではモータをCW方向に回転させると、A相信号およびB相信号は図4に示すようにCCW方向に回転するものとする。
第1変換部4aおよび第2変換部4bは、第1検出部3aおよび第2検出部3bから、それぞれ第1検出信号および第2検出信号を受信する。受信された各信号は、ある一定時間間隔でそれぞれ第1デジタルデータおよび第2デジタルデータに変換される。第1変換部4aおよび第2変換部4bにより変換された第1デジタルデータおよび第2デジタルデータは、それぞれ第1処理部7と、第2処理部8とに入力される。
2値化手段5は第1検出部3aからの第1検出信号(周期信号)を2値化し、2値化された第1検出信号は、計数部6に入力される。計数部6は2値化された第1検出信号の立ち上がりおよび立ち下がりの回数を計数し計数データを得る。計数データは第1処理部7に入力される。図4は、周期信号のA相信号およびB相信号が存在する象限の切り替わりを示す図である。2値化された周期信号の立ち上がりおよび立ち下がりは、図4においてA相信号およびB相信号が存在する象限の切り替わりを示す。計数データは象限が1増加する(第1象限から第2象限、第4象限から第1象限など)ごとに1増加する。また、象限が1減少するごとに1減少する。
第1処理部7は、変換部4aから出力された第1デジタルデータを用いてアークタンジェントを算出し、計数部6からの計数データと合わせることで、第1検出部3aにより検出された第1角度を求める。ここで、アークタンジェントの角度θ’は図4に示すようにCa=0、Sa=0、Cb=0もしくはSb=0の直線に対して反時計方向への角度とし,0≦θ’<π/2として考える。なお、このようなモータ角度の検出方法はエンコーダ信号の内挿や分割手法として、広く知られている。
第2処理部8は、変換部4bから出力された第2デジタルデータを用いてアークタンジェントを算出する。また、記憶部10に保存されている第1角度と第2角度との対応関係である初期データを参照して第2角度の見込み値を求める。上記アークタンジェントの算出結果および上記見込み値から計数データを推測し、得られた推測値と上記アークタンジェントの算出結果に基づいて、第2角度を求める。そして、第3処理部9は、第1角度と第2角度とに基づいて(例えば、平均化することで)部材1の回転角度を得る。
図3(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係る検出装置による角度検出手順のフローチャートである。この手順は、図3(a)に示す初期化工程と図3(b)に示す使用工程の2工程からなる。例えば初期化工程は、ガルバノスキャナを製品として生産する工程にあたり、使用工程はガルバノスキャナを使用する工程にあたる。初期化工程では第1角度と第2角度との対応関係を初期データとして作成する。使用工程では初期化工程で作成した初期データを参照して第2検出部3bでの検出角度の見込み値を求めて、計数データを推測し検出角度を計算する。
まず、図3(a)に示す初期化工程について説明する。S1では、第1検出部3aのみの検出角度に基づいて位置制御を開始する。ガルバノスキャナの電源投入時においてモータの回転角度は不定であり、ガルバノモータはインクリメンタルエンコーダを使用しているため、原点検出動作を行う(S2)。
原点位置において第1検出部3aで検出される第1角度は0度である。したがって、第2検出部3bで検出される第2角度も0度となるはずである。しかし、第1検出部3aと第2検出部3bの周期信号は厳密に同期しないので、0度から僅かにずれる。そこで、S3では、第2検出部3bで検出される第2角度が0度となるようにオフセット値を設定する。具体的には、以下の通りである。まず、変換部4bにより変換された第2検出部3bからの周期信号(Cb、Sb)の第2デジタルデータからアークタンジェントを計算し、その結果をθb0[rad]とする。ここで、第2検出部3bの計数データを0とする。モータ1回転当たりのエンコーダのパルス数をNpとすると、モータの回転角度はθb0/Np[rad]となる。この値をオフセット値として設定し、第2検出部3bで検出される第2角度から減ずることで、原点位置での第2検出部3bで検出される第2角度を0とすることができる。
つぎに、S4ではCW方向へモータを微小角度θ1[rad]回転させる。ガルバノスキャナの場合、基準位置を中心に約±10度の範囲のみ可動させることができるように機械式のストッパが設けられている。そのため、ここでは±10度の範囲内でモータを回転させる。また、θ1[rad]はエンコーダのパルスの立ち上がり、立ち下がり周期に対して十分に小さい値とする。回転完了後、第2検出部3bで周期信号(Cb、Sb)を測定し、変換部4bにより変換された第2デジタルデータからアークタンジェントを計算し、その結果をθb1[rad]とする(S5)。アークタンジェントの計算結果のみから得られるモータの回転角度は、θb1/Np[rad]である。この値と計数データとに基づいて第2検出部で検出される第2角度が得られる。
しかしながら、第2検出部3bには2値化手段や計数部が接続されていない。そこでS6で計数データを推定して求める。図5(a)および(b)に第1検出部3aおよび第2検出部3bのエンコーダ信号とモータの回転角度との関係を示す。モータの回転角度は、エンコーダのパルス周期に対して十分小さい角度であり、かつCW方向へ移動させている。第1検出部3aで検出するモータの回転角度(第1角度)θ1に応じて第1検出部3aでのリサージュ波形はθa1=θ1×Np[rad]回転する。また第2検出部3bでのリサージュ波形はθb1[rad]回転する。この時、第2検出部3bのエンコーダ信号は象限を横切らないため、計数データは0と推定できる。したがって、第2検出部3bで検出するモータ回転角度(第2角度)θbはθb1/Np−θb0/Npとなる。上記第1角度θ1と第2角度θbとの対応関係を初期データとして記憶部10に保存する(S7)。つぎにS8では、モータをCW方向へ微小回転可能か確認する。
回転可能であれば、S4〜S7のステップを繰り返し、さらに微小角度回転させて測定を行う。図5(c)および(d)は、さらにモータをCW方向へ回転させた後の第1検出部3aおよび第2検出部3bのエンコーダ信号とモータの回転角度との関係である。モータの回転角度(第1角度)θ2に応じて第1検出部3aでのリサージュ波形はθa2=θ2×Np[rad]回転する。同様に第2検出部3bでのリサージュ波形はθb2[rad]回転する。この時、第2検出部3bのエンコーダ信号は象限を横切るため、S6で推定される計数データは1である。アークタンジェントを計算すると、θb2−π/2となる。したがって、この場合の第2検出部3bで検出するモータ回転角度(第2角度)θbは、(θb2−π/2)/Np−θb0/Np+2π/(4×Np)となる。上記第1角度θ2と第2角度θbとの対応関係を初期データとして記憶部10に追加して保存する(S7)。CW方向への移動完了後(S7で回転不能と判断)、同様にCCW方向への移動および初期データの記憶部10への保存を実施する(S9)。
図6(a)に第1検出部3aで検出するモータ回転角度(第1角度)θaに対する第2検出部3bで検出するモータ回転角度(第2角度)θbの関係図を示す。図中の点線はエンコーダのスケールの偏心やモータの回転軸ブレのない理想的な場合であり、第1検出部3aおよび第2検出部3bは同じ検出角度を示す。一方、図6(a)中の実線は偏心が存在する場合であり、第1検出部3aおよび第2検出部3bは異なる検出角度を示す。図3(a)の初期化工程で作成した初期データは、例えば、図6(a)中の実線で示すものである。
また、この検出角度の関係は限定された環境温度範囲であれば経時変化によらず、ほぼ一定であり、エンコーダパルスの1/2周期に相当する回転角度より十分に小さい程度に安定している。つまり、第1検出部3aで検出される第1角度が決まれば、第2検出部3bで検出され得る第2角度の範囲は限定される。そのため第2検出部3bでのエンコーダ信号のアークタンジェントが計算できれば、第2検出部3bでの計数データを推定できる。
図2(b)の使用工程のフローチャートを用いてこの推定の方法を含む角度検出方法を詳細に説明する。まず第1検出部3aで検出される第1角度に基づいて位置制御を開始する(S1)。電源投入時においてモータの回転角度は不定であり、ガルバノモータにはインクリメンタルエンコーダを使用しているため、電源投入後最初に原点位置の検出を行う(S22)。つぎに第1検出部3aに加えて第2検出部3bでの角度検出を行う(S23)。第1検出部3aで検出された第1角度から記憶部10に保存された図6(a)の初期データを参照し、第2検出部3bで検出される第2角度の見込値を求める(S24)。つぎに変換部4bにより変換された第2検出部3bのエンコーダ信号(Cb、Sb)の第2デジタルデータからアークタンジェントを計算する(S25)。S26では、S24で求めた第2角度の見込み値およびS25で求めたアークタンジェントの計算結果から第2検出部3bで取り得る計数データを推定する。得られた推測値およびS25で求めたアークタンジェントの結果から第2検出部3bで検出される第2角度を求める(S27)。S23は計数の第2処理部8により行われる。S28で第1検出部3aおよび第2検出部3bで検出される第1角度および第2角度の平均値を求め、S29では、求めた平均値を回転角度として位置制御を実施する。
このように第1検出部3a、3bでの検出角度の関係の変動幅が本実施形態のように安定していれば、2つの検出部のいずれか一方に2値化手段および計数部を用いなくても事前の初期データを用いて回転角度を検出することができる。
第1検出部3a、3bでの検出角度の関係は、環境温度範囲だけでなく、エンコーダパルスに対するモータの回転軸の軸ブレ量の大きさからも影響を受ける。ここで、ガルバノスキャナは、非常に高精度な位置制御が要求されるため、熱膨張の影響を考慮して限定された環境温度範囲で使用される。また、モータの回転軸の軸ブレの量もエンコーダパルスに対して十分に小さい。そのため、第1検出部3aおよび第2検出部3bでの検出角度の関係はほぼ一定であり、事前の初期データを用い、2値化手段や計数部を持たない検出部を含む本実施形態を適用して回転角度を検出することができる。
また、位置精度を重視するような用途では低速な位置制御動作を温度管理された環境で実施するような場合もある。この場合軸ブレは問題とならず、さらに温度変化による検出角度の変化も小さい。そのため、回転軸に対するエンコーダのスケールの偏心のみ考慮すればよい。この場合、第2検出部3bおよび第2変換部4bが不要となる。つまり、図3(b)の使用工程のS23においては、第2検出部3bおよび第2変換部4bを仮想し、第1検出部3aで検出される第1角度に基づいて、第1角度に対応する第2角度を第2処理部8で求めることができる。なお、第2処理部8は、記憶部10に記憶された第1角度と第2角度との対応関係を参照することで第2角度を求めることができる。そして、S28およびS29により位置制御を実施する。
以上のように、本実施形態によれば、コストの点で有利な、複数のエンコーダ信号を処理する検出装置を提供することができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態でも、第1実施形態と同様にガルバノスキャナへの適用を考える。モータ1回転あたりのエンコーダのパルス数が、例えば、36パルスと小さい場合を考える。このような場合、偏心による検出精度への影響はエンコーダパルスの1/2周期に相当する回転角度より十分に小さい。この場合、計数部を有する1つの検出部の検出角度と計数部を持たない検出部のアークタンジェントの結果から計数データを一意に推測することができる。つまり第1実施形態の初期化工程(図2(a))がなくても妥当な計数データを簡単に求めることができる。したがって、本実施形態によっても、コストの点で有利な、複数のエンコーダ信号を処理する検出装置を提供することができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態でも、第1および第2実施形態と同様にガルバノスキャナへの適用を考える。ガルバノスキャナの用途の一つとしてレーザ穴あけ加工がある。この用途では、大きな電流をモータに流す必要があり、環境温度が変動する。ガルバノスキャナの熱容量により検出角度の関係の変動は時間に対して緩やかであるものの、その変動量はエンコーダパルスの1/2周期に相当する回転角度より大きい。本実施形態では、この変動を考慮し、図6(b)のように第1検出部3aおよび3bの検出角度の関係が上下に変動する場合を考える。
本実施形態の角度検出手順は、第1実施形態と同様に初期化工程と使用工程の2工程からなる。初期化工程は第1実施形態と同様である。図7に本実施形態における使用工程のフローチャートを示す。まず、第1検出部3aのみの検出角度に基づいて位置制御を開始する(S31)。続いて、原点位置の検出を行う(S32)。つぎに第1検出部3aに加えて第2検出部3bでの角度検出を行い、モータの位置制御を開始する(S33)。第1検出部3aからの検出角度から図6(b)の実線データ(=初期データ)を参照し、第2検出部3bでの検出角度の見込値を求める(S34)。過去に実施した角度検出動作において見込み値と検出角度の差異データから見込み値を修正する(S35)。この動作により図6(b)で示した環境温度の変動による検出角度の関係の変動を補正することができる。つぎに第2検出部3bのエンコーダ信号(Cb、Sb)をAD変換した結果からアークタンジェントを計算する(S36)。S37では、第2検出部3bでの検出角度の見込み値およびアークタンジェントの計算結果から第2検出部3bで取り得る計数データを推定する。推測値およびアークタンジェントの結果から第2検出部3bでの検出角度を求める(S38)。第2検出部3bでの検出角度と検出角度の見込み値の差異データを求めて(S41)、変動値として次回以降の角度検出に使用する。第1検出部3aおよび第2検出部3bでの検出角度の平均値を求める(S39)。検出角度の平均値を回転角度として位置制御を実施する(S40)。
なお、上記説明では、S41で求めた差異データは、初期データにより求められる第2角度の見込み値の修正に用いたが、初期データ(第1角度と第2角度との対応関係)の更新のために用いてもよい。
本実施形態の条件においても、過去の角度検出動作からの変動幅がエンコーダパルスの1/2周期に相当する回転角度より十分に小さい程度に安定していれば、計数部を持たない検出部においても事前の初期データを用いて回転角度を検出することができる。また、ガルバノスキャナ制御サンプリングの周波数は100KHz以上であり、環境温度の変動の時定数と比較して十分に高速である。そのため、制御サンプリングごとにS41の動作により変動値を求めて補正すれば、十分に変動に対応できる。以上のことから、本実施形態を適用して2値化手段や計数部を持たない検出部においても事前の初期データを用いて回転角度を検出することができる。本実施形態によっても、コストの点で有利な、複数のエンコーダ信号を処理する検出装置を提供することができる。
〔その他の駆動装置〕
更に本発明の実施形態に係る検出装置は、ガルバノスキャナ以外の駆動装置にも使用することができる。この駆動装置は、種々の装置、例えば、ロボットや運輸、工作、加工、計測、製造に係る機械または装置(産業機械または装置)等において有用である。ここでは、産業機械に有用な駆動装置の一例として、リソグラフィ装置に備えられるステージ(XYステージ)装置を取り上げ、該装置への検出装置の適用について説明する。なお、リソグラフィ装置は、原版のパターンを基板に形成する装置であって、例えば、露光装置、描画装置、インプリント装置として具現化されうる。露光装置は、例えば、(極端)紫外光を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、描画装置は、例えば、荷電粒子線(電子線等)を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、インプリント装置は、基板上のインプリント材を成型して基板上にパターンを形成する。
図8は、ステージ装置300の構成例を示す図である。ステージ装置300は、ステージ301(可動部)のY軸方向への移動に用いられるY軸モータ302(駆動部)と、ステージ301(可動部)のX軸方向への移動に用いられるX軸モータ303(駆動部)とを有する。ここで、両駆動部は、モータと、当該モータのロータの回動を直動に変換する機構と、当該ロータの回転角を計測するためのエンコーダと、エンコーダ信号を処理するための検出装置とを含んで構成されうる。エンコーダとして、本発明の実施形態に係る放射状のスケールを有する部材を適用できる。また、検出装置として、本発明の実施形態に係る検出装置を適用できる。これにより、駆動装置全体の低コスト化に寄与しうる。
〔産業機械への応用〕
本発明の実施形態に係る検出装置を使用したガルバノスキャナは、例えば、図9のような産業機械としてのレーザ加工装置1000に適用することができる。レーザ加工装置1000は、加工対象の物体(被照射体)OBにレーザ光LLを照射し、例えば、物体OBの切断、穴あけ、溶接などの加工を行う。
レーザ加工装置1000は、X軸モータ1002と、Y軸モータ1004と、X軸ミラー1006と、Y軸ミラー1008と、X軸検出部1010と、Y軸検出部1012とを備える。X軸モータ1002は、回転軸に取り付けられたX軸ミラー1006を回転させて、第1の位置から移動させて第2の位置に停止させる。同様に、Y軸モータ1004は、回転軸に取り付けられたY軸ミラー1008を回転させて、第1の位置から移動させて第2の位置に停止させる。X軸検出部1010は、インクリメンタル型ロータリエンコーダで構成され、X軸ミラー1006の回転角度(即ち、X軸モータ1002の回転軸の回転角度)を検出する。同様に、Y軸検出部1012は、インクリメンタル型ロータリエンコーダで構成され、Y軸ミラー1008の回転角度(即ち、Y軸モータ1004の回転軸の回転角度)を検出する。光源1016は、レーザ光LLを照射する。主制御部1014は、レーザ加工装置1000の各駆動系の動作制御や各種演算を実行するものであり、光源1016に対して、レーザ光LLの照射(発光)を指示するON信号やレーザ光LLの非照射(非発光)を指示するOFF信号を出力する。また、主制御部1014は、X軸モータ位置指令部1018およびY軸モータ位置指令部1022に、加工面上のX座標位置およびY座標位置を指令する。X軸モータ位置指令部1018およびY軸モータ位置指令部1022は、与えられた座標位置から各モータ1002、1004への指令回転角度を計算し、X軸モータ制御部1020およびY軸モータ制御部1024に指令する。
ここで、X軸モータ1002およびY軸モータ1004としては、図1におけるモータ203が適用される。そして、X軸ミラー1006およびY軸ミラー1008は、図1におけるミラー201に相当し、X軸検出部1010およびY軸検出部1012は、図2における部材1に相当する。また、X軸モータ制御部1020およびY軸モータ制御部1024は、図1における制御部210に相当する。X軸モータ制御部1020は、X軸検出部1010が検出したX軸ミラー1006の回転角度に基づいて、DSPにてフィードバック制御の計算を実施し、X軸モータ1002の駆動を制御する。同様に、Y軸モータ制御部1024は、Y軸検出部1012が検出したY軸ミラー1008の回転角度に基づいて、DSPにてフィードバック制御の計算を実施し、Y軸モータ1004の駆動を制御する。
物体OBの加工において、光源1016からのレーザ光LLは、Y軸ミラー1008およびX軸ミラー1006で反射され、物体OBに照射される。レーザ光LLは、X軸ミラー1006が回転することによって、物体OBにおいてX軸方向(正側および負側)に走査される。また、レーザ光LLは、Y軸ミラー1008が回転することによって、物体OBにおいてY軸方向(正側および負側)に走査される。このとき、X軸ミラー1006およびY軸ミラー1008は、それぞれX軸モータ1002およびY軸モータ1004によって駆動され、高速かつ高精度な位置決めを実現する。
レーザ加工装置1000では、レーザ加工を物体OBの正確な位置に実施することが求められるとともに、低コスト化が望まれる。そこで、レーザ加工装置1000に上記の各実施形態で説明した検出装置を適用することで、装置全体の低コスト化に寄与し得る。
上記実施形態では駆動装置としてガルバノスキャナを用い、ガルバノモータの制御について説明したが、DCモータやACモータの制御にも適用できる。また、2つの検出部を用いた実施形態について説明したが、より多くの検出部を用いてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 部材
2 回転軸
3a 第1検出部
3b 第2検出部
4a 第1変換部
4b 第2変換部
5 2値化手段
6 計数部
7 第1処理部
8 第2処理部
9 第3処理部
10 記憶部
100 検出装置

Claims (12)

  1. 放射状のスケールを有する部材の回転角度を検出する検出装置であって、
    前記部材の回転軸に関して対向する2箇所にそれぞれ配置され、前記スケールからの第1信号および第2信号をそれぞれ検出し、互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする第1検出信号および互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする第2検出信号をそれぞれ出力する第1および第2検出部と、
    前記第1および第2検出信号を第1および第2デジタルデータにそれぞれ変換する第1および第2変換部と、
    前記第1検出信号に基づいて計数データを得る計数部と、
    前記第1デジタルデータと前記計数データとに基づいて第1角度を得る第1処理部と、
    前記第1角度と前記第2デジタルデータとに基づいて、第2角度を得る第2処理部と、
    前記第1角度と前記第2角度とに基づいて前記回転角度を得る第3処理部と、
    を有することを特徴とする検出装置。
  2. 前記第3処理部は、前記第1角度および前記第2角度を平均化して前記回転角度を得ることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記第1角度と前記第2角度との対応関係を記憶する記憶部を有し、
    前記第2処理部は、前記対応関係にも基づいて前記第2角度を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の検出装置。
  4. 前記第1角度と、前記第1角度と前記対応関係とにより得られる第2角度と、前記第2デジタルデータとに基づいて、前記対応関係を更新することを特徴とする請求項3に記載の検出装置。
  5. 放射状のスケールを有する部材と、前記部材の回転角度を検出する請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の検出装置とを有することを特徴とする駆動装置。
  6. 請求項5に記載の駆動装置を有することを特徴とする産業機械。
  7. 前記駆動装置により回転されるミラーを有することを特徴とする請求項6に記載の産業機械。
  8. 前記駆動装置により移動されるステージを有することを特徴とする請求項6に記載の産業機械。
  9. 放射状のスケールを有する部材の回転角度を検出する検出装置であって、
    前記スケールからの信号を検出し、互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする検出信号を出力する検出部と、
    前記検出信号をデジタルデータに変換する変換部と、
    前記検出信号に基づいて計数データを得る計数部と、
    前記デジタルデータと前記計数データとに基づいて第1角度を得る第1処理部と、
    前記部材の回転軸に関して前記検出部とは対向して配置され、前記スケールからの信号を検出し、互いに位相の異なる複数の周期信号を1組とする検出信号を出力するものとして仮想した検出部により得られる、前記第1角度に対応する第2角度を、前記第1角度に基づいて得る第2処理部と、
    前記第1角度と前記第2角度とに基づいて前記回転角度を得る第3処理部と、
    を有することを特徴とする検出装置。
  10. 前記第1角度と前記第2角度との対応関係を記憶する記憶部を有し、
    前記第2処理部は、前記第1角度と前記対応関係とに基づいて前記第2角度を得ることを特徴とする請求項9に記載の検出装置。
  11. 請求項9または10に記載の検出装置を有することを特徴とする駆動装置。
  12. 請求項11に記載の駆動装置を有することを特徴とする産業機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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