JP2017044500A - アブソリュートエンコーダ、駆動装置および産業装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】符号列の出力の正確さの点で有利なアブソリュートエンコーダを提供すること。
【解決手段】アブソリュートエンコーダは、複数のマークが周期をもって配列されたスケールと、前記複数のマークのうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部と、前記検出部で検出された前記一部に対応する前記周期信号の振幅を周期ごとに量子化することにより符号列を生成し、前記符号列に基づいて前記スケールの絶対座標を得る処理部とを有する。前記処理部は、前記周期信号の周期ごとに前記周期信号と基準信号との比較を行って前記符号列の誤りを検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】アブソリュートエンコーダは、複数のマークが周期をもって配列されたスケールと、前記複数のマークのうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部と、前記検出部で検出された前記一部に対応する前記周期信号の振幅を周期ごとに量子化することにより符号列を生成し、前記符号列に基づいて前記スケールの絶対座標を得る処理部とを有する。前記処理部は、前記周期信号の周期ごとに前記周期信号と基準信号との比較を行って前記符号列の誤りを検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アブソリュートエンコーダ、駆動装置および産業装置に関する。
従来、位置または角度を計測する目的で、インクリメンタルエンコーダやアブソリュートエンコーダが用いられる。インクリメンタルエンコーダは、例えば、一定周期の格子をスケールに形成しておき、その格子の移動を光学的または磁気的に読み取り、原点検出機構と組み合わせて位置情報を得る。アブソリュートエンコーダは、例えば、擬似乱数系列(例えばM系列)等に従う絶対位置符号に対応するバイナリパターンの格子をスケールに形成しておき、この格子のパターンを読み取ることによって絶対位置情報を得る。
特許文献1は、スケール上に間隙をもって配列された格子の透過率または反射率を、例えば、50%、100%の2値とする階調符号方式のアブソリュートエンコーダを開示する。特許文献1は、50%と100%との間に閾値を設定して受光信号を2値化し、それによりスケールに形成された(埋め込まれた)擬似乱数系列の部分をデコード(復号)して絶対位置または絶対角度を得る。
アブソリュートエンコーダにおいて、スケールに欠陥(ゴミ、汚れ、傷等)があると、スケールからの光量が変化し符号の検出(復号)を誤るおそれがある。擬似乱数系列符号列内に1箇所でも符号の誤りがあると、アブソリュートエンコーダは誤った絶対位置を出力してしまう。この誤った絶対位置は、正しい絶対位置とは大幅に異なりうる。
この問題に対し、特許文献2は、アブソリュートセンサに加えてインクリメンタルセンサを有し、インクリメンタルセンサにより得た位置とアブソリュートセンサにより得た位置とを比較し、不一致の場合にはアラーム信号を出力する。特許文献3は、今回得られた位置と前回得られた位置との距離が最大速度や最大加速度等と時間とで制限される可動距離を超えているか否かで誤りを検出する。
しかし特許文献2は、アブソリュートセンサに加えてインクリメンタルセンサを有する必要があるため、装置が複雑かつ高価になりうる。また、インクリメンタルセンサは、初期化(原点検出)を要するため、例えば電源投入直後などの初期におけるアブソリュートセンサの出力の誤りを検出することはできない。特許文献3も、前回得られた正しい位置情報が必要であることから、初期におけるアブソリュートセンサの出力の誤りを検出することはできない。
本発明は、出力の正確さの点で有利なアブソリュートエンコーダを提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面によれば、複数のマークが周期をもって配列されたスケールと、前記複数のマークのうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部と、前記検出部で検出された前記一部に対応する前記周期信号の振幅を周期ごとに量子化することにより符号列を生成し、前記符号列に基づいて前記スケールの絶対座標を得る処理部とを有し、前記処理部は、前記周期信号の周期ごとに前記周期信号と基準信号との比較を行って前記符号列の誤りを検出することを特徴とするアブソリュートエンコーダが提供される。
本発明によれば、例えば、出力の正確さの点で有利なアブソリュートエンコーダが提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるアブソリュートエンコーダの構成を示すブロック図である。光源1は、例えばLED等の発光素子で構成される。光源1からの光がマーク配列を有するスケール2に入射する。マーク配列は、複数のマークが周期をもって配列されたもので、具体的には、スケール2には、絶対位置符号(例えばM系列符号)に従う透過または反射のパターンがマーク配列として形成または記録されている。光源1から入射した光は、パターンに応じて透過または反射する。受光素子3は、マーク配列のうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部を構成する。この受光素子3には、スケール2のパターンに応じた光量分布の光が入射する。受光素子3は、例えばCMOSセンサやCCDセンサなどの受光素子アレイで構成される。ただし、受光素子アレイに限定するものではなく、例えば単受光素子を用い、時間を区切りとしてパターン応じた光量分布の光を得てもよい。また、本実施形態においては、スケール2は反射型のスケールとして説明を行うが、透過型のスケールであっても同様に適用可能である。さらに、本実施形態においては、スケール2のパターンは、全反射、半反射、非反射の3値を持つ階調符号方式により絶対位置符号が記録されているものとして説明を行う。ただし、階調符号方式のエンコーダに限定するものではなく、例えばスケール2のパターンとして2値を持つ一般的なアブソリュートエンコーダであってもよい。
図1は、第1実施形態におけるアブソリュートエンコーダの構成を示すブロック図である。光源1は、例えばLED等の発光素子で構成される。光源1からの光がマーク配列を有するスケール2に入射する。マーク配列は、複数のマークが周期をもって配列されたもので、具体的には、スケール2には、絶対位置符号(例えばM系列符号)に従う透過または反射のパターンがマーク配列として形成または記録されている。光源1から入射した光は、パターンに応じて透過または反射する。受光素子3は、マーク配列のうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部を構成する。この受光素子3には、スケール2のパターンに応じた光量分布の光が入射する。受光素子3は、例えばCMOSセンサやCCDセンサなどの受光素子アレイで構成される。ただし、受光素子アレイに限定するものではなく、例えば単受光素子を用い、時間を区切りとしてパターン応じた光量分布の光を得てもよい。また、本実施形態においては、スケール2は反射型のスケールとして説明を行うが、透過型のスケールであっても同様に適用可能である。さらに、本実施形態においては、スケール2のパターンは、全反射、半反射、非反射の3値を持つ階調符号方式により絶対位置符号が記録されているものとして説明を行う。ただし、階調符号方式のエンコーダに限定するものではなく、例えばスケール2のパターンとして2値を持つ一般的なアブソリュートエンコーダであってもよい。
受光素子3へと入射するスケール2からの反射光は、前述の通り、スケール2に記録されているパターンすなわち絶対位置符号に応じた光量分布を持っている。受光素子3は、入射した光の光量に応じた電気信号を出力する。
受光素子3が出力する電気信号の電圧の例を図2に示す。ここでは、スケール2の欠陥(ゴミ、汚れ、傷等)がない正常な状態とする。また、受光素子3は240素子の一次元CMOSセンサを想定しており、図2の横軸は素子番号(0〜239)を表している。図2の縦軸は電圧値を表しており、図2中の黒点がそれぞれの素子が出力する電圧値を表している。
ここでは、スケール2からの反射光は、一次元CMOSセンサの12個の素子で1周期を表す周期信号になるように設計されている。したがって、240素子で20周期分の信号が得られる。そして、図2における各周期信号のうちの最大値が約0.8Vの箇所は、スケール2の全反射部と対向しており、すなわち絶対位置符号=1を示す。また、図2における各周期信号のうちの最大値が約0.2Vの箇所は、スケール2の半反射部と対向しており、すなわち絶対位置符号=0を示す。更に、図2における各周期信号のうちの最小値の箇所は、スケール2の非反射部と対向している。
なお、一次元CMOSセンサの中央部(素子番号120付近)では、半反射部に対向している箇所の最大値は前述の通り0.2V程度なのに対し、端部(素子番号0付近や240付近)では最大値が0V程度と信号振幅が落ちている。これは、光源1、スケール2、受光素子3のそれぞれの光学的な配置関係に伴う、設計上想定される現象である。
説明を図1に戻す。受光素子3が出力する図2に示されるような複数周期を有する周期信号は、信号処理部10へと送られる。信号処理部10において、絶対位置演算部11は、入力した周期信号を基に絶対位置符号を求め、その絶対位置符号に対応した絶対位置値を求める。具体的には例えば、周期信号について閾値に対する大小判定を行い、絶対位置符号を求める。例えば、図2の周期信号に対して0.4Vという閾値を設定し、それぞれの周期信号の最大値が閾値以上であれば1、閾値未満であれば0と判定する。こうして量子化された結果、図2の周期信号は、「00000110000110001100」という20ビットの絶対位置符号へと対応付けられる。この20ビットの並びが、例えばM系列といった擬似ランダム符号列で設計される。これにより、同一スケール内において同じ符号列は繰り返されないので、この20ビットの並びに対応した絶対位置(絶対座標)値を一つ定めることができる。よって、絶対位置演算部11は、この20ビットの並びに応じた絶対位置値を定めたテーブルを持ち、そのテーブルを参照することで、周期信号を基に絶対位置の整数部の値を求めることができる。
位相演算部12は、入力した周期信号の位相を求め、その位相を基に位相位置値を求める。位相位置値は、絶対位置値を更に細かく分割した値、すなわち、絶対位置の小数部の値となる。この得られた周期信号の位相に基づき絶対座標の内挿が行われる。具体的には例えば、周期信号に対し、周期信号と同周期の標準SIN信号と標準COS信号をそれぞれ乗算し、乗算により得られた信号に対しアークタンジェント演算を行うことで、周期信号の位相を求めることができる。この位相演算の分解能が、そのまま位相位置値の分解能となる。例えば1周期を1000分割する分解能(2π/1000 [rad])で位相が求まるとすれば、位相位置値は絶対位置値に対して1/1000の分解能で求まる。
このようにして求めた絶対位置値と位相位置値を、位置演算部13で合成することで、エンコーダの出力位置値を求める。そして、このエンコーダの出力位置値は、位置出力部4を通じてエンコーダ外の上位機器へと送られる。
次に、図1を参照して、本実施形態におけるエラー(誤り)検出について説明する。信号処理部10において、正規化部14は、周期信号の1周期毎の信号を抜き出し、各周期ごとに最小値が0V、最大値が1Vになるように正規化を行う。例えば、各周期に対応する、素子番号の0番から11番、12番から23番、…、の12個毎の素子の電圧の最大値と最小値を求め、最大値と最小値との差が1Vになるように、それぞれの周期毎に対応したゲインを求める。そして、それぞれの周期毎にそれぞれのゲインを乗算していき、全周期の振幅を1Vにする。その後、最小値が0Vになるように、それぞれの周期毎にオフセットを除去する。このようにして、正規化部14は、ゲイン処理とオフセット処理を行うことで、周期信号の正規化を行う。以下では、正規化部14を通過した信号を「正規化後周期信号」という。
本実施形態は、正規化後周期信号と、この周期信号と同一周期を持つ所定の基準信号との類似度を求めることで符号の読み取りエラーの検出を行う。類似度を求めるために、例えば、基準信号の振幅量及びオフセット量を、正規化後周期信号と合わせる。そこで、基準信号は例えば、最小値が0V、最大値が1Vで、12個のデータで1周期となるような正弦波に対応する信号とする。ここで、周期信号及び正規化後周期信号は、エンコーダの位置によって位相が毎回異なる。正規化後周期信号と基準信号の位相が異なると、類似度演算の際の誤差となりうる。そこで、周期信号の位相に応じた基準信号の位相調整を行う。
図1において、位相演算部12で求めた位相演算結果が、基準信号生成部15へ入力される。基準信号生成部15は、この位相演算結果を基づいて位相調整を行った基準信号を生成する。図3は、図2の周期信号に対する位相演算結果を基に生成した基準信号の例である。なお、本実施形態において、基準信号は正弦波として説明したが、これに限るものではない。例えば、光源1、スケール2、受光素子3の光学的な配置関係により、周期信号が想定される高調波歪みを持つ場合も考えられる。そこで、基準信号は、正弦波信号に、想定される所定の高調波を付加して得た信号としてもよい。
類似度演算部16は、位相が調整された基準信号と、各周期の正規化後周期信号とを比較するために、信号類似度(以下、単に「類似度」ともいう。)の演算を行う。本実施形態においては、類似度は、次式により求められる。
ここで、an+kは正規化後周期信号の素子毎の電圧値を表している。また、bnは位相調整後の基準信号の素子毎の電圧値を表している。
上記(1)式に従う類似度は、正規化後周期信号と位相調整後の基準信号とが似ているほど小さい値となる。両者が一致する場合、類似度は0となる。なお、類似度の尺度は(1)式に限らず、素子毎に重み付けを行うなど種々の変更が可能である。
さて、(1)式にて位相調整後の基準信号と正規化後周期信号との類似度演算を行った結果の例を図4に示す。図4において、横軸は周期信号の番号で、1周期目、2周期目…20周期目を表している。縦軸は、(1)式で求まる類似度である。なお、類似度の結果に周期毎のばらつきがあるのは、ノイズの影響などによる。
次に、スケール2の欠陥(ゴミや汚れ等)によるエラーがある場合について説明する。図5に、スケール上に例えば油汚れがある際の、受光素子3が出力する信号例を示す。なお、図5は、図2のゴミや汚れがない場合と同じ位置で取得した信号である。
図5を見て分かるとおり、図2と比べ、素子番号0付近の信号が大きく崩れている。そのため、図5の周期信号について図2と同様な0.4Vの閾値による絶対位置符号の判定を行うと、正しくは0の符号を表す1周期目の符号を、1と誤ってしまう。すると、エンコーダは誤った絶対位置値を出力してしまう。ここで図5の汚れがある際の周期信号に対し、前述の類似度演算を行うと、図6のようになる。
図6によれば、図4に比べ類似度の値が全般的に高くなっていることが分かる。これはスケール全面に油汚れがあることにより、全般的に信号が崩れたと考えられる。そして、特に波形が乱れており絶対位置符号判定を誤るおそれのある1周期目では、類似度の値が顕著に高くなっている。図1のエラー判定部17(誤り判定部)は、この類似度演算結果に基づいてエラーがあるかどうかの判定を行う。例えば、類似度に対し閾値を設定し、閾値以上であればエラーがあると判定する。
ここで、例えば類似度の閾値を4に設定する。すると、図4では、20周期全ての信号で類似度が閾値より小さいので、エラーはないと判定される。一方、図6では、1周期目の類似度が閾値を超えるため、1周期目にエラーがあると判定される。エラー判定部17は、エラー判定の結果、類似度が閾値を超える場合には、エラー出力部5にエラー信号を出力する。エラー信号はエラー出力部5を通じてエンコーダ外の上位機器へと送られる。
以上のように、複数の周期信号のうちどの周期の類似度が閾値を超えたかによって、どの周期の箇所にエラーがあるかが分かる。エラー判定部17は、エラー信号に付随して、どの周期にエラーがあるかを示す信号を出力してもよい。
このように、本実施形態によれば、周期信号と基準信号との類似度を求めることで、スケール移動開始前の時点であっても、スケールの欠陥によるエラーを検出し、エラー信号を出力することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図7に示す。なお、第1実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。本実施形態において、基準信号生成部18は、実測により得られた周期信号を正規化した正規化後周期信号に基づいて基準信号を生成する。例えば、正規化後周期信号を各周期信号波形どうしで平均化する方法が考えられる。
第2実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図7に示す。なお、第1実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。本実施形態において、基準信号生成部18は、実測により得られた周期信号を正規化した正規化後周期信号に基づいて基準信号を生成する。例えば、正規化後周期信号を各周期信号波形どうしで平均化する方法が考えられる。
例えば、汚れがない図2の周期信号について、第1実施形態と同様に正規化を行った正規化後周期信号に対し各周期信号波形どうし全20周期にわたる平均化を行うことで、図8(a)のような基準信号を得ることができる。ここで、第1実施形態と同様に類似度演算部16において、この図8(a)の基準信号を用いて正規化信号との類似度演算を行った結果が、図9となる。
次に、スケール上に油汚れがある図5の周期信号を考える。ここで、第1実施形態と同様に正規化を行った正規化後周期信号に対し各周期信号波形どうしの全20周期にわたる平均化を行うと、図8(b)のような基準信号が得られる。なお、図8(a)と図8(b)で多少信号形状が異なるのは、基準信号生成の基となった図2と図5の信号のそれぞれの違いに起因する。
ただし、全20周期分の平均をとるため、汚れにより信号が崩れる範囲が少ない場合(本実施形態ではおよそ1周期分)には、信号の崩れが基準信号へ与える影響は小さくなる。よって、そのような基準信号でもリファレンスとして使用可能である。
ここで、第1実施形態と同様に、類似度演算部16において、図8(b)の基準信号を用いて正規化信号との類似度演算を行った結果が、図10となる。エラー判定部17は、エラーがあるかどうかの判定を行う。第1実施形態と同様に、類似度の閾値を4として判定を行う。すると、図9では、20周期全ての信号で類似度の値が閾値より低いので、エラーなしと判定される。一方、図10では、1周期目の類似度の値が閾値を超えるため、1周期目にエラーがあると判定される。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スケール移動開始前の時点であってもスケールの欠陥によるエラーを検出し、エラー信号を出力することができる。また、本実施形態によれば、第1実施形態と異なり、基準信号の位相調整が不要となる。
<第3実施形態>
第3実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図11に示す。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
第3実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図11に示す。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
本実施形態においては、エラー判定部17でエラーがあると判定された際にエラー訂正を行う。そのために、図11の構成においては、図1の構成に対し、位置推定部19と比較部20が追加されている。
第1実施形態と同様に、図5に示されるようなスケール上の汚れによるエラーを含む周期信号が得られたとする。すると、エラー判定部17は、周期信号のうち1周期目にエラーがあると判定する。このとき、本実施形態においては、エラー判定部17からエラーがあることを示すエラー信号と、どの周期にエラーがあるかを示す信号とが、絶対位置演算部11にフィードバックされる。絶対位置演算部11は、エラー判定部17からの入力を受けて、エラーのある周期に対応する絶対位置符号を訂正する。
ただし、エラー判定部17によるエラー判定では、周期信号のうちのどの周期にエラーがあることは分かるが、それが正しくは0の符号なのか、1の符号なのかまでは分からない。そこで、本実施形態において、位置推定部19が、過去に求められた絶対位置の値を基にして、例えばエンコーダの速度を求めることで、次に求められる絶対位置の値を推定する。また、絶対位置演算部11は、エラー判定部17によりエラーがあると判定されたそれぞれの周期に対応する絶対位置符号の変更の組み合わせにより得られる各絶対位置の値を求める。その後、位置演算部13は、位相演算部12の出力と合わせて位置値を出力する。なお、位置値の数は2のN乗個だけ求まる。(Nは、複数の周期信号のうちのエラーがあると判定された周期信号の数である。)例えば、図5の信号のように、エラーがある周期が1箇所の場合には、2の1乗により、2種類の位置値が求められる。
次に、位置値は、比較部20にて、位置推定部19の出力する推定位置値と比較される。ここで、複数種類の位置値(訂正の候補)のうち、最も推定位置値に近い値が、エラーを訂正した位置値として選択される。そして、エラーを訂正した位置値は、位置出力部4を通じてエンコーダ外の上位機器へと送られる。
このようにして、本実施形態により、スケール移動開始前の時点であっても、スケールの欠陥によるエラーを検出し、エラー出力が可能なだけでなく、エラーの訂正を行った位置値を出力することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図12に示す。なお、第1、第2、第3実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
第4実施形態におけるアブソリュートエンコーダのブロック図を、図12に示す。なお、第1、第2、第3実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付し、それらの説明を省略する。
図12が図1と異なるのは、エラー判定部17から位相演算部12へのフィードバック経路があることである。このフィードバック経路を介して、エラー判定部17からエラーがあることを示すエラー信号と、複数の周期信号のうちのどの周期にエラーがあるかを示す信号が、位相演算部12へと入力される。位相演算部12は、周期信号のうちエラーがある周期信号を除いて位相演算を求め直す。
第1実施形態と同様に、図5に示すスケール上の汚れによるエラーがある周期信号が得られたとする。このとき、20周期全てを用いて第1実施形態に記載の位相演算を行うと、1.6271[rad]と求まる。ただし、これは、図5の1周期目の信号が崩れていることによる誤差も含む。一方、本実施形態によれば、1周期目を除いた19周期を用いて位相演算を行うと、1.64309[rad]と求まる。
このときの本実施形態による効果は、0.01599[rad](=1.6271-1.64309)の位相演算結果の改善である。これにより、位相演算部で求まる位相位置値の精度が向上する。
このように、本実施形態によれば、スケール移動開始前の時点であっても、スケールの欠陥によるエラーを検出し、エラー出力が可能なだけでなく、位相演算の精度を向上させることが可能になる。
以上の実施形態においては、エラー検出にあたって、位相情報に基づいて位相の調整された基準信号と実際に検出され且つ正規化された信号とから式(1)により類似度を得ている。この方法は、振幅情報や、位相情報、歪情報を総合的に評価することになるため、好ましい。しかし、類似度を得る方法は、それには限定されない。例えば、位相情報を用いずに、または、正規化を行わずに、類似度を得てもよい。例えば、位相情報は用いず、基準信号の位相を変更しつつ式(1)の値を順次得、得られた値の中での最小値を類似度として得てもよい。また、正規化を行わずに得た式(1)の値を評価するための閾値が、検出された信号の代表値(最大値等)に基づいて変更されてもよい。
なお、類似度は、式(1)に記載のものに限られず、例えば次式で表される尺度を用いてもよい。
あるいは、類似度は、いわゆる相関係数(正規化相関係数)等、データ列間の類似(相関)の度合いを表す種々の指標でありうる。また、類似度は、信号(データ)の周期ごとでなく、複数の周期にわたって一括で得てもよい。
また、以上の実施形態では、位置を計測するアブソリュートエンコーダを例にとって説明したが、角度を計測するアブソリュートエンコーダにも同様に適用可能である。
<他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
<応用例>
他の実施形態としてのアブソリュートエンコーダの応用例を説明する。アブソリュートエンコーダは、原点(基準位置)検出のための動作を必須としないため、種々の駆動装置や、それを含むロボットや運輸機械または装置、産業機械または産業装置(工作、加工、計測、製造に係る機械または装置を含む)等において有用である。当該駆動装置は、可動部と、該可動部の運動に係る絶対座標(位置、角度等)を計測する(得る)アブソリュートエンコーダと、該アブソリュートエンコーダの出力に基づいて該可動部の運動に係る駆動を行う駆動部(アクチュエータ)とを含みうる。ここでは、一例として、産業機械としてのリソグラフィ装置(露光装置等)に備えられるステージ(XYステージ)装置への適用例を説明する。図13は、本応用例におけるステージ装置1000の構成例を示す図である。
他の実施形態としてのアブソリュートエンコーダの応用例を説明する。アブソリュートエンコーダは、原点(基準位置)検出のための動作を必須としないため、種々の駆動装置や、それを含むロボットや運輸機械または装置、産業機械または産業装置(工作、加工、計測、製造に係る機械または装置を含む)等において有用である。当該駆動装置は、可動部と、該可動部の運動に係る絶対座標(位置、角度等)を計測する(得る)アブソリュートエンコーダと、該アブソリュートエンコーダの出力に基づいて該可動部の運動に係る駆動を行う駆動部(アクチュエータ)とを含みうる。ここでは、一例として、産業機械としてのリソグラフィ装置(露光装置等)に備えられるステージ(XYステージ)装置への適用例を説明する。図13は、本応用例におけるステージ装置1000の構成例を示す図である。
なお、リソグラフィ装置は、パターンを基板に形成する装置であって、例えば、露光装置、描画装置、インプリント装置として具現化されうる。露光装置は、例えば、(極端)紫外光を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、描画装置は、例えば、荷電粒子線(電子線等)を用いて基板(上のレジスト)に(潜像)パターンを形成する。また、インプリント装置は、基板上のインプリント材を成型して基板上にパターンを形成する。
ステージ装置1000は、図13に示すように、Y軸方向へのステージ1008(可動部)の移動に用いられるY軸モータ1009(駆動部)と、X軸方向へのステージ1008の移動に用いられるX軸モータ1012(駆動部)とを有する。ここで、例えば、各モータの固定子および可動子の一方にアブソリュートエンコーダのスケール2を、他方にアブソリュートエンコーダの検出部(受光部3)を取り付けることにより、ステージ1008の絶対位置を得ることができる。
1:光源、2:スケール、3:受光素子、10:信号処理部、11:絶対位置演算部、12:位相演算部、13:位置演算部
Claims (14)
- 複数のマークが周期をもって配列されたスケールと、
前記複数のマークのうちの一部を検出して複数周期をもった周期信号を出力する検出部と、
前記検出部で検出された前記一部に対応する前記周期信号の振幅を周期ごとに量子化することにより符号列を生成し、前記符号列に基づいて前記スケールの絶対座標を得る処理部と、を有し、
前記処理部は、前記周期信号の周期ごとに前記周期信号と基準信号との比較を行って前記符号列の誤りを検出することを特徴とするアブソリュートエンコーダ。 - 前記処理部は、前記周期信号の周期ごとに当該周期信号の振幅の正規化を行ってから前記比較を行うことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、
前記周期信号の位相を得て前記絶対座標の内挿を行い、
前記位相に応じて前記基準信号の位相を調整してから前記比較を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアブソリュートエンコーダ。 - 前記基準信号は、正弦波に対応する信号であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記基準信号は、正弦波に所定の高調波を付加して得られる信号であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記符号列のうちのどの符号に誤りがあるかを示す情報を出力することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記周期信号を平均化して前記基準信号を得ることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、前記誤りの訂正を行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 前記処理部は、
得られた絶対座標に基づいて得られる絶対座標の推定を行い、
前記推定により得られた絶対座標に基づいて前記訂正の候補から選択を行う
ことを特徴とする請求項8に記載のアブソリュートエンコーダ。 - 前記処理部は、前記符号列のうち誤りを検出された符号に対応する周期を除いて前記周期信号の位相を得て前記内挿を行うことを特徴とする請求項3に記載のアブソリュートエンコーダ。
- 可動部の運動に係る絶対座標を得る請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダと、
前記アブソリュートエンコーダの出力に基づいて前記運動に係る駆動を行う駆動部と、
を有することを特徴とする駆動装置。 - 請求項11に記載の駆動装置と、
前記駆動装置により駆動を行われる可動部と、
を有することを特徴とする産業装置。 - 前記可動部は、ステージを含むことを特徴とする請求項12に記載の産業装置。
- リソグラフィ装置として構成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の産業装置。
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- 2015-08-24 JP JP2015165147A patent/JP2017044500A/ja active Pending
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