JP2018119799A - 超音波映像化装置、超音波検出装置および超音波映像化方法 - Google Patents

超音波映像化装置、超音波検出装置および超音波映像化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体と媒体内の映像化対象との境界の形状の高精度な映像化を実現する。【解決手段】超音波映像化装置100は、超音波受信器212で受信する受信信号を記憶するメモリ110と、受信信号に基づいて映像化データを生成する演算部120と、演算部120で演算した結果を表示する表示部140とを備える。演算部120は、映像化領域内の媒体をメッシュに分割するメッシュ分割部122と、媒体中の温度分布に基づいてメッシュ伝搬速度を決定する伝搬速度付加部123と、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間算出部124と、受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を合計伝搬時間に対応させてメッシュのそれぞれに割り当てた強度データテーブルを作成する強度割り付け部125と、強度データテーブルを合成して合成強度を算出する強度合成部126と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超音波映像化装置、超音波検出装置および超音波映像化方法に関する。
超音波探傷試験(UT:Ultrasonic Testing)は、非破壊試験として構造材の表面および内部の健全性を確認できる技術であり、様々な分野で欠かせない検査技術となっている。
圧電素子を検査対象に接触させて超音波を送受信する接触式のUT以外に、パルスレーザの照射により超音波を励起し、別のレーザおよびレーザ干渉計により検査対象表面の微小振動を計測するレーザ超音波法(LUT:Laser Ultrasonic Testing)などの方法も利用されている。LUTは、検査対象に接触せずに検査できるため、高温となる対象や、移動する対象、狭隘部等へも適用でき、溶接施工中の検査などにも適用されている。
超音波信号の処理方法、検査対象の内部を映像化するための装置や手法についても、用途に応じた多様な形態が提案されている。たとえば生体の内部を超音波により映像化する場合、生体内の組織の違いにより音速が異なることから、検査対象のある特定の領域の音速を仮定して超音波の計測を行い、得られた検出結果とあらかじめ想定していた結果との違いに基づいて音速分布を評価する手法等が提案されている。
特許第5651533号公報 特許第4632517号公報 特許第5528083号公報 特開2016−114570号公報
新版「非破壊検査工学」 石井勇五郎編著(産報出版)
超音波検査により得られた信号を用いて映像化対象を映像化する際、映像化対象が物性の異なる材料で構成されている場合、同一の材料でもたとえば溶接部などで結晶粒が粗大化している場合、あるいは映像化対象の内部に温度分布がある場合などでは、対象内部での超音波の音速が一様にならない。このため、映像化対象の内部の音速異方性あるいは音速分布の影響で、映像化された欠陥位置や板厚などの計測精度が低下するという課題がある。
本発明の実施形態は、媒体内の映像化対象の形状を、高精度で映像化することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る超音波映像化装置は、超音波送信器から媒体内に発信されて超音波反射源で反射した超音波を超音波受信器で受信し受信信号として記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記受信信号に基づいて前記超音波反射源の形状の映像化用データを生成する演算部と、前記演算部で演算した前記映像化用データに基づいて前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示部と、を備え、前記演算部は、前記媒体内の映像化領域内をメッシュに分割するメッシュ分割部と、前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度をそれぞれ決定する伝搬速度付加部と、前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて前記超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間算出部と、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記メッシュのそれぞれに割り当てた強度データテーブルを作成する強度割り付け部と、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の複数の組み合わせについて、前記強度データテーブルを合成して合成強度を算出する強度合成部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る超音波検出装置は、媒体内に超音波を発する超音波送信器と、前記超音波が超音波反射源で反射した反射波を受信する超音波受信器と、
前記超音波受信器で受信する受信信号を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記受信信号に基づいて前記超音波反射源の形状の映像化用データを生成する演算部と、前記演算部で演算した前記映像化用データに基づいて前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示部と、を備え、前記演算部は、前記媒体内の映像化領域内の前記媒体をメッシュに分割するメッシュ分割部と、前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度をそれぞれ決定する伝搬速度付加部と、前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて前記超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間算出部と、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記メッシュのそれぞれに割り当てた強度データテーブルを作成する強度割り付け部と、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の複数の組み合わせについて、前記強度データテーブルを合成して合成強度を算出する強度合成部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る超音波映像化方法は、超音波受信器が、媒体内に発信された超音波が超音波反射源で反射した反射波を受信信号として受信する超音波受信ステップと、映像化領域設定部が、媒体内に映像化領域を設定して前記映像化領域内をメッシュに分割する映像化領域設定ステップと、伝搬速度付加部が、前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度を決定する伝搬速度設定ステップと、伝搬時間算出部が、前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間テーブル作成ステップと、強度割り付け部が、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記各メッシュのそれぞれに割り当てて強度データテーブルを作成する強度データテーブル作成ステップと、強度合成部が、前記超音波送信器位置および前記超音波受信器位置の複数の組み合わせについて、前記強度データを合成して合成強度を算出する強度データ合成ステップと、表示部が、前記合成強度から、前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
本発の実施形態明によれば、媒体内の映像化対象の形状を、高精度で映像化することができる。
第1の実施形態に係る超音波検出装置および超音波映像化装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化装置による映像化領域のメッシュ分割の説明用の斜視図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化装置の伝搬速度付加部が有する超音波の媒体中における伝搬速度の温度依存特性データを示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波検出装置の超音波送信器および超音波受信器に、それぞれ単一プローブを用いた場合の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波検出装置の超音波送信器および超音波受信器に、超音波アレイプローブを用いた場合の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波検出装置の超音波送信器および超音波受信器に、それぞれレーザ方式を用いた場合の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の全体の手順を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち伝搬時間テーブルの作成ステップの詳細を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順の伝搬時間テーブルの作成ステップのうち経路の合計伝搬時間の算出ステップの詳細を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順の伝搬時間テーブルの作成ステップのうち分割経路への分割ステップの内容を説明するメッシュ図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち伝搬時間テーブルの作成ステップにより作成された伝搬時間テーブルの例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち強度データテーブル作成ステップを説明する等合計伝搬時間曲線の例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち強度データテーブル作成ステップの内容を説明する受信波形の例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち受信波形に基づく信号強度の各メッシュへの割り付けデータ作成ステップにより作成される強度データテーブルの例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち超音波送信器、受信器の位置の全組み合わせについての信号強度の合成ステップの内容を説明する図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち超音波送信器、受信器の位置の全組み合わせについての信号強度の合成ステップの内容を説明する各ケースの受信波形の例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち超音波送信器、受信器の位置の全組み合わせについての信号強度の合成ステップで演算された結果の例を示す図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち形状抽出ステップの内容を説明するグラフである。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法において超音波送信器および超音波受信器を複数個所に移動しての計測の例を説明する図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法を金属の溶融池の検出に適用した例を示す概念図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法を液体中の物体の検出に適用した例を示す概念図である。 第1の実施形態に係る超音波映像化方法を層状に存在する物体の検出に適用した例を示す概念図である。 第2の実施形態に係る超音波検出装置および超音波映像化装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る超音波映像化方法の全体の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る超音波映像化装置、超音波検出装置および超音波映像化方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る超音波検出装置および超音波映像化装置の構成を示すブロック図である。
超音波検出装置200は、媒体2に超音波を送信し、受信した信号から、媒体2内の超音波反射源3と媒体2との境界を含めた、媒体2内の形状を映像化する。
超音波検出装置200は、送受信部210および超音波映像化装置100を有する。送受信部200は、媒体2内に超音波を発する超音波送信器211と、媒体2からの反射波を受信する超音波受信器212とを有する。
超音波映像化装置100は、計算機システムを用いており、メモリ110、演算部120、入力部130、表示部140、および制御部150を有する。ここで、制御部150は、計算機システムとして、メモリ110、演算部120、入力部130、表示部140のそれぞれが互いに整合しながら動作するように監視、制御を行う。
メモリ110は、信号収録部111および演算結果等記憶部112を有する。信号収録部111は、超音波受信器212で受信する受信信号を記憶する。具体的には、超音波送信器211の位置と超音波受信器212の位置のそれぞれの組み合わせについて、時間的な強度変化として媒体2から超音波受信器212が受信した受信信号データを記憶する。演算結果等記憶部112は、演算部120での演算結果や入力部130が外部から受け入れた入力を記憶する。
演算部120は、メモリ110の信号収録部111に記憶された受信信号に基づいて映像化信号を生成する。演算部120は、映像化領域設定部121、メッシュ分割部122、伝搬速度付加部123、伝搬時間算出部124、強度割り付け部125、強度合成部126、および形状抽出部127を有する。
映像化領域設定部121は、映像化対象1、および映像化対象1の内部あるいは隣接して存在する超音波反射源3を含む領域から、映像化領域10を設定する。具体的には、映像化領域10がたとえば直方体の形状であれば、座標軸およびそれぞれの角部の位置などの端点条件を外部から指定すると、まず、演算結果等記憶部112がこれを記憶する。映像化領域設定部121は、演算結果等記憶部112に記憶された端点条件を読み出し、設定された座標軸に基づいて、境界面上にある各点の座標を算出可能な状態とする。
メッシュ分割部122は、映像化領域10内の媒体2をメッシュに分割する。図2は、超音波映像化装置100による映像化領域のメッシュ分割の説明用の斜視図である。映像化領域10について、X軸方向にΔX、Y軸方向にΔY、およびZ軸方向にΔZの幅で分割する。分割の幅ΔX、ΔYおよびΔZは、入力部130に外部から指定してもよいし、決められた値でもよい。ΔX、ΔYおよびΔZのそれぞれの値は、互いに同程度の値、あるいは同じ値でもよい。また、たとえば、X軸方向の温度分布の変化幅が、Y軸およびZ軸方向の温度分布の幅に比べて大きい場合は、ΔXの値を、ΔYおよびΔZの値に比べて小さくするなど、温度分布の変化幅に応じて値を設定することでもよい。
伝搬速度付加部123は、媒体2の種類に応じた超音波の伝搬速度の温度依存特性データを有している。伝搬速度付加部123は、外部入力により指定された各メッシュの温度に応じた伝搬速度であるメッシュ伝搬速度を各メッシュに割り当てる。
図3は、伝搬速度付加部が有する超音波の媒体中における伝搬速度の温度依存特性データを示すグラフである。横軸は、媒体の温度(℃)を、縦軸は、その温度の媒体中の超音波の伝搬速度(m/sec)を示す。伝搬速度付加部123は、この伝搬速度の温度依存特性データを、関数の形態のデータとして有していてもよいし、テーブルの形態のデータとして有していてもよい。あるいは、メモリ110がこれらのデータを記憶し、伝搬速度付加部123は、必要に応じてメモリ110から読み出すことでもよい。
伝搬速度付加部123は、伝搬速度の温度依存特性データに基づいて、媒体中の各メッシュの温度に応じた各メッシュにおける伝搬速度であるメッシュ伝搬速度を導出し伝搬速度テーブル123a(図7)を作成する。
伝搬時間算出部124は、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置のそれぞれの組み合わせごとに、各メッシュについて、超音波送信器211から当該メッシュまでの伝搬時間往路分および当該メッシュから超音波受信器212までの伝搬時間復路分を合計した合計伝搬時間を算出し当該メッシュと対応させることを、映像化領域10の全メッシュについて行い、伝搬時間テーブル124a(図7)を作成する。伝搬時間算出部124で作成された伝搬時間テーブル124aは、演算結果等記憶部112に記憶されるとともに、表示部140により表示される。
強度割り付け部125は、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置のそれぞれの組み合わせごとの強度データテーブル125a(図7)を作成する。
すなわち、まず、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせのそれぞれについて、超音波送信器212から発信し超音波受信器212で受信した受信波形を、信号収録部111から読み出す。次に、伝搬時間テーブル124aを演算結果等記憶部112から読み出し、各メッシュに対応する合計伝搬時間の値に基づいて、受信波形からその合計伝搬時間に対応する時点の強度データを抽出し、各メッシュに割り当てる。このようにして、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせごとの強度データテーブル125aを作成する。強度データテーブル125aは、演算結果等記憶部112に記憶されるとともに、表示部140により表示される。
強度合成部126は、強度割り付け部125が作成した超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせごとの強度データテーブル125aの強度データを、全ての超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせについて重ね合わせることにより合成強度を算出する。なお、全ての組み合わせに限定しなくともよい。すなわち、必要な範囲での複数の組み合わせであってもよい。以下、全ての超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせと記載している場合も、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の必要な範囲での複数の組み合わせであってもよいとの意である。
すなわち、超音波送信器211のm番目の位置(m=1〜M)および超音波受信器212のn番目の位置(n=1〜N)の組み合わせについて、メッシュijの強度をAij mnとすると、重ね合わせたメッシュijの合成強度AAijは、次の式(1)により与えられる。
AAij=ΣΣAij mn ・・・(1)
ただし、ΣΣは、m=1〜M、およびn=1〜Nについての合計を表す。
強度合成部126で演算した合成強度データは、演算結果等記憶部112に記憶されるとともに、表示部140により表示される。
形状抽出部127は、強度合成部126で演算した合成強度データを演算結果等記憶部112から読み出して、これに基づいて、超音波反射源3と媒体2との境界をさらに詳細に導き出し、超音波反射源3の形状を明確にする。
図4は、本実施形態に係る超音波検出装置の超音波送信器および超音波受信器に、それぞれ単一プローブを用いた場合の構成を示すブロック図である。図4では、説明の便宜上、映像化領域10が、X軸方向およびZ軸方向に広がる2次元平面として示している。この点は、以下、同様である。
単一の超音波プローブを有する超音波送信器211から超音波が送信され、超音波反射源3と媒体2との境界で反射された反射波を含む超音波を、単一の超音波プローブを有する超音波受信器212が受信する。
ここで、超音波プローブとは、超音波の発生機構と、超音波をダンピングするダンピング材および超音波の発生機構の前面に取り付けられた前面板のいずれかまたは両者とを組み合わせて構成され、一般的に超音波探触子と称されるものである。超音波の発生機構は、セラミクス製や複合材料、またはそれ以外の圧電効果により超音波を発生することができる圧電素子や、高分子フィルムによる圧電素子またはそれ以外の超音波を発生できる機構をいう。
図5は、本実施形態に係る超音波検出装置において、超音波送信器および超音波受信器に超音波アレイプローブを用いた場合の構成を示すブロック図である。ここで、超音波アレイプローブ220は、複数個が配列され超音波を送受信する超音波プローブ221と、これらを保持する筐体222を有する。順次、一部の超音波プローブ221が超音波を送信し、他の超音波プローブ221が媒体からの信号を受信するような形で使用される。
図5では、超音波アレイプローブ220として、圧電素子が1次元的に配列され、一般的にリニアアレイプローブと呼ばれるものを用いた場合を示している。これ以外にも、圧電素子が2次元的に配列されたマトリクスアレイプローブ、リング状の圧電素子が同心円状に配列されたリングアレイプローブ、リングアレイプローブの圧電素子を周方向で分割した分割型リングアレイプローブ、圧電素子が不均一に配置された不均一アレイプローブ、円弧の周方向位置に圧電素子を配置した円弧状アレイプローブ、球面の表面に素子を配置した球状アレイプローブなどを、超音波アレイプローブとして用いてもよい。
また、これらの超音波アレイプローブを、種類を問わずに複数組み合わせて使用するいわゆるタンデム探傷方式を用いてもよい。なお、以上述べた超音波アレイプローブには、コーキングやパッキングにより、気中、水中を問わず利用できるものも含まれる。
超音波アレイプローブ220の設置に際しては、指向性の高い角度方向に超音波を映像化対象1へ入射するために、超音波アレイプローブ220と映像化対象1との間に楔(図示せず)を設けて利用することもある。楔は、超音波が伝搬可能で音響インピーダンスが把握できている等方材、たとえばアクリル、ポリイミド、ゲル、その他の高分子が用いられる。あるいは、音響インピーダンスが前面板と近い材質もしくは音響インピーダンスが前面板と同じ材質を用いてもよい。
また、段階的もしくは漸次的に音響インピーダンスを変化させる複合材料を楔として用いてもよい。また、楔の内部における多重反射波が探傷結果に影響を与えないように、楔の内外にダンピング材を配置したり、山型の波消し形状を設けたり、多重反射低減機構を有することでもよい。
図6は、本実施形態に係る超音波検出装置の超音波送信器および超音波受信器に、レーザ方式送受信装置を用いた場合の構成を示すブロック図である。レーザ方式送受信装置230は、超音波を励起する超音波励起用レーザ装置231、超音波励起用レーザ装置231から照射された送信レーザ光を映像化対象1の任意の位置に照射するレーザスキャン装置232、受信レーザ光を発する受信プローブ233、受信プローブ233を対象位置の周辺でスキャンするスキャン機構234、光伝送部235、およびレーザ超音波受信装置236を有する。
レーザ照射光が照射されたスポットが、超音波送信器211に相当するので、以下、この部分も超音波送信器211と称する。図6に示した例では、送信レーザ光の映像化対象1への照射にレーザスキャン装置232を用いているがこれに限定されない。超音波励起用レーザ装置231からの直接照射、光学ミラーの反射を利用した空間伝送による照射、光学ファイバおよび光学レンズの組み合わせを用いた伝送による照射でもよい。
レーザ照射光が照射されたスポットで発生し映像化対象1の内部に入射された超音波Utは、図4および図5に示した場合と同様に、超音波反射源3の表面すなわち超音波反射源3と媒体2との境界において反射し、反射した超音波Urは映像化対象1の表面に到達する。
レーザ超音波法の場合、超音波受信器212に受信レーザ光を照射する。レーザ超音波受信装置236は、受信レーザ発信機236aおよびレーザ干渉計236bを有する。
受信レーザ発振機236aが発生した受信レーザ光は、光学ファイバなどの光伝送部235を通じて、光学部品から構成される受信プローブ233に送られる。受信プローブ233から映像化対象1に受信レーザ光が照射される。この照射されたスポットが超音波受信器212に相当するので以下この部分も超音波受信器212と称する。映像化対象1の表面で反射した受信レーザ光の反射・散乱光は、受信プローブ233で集光され、光伝送部235を通じて、レーザ超音波受信装置236のレーザ干渉計236bに入射される。
この際、レーザスキャン機構234を用いて受信プローブ233を移動させることにより、超音波受信器212の位置を変化させることができる。レーザ干渉計236bによる干渉計測によって電気信号に変換された超音波信号は、信号収録部111(図1)に送られる。
超音波励起用レーザおよびレーザ超音波受信装置の受信用レーザの光源は、たとえば、ネオジム:YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エリジウム:YAGレーザ、チタンサファイアレーザ、アレキサンドライトレーザ、ルビーレーザ、色素(ダイ)レーザおよびエキシマレーザなどを使用できる。また、超音波励起用レーザおよびレーザ超音波受信装置の受信用レーザの光源は、連続波またはパルス波であり、1台だけでなく複数台で構成してもよい。複数台から構成する場合には、超音波を計測するために必要な他の機能部分も必要に応じて複数台使用する。
レーザ干渉計としては、たとえばマイケルソン干渉計、ホモダイン干渉計、ヘテロダイン干渉計、フィゾー干渉計、マッハツェンダー干渉計、ファブリ・ペロー干渉計およびフォトリフラクティブ干渉計等が使用できる。また干渉計測以外の方法として、ナイフエッジ法も考えられる。いずれの干渉計も、複数台を使用する場合もある。
以上のように、超音波の送受信用にレーザを利用するレーザ超音波法を適用することもできる。
図7は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の全体の手順を示すフロー図である。
まず、前述のように、入力部130から映像化領域10に関する基本的な条件の指定内容を入力すると、映像化領域設定部121が映像化領域10の詳細な設定を行い、メッシュ分割部122が映像化領域10のメッシュ分割を行う(ステップS100)。
次に、入力部130は、媒体2の温度分布条件に基づく映像化領域10中の各メッシュの温度を読み込む(ステップS200)。入力部130により読み込まれた各メッシュの温度は、演算結果等記憶部112に記憶される。
次に、伝搬速度付加部123は、演算結果等記憶部112に記憶されている各メッシュの温度を順次読み出し、伝搬速度付加部123が有する超音波の媒体中における伝搬速度の温度依存特性データに基づいて各メッシュにおける伝搬速度であるメッシュ伝搬速度を導出し伝搬速度テーブル123aを作成する(ステップS300)。作成された伝搬速度テーブル123aは、演算結果記憶部112に記憶される。
次に、伝搬時間算出部124は、超音波送信器211の位置と超音波受信器212の位置の組み合わせごとの伝搬時間テーブル124aを作成する(ステップS400)。作成された伝搬時間テーブル124aは、演算結果記憶部112に記憶される。
次に、強度割り付け部125は、超音波送信器211の位置と超音波受信器212の位置の組み合わせごとの強度データテーブル125aを作成する(ステップS500)。作成された強度データテーブル125aは、演算結果等記憶部112に記憶される。
次に、強度合成部126は、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の全組み合わせにつき、各メッシュに割り付けられた信号強度を合成する(ステップS600)。すなわち、それぞれの強度データテーブル125aの各メッシュへの割り付け値を積算し、合成強度データを算出する。
次に、形状抽出部127は、形状抽出を行う(ステップS700)。すなわち、ステップS600において算出したメッシュごとの合成強度データの分布に基づいて、超音波反射源3の形状、すなわち、超音波反射源3の媒体2との境界の形状をさらに明確にする。この結果は、演算結果等記憶部112に記憶されるとともに、表示部140により表示される(ステップS800)。
図8は、伝搬時間テーブルの作成ステップの詳細を示すフロー図である。以下に、図8で示された伝搬時間テーブルの作成ステップS400の詳細な手順を説明する。
まず、信号収録部111に収納されているそれぞれの受信信号データについて、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせを選定する(ステップS410)。次に、映像化領域10内のメッシュ分割されたメッシュの中から、合計伝搬時間算出の対象とする対象メッシュを選定する(ステップS420)。
次に、ステップS420で選定された対象メッシュ2a(図10)について、設定された超音波送信器211の位置から対象メッシュ2aの位置を経由して超音波受信器212の位置までに至る経路の合計伝搬時間を算出する(ステップS430)。算出された合計伝搬時間は、対象メッシュ2aに対応した伝搬時間データとして演算結果等記憶部112に順次記憶される。この合計伝搬時間の算出については、図9の説明において詳細に述べる。
次に、伝搬時間算出部124は、映像化領域10内のメッシュ分割された全てのメッシュを対象メッシュ2aとして、合計伝搬時間データの算出が完了したか否かを判定する(ステップS440)。
全てのメッシュについて完了したと判定されなかった場合(ステップS440 NO)には、次の対象メッシュ2aを選定(ステップS420)し、ステップS440までを繰り返す。
全てのメッシュについて完了したと判定された場合(ステップS440 YES)には、演算結果等記憶部112に記憶された各メッシュに対応する合計伝搬時間データは、ステップS410で選定された超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の1つの組み合わせについての伝搬時間テーブル124aとして完成する。この伝搬時間テーブル124aは、演算結果等記憶部112に記憶される。
次に、伝搬時間算出部124は、信号収録部111に記憶された受信信号データの中の、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の全ての組み合わせについて、伝搬時間テーブル124aの作成が完了したか否かを判定する(ステップS450)。全ての組み合わせについて伝搬時間テーブル124aの作成が完了したと判定されなかった場合(ステップS450 NO)には、ステップS410に戻り、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の次の組み合わせを選定した上で、ステップS450までを繰り返す。
全ての組み合わせについて伝搬時間テーブル124aの作成が完了したと判定された場合(ステップS450 YES)には、伝搬時間テーブルの作成ステップS400は終了し、次のステップS500に進む。
図9は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順の伝搬時間テーブルの作成ステップS400のうち経路の合計伝搬時間の算出ステップS430の詳細を示すフロー図である。以下、経路の合計伝搬時間の算出ステップS430の詳細を説明する。
経路の合計伝搬時間の算出ステップS430では、まず、超音波送信器211から対象メッシュ2aまでの経路、および対象メッシュ2aから超音波受信器212までの経路をそれぞれ複数の分割経路に分割する(ステップS431)。
図10は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順の伝搬時間テーブルの作成ステップS400のうち分割経路への分割ステップS431の内容を説明するメッシュ図である。
映像化領域10の内部に温度分布がある場合は、厳密にいえば温度の異なる領域間では超音波は屈折することになる。しかしながら、屈折角度が極端に大きくなければ、合計伝搬時間を算出するという観点からは、たとえば、超音波送信器211から対象メッシュ2aまでの経路、および対象メッシュ2aから超音波受信器212までの経路は、直線的であると仮定しても、実質上、誤差は十分に小さい。したがって、超音波送信器211から対象メッシュ2aまでの経路、および対象メッシュ2aから超音波受信器212までの経路は、以下、直線的であると仮定する。なお、必要に応じて、屈折した状態として、以下を実施してもよい。
伝搬時間算出部124は、まず、伝搬経路を、所定の経路分割幅ΔLごとの複数の分割経路に分割する。経路分割幅ΔLは、媒体2内の温度分布の程度により設定すればよい。たとえば、温度分布が比較的大きな場合は、経路分割幅ΔLはメッシュ分割の幅ΔX、ΔY、ΔZとほぼ同程度の長さにする。逆に温度分布がほとんどない場合は、経路分割幅ΔLは、比較的長くとってよい。なお、たとえば、往路で超音波送信器211の送信面から経路分割幅ΔLで順次分割していった場合に、最後の分割経路の長さは通常経路分割幅ΔLより小さくなるが、特に問題はなく、経路分割幅ΔLの分割経路と同様に扱ってよい。なお、分割経路幅は、それぞれの分割経路で異なっていてもよい。
次に、伝搬時間算出部124は、それぞれの分割経路に対応させるメッシュを決定する(ステップS432)。具体的には、各分割経路の中央が属するメッシュを、分割経路に対応させるメッシュとする。なお、中央に限定しない。たとえば、端部でもよい。
図10に示すような2次元平面での映像化領域10内において映像化領域の端点10aからみてX軸方向に順にX1、X2、X3等とし、Z軸方向に順にZ1、Z2、Z3等とした上で、各メッシュの位置を位置(Xi、Zj)のように表すものとする。今、たとえば、対象メッシュ2aを、図10に示すように位置(X7、Z7)のメッシュとする。
超音波送信器211から送信された超音波の往路は、まず、位置(X6、Z1)のメッシュに入り、位置(X6、Z1)のメッシュから位置(X7、Z7)のメッシュまでの経路である。また、超音波受信器212で受信する超音波は最終的に位置(X13、Z1)のメッシュに到達したものなので、復路は、位置(X7、Z7)の対象メッシュ2aから位置(X13、Z1)のメッシュまでの経路である。
ここで、図10に示すように、各分割幅の中点の属するメッシュを特定する。たとえば、1番目の分割径路の中点M1の属するメッシュは位置(X6、Z1)のメッシュであり、2番目の分割径路の中点M2の属するメッシュは位置(X6、Z3)のメッシュである。
次に、伝搬時間算出部124は、各分割経路についての伝搬速度の決定と分割経路伝搬時間の算出を行う(ステップS433)。
たとえば対象メッシュ2aの位置を(Xi、Zj)とし、k番目の分割経路kの分割経路長さをΔLkとする。伝搬時間算出部124は、伝搬速度付加部123が作成し演算結果記憶部112に記憶された伝搬速度テーブル123aを読み出す。伝搬速度テーブル123aから、分割経路kの分割幅の中点の属するメッシュのメッシュ伝搬速度Vkを求め、メッシュ伝搬速度Vkから各分割経路の分割経路伝搬時間Δtijkを算出する。分割経路kの分割経路伝搬時間Δtijkは次の式(2)により与えられる。
Δtijk=ΔLk/Vk ・・・(2)
次に、伝搬時間算出部124は、分割経路伝搬時間の積算および積算された合計伝搬時間の対象メッシュへの割り付けを行う(ステップS434)。
具体的には、先ず、次の式(3)により往路の分割経路および復路の分割経路の全てについての分割経路伝搬時間Δijkを積算し、対象メッシュ2a(Xi、Zj)についての合計伝搬時間tijを算出する。
tij=ΣΔtijk ・・・(3)
ただし、式(3)においてのΣは、往路の分割経路および復路の分割経路kの全てについての和であることを示す。
このようにして算出された合計伝搬時間tijは、超音波送信器211から発信された超音波の反射位置が対象メッシュ2aである場合の、超音波送信器211から発信され対象メッシュ2aで反射され超音波受信器212で受信するまでの時間を意味する。
位置(Xi、Zj)の対象メッシュ2aについての算出された合計伝搬時間tijは、演算結果等記憶部112に記憶される。合計伝搬時間tijは、演算結果等記憶部112に記憶される伝搬時間テーブル124aを構成するデータとなる。
図11は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち伝搬時間テーブルの作成ステップS500により作成された伝搬時間テーブルの例を示す図である。超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせについては、音波送信器211から送信される超音波が最初に通過するメッシュの位置(X6、Z1)と、超音波受信器212に受信される超音波が最後に通過するメッシュの位置(X13、Z1)の組み合わせを表記している。すなわち、伝搬時間テーブル124aの表題として、[送信メッシュ(X6、Z1)、受信メッシュ(X13、Z1)]と表記している。表題は、超音波の送信された位置と超音波の受信された位置の組み合わせが特定できれば、他の形式でもよい。
伝搬時間テーブル124aは、映像化領域10のメッシュに対応した行列であり、行列の第ij要素のデータの値が、メッシュの位置(Xi、Zj)の対象メッシュ2aについての合計伝搬時間tijとなっている。
次に、ステップS500として、以上の伝搬時間テーブルの作成ステップの次のステップとしては、前述のように、強度割り付け部125が、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせごとに、強度データテーブルを作成する。伝搬時間テーブルを演算結果等記憶部112から読み出し、各メッシュに対応する合計伝搬時間の値に基づいて、受信波形からその合計伝搬時間に対応する時点の強度データを抽出し、各メッシュに割り当てる。このようにして、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせごとの強度データテーブル125aを作成する。
図12は、強度データテーブル作成ステップを説明する等合計伝搬時間曲線の例を示す図である。なお、映像化領域10についてのメッシュの表示は省略している。
超音波送信器211がm番目の送信位置、超音波受信器212がn番目の受信位置としている。今、m番目の位置から点P1に到達し点P1からn番目の位置に至る超音波を考え、この場合の往路の長さをUt1、復路の長さをUr1とする。また、往路の長さUt1と復路の長さUr1の合計、すなわち点P1を経由する経路の長さをU1とする。また、m番目の位置から点P2に到達し点P2からn番目の位置に至る超音波を考え、この場合の往路の長さをUt2、復路の長さをUr2とし、これらの合計をU2とする。
今、U2がU1と等しい場合、点P1と点P2とは、m番目の位置およびn番目の位置を焦点とする同じ楕円E3上に存在することになる。なお、3次元の場合は、m番目の位置およびn番目の位置を焦点とする同じ楕円体上に存在することになるが、説明の便宜上、以下、2次元として説明する。
このように、m番目の位置およびn番目の位置とする楕円は、m番目の位置から送信されn番目の位置で受信される超音波の経路の長さを一定とする等伝搬距離曲線となる。なお、3次元の場合は、等伝搬距離曲面である。
今、映像化領域10内が一定の温度分布であれば、等合計伝搬時間曲線は、等伝搬距離曲線と同様に、m番目の位置およびn番目の位置を焦点とする楕円となる。一方、映像化領域10内に温度分布がある場合は、等合計伝搬時間曲線は、楕円曲線そのものではなく、ステップS400の伝搬時間テーブル作成ステップで作成された伝搬時間テーブル124aに基づいて作成されたものとなる。
図12では、m番目の位置およびn番目の位置を焦点とする等合計伝搬時間曲線E1、等合計伝搬時間曲線E2、等合計伝搬時間曲線E3、および等合計伝搬時間曲線E4のそれぞれを示している。それぞれの合計伝搬時間を、t1、t2、t3およびt4とすると、次の式(4)に示すように、点mおよび点nから遠ざかる等合計伝搬時間曲線ほど、合計伝搬時間が長くなる。
t1<t2<t3<t4 ・・・(4)
図13は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち強度データテーブル作成ステップの内容を説明する受信波形の例を示すグラフである。図12に示すm番目の位置から送信されn番目の位置で受信される超音波の受信波形の例を示す。横軸は時刻t、縦軸は、超音波受信器212で受信する超音波の信号強度Aを示す。時刻t1、t2、t3およびt4における信号強度Aはそれぞれ、A1、A2、A3およびA4となっている。
横軸の時間tの値が0の時点は、超音波送信器211から超音波を送信した時点である。したがって、時刻t1、t2、t3およびt4はそれぞれ、合計伝搬時間がt1、t2、t3およびt4の場合に相当する。たとえば、図12中のm番目の位置から送信され点P1、点P2などを含む等合計伝搬時間曲線E3上の点で方向を変えた後にn番目の位置に至る場合の超音波を、超音波受信器212が受信するのは、時刻t3の時点である。すなわち、合計伝搬時間がt3の場合に対応するのは信号強度A3である。同様に、合計伝搬時間がt1、t2、およびt4の場合に対応するのは、それぞれ、信号強度A1、A2、およびA4である。
強度割り付け部125は、ステップS400で得られた伝搬時間テーブル124aを演算結果等記憶部112から読み出し、また、m番目の位置から送信されn番目の位置で受信される超音波の受信波形を信号収録部111から読み出す。強度割り付け部125は、伝搬時間テーブル124aから対象とするメッシュの合計伝搬時間tiを読み取り、受信波形から、合計伝搬時間tiに対応する時刻tiの信号強度Aiを得て、対象とするメッシュにこの信号強度Aiを割り付ける。これを映像化領域10内の全てのメッシュについて行う。この結果、強度データテーブル125aが完成する。
なお、目的とする超音波反射源のおおよその場所が予め判明している場合は、全てのメッシュについてではなく、その場所を含めて必要な範囲のメッシュのみについての強度データテーブルとしてもよい。
このように、強度割り付け部125は、送信点であるm番目の位置と受信点であるn番目の位置の組み合わせごとに、それぞれ1つの強度データテーブル125aを作成する。
図14は、受信波形に基づく信号強度の各メッシュへの割り付けデータ作成ステップにより作成される強度データテーブルの例を示す図である。
強度データテーブル125aにおいても、送信点であるm番目の位置および受信点であるn番目の位置の組み合わせを表題としている。ここでは、図11に示した伝搬時間テーブル124aと同様に、超音波送信器211から送信される超音波が最初に通過するメッシュの位置(Xm、Z1)と、超音波受信器212に受信される超音波が最後に通過するメッシュの位置(Xn、Z3)の組み合わせを[送信メッシュ(Xm、Z1)、受信メッシュ(Xn、Z1)]と表記している。
各メッシュには、強度割り付け部125により信号強度が割り付けられている。図14では、(Xi、Zj)のメッシュに、Aij mnの値が割り付けられている。ここで、iおよびjはメッシュの座標、mおよびnは送信点および受信点の位置の番号を示している。
各メッシュに信号強度Aij mnが割り付けられた結果は、強度データテーブル125aとして、演算結果等記憶部112に記憶される。
図15は、第1の実施形態に係る超音波映像化方法の手順のうち超音波送信器、受信器の位置の全組み合わせについての信号強度の合成ステップS600の内容を説明する図である。超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置の組み合わせとして、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置が、m番目の位置とn1番目の位置、m番目の位置とn2番目の位置、およびm番目の位置とn3番目の位置の3つ組み合わせのそれぞれにおいて、対象メッシュ2aに相当する点Bを経由する場合の例を示している。
今、点Bに注目して、超音波送信器211の位置および超音波受信器212の位置が、m番目の位置とn1番目の位置の第1のケース、m番目の位置とn2番目の位置の第2のケース、およびm番目の位置とn3番目の位置の第3のケースの、点Bを含む等合計伝搬時間曲線をそれぞれE1、E2、およびE3とし、それぞれの場合の超音波の合計伝搬時間をt1、t2、およびt3とする。
図16は、各ケースの受信波形の例を示す図である。横軸は、時刻tを示す。時刻tが0は、超音波送信器211から超音波が送信された時点を示す。したがって、たとえば時刻t1は合計伝搬時間t1に対応する。縦軸は、受信信号の大きさ、すなわち信号強度Aを示す。
図16の上から、超音波の送信位置がm番目の位置かつ受信位置がn1番目の位置の第1のケースの受信信号データD1、超音波の送信位置がm番目の位置かつ受信位置がn2番目の位置の第2のケースの受信信号データD2、および超音波の送信位置がm番目の位置かつ受信位置がn3番目の位置の第3のケースの受信信号データD3を示す。これらの3つのケースの合計伝搬時間は、図15の説明で述べたように、それぞれt1、t2、およびt3である。
図16に示すように、第1のケースでの受信信号データD1の時刻t1における信号強度はA1、第2のケースでの受信信号データD2の時刻t2における信号強度はA2、および第3のケースでの受信信号データD3の時刻t3における信号強度はA3である。これらの値はそれぞれ、各ケースの強度データテーブル125a中の同じ対象メッシュ2aに割り付けられた値である。各ケースの強度データテーブル125aは、前述のように、強度割り付け部125により算出されて演算結果等記憶部112に記憶されている。
なお、図15、図16では、超音波の送信位置は1つで超音波の受信位置が3つのケースを例として示したが、これに限定されない。たとえば、超音波の送信位置が複数で超音波の受信位置が1つの場合でもよい。あるいは、超音波の送信位置も超音波の受信位置のいずれも複数同士の組み合わせでもよい。
図17は、超音波送信器、受信器の位置の全組み合わせについての信号強度の合成ステップで演算された結果の例を示す図である。映像化領域10内の濃淡は合成された強度を示し、濃度が高いほど、合成された信号強度の値が大きいことを示している。
強度合成部126によって、各ケースの信号強度が合成される際に、本来の信号は積算されるが、ホワイトノイズに近いノイズ成分は、互いに相殺されて本来の信号に比べて積算される程度が低い。このため、各ケースの強度データテーブル125a内の各メッシュの数値が積算されることによって、本来の信号についてのSN比が大きくなる。この結果、各ケース単独の場合に比べて、超音波反射源3と媒体2との境界などの媒体2内部の形状がより鮮明となった画像が得られる。強度合成部126による演算結果は、演算結果等記憶部112に記憶される。
なお、この段階で、表示部140は、強度合成部126による演算結果を、超音波反射源3の形状の映像化用データとして用い、超音波反射源3の形状の映像として表示してもよい。
図18は、形状抽出ステップの内容を説明するグラフである。横軸はZ軸方向の位置、縦軸は合成強度Aである。なお、縦軸は図17に示された濃度を示す指標の値でもよい。図18では、合成強度Aのピークが生じている近傍をZ軸方向に拡大している。
形状抽出部127は、強度合成部126で演算した強度データの合成結果を演算結果等記憶部112から読み出して、これに基づいて、超音波反射源3と媒体2との境界をさらに詳細に導き出し、超音波反射源3の形状を明確にする。
具体的には、たとえば、図17に示すように、映像化領域10における合成強度を、X=xの位置で切り取ると、図18に示すような、Zが0からZ0に変化するときの合成強度Aの変化が得られる。この図18に基づいて、超音波反射源3と媒体2との境界とみなすべきZの値を決定する。以下に、境界とみなすべきZの値の決定のための方法の例を説明するが、これらに限定されない。いずれの方法が適切であるかは、既知の超音波反射源3を用いて確認することができる。また、確認結果に基づいて、より適切な方法に変更することでもよい。
Zの値を決定する第1の方法は、ピーク値Amを与えるZmを求め、このZmを境界とみなす方法である。
Zの値を決定する第2の方法は、ピーク値Amの半分の値Am/2を与える2つのZであるZ1およびZ2を求め、このZ1およびZ2の平均値を境界とみなす方法である。
Zの値を決定する第3の方法は、あるしきい値Athを設定し、最初にこのしきい値Athを横切る時点のZthを境界とみなす方法である。
以上のような方法で、xを変化させながら、各xにおいて境界を与えるとみなされるZを求めることにより、超音波反射源3と媒体2との境界とみなされる曲線を得ることができる。なお、3次元の場合も、この方法を拡張することにより、1つの境界面を得ることができる。
形状抽出部127によってさらに詳細に導き出された超音波反射源3と媒体2との境界の形状は、演算結果等記憶部112に記憶される。また、表示部140は、形状抽出部127による演算結果を、超音波反射源3の形状の映像化用データとして用い、超音波反射源3の形状の映像として表示する。
図19は、本実施形態に係る超音波映像化方法において超音波送信器および超音波受信器を複数個所に移動しての計測の例を説明する図である。図19で示す体系の例では、固体の媒体2の中に、液体状の超音波反射源3が存在している。X軸上の数値は、mm単位での位置を表しており、超音波反射源3の中心を原点としている。
この例では、媒体2と超音波反射源3の界面が、下方、すなわち固体の媒体2側に凸な形状である。このような場合、この界面に入射する超音波の角度によっては、うまく反射されずに界面の形状全体の把握がうまくいかない場合がある。
したがって、界面の形状全体を効率よく捉えるために、複数方向から計測している。すなわち、超音波受信器212の位置を固定しながら、超音波送信器211をある領域内でX軸方向に1mmピッチで移動する。これを、超音波受信器212位置が(a)に示すn1(X=−7.5mm)、(b)に示すn2(X=0mm)、および(c)に示すn3(X=+7.5mm)の場合について行っている。
具体的には、1つ目の受信点n1に対して、送信点が、X=−20mm〜−10mm、−5mm〜+10mmの範囲の27か所、2つ目の受信点n2に対して、送信点が、X=−10mm〜−5mm、+5mm〜+10mmの範囲の10か所、および3つ目の受信点n3に対して、送信点が、X=−10mm〜+5mm、+10mm〜+20mmの範囲の27か所で計測を行った。
この結果、超音波受信器212位置がn1の場合には、(a)に示すように、媒体2と超音波反射源3の界面の左側(X軸の負の方向)および中央の部分の形状が検出されている。超音波受信器212位置がn2の場合には、(b)に示すように、界面の中央からみて中央付近の両側の部分の形状が検出されている。また、超音波受信器212位置がn3の場合には、(c)に示すように、媒体2と超音波反射源3の界面の右側(X軸の正の方向)および中央の部分の形状が検出されている。
このように、界面が検出される範囲が受信点の位置により異なるが、3枚の画像を重ね合わせることによって、界面全体の検出が可能となる。
なお、たとえば、(a)に示すケースの計測結果の数が、(b)および(c)にそれぞれ示すケースの計測結果の数に比べて圧倒的に多い場合、全ケースについての強度データテーブルを重ね合わせると、(a)に示すケースで検出されている部分の合成強度が圧倒的に大きくなり、他の部分の形状把握が十分にできない可能性があるという問題が生ずる。このような場合は、全ての強度データテーブルの中から必要に応じて選択した複数の強度データテーブルを使用することが適切である。
図20は、本実施形態に係る超音波映像化方法を金属の溶融池の検出に適用した例を示す概念図である。具体的には、金属4の上面に溶接トーチを近づけ、金属表面から熱Qを加えた結果、金属4の上面の一部に溶融池4aが形成された場合の状態を検出するものである。
この場合、溶融池4aが最も高温で、金属4の固体部分の内部では、溶融池4aから離れるに従って金属4の温度が、図のように、T1ないしT6のように下がっていくような温度分布のついた体系となる。このように、同じ物質で相の異なる2種類が存在する場合の溶融池4aと金属4の固体部分との界面の形状を高精度で映像化することができる。
図21は、本実施形態に係る超音波映像化方法を液体中の物体の検出に適用した例を示す概念図である。液体5中に固体の検出対象7が存在する場合である。たとえば、不透明な液体中の異物の形状を確認するなど、液体とこれと異なる物質の固体とが存在する場合の、液体5と検出対象7の界面の形状を高精度で映像化することができる。
図22は、本実施形態に係る超音波映像化方法を層状に存在する物体の検出に適用した例を示す概念図である。すなわち、基本物質6中に、たとえば、層状に複数の検出対象7a、7b、7cが存在する場合である。基本物質6および検出対象7a、7b、7cがいずれもたとえば固体である場合、あるいは液体である場合であっても、検出対象7a、7b、7cのそれぞれと基本物質6との界面で超音波が反射するような場合の、それぞれの界面の形状を高精度で映像化することができる。
以上のように、本実施形態によれば、媒体と媒体内の映像化対象の種々の組み合わせについて、媒体と媒体内の映像化対象との境界を含めた媒体内の映像化対象の形状を、高精度で映像化することができる。
[第2の実施形態]
図23は、第2の実施形態に係る超音波検出装置および超音波映像化装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は第1の実施形態の変形である。本第2の実施形態においては、超音波映像化装置100において、演算部120が、温度分布設定部128を有する。また、超音波検出装置200は、温度センサ240を有する。これ以外では第1の実施形態と同様である。
温度センサ240は、映像化対象1の代表的な複数個所の温度と、映像化対象1が置かれている雰囲気の温度を計測する。温度センサ240は、たとえば、熱電対あるいは測温抵抗体などである。温度センサ240の出力は、メモリ110の信号収録器111に入力され、記憶される。映像化対象1の温度が時間的に変化する場合には、温度センサ240の出力は、サンプリング間隔ごとに信号収録器111に入力される。
温度分布設定部128は、温度分布解析ツールを有し、映像化対象1内の温度分布を算出する。なお、温度分布解析ツールをメモリ110等に記憶させ、温度分布設定部128は、メモリ110から温度分布解析ツールの必要部分を読み出して使用することでもよい。
入力部130には、温度分布解析条件、すなわち映像化対象1に関する物性値、形状および寸法など、温度分布解析を行う上で必要な条件に関する情報が、外部から入力される。温度分布設定部128は、この温度分布解析条件を受け入れて、映像化対象1をモデル化し、解析条件として用いる。
また、温度分布設定部128は、信号収録器111から温度センサ240からの出力を読み出して、境界条件として用いる。あるいは、温度センサ240からの出力を、解析内容の修正、具体的には、解析モデルの修正のために用いてもよい。
図24は、第2の実施形態に係る超音波映像化方法の全体の手順を示すフロー図である。本実施形態の超音波映像化方法においては、第1の実施形態におけるステップS200に代えて、ステップS210となっている。
ステップS210では、温度分布設定部128が、媒体2中の各メッシュの温度を算出し、設定する。この結果に基づいて、伝搬速度付加部123が、各メッシュの音速を設定する(ステップS300)。
本実施形態では、映像化対象1の温度分布を模擬できる。このため、特に、温度分布が変化するような体系の映像化対象1において、温度分布を正確に把握し、温度分布を考慮して、媒体2と媒体内の映像化対象1との境界などの媒体2内の映像化対象1の形状を、高精度で映像化することができる。
また、第1の実施形態では、各メッシュの温度を外部入力により指定するのに対して、温度分布設定部128が各メッシュの温度を算出し設定するので、入力ミス等の可能性を排除でき、また、超音波探傷にあたるメンバーの負担の軽減を図ることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…映像化対象、2…媒体、2a…対象メッシュ、3…超音波反射源、4…金属、4a…溶融池、5…液体、6…基本物質、7、7a、7b、7c…検出対象、10…映像化領域、10a…端点、100…超音波映像化装置、110…メモリ、111…信号収録部、112…演算結果等記憶部、120…演算部、121…映像化領域設定部、122…メッシュ分割部、123…伝搬速度付加部、123a…伝搬速度テーブル、124…伝搬時間算出部、124a…伝搬時間テーブル、125…強度割り付け部、125a…強度データテーブル、126…強度合成部、127…形状抽出部、128…温度分布設定部、130…入力部、140…表示部、150…制御部、200…超音波検出装置、210…送受信部、211…超音波送信器、212…超音波受信器、220…超音波アレイプローブ、221…超音波プローブ、222…筐体、230…レーザ方式送受信装置、231…超音波励起用レーザ装置、232…レーザスキャン装置、233…受信プローブ、234…スキャン機構、235…光伝送部、236…レーザ超音波受信装置、236a…受信レーザ発信機、236b…レーザ干渉計、240…温度センサ

Claims (8)

  1. 超音波送信器から媒体内に発信されて超音波反射源で反射した超音波を超音波受信器で受信し受信信号として記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶された前記受信信号に基づいて前記超音波反射源の形状の映像化用データを生成する演算部と、
    前記演算部で演算した前記映像化用データに基づいて前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記演算部は、
    前記媒体内の映像化領域内をメッシュに分割するメッシュ分割部と、
    前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度をそれぞれ決定する伝搬速度付加部と、
    前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて前記超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間算出部と、
    前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記メッシュのそれぞれに割り当てた強度データテーブルを作成する強度割り付け部と、
    前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の複数の組み合わせについて、前記強度データテーブルを合成して合成強度を算出する強度合成部と、
    を有することを特徴とする超音波映像化装置。
  2. 前記強度合成部により合成された合成強度に基づいて、前記超音波反射源の位置を算出する形状抽出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の超音波映像化装置。
  3. 前記媒体の一部についての温度測定結果に基づいて、前記媒体の温度分布を解析し前記メッシュのそれぞれの温度を設定する温度分布設定部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波映像化装置。
  4. 媒体内に超音波を発する超音波送信器と、
    前記超音波が超音波反射源で反射した反射波を受信する超音波受信器と、
    前記超音波受信器で受信する受信信号を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶された前記受信信号に基づいて前記超音波反射源の形状の映像化用データを生成する演算部と、
    前記演算部で演算した前記映像化用データに基づいて前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記演算部は、
    前記媒体内の映像化領域内の前記媒体をメッシュに分割するメッシュ分割部と、
    前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度をそれぞれ決定する伝搬速度付加部と、
    前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて前記超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間算出部と、
    前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記メッシュのそれぞれに割り当てた強度データテーブルを作成する強度割り付け部と、
    前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の複数の組み合わせについて、前記強度データテーブルを合成して合成強度を算出する強度合成部と、
    を有することを特徴とする超音波検出装置。
  5. 超音波受信器が、媒体内に発信された超音波が超音波反射源で反射した反射波を受信信号として受信する超音波受信ステップと、
    映像化領域設定部が、媒体内に映像化領域を設定して前記映像化領域内をメッシュに分割する映像化領域設定ステップと、
    伝搬速度付加部が、前記媒体中の温度分布に基づいて前記メッシュのそれぞれについての前記超音波の伝搬速度であるメッシュ伝搬速度を決定する伝搬速度設定ステップと、
    伝搬時間算出部が、前記メッシュのそれぞれについて前記メッシュ伝搬速度に基づいて超音波送信器から当該メッシュを経て前記超音波受信器に至る前記超音波の合計伝搬時間を前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに定めた伝搬時間テーブルを作成する伝搬時間テーブル作成ステップと、
    強度割り付け部が、前記超音波送信器の位置および前記超音波受信器の位置の組み合わせごとに、前記受信信号に含まれるそれぞれの受信強度を、当該受信強度が得られた時間を前記伝搬時間テーブルに定められた前記合計伝搬時間に対応させて前記各メッシュのそれぞれに割り当てて強度データテーブルを作成する強度データテーブル作成ステップと、
    強度合成部が、前記超音波送信器位置および前記超音波受信器位置の複数の組み合わせについて、前記強度データを合成して合成強度を算出する強度データ合成ステップと、
    表示部が、前記合成強度から、前記超音波反射源の形状の映像を表示する表示ステップと、
    を有することを特徴とする超音波映像化方法。
  6. 前記強度データ合成ステップの後でかつ前記表示ステップの前に、形状抽出部が、前記超音波反射源の位置を導出する形状抽出ステップをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の超音波映像化方法。
  7. 前記伝搬時間テーブル作成ステップは、前記メッシュのそれぞれの対象メッシュについて、
    伝搬速度付加部が、前記超音波送信器から当該対象メッシュまでの経路および当該対象メッシュから前記超音波受信器までの経路をそれぞれ所定の分割長さで複数の分割径路に分割する分割ステップと、
    伝搬速度付加部が、分割された各分割径路に対応するメッシュを決定する対応メッシュ決定ステップと、
    伝搬時間算出部が、各分割径路と、決定された各分割径路に対応する対応メッシュに収納された前記メッシュ伝搬速度とをから、各分割径路の伝搬時間である分割経路伝搬時間を算出する分割径路伝搬時間算出ステップと、
    伝搬時間算出部が、前記分割径路伝搬時間を積算し、積算された伝搬時間を前記合計伝搬時間として対象メッシュへ割り付ける伝搬時間算出割り付けステップと、
    を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の超音波映像化方法。
  8. 前記対応メッシュ決定ステップにおいては、前記各分割径路の中点が属するメッシュを当該分割径路に対応するメッシュと決定することを特徴とする請求項7に記載の超音波映像化方法。
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