JP2018119444A - レシプロケーティングエンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】単純な構造で信頼性に優れる圧縮比可変機構を備えるレシプロケーティングエンジンを提供する。【解決手段】コンロッド3、ピストン2、および圧縮比可変機構5を備えるレシプロケーティングエンジン1である。ピストンピン4は、ピストン2に支持される内側ピン40と、内側ピン40とコンロッド3の間に配置される外側スリーブ41と、を備える。内側ピン40の軸線を含むピストン2の縦断面において、内側ピン40の外周面および外側スリーブ41の外周面のうち、一方がピストン2の往復方向に直交する仮想平面に平行で、他方が仮想平面に対して傾斜している。圧縮比可変機構5は、外側スリーブ41と、外側スリーブ41を内側ピン40の軸方向に沿って移動させ、内側ピン40の軸方向の所定位置に外側スリーブ41を保持するスリーブ駆動装置50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、レシプロケーティングエンジンに関する。
レシプロケーティングエンジンは、ピストンの往復運動を、コンロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換する内燃機関である。コンロッドは、その一端に形成される環状のスモールエンドと、他端に形成される環状のビックエンドとを備える。スモールエンドは、ピストンピンを介してピストンに連結され、ビックエンドは、クランクシャフトのクランクピンに連結される。このレシプロケーティングエンジンにおける圧縮比は、エンジンの出力や燃費に影響を与える。そのため、従来から、必要に応じて圧縮比を変化させる構成が検討されている。
例えば、特許文献1には、ピストンを、ピストンピンが取り付けられるピストン基部と、ピストンヘッド(頂面)を有するピストン移動部とで構成し、磁力を用いた圧縮比可変機構(磁力調整機構)によってピストン基部に対するピストン移動部の位置を変化させる構成が開示されている。この構成では、磁力によってピストン基部に近い位置にピストン移動部が配置されることで、コンプレッションハイトが低くなり、圧縮比が小さくなる。一方、磁力によってピストン基部から遠い位置にピストン移動部が配置されることで、コンプレッションハイトが高くなり、圧縮比が大きくなる。
特許文献1を含む従来の圧縮比可変機構の構成は複雑で、コストを含めた生産性に課題がある。また、ピストンは、高圧・高温環境下にあるため、複雑な構成の圧縮比可変機構は故障し易く、信頼性の点でも課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、単純な構造で信頼性に優れる圧縮比可変機構を備えるレシプロケーティングエンジンを提供することにある。
本発明の一形態に係るレシプロケーティングエンジンは、
クランクシャフトに回動自在に取り付けられるコンロッドと、前記コンロッドの端部に設けられるピン挿通孔に挿通されるピストンピンを介して前記コンロッドに連結されるピストンと、前記ピストンのコンプレッションハイトを変化させる圧縮比可変機構と、を備えるレシプロケーティングエンジンであって、
前記ピストンピンは、前記ピストンに支持される内側ピンと、前記内側ピンの外周面に摺接する内周面および前記ピン挿通孔の内周面に摺接する外周面を備える外側スリーブと、を備え、
前記内側ピンの軸線を含む前記ピストンの縦断面において、前記内側ピンの外周面および前記外側スリーブの外周面のうち、一方が前記ピストンの往復方向に直交する仮想平面に平行で、他方が前記仮想平面に対して傾斜しており、
前記圧縮比可変機構は、前記外側スリーブと、前記外側スリーブを前記内側ピンの軸方向に沿って移動させ、前記内側ピンの軸方向の所定位置に前記外側スリーブを保持するスリーブ駆動装置と、を備える。
クランクシャフトに回動自在に取り付けられるコンロッドと、前記コンロッドの端部に設けられるピン挿通孔に挿通されるピストンピンを介して前記コンロッドに連結されるピストンと、前記ピストンのコンプレッションハイトを変化させる圧縮比可変機構と、を備えるレシプロケーティングエンジンであって、
前記ピストンピンは、前記ピストンに支持される内側ピンと、前記内側ピンの外周面に摺接する内周面および前記ピン挿通孔の内周面に摺接する外周面を備える外側スリーブと、を備え、
前記内側ピンの軸線を含む前記ピストンの縦断面において、前記内側ピンの外周面および前記外側スリーブの外周面のうち、一方が前記ピストンの往復方向に直交する仮想平面に平行で、他方が前記仮想平面に対して傾斜しており、
前記圧縮比可変機構は、前記外側スリーブと、前記外側スリーブを前記内側ピンの軸方向に沿って移動させ、前記内側ピンの軸方向の所定位置に前記外側スリーブを保持するスリーブ駆動装置と、を備える。
上記構成によれば、内側ピンの外部に外側スリーブを配置して、外側スリーブを内側ピンに対して移動させるという単純な構成で、コンプレッションハイトを可変とする、即ち圧縮比を可変とすることができる。特に、後述する実施形態2に示すように、内側ピンの外周面が仮想平面(ピストンの往復方向に直交する面)に平行な構成では、従来の形状のピストンをそのまま利用して、本発明のレシプロケーティングエンジンを作製することができる。
コンプレッションハイトを変化させるにあたり、外側スリーブを内側ピンの軸方向に移動させるだけで良いため、圧縮比可変機構の動作が確実で、その信頼性が高い。しかも、圧縮比を連続的に変化させることができるため、走行条件に応じた圧縮比の細かな調整が可能となる。
図2を参照する後述する変形例1に示すように、ピストンの往復方向に直交する方向に内側ピンの軸線を傾けることで、コンプレッションハイトの変化に伴い、ピンオフセット量も変化させることができる。
以下、本発明のレシプロケーティングエンジンの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1の一部縦断面図には、実施形態のレシプロケーティングエンジン1のうち、コンロッド3のスモールエンド3S側の一部と、当該スモールエンド3Sに設けられるピストン2が示されている。本例のレシプロケーティングエンジン1は、ピストン2のコンプレッションハイトを変化させることで、圧縮比を変化させる圧縮比可変機構5を備えることを特徴の一つとする。図示を省略しているコンロッド3のビックエンドは、クランクシャフトのクランクピンに連結される。クランクシャフトの軸線は図1の紙面左右方向に延びており、その軸線に直交する平面上をコンロッド3のビックエンドが回転する。以下、レシプロケーティングエンジン1の各構成を個別に説明する。
≪全体構成≫
図1の一部縦断面図には、実施形態のレシプロケーティングエンジン1のうち、コンロッド3のスモールエンド3S側の一部と、当該スモールエンド3Sに設けられるピストン2が示されている。本例のレシプロケーティングエンジン1は、ピストン2のコンプレッションハイトを変化させることで、圧縮比を変化させる圧縮比可変機構5を備えることを特徴の一つとする。図示を省略しているコンロッド3のビックエンドは、クランクシャフトのクランクピンに連結される。クランクシャフトの軸線は図1の紙面左右方向に延びており、その軸線に直交する平面上をコンロッド3のビックエンドが回転する。以下、レシプロケーティングエンジン1の各構成を個別に説明する。
≪ピストン≫
ピストン2は略円筒の部材で、圧縮面となる頂面20を備える。本例のピストン2の頂面20は、ピストン2の往復方向に直交する仮想平面と平行になっている。頂面20は、仮想平面に平行な面で無くても良く、例えば山型に盛り上がった形状でも良いし、中央部に窪みがある形状であっても良い。このピストン2には、ピストン2の径方向に延びるピン挿通孔2hが形成されている。本例のピン挿通孔2hは、頂面20に平行な仮想平面に対して傾斜しており、そのピン挿通孔2hには、後述するピストンピン4の一部を構成する内側ピン40が挿通され、固定されている。
ピストン2は略円筒の部材で、圧縮面となる頂面20を備える。本例のピストン2の頂面20は、ピストン2の往復方向に直交する仮想平面と平行になっている。頂面20は、仮想平面に平行な面で無くても良く、例えば山型に盛り上がった形状でも良いし、中央部に窪みがある形状であっても良い。このピストン2には、ピストン2の径方向に延びるピン挿通孔2hが形成されている。本例のピン挿通孔2hは、頂面20に平行な仮想平面に対して傾斜しており、そのピン挿通孔2hには、後述するピストンピン4の一部を構成する内側ピン40が挿通され、固定されている。
≪コンロッド≫
本例のコンロッド3は、ピストン2の往復方向に直交する仮想平面(頂面20から延長された二点鎖線を参照)に平行な軸線を有し、ピン挿通孔2hよりも大径のピン挿通孔3hを備える。また、本例のコンロッド3の内部には、油圧装置6に繋がる油路30,31が形成されている。油圧装置6と油路30,31は、後述する圧縮比可変機構5に備わるスリーブ駆動装置50を構成する。
本例のコンロッド3は、ピストン2の往復方向に直交する仮想平面(頂面20から延長された二点鎖線を参照)に平行な軸線を有し、ピン挿通孔2hよりも大径のピン挿通孔3hを備える。また、本例のコンロッド3の内部には、油圧装置6に繋がる油路30,31が形成されている。油圧装置6と油路30,31は、後述する圧縮比可変機構5に備わるスリーブ駆動装置50を構成する。
≪ピストンピン≫
本例のピストンピン4は、ピストン2のピン挿通孔2hに挿通される内側ピン40と、内側ピン40の外部に配置される外側スリーブ41と、を備える。本例の内側ピン40は、ピストン2のピン挿通孔2hに固定され、回動不能となっている。内側ピン40の外径は一様であり、内側ピン40が固定されるピン挿通孔2hは二点鎖線で示す仮想平面に対して傾斜しているため、内側ピン40の軸線および外周面は共に上記仮想平面に対して傾斜している。
本例のピストンピン4は、ピストン2のピン挿通孔2hに挿通される内側ピン40と、内側ピン40の外部に配置される外側スリーブ41と、を備える。本例の内側ピン40は、ピストン2のピン挿通孔2hに固定され、回動不能となっている。内側ピン40の外径は一様であり、内側ピン40が固定されるピン挿通孔2hは二点鎖線で示す仮想平面に対して傾斜しているため、内側ピン40の軸線および外周面は共に上記仮想平面に対して傾斜している。
一方、外側スリーブ41は、その内周面が内側ピン40の外周面に摺接し、外周面がコンロッド3のピン挿通孔3hの内周面に摺接するように構成されている。つまり、外側スリーブ41の外周面の軸線は、ピストン2の上記仮想平面に平行で、外側スリーブ41の内周面の軸線は、ピストン2の頂面20に対して傾いている。外側スリーブ41の軸方向長さ(外側スリーブ41の外周面の軸方向長さ)は、ピン挿通孔3hよりも短く、ピン挿通孔3hの軸方向の半分以上、特に半分超の長さとなっている。外側スリーブ41が短すぎないことで、外側スリーブ41を内側ピン40又はスモールエンド3Sに対して安定して摺接でき、後述するコンプレッションハイトの可変が行ない易い。そのため、外側スリーブ41は、ピン挿通孔3hの軸方向長さの範囲内で内側ピン40の軸方向に沿って移動可能となっている。この構成では、外側スリーブ41は、内側ピン40に対して回転することは無く、外側スリーブ41に対してコンロッド3のスモールエンド3Sが回転する。
≪圧縮比可変機構≫
本例の圧縮比可変機構5は、ピストンピン4の外側スリーブ41と、スリーブ駆動装置50とを備える。スリーブ駆動装置50は、外側スリーブ41を内側ピン40の軸方向に沿って移動させ、内側ピン40の軸方向の所定位置に外側スリーブ41を保持する装置であって、本例では油圧を用いた構成である。なお、スリーブ駆動装置50は、油圧を用いたものに限定されるわけではなく、例えば電磁気的に外側スリーブ41を移動させる構成であっても構わない。
本例の圧縮比可変機構5は、ピストンピン4の外側スリーブ41と、スリーブ駆動装置50とを備える。スリーブ駆動装置50は、外側スリーブ41を内側ピン40の軸方向に沿って移動させ、内側ピン40の軸方向の所定位置に外側スリーブ41を保持する装置であって、本例では油圧を用いた構成である。なお、スリーブ駆動装置50は、油圧を用いたものに限定されるわけではなく、例えば電磁気的に外側スリーブ41を移動させる構成であっても構わない。
本例のスリーブ駆動装置50は、コンロッド3に設けられる油路30,31と、油路30,31にオイルを送り出す油圧装置6とを備える。また、外側スリーブ41の外周面の両端部には、油圧を受ける切欠き部41x,41yが設けられている。切欠き部41x,41yは外側スリーブ41の軸方向に分断されており、それぞれが油路30,31の油圧を効率的に受けることができるように構成されている。具体的には、図1(B)に示すように、外側スリーブ41が左端に配置されたときには、切欠き部41xが、ピン挿通孔3hに面する油路30の開口に対向し、切欠き部41yは、油路31の開口からずれる。また、図1(A)に示すように、外側スリーブ41が右端に配置されたときには、切欠き部41yが油路31の開口に対向し、切欠き部41xは、油路30の開口からずれる。
上記構成を備える圧縮比可変機構5の油圧装置6によって、図1(A)に示すように、油路30に油圧をかけると、外側スリーブ41の外周面に形成される切欠き部41xを介してピン挿通孔3hにオイルが浸入し、そのオイルが外側スリーブ41を紙面右側に移動させる。本例の外側スリーブ41は、その軸方向の右端側における頂面20側の肉厚が、軸方向の左端側における頂面20側の肉厚よりも薄くなっているため、紙面右側に外側スリーブ41が移動することで、コンプレッションハイトは低くなり、圧縮比は小さくなる。
一方、図1(B)に示すように、油圧装置6によって油路31に油圧をかけると、切欠き部41yを介してピン挿通孔3hにオイルが浸入し、そのオイルが外側スリーブ41を紙面左側に移動させる。本例の外側スリーブ41は、その軸方向の左端側における頂面20側の肉厚が厚くなっているため、紙面左側に外側スリーブ41が移動することで、コンプレッションハイトは高くなり、圧縮比は大きくなる。コンプレッションハイトの差については、頂面20から延びる二点鎖線を参照のこと。
ここで、油路30,31にはオイルが満ち、外側スリーブ41はその軸方向の一端側と他端側の両方からオイルの圧力を受けている。そのため、外側スリーブ41は、図1(A)に示す右端と図1(B)に示す左端との間の位置に配置することも可能である。
外側スリーブ41の移動は、ピストン2が下死点付近にあるときに行なうことが好ましい。下死点ではピストン2の加速度がゼロとなるし、下死点の前後であってもピストン2の加速度が非常に小さくなり、ピストンピン4にかかる荷重もゼロもしくは非常に小さくなるからである。
≪効果≫
[1]内側ピン40の外部に外側スリーブ41を配置して、外側スリーブ41を内側ピン40に対して移動させるという単純な構成で、コンプレッションハイトを変化させることで、圧縮比を変化させることができる。例えば、高速走行などの高負荷時には圧縮比を下げてノッキングの発生を抑制し、低速走行などの低負荷時には圧縮比を上げて燃費の向上を図ることができる。
[1]内側ピン40の外部に外側スリーブ41を配置して、外側スリーブ41を内側ピン40に対して移動させるという単純な構成で、コンプレッションハイトを変化させることで、圧縮比を変化させることができる。例えば、高速走行などの高負荷時には圧縮比を下げてノッキングの発生を抑制し、低速走行などの低負荷時には圧縮比を上げて燃費の向上を図ることができる。
[2]コンプレッションハイトを変化させるにあたり、外側スリーブ41を内側ピン40の軸方向に移動させるだけで良いため、圧縮比可変機構5の動作が確実で、その信頼性が高い。しかも、圧縮比を連続的に変化させることができるため、走行条件に応じた圧縮比の細かな調整を行なうことができる。
<変形例1>
変形例1では、実施形態1の内側ピン40の軸線を、ピストン2の往復方向に直交する方向に傾けることで、コンプレッションハイトの変化に伴い、ピンオフセット量も変化させることができるレシプロケーティングエンジン1を図2に基づいて説明する。
変形例1では、実施形態1の内側ピン40の軸線を、ピストン2の往復方向に直交する方向に傾けることで、コンプレッションハイトの変化に伴い、ピンオフセット量も変化させることができるレシプロケーティングエンジン1を図2に基づいて説明する。
図2は、クランクシャフトの軸線9回りに回転するコンロッド3(図1)のビックエンドの中心の回転軌跡9Bを含む軌跡平面9BPを、図1(A),(B)を紙面左方向から垂直視したときの内側ピン40の傾きを示す図である。図2の実線で示す丸印は内側ピン40の左端面を示し、点線で示す丸印は内側ピン40の右端面を示す。黒点で示す左端面の中心と右端面の中心とを結ぶ直線が、内側ピン40の軸線となる。また、図2の紙面右側で上下方向に延びる両端矢印は、ピストンの往復方向である。
実施形態1では、図1(A),(B)に示すように、内側ピン40の軸線が、ピストン2の往復方向(図1の紙面上下方向)に傾くように、内側ピン40をピストン2に取り付けていた。これに対して、図2を参照する変形例では、内側ピン40の軸線がピストンの往復方向(両端矢印参照)に傾くだけでなく、往復方向と直交する方向(図2の左右方向)にも傾いている。そのため、内側ピン40に沿って外側スリーブ41を移動させれば、コンプレッションハイトの変化に伴い、ピンオフセット量も変化する。図2に示す構成では、コンプレッションハイトが低いときにピンオフセット量が大きくなり、コンプレッションハイトが高いときにピンオフセット量が小さくなる。つまり、圧縮比が高い低負荷時にピンオフセット量が小さくなるように構成されている。
低速時などの低負荷時にはロードノイズが小さいため、エンジン音が耳につき易い。これに対して、上述した本例の構成によれば、低負荷時にピンオフセット量を小さくすることで、ピストンとシリンダライナとのフリクションを低減し、スラップ音を減じて車両の静粛性を向上させることができるので、運転時の快適性を向上させることができる。また、ピンオフセット量を可変することで、ピストンスカートの特定領域のみが摩耗することを抑制できる。
なお、変形例1の構成は、後述する実施形態2,3にも適用することができる。
<実施形態2>
実施形態2では、内側ピン40の軸線を、ピストン2の頂面20に平行に配置したレシプロケーティングエンジン1の一例を図3に基づいて説明する。
実施形態2では、内側ピン40の軸線を、ピストン2の頂面20に平行に配置したレシプロケーティングエンジン1の一例を図3に基づいて説明する。
実施形態2のレシプロケーティングエンジン1は、ピン挿通孔2hと内側ピン40がピストン2の往復方向に直交する仮想平面(頂面20を延長した二点鎖線参照)に平行であること、外側スリーブ41の外周面が上記仮想平面に対して傾き、外側スリーブ41の内周面が上記仮想平面に平行であること以外は、実施形態1のレシプロケーティングエンジン1と同様の構成を備える。この構成では、内側ピン40に対して外側スリーブ41は回転するが、外側スリーブ41に対してコンロッド3のスモールエンド3Sは回転しない。つまり、本例の構成は、内側ピン40に対して、外側スリーブ41ごとスモールエンド3Sが回転する構成である。
本例の構成によれば、図2(A)に示すように、外側スリーブ41を右端に移動させることで、コンプレッションハイトを低くでき、図2(B)に示すように、外側スリーブ41を左端に移動させることで、コンプレッションハイトを高くすることができる。
本例の構成では、ピン挿通孔2hの軸線が頂面20に平行なピストン2、即ち従来の形状のピストン2をそのまま利用することができ、生産性に優れる。
<実施形態3>
実施形態3では、内側ピン40と外側スリーブ41とをネジ嵌合することで、内側ピン40の軸方向に対して外側スリーブ41を移動可能にしたレシプロケーティングエンジン1の一例を図4に基づいて説明する。
実施形態3では、内側ピン40と外側スリーブ41とをネジ嵌合することで、内側ピン40の軸方向に対して外側スリーブ41を移動可能にしたレシプロケーティングエンジン1の一例を図4に基づいて説明する。
図4(A)に示すように、本例の内側ピン40は、ピストン2の往復方向に直交する頂面20に平行なピストン2のピン挿通孔2hに回転可能に支持されている。内側ピン40のうち、コンロッド3のピン挿通孔3hに配置される部分にはネジ部40sが形成されている。一方、外側スリーブ41の内周面には、内側ピン40のネジ部40sに螺合するネジ部41sが設けられている。そのため、内側ピン40を回転させれば、ネジの送り出しによって、外側スリーブ41が内側ピン40に沿って移動する。
本例の圧縮比可変機構5は、一対のオイルジェット装置60,61と、一対の羽根車62,63とを備える。羽根車62と羽根車63はそれぞれ、ピン挿通孔2hから突出する内側ピン40の一端側と他端側に設けられている。図4(B)に示すように、オイルジェット装置60からオイルを噴射すると、オイルを受けた羽根車62が回転し、図1(A)に示す内側ピン40も回転して、外側スリーブ41が紙面右側に送り出される。一方、図4(C)に示すように、オイルジェット装置61からオイルを噴射すると、オイルを受けた羽根車63が、羽根車62の回転方向と逆方向に回転する。そのため、オイルジェット装置61を動かせば、外側スリーブ41は紙面左側に送り出される。このように、本例の構成によっても、必要に応じて圧縮比を変化させることができる。
なお、ネジの送り出しによって外側スリーブ41を移動させる構成は、実施形態1に示すような内側ピン40が仮想平面に対して傾斜する構成にも適用することができる。この構成によれば、外側スリーブ41に対するコンロッド3のスモールエンド3Sの回転に伴ってネジの送り出しが生じないため、スモールエンド3Sの回転に伴う外側スリーブ41の移動を抑制できる。
1 レシプロケーティングエンジン
2 ピストン 2h ピン挿通孔
20 頂面
3 コンロッド 3h ピン挿通孔
3S スモールエンド 30,31 油路
4 ピストンピン
40 内側ピン 40s ネジ部
41 外側スリーブ 41x,41y 切欠き部 41s ネジ部
5 圧縮比可変機構
50 スリーブ駆動装置
6 油圧装置 60,61 オイルジェット装置 62,63 羽根車
9 クランクシャフトの軸線 9B ビックエンドの回転軌跡 9BP 軌跡平面
2 ピストン 2h ピン挿通孔
20 頂面
3 コンロッド 3h ピン挿通孔
3S スモールエンド 30,31 油路
4 ピストンピン
40 内側ピン 40s ネジ部
41 外側スリーブ 41x,41y 切欠き部 41s ネジ部
5 圧縮比可変機構
50 スリーブ駆動装置
6 油圧装置 60,61 オイルジェット装置 62,63 羽根車
9 クランクシャフトの軸線 9B ビックエンドの回転軌跡 9BP 軌跡平面
Claims (1)
- クランクシャフトに回動自在に取り付けられるコンロッドと、前記コンロッドの端部に設けられるピン挿通孔に挿通されるピストンピンを介して前記コンロッドに連結されるピストンと、前記ピストンのコンプレッションハイトを変化させる圧縮比可変機構と、を備えるレシプロケーティングエンジンであって、
前記ピストンピンは、前記ピストンに支持される内側ピンと、前記内側ピンの外周面に摺接する内周面および前記ピン挿通孔の内周面に摺接する外周面を備える外側スリーブと、を備え、
前記内側ピンの軸線を含む前記ピストンの縦断面において、前記内側ピンの外周面および前記外側スリーブの外周面のうち、一方が前記ピストンの往復方向に直交する仮想平面に平行で、他方が前記仮想平面に対して傾斜しており、
前記圧縮比可変機構は、前記外側スリーブと、前記外側スリーブを前記内側ピンの軸方向に沿って移動させ、前記内側ピンの軸方向の所定位置に前記外側スリーブを保持するスリーブ駆動装置と、を備えるレシプロケーティングエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017010652A JP2018119444A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | レシプロケーティングエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017010652A JP2018119444A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | レシプロケーティングエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018119444A true JP2018119444A (ja) | 2018-08-02 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017010652A Pending JP2018119444A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | レシプロケーティングエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018119444A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020083885A1 (de) | 2018-10-26 | 2020-04-30 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Kolben für verbrennungsmotoren und herstellungsverfahren dafür |
-
2017
- 2017-01-24 JP JP2017010652A patent/JP2018119444A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020083885A1 (de) | 2018-10-26 | 2020-04-30 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Kolben für verbrennungsmotoren und herstellungsverfahren dafür |
DE102018218373A1 (de) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Kolben für Verbrennungsmotoren und Herstellungsverfahren dafür |
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