JPH10103513A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JPH10103513A
JPH10103513A JP25313896A JP25313896A JPH10103513A JP H10103513 A JPH10103513 A JP H10103513A JP 25313896 A JP25313896 A JP 25313896A JP 25313896 A JP25313896 A JP 25313896A JP H10103513 A JPH10103513 A JP H10103513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
pin hole
tapered
center
cylindrical part
Prior art date
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Pending
Application number
JP25313896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Suzuki
吉洋 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Izumi Ind Co Ltd
Original Assignee
Izumi Ind Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Izumi Ind Co Ltd filed Critical Izumi Ind Co Ltd
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Publication of JPH10103513A publication Critical patent/JPH10103513A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンの燃焼室側の頂面に対する応力が上昇
しないように、ピストン運動時におけるピン孔内壁面の
耐圧力を高める。 【解決手段】ピストンピン孔10の形状を、その中心軸
方向の中央部ではその軸直角断面形状及び寸法を一定と
すると共に、そのピストン主軸側及びその反対側では径
が順次拡大するテーパ形状とし、ピストンピン孔10の
内周面の応力集中を緩和させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関用ピストン
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関において、ピストンにかかる燃
焼圧は、ピストンピン孔に挿通されたピストンピンを介
して、連接棒に伝えられる。このとき、ピン孔の内周面
の燃焼室側のピストン主軸寄りの部分には、機械的な大
きな負荷がかかる。近年内燃機関の高出力化が進み、こ
れに伴い燃焼圧が上昇し、ピン孔内周面の負担が増大
し、亀裂の発生を引き起こす場合があり、ピン孔内壁面
の耐圧力を高める必要があった。このピン孔内周面の耐
圧力を高める方法としては、ピン孔の、ピストン主軸側
の端部近傍を、その端部に向かって径が拡大するテーパ
形状にするものがある。
【0003】この片側テーパピン孔を備えたピストンで
は、ピン孔内周面の局部的な応力集中が解消され、ピン
孔内周面の耐圧力は5〜20%程度改善されるが、直噴
式ディーゼル機関用ピストンに、このテーパピン孔を採
用すると、ピストン頂面のピン方向の燃焼室口元部の応
力が15〜80%増加し、同部から亀裂が発生し易いと
いう問題があった。従って、直噴式ディーゼル機関用ピ
ストンにおいては、ピン孔にアルミニウム青銅等の強度
の高い材料製のブシュを嵌め込んで、ピン孔全体の耐圧
力を高めていたが、この方法では材料及び製造コストが
高くなる上、ピストン自体の重量も増加するという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、その目的とすると
ころは、ピストンピン孔やピストンピンの径拡大やピス
トン重量増加を招くような大幅な設計変更をすることな
く、ピストン頂面の燃焼室口元部の応力が上昇しないよ
うに、ピストン運動時におけるピン孔内周面の耐圧力を
高めることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ピストン
ピン孔の形状を、その中心軸方向の中央部ではその軸直
角断面形状及び寸法を一定とすると共に、そのピストン
主軸側及びその反対側では径が順次拡大するテーパ形状
とすることによって達成される。このように構成する
と、ピストンピン孔の内周面の応力集中が緩和される
上、ピストン頂面の燃焼室口元部の応力も低下する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の詳細を
説明する。図1は本発明に係る内燃機関用ピストンの正
面図、図2は図1に示した内燃機関用ピストンのA−A
断面図、図3は図2のピストンピン孔付近の拡大断面説
明図である。図中、1は内燃機関用のピストン、10は
ピストンピン孔、10aはスナップリング溝である。
【0007】ピストンピン孔10は、その中心軸直角断
面形状が円形の孔である。このピストンピン孔10は、
ピストン1の外周面から所定距離離れた位置にピストン
ピン孔10と略同軸のスナップリング溝10aを有し、
そのスナップリング溝10aからピストン主軸側がピス
トンピンに対する軸受部となっている。この軸受部は、
円筒部10bと、テーパ部10c、10dとから成る。
円筒部10bは、軸受部の中心軸方向の略中央部に位置
する。
【0008】テーパ部10cは、円筒部10bの、ピス
トン主軸側の端部側に位置し、また、テーパ部10d
は、円筒部10bのピストン外周側に位置し、これらは
それぞれ円筒部10bの端縁からその径が順次拡大する
ものである。なお、これらの図では本発明の構成を明示
するため、テーパ部の傾斜を誇張して示してある。
【0009】而して、図3に示したように軸受部の全長
をWとし、円筒部10bの長さをW 1 、テーパ部10c
をW2 、テーパ部10dをW3 とすると、W1 が、0.
5Wより長いとW2 、W3 が短くなりすぎて、ピン孔内
周面の耐圧力が弱くなると共に、図2に示したピストン
1の燃焼室口元部1aの応力が増大し、反対に、W1
0.2Wより短いとピストンピン孔10の内面と、図示
しないピストンピンとの接触面が狭くなり、カジリが発
生し易くなる。従って、このW1 は0.5W〜0.2W
の範囲内とすることが望ましい。
【0010】また、W2 は、短すぎるとピン孔の耐圧力
向上度合いが小さくなり、反対に長すぎると燃焼室の応
力が増加するため、0.6W〜0.2Wの範囲内にする
ことが望ましい。また、W3 は、短すぎると燃焼室の応
力低減効果が小さくなり、反対に長すぎるとW1 、W2
の幅を十分にとれず、ピン孔の耐圧力向上度合いが小さ
くなる上に、カジリが発生し易くなるため、0.2W〜
0.5Wの範囲内にすることが望ましい。
【0011】また、テーパ部10cの傾斜角度は、拡大
の度合いが少なすぎると、ピン孔耐圧力が弱くなり、多
すぎるとピストンピンを円筒部10bのみで軸受するこ
とになり、カジリが生じ易くなる。従って、この傾斜角
度は、ピン孔中心軸を含む断面形状において、円筒部1
0bの周縁線に対して3〜15分の範囲で拡大させるこ
とが望ましく、特に、6〜12分の範囲内とすることが
好ましい。さらに、テーパ部10dの傾斜角度は、小さ
すぎると燃焼室口元部の応力低減効果が小さくなり、反
対に大きすぎると円筒部10bにカジリが発生し易くな
るため、4〜30分の範囲で拡大させることが望まし
く、特に、6〜15分の範囲内とすることが好ましい。
【0012】以下、従来のピストン及び本発明に係る内
燃機関用ピストンを用いて、ピン孔耐圧力とピストン頂
面疲労強度の比較試験を行った結果を示す。外径φ11
0mm、ピン孔径φ38mm、ピン孔軸受部の長さ27
mmの直噴式ディーゼル機関用ピストンを、ピストン主
軸方向に沿って変形可能な様態でピストンピンと係止
し、ピストンピンを固定した状態でピストン頂面から燃
焼圧力相当の圧力と、ピストン内面から慣性力相当の圧
力とをそれぞれ5×105 回交番負荷し、ピン孔に亀裂
が発生したときのピストン頂面に負荷した最大圧力(ハ
イドロパルサ強度)と、その最大圧力下におけるピスト
ン頂面のピン方向燃焼室口元部の応力を求めた。この結
果、このストレートピン孔を有するピストンのピストン
ピン孔のハイドロパルサ強度は16MPa、ピストン頂
面の燃焼室口元部の応力は28MPaであった。
【0013】次に、上記のピストンのピン孔のピストン
主軸側の8mmを、7分で拡大するテーパ部としたピス
トンを用い、上記と同様の試験を行った。この結果、こ
の片側テーパピン孔を有するピストンにおいては、ハイ
ドロパルサ強度は18MPaに向上したが、燃焼室口元
部の応力も33MPaに上昇してしまい、長期間の使用
によってピストンの頂面に亀裂が生じる恐れがあること
が分かった。
【0014】最後に、本発明に係るピストンの試験のた
め、上記の片側テーパピン孔を有するピストンに追加工
を施して、ピン孔のピストン外径側の8mmを9分で拡
大するテーパ部を有する、両側テーパピン孔のピストン
を製作し、上記と同様の試験を行った。なお、このピス
トンのピン孔の軸方向中央の円筒部の長さは11mmで
ある。
【0015】この結果、ピン孔のハイドロパルサ強度
は、片側テーパピン孔を有するピストンと変わらない1
8MPaであり、燃焼室口元部の応力は、片側テーパピ
ン孔にしたときの33MPaからストレートピン孔の場
合と変わらない28MPaまで低下した。従って、本発
明に係るピストンは、ピストン運動時において、ピスト
ン頂面の燃焼室口元部に対する応力は上昇させずに、ピ
ン孔内周面の耐圧力を向上させることができる。
【0016】なお、本発明は如上の実施例に限定される
ものではない。例えば、上記実施例においては、ピン孔
の中心軸直角断面形状を円形としたが、これはサイドリ
リーフを設けた形状やピストン主軸に直角な方向を長径
とする楕円としてもよい。また、両側テーパピン孔を有
するブシュをピストンに取り付けて、ピン孔としてもよ
く、本発明は上記の説明から当業者が容易に想到し得る
総ての変更実施例を包摂するものである。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関用ピストンは上記
の如く構成されるので、本発明によるときは、ピストン
頂面の燃焼室口元部の応力が上昇しないように、ピスト
ン運動時におけるピン孔内周面の耐圧力を高めることが
できる。また、大幅な設計変更を必要としないため、製
造コストを低く抑えられ、耐久性に優れる故に保守コス
トも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関用ピストンの正面図であ
る。
【図2】図1に示した内燃機関ピストンのA−A断面図
である。
【図3】図2のピストンピン孔付近の拡大断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1・・・・・内燃機関用のピストン 1a・・・・燃焼室口元部 10・・・・ピストンピン孔 10a・・・スナップリング溝 10b・・・円筒部 10c・・・テーパ部 10d・・・テーパ部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンピン孔(10)の形状を、その中
    心軸方向の中央部ではその軸直角断面形状及び寸法を一
    定とすると共に、そのピストン主軸側及びその反対側で
    は径が順次拡大するテーパ形状とした内燃機関用ピスト
    ン(1)。
JP25313896A 1996-09-25 1996-09-25 内燃機関用ピストン Pending JPH10103513A (ja)

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