JP2018118886A - フォアハース - Google Patents

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Abstract

【課題】均質化された溶融ガラスを形成可能なフォアハースを提供する。【解決手段】ガラス溶融炉2の下流側に設けられたフォアハース3であって、壁体13によって画定され、略水平に延在するチャネル状の溶融ガラス4のための流路5と、流路の上流側に設けられた溶融ガラス導入部6と、流路の下流側に設けられたスパウト7と、流路の底部に凹設されたピット20と、流路の上方からピットの内部に向けて突入したスターラ30とを有し、ピットを画定する上流側の壁面が、下流側にかけて下向きの傾斜面22Aを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融ガラスを攪拌するスターラを有するフォアハースに関し、特に溶融ガラスを効率的に撹拌することにより、均質化された溶融ガラスを形成可能なフォアハースに関する。
種々のガラス製品を製造する設備において、均質化され、気泡を除去された溶融ガラスは、フォアハース内を通過することにより更に均質化されると共に、均一な温度分布を有するように調製される。このようにして調製された溶融ガラスは、フォアハースの下流端に設けられたスパウトから払い出された後、ガラスびん、ガラス容器、板ガラス或いはガラス繊維などの製造に供される。
フォアハースの壁体を耐熱煉瓦により構成した場合、溶融ガラスの内で耐熱煉瓦に接する部分には耐熱煉瓦中の微量の不純物(ジルコニア、アルミナ等)が溶け込み、溶融ガラスの主流部分に対して組成が変化することがある。また、溶融ガラスの内でフォアハースの壁体、特に底部に接する部分は、溶融ガラスの主流部分に対して温度が低く、流動性が低い。そのため、溶融ガラスの内でフォアハースの底部に接する部分には、局部的に異質なガラスが形成される。このような異質ガラスがガラス製品中に偏在して混入すると、いわゆるキャットスクラッチや脈理等の欠点が生じる。そこで、フォアハースには、スターラが設けられ、このようなフォアハース底部近傍の異質ガラスを分散するようにしている。
しかしながら、異質ガラスはフォアハースの底部近傍に存在し、また溶融ガラスの主流部分に対して高粘性かつ高比重であるため、スターラによって十分に分散されないという問題があった。そこで、特許文献1に開示されているように、フォアハースの底部にピットを設け、スターラをピット内に突入するように設けることが提案されている。ピット内の溶融ガラスはピット内に設けられたスターラによって上方に流れるため、フォアハースの底部に沿って流れてきた異質ガラスは、ピットの直前で上方に巻き上げられ、フォアハース底部から引き離されて溶融ガラスの中に分散される。
特開2002−326822号公報
しかるに、本願発明者による分析によれば、異質ガラスはスターラによって大部分は良好に分散されるが、異質ガラスの流れの一部はピット内に沈み込まず、スターラを横切る方向にすり抜けていることが見出された。近年、より高い品質が求められることから、このような異質ガラスの流れを排除し、溶融ガラスの更なる高品質化が望まれる。
このような発明者の知見及び従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目的は、均質化された溶融ガラスを形成可能なフォアハースを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ガラス溶融炉の下流側に設けられたフォアハースであって、壁体によって画定され、略水平に延在するチャネル状の溶融ガラスのための流路と、前記流路の上流側に設けられた溶融ガラス導入部と、前記流路の下流側に設けられたスパウトと、前記流路の底部に凹設されたピットと、前記流路の上方から前記ピットの内部に向けて突入したスターラとを有し、前記ピットを画定する上流側の壁面が、下流側にかけて下向きの傾斜面を含むことを特徴とする。
この態様によれば、ピットの上流端が下流側にかけて下向きの傾斜面を含むことにより、異質ガラスを含む可能性がある溶融ガラスの底面沿流の多くが、傾斜面に沿ってピットの底面に沈み込む。溶融ガラスの底面沿流は、ピット内に入ることによって前進が抑制され、スターラに巻き付き易くなるため、溶融ガラスの主流への拡散が促進される。これにより、溶融ガラスの底面沿流がスターラ間をすり抜けることが抑制され、異質ガラスの偏在が抑制される。その結果、ガラス製品中に生じる欠点が低減する。
また、上記の態様において、前記スターラが上昇流を形成するとよい。
この態様によれば、溶融ガラスの底面沿流は上昇流を形成するスターラの下端部から巻き付くことができるため、スターラによって撹拌を受ける距離が長くなり、溶融ガラスの主流への拡散が促進される。これにより、溶融ガラスの底面沿流がスターラ間をすり抜けることが抑制され、異質ガラスの拡散が促進されて欠点が減少する。
また、上記の態様において、前記ピットを画定する下流側の壁面が、前記流路の長手方向に対して略直交する面をなすとよい。
この態様によれば、ピットを画定する下流側の壁面がピット内に流入した溶融ガラスの底面沿流の前進を抑制するため、溶融ガラスの底面沿流がスターラをすり抜けずに巻き付き易くなり、溶融ガラスの主流への拡散が促進される。
また、上記の態様において、前記傾斜面が、前記流路の前記ピットよりも上流側を画定する底面に接続しているとよい。
この態様によれば、流路のピットよりも上流側の底面に沿って流れる溶融ガラスの底面沿流が傾斜面に沿ってピット内に流入し易くなる。
また、上記の態様において、前記傾斜面の下流側の端部が、前記スターラの下端よりも下方に位置するとよい。
この態様によれば、溶融ガラスの底面沿流がスターラの下端に到達し易くなり、スターラによって撹拌を受ける距離が長くなる。
また、上記の態様において、前記ピットを画定する上流側の壁面が、前記傾斜面の下流側の端部から下方に延在し、水平面に対する傾斜角が前記傾斜面よりも大きい立壁面を有するとよい。また、前記立壁面は、前記流路の長手方向に対して直交する面をなすとよい。
この態様によれば、傾斜面の下流端において溶融ガラスの底面沿流が傾斜面から剥離し易くなり、底面沿流がスターラに巻き付き易くなる。
また、上記の態様において、前記傾斜面が水平面に対してなす角度が、25度以上65度以下であるとよい。
この態様によれば、溶融ガラスの底面沿流が傾斜面に沿ってピット内に流入し易くなり、スターラの撹拌作用を受け易くなる。
また、上記の態様において、前記ピットが前記流路の長手方向に直交する短手方向に延在し、前記スターラは、前記ピット内に前記短手方向に整列して複数設けられ、前記傾斜面は、前記短手方向に延在しているとよい。
この態様によれば、任意の幅のフォアハースにおいて、溶融ガラスの底面沿流の拡散を促進することができる。
また、上記の態様において、前記スターラはスクリューを有するとよい。また、前記スターラはパドルを有するとよい。
この態様によれば、溶融ガラスの撹拌効果が向上する。
本発明によれば、溶融ガラスを効率的に撹拌することにより、均質化された溶融ガラスを形成可能なフォアハースを提供することができる。
本発明に基づくゴブ製造装置の側断面図 図1におけるII−II線に沿った断面図 (A)スクリューを備えたスターラ、(B)パドルを備えたスターラの斜視図 ピット内の底面沿流の流線を示すシミュレーション結果の模式図であって、(A)傾斜面:30度、(B)傾斜面:90度 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(A)傾斜面:30度、スクリュー上昇流(B)傾斜面:45度、スクリュー上昇流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(C)傾斜面:60度、スクリュー上昇流(D)傾斜面:90度、スクリュー上昇流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(A)傾斜面:30度、スクリュー下降流(B)傾斜面:45度、スクリュー下降流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(C)傾斜面:60度、スクリュー下降流(D)傾斜面:90度、スクリュー下降流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(A)傾斜面:30度、パドル上昇流(B)傾斜面:45度、パドル上昇流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(C)傾斜面:60度、パドル上昇流(D)傾斜面:90度、パドル上昇流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(A)傾斜面:30度、パドル下降流(B)傾斜面:45度、パドル下降流 ピット内上流位置及びピット下流位置における底面沿流の分布を示すヒストグラムであって、(C)傾斜面:60度、パドル下降流(D)傾斜面:90度、パドル下降流 縦断面攪拌度合いの評価における計算位置(ピット内上流位置及びピット下流位置)を示す説明図
図1及び図2に示されるように、本発明に基づくゴブ製造装置1は、ガラスびんなどのガラス容器を製造するように構成されたもので、溶融炉2及び溶融炉2に接続したフォアハース3を含む。溶融炉2は、珪砂等の原料やガラスカレットを溶融し、溶融ガラス4を生成する公知の溶融炉であり、燃焼式又は電熱式の炉であってよい。
フォアハース3は、溶融炉2の下流側に設けられ、略水平に延在する流路5を画定する。フォアハース3の延在方向を長手方向とし、水平面上において長手方向に直交する方向を短手方向(幅方向)とする。フォアハース3は、長手方向における一端である上流端に溶融炉2に接続した溶融ガラス導入部6を有し、長手方向における他端である下流端に溶融ガラス4を払い出すスパウト7を有する。フォアハース3は、長手方向に延在する底壁11、及び底壁11の両側縁から上方に突出した一対の側壁12を含む壁体13を有し、横断面が上方に開口したチャネル形をなす。流路5は、底壁11、一対の側壁12によって画定されている。壁体13の上部開口は、上壁14によって閉じられている。底壁11の上面11Aは概ね水平に延在している。流路5には所定の深さで溶融ガラス4が流れる。流路5において溶融ガラス4の液面より上部の空間には、図示しないガスバーナーが設けられ、溶融ガラス4はガスバーナーから噴出する火炎によって加熱される。
フォアハース3の流路5の底部にはピット20が凹設されている。ピット20は、底壁11の上面11Aに対して下方に凹んだ凹部である。ピット20は、底壁11の上面11Aに対して下方に配置されたピット底壁21と、ピット20の長手方向における上流側の端部を画定するピット上流側壁22と、ピット20の長手方向における下流側の端部を画定するピット下流側壁23と、ピット20の短手方向における両側部を画定する一対のピット側壁24とを有する。ピット上流側壁22及びピット下流側壁23の上端は底壁11に接続し、ピット側壁24の上端は側壁12に接続している。ピット20は、短手方向に延び、流路5の短手方向における長さ(幅)と同じ長さを有する。ピット20は、流路5の長手方向における中央よりも下流側、或はスパウト7に直上流に近接して配置されてもよい。
ピット上流側壁22は、ピット20の内方を向く傾斜面22Aを有する。傾斜面22Aは、略水平に延在する底壁11の上面11Aに対して傾斜しており、下流側にかけて下向きに傾斜している。傾斜面22Aは、上流側の縁部において流路5のピット20よりも上流側を画定する底壁11の上面11Aに接続している。また、ピット上流側壁22は、傾斜面22Aの下流側の縁部から下方に延びてピット底壁21の上面21Aに接続し、ピット20の内方を向く立壁面22Bを有する。立壁面22Bの底壁11の上面11A(水平面)に対する傾斜角は、傾斜面22Aの底壁11の上面11Aに対する傾斜角よりも大きく設定されている。傾斜面22Aの底壁11の上面11Aに対する傾斜角は、25度以上65度以下、より好ましくは30度以上60以下である。本実施形態では、立壁面22Bの底壁11の上面11Aに対する傾斜角は、90°であり、流路5の長手方向に対して直交する面をなす。立壁面22Bが存在するため、傾斜面22Aの下流側の端縁は、ピット底壁21の上面21Aに対して上方に位置する。傾斜面22Aは、本実施形態では平面に形成されているが、他の実施形態では、短手方向に沿う方向から見て凸面や凹面に形成されていてもよい。傾斜面22A及び立壁面22Bは、短手方向に延在し、それぞれの両端は一対のピット側壁24に接続している。
ピット下流側壁23は、流路5の長手方向に対して略直交し、ピット20の内方を向く内側面23Aを形成する。すなわち、ピット下流側壁23の内側面23Aは、略水平に延在する底壁11の上面11Aに対して約90度の角度をなすように配置されている。ピット底壁21の上面21Aは水平面をなす。
ピット20には、少なくとも1つのスターラ30が設けられている。スターラ30は、上下に延びる回転軸線を有し、流路5の上方から前記ピット20の内部に向けて突入している。スターラ30は、上下に延在し、上下方向を中心として回転するシャフト31と、シャフト31の下端の外周部に設けられ、シャフト31の回転によって上昇流を形成するべき翼部32を有するとよい。シャフト31の下端は、ピット底壁21の上面21Aから上方に距離をおいて配置されている。本実施形態では、同一形状の4つのスターラ30が、ピット20内に短手方向に直線状に整列して設けられている。スターラ30は、回転によって溶融ガラス4に上昇方向の流れを発生するように構成されているものであれば、任意の形式のものであってよい。シャフト31の上端は、減速機等を介して電動モータに接続されている。シャフト31の下端及び翼部32の下端は、底壁11の上面11Aよりも下方に配置されている。
翼部32は、例えばスクリュー32Aやパドル32Bであってよい。図3(A)に示すように、スクリュー32Aは、シャフト31から径方向外方に突出し、シャフト31を中心として上下に螺旋状に延在するものであってよい。図3(B)に示すように、パドル32Bは、例えば回転軸から径方向外方に突出し、回転方向に対して傾斜した板状体であってよい。パドル32Bは、シャフト31を中心として対称位置に一対設けられているとよい。シャフト31と、スクリュー32A及びパドル32Bを含む翼部32は、セラミックスや耐熱金属から形成されるとよい。
傾斜面22Aの下流端は、スターラ30の翼部32の下端よりも下方に配置されている。傾斜面22Aの下流端は、スターラ30のシャフト31の下端よりも下方に配置されていてもよい。
各スターラ30の回転方向は、任意に設定することができる。各スターラ30の回転方向は、例えば、全てが同一の回転方向に設定されてもよく、或は短手方向において各スターラ30の回転方向が交互に逆向きになってもよい。
スパウト7は、フォアハース3の底壁11に設けられたオリフィスリング35と、オリフィスリング35の直上の上壁14から垂下するチューブ36と、チューブ36内に摺動可能に設けられたプランジャ37と、オリフィスリング35から流出する溶融ガラス4を、所定量のゴブ38として切り出すためのシヤー39とを備えている。
以上のように構成したフォアハース3の作用及び効果について説明する。フォアハース3の流路5を流れる溶融ガラス4は、上部ほど温度が高く、粘性が低いことから流動性が高い。一方、底壁11近傍を流れる溶融ガラス4は、温度が上部に比べて低く、粘性が高いことから流動性が低い。溶融ガラス4のうちで底壁11の上面11Aに沿って流れる流れを底面沿流とすると、底面沿流は溶融ガラス4の大部分を占める主流に対して流動性が低い。溶融ガラス4の底面沿流には、接触する耐熱煉瓦からジルコニア、アルミナ等の不純物が溶け込むため、主流に対して組成が異なる異質ガラスが含まれることがある。この異質ガラスが主流中に混入し、偏在するといわゆるキャットスクラッチと呼ばれる欠点や脈理が発生する。本実施形態に係るフォアハース3では、ピット20の上流端が下流側にかけて下向きの傾斜面22Aを含むことにより、異質ガラスを含む可能性がある溶融ガラス4の底面沿流の多くが、傾斜面22Aに沿ってピット20の底面に沈み込む。溶融ガラス4の底面沿流は、ピット20内に入ることによって前進が抑制され、スターラ30に巻き付き易くなるため、溶融ガラス4の主流への拡散が促進される。また、溶融ガラス4の底面沿流はスターラ30の下端部から巻き付くことができるため、スターラ30によって撹拌を受ける距離が長くなり、溶融ガラス4の主流への拡散が促進される。これらにより、溶融ガラス4の底面沿流がスターラ30間をすり抜けることが抑制され、異質ガラスの偏在が抑制される。その結果、ガラス製品中に生じる欠点が低減する。
傾斜面22Aが、ピット20よりも上流側の底壁11の上面11Aに接続しているため、ピット20よりも上流側の底壁11の上面11Aに沿って流れる溶融ガラス4の底面沿流が傾斜面22Aに沿ってピット20内に流入し易くなる。また、傾斜面22Aの下流側の端部が、スターラ30の翼部32の下端、より好ましくはシャフト31の下端よりも下方に位置することによって、溶融ガラス4の底面沿流がスターラ30の下端に到達し易くなり、スターラ30によって撹拌を受ける距離が長くなる。傾斜面22Aの下流端が傾斜面22Aよりも水平面に対して傾斜角度が大きい立壁面22Bに接続しているため、傾斜面22Aの下流端において溶融ガラス4の底面沿流が傾斜面22Aから剥離し易くなり、底面沿流がスターラ30に巻き付き易くなる。
ピット下流側壁23の内側面23Aが流路5の長手方向に対して略直交する面をなすため、ピット20内に流入した溶融ガラス4の底面沿流の前進が抑制される。これにより、溶融ガラス4の底面沿流がスターラ30をすり抜けずに巻き付き易くなり、溶融ガラス4の主流への拡散が促進される。
次に、上記の実施形態に基づいた、シミュレーションによる実施例について説明する。シミュレーションでは、フォアハース3の幅を900mm、フォアハース3の長さを8634mm、上流端からスターラ30までの距離を6447.5mm、ピット20の深さ(底壁11の上面11Aとピット底壁21の上面21Aとの上下方向における距離)を80mm、立壁面22Bの高さを25mm、スターラ30のシャフト31の直径を182mm、スターラ30のシャフト31の下端とピット底壁21の上面21Aとの間の空隙の上下幅を25mm、溶融ガラス4の液面の底壁11の上面11Aからの高さを150mmをとした。傾斜面22Aの底壁11の上面11Aに対する角度(水平面に対する角度)を、実施例では30度、45度、60度とし、比較対象として比較例では90度とした。スターラ30は、翼部32の形状をスクリュー32A又はパドル32Bとした。また、スターラ30の翼部32は、上昇流を発生させる形態(実施例)、下降流を発生させる形態(比較例)とした。各スターラ30の回転方向は、短手方向において回転方向が交互に逆になるように設定した。
溶融ガラス4の底面沿流にトレーサを配置し、ピット20及びその前後におけるトレーサの軌跡を視覚化した結果を図4に示す。図4は、翼部32に上昇流を発生するスクリュー32Aを適用し、傾斜面22Aの角度を30度、90度とした結果である。
図4(A)に示すように、傾斜面22Aの傾斜角を30度とした場合には、溶融ガラス4の底面沿流は、傾斜面22Aに沿ってピット20の底まで到達し、スターラ30に巻き上げられて溶融ガラス4の液面近傍に到達する様子が確認された。この場合、底面沿流のスターラ30に沿って上昇する距離が長いため、スターラ30への巻き付きによる高い攪拌効果が得られると考えられる。なお、図示しないが、傾斜面22Aの傾斜角を45度、60度とした場合も同様の結果が得られた。
図4(B)に示すように、傾斜面22Aを備えない通常のピット20(比較例、傾斜面22Aの傾斜角が90度)を用いた場合、溶融ガラス4の底面沿流は、完全にピット20の底まで到達する前にスターラ30に巻き上げられる様子が確認された。この場合、底面沿流のスターラ30に沿って上昇する距離が短いため、巻き付きによる攪拌効果が小さいと考えられる。
溶融ガラス4の均質性を評価するための指針として、巻きつく比率及び底面沿流率を用いた。巻きつく比率とは、フォアハース3の流路5の上流端から多数(本実施例では4500個)のトレーサを流路5の横断面の全領域に渡って均一に導入し、流線距離がオリフィスリング35までの直線距離より長い距離のものを、スターラ30に巻きついたものとして評価し、そのようなトレーサの、全体に対する割合として定義した。また、底面沿流率は、フォアハース3の流路5の上流端の底部(底壁11の上面11A)の短手方向全域及び長手方向1mの領域に1000個のトレーサを配置して流し、ピット下流側壁23の上端から高さ23mmの縦幅及び短手方向全域の横幅によって画定される領域を設け、その領域を通過するトレーサの個数をカウントし、カウントされたトレーサの全体に対する割合として定義した。
表1は、スターラ30の翼部32にスクリュー32A又はパドル32Bを用い、傾斜面22Aの傾斜角を変化させた場合の底面沿流(トレーサ)がスターラ30に巻き付く比率及びピット20の下流側でトレーサが底面沿流となる比率を比較している。
Figure 2018118886
スターラ30の翼部32をスクリュー32Aとした場合、回転によって生じる流れが上昇流の場合及び下降流の場合において、底面沿流率はいずれの傾斜角度についても0%であった。スターラ30の翼部32をパドル32Bとした場合、スクリュー32Aとした場合よりも、総じて高い底面沿流率が得られたが、下降流を用いた場合の方が低い底面沿流率が得られた。
巻きつく比率は、傾斜面22Aの傾斜角度が浅い程高くなる結果が得られた。スクリュー32A及びパドル32Bのいずれの場合でも、上昇流の方が下降流よりも高い巻きつく比率が得られた。また、パドル32Bの場合の方が、スクリュー32Aの場合に比較して高い巻きつく比率が得られた。
底面沿流率及び巻きつく比率は、撹拌の効果を表すと考えられる。表1によれば、傾斜面22Aの傾斜角度を90度より浅い角度とし、スクリュー32Aが上昇流を形成するように用いることにより、好適な結果が得られることが示されている。傾斜面22Aの傾斜角度を30度、45度、60度の場合、90度の場合に比べて底面沿流率及び巻きつく比率が良好であるため、30度以上60度以下の範囲において底面沿流率及び巻きつく比率が良好であると推測される。また、傾斜面22Aの傾斜角度の変化に対して底面沿流率及び巻きつく比率の変化は小さいため、傾斜面22Aの傾斜角度は25度以上65度以下の範囲においても底面沿流率及び巻きつく比率が良好であると推測される。
更に、溶融ガラス4の流れのピット20通過時の縦断面攪拌度合いを評価した。縦断面攪拌度合いは、フォアハース3の上流側の端部から多数(本実施例では1000個)のトレーサを、底面沿流中に導入し、ピット20内の上流位置とピット20の下流位置におけるトレーサの高さ方向の分布を計算した(図13参照)。ピット20内の上流位置は立壁面22Bとスターラ30との間の位置であり、ピット20の下流位置はピット20の下流側の流路5内の位置である。
図5及び図6に示されるように、翼部32が上昇流を形成するスクリュー32Aの場合において、傾斜面22Aの傾斜角を深くすると、高さ方向に分散する傾向があるものの、ピット20の下流側において、上層部にまでは、トレーサがあまり巻き上げられない。傾斜面22Aの傾斜角を浅くすると、トレーサが、ピット20の底面から最上層部に向けて長い上下距離に渡って巻き上げられている。
図7及び図8に示されるように、翼部32が下降流を形成するスクリュー32Aの場合には、傾斜面22Aの傾斜角に関わらず、上層部にトレーサが巻き上げられる度合いが極めて小さい。トレーサが、スターラ30をすり抜けているものと見られる。
図9及び図10に示されるように、翼部32が上昇流を形成するパドル32Bの場合には、トレーサはピット20の下流側において上下に良く分散した分布を示す。特に、傾斜面22Aの傾斜角を浅くすると、トレーサが、ピット20の底面から最上層部に向けて長い上下距離に渡って巻き上げられている。
図11及び図12に示されるように、翼部32が下降流を形成するパドル32Bの場合には、トレーサが上層部にまであまり巻き上げられず、スターラ30をすり抜けているものと見られる。しかしながら、傾斜面22Aの傾斜角を浅くすると、トレーサはピット20の下流側において上下に良く分散した分布を示す。
このように、ピット20の前端に傾斜面22Aを設けることにより、翼部32にスクリュー32A及びパドル32Bのいずれを用いた場合でも、(下降流を形成するスクリュー32Aを用いた場合を除いて)トレーサがスターラ30によって良好に巻き上げられ、スターラ30に良く巻き付き、良好に撹拌が行われる傾向が見られた。また、翼部32がパドル32Bである場合には、スクリュー32Aの場合よりもトレーサが高さ方向に分散する傾向が見られた。
このようなシミュレーション結果を考慮すると、傾斜面22Aの傾斜角を90度よりも実質的に浅くし、翼部32に上昇流を形成するスクリュー32A或いはパドル32Bを適用すると有利であると見られる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、他の実施形態ではピット下流側壁23の上端は、底壁11の上面11Aよりも上方に突出していてもよい。また、他の実施形態では立壁面22Bが省略され、傾斜面22Aの下流端(下端)がピット底壁21の上面21Aまで延びていてもよい。
1 :ゴブ製造装置
2 :溶融炉
3 :フォアハース
4 :溶融ガラス
5 :流路
6 :溶融ガラス導入部
7 :スパウト
11 :底壁
11A :上面
12 :側壁
13 :壁体
14 :上壁
20 :ピット
21 :ピット底壁
22 :ピット上流側壁
22A :傾斜面
22B :立壁面
23 :ピット下流側壁
23A :内側面
30 :スターラ
31 :シャフト
32 :翼部
32A :スクリュー
32B :パドル

Claims (11)

  1. ガラス溶融炉の下流側に設けられたフォアハースであって、
    壁体によって画定され、略水平に延在するチャネル状の溶融ガラスのための流路と、
    前記流路の上流側に設けられた溶融ガラス導入部と、
    前記流路の下流側に設けられたスパウトと、
    前記流路の底部に凹設されたピットと、
    前記流路の上方から前記ピットの内部に向けて突入したスターラとを有し、
    前記ピットを画定する上流側の壁面が、下流側にかけて下向きの傾斜面を含むことを特徴とするフォアハース。
  2. 前記スターラが上昇流を形成することを特徴とする請求項1に記載のフォアハース。
  3. 前記ピットを画定する下流側の壁面が、前記流路の長手方向に対して略直交する面をなすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォアハース。
  4. 前記傾斜面が、前記流路の前記ピットよりも上流側を画定する底面に接続していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
  5. 前記傾斜面の下流側の端部が、前記スターラの下端よりも下方に位置することを特徴とする請求項4に記載のフォアハース。
  6. 前記ピットを画定する上流側の壁面が、前記傾斜面の下流側の端部から下方に延在し、水平面に対する傾斜角が前記傾斜面よりも大きい立壁面を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
  7. 前記立壁面は、前記流路の長手方向に対して直交する面をなすことを特徴とする請求項6に記載のフォアハース。
  8. 前記傾斜面が水平面に対してなす角度が、25度以上65度以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
  9. 前記ピットが前記流路の長手方向に直交する短手方向に延在し、
    前記スターラは、前記ピット内に前記短手方向に整列して複数設けられ、
    前記傾斜面は、前記短手方向に延在していることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
  10. 前記スターラがスクリューを有することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
  11. 前記スターラがパドルを有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つの項に記載のフォアハース。
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