JP2018118798A - エレベーターの制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、カゴの停止制御中にカゴが持続的に移動することを防止できるエレベーターの制動装置を提供すること。【解決手段】制動装置10が、第1ピン41と、第1ピン41をその延在方向に移動させるピン移動機構30と、カゴの静止を維持する際には、ブレーキホイール11がブレーキシューに対して静止するホイール回動防止位置に第1ピン41を位置させるようにピン移動機構30を制御する一方、モータの駆動を実行する際には、ブレーキホイール11が回動可能になるホイール回動可能位置に第1ピン41を位置させるようにピン移動機構30を制御する制御部と、を備えるようにする。【選択図】図5
Description
本発明は、エレベーターの制動装置に関する。
従来、エレベーターの制動装置としては、特許文献1に記載されているものがある。この制動装置は、円板状のブレーキホイール、ブレーキシュー、接離機構、及び制御部を備える。ブレーキホイールは、エレベーターの巻上機の綱車を回動させるモータの出力軸に取り付けられ、出力軸と同期回転する。一方、ブレーキシューは、ブレーキホイールの外周面に径方向に対向するようにブレーキホイールの径方向の外方側に配設される。ブレーキシューは、ブレーキホイールの外周面の一部に対応する形状の円弧面を有する。
接離機構は、ブレーキシューの円弧面を、ブレーキホイールの外周面に接離させる。接離機構は、付勢機構と、プランジャ機構を含み、付勢機構がコイルバネを有する一方、プランジャ機構は、電磁コイルと、鉄心を有する。付勢機構は、コイルバネによる付勢力でブレーキシューの円弧面をブレーキホイールの外周面側に常時付勢する。他方、プランジャ機構の電磁コイルに電流が流れると、鉄心が電磁コイルに発生する磁界によりその軸方向に移動し、鉄心の移動に基づいてブレーキシューの円弧面がブレーキホイールの外周面から離れる。
エレベーターのカゴを移動させる際には、制御部が、電磁コイルを通電する。係る通電により、鉄心が磁力で軸方向に移動し、鉄心が軸方向に移動する力でコイルバネが径方向外方に圧縮され、ブレーキシューの円弧面がブレーキホイールから径方向外方に離れる。
他方、エレベーターのカゴの静止状態を維持する際には、制御部が、電磁コイルに電流を流さない制御を行う。係る制御により、上記磁力が消失し、コイルバネが径方向内方に延び、ブレーキシューの円弧面がブレーキホイールの外周面に当接し、当該円弧面と外周面との間に生じる摩擦力で外周面が円弧面に対して静止する状態が維持される。係るブレーキホイールの外周面の静止に基づいて巻上機の綱車の静止状態が維持される。
ブレーキシューの円弧面の摩耗等でブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まると、カゴの停止制御の際に、カゴの静止を維持できず、カゴが非常にゆっくりと低速で落下する虞がある。したがって、ブレーキシューが摩耗してブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、カゴの停止制御中にブレーキホイールが回動しないようにすることは大きな意義がある。
そこで、本発明の目的は、ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、カゴの停止制御中にカゴが持続的に移動することを防止できるエレベーターの制動装置を提供することにある。
本発明に係るエレベーターの制動装置は、エレベーターの巻上機の綱車を回動させるモータの出力軸に取り付けられ、前記出力軸により回転するブレーキホイールと、前記ブレーキホイールに対し回転しない非回転側部材であって、ブレーキホイールの周面に径方向に対向すると共に、前記周面の一部に対応する円弧面を有するブレーキシューと、前記ブレーキホイールの前記周面に前記ブレーキシューの前記円弧面を接離させる接離機構と、
前記ブレーキホイールの回動を防止するホイール回動防止位置と、前記ブレーキホイールの回動を可能とするホイール回動可能位置との間で移動可能なピンと、前記ピンを移動させるピン移動機構と、カゴの静止を維持する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイールと、前記非回転側部材とに係合することによって、前記ブレーキホイールが前記ブレーキシューに対して静止する前記ホイール回動防止位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する一方、前記カゴの移動を実行する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイール、または前記非回転側部材に係合しないことによって、前記ブレーキホイールが回動可能になる前記ホイール回動可能位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する制御部と、を備える。
前記ブレーキホイールの回動を防止するホイール回動防止位置と、前記ブレーキホイールの回動を可能とするホイール回動可能位置との間で移動可能なピンと、前記ピンを移動させるピン移動機構と、カゴの静止を維持する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイールと、前記非回転側部材とに係合することによって、前記ブレーキホイールが前記ブレーキシューに対して静止する前記ホイール回動防止位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する一方、前記カゴの移動を実行する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイール、または前記非回転側部材に係合しないことによって、前記ブレーキホイールが回動可能になる前記ホイール回動可能位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する制御部と、を備える。
なお、上記非回転側部材には、ブレーキシューや、エレベーターにおいて昇降路に対して相対位置が変動しない静止部が含まれる。
本発明によれば、カゴの静止を維持する際に、制御部のピン移動機構の制御により、ピンが、ブレーキホイールをブレーキシューに対して静止させるホイール回動防止位置に位置する。したがって、仮に、ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、ピンでブレーキホイールがブレーキシューに対して静止し、ブレーキホイールの回動が防止される。よって、ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、カゴの停止制御中にカゴが持続的に移動することがない。
また、本発明において、前記ピンは、前記ブレーキホイールの前記径方向に延在し、前記ブレーキシューは、前記円弧面を含む円弧状部を有して、前記円弧面は、前記ブレーキホイールの外周面に前記径方向に対向し、前記ピンが前記ホイール回動防止位置に位置している状態で前記ピンの先端側が前記ブレーキホイールから前記径方向の外方側に突出して、前記ピンの先端側が前記円弧状部の周方向の端面に接触することで前記ブレーキホイールの回動が防止されてもよい。
上記構成によれば、ピンがブレーキホイールから径方向の外方側に突出する機構をブレーキホイールに内蔵するだけでカゴ静止制御中のカゴの持続的な移動を確実に防止できる。
また、本発明において、前記ブレーキホイールには、第2ピンと、その第2ピンを前記第2ピンの延在方向に移動させる第2ピン移動機構とが設置され、前記ピンには、前記ピンの側面に開口する第2ピン収容孔が設けられ、前記制御部は、前記モータが駆動している際に前記第2ピンの先端側を前記第2ピン収容孔内に突出させることによって前記ピンが前記ブレーキホイールの回動に起因する遠心力で前記ホイール回動防止位置に移動することを防止してもよい。
上記構成によれば、制御部によるモータの駆動制御中に第2ピンの先端側がピン収容孔内に突出し、その第2ピンの突出で、ピンの径方向外方への移動が防止される。したがって、ピンがブレーキホイールの回動に起因する遠心力でホイール回動防止位置に移動することがない。よって、カゴが移動するブレーキホイールの回動中にピンが遠心力でブレーキシュー側に突出してブレーキシューと接触して破損することを確実に防止できる。
また、本発明において、前記ブレーキシューは、前記円弧面を含む円弧状部を有して、前記円弧面は、前記ブレーキホイールの外周面に前記径方向に対向し、前記ブレーキホイールには、その外周面に開口するピン収容孔が設けられ、前記円弧状部には、前記ピン移動機構及び前記ピンが取り付けられ、前記ピンは、前記ホイール回動可能位置において前記ブレーキホイールに間隔をおいた状態で前記ブレーキホイールの前記径方向の外方に位置する一方、前記ホイール回動防止位置で先端側が前記ピン収容孔に突出してもよい。
上記構成によれば、ピンが回動しないブレーキシューの円弧状部に取り付けられるので、ピン移動機構及びピンが回動することがない。したがって、ブレーキホイール回動防止構造をブラシやスリップリング等を用いずに簡易な構造で実現できる。
また、本発明において、前記ブレーキホイールは、軸方向に延出する円筒状のフランジ部を含み、前記ブレーキホイールの前記フランジ部には、その内周面に開口するピン収容孔が設けられ、前記ピンは、前記フランジ部の前記径方向の内方に配設された非回転側部材に移動可能に取り付けられ、前記ピンは、前記ホイール回動可能位置で前記フランジ部の前記径方向の内方に前記フランジ部の内周面に対し間隔をおいて位置する一方、前記ホイール回動防止位置で先端側が前記ピン収容孔に突出してもよい。
上記構成によれば、ブレーキシューがブレーキホイールの円筒状のフランジ部の内側に配設される構成において、ブレーキホイール回動防止構造を実現できる。
また、本発明において、前記ピン移動機構は、付勢部材と、前記制御部による制御で電磁力に基づく力を前記ピンに付与する電磁力付与部とを含み、前記付勢部材は、前記ピンを前記ホイール回動可能位置とホイール回動防止位置とのうちの一方側に付勢し、前記電磁力付与部は、前記ピンを前記ホイール回動可能位置とホイール回動防止位置とのうちの他方側に移動させる力を前記ピンに付与してもよい。
上記構成によれば、ピンをその延在方向に進退される構造を簡単安価に構成できる。
本発明に係るエレベーターの制動装置によれば、ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が弱まったとしても、カゴの停止制御中にカゴが持続的に移動することを防止できる。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエレベーター1の概略構成図であり、図2は、制動装置10における接離機構20の概略構成図である。先ず、図1及び図2を用いて、エレベーター1及び接離機構20について、それらの構成と動作について簡単に説明する。図1に示すように、エレベーター1は、カゴ2、釣合錘3、巻上機4、反らせ車6、ワイヤロープ7、及び制御部8を備え、巻上機4は、綱車5とモータ9を含む。カゴ2、釣合錘3、及びワイヤロープ7は、昇降路内に配置され、カゴ2はワイヤロープ7を介して釣合錘3と連結される。詳しくは、ワイヤロープ7は、昇降路の上部に設けられた巻上機4の綱車5や反らせ車6等に掛け渡され、その一端がカゴ2の上部に接続され、他端が釣合錘3に接続される。釣合錘3は、カゴ2の質量に釣り合う質量を有し、モータ9の駆動負荷を軽減するために設けられる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るエレベーター1の概略構成図であり、図2は、制動装置10における接離機構20の概略構成図である。先ず、図1及び図2を用いて、エレベーター1及び接離機構20について、それらの構成と動作について簡単に説明する。図1に示すように、エレベーター1は、カゴ2、釣合錘3、巻上機4、反らせ車6、ワイヤロープ7、及び制御部8を備え、巻上機4は、綱車5とモータ9を含む。カゴ2、釣合錘3、及びワイヤロープ7は、昇降路内に配置され、カゴ2はワイヤロープ7を介して釣合錘3と連結される。詳しくは、ワイヤロープ7は、昇降路の上部に設けられた巻上機4の綱車5や反らせ車6等に掛け渡され、その一端がカゴ2の上部に接続され、他端が釣合錘3に接続される。釣合錘3は、カゴ2の質量に釣り合う質量を有し、モータ9の駆動負荷を軽減するために設けられる。
巻上機4の綱車5は、モータ9の出力軸9aに取り付けられる。制御部8が、カゴ2内の行先階釦19や乗場のカゴ呼釦からの信号に基づいてモータ9を駆動することで、出力軸9aの回動に同期して綱車5が回動し、綱車5とワイヤロープ7との間に生じる摩擦力でワイヤロープ7が巻き上げられる。モータ9は、例えば交流モータであり、制御部8によってその正転と逆転が制御される。係る制御部8によるモータ9の正転と逆転の制御で、ワイヤロープ7の移動方向が変更され、カゴ2が昇降する。なお、図1に示す例では、巻上機4が、昇降路上部にある機械室内に設けられるが、エレベーターは、機械室がない機械室レスエレベーターでもよく、巻上機は、昇降路の下部のピット上に設けられてもよい。
次に、制動装置10の接離機構20の動作について説明する。エレベーター1は、制動装置10を備える。制動装置10は、カゴ2の停止を維持する際にモータ9の出力軸9aを制動することでカゴ2の安定した停止状態を確保するために設けられる。なお、モータ9が回転を停止するときには、例えば、エレベーターが運行中でカゴ2が各階床に停止している場合や、エレベーターが運行停止している場合が含まれる。
図1及び図2に示すように、制動装置10は、ブレーキホイール11、ブレーキシュー12、付勢手段13、及び接離機構20を備える。ブレーキホイール11は、円板状の回転体であり、モータ9の出力軸9aに固定され、出力軸9aと同期回転する。ブレーキホイール11は、例えば、金属製のブレーキ面である外周部と、その外周面を支持する中央筒部とで構成される。一方、ブレーキシュー12は、ブレーキホイール11の外周面に径方向に対向配置され、ブレーキホイール11と組み合わされ、摩擦によってブレーキホイール11を制動させる。
図2に示すように、ブレーキシュー12は、ライニング21、ライニング取付部22、及びアーム23を含む。ライニング21、及びライニング取付部22は、ブレーキシュー12の円弧状部35を構成する。ライニング21は、ブレーキホイール11のブレーキ面に向かい合って配置される摩擦部品であり、例えば、摩擦特性を有する金属材料で構成される。ライニング取付部22は、ライニング21を着脱可能に支持する。ライニング取付部22に対するライニング21の取付は、例えば、ネジ止め等によって実行される。
アーム23は、アーム状の部材であり、アーム23には、ライニング取付部22が固定される。アーム23の一端部は、ガイド部材28に接続される。付勢手段13は、アーム23の一端部に力を付与することによって、ブレーキシュー12をブレーキホイール11に向かって予め定めた付勢力で付勢する。アーム23の一端部は、接離機構20の作動に応じて、付勢手段13の軸方向に沿って移動する。
接離機構20は、付勢手段13の付勢力に抗してブレーキシュー12をブレーキホイール11に接離させる役割を担う。図2に矢印Aで示すように、接離機構20は、制動を実行する場合には、アーム23の一端部を制動側の位置に移動させ、制動を実行しない場合には、アーム23の一端部を開放側の位置に移動させる。
接離機構20は、例えば、電磁コイルと鉄心とを含むプランジャ機構で構成され、電磁コイルに駆動電流を流すことで、電磁コイルと電磁結合する鉄心を軸方向に移動駆動させる。鉄心は、アーム23の一端部と接続されるか、又はアーム23の一端部が鉄心として機能する。電磁コイルに駆動電流を流すことで、アーム23を付勢手段13の軸方向に沿って移動駆動させる。接離機構20の作動は、制御部8によって制御される。
次に、図3〜図9を用いて、制動装置10の詳細な構成及び動作を説明する。図3は、ブレーキホイール11及びブレーキシュー12を正面から正面図である。また、図4は、ブレーキホイール11とブレーキシュー12のライニング取付部22を図3に矢印Bで示すブレーキホイール11側方から見たときの模式図である。なお、本実施例では、ブレーキシュー12がブレーキホイール11を挟んで対向するように2つ配置される場合について説明するが、ブレーキシューの数はこれ以外であってもよい。例えば、1つのブレーキシューでブレーキホイールを制動する構成でもよく、それ以外の構成のブレーキシューでブレーキホイールを制動してもよい。
図3を参照して、制動装置10は、4つの第1ピン41〜44と、ピン移動機構30を備え、4つの第1ピン41〜44及びピン移動機構30は、ブレーキホイール11に取り付けられる。ピン移動機構30は、4つのピン移動部31〜34を含み、4つのピン移動部31〜34は、ブレーキホイール11の周方向に略等間隔に配設される。図3及び図4に示す状態では、ピン移動部31が紙面の上側に位置し、ピン移動部33が紙面の下側に位置する。第1ピン41〜44は、ブレーキホイール11の径方向に延在し、ピン移動部31〜34の夫々は、第1ピン41〜44を径方向(第1ピン41〜44の延在方向)に進退可能に移動させる。なお、図3に示す例では、ピン移動機構30が、4つのピン移動部31〜34を有するが、ピン移動機構は、1以上の如何なる数のピン移動部を有してもよい。
図5は、ピン移動部31の構成を表す模式図である。次にピン移動部31の構成及び動作について説明する。なお、ピン移動部32〜34は、ピン移動部31の構成と同一である。それらの構成及び動作については、ピン移動部31の構成及び動作の説明をもって省略する。
図5に示すように、ピン移動部31は、板状の第1永久磁石50、第1電磁石51、付勢部材としての第1コイルバネ52、第2ピン53、板状の第2永久磁石54、第2電磁石55及び第2コイルバネ56を有する。第1永久磁石50、第1電磁石51、及び第1電磁石51に電力を供給する機構は、電磁力付与部を構成する。板状の第1永久磁石50は、第1ピン41の延在方向に略直交する方向に延在する。ブレーキホイール11は、移動機構収容凹部80を有し、移動機構収容凹部80には、ブレーキホイール11の径方向に延在するピン収容凹部81が含まれる。ピン移動部31は、移動機構収容凹部80に収容され、第1ピン41は、ピン収容凹部81に収容される。
第1ピン41は、第1永久磁石50の表側面の延在方向の一端部に接着剤や溶接等により取り付けられる。第1電磁石51の一方側端部は、第1永久磁石50の表側面の延在方向の他端部(図5では、S極であるがN極でよい)に当該表側面の法線方向に対向するように配設される。第1電磁石51は、鉄心等で構成される磁性体からなる芯材61の周りにコイル62が巻回された構造を有する。コイル62に流れる電流の向きは制御部8(図1参照)によって制御される。
第1コイルバネ52の一端部は、板状の第1永久磁石50の裏側面の延在方向の一端部に接着剤や溶接等により固定され、第1コイルバネ52の他端部は、ブレーキホイール11に接着剤や溶接等により固定される。第1コイルバネ52は、ブレーキホイール11の径方向に略延在し、径方向の外方から見たとき、第1ピン41に略重なるように第1ピン41よりも径方向内方に配設される。
第1ピン41には、第2ピン収容孔58が設けられる。第2ピン収容孔58は、図5に示すように第1ピン41の延在方向に略直交する方向に延在すると好ましいが、第1ピンの延在方向に傾斜する如何なる方向に延在してもよい。第1ピン41がホイール回動可能位置(図5に示す位置)に存在している状態において、第2ピン53の中心軸と、第2ピン収容孔58の中心軸とは、略同一の直線上に位置する。第2ピン53は、第2永久磁石54の表側面の延在方向の一端部に接着剤や溶接等により取り付けられる。第2電磁石55の一方側端部は、第2永久磁石54の表側面の延在方向の他端部(N極又はS極を構成)に当該表側面の法線方向に対向するように配設される。第2電磁石55は、鉄心等で構成される磁性体からなる芯材63の周りにコイル64が巻回された構造を有する。コイル64に流れる電流の向きは制御部8(図1参照)によって制御される。
第2コイルバネ56の一端部は、板状の第2永久磁石54の裏側面の延在方向の一端部に接着剤や溶接等により固定され、第2コイルバネ56の他端部は、ブレーキホイール11に接着剤や溶接等により固定される。第2コイルバネ56の中心軸と、第2ピン53の中心軸とは、略同一の直線上に位置する。
ブレーキホイール11が静止している状態、かつ制御部8が第1永久磁石50のコイル62に電流を流さない状態では、第1コイルバネ52が自然長の長さになる。このとき、第1ピン41はホイール可動可能位置に位置し、第1ピン41の先端側がブレーキホイール11の外周面よりも径方向の内方側に位置する。
他方、第2ピン53の全てが第2ピン収容孔58に収容されていない状態で、制御部8がコイル62に電流を流すと、第1電磁石51の第1永久磁石50側の一端部に、第1永久磁石50の表側面の他端部の磁極と逆の磁極が生成される。このとき、第1永久磁石50は、第1コイルバネ52の付勢力よりも大きい磁力で第1電磁石51側に径方向外方側に移動する。その結果、第1永久磁石50の表側面に固定された第1ピン41も、径方向の外方側に移動し、ホイール回動防止位置に位置する。第1ピン41が、ホイール回動防止位置に位置している状態で、第1ピン41の先端側は、ブレーキホイール11の外周面よりも径方向の外方側に突出する。
第2ピン53は、第1ピン41を移動させる機構と同様の機構で第1ピン41の延在方向に略直交する方向に移動する。次に、第2ピン53の移動動作について簡単に説明する。第2ピン移動機構67が、第2ピン53をその延在方向に移動させる。第2ピン移動機構67は、板状の第2永久磁石54、第2電磁石55及び第2コイルバネ56を含む。第2電磁石55が通電されていない状態では、第2コイルバネ56が自然長の長さになり、第2ピン53は、第1ピン41に対して第2ピン53の延在方向に間隔をおいて位置する。
このとき、第2ピン53の中心軸と、第2ピン収容孔58の中心軸とは、略同一の直線上に位置する。係る状態で、第2電磁石55のコイルに電流が流れると、第2電磁石55と第2永久磁石54との間に働く引力によって第2永久磁石54が第2電磁石55側に移動し、その移動に伴って第1ピン41が移動し、第2ピン53の先端側が第2ピン収容孔58内に収容される。なお、公知の構造であるので詳述しないが、回動するブレーキホイール11に取り付けられる第1及び第2電磁石51,55には、例えば、スリップリング及びブラシを用いて電力が供給される。
次に、ピン移動部31の一部を表す模式図である図6〜図8を用いて、ピン移動部31におけるブレーキホイール11の回動を防止する動作について説明する。なお、ブレーキホイール11の回動を防止する動作の逆動作が、ブレーキホイール11の回動を許容する動作となる。ブレーキホイール11の回動を許容する動作の説明は、省略する。
図6は、第1ピン41が、ホイール回動可能位置に位置している状態を示す図である。図6に示すように、モータ9(図1参照)が駆動して、ブレーキホイール11が回動している状態では、第2ピン53の先端側が第2ピン収容孔58に収容される。この状態で、制御部8が、カゴ2を停止させるために、モータ9への通電を停止する制御を行うと、モータの出力軸9a(図1参照)の回転速度が徐々に低下する。制御部8は、モータ9への通電を停止する制御を実行してから、第1所定時間後にブレーキシュー12(図3参照)をブレーキホイール11に接触させるように接離機構20(図1,2参照)を制御する。また、制御部8は、ブレーキシュー12がブレーキホイール11に接触してから第2所定時間後に第2電磁石55(図5参照)への通電を停止する制御を行う。係る制御により、図7に示すように、第2ピン53が、第1ピン41から離れた位置まで第2ピン収容孔58から撤退する。
第2ピン53が、第2コイルバネ56が自然長の長さとなる位置まで撤退したことは、センサ88(図5参照)により検出される。センサ88は、メカニカルセンサや光学センサ等で構成される。制御部8は、センサ88から信号を受けて、第2ピン53が、第2コイルバネ56が自然長の長さとなる位置まで撤退したことを検知すると、第1電磁石51に電流を流す。その結果、図8に示すように、第1ピン41の先端側がピン収容凹部81からブレーキホイール11の外周面よりも径方向の外方側に突出する。
再度、図3を再度参照して、第1ピン41の突出制御が行われたとき、ブレーキシュー12が一以上のピン収容凹部81の開口を塞ぐ位置に存在していたとする。この場合、ピン収容凹部81の開口がブレーキシュー12で塞がれた第1ピン41はブレーキホイール11の外周面よりも径方向の外方側に突出することはない。しかし、ブレーキホイール11が周方向の如何なる位置に存在したとしても、ブレーキシュー12は、全てのピン収容凹部81の開口を塞ぐことができないようになっており、図3に示す例では、2つの第1ピン41,43がブレーキホイール11の外周面よりも径方向の外方側に突出する。
第1ピン41の突出制御は、ブレーキシュー12がブレーキホイール11に接触する制御が行われてから第2所定時間後に実行される。第1ピン41の突出制御は、ブレーキシューがブレーキホイールを保持する保持力が低下していない状態でブレーキホイール11の回転速度が零になってから実行されるように設定されている。
ここで、ブレーキシュー12がブレーキホイール11を保持する保持力が想定された力より低下して、ブレーキホイール11が静止するタイミングで、ブレーキホイール11が低速で矢印C(図3参照)に示す方向に回転したとする。仮に、そのような場合が生じたとしても、本制動装置10では、ブレーキホイール11の外周面よりも径方向外方側に突出している第1ピン41,43(図3に示す例では、紙面の上側と下側に存在している第1ピン41,43)の先端側が、ブレーキシュー12の周方向の一方側の端面87,88に係合する。その結果、ブレーキホイール11の低速での持続的な回動がブレーキシュー12に対する第1ピン41,43の係合によって阻止され、ブレーキホイール11が完全に静止する。第1実施形態では、ブレーキシュー12が、第1ピン41〜44が係合する非回転側部材を構成する。
上記第1実施形態によれば、カゴ2の静止を維持する際に、仮にブレーキシュー12がブレーキホイール11を保持する保持力が弱まったとしても、制御部8のピン移動機構30により、第1ピン41〜44の少なくとも一つが、ブレーキホイール11をブレーキシュー12に対して静止させるホイール回動防止位置に移動する。したがって、係る制御部8の制御によって、第1ピン41〜44でブレーキホイール11がブレーキシュー12に対して静止し、ブレーキホイール11の回動が防止される。よって、ブレーキシュー12がブレーキホイール11を保持する保持力が弱まったとしても、カゴ2の停止制御中にカゴ2が持続的に移動することがない。
更には、制御部8によるモータ9の駆動制御中に第2ピン53の先端側が第2ピン収容孔58内に突出し、その第2ピン53の突出で第1ピン41〜44の径方向外方への移動が防止される。したがって、第1ピン41〜44がブレーキホイール11の回動に起因する遠心力でホイール回動防止位置に移動することがない。よって、カゴ2が移動するブレーキホイール11の回動中に第1ピン41〜44が遠心力でブレーキシュー12側に突出してブレーキシュー12と接触して破損することを防止できる。
尚、第1実施形態では、第1電磁石51を通電すると、第1ピン41〜44の先端側がブレーキホイール11よりも径方向の外方側に突出する場合について説明し、第2電磁石55を通電すると、第2ピン53の先端側が第2ピン収容孔58内に突出する場合について説明した。しかし、第1電磁石の通電を停止すると、第1ピンの先端側がブレーキホイールよりも径方向の外方側に突出する構成でもよい。係る構成は、第1電磁石が通電されている場合、第1電磁石と永久磁石が反発して、第1コイルバネが圧縮されて、第1ピンの全てがピン収容凹部内に収容される一方、第1電磁石の通電が停止すると、圧縮されていた第1コイルバネが伸長することによって、第1ピンの先端側がブレーキホイールよりも径方向の外方側に突出する構成によって、実現できる。また、第2ピンの移動構造においても、同様の構造により、第2電磁石の通電が停止すると、第2ピンの先端側がピン収容孔内に突出するようにしてもよい。
また、第1ピン41〜44及び第2ピン53を、第1及び第2電磁石51,55を用いてそれらの第1及び第2ピン41〜44,53の延在方向に移動させる場合について説明した。しかし、第1ピン及び第2ピンのうちの少なくとも一方を、モータを用いた電動シリンダによって、その延在方向に移動させてもよい。
また、制御部8がモータ9の駆動を実行している際に第2ピン53の先端側が第2ピン収容孔58内に突出する場合について説明した。しかし、第2ピン53及び第2ピン移動機構は、存在しなくてもよい。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態のエレベーターの制動装置110におけるブレーキシュー112がブレーキホイール111に接触した瞬間の図3に対応する正面図であり、図10は、ブレーキホイール111を、図9に矢印Dで示す方向から見たときの図である。また、図11は、ブレーキホイール111の回動防止動作が実行されているときの図3に対応する正面図である。
図9は、第2実施形態のエレベーターの制動装置110におけるブレーキシュー112がブレーキホイール111に接触した瞬間の図3に対応する正面図であり、図10は、ブレーキホイール111を、図9に矢印Dで示す方向から見たときの図である。また、図11は、ブレーキホイール111の回動防止動作が実行されているときの図3に対応する正面図である。
図9及び図10を参照して、第2実施形態の制動装置110は、ピン移動機構130が、ブレーキホイール111でなくてブレーキシュー112の円弧状部135に取り付けられている点と、ブレーキホイール111が、その外周面に開口するピン収容孔155を有する点が、第1実施形態の制動装置10と異なる。制動装置110のそれ以外の構成、例えば、接離機構20の構成等は、制動装置10と同一である。以下では、第1実施形態と異なる構成、動作、作用効果のみ説明を行う。
図9に示すように、ピン移動機構130は、円弧状部135の外周面における周方向の端部に接着剤や溶接や締結により取り付けられる。ピン移動機構130のピン突出領域は、円弧状部135から周方向に突出し、ピン141は、ピン突出領域から径方向の内方側に突出する。ピン141の移動機構は、例えば、第1実施形態で説明した機構、すなわち、電磁石、永久磁石及びコイルバネを用いた機構や、電動シリンダ等で構成される。
図9に示す例では、制動装置110が、2つのピン移動機構130を有し、一方のピン移動機構130aが、一方の円弧状部135aの外周面における周方向の一方側に取り付けられ、他方のピン移動機構130bが、他方の円弧状部135bの外周面における周方向の他方側に取り付けられる。一方のピン移動機構130aの周方向の位相と、他方のピン移動機構130bの周方向の位相とは、互いにπ/2[rad]だけ異なる。また、ブレーキホイール111は、4つのピン収容孔155を有し、4つのピン収容孔155は、ブレーキホイール111の周方向に等間隔に配置される。
ブレーキシュー112は、ピン141が係合する非回転側部材である。図9を参照して、ブレーキシュー112がブレーキホイール111に接触した第1時刻には、ピン141は、ピン移動機構130のケースに設けられたピン収容室170内に収容される。その後、上記第1時刻から所定時間後に、ピン141は、ピン収容室170から径方向内方側に突出し、例えば、ブレーキホイール111の外周面に接触する。
その後、仮に、ブレーキシュー112がブレーキホイール111を保持する保持力が想定された力より低下して、ブレーキホイール11が静止するタイミングで、ブレーキホイール11が低速で矢印E(図9参照)に示す方向に回転し続けたとする。第2実施形態では、その場合でも、図11に示すように、ピン141の周方向の位相が、ピン収容孔155の周方向の位相に一致した瞬間に、2つのピン141が同時に異なる2つのピン収容孔155に入り込んで、ブレーキホイール111が完全に停止する。
なお、ブレーキホイール111の回動を防止する動作の逆動作が、ブレーキホイール111の回動を許容する動作となる。ブレーキホイール111の回動を許容する動作の説明は、省略する。
上記第2実施形態によれば、ピン141が回動しないブレーキシュー112の円弧状部135に取り付けられるので、ピン移動機構130及びピン141が回動することがない。したがって、ブレーキホイール回動防止構造を、ブラシやスリップリング等を用いずに簡易な構造で実現できる。
なお、第2実施形態では、制動装置110が、2つのピン移動機構130を有し、一方のピン移動機構130aの周方向の位相と、他方のピン移動機構130bの周方向の位相が、互いにπ/2[rad]だけ異なる場合について説明した。また、ブレーキホイール111が、4つのピン収容孔155を有し、4つのピン収容孔155は、ブレーキホイール111の周方向に等間隔に配置される場合について説明した。しかし、制動装置は、1以上の如何なる数のピン移動機構を有してもよく、ブレーキシューに取り付けられる1以上のピン移動機構のレイアウトは、如何なるレイアウトであってもよい。また、ブレーキホイールには、1以上の如何なる数のピン収容孔が設けられてもよく、ブレーキホイールに設けられる1以上のピン収容孔のレイアウトは、如何なるレイアウトであってもよい。
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態のエレベーターの制動装置210におけるブレーキホイール211の回動防止動作が実行されている状態の図3に対応する図である。また、図13は、図12のF-F線断面図である。
図12は、第3実施形態のエレベーターの制動装置210におけるブレーキホイール211の回動防止動作が実行されている状態の図3に対応する図である。また、図13は、図12のF-F線断面図である。
図12及び図13を参照して、第3実施形態の制動装置210では、ブレーキホイール211が、軸方向に延出する円筒状のフランジ部268を有し、ブレーキシュー212の円弧状部235が、ブレーキホイール211のフランジ部268の内周面に径方向に対向する点が、第2実施形態と異なる。また、ピン移動機構230が、昇降路に対して相対位置が変動しない静止部材290に取り付けられる点が、第2実施形態と異なる。制動装置210のそれ以外の構成、例えば、接離機構20の構成等は、第1実施形態の制動装置10と同一である。第3実施形態では、第1、第2実施形態と異なる構成、動作、作用効果のみ説明を行う。
図13に示すように、制動装置210に含まれる静止部材290は、径方向に延在する棒状部290aと、軸方向に延在する円柱部290bを備える。また、ブレーキホイール211は、中空円板部269を有し、中空円板部269は、軸受232を介して円柱部290bに回動自在に支持される。
制動装置210は、2つのピン移動機構230を備え、一方のピン移動機構230は、棒状部290aの一端部に配設され、他方のピン移動機構230は、棒状部290aの他端部に配設される。制御部によるピン移動機構230の制御によって、ピン241がピン適切なタイミングで径方向の外方側に突出する。ピン241の移動機構は、例えば、第1実施形態で説明した機構、すなわち、電磁石、永久磁石及びコイルバネを用いた機構や、電動シリンダ等で構成される。図12及び図13に示すように、制御部によるピン移動機構230の制御で径方向の外方側に突出したピン241の先端側が、ピン収容孔255内に入り込むことでブレーキホイール211の回動防止動作が実行される。第3実施形態では、静止部材290が、ピン241が係合する非回転側部材を構成する。
上記第3実施形態によれば、ブレーキシュー212がブレーキホイール211のフランジ部268の内側に配設される構造において、ブレーキホイール回動防止構造を実現できる。
なお、ピン移動機構230が静止部材290に設置されて、ピン241が静止部材290からブレーキホイール211に向けて径方向外方側に突出する場合について説明した。しかし、ピン移動機構がブレーキホイールに設置されて、ピンがブレーキホイールから静止部材に向けて径方向内方側に突出してもよい。
また、ピン移動機構230が、静止部材290の棒状部290aに取り付けられる場合について説明した。しかし、ピン移動機構が取り付けられる静止部材の取付部の形状は、ブレーキホイールの円筒状のフランジ部における径方向内方に配置可能な形状であれば如何なる形状であってもよく、棒形状以外の形状でもよい。
1 エレベーター、 4 巻上機、 5 巻上機の綱車、 8 制御部、 9 モータ、 9a モータの出力軸、 11,111,211 ブレーキホイール、 12,112,212 ブレーキシュー、 20 接離機構、 30,130,230 ピン移動機構、 35,135,235 円弧状部、 41,42,43,44 第1ピン、 52 第1コイルバネ 53 第2ピン、 58 第2ピン収容孔、 67 第2ピン移動機構、 141,241 ピン、 155,255 ピン収容孔、 268 フランジ部、 290 静止部材。
Claims (6)
- エレベーターの巻上機の綱車を回動させるモータの出力軸に取り付けられ、前記出力軸により回転するブレーキホイールと、
前記ブレーキホイールに対し回転しない非回転側部材であって、ブレーキホイールの周面に径方向に対向すると共に、前記周面の一部に対応する円弧面を有するブレーキシューと、
前記ブレーキホイールの前記周面に前記ブレーキシューの前記円弧面を接離させる接離機構と、
前記ブレーキホイールの回動を防止するホイール回動防止位置と、前記ブレーキホイールの回動を可能とするホイール回動可能位置との間で移動可能なピンと、
前記ピンを移動させるピン移動機構と、
カゴの静止を維持する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイールと、前記非回転側部材とに係合することによって、前記ブレーキホイールが前記ブレーキシューに対して静止する前記ホイール回動防止位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する一方、前記カゴの移動を実行する際には、前記ピンが、前記ブレーキホイール、または前記非回転側部材に係合しないことによって、前記ブレーキホイールが回動可能になる前記ホイール回動可能位置に前記ピンを位置させるように前記ピン移動機構を制御する制御部と、
を備えるエレベーターの制動装置。 - 請求項1に記載のエレベーターの制動装置において、
前記ピンは、前記ブレーキホイールの前記径方向に延在し、
前記ブレーキシューは、前記円弧面を含む円弧状部を有して、前記円弧面は、前記ブレーキホイールの外周面に前記径方向に対向し、
前記ピンが前記ホイール回動防止位置に位置している状態で前記ピンの先端側が前記ブレーキホイールから前記径方向の外方側に突出して、前記ピンの先端側が前記円弧状部の周方向の端面に接触することで前記ブレーキホイールの回動が防止される、エレベーターの制動装置。 - 請求項2に記載のエレベーターの制動装置において、
前記ブレーキホイールには、第2ピンと、その第2ピンを前記第2ピンの延在方向に移動させる第2ピン移動機構とが設置され、
前記ピンには、前記ピンの側面に開口する第2ピン収容孔が設けられ、
前記制御部は、前記モータが駆動している際に前記第2ピンの先端側を前記第2ピン収容孔内に突出させることによって前記ピンが前記ブレーキホイールの回動に起因する遠心力で前記ホイール回動防止位置に移動することを防止する、エレベーターの制動装置。 - 請求項1に記載のエレベーターの制動装置において、
前記ブレーキシューは、前記円弧面を含む円弧状部を有して、前記円弧面は、前記ブレーキホイールの外周面に前記径方向に対向し、
前記ブレーキホイールには、その外周面に開口するピン収容孔が設けられ、
前記円弧状部には、前記ピン移動機構及び前記ピンが取り付けられ、
前記ピンは、前記ホイール回動可能位置において前記ブレーキホイールに間隔をおいた状態で前記ブレーキホイールの前記径方向の外方に位置する一方、前記ホイール回動防止位置で先端側が前記ピン収容孔に突出する、エレベーターの制動装置。 - 請求項1に記載のエレベーターの制動装置において、
前記ブレーキホイールは、軸方向に延出する円筒状のフランジ部を含み、
前記ブレーキホイールの前記フランジ部には、その内周面に開口するピン収容孔が設けられ、
前記ピンは、前記フランジ部の前記径方向の内方に配設された非回転側部材に移動可能に取り付けられ、
前記ピンは、前記ホイール回動可能位置で前記フランジ部の前記径方向の内方に前記フランジ部の内周面に対し間隔をおいて位置する一方、前記ホイール回動防止位置で先端側が前記ピン収容孔に突出する、エレベーターの制動装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のエレベーターの制動装置において、
前記ピン移動機構は、付勢部材と、前記制御部による制御で電磁力に基づく力を前記ピンに付与する電磁力付与部とを含み、
前記付勢部材は、前記ピンを前記ホイール回動可能位置とホイール回動防止位置とのうちの一方側に付勢し、前記電磁力付与部は、前記ピンを前記ホイール回動可能位置とホイール回動防止位置とのうちの他方側に移動させる力を前記ピンに付与する、エレベーターの制動装置。
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JP2017009397A JP2018118798A (ja) | 2017-01-23 | 2017-01-23 | エレベーターの制動装置 |
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CN116969369A (zh) * | 2023-09-22 | 2023-10-31 | 沈阳蓝光驱动技术有限公司 | 一种电梯曳引机制动装置 |
-
2017
- 2017-01-23 JP JP2017009397A patent/JP2018118798A/ja active Pending
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CN116969369B (zh) * | 2023-09-22 | 2024-01-09 | 沈阳蓝光驱动技术有限公司 | 一种电梯曳引机制动装置 |
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