JP2018118608A - 座席移動装置 - Google Patents

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廣昭 望月
栄二 保坂
Eiji Hosaka
栄二 保坂
宏臣 栗林
Hiroomi Kuribayashi
宏臣 栗林
敏郎 見波
Toshirro Minami
敏郎 見波
彰斗 金子
Akito Kaneko
彰斗 金子
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Abstract

【課題】移動体に取り付けられた蓋体の変形や破損を防止しつつ、座席を簡易的且つ速やかに目的とする位置に移動させることができる座席移動装置の提供。【解決手段】軌道レール31と、軌道レール31に対し相対移動可能に取り付けられたスライダブロック32と、スライダブロック32に取り付けられた座席シートと、を備える座席シート移動固定装置1であって、スライダブロック32は、ブロック本体60と、ブロック本体60の移動方向の両端面60aに取り付けられたエンドプレート61と、を備え、軌道レール31には、ブロック本体60と移動方向で対向するストッパーが設けられ、エンドプレート61には、ストッパーとブロック本体60との対向領域101から退避する逃げ溝100が形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、座席移動装置に関するものである。
下記特許文献1には、客室床面に敷設された床レールに対して位置変更可能に取り付けられる乗物用座席であって、脚の下端には前記床レールに掛止する掛止部材を備えた乗物用座席において、前記掛止部材には、該掛止部材の床レールに対する掛止とその解除を行う固定及び固定解除装置を取り付け、前記乗物用座席には、該乗物用座席を床レールに沿って移動させる座席移動装置を取り付けたことを特徴とする乗物用座席が開示されている。
特開平2−279433号公報
上記従来技術の乗物用座席は、一人掛け乃至三人掛けの座席が座席基体により一体化されたものであり、当該座席基体の左右部には脚部が設けられている。このような乗物用座席を移動させる場合、座席基体の左右の脚部のそれぞれに移動体を取り付け、該移動体を軌道体に沿って相対移動可能とさせることにより、乗物用座席を容易に精度良く案内することができる。ところで、この乗物用座席を最終的な目的の位置に簡易且つ速やかに移動させるためには、軌道体にストッパーを設け、移動体の移動方向の端面を突き当てることが好ましい。しかしながら、移動体の移動方向の端面には、蓋体が取り付けられており、移動体をストッパーに突き当てた際に、当該蓋体に過大な荷重がかかり、変形や破損が発生するといった問題が懸念されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、移動体に取り付けられた蓋体の変形や破損を防止しつつ、座席を簡易的且つ速やかに目的とする位置に移動させることができる座席移動装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、軌道体と、前記軌道体に対し相対移動可能に取り付けられた移動体と、前記移動体に取り付けられた座席と、を備える座席移動装置であって、前記移動体は、移動ブロックと、前記移動ブロックの移動方向の両端面に取り付けられた蓋体と、を備え、前記軌道体には、前記移動ブロックと前記移動方向で対向するストッパーが設けられ、前記蓋体には、前記ストッパーと前記移動ブロックとの対向領域から退避する逃げ溝が形成されている、という構成を採用する。
本発明によれば、移動体に取り付けられた蓋体の変形や破損を防止しつつ、座席を簡易的且つ速やかに目的とする位置に移動させることができる座席移動装置が得られる。
本発明の実施形態における座席シート移動固定装置を示す斜視図である。 図1に示す座席シート移動固定装置が備える運動案内装置を示す斜視図である。 図2に示す矢視A−Aの部分断面図である。 図2に示す矢視B−Bの断面図である。 本発明の実施形態におけるストッパーの軌道レールに対する取付構造を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるスライダブロックのストッパーが突き当てられる部分を示す拡大斜視図である。 本発明の実施形態における(a)軌道レールに対するストッパーの配置、及び、(b)スライダブロックとストッパーとの突き当て状態を示す模式平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、座席移動装置として、航空機の客室において座席シートの前後の間隔を調整する座席シート移動固定装置を例示する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、省略した部分がある。
図1は、本発明の実施形態における座席シート移動固定装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示す座席シート移動固定装置1が備える運動案内装置30を示す斜視図である。なお、図2は、座席シート10の後脚17に取り付けられた運動案内装置30を後方から視た斜視図である。図3は、図2に示す矢視A−Aの部分断面図である。図4は、図2に示す矢視B−Bの断面図である。
座席シート移動固定装置1は、図1に示すように、座席シート10と、床レール20と、運動案内装置30と、を備える。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は座席シート10の前後方向であり、X軸方向と直交するY軸方向(水平方向)は座席シート10の左右方向であり、X,Y軸方向と直交するZ軸方向は座席シート10の上下方向である。
座席シート10は、例えば、複数の座席11を有する航空機用座席である。座席11は、人が着座する着座部12と、着座部12に座った着座者を後方から支える背凭れ13と、着座者の腕を下方から支える肘掛14と、を備える。これらの座席11は、図示しない座席基体(座席フレーム)により左右方向において一体化されて三人掛けとなっている。この座席基体には、座席11を支持する複数の脚部15が設けられている。
複数の脚部15は、座席シート10の左右に離間して配置されている。また、複数の脚部15は、座席シート10の左右のそれぞれにおいて、座席シート10の前後に離間して配置された前脚16及び後脚17を形成している。前脚16は、座席11の下面から下方に延びている。後脚17は、座席11の下面から斜め後方に延びている。前脚16の下端及び後脚17の下端には、それぞれ運動案内装置30のスライダブロック32(移動体)が接続されている。
床レール20は、航空機の客室の床面に沿って座席シート10の前後方向に延在して設けられている。この床レール20は、座席シート10の左右の前脚16及び後脚17がそれぞれ配置される位置に、対となって平行に延在している。床レール20は、図2に示すように、長尺状でかつその長手方向(X軸方向)に沿って上部にスリット21が形成された筒状に形成されている。このスリット21には、長手方向と交差する幅方向(Y軸方向)における間隙の幅が広く設定された膨出領域22を長手方向に沿って規則的に複数有している。
運動案内装置30は、この床レール20上に配置された軌道レール31(軌道体)と、軌道レール31に沿って相対移動可能に組み付けられたスライダブロック32(移動体)と、軌道レール31を床レール20に固定する固定ユニット33(軌道体ユニット)と、スライダブロック32の移動範囲を制限するストッパー34と、を備える。
この運動案内装置30は、図1に示すように、座席シート10の左右方向に離間して配置されており、左右の運動案内装置30の軌道レール31は、互いに平行になるように前後方向に延在している。左右の軌道レール31のそれぞれには、前脚16に接続されたスライダブロック32と後脚17に接続されたスライダブロック32とが長手方向に相対移動可能に取り付けられている。
軌道レール31は、図3に示すように、断面視略矩形状の長尺部材である。軌道レール31の長手方向と直交する幅方向(Y軸方向)の側面31bには、軌道レール31の長手方向(X軸方向)に沿って転動体転走溝40が形成されている。転動体転走溝40は、側面31bに対して略円弧状に窪んでいる。この転動体転走溝40は、軌道レール31の左右に一対で形成されている。
また、軌道レール31の側面31bには、転動体転走溝40よりも下方に、凹部41が形成されている。凹部41は、転動体転走溝40よりも深く大きな溝であり、軌道レール31の長手方向に沿って形成されている。凹部41は、側面31bに対して斜辺が軌道レール31の中心に向かって斜め下方に延びる略直角三角形状に窪んでいる。この凹部41は、軌道レール31の左右に一対で形成されている。
軌道レール31には、図2に示すように、第1孔部42と、第2孔部43と、が形成されている。第1孔部42には、軌道レール31を床レール20に固定するボルト44(固定部材)が挿入される。また、第2孔部43には、軌道レール31に対するスライダブロック32の長手方向における位置を決める位置決めピン45(固定ピン)が挿入される。これら第1孔部42と第2孔部43は、軌道レール31の長手方向において等間隔で交互に形成されている。
第1孔部42は、図4に示すように、軌道レール31の厚み方向(Z軸方向)に貫通して形成された段付き孔であり、ボルト44の頭部を軌道レール31の上面31aよりも下方に位置させる座ぐり46が形成されている。一方、第2孔部43は、軌道レール31の厚み方向に貫通して形成された貫通孔である。第2孔部43の内径は、第1孔部42(座ぐり46)の内径と略等しい。なお、第1孔部42と第2孔部43の内径は、異なっていてもよい。
固定ユニット33は、床レール20の内側に配置された内側ベース部材50を備える。内側ベース部材50は、長手方向に間隔をあけて複数(本実施形態では2つ)のボルト締結部53が連結された第1部材51と、当該複数のボルト締結部53の間で第1部材51の長手方向への移動を規制する第2部材52と、を備える。第1部材51は、複数のボルト44と締結され、図3に示すように、床レール20の外側に配置された軌道レール31との間で、床レール20を内側と外側とから挟持するものである。
第1部材51は、軌道レール31との間で床レール20を挟み込む挟持部54と、挟持部54から上部に突出したボルト締結部53と、を備える。挟持部54の幅は、スリット21の膨出領域22における幅よりも小さく、スリット21の膨出領域22以外の領域(狭隘領域)の幅よりも大きい。この挟持部54及びボルト締結部53は、長手方向において隣接する膨出領域22の間(狭隘領域)に配置される。ボルト締結部53の上面には、図4に示すように、ネジ孔55が形成されており、ボルト44が締結される。
また、第1部材51は、長手方向に隣接して配置されたボルト締結部53の間に、第2部材52を固定する突起56を備える。第2部材52は、突起56が圧入される孔部57を備え、第1部材51に対して固定されている。この第2部材52は、幅方向(Y軸方向)に長い略長円形状を有し、図2に示す膨出領域22に配置され、膨出領域22と長手方向(X軸方向)において係合することで、第1部材51の長手方向への移動を規制する。
スライダブロック32は、ブロック本体60(移動ブロック)と、ブロック本体60に取り付けられたエンドプレート61(蓋体)と、座席シート10の脚部15が取り付けられるアダプタープレート62(取付部材)と、を備える。ブロック本体60には、図3に示すように、軌道レール31の凹部41に遊嵌する凸部63が形成されている。凸部63は、ブロック本体60の内面60bに対して突出し、凹部41に隙間をあけて挿入されている。
凸部63が凹部41に挿入されることで、軌道レール31とスライダブロック32とがZ軸方向において分離不能となる。このため、例えば、脚部15と接続されたスライダブロック32に対して軌道レール31から相対的に離間させる方向(Z成分を含む方向)の外部荷重(引き抜き荷重)が加わったときでも、凹部41と凸部63とが接触することにより、軌道レール31とスライダブロック32との組み付け状態が維持され、ボール64の脱落などが防止される。
また、ブロック本体60には、転動体負荷転走溝65が形成されている。転動体負荷転走溝65は、ブロック本体60の内面60bに対して円弧状に窪んでいる。この転動体負荷転走溝65は、軌道レール31を挟むように、スライダブロック32の左右に一対で形成されている。転動体負荷転走溝65は、軌道レール31の転動体転走溝40と対向し、負荷をかけた状態でボール64を転動させる負荷転動体転走路L1を形成する。
また、ブロック本体60には、無負荷転動体転走路L2が形成されている。無負荷転動体転走路L2は、ブロック本体60を長手方向に貫通して形成されている。無負荷転動体転走路L2の内径は、ボール64のボール径よりも大きく、ボール64に負荷をかけないようになっている。この無負荷転動体転走路L2は、転動体負荷転走溝65(負荷転動体転走路L1)に対応して、スライダブロック32の左右に一対で形成されている。
エンドプレート61は、図2に示すように、ブロック本体60の移動方向の両端面60aに取り付けられている。このエンドプレート61には、異物の付着や侵入を防止するスクレーパー61aが取り付けられている。また、エンドプレート61には、ブロック本体60の両端面60aと対向する対向面に、転動体方向転換路L3が形成されている(図3参照)。一対の転動体方向転換路L3は、負荷転動体転走路L1と無負荷転動体転走路L2の両端をそれぞれ連結し、ボール64の無限循環路Lを形成する。
無限循環路Lは、軌道レール31の長手方向に延びる一対の直線状部分(負荷転動体転走路L1及び無負荷転動体転走路L2)と、この一対の直線状部分の端部同士を連結する一対の半円弧曲線状部分(転動体方向転換路L3)とから構成される。本実施形態では、軌道レール31の幅方向において間隔をあけ、軌道レール31の長手方向に沿って平行に延在するように2条の無限循環路Lが形成される。
ボール64は、軌道レール31とスライダブロック32との間に介在して、軌道レール31に対するスライダブロック32の移動を円滑に行わせるものである。本実施形態のボール64は、無限循環路Lの内部にほぼ隙間無く配設されて、無限循環路Lを循環する。
アダプタープレート62は、図2に示すように、複数のボルト66(ネジ部材)によってブロック本体60の上部に固定されている。アダプタープレート62は、座席シート10の脚部15を連結する連結ピン67が幅方向(Y軸方向)に延びる軸回りに回転自在に挿入される連結ピン受部68を備える。すなわち、スライダブロック32は、軌道レール31の幅方向を回転軸として回動可能に脚部15と接続されている。
また、アダプタープレート62には、位置決めピン45が挿入される挿入孔69が形成されている。挿入孔69は、アダプタープレート62を厚み方向(Z軸方向)に貫通して形成されている。また、図4に示すように、ブロック本体60には、挿入孔69と連通する挿入孔70が形成されている。挿入孔70は、ブロック本体60を厚み方向(Z軸方向)に貫通して形成されている。この挿入孔70には、鍔付き円筒状のブッシュ71が装着されている。
位置決めピン45は、先細りのテーパー部45aを有し、アダプタープレート62の挿入孔69、ブロック本体60の挿入孔70(ブッシュ71)及び軌道レール31の第2孔部43に容易に挿入可能な構成となっている。位置決めピン45が、アダプタープレート62及びブロック本体60を貫通して、軌道レール31の第2孔部43に挿入されると、軌道レール31に対するスライダブロック32の長手方向における位置が決まる。
上記構成の運動案内装置30によれば、位置決めピン45の抜き差しにより、軌道レール31に対するスライダブロック32の長手方向における位置決め(固定)及び位置決め解除(固定解除)を行うことができる。このため、スライダブロック32から位置決めピン45を抜けば、図1に示す座席シート10を前後方向に移動させることができる。また、位置決めピン45をスライダブロック32に差し込み、軌道レール31の第2孔部43に挿入することで、座席シート10を固定することができる。
次に、図5〜図7を参照して、上記構成の運動案内装置30が備えるストッパー34の構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態におけるストッパー34の軌道レール31に対する取付構造を示す分解斜視図である。図6は、本発明の実施形態におけるスライダブロック32のストッパー34が突き当てられる部分を示す拡大斜視図である。図7は、本発明の実施形態における(a)軌道レール31に対するストッパー34の配置、及び、(b)スライダブロック32とストッパー34との突き当て状態を示す模式平面図である。
軌道レール31には、図5に示すように、ストッパー34の一部を収容する収容部80が形成されている。
収容部80は、位置決めピン45が挿入される第2孔部43を利用して形成されており、第2孔部43(貫通孔)と、連通溝81と、を含む。第2孔部43は、上述したように、軌道レール31の長手方向と直交する厚み方向(Z軸方向)において、軌道レール31を貫通して形成されている。連通溝81は、第2孔部43から軌道レール31の幅方向(Y軸方向)に延び、第2孔部43と軌道レール31の側面31bとを連通させる。
連通溝81は、軌道レール31の下面31c(取付面)から上面31aに向かって所定深さで形成されている。この連通溝81は、少なくとも、軌道レール31の転動体転走溝40が形成された位置よりも下方に形成されている。本実施形態の連通溝81は、軌道レール31の転動体転走溝40が形成された位置よりも下方であって、軌道レール31の下面31cから軌道レール31の凹部41が形成された位置まで形成されている。
ストッパー34は、本体部90と、ネック部91と、ヘッド部92と、を備え、平面視で略T字状に形成されている。本体部90は、第2孔部43に収容される。この本体部90は、円柱形状を有し、その直径は、第2孔部43の直径よりも僅かに小さく、連通溝81の幅よりも大きい。これにより、本体部90が、ストッパー34の抜け止めとなる。ネック部91は、本体部90から延び、連通溝81に収容される。このネック部91は、本体部90の外周面から径方向外側に延びる棒形状を有し、その幅は、連通溝81の幅よりも僅かに小さい。
ヘッド部92は、ネック部91から延び、軌道レール31の側面31bに突出する。このヘッド部92は、ネック部91の先端から軌道レール31の側面31bに沿って、軌道レール31の長手方向(X軸方向)両側に延びる棒形状を有する。
上記構成のストッパー34は、本体部90を第2孔部43に収容し、ネック部91を連通溝81に収容し、ヘッド部92を軌道レール31の側面31bに突出させた状態で、軌道レール31を床レール20に固定することで、図2に示す状態で軌道レール31に取り付けられる。
ストッパー34は、図7(a)に示すように、軌道レール31の長手方向と直交する幅方向(Y軸方向)における、軌道レール31の一方の側面31bに、ヘッド部92が突出するように設けられている。すなわち、ストッパー34は、軌道レール31の側面31bの片側にのみ設けられている。また、軌道レール31は、ストッパー34が設けられた一方の側面31bが互いに対向するように、一対で設けられている。すなわち、ストッパー34は、一対の軌道レール31の内側に設けられている。
軌道レール31に設けられたストッパー34は、ブロック本体60と移動方向(X軸方向)で対向する。図6に示すように、ブロック本体60の移動方向の端面60aに取り付けられたエンドプレート61には、ストッパー34とブロック本体60との対向領域101から退避する逃げ溝100が形成されている。逃げ溝100は、スクレーパー61aよりも下方であって、エンドプレート61の内側(軌道レール31側)に形成されている。
逃げ溝100は、ブロック本体60の下部に、対向領域101よりも一回り大きく形成され、ストッパー34が突き当てられるブロック本体60の端面60aを露出させる。対向領域101は、ブロック本体60の凸部63を避けた位置に設定されている。すなわち、凸部63は、スライダブロック32に対して軌道レール31から相対的に離間させる方向(Z成分を含む方向)の外部荷重(引き抜き荷重)が加わったときに、凹部41に接触して軌道レール31とスライダブロック32とを分離不能とさせる機能(強度)を有するため、凸部63の当該機能に影響しないように、対向領域101を凸部63を避けた位置に設定することが好ましい。
続いて、上記構成の座席シート移動固定装置1による作用について説明する。
座席シート移動固定装置1において、座席シート10を移動させる場合、先ず、スライダブロック32から位置決めピン45を抜く。これにより、軌道レール31に対するスライダブロック32の固定が解除され、スライダブロック32は、軌道レール31に沿って移動することが可能となる。軌道レール31には、ストッパー34が設けられており、ストッパー34にスライダブロック32を突き当てることで、座席シート10(スライダブロック32)を最終的な目的の位置に簡易且つ速やかに移動させることができる(図7(b)参照)。スライダブロック32をストッパー34に突き当てたら、スライダブロック32に位置決めピン45を差し込み、座席シート10を目的の位置で固定する。これにより、座席シート10の移動作業の工数を削減することができる。
ここで、ストッパー34は、スライダブロック32のブロック本体60と移動方向で対向するように設けられ、エンドプレート61には、図6に示すように、ストッパー34とブロック本体60との対向領域101から退避する逃げ溝100が形成されている。この構成によれば、ストッパー34がエンドプレート61に突き当たることなく、ブロック本体60に直接突き当たるため、エンドプレート61に過大な荷重がかからない。これにより、エンドプレート61に設けたスクレーパー61aの変形や破損を防止でき、また、エンドプレート61に形成された転動体方向転換路L3の歪みを防止でき、座席シート10(スライダブロック32)を滑らかに移動させることができる。
また、軌道レール31には、図5に示すように、ストッパー34の一部を収容する収容部80が形成されている。収容部80は、軌道レール31を貫通して形成された第2孔部43と、第2孔部43と軌道レール31の側面31bとを連通させる連通溝81と、を備え、ストッパー34は、第2孔部43に収容される本体部90と、本体部90から延び、連通溝81に収容されるネック部91と、ネック部91から延び、軌道レール31の側面31bに突出するヘッド部92と、を備える。この構成によれば、軌道レール31の端部以外の位置であって、軌道レール31の長手方向における任意の位置にストッパー34を取り付けることができる。
また、ストッパー34は、図7(a)に示すように、軌道レール31の長手方向と直交する幅方向における、軌道レール31の一方の側面31bに設けられている。この構成によれば、ストッパー34が、軌道レール31の一方の側面31bにのみ設けられ、軌道レール31の他方の側面31bには、収容部80の連通溝81が形成されないため、軌道レール31の機械的強度を確保し易くなる。また、連通溝81を軌道レール31の両側に形成する加工の手間を低減することができる。
さらに、軌道レール31は、図7(a)に示すように、ストッパー34が設けられた一方の側面31bが互いに対向するように、一対で設けられている。この構成によれば、ストッパー34が一対の軌道レール31の内側に設けられているため、例えば、座席シート10の両側を通る乗客に、ストッパー34が間違って蹴られる等といった懸念を解消することができる。なお、軌道レール31には、客室に設置する際に、カバーを被せることが好ましい。本実施形態では、軌道レール31の側面31bの低い位置にストッパー34が設けられているため、カバーを被せた場合にも、ストッパー34をカバーの下に隠し易く、見栄えを良くすることができる。
このように、上述の本実施形態によれば、軌道レール31と、軌道レール31に対し相対移動可能に取り付けられたスライダブロック32と、スライダブロック32に取り付けられた座席シート10と、を備える座席シート移動固定装置1であって、スライダブロック32は、ブロック本体60と、ブロック本体60の移動方向の両端面60aに取り付けられたエンドプレート61と、を備え、軌道レール31には、ブロック本体60と移動方向で対向するストッパー34が設けられ、エンドプレート61には、ストッパー34とブロック本体60との対向領域101から退避する逃げ溝100が形成されている、という構成を採用することによって、スライダブロック32に取り付けられたエンドプレート61の変形や破損を防止しつつ、座席シート10を簡易的且つ速やかに目的とする位置に移動させることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、収容部80の連通溝81を、軌道レール31の一方の側面31bに形成する構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、連通溝81を、軌道レール31の一方の側面31bと他方の側面31bにそれぞれ形成する構成であってもよい。
また、この場合、ストッパー34の形状を、本体部90を中心に、ネック部91とヘッド部92とを左右一対で備える、平面視で略H字状に形成してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、運動案内装置30の案内対象物として3人掛けの座席シート10を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、座席シート10は1人掛けであっても2人掛けであっても、4人掛け以上のものであってもよい。また、座席シート10に対して3列以上の脚部15が左右に離間して設けられる構成であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、図3に示すように、運動案内装置30として、左右に1条ずつ、計2条の無限循環路Lが形成されるものを例示したが、例えば、左右に2条ずつ、計4条の無限循環路Lが形成されるものを使用してもよい。また、案内対象物の移動ストロークが限定されるものであれば、運動案内装置30として、無限循環路Lが形成されない有限ストローク型運動案内装置を使用してもよい。この有限ストローク型運動案内装置は、転動体転走溝40と転動体負荷転走溝65との間にケージ(転動体保持部材)が配置され、当該ケージに設けられたボールホルダでボール64を回転自在に保持するものである。
また、例えば、上記実施形態では、転動体としてボールを使用したが、例えば、ローラー等の他の転動体を使用してもよい。
また、上記実施形態では、運動案内装置30として転動体が介在する転がり案内装置を使用したが、転動体が介在しないすべり案内装置を使用してもよい。
1…座席シート移動固定装置(座席移動装置)、10…座席シート(座席)、31…軌道レール(軌道体)、31b…側面、32…スライダブロック(移動体)、34…ストッパー、60…ブロック本体(移動ブロック)、60a…両端面、61…エンドプレート(蓋体)、61a…スクレーパー、80…収容部、81…連通溝、90…本体部、91…ネック部、92…ヘッド部、100…逃げ溝、101…対向領域

Claims (4)

  1. 軌道体と、前記軌道体に対し相対移動可能に取り付けられた移動体と、前記移動体に取り付けられた座席と、を備える座席移動装置であって、
    前記移動体は、
    移動ブロックと、
    前記移動ブロックの移動方向の両端面に取り付けられた蓋体と、を備え、
    前記軌道体には、前記移動ブロックと前記移動方向で対向するストッパーが設けられ、
    前記蓋体には、前記ストッパーと前記移動ブロックとの対向領域から退避する逃げ溝が形成されている、ことを特徴とする座席移動装置。
  2. 前記ストッパーは、前記軌道体の長手方向と直交する幅方向における、前記軌道体の一方の側面に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の座席移動装置。
  3. 前記軌道体は、前記ストッパーが設けられた前記一方の側面が互いに対向するように、一対で設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の座席移動装置。
  4. 前記軌道体には、前記ストッパーの一部を収容する収容部が形成され、
    前記収容部は、
    前記軌道体の長手方向と直交する厚み方向において、前記軌道体を貫通して形成された貫通孔と、
    前記貫通孔と、前記長手方向及び前記厚み方向と直交する幅方向における、前記軌道体の両側面のうち、少なくともいずれか一方の側面とを連通させる連通溝と、を備え、
    前記ストッパーは、
    前記貫通孔に収容された本体部と、
    前記本体部から延び、前記連通溝に収容されたネック部と、
    前記ネック部から延び、前記軌道体の側面に突出したヘッド部と、を備える、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の座席移動装置。
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