JP2018118184A - 水処理制御装置及び水処理システム - Google Patents
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Abstract
下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供する。
【解決手段】
水処理システム1は、最初沈殿池4から流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽5、最終沈殿池6、第1接続配管16より分岐し簡易処理水を放流するためのバイパス配管19、及び流量調整弁9を有する水処理装置2と、反応槽5へ流入する被処理水の流量を計測する流量計11と、反応槽5内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計12と、MLSS計12により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、反応槽5へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部32と、流量上限値を超過せぬよう流量調整弁9の開度を制御する流量調整弁開度制御部33を有する水処理制御装置2と、を備える。
【選択図】 図1
Description
下水と雨水を同一の管で処理場へと集約する合流式下水道では、一般的に最大計画汚水量を超える流入下水は、簡易処理として最初沈殿池における固形分の除去、そしてその後の消毒処理を経て、公共用水域へと放流される。簡易処理では、従来の生物処理がなされないため、放流先への環境負荷を低減するためには、簡易処理量を減らし、生物処理量を増加させることが望ましい。
そこで、本発明は、下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供する。
また、本発明に係る水処理システムは、(1)少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置と、(2)前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計と、(3)前記反応槽内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計と、(4)前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部を有する水処理制御装置と、を備えることを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1に示すように、水処理装置2は、被処理水である下水の流入側より順に、最初沈殿池4、好気槽(反応槽)5及び最終沈殿池6を備える。好気槽(反応槽)5は、図1に示すように4段又は4槽直列に設けられており、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5にはMLSS計12が設置されている。なお、以下では、好気槽(反応槽)5が4槽直列に設けられる場合を一例として示すが、槽数はこれに限られるものではなく適宜設定されるものである。
また、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5には、第1接続配管16を介して最初沈殿池4からの上澄み液である下水(被処理水)が流入すると共に、返送ポンプ10が設置された返送汚泥配管21を介して最終沈殿池6より返送汚泥(活性汚泥20)が流入し、活性汚泥中の硝化細菌により、アンモニア性窒素(NH4−N)を硝酸性窒素(NO3−N)へ酸化する硝化が行われる。また、好気性従属栄養細菌による有機物酸化が行われる。
最終沈殿池6は、第2接続配管17を介して最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5から流入する生物処理後の被処理水である下水を、上澄み液と活性汚泥20とに重力沈降により沈降分離する設備である。沈降分離後の上澄み液は、処理水として流出配管18により系外に放流される。
流量計11により計測される最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量、すなわち、流入下水流量計測値は、信号線を介して水処理制御装置3へ出力される。また、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5に設置されるMLSS計12により計測されるMLSS濃度計測値は、信号線を介して水処理制御装置3へ出力される。
図2は、図1に水処理制御装置3の機能ブロック図である。図2に示すように、水処理制御装置3は、活性汚泥濃度推定部31、流量上限値算出部32、流量調整弁開度制御部33、計測値取得部34、少なくとも予め設定される処理水の活性汚泥濃度上限値及び詳細後述する汚泥流出濃度推定関数としての活性汚泥の汚泥沈降モデル等を含む情報を格納する記憶部35、通信I/F36、入力I/F37、及び出力I/F38を備え、これらは相互に内部バス41を介して接続されている。また、入力I/F37は入力部38に接続され、入力部38を介して入力される流出配管18を介して放流される処理水の活性汚泥濃度の上限値及び各種設定値を取り込む。出力I/F38は表示部40に接続され、表示部40は画面上に例えば、各種設定値、好気槽(反応槽)5へ流入する下水の流量上限値、処理水の汚泥濃度の予測値等を画面上に表示する。
図3は、活性汚泥の汚泥沈降モデルであって、処理水の活性汚泥濃度と最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷との関係を示す概念図である。横軸に最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷を取り、縦軸に処理水の活性汚泥濃度を取り、これらの相関を示すグラフとして表される活性汚泥の汚泥沈降モデルが記憶部35に格納されている。なお、横軸の最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度との積である。最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量、すなわち最終沈殿池6への流入水の流量が大きければ、沈降時間が短くなる。一方、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度が高ければ、処理水として十分低い活性汚泥濃度を得るには、長時間の重力沈降が必要となる。このように、図3に示す活性汚泥の沈降モデルでは、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷が大きくなるにつれて、処理水の活性汚泥濃度が高くなることを表している。図3において、活性汚泥の汚泥沈降モデルに、予め設定された処理水の活性汚泥濃度の上限値を入力すると、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の上限値が得られる。そして、流量上限値算出部32は、得られた最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の上限値を、計測値取得部34より転送される最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値にて除算することにより、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量の最大値である流量上限値を算出する。
また、本実施例では、活性汚泥の汚泥沈降モデルにおいて、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の算出のため、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度に乗算する値として、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量のみを用いたが、これに限られるものではない。例えば、返送汚泥の流量を最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量に加えた流量としても良い。この場合、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と返送汚泥の流量との合計値の上限値を設定し、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と返送汚泥の流量の少なくとも一つを制御してもよい。また、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の一部を好気槽5の中段に流入させる処理方式においても適用可能であり、この場合、下水(被処理水)の流量としては、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5への流入流量及び好気槽(反応槽)5の中段への流入流量の和とする。
また、水温や活性汚泥の沈降性指標、返送汚泥の流量など、最終沈殿池6における活性汚泥の沈降性に影響を及ぼす因子を考慮した活性汚泥の汚泥沈降モデルとしても良い。例えば、任意の範囲の水温ごとに、最終沈殿池6への活性汚泥の流入負荷と処理水の活性汚泥濃度との関係を表す関数として活性汚泥の汚泥沈降モデルを定義しても良い。また、これらの活性汚泥の汚泥沈降モデルに入力する好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量や好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度は、制御周期ごとの値のほか、最終沈殿池6における滞留時間を考慮した期間など、任意の期間での値を用いてもよい。例えば、最終沈殿池6における流下方向での移送を考慮し、最終沈殿池6の流入部から流出部へと至る活性汚泥の挙動を模擬した活性汚泥の汚泥沈降モデルを用い、処理水の活性汚泥濃度を予測しても良い。
ここで、活性汚泥の汚泥沈降モデルにおける、SS計13の計測値の活用方法について述べる。上述の水処理制御装置3を構成する記憶部35(図2)に格納される活性汚泥の汚泥沈降モデルは、予め構築した、若しくは理論式に基づくモデル式を用いる構成としている。しかし、活性汚泥の性状は季節などによって変動すると考えられる。そこで、流量計11による最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量計測値(流入下水流量計測値)、MLSS計12による最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値、及びSS計13による処理水の活性汚泥濃度計測値との関係について、過去所定期間のデータを基にモデル式を構築していくことで、活性汚泥の性状変化に追従できる。
なお、汚泥流出濃度計測部としてSS計13を用いる構成としたが、これに代えて、濁度計、UV計、汚泥界面計、或は撮像解析など、処理水の活性汚泥濃度を推定できる構成であれば、汚泥流出濃度計測部として用いることが可能である。
なお、活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を設定したが、SS計13による活性汚泥濃度計測値が処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、SS計13による活性汚泥濃度計測値が処理水の活性汚泥濃度上限値を下回るよう、フィードバック制御にて流量調整弁9の開度を制御する構成としても良い。
水処理装置2bは、バイパス配管19の分岐部より下流側の第1接続配管16に設置される流量調整弁9及び流量計11に加え、BOD計14を備える。BOD計14は、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)に含まれる有機物による生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)、すなわち、第1接続配管16を通流する下水(被処理水)に含まれる、微生物によって分解されやすい有機物量(単位:mg/L)を、有機物(BOD)濃度として計測するための計測装置である。換言すれば、BOD計14は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の水質を推定する流入水質推定部として機能する。BOD計14により計測される、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度計測値は、流量計11により計測される流入下水流量計測値及びMLSS計12により計測されるMLSS濃度計測値と同様に、信号線を介して水処理制御装置3aへ出力される。
また、記憶部35は、少なくとも予め設定される処理水の活性汚泥濃度上限値及び上述の汚泥流出濃度推定関数としての活性汚泥の汚泥沈降モデルに加え、更に活性汚泥の反応モデルを格納している。活性汚泥の反応モデルでは、基本的に以下の式(1)に示すように、制御周期ごとの活性汚泥の反応速度、微生物量、処理時間の積を積分していくことで、好気槽(反応槽)5による有機物などの除去量を算出する。
除去量=反応速度×微生物量×処理時間 ・・・(1)
式(1)において、微生物量は最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度の関数であり、処理時間は最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量の関数である。式(1)において除去量は、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度が大きければ大きく、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量が大きければ小さくなる。
除去量推定部12は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量(流入下水流量計測値)、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度計測値、及び最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値を、記憶部35に格納される活性汚泥の反応モデルに入力することで、有機物などの除去量を推定すると共に、有機物などの除去量を最大化する最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量(最大化流量)を算出する。
2,2a,2b・・・水処理装置
3,3a・・・水処理制御装置
4・・・最初沈殿池
5・・・好気槽(反応槽)
6・・・最終沈殿池
7・・・散気部
8・・・ブロワ
9・・・流量調整弁
10・・・返送ポンプ
11・・・流量計
12・・・MLSS計
13・・・SS計
14・・・BOD計
15・・・流入配管
16・・・第1接続配管
17・・・第2接続配管
18・・・流出配管
19・・・バイパス配管
20・・・活性汚泥
21・・・返送汚泥配管
22・・・散気配管
31・・・活性汚泥濃度推定部
32・・・流量上限値算出部
33・・・流量調整弁開度制御部
34・・・計測値取得部
35・・・記憶部
36・・・通信I/F
37・・・入力I/F
38・・・出力I/F
39・・・入力部
40・・・表示部
41・・・内部バス
42・・・除去量推定部
Claims (14)
- 少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置を制御する水処理制御装置であって、
MLSS計により計測される前記反応槽内の活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、
前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部と、を備えることを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項1に記載の水処理制御装置において、
前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を定義する活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値及び流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記最終沈殿池から流出配管へ流出する処理水の活性汚泥濃度を予測する活性汚泥濃度推定部を有することを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項2に記載の水処理制御装置において、
前記流量上限値算出部は、前記活性汚泥濃度推定部により予測された前記処理水の活性汚泥濃度が、予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過しない前記反応槽へ流入する被処理水の流量の最大値を前記流量上限値として算出することを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の水処理制御装置において、
前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷は、前記反応槽へ流入する被処理水の流量と、前記反応槽内の活性汚泥濃度との積であり、
前記活性汚泥の汚泥沈降モデルは、前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を表す関数として定義されることを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項4に記載の水処理制御装置において、
SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、前記流量調整弁開度制御部は、前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が前記処理水の活性汚泥濃度上限値を超過せぬよう、フィードバック制御にて前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項4に記載の水処理制御装置において、
前記第1接続配管に設置される流入水質推定部による前記反応槽へ流入する被処理水の水質推定値と、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値と、前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記反応槽による有機物の除去量を推定する除去量推定部を備え、
前記流量調整弁開度制御部は、前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値又は前記除去量推定部により推定された前記反応槽による有機物の除去量に基づき、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理制御装置。 - 請求項6に記載の水処理装置において、
前記除去量推定部は、前記反応槽による有機物の除去量を最大化する前記反応槽へ流入する被処理水の最大化流量を算出し、
前記流量調整弁開度制御部は、前記除去量推定部により算出された最大化流量と前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値とを比較し、小さい値を示す何れか一方を流量設定値とし、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理装置。 - 少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置と、
前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計と、
前記反応槽内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計と、
前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部を有する水処理制御装置と、を備えることを特徴とする水処理システム。 - 請求項8に記載の水処理システムにおいて、
前記水処理制御装置は、
前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を定義する活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値及び前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記最終沈殿池から流出配管へ流出する処理水の活性汚泥濃度を予測する活性汚泥濃度推定部を有することを特徴とする水処理システム。 - 請求項9に記載の水処理システムにおいて、
前記流量上限値算出部は、前記活性汚泥濃度推定部により予測された前記処理水の活性汚泥濃度が、予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過しない前記反応槽へ流入する被処理水の流量の最大値を前記流量上限値として算出することを特徴とする水処理システム。 - 請求項9又は請求項10に記載の水処理システムにおいて、
前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷は、前記反応槽へ流入する被処理水の流量と、前記反応槽内の活性汚泥濃度との積であり、
前記活性汚泥の汚泥沈降モデルは、前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を表す関数として定義されることを特徴とする水処理システム。 - 請求項11に記載の水処理システムにおいて、
前記最終沈殿池又は前記流出配管に設置され、前記処理水の活性汚泥濃度を計測するSS計を備え、
前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、前記流量調整弁開度制御部は、前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が前記処理水の活性汚泥濃度上限値を超過せぬよう、フィードバック制御にて前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。 - 請求項11に記載の水処理システムにおいて、
前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の水質を推定する流入水質推定部を備え、
前記水処理制御装置は、
前記流入水質推定部による前記反応槽へ流入する被処理水の水質推定値と、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値と、前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記反応槽による有機物の除去量を推定する除去量推定部を備え、
前記流量調整弁開度制御部は、前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値又は前記除去量推定部により推定された前記反応槽による有機物の除去量に基づき、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。 - 請求項13に記載の水処理システムにおいて、
前記除去量推定部は、前記反応槽による有機物の除去量を最大化する前記反応槽へ流入する被処理水の最大化流量を算出し、
前記流量調整弁開度制御部は、前記除去量推定部により算出された最大化流量と前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値とを比較し、小さい値を示す何れか一方を流量設定値とし、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。
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