JP2018118184A - 水処理制御装置及び水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供する。
【解決手段】
水処理システム1は、最初沈殿池4から流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽5、最終沈殿池6、第1接続配管16より分岐し簡易処理水を放流するためのバイパス配管19、及び流量調整弁9を有する水処理装置2と、反応槽5へ流入する被処理水の流量を計測する流量計11と、反応槽5内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計12と、MLSS計12により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、反応槽5へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部32と、流量上限値を超過せぬよう流量調整弁9の開度を制御する流量調整弁開度制御部33を有する水処理制御装置2と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、活性汚泥(activated sludge)を用いた水処理装置を制御する水処理制御装置及び水処理システムに関する。
下水処理場では、一般的に以下の手順で下水を処理している。まず、沈砂池・最初沈殿池にて固形分を除去した後、生物反応槽にて、曝気により微生物(活性汚泥)に酸素を供給して、下水中の有機物や窒素、リンを除去する。その後、最終沈殿池にて活性汚泥を沈降分離させ、その上澄み水を放流水として公共用水域へ放流する。最終沈殿池にて沈降分離した活性汚泥は生物反応槽へと返送され、再び下水処理に利用される。
下水と雨水を同一の管で処理場へと集約する合流式下水道では、一般的に最大計画汚水量を超える流入下水は、簡易処理として最初沈殿池における固形分の除去、そしてその後の消毒処理を経て、公共用水域へと放流される。簡易処理では、従来の生物処理がなされないため、放流先への環境負荷を低減するためには、簡易処理量を減らし、生物処理量を増加させることが望ましい。
一方、生物処理量、すなわち生物反応槽への流入流量を増加させた場合、最終沈殿池での滞留時間が短縮され、活性汚泥の重力沈降が不十分となり、放流水中へ活性汚泥が流出する可能性がある。活性汚泥の流出は、公共用水域への環境負荷の増大を招くと共に、その後の処理機能の低下を引き起こす。
このような課題に対応すべく、例えば特許文献1に記載される技術が提案されている。特許文献1では、増水時、好気的生物処理槽へ流入する原水が生物処理槽の設計処理流量を50%超えた場合に、直列に接続された生物処理槽のうち最後段の生物処理槽の溶存酸素濃度が0.1mg/L以上0.4mg/L以下となるよう曝気量を減少させることで、生物処理槽から最終沈殿池へ流出する活性汚泥量を抑制し、最終沈殿池から流出する処理水(上澄み水)の水質の回復を早めることを可能とする構成が開示されている。
特許第5315118号公報
しかしながら、特許文献1に記載される構成では、好気槽内の溶存酸素濃度が所定の範囲となるよう、曝気風量を調整する構成であるため、好気槽内の活性汚泥の沈降の程度を正確に把握することは困難である。よって、このような溶存酸素濃度に基づく曝気風量の調整では、好気槽での活性汚泥の沈降が想定よりも少なく、放流水中に活性汚泥が流出する虞がある。
そこで、本発明は、下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明に係る水処理制御装置は、少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置を制御する水処理制御装置であって、MLSS計により計測される前記反応槽内の活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る水処理システムは、(1)少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置と、(2)前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計と、(3)前記反応槽内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計と、(4)前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部を有する水処理制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の水処理システムの概略全体構成図である。 図1に示す水処理制御装置の機能ブロック図である。 活性汚泥の汚泥沈降モデルであって、処理水の活性汚泥濃度と最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷との関係を示す概念図である。 図1に示す水処理装置の変形例であって、水処理システムの概略全体構成図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の水処理システムの概略全体構成図である。 図5に示す水処理制御装置の機能ブロック図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1に、本発明の一実施例に係る実施例1の水処理システムの概略全体構成図を示す。図1において、実線は配管を示し、点線は信号線を示している。本実施例に係る水処理システム1は、生活廃水又は工業用排水等の下水(被処理水)を、標準活性汚泥法において、活性汚泥を用いて有機物等を除去する水処理装置2及び、水処理制御装置3を備える。
(水処理装置の構成)
図1に示すように、水処理装置2は、被処理水である下水の流入側より順に、最初沈殿池4、好気槽(反応槽)5及び最終沈殿池6を備える。好気槽(反応槽)5は、図1に示すように4段又は4槽直列に設けられており、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5にはMLSS計12が設置されている。なお、以下では、好気槽(反応槽)5が4槽直列に設けられる場合を一例として示すが、槽数はこれに限られるものではなく適宜設定されるものである。
なお、最下流側の好気槽(反応槽)5に設置されるMLSS計12は、好気槽(反応槽)5内の活性汚泥浮遊物質(Mixed Liquor Suspended Solid:MLSS)、すなわち、好気槽(反応槽)5内の活性汚泥量(単位:mg/L)をMLSS濃度として計測するための計測装置である。
最初沈殿池4には、例えば、図示しない沈砂池より流入配管15を介して被処理水である下水が流入し、最初沈殿池4内で下水(被処理水)に含まれる固形分が重力沈降により沈降分離される。なお、雨天時など最初沈殿池4からの流出水の流量が増加した場合は、好気槽(反応槽)5を経ずに簡易処理後の簡易処理水をバイパス配管19へ移送し、最初沈殿池4からの流出水の一部は系外に放流される。ここで、簡易処理水とは、沈砂池(図示せず)及び最初沈殿池4により流入下水(被処理水)中の固形分を重力沈降により除去した後の流出水の一部である。図1に示すように、バイパス配管19は、最初沈殿池4と最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5とを接続する第1接続配管16より分岐している。このバイパス配管19の分岐部より下流側の第1接続配管16には、流量調整弁9及び流量計11が設置されている。流量計11は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量を計測する。
また、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5には、第1接続配管16を介して最初沈殿池4からの上澄み液である下水(被処理水)が流入すると共に、返送ポンプ10が設置された返送汚泥配管21を介して最終沈殿池6より返送汚泥(活性汚泥20)が流入し、活性汚泥中の硝化細菌により、アンモニア性窒素(NH−N)を硝酸性窒素(NO−N)へ酸化する硝化が行われる。また、好気性従属栄養細菌による有機物酸化が行われる。
最終沈殿池6は、第2接続配管17を介して最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5から流入する生物処理後の被処理水である下水を、上澄み液と活性汚泥20とに重力沈降により沈降分離する設備である。沈降分離後の上澄み液は、処理水として流出配管18により系外に放流される。
図1に示すように、好気槽(反応槽)5に設けられる複数の散気部7は、散気配管22を介してブロワ8に接続され、好気槽(反応槽)5に空気が供給される。
流量計11により計測される最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量、すなわち、流入下水流量計測値は、信号線を介して水処理制御装置3へ出力される。また、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5に設置されるMLSS計12により計測されるMLSS濃度計測値は、信号線を介して水処理制御装置3へ出力される。
(水処理制御装置)
図2は、図1に水処理制御装置3の機能ブロック図である。図2に示すように、水処理制御装置3は、活性汚泥濃度推定部31、流量上限値算出部32、流量調整弁開度制御部33、計測値取得部34、少なくとも予め設定される処理水の活性汚泥濃度上限値及び詳細後述する汚泥流出濃度推定関数としての活性汚泥の汚泥沈降モデル等を含む情報を格納する記憶部35、通信I/F36、入力I/F37、及び出力I/F38を備え、これらは相互に内部バス41を介して接続されている。また、入力I/F37は入力部38に接続され、入力部38を介して入力される流出配管18を介して放流される処理水の活性汚泥濃度の上限値及び各種設定値を取り込む。出力I/F38は表示部40に接続され、表示部40は画面上に例えば、各種設定値、好気槽(反応槽)5へ流入する下水の流量上限値、処理水の汚泥濃度の予測値等を画面上に表示する。
計測値取得部34は、流量計11により計測される、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水の計測値である流入下水流量計測値を、通信I/F36及び内部バス41を介して取得する。また、計測値取得部34は、MLSS計12により計測される、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値を、通信I/F36及び内部バス41を介して取得する。計測値取得部34は、取得された流入下水流量計測値及びMLSS濃度計測値に対し、例えば、ノイズ除去等の処理を施し内部バス41を介して活性汚泥濃度推定部31及び流量上限値算出部32へ転送すると共に、記憶部35の所定の記憶領域に格納する。なお、図2では、流量計11及びMLSS計12からの計測値を1つの信号線に重畳する信号配線として表記しているが、これは、図面の記載の便宜上このように表記したものであり、実際には、それぞれの計測器毎に設けられた信号線を介して、通信I/F36に並列に入力される信号配線となっている。
活性汚泥濃度推定部31は、計測値取得部34より転送される最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水の流入下水流量計測値及び最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値に基づき、記憶部35に格納される活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて流出配管18を介して放流される処理水の活性汚泥濃度を予測する。
流量上限値算出部32は、活性汚泥濃度推定部31により推定された処理水の活性汚泥濃度予測値が、予め入力部38を介して入力され記憶部35の所定の記憶領域に格納される処理水の活性汚泥濃度上限値を超過しない、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量の最大値を流量上限値として算出する。流量上限値算出部32は、算出した流量上限値を記憶部35の所定の記憶領域に内部バス41を介して設定値として格納する。
流量調整弁開度制御部33は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水の計測値である流入下水流量計測値が、流量上限値算出部32により算出された流量上限値を超過せぬよう、流量調整弁9の開度を求め開度指令値として、内部バス41及び出力I/F38を介して流量調整弁9へ出力することで、流量調整弁9の開度を制御する。
これら、活性汚泥濃度推定部31、流量上限値算出部32、流量調整弁開度制御部33、及び計測値取得部34は、例えば、図示しないCPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置等の記憶装置にて実現されると共に、CPU等のプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。なお、ここで演算結果又は演算過程のデータをRAMに代えて記憶部35に格納するよう構成しても良い。
ここで、流量上限値算出部32による、活性汚泥の沈降モデルを用いた好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)流量上限値の算出方法について、その概要を説明する。
図3は、活性汚泥の汚泥沈降モデルであって、処理水の活性汚泥濃度と最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷との関係を示す概念図である。横軸に最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷を取り、縦軸に処理水の活性汚泥濃度を取り、これらの相関を示すグラフとして表される活性汚泥の汚泥沈降モデルが記憶部35に格納されている。なお、横軸の最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度との積である。最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量、すなわち最終沈殿池6への流入水の流量が大きければ、沈降時間が短くなる。一方、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度が高ければ、処理水として十分低い活性汚泥濃度を得るには、長時間の重力沈降が必要となる。このように、図3に示す活性汚泥の沈降モデルでは、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷が大きくなるにつれて、処理水の活性汚泥濃度が高くなることを表している。図3において、活性汚泥の汚泥沈降モデルに、予め設定された処理水の活性汚泥濃度の上限値を入力すると、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の上限値が得られる。そして、流量上限値算出部32は、得られた最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の上限値を、計測値取得部34より転送される最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値にて除算することにより、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量の最大値である流量上限値を算出する。
また、活性汚泥濃度推定部31は、計測値取得部34より転送される最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水の流入下水流量計測値と、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値との積を求めることにより、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷を求め、図3に示す活性汚泥の汚泥沈降モデルにより、対応する処理水の活性汚泥濃度を得ることにより、流出配管18を介して放流される処理水の活性汚泥濃度予測値を得る。
本実施例では、活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて処理水への活性汚泥の流出状況を予測し、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する許容される下水(被処理水)の流量上限値を算出し、設定値とする。これにより、簡易処理水の放流量削減のため、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5への流入量を増加させた際に懸念される活性汚泥の流出リスクを低減できる。
なお、本実施例では、標準活性汚泥法を導入している水処理装置2を想定したが、例えば、嫌気好気活性汚泥法や循環式硝化脱窒法など、最終沈殿池6を備え、活性汚泥を用いた処理方式であれば、同様に適用することが可能である。
また、本実施例では、活性汚泥の汚泥沈降モデルにおいて、最終沈殿池6への活性汚泥流入負荷の算出のため、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度に乗算する値として、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量のみを用いたが、これに限られるものではない。例えば、返送汚泥の流量を最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量に加えた流量としても良い。この場合、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と返送汚泥の流量との合計値の上限値を設定し、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と返送汚泥の流量の少なくとも一つを制御してもよい。また、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の一部を好気槽5の中段に流入させる処理方式においても適用可能であり、この場合、下水(被処理水)の流量としては、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5への流入流量及び好気槽(反応槽)5の中段への流入流量の和とする。
なお、本実施例では、活性汚泥の汚泥沈降モデルを、最終沈殿池6への活性汚泥の流入負荷から処理水の活性汚泥濃度を予測する関数として定義したが、これに限定されるものではない。例えば、好気槽(反応槽)5のMLSS濃度ごとに、好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と処理水の活性汚泥濃度との関係を表す関数として活性汚泥の汚泥沈降モデルを定義しても良い。
また、水温や活性汚泥の沈降性指標、返送汚泥の流量など、最終沈殿池6における活性汚泥の沈降性に影響を及ぼす因子を考慮した活性汚泥の汚泥沈降モデルとしても良い。例えば、任意の範囲の水温ごとに、最終沈殿池6への活性汚泥の流入負荷と処理水の活性汚泥濃度との関係を表す関数として活性汚泥の汚泥沈降モデルを定義しても良い。また、これらの活性汚泥の汚泥沈降モデルに入力する好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量や好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度は、制御周期ごとの値のほか、最終沈殿池6における滞留時間を考慮した期間など、任意の期間での値を用いてもよい。例えば、最終沈殿池6における流下方向での移送を考慮し、最終沈殿池6の流入部から流出部へと至る活性汚泥の挙動を模擬した活性汚泥の汚泥沈降モデルを用い、処理水の活性汚泥濃度を予測しても良い。
なお、本実施例では、水処理制御装置3を構成する流量上限値算出部32において、活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を算出したが、下水(被処理水)の流量が増加するにつれ、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度は低下していく。そのため、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度の下限値を設定している場合、制御周期ごとに最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量に基づき、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度を予測し、MLSS濃度下限値を下回らぬよう、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を算出しても良い。この場合、2つの方法での算出結果のうち、小さい方を流量上限値として設定することが望ましい。
次に、図1に示した水処理装置2の変形例について説明する。図4は、図1に示す水処理装置2の変形例であって、水処理システム1aの概略全体構成図である。図4に示すように、水処理装置2aは、上述の水処理装置2の構成に加え、最終沈殿池6の下流に汚泥流出濃度計測部として、SS計13を流出配管18に設置している。流出配管18に設置されるSS計13は、流出配管18を通流する処理水中の浮遊物質又は懸濁物質(Suspended Solid:SS)、すなわち、流出配管18を通流する処理水中の活性汚泥量(単位:mg/L)を活性汚泥濃度として計測するための計測装置である。SS計13により計測される流出配管18を通流する処理水中の活性汚泥濃度計測値は、信号線を介して、水処理制御装置3へ出力される。
ここで、活性汚泥の汚泥沈降モデルにおける、SS計13の計測値の活用方法について述べる。上述の水処理制御装置3を構成する記憶部35(図2)に格納される活性汚泥の汚泥沈降モデルは、予め構築した、若しくは理論式に基づくモデル式を用いる構成としている。しかし、活性汚泥の性状は季節などによって変動すると考えられる。そこで、流量計11による最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量計測値(流入下水流量計測値)、MLSS計12による最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値、及びSS計13による処理水の活性汚泥濃度計測値との関係について、過去所定期間のデータを基にモデル式を構築していくことで、活性汚泥の性状変化に追従できる。
水処理システム1aでは、処理水の活性汚泥濃度の実測値に基づく活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いることで、活性汚泥の性状変化にも対応し、活性汚泥の流出抑制を図ることができる。なお、図4に示す例では、SS計13を最終沈殿池6の下流の流出配管18に設置する構成としたが、必ずしもこれに限られるものではない。SS計13の設置場所は、処理水の活性汚泥濃度を計測できる場所であれば良く、例えば最終沈殿池6内に設置する構成としても良い。
なお、汚泥流出濃度計測部としてSS計13を用いる構成としたが、これに代えて、濁度計、UV計、汚泥界面計、或は撮像解析など、処理水の活性汚泥濃度を推定できる構成であれば、汚泥流出濃度計測部として用いることが可能である。
なお、活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を設定したが、SS計13による活性汚泥濃度計測値が処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、SS計13による活性汚泥濃度計測値が処理水の活性汚泥濃度上限値を下回るよう、フィードバック制御にて流量調整弁9の開度を制御する構成としても良い。
以上のとおり、本実施例によれば、下水(被処理水)の流入流量が急激に増加するような場合であっても、生物処理量を最大限確保しつつ、活性汚泥の流出を抑制し得る水処理制御装置及び水処理システムを提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、水処理制御装置が活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて処理水への活性汚泥の流出状況を予測し、好気槽(反応槽)へ流入する許容される下水(被処理水)の流量上限値を算出し設定値とすることで、簡易処理水の放流量削減のため、好気槽(反応槽)への流入量を増加させた際に懸念される活性汚泥の流出リスクを低減できる。
図5は、本発明の他の実施例に係る実施例2の水処理システムの概略全体構成図であり、図6は、図5に示す水処理制御装置の機能ブロック図である。上述の実施例1では、水処理制御装置3が、活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を設定する構成とした。これに対し本実施例では、実施例1の構成に加え、好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量と、好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度に基づき、好気槽(反応槽)5における汚濁物質の除去量を最大化させるよう、好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量を制御する構成とした点が実施例1と異なる。実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、以下では実施例1と重複する説明を省略する。
図5示すように、本実施例に係る水処理システム1bは、水処理装置2b及び水処理制御装置3aを備える。
水処理装置2bは、バイパス配管19の分岐部より下流側の第1接続配管16に設置される流量調整弁9及び流量計11に加え、BOD計14を備える。BOD計14は、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)に含まれる有機物による生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand:BOD)、すなわち、第1接続配管16を通流する下水(被処理水)に含まれる、微生物によって分解されやすい有機物量(単位:mg/L)を、有機物(BOD)濃度として計測するための計測装置である。換言すれば、BOD計14は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の水質を推定する流入水質推定部として機能する。BOD計14により計測される、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度計測値は、流量計11により計測される流入下水流量計測値及びMLSS計12により計測されるMLSS濃度計測値と同様に、信号線を介して水処理制御装置3aへ出力される。
図6に示すように、水処理制御装置3aは、上述の実施例1において図2に示した水処理制御装置3の構成に加え、更に除去量推定部42を備える。除去量推定部42は、上述の活性汚泥濃度推定部31、流量上限値算出部32、流量調整弁開度制御部33、及び計測値取得部34と同様に、例えば、図示しないCPU等のプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置等の記憶装置にて実現されると共に、CPU等のプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。なお、ここで演算結果又は演算過程のデータをRAMに代えて記憶部35に格納するよう構成しても良い。
流量計11により計測される最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水の流入下水流量計測値、BOD計14により計測される、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度計測値、及びMLSS計12により計測される最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値は、計測値取得部34を介して除去量推定部12へ転送される。
また、記憶部35は、少なくとも予め設定される処理水の活性汚泥濃度上限値及び上述の汚泥流出濃度推定関数としての活性汚泥の汚泥沈降モデルに加え、更に活性汚泥の反応モデルを格納している。活性汚泥の反応モデルでは、基本的に以下の式(1)に示すように、制御周期ごとの活性汚泥の反応速度、微生物量、処理時間の積を積分していくことで、好気槽(反応槽)5による有機物などの除去量を算出する。
除去量=反応速度×微生物量×処理時間 ・・・(1)
式(1)において、微生物量は最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度の関数であり、処理時間は最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量の関数である。式(1)において除去量は、最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度が大きければ大きく、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量が大きければ小さくなる。
除去量推定部12は、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量(流入下水流量計測値)、第1接続配管16を通流し最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度計測値、及び最下流側(最終段)の好気槽(反応槽)5内のMLSS濃度計測値を、記憶部35に格納される活性汚泥の反応モデルに入力することで、有機物などの除去量を推定すると共に、有機物などの除去量を最大化する最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量(最大化流量)を算出する。
流量調整弁開度制御部33は、除去量推定部12により算出された有機物などの除去量を最大化する最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量(最大化流量)、及び、実施例1にて上述した活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて活性汚泥濃度推定部31により推定された処理水の活性汚泥濃度予測値に基づき流量上限値算出部32にて算出された最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量上限値を比較する。比較の結果、最大化流量が流量上限値を超過している場合は、流量調整弁開度制御部33は、流量上限値を、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量設定値として設定し、流量計11による流入下水流量計測値が流量設定値となるよう、流量調整弁9の開度を求め開度指令値として、内部バス41及び出力I/F38を介して流量調整弁9へ出力する。他方、比較の結果、最大化流量が流量上限値を超過していない場合は、流量調整弁開度制御部33は、最大化流量を、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量設定値として設定し、流量計11による流入下水流量計測値が流量設定値となるよう、流量調整弁9の開度を求め開度指令値として、内部バス41及び出力I/F38を介して流量調整弁9へ出力する。
なお、本実施例では、水質計として、第1接続配管16に設置されるBOD計14を用い、最上流側(初段)の好気槽(反応槽)5へと流入する下水(被処理水)の有機物(BOD)濃度を計測する構成としたが、これに代えて、COD(Chemical Oxygen Demand)など有機物に関する他の項目の計測装置や、有機物濃度を推定できるSS計、UV計などを第1接続配管16に設置する構成としても良い。また、有機物以外の項目に関する計測装置でも良く、例えば窒素やリンに関する計測装置を1接続配管16に設置する構成としても良い。
以上のとおり、本実施例によれば、実施例1の効果に加え、好気槽(反応槽)5へ流入する下水(被処理水)の流量制御により、最終沈殿池6からの活性汚泥の流出を抑制すると共に、好気槽(反応槽)5における有機物などの除去量の最大化を図ることができ、公共用水域への環境負荷低減に大幅に寄与することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1a,1b・・・水処理システム
2,2a,2b・・・水処理装置
3,3a・・・水処理制御装置
4・・・最初沈殿池
5・・・好気槽(反応槽)
6・・・最終沈殿池
7・・・散気部
8・・・ブロワ
9・・・流量調整弁
10・・・返送ポンプ
11・・・流量計
12・・・MLSS計
13・・・SS計
14・・・BOD計
15・・・流入配管
16・・・第1接続配管
17・・・第2接続配管
18・・・流出配管
19・・・バイパス配管
20・・・活性汚泥
21・・・返送汚泥配管
22・・・散気配管
31・・・活性汚泥濃度推定部
32・・・流量上限値算出部
33・・・流量調整弁開度制御部
34・・・計測値取得部
35・・・記憶部
36・・・通信I/F
37・・・入力I/F
38・・・出力I/F
39・・・入力部
40・・・表示部
41・・・内部バス
42・・・除去量推定部

Claims (14)

  1. 少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置を制御する水処理制御装置であって、
    MLSS計により計測される前記反応槽内の活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、
    前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部と、を備えることを特徴とする水処理制御装置。
  2. 請求項1に記載の水処理制御装置において、
    前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を定義する活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値及び流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記最終沈殿池から流出配管へ流出する処理水の活性汚泥濃度を予測する活性汚泥濃度推定部を有することを特徴とする水処理制御装置。
  3. 請求項2に記載の水処理制御装置において、
    前記流量上限値算出部は、前記活性汚泥濃度推定部により予測された前記処理水の活性汚泥濃度が、予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過しない前記反応槽へ流入する被処理水の流量の最大値を前記流量上限値として算出することを特徴とする水処理制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の水処理制御装置において、
    前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷は、前記反応槽へ流入する被処理水の流量と、前記反応槽内の活性汚泥濃度との積であり、
    前記活性汚泥の汚泥沈降モデルは、前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を表す関数として定義されることを特徴とする水処理制御装置。
  5. 請求項4に記載の水処理制御装置において、
    SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、前記流量調整弁開度制御部は、前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が前記処理水の活性汚泥濃度上限値を超過せぬよう、フィードバック制御にて前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理制御装置。
  6. 請求項4に記載の水処理制御装置において、
    前記第1接続配管に設置される流入水質推定部による前記反応槽へ流入する被処理水の水質推定値と、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値と、前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記反応槽による有機物の除去量を推定する除去量推定部を備え、
    前記流量調整弁開度制御部は、前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値又は前記除去量推定部により推定された前記反応槽による有機物の除去量に基づき、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理制御装置。
  7. 請求項6に記載の水処理装置において、
    前記除去量推定部は、前記反応槽による有機物の除去量を最大化する前記反応槽へ流入する被処理水の最大化流量を算出し、
    前記流量調整弁開度制御部は、前記除去量推定部により算出された最大化流量と前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値とを比較し、小さい値を示す何れか一方を流量設定値とし、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理装置。
  8. 少なくとも、最初沈殿池から第1接続配管を介して流入する被処理水を活性汚泥により処理する反応槽と、前記反応槽から第2接続配管を介して流入する上澄み液に含まれる活性汚泥を沈降分離する最終沈殿池と、前記第1接続配管より分岐し最初沈殿池から流入する被処理水を簡易処理水として放流するためのバイパス配管と、バイパス配管の分岐部より下流側であって前記第1接続配管に設置される流量調整弁と、を有する水処理装置と、
    前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の流量を計測する流量計と、
    前記反応槽内の活性汚泥濃度を計測するMLSS計と、
    前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値に基づき、前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値を算出する流量上限値算出部と、前記流量上限値を超過せぬよう前記流量調整弁の開度を制御する流量調整弁開度制御部を有する水処理制御装置と、を備えることを特徴とする水処理システム。
  9. 請求項8に記載の水処理システムにおいて、
    前記水処理制御装置は、
    前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を定義する活性汚泥の汚泥沈降モデルを用いて、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値及び前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記最終沈殿池から流出配管へ流出する処理水の活性汚泥濃度を予測する活性汚泥濃度推定部を有することを特徴とする水処理システム。
  10. 請求項9に記載の水処理システムにおいて、
    前記流量上限値算出部は、前記活性汚泥濃度推定部により予測された前記処理水の活性汚泥濃度が、予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過しない前記反応槽へ流入する被処理水の流量の最大値を前記流量上限値として算出することを特徴とする水処理システム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の水処理システムにおいて、
    前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷は、前記反応槽へ流入する被処理水の流量と、前記反応槽内の活性汚泥濃度との積であり、
    前記活性汚泥の汚泥沈降モデルは、前記最終沈殿池への活性汚泥の流入負荷と前記最終沈殿池から流出する処理水の活性汚泥濃度との相関を表す関数として定義されることを特徴とする水処理システム。
  12. 請求項11に記載の水処理システムにおいて、
    前記最終沈殿池又は前記流出配管に設置され、前記処理水の活性汚泥濃度を計測するSS計を備え、
    前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が予め設定された処理水の活性汚泥濃度上限値を超過した場合、前記流量調整弁開度制御部は、前記SS計により計測される処理水の活性汚泥濃度が前記処理水の活性汚泥濃度上限値を超過せぬよう、フィードバック制御にて前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。
  13. 請求項11に記載の水処理システムにおいて、
    前記第1接続配管に設置され、前記反応槽へ流入する被処理水の水質を推定する流入水質推定部を備え、
    前記水処理制御装置は、
    前記流入水質推定部による前記反応槽へ流入する被処理水の水質推定値と、前記MLSS計により計測される活性汚泥濃度計測値と、前記流量計により計測される前記反応槽へ流入する被処理水の流量に基づき、前記反応槽による有機物の除去量を推定する除去量推定部を備え、
    前記流量調整弁開度制御部は、前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値又は前記除去量推定部により推定された前記反応槽による有機物の除去量に基づき、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。
  14. 請求項13に記載の水処理システムにおいて、
    前記除去量推定部は、前記反応槽による有機物の除去量を最大化する前記反応槽へ流入する被処理水の最大化流量を算出し、
    前記流量調整弁開度制御部は、前記除去量推定部により算出された最大化流量と前記流量上限値算出部により算出された前記反応槽へ流入する被処理水の流量上限値とを比較し、小さい値を示す何れか一方を流量設定値とし、前記流量調整弁の開度を制御することを特徴とする水処理システム。
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