JP2018117401A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振現象としての電圧共振又は電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することで、電力変換動作において大幅な省電力化を実現することができる電力変換装置の提供。【解決手段】電力変換装置では、共振増幅回路は、コンデンサと一次コイルとによりタンク回路を形成する。制御装置は、スイッチング素子を制御して、タンク回路に所定の高周波パルスを入力する。共振増幅回路は、タンク回路の共振により、高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を前記高周波整流回路に出力する。共振検出回路は、タンク回路の共振による共振値を検出する。制御装置は、共振検出回路からの共振値を所定のしきい値と比較し、共振値が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、スイッチング素子から次回のパルスを出力するように制御する。【選択図】図8
Description
本発明は、所定の入力電力を所望の出力電力に変換する電力変換装置に関し、特に、電圧共振や電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力に変換する電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置乃至電源装置としては、電力変換効率の高さ等の理由により、スイッチング電源装置(スイッチング方式直流安定化電源ともよばれる)が広く利用されている。このスイッチング電源装置は、MOS FET等のトランジスタをスイッチング素子として使用し、フィードバック回路によってスイッチング素子のオン・オフ時間比率(デューティ比)をコントロールして出力を安定化させることで交流電力を直流電力に変換するものであり、小型、軽量で、電力変換効率も高い電源装置を実現することができる。このようなスイッチング電源装置の発明として、例えば、特許文献1に記載の発明(以下、「従来発明」)がある。この従来発明は、トランスと、少なくともスイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオン・オフを制御して入力電力を入力端子から1次巻線に供給する1次側回路と、該1次側回路と絶縁され、トランスで電力変換された出力電力を2次巻線から出力端子へ出力する2次側回路とを備える絶縁型スイッチング電源装置である。この従来発明は、1次巻線が接続され、1次側回路及び入力端子を備える第1回路基板と、2次巻線が接続され、2次側回路及び出力端子を備える第2回路基板とを有し、第1回路基板と第2回路基板とを積層配置し、第1回路基板及び第2回路基板を貫通するコアに、1次巻線及び2次巻線を巻回している。この従来発明は、このような構成により、電流損失を低減することができ、製造コストが安価な絶縁型スイッチング電源装置を提供することができるとされている(「要約」参照)。
ここで、本発明者らは、高効率で所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することができる電力換装置について鋭意の研究開発を重ね、特許文献1に記載の電力変換装置のようなスイッチング方式の電力変換装置とは異なる技術思想の回路構成により、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換すると共に大幅な省電力化を実現することができる電力換装置を完成した。
そこで、本発明は、共振現象としての電圧共振又は電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することで、電力変換動作において大幅な省電力化を実現することができる電力換装置の提供を課題とする。
請求項1に係る電力変換装置は、交流電源に接続される整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路と、前記一次コイル共振増幅回路の出力側に接続される高周波整流回路とを備えている。前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備えている。前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなる。前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成している。前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力する。前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を前記高周波整流回路に出力する。前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出する。前記スイッチング素子制御装置は、更に、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するようにオンオフ制御する。
請求項2に係る電力変換装置は、交流電源に接続される整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路とを備えている。前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備えている。前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなる。前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成している。前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力する。前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を出力する。前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出する。前記スイッチング素子制御装置は、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するようにオンオフ制御する。
請求項3に係る電力変換装置は、請求項1又は2の構成において、前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを並列接続してなる並列接続型のタンク回路であり、前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電圧値を電圧共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記タンク回路の一次コイルの出力側の電圧値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御回路により、前記一次コイルの出力側の電圧値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
請求項4に係る電力変換装置は、請求項1又は2の構成において、前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを直列接続してなる直列接続型のタンク回路であり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電流値を電流共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記高周波トランスの二次コイルの出力側の電流値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御回路により、前記二次コイルの出力側の電流値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電流値を電流共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記高周波トランスの二次コイルの出力側の電流値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御回路により、前記二次コイルの出力側の電流値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
請求項5に係る電力変換装置は、請求項1の電力変換装置を2以上多段接続してなる。
請求項6に係る電力変換装置は、請求項1から5のいずれか1項の構成において、前記高周波トランスは、前記一次コイル及び二次コイルの相互誘導による相互インダクタンスの結合係数が0.5以下となるようなトランス構造を有する。
請求項7に係る電力変換装置は、請求項1から6のいずれか1項の構成において、前記スイッチング素子制御装置は、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を備える。前記しきい値設定手段は、前記タンク回路による所増幅率の増幅電力の出力値について、前記スイッチング素子による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現する。前記しきい値格納手段は、前記しきい値設定手段により設定した前記しきい値を格納する機能を実現する。前記共振値入力手段は、前記一次コイル共振検出回路の検出値を入力すると共に、その検出値を前記共振値判定手段に出力するインタフェース機能を実現する。前記共振値判定手段は、前記共振値入力手段から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であるか否かを判定し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、前記パルス指令手段に出力する機能を実現する。前記パルス指令手段は、前記共振値判定手段から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を前記スイッチング素子に出力して、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現する。
請求項1に係る電力変換装置では、交流電源から整流平滑回路に交流電力が入力されると、整流平滑回路がその交流電力を整流して平滑化して直流電力へと変換し、その直流電力が一次コイル共振増幅回路に入力される。すると、一次コイル共振増幅回路では、当該直流電力が、スイッチング素子制御装置によりオンオフ制御されたスイッチング素子を介して、そのスイッチング素子のオンオフ動作のタイミングに対応する所定の高周波パルスとなって(即ち、スイッチング素子制御装置によるスイッチング素子のオンオフ制御の態様に応じたパルス出力の高周波交流電力となって)、高周波トランスの一次コイルに入力される。すると、一次コイル共振増幅回路のタンク回路では、一次コイルの自己インダクタンスL1とコンデンサのキャパシタンスCとで決定される特定の周波数(即ち、角周波数ω0=1/2π√L1C、又は、周波数f0=1/2π√L1C)の共振周波数で共振が発生し、当該共振周波数で前記高周波パルスの振幅値が最大値(極大値)をとる(例えば、タンク回路が電圧共振回路からなる場合は電圧値が最大値(極大値)となり、タンク回路が電流共振回路からなる場合は電流値が最大値(極大値)となる)。即ち、スイッチング素子制御装置の制御によってスイッチング素子から共振周波数の高周波パルスのうちの1パルスが出力されると、その出力直後における当該1パルスによる振幅値(電圧値又は電流値)は共振によって最大値(極大値)であり、その後、その1パルスによる振幅が所定割合で徐々に減衰しながら持続する。なお、本発明では、このときの1パルスにより発生した振幅の値(振幅値)を、説明の便宜上、「共振値」と称する。
また、このとき、一次コイル共振増幅回路では、一次コイル共振検出回路が、当該1パルスによる振幅値(即ち、共振値)を経時的に(例えば、一定のタイミングで間欠的に)検出する一方、スイッチング素子制御装置が、一次コイル共振検出回路の検出した共振値を入力してモニターし、所定のしきい値と比較している。そして、当該1パルスによる振幅値が所定のしきい値となるまでは、スイッチング素子制御装置は、スイッチング素子に対して高周波パルスの次回の1パルスの出力を指令せず、当該1パルスによる振幅値が所定のしきい値以下となったときに、はじめて、スイッチング素子に対して高周波パルスの次回の1パルスの出力を指令し、スイッチング素子が、高周波パルスの次回の1パルスを出力する。以降、同様にして、各回の1パルスが発生した後、スイッチング素子制御装置が、一次コイル共振検出回路の検出結果である共振値をしきい値と比較し、共振値がしきい値以下となるたびに、スイッチング素子に次回のオン動作を指令し、このスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子のオン動作の間隔で、高周波パルスが連続的に一次コイルから二次コイルに伝達されて二次コイルから出力される。そして、二次コイルから出力された所定の高周波パルスは、高周波整流回路に入力され、高周波整流回路で整流及び平滑化されて所定の直流電力に変換されて(高周波清流回路に接続した負荷へと)出力される。
ここで、前記共振値のしきい値は、本発明の電力変換装置の用途や駆動対象の負荷の消費電力等に応じて、前記高周波整流回路に出力する高周波交流電力として必要とされる所定の振幅値(電圧値又は電流値)以上の値に設定されている。したがって、スイッチング素子制御装置の制御によってスイッチング素子から1のパルスが出力された後、次回のパルスが出力されるまでの時間間隔において、前記共振値は、前記高周波交流電力として必要とされる所定の振幅値(電圧値又は電流値)以上の値となり、高周波整流回路により整流及び平滑化された直流電力も、常に、駆動対象の負荷の消費電力等に要求される電力値以上の値となる。一方、このとき、一次コイル共振増幅回路の共振により所定のしきい値以上の共振値が得られている間(即ち、1のパルス出力から次回のパルス出力までの時間間隔)は、スイッチング素子からのパルス出力を待機させて電力消費を抑制することができる。その結果、請求項1に係る電力変換装置によれば、共振現象としての電圧共振又は電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することで、電力変換動作において大幅な省電力化を実現することができる。
なお、上記の一次コイル共振増幅回路による共振の鋭さを表す指標(又は、共振する系の振動の持続特性を表す指標)であるQ値は、Q=ω0/(ω2−ω1)である(ただし、ω0は共振周波数、ω1及びω2はその物理量が共振周波数のときの値の1/√2の大きさになる周波数であって低周波側にある方をω1とし高周波側にある方をω2とする。)。
また、このとき、二次コイルに発生する高周波パルスの態様は、一次コイルと二次コイルのそれぞれの巻線構造及び、二次コイルの巻線構造、一次コイルの自己インダクタンス、二次コイルの自己インダクタンス、一次コイルと二次コイルとの間の相互インダクタンス、相互インダクタンスにおける結合係数等の諸要因によって決定される。
請求項2に係る電力変換装置は、請求項1に係る電力変換装置から前記高周波整流回路を省略した点を除き、請求項1に係る電力変換装置と同様の構成を備えている。即ち、請求項1に係る電力変換装置が、所定の交流電力を所望の直流電力へと変換するAC−DC電力変換装置(AC−DCコンバーター)として機能するのに対し、請求項2に係る電力変換装置は、所定の交流電力を(所望の直流電力へと変換する前の段階の)高周波交流電力へと変換する、いわゆるAC−AC電力変換装置(AC−ACコンバーター)として機能する。そして、請求項2に係る電力変換装置は、基本的に、請求項1に係る電力変換装置と同様の作用効果を発揮する。
請求項3に係る電力変換装置は、請求項1又は2の効果に加え、一次コイル共振増幅回路のタンク回路により、所定倍率の電圧増幅を行うことができる。
請求項4に係る電力変換装置は、請求項1又は2の効果に加え、一次コイル共振増幅回路のタンク回路により、所定倍率の電流増幅を行うことができる。
請求項5に係る電力変換装置は、請求項1の電力変換装置により得られる増幅率を多段接続した段数に応じて乗じた(理論上の)増幅率を得ることができる。
請求項6に係る電力変換装置は、請求項1から5のいずれか1項の効果に加え、高周波トランスの一次コイル及び二次コイル間の相互インダクタンスの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスを経由して、一次コイルの負荷とならないようにし、タンク回路よる共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、所望の増幅動作を担保することができる。
請求項7に係る電力変換装置は、請求項1から6のいずれか1項の効果に加え、前記スイッチング素子制御装置が、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を使用して、前記スイッチング素子のオンオフ動作を所定のタイミング(即ち、共振値がしきい値以下となったタイミング)で円滑かつ確実に実行することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素又は部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下の説明における「・・・手段」とは、所定の電気・電子部品や電子素子等により対応する所定の機能を実現するよう構成されたハードウエア資源による構成を指す場合もあり、また、マイクロコンピュータ等のコンピュータ装置のCPU、ROM、RAM、外部記憶装置、入力装置、出力装置等のハードウエア資源を、所定のプログラムによる指令によって動作させることで、対応する所定の機能を実現するように構成されたソフトウエア資源による構成を指す場合もあり、更には、ハードウエア資源とソフトウエア資源との組み合わせによる構成を指す場合もある。いずれにしても、ある「手段」について、ハードウエア資源による構成をソフトウエア資源による構成で置換できる場合は、そのようなソフトウエア資源による構成も発明の範囲内にあり、また、ソフトウエア資源による構成をハードウエア資源による構成で置換できる場合は、そのようなハードウエア資源による構成も発明の範囲内にある。
[本発明の電力変換装置(基本形)]
図1は本発明の各実施の形態に係る電力変換装置を上位概念として概略的に説明する説明図である。図1に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、後述する本発明の主要部となる一次コイル共振増幅回路を備える限りにおいて、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)又は所定の直流電力(即ち、所定電圧の直流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する任意の電力変換装置に具体化することができ、全ての実施の形態において、大幅な省電力化を実現することができる。
図1は本発明の各実施の形態に係る電力変換装置を上位概念として概略的に説明する説明図である。図1に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、後述する本発明の主要部となる一次コイル共振増幅回路を備える限りにおいて、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)又は所定の直流電力(即ち、所定電圧の直流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する任意の電力変換装置に具体化することができ、全ての実施の形態において、大幅な省電力化を実現することができる。
[実施の形態1に係る電力変換装置]
図2は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DCコンバーター)を概略的に示す説明図である。図2に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態1として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を一旦所定の直流電力へと変換し、その直流電力を所定の高周波電力へと変換して、その高周波電力を最終的に所望の直流電力(即ち、入力交流電力の交流電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する電力変換装置(以下、「AC−DC電力変換装置」ということがある。)PT1に具体化することができる。この場合、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
図2は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DCコンバーター)を概略的に示す説明図である。図2に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態1として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を一旦所定の直流電力へと変換し、その直流電力を所定の高周波電力へと変換して、その高周波電力を最終的に所望の直流電力(即ち、入力交流電力の交流電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する電力変換装置(以下、「AC−DC電力変換装置」ということがある。)PT1に具体化することができる。この場合、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
[実施の形態2に係る電力変換装置]
図3は本発明の実施の形態2に係る交流入力−交流出力型の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図3に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態2として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を所定の高周波電力へと変換する電力変換装置(以下、「AC−AC電力変換装置」ということがある。)PT2に具体化することができる。この場合も、実施の形態2に係る電力変換装置PT2は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
図3は本発明の実施の形態2に係る交流入力−交流出力型の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図3に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態2として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を所定の高周波電力へと変換する電力変換装置(以下、「AC−AC電力変換装置」ということがある。)PT2に具体化することができる。この場合も、実施の形態2に係る電力変換装置PT2は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
[本発明の電力変換装置(多段接続式)]
一方、本発明に係る電力変換装置PTは、上記実施の形態1の電力変換装置PT1を直列に多段接続した(典型的には、直列に2段接続した)多段接続式の電力変換装置に具体化することができる。この場合、本発明に係る電力変換装置PTは、以下の実施の形態3〜5で説明するように、第1の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第2の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に同じく電圧共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第3の態様の接続形態として、電流共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置との、3種類の多段接続式電力変換装置のいずれかとして具体化することができる。
一方、本発明に係る電力変換装置PTは、上記実施の形態1の電力変換装置PT1を直列に多段接続した(典型的には、直列に2段接続した)多段接続式の電力変換装置に具体化することができる。この場合、本発明に係る電力変換装置PTは、以下の実施の形態3〜5で説明するように、第1の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第2の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に同じく電圧共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第3の態様の接続形態として、電流共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置との、3種類の多段接続式電力変換装置のいずれかとして具体化することができる。
[実施の形態3に係る電力変換装置]
図4は本発明の実施の形態3に係る多段接続式の一例としての電圧共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図4に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態3として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT11とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT12として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT11の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT12を直列接続することにより構成されている。
図4は本発明の実施の形態3に係る多段接続式の一例としての電圧共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図4に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態3として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT11とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT12として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT11の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT12を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態4に係る電力変換装置]
図5は本発明の実施の形態4に係る多段接続式の他の一例としての電圧共振型電力変換装置と電圧共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図5に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態4として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT21とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置22として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT21の出力側に、前記第2の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT22を直列接続することにより構成されている。
図5は本発明の実施の形態4に係る多段接続式の他の一例としての電圧共振型電力変換装置と電圧共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図5に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態4として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT21とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置22として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT21の出力側に、前記第2の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT22を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態5に係る電力変換装置]
図6は本発明の実施の形態5に係る多段接続式の更に他の一例としての電流共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図6に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態5として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT31とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT32として、前記第1の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT31の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DCC電力変換装置)PT32を直列接続することにより構成されている。
図6は本発明の実施の形態5に係る多段接続式の更に他の一例としての電流共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図6に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態5として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT31とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT32として、前記第1の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT31の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DCC電力変換装置)PT32を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態1の電力変換装置]
次に、実施の形態1に係る電力変換装置PT1の詳細について説明する。図7は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の回路構成を機能ブロックにより概略的に示す説明図である。図7に示すように、電力変換装置PT1は、交流電源10に接続される整流平滑回路100と、整流平滑回路100の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路200と、一次コイル共振増幅回路200の出力側に接続される高周波整流回路300とから構成される。なお、上記のとおり、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置、又は、前記電流共振型AC−DC電力変換装置のいずれかに具体化することができる。
次に、実施の形態1に係る電力変換装置PT1の詳細について説明する。図7は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の回路構成を機能ブロックにより概略的に示す説明図である。図7に示すように、電力変換装置PT1は、交流電源10に接続される整流平滑回路100と、整流平滑回路100の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路200と、一次コイル共振増幅回路200の出力側に接続される高周波整流回路300とから構成される。なお、上記のとおり、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置、又は、前記電流共振型AC−DC電力変換装置のいずれかに具体化することができる。
<整流平滑回路>
整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。
整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、本発明の課題を達成するために主要な機能を発揮する特徴的回路部分であり、その回路構成については後述するが、機能的構成として概略的に説明すると、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210の入力側は、前記整流平滑回路100の出力側に接続され、高周波交流発生部210の出力側は、高周波トランス220の一次コイルL1に接続されている。そして、高周波交流発生部210は、整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力し、その入力を高速スイッチング動作によりオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するものである。高周波トランス220は、一次コイルL1及び二次コイルL2からなり、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するものである。
一次コイル共振増幅回路200は、本発明の課題を達成するために主要な機能を発揮する特徴的回路部分であり、その回路構成については後述するが、機能的構成として概略的に説明すると、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210の入力側は、前記整流平滑回路100の出力側に接続され、高周波交流発生部210の出力側は、高周波トランス220の一次コイルL1に接続されている。そして、高周波交流発生部210は、整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力し、その入力を高速スイッチング動作によりオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するものである。高周波トランス220は、一次コイルL1及び二次コイルL2からなり、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するものである。
ここで、高周波交流出力部210は、後述する通り、高速スイッチングのためのスイッチング素子に加え、前記高周波トランス220の一次コイルL1に接続されるコンデンサを備えており、このコンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより、(一次コイルL1で発生する)逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成している。これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流が、その各パルスごとに、前記タンク回路による共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。
そして、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電圧共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、タンク回路を電圧共振回路としての並列共振回路として構成すべく、前記コンデンサを前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続して並列共振型のタンク回路を構成している。なお、この並列共振型のタンク回路の構成については、図8を参照して後段で詳細に説明する。
また、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電流共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、タンク回路を電圧共振回路としての直列共振回路として構成すべく、前記コンデンサを前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続して直列共振型のタンク回路を構成している。なお、この直列共振型のタンク回路の構成については、図9を参照して後段で詳細に説明する。
前記一次コイル共振検出回路230は、前記タンク回路により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値を検出してモニターし、その検出値を前記制御装置240に出力するようになっている。
そして、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電圧共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、前記タンク回路が並列共振型のタンク回路となるため、一次コイル共振検出回路230は、タンク回路のコンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1との間の電圧値を前記高周波交流の出力値として検出し、その検出電圧値を前記制御装置240に出力するようになっている。なお、この並列共振型のタンク回路に伴う前記一次コイル共振検出回路230の構成については、図8を参照して後段で詳細に説明する。
また、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電流共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、前記タンク回路が直列共振型のタンク回路となるため、一次コイル共振検出回路230は、高周波整流回路230から出力される直流電力の電流値を前記高周波交流の出力値として検出し、その検出電流値を前記制御装置240に出力するようになっている。なお、この直列共振型のタンク回路に伴う前記一次コイル共振検出回路230の構成については、図9を参照して後段で詳細に説明する。
制御装置240は、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させるものである。また、制御装置240は、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230からの検出値(電圧値)を入力し、その検出値(電圧値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電圧値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子をオン動作して、高周波交流発生部210から次の1個のパルスを出力させるように、前記高周波交流発生部210の動作を制御するようになっている。なお、この制御装置240の制御のための構成及び動作については、図13〜図16を参照して後段で詳細に説明する。
<高周波整流回路>
高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。即ち、高周波トランス220の二次コイルL2からの高周波交流出力は、高周波整流回路300により所望電圧の直流電力(例えば、DC12Vの直流電力)に変換して出力されるようになっている。
高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。即ち、高周波トランス220の二次コイルL2からの高周波交流出力は、高周波整流回路300により所望電圧の直流電力(例えば、DC12Vの直流電力)に変換して出力されるようになっている。
[実施の形態1の電力変換装置]
図8は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を示す回路図である。図8に示すように、整流平滑回路100は、交流電源100の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。
図8は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を示す回路図である。図8に示すように、整流平滑回路100は、交流電源100の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210は、スイッチング素子211と、コンデンサ212とを備えている。スイッチング素子211は、MOSFET等のスイッチングトランジスタにより構成することができる。また、コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に並列共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210は、スイッチング素子211と、コンデンサ212とを備えている。スイッチング素子211は、MOSFET等のスイッチングトランジスタにより構成することができる。また、コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に並列共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
そして、高周波交流発生部210は、タンク回路212,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力をスイッチング素子211により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流電圧が、その各パルスごとに、前記タンク回路212,L1による電圧共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電圧増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅は、経時的に減衰するが、このとき、前記一次コイル共振検出回路230が、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、タンク回路のコンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1との間の電圧値を検出してモニターして、その検出値を前記制御装置240に出力するようになっている。一方、前記制御装置240は、前記スイッチング素子211をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230から入力された検出値に基づき、その検出値が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子211をオン動作して、高周波交流発生部210から次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211のオン/オフ動作を制御するようになっている。
これにより、制御装置240の制御によりスイッチング素子211がオンして1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電圧値)が所定のしきい値以下となるまでは、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電圧値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[実施の形態2の電力変換装置]
図9は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の主要部としての一次コイル一次コイル共振増幅回路の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、電源電圧Vccとして、所定電圧の直流電圧(例えば、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧)の直流電力が、一次コイル共振増幅回路200に供給されるようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力(高周波AC出力、即ち、高周波交流電力)を直流に整流する整流回路を構成するダイオード(ブリッジダイオード等)D2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力(高周波交流電力)を、所定の直流電圧の直流電力に整流及び平滑化して、その直流電圧の直流電力を負荷29に供給するようになっている。
図9は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の主要部としての一次コイル一次コイル共振増幅回路の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、電源電圧Vccとして、所定電圧の直流電圧(例えば、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧)の直流電力が、一次コイル共振増幅回路200に供給されるようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力(高周波AC出力、即ち、高周波交流電力)を直流に整流する整流回路を構成するダイオード(ブリッジダイオード等)D2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力(高周波交流電力)を、所定の直流電圧の直流電力に整流及び平滑化して、その直流電圧の直流電力を負荷29に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様の回路構成を備えている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記電源電圧Vccの出力側に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記スイッチング素子211を介して接地されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様の回路構成を備えている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記電源電圧Vccの出力側に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記スイッチング素子211を介して接地されている。
そして、高周波交流発生部210は、タンク回路212,L1に電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力を、制御装置240の制御にしたがってスイッチング素子212により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、図8に示す高周波交流発生部210と同様にして、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。そして、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様、前記コンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流電圧が、所定の増幅率で増幅されて、二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。また、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰してその出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値)が所定のしきい値以下となるまでは、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作は行われず、その出力値が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作が行われるようになっており、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[電圧共振型電力変換装置]
図10は本発明の実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図10に示すように、実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例と同様、本発明の電力変換装置PTを、電圧共振型の電力変換装置(電圧共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が並列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより並列接続型のタンク回路を構成している。なお、図10中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の並列接続型のタンク回路(LC並列列回路)を(RLC並列共振回路として)表現したものである。
図10は本発明の実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図10に示すように、実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例と同様、本発明の電力変換装置PTを、電圧共振型の電力変換装置(電圧共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が並列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより並列接続型のタンク回路を構成している。なお、図10中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の並列接続型のタンク回路(LC並列列回路)を(RLC並列共振回路として)表現したものである。
[電流共振型電力変換装置]
図11は本発明の実施の形態7に係る電流共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図11に示すように、実施の形態6に係る電流共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例とは異なり、本発明の電力変換装置PTを、電流共振型の電力変換装置(電流共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が直列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより直列接続型のタンク回路を構成している。なお、図11中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の直列接続型のタンク回路(LC直列回路)を(RLC直列共振回路として)表現したものである。
図11は本発明の実施の形態7に係る電流共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図11に示すように、実施の形態6に係る電流共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例とは異なり、本発明の電力変換装置PTを、電流共振型の電力変換装置(電流共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が直列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより直列接続型のタンク回路を構成している。なお、図11中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の直列接続型のタンク回路(LC直列回路)を(RLC直列共振回路として)表現したものである。
ここで、図11の電流共振型電力変換装置は、2個のスイッチング素子211A,211Bを直列接続し、そのうちの一方のスイッチング素子211Aを電源電圧Vccの出力側に接続すると共に、他方のスイッチング素子211Bを接地して、それら対をなすスイッチング素子211A,211B間に前記タンク回路のコンデンサ212の入力側を接続して、それら対をなすスイッチング素子211A,211Bからのパルス出力を前記タンク回路に入力するようになっている。これら対をなすスイッチング素子211A,211Bに対応して、スイッチング素子制御装置240は、スイッチング素子211A,211Bにそれぞれ接続され、スイッチング素子211A,211Bをそれぞれ所定の制御態様で制御するようになっている。ここで、これら対をなすスイッチング素子211A,211Bのうち、第1のスイッチング素子211Aは、電源Vcc側で前記タンク回路の第1のコイルL1に充電を行うための充電用のスイッチング素子であり、第2のスイッチング素子211Bは、電源Vcc側で前記タンク回路の第1のコイルL1からの放電を行うための放電用のスイッチング素子である。そして、スイッチング素子制御装置240は、(1)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオン動作、(2)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオフ動作、(3)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオン動作、(4)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオフ動作を、図10に示す電圧共振型の電力変換装置における前記スイッチング素子211のオン動作及びオフ動作(即ち、1パルスを発生するための1サイクルのスイッチング動作)に対応する(1パルスを発生するための)1サイクルのスイッチング動作として、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bに対するオンオフ動作制御を行うように(所定のハードウエア構成及び/又はソフトウエア構成により)構成されている。更に、図11の電流共振型電力変換装置は、2個のコンデンサ215A,215Bを直列接続し、そのうちの一方のコンデンサ215Aを電源電圧Vccの出力側に接続すると共に、他方のコンデンサ215Bを接地して、それら対をなすコンデンサ215A,2115間に前記タンク回路の一次コイルL1の他方端(前記タンク回路のコンデンサ212が接続される一次コイルL1の一方端とは反対側の端)を接続している。これらの2個のコンデンサ215A,215Bは、電源電圧Vccと接地点との間の中間電位を確立して発生するためのものであり、これ自体は、周知の構成である。
[実施の形態6の電力変換装置(電圧増幅型電力変換装置)]
図12は本発明の実施の形態6に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図12に示すように、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2(ブリッジダイオード等)と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。この図12の電圧共振型電力変換装置は、上記の図10の電圧共振型電力変換装置に対応するものであり、図10と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
図12は本発明の実施の形態6に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図12に示すように、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2(ブリッジダイオード等)と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。この図12の電圧共振型電力変換装置は、上記の図10の電圧共振型電力変換装置に対応するものであり、図10と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211と、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212とを備えている。コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電圧共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(即ち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211と、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212とを備えている。コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電圧共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(即ち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
そして、スイッチング素子211を介して、タンク回路212,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力をスイッチング素子211により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、図10のタンク回路と同様、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部からの高周波交流電圧が、そのパルスごとに、前記タンク回路212,L1による電圧共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電圧増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値は、経時的に減衰するが、このとき、図10の一次コイル共振検出回路230と同様に、一次コイル共振検出回路230Aが、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、タンク回路の一次コイルL1の他端(即ち、タンク回路のコンデンサ212が接続されるいったんとは反対側の他端)の電圧値を検出してモニターして、その検出値を前記スイッチング素子制御装置240に出力するようになっている。一方、前記スイッチング素子制御装置240は、前記スイッチング素子211をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230から入力された検出値(電圧値)に基づき、その検出値(電圧値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電圧値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211をオン動作して、スイッチング素子211から次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211のオン/オフ動作を制御するようになっている。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御によりスイッチング素子211が1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,L1の共振による電流増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、次回のパルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[実施の形態7の電力変換装置(電流増幅型電力変換装置)]
図13は本発明の実施の形態7に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電流共振型の電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図13に示すように、実施の形態7に係る電流増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100及び高周波清流回路300は、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置の整流平滑回路100及び高周波清流回路300と同様の構成である。なお、この図13の電流共振型電力変換装置は、上記の図11の電流共振型電力変換装置に対応するものであり、図11と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
図13は本発明の実施の形態7に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電流共振型の電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図13に示すように、実施の形態7に係る電流増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100及び高周波清流回路300は、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置の整流平滑回路100及び高周波清流回路300と同様の構成である。なお、この図13の電流共振型電力変換装置は、上記の図11の電流共振型電力変換装置に対応するものであり、図11と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211A,211Bと、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212Aとを備えている。コンデンサ212Aは、前記電流共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電流共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続されている。(直列接続型の)タンク回路212A,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(すなわち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(直列接続型の)タンク回路212A,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bを介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211A,211Bと、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212Aとを備えている。コンデンサ212Aは、前記電流共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電流共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続されている。(直列接続型の)タンク回路212A,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(すなわち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(直列接続型の)タンク回路212A,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bを介して接続されている。
そして、対をなすスイッチング素子211A,21Bを介して、タンク回路212A,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力を対をなすスイッチング素子211A,21Bにより高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサ212Aと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される直列接続型のタンク回路は、図11のタンク回路と同様、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部からの高周波交流電流が、そのパルスごとに、前記タンク回路212A,L1による電流共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電流増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電流増幅に係る電流値は、経時的に減衰するが、このとき、図11の一次コイル共振検出回路230と同様に、一次コイル共振検出回路230Aが、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、高周波整流回路300から出力される直流電力の電流値を検出してモニターして、その検出値を前記スイッチング素子制御装置240に出力するようになっている。一方、前記スイッチング素子制御装置240は、前記スイッチング素子211A,211Bをオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230Aから入力された検出値(電流値)に基づき、その検出値(電流値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211A,211Bをオン動作して、スイッチング素子211A,211Bから次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211A,211Bのオン/オフ動作を制御するようになっている。
詳細には、この電流共振用の1パルスを発生するときに、スイッチング素子制御装置240は、(1)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオン動作、(2)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオフ動作、(3)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオン動作、(4)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオフ動作からなるスイッチング動作を、上記の電流共振用の1パルスを発生するための1サイクルのスイッチング動作として、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bをオンオフ動作制御する。これにより、スイッチング素子制御装置240の制御より、第1のスイッチング素子211A(充電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行うことで、前記タンク回路の一次コイルL1が充電され、その後、第2のスイッチング素子211B(放電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行うことで、前記タンク回路の一次コイルL1が放電され、これにより、電流共振のための1個の高周波パルスが出力される。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御により、第1のスイッチング素子211A(充電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行った後に、第2のスイッチング素子211B(放電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212A,L1の共振による電流増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230Aの検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211A,211Bの次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230Aの検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211A,211Bの次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212A,L1の共振による電流増幅に係る電流値が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、次回のパルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[スイッチング素子制御装置の制御動作]
図14は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置のスイッチング素子制御装置の制御動作を入力パルスのタイミングと出力高周波電力の共振値との関係により説明するためのタイミングチャートである。図14に示すように、前記スイッチング素子制御装置240は、(いずれの実施の形態のスイッチング素子制御装置240の場合も)上記のようにして、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに1回の(即ち、上記の1サイクルの)オンオフ動作を行わせることで、前記所定の高周波交流パルスの1個のパルスを出力させ、これにより、高周波トランス220の一次コイルL1では、所定の共振による増幅率で増幅した電力が発生するが、このとき、この増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)は、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となり、その後、経時的に減衰する。しかし、上記のとおり、前記一次コイル共振検出回路230,230Aが、その増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)をモニターして、検出値としてスイッチング素子制御装置240に出力しており、これにより、スイッチング素子制御装置240が、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230,230Aから入力された検出値(電圧値又は電流値)に基づき、その検出値(電圧値又は電流値)が予め設定した所定のしきい値(図14中の「しきい値」)以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに次の1回のオンオフ動作を行わせて、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bから次の1個のパルスを出力させる。
図14は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置のスイッチング素子制御装置の制御動作を入力パルスのタイミングと出力高周波電力の共振値との関係により説明するためのタイミングチャートである。図14に示すように、前記スイッチング素子制御装置240は、(いずれの実施の形態のスイッチング素子制御装置240の場合も)上記のようにして、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに1回の(即ち、上記の1サイクルの)オンオフ動作を行わせることで、前記所定の高周波交流パルスの1個のパルスを出力させ、これにより、高周波トランス220の一次コイルL1では、所定の共振による増幅率で増幅した電力が発生するが、このとき、この増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)は、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となり、その後、経時的に減衰する。しかし、上記のとおり、前記一次コイル共振検出回路230,230Aが、その増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)をモニターして、検出値としてスイッチング素子制御装置240に出力しており、これにより、スイッチング素子制御装置240が、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230,230Aから入力された検出値(電圧値又は電流値)に基づき、その検出値(電圧値又は電流値)が予め設定した所定のしきい値(図14中の「しきい値」)以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに次の1回のオンオフ動作を行わせて、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bから次の1個のパルスを出力させる。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御によりスイッチング素子211,211A,211Bが1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,21A,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値又は電流増幅に係る電流値(即ち、共振値)が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230,230Aの検出値としての電圧値又は電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230,230Aの検出値としての電圧値又は電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211,211A,211Bが次の1回のオンオフ動作を行って次回の1個の高周波パルスが出力されて、タンク回路212,212A,L1の次回の共振動作(電圧共振又は電流共振)による次回の二次コイルL2への電力変換動作が行われるため、タンク回路212,212A,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値又は電流増幅に係る電流値(即ち、共振値)が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[共振による増幅率]
図15は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置の共振による増幅率を説明するための説明図である。上記のように、高周波交流発生部210から出力された前記所定の高周波交流パルスの出力値は、タンク回路212,212A,L1による電圧共振又は電流共振により、所定の増幅率で増幅して、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となるが、この増幅率は、図15に示すように、信号源としての出力パルスの所定周波数ω0(即ち、共振周波数)では、入力値の3倍以上となることを、本発明者らは、実験結果により確認している。
図15は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置の共振による増幅率を説明するための説明図である。上記のように、高周波交流発生部210から出力された前記所定の高周波交流パルスの出力値は、タンク回路212,212A,L1による電圧共振又は電流共振により、所定の増幅率で増幅して、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となるが、この増幅率は、図15に示すように、信号源としての出力パルスの所定周波数ω0(即ち、共振周波数)では、入力値の3倍以上となることを、本発明者らは、実験結果により確認している。
[スイッチング素子制御装置の構成]
図16は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置の構成を機能ブロックにより説明するためのブロック図である。本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置240は、上記いずれの実施の形態の場合も、図16に示すような構成とすることができる。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、しきい値設定手段241、しきい値格納手段242、共振値入力手段243、共振値判定手段244、パルス出力制御手段245、パルス指令手段246を備えている。なお、スイッチング素子制御装置240は、CPU(中央処理装置)、ROM,RAM等を備える、一般的な組み込み制御用のマイコン(マイクロコンピュータ)等により構成することができる。
図16は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置の構成を機能ブロックにより説明するためのブロック図である。本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置240は、上記いずれの実施の形態の場合も、図16に示すような構成とすることができる。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、しきい値設定手段241、しきい値格納手段242、共振値入力手段243、共振値判定手段244、パルス出力制御手段245、パルス指令手段246を備えている。なお、スイッチング素子制御装置240は、CPU(中央処理装置)、ROM,RAM等を備える、一般的な組み込み制御用のマイコン(マイクロコンピュータ)等により構成することができる。
前記しきい値設定手段241は、前記タンク回路212,L1による所定増幅率の増幅電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値、即ち、「共振値」)について、スイッチング素子211による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現する。なお、電圧共振型の場合は所定の電圧値を、電流共振型の場合は所定の電流値を、前記しきい値として設定する。しきい値格納手段242は、前記しきい値設定手段241により設定した前記しきい値を格納する機能を実現し、前記マイコンのROMやRAMにより構成することができる。共振値入力手段243は、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(即ち、検出値としての前記共振値)を入力すると共に、その検出値を共振値判定手段244に出力するインタフェース機能を実現する。共振値判定手段244は、共振値入力手段243から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定し、一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211に次の1回(1サイクル)のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、パルス出力制御手段245に出力する機能を実現する。パルス出力制御手段245は、共振値判定手段244から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための指令信号を、パルス指令手段246に出力する機能を実現する。パルス指令手段246は、パルス出力制御手段245から指令信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を、スイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)機能を実現する。なお、前記パルス出力制御手段245及びパルス指令手段246は、それらを一体化して、(共振値判定手段244から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現する)パルス指令手段として把握することもできる。
[スイッチング素子制御装置の動作]
図17は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子の制御処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すように、スイッチング素子制御装置240は、上記のような構成を使用して、パルス出力制御処理を実行する。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、まず、STEP1で、前記パルス指令手段246から動作信号を出力し、スイッチング素子211に初回の(即ち、最初の1サイクルの)オンオフ動作(即ち、初回の1個のパルス出力)を実行させる。次に、スイッチング素子制御装置240は、STEP2で、共振値判定手段244により、前記しきい値入力手段243から入力された検出値である共振増幅後の電圧値又は電流値(説明の便宜上、「共振値」ということがある。)をモニターし、STEP3で、その共振値を、しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較して、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定する。そして、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、その共振値がしきい値以下であると判断した場合、その時点のタイミングで、しきい値判定手段244から前記判定信号をパルス出力制御手段245に出力し、パルス出力制御手段245から前記指令信号をパルス指令手段246に出力し、パルス指令手段246から前記動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)。一方、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、前記共振値が前記しきい値以下ではない(しきい値を超える値である)と判断した場合、上記STEP2以降の処理を継続する。
図17は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子の制御処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すように、スイッチング素子制御装置240は、上記のような構成を使用して、パルス出力制御処理を実行する。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、まず、STEP1で、前記パルス指令手段246から動作信号を出力し、スイッチング素子211に初回の(即ち、最初の1サイクルの)オンオフ動作(即ち、初回の1個のパルス出力)を実行させる。次に、スイッチング素子制御装置240は、STEP2で、共振値判定手段244により、前記しきい値入力手段243から入力された検出値である共振増幅後の電圧値又は電流値(説明の便宜上、「共振値」ということがある。)をモニターし、STEP3で、その共振値を、しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較して、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定する。そして、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、その共振値がしきい値以下であると判断した場合、その時点のタイミングで、しきい値判定手段244から前記判定信号をパルス出力制御手段245に出力し、パルス出力制御手段245から前記指令信号をパルス指令手段246に出力し、パルス指令手段246から前記動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)。一方、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、前記共振値が前記しきい値以下ではない(しきい値を超える値である)と判断した場合、上記STEP2以降の処理を継続する。
[高周波トランスの相互インダクタンス]
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、所定範囲内で選択した所定値(下限値はゼロを超える値であって、上限値としては、好ましくは、0.5以下の値)に設定している(0<k≦0.5)。即ち、本発明に係る電力変換装置において、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを0.5を超える値(k>0.5)に設定すると、スイッチング効率は高くなるが、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷となり、上記のタンク回路212,212A,L1による共振時間が短くなり、電力変換効率が低下するため、上記のような所望の増幅動作を担保することができない。したがって、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷とならないようにし、上記タンク回路212,212A,L1による共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、上記のような所望の増幅動作を担保するようにしている。そして、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2の巻線形状を、上記のように、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kの値が、前記所定範囲内(0<k≦0.5の範囲内)で選択した所定値(例えば、0.5)となるような巻線形状にしている。
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、所定範囲内で選択した所定値(下限値はゼロを超える値であって、上限値としては、好ましくは、0.5以下の値)に設定している(0<k≦0.5)。即ち、本発明に係る電力変換装置において、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを0.5を超える値(k>0.5)に設定すると、スイッチング効率は高くなるが、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷となり、上記のタンク回路212,212A,L1による共振時間が短くなり、電力変換効率が低下するため、上記のような所望の増幅動作を担保することができない。したがって、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷とならないようにし、上記タンク回路212,212A,L1による共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、上記のような所望の増幅動作を担保するようにしている。そして、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2の巻線形状を、上記のように、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kの値が、前記所定範囲内(0<k≦0.5の範囲内)で選択した所定値(例えば、0.5)となるような巻線形状にしている。
[共振周波数]
ここで、上記実施の形態の電力変換装置において、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fは、直列共振型の場合も並列共振型の場合も、いずれも、前記一次コイルL1のインダクタンスLと、前記コンデンサ212,212AのキャパシタンスCとに基づき、f=1/2π√LCの計算式で決定されるため、実施の形態1では、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを調節して所定値に設定することで、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fを設定している。また、この所定値(即ち、コンデンサ212,212AのキャパシタンスC)は、高周波トランス220のトランス構造により変化するため、高周波トランス220ごとに異なるものとする。即ち、高周波トランス220のトランス構造に応じて、最適値となるよう、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを設定する。
ここで、上記実施の形態の電力変換装置において、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fは、直列共振型の場合も並列共振型の場合も、いずれも、前記一次コイルL1のインダクタンスLと、前記コンデンサ212,212AのキャパシタンスCとに基づき、f=1/2π√LCの計算式で決定されるため、実施の形態1では、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを調節して所定値に設定することで、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fを設定している。また、この所定値(即ち、コンデンサ212,212AのキャパシタンスC)は、高周波トランス220のトランス構造により変化するため、高周波トランス220ごとに異なるものとする。即ち、高周波トランス220のトランス構造に応じて、最適値となるよう、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを設定する。
[電力増幅率(変換効率)]
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記タンク回路211,L1による共振動作を利用した電力増幅により、入力電力を所定の増幅率で増幅することができることを、本発明者らは、試験機関での実験による実験結果により確認している。即ち、一の実験結果によれば、入力電力として、周波数50HzのAC100V(電流3.18A)の交流電力(有効電力311W)を、本発明の実施の形態1に係る電圧共振型の電力変換装置を具体化した実機に入力し、その出力を負荷(R=99.8Ω)を使用して測定したところ、364Vの出力電圧を得ることができた。このことから、計算上は、出力電力として、3642/99.8(P=V2/R)=約1327Wの電力を得ることができることが判明し、その結果、入力電圧の4倍以上(約4.27倍)の出力電力を得ることができることが判明した。即ち、本発明に係る電力変換装置は、入力電圧に対して所定倍以上(3〜4倍以上)の電力増幅率を可能とする電力増幅装置としても機能することが実験結果から理解される。なお、実施の形態3〜5のように、例えば、2つの電力変換装置を直列接続した電力変換装置PTの場合、各々の電力変換装置の電力増幅率を乗じた電力増幅率を得ることができる。例えば、実施の形態3のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×4=12倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態4のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と同じく電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×3=9倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態5のように、電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置と同じく電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、4×4=16倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記タンク回路211,L1による共振動作を利用した電力増幅により、入力電力を所定の増幅率で増幅することができることを、本発明者らは、試験機関での実験による実験結果により確認している。即ち、一の実験結果によれば、入力電力として、周波数50HzのAC100V(電流3.18A)の交流電力(有効電力311W)を、本発明の実施の形態1に係る電圧共振型の電力変換装置を具体化した実機に入力し、その出力を負荷(R=99.8Ω)を使用して測定したところ、364Vの出力電圧を得ることができた。このことから、計算上は、出力電力として、3642/99.8(P=V2/R)=約1327Wの電力を得ることができることが判明し、その結果、入力電圧の4倍以上(約4.27倍)の出力電力を得ることができることが判明した。即ち、本発明に係る電力変換装置は、入力電圧に対して所定倍以上(3〜4倍以上)の電力増幅率を可能とする電力増幅装置としても機能することが実験結果から理解される。なお、実施の形態3〜5のように、例えば、2つの電力変換装置を直列接続した電力変換装置PTの場合、各々の電力変換装置の電力増幅率を乗じた電力増幅率を得ることができる。例えば、実施の形態3のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×4=12倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態4のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と同じく電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×3=9倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態5のように、電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置と同じく電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、4×4=16倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。
[タンク回路のコンデンサ]
上記タンク回路のコンデンサとしては、コイルの逆起電力を消化させるスナバ回路では、3倍以上の耐圧を有するコンデンサを使用することが好ましい。
上記タンク回路のコンデンサとしては、コイルの逆起電力を消化させるスナバ回路では、3倍以上の耐圧を有するコンデンサを使用することが好ましい。
[タンク回路のコンデンサ及び一次コイル]
上記タンク回路のコンデンサ及び一次コイルとしては、例えば、コンデンサは0.3μFのコンデンサを、コイルは80μHのコイルを使用することができ、この場合、27KHzから39KHzまで周波数を変化させるよう構成することができる。
上記タンク回路のコンデンサ及び一次コイルとしては、例えば、コンデンサは0.3μFのコンデンサを、コイルは80μHのコイルを使用することができ、この場合、27KHzから39KHzまで周波数を変化させるよう構成することができる。
[高周波トランス]
上記高周波トランスとしては、Q値の高い空芯トランスを(上記試験機関での)実験では使用した。
上記高周波トランスとしては、Q値の高い空芯トランスを(上記試験機関での)実験では使用した。
PT:電力変換装置
PT1:電力変換装置
PT2:電力変換装置
PT11:第1の電力変換装置
PT12:第2の電力変換装置
PT21:第1の電力変換装置
PT22:第2の電力変換装置
PT31:第1の電力変換装置
PT32:第2の電力変換装置
10:交流電源
20:負荷
100:整流平滑回路
200:一次コイル共振増幅回路
211:スイッチング素子
212,212A:コンデンサ(タンク回路)
220:高周波トランス
L1:一次コイル(タンク回路)
L2:二次コイル
230:一次コイル共振検出回路
240:スイッチング素子制御装置
241:しきい値設定手段
242:しきい値格納手段
243:共振値入力手段
244:共振値判定手段
245:パルス出力制御手段(パルス指令手段)
246:パルス指令手段
300:高周波整流回路
PT1:電力変換装置
PT2:電力変換装置
PT11:第1の電力変換装置
PT12:第2の電力変換装置
PT21:第1の電力変換装置
PT22:第2の電力変換装置
PT31:第1の電力変換装置
PT32:第2の電力変換装置
10:交流電源
20:負荷
100:整流平滑回路
200:一次コイル共振増幅回路
211:スイッチング素子
212,212A:コンデンサ(タンク回路)
220:高周波トランス
L1:一次コイル(タンク回路)
L2:二次コイル
230:一次コイル共振検出回路
240:スイッチング素子制御装置
241:しきい値設定手段
242:しきい値格納手段
243:共振値入力手段
244:共振値判定手段
245:パルス出力制御手段(パルス指令手段)
246:パルス指令手段
300:高周波整流回路
本発明は、所定の入力電力を所望の出力電力に変換する電力変換装置に関し、特に、電圧共振や電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力に変換する電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置乃至電源装置としては、電力変換効率の高さ等の理由により、スイッチング電源装置(スイッチング方式直流安定化電源ともよばれる)が広く利用されている。このスイッチング電源装置は、MOS FET等のトランジスタをスイッチング素子として使用し、フィードバック回路によってスイッチング素子のオン・オフ時間比率(デューティ比)をコントロールして出力を安定化させることで交流電力を直流電力に変換するものであり、小型、軽量で、電力変換効率も高い電源装置を実現することができる。このようなスイッチング電源装置の発明として、例えば、特許文献1に記載の発明(以下、「従来発明」)がある。この従来発明は、トランスと、少なくともスイッチング素子を有し、該スイッチング素子のオン・オフを制御して入力電力を入力端子から1次巻線に供給する1次側回路と、該1次側回路と絶縁され、トランスで電力変換された出力電力を2次巻線から出力端子へ出力する2次側回路とを備える絶縁型スイッチング電源装置である。この従来発明は、1次巻線が接続され、1次側回路及び入力端子を備える第1回路基板と、2次巻線が接続され、2次側回路及び出力端子を備える第2回路基板とを有し、第1回路基板と第2回路基板とを積層配置し、第1回路基板及び第2回路基板を貫通するコアに、1次巻線及び2次巻線を巻回している。この従来発明は、このような構成により、電流損失を低減することができ、製造コストが安価な絶縁型スイッチング電源装置を提供することができるとされている(「要約」参照)。
ここで、本発明者らは、高効率で所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することができる電力換装置について鋭意の研究開発を重ね、特許文献1に記載の電力変換装置のようなスイッチング方式の電力変換装置とは異なる技術思想の回路構成により、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換すると共に大幅な省電力化を実現することができる電力換装置を完成した。
そこで、本発明は、共振現象としての電圧共振又は電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することで、電力変換動作において大幅な省電力化を実現することができる電力換装置の提供を課題とする。
請求項1に係る電力変換装置は、交流電源に接続される整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路と、前記一次コイル共振増幅回路の出力側に接続される高周波整流回路とを備えている。前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備えている。前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなる。前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成している。前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力する。前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を前記高周波整流回路に出力する。前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出する。前記スイッチング素子制御装置は、更に、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するようにオンオフ制御する。前記スイッチング素子制御装置は、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を備える。前記しきい値設定手段は、前記タンク回路による所増幅率の増幅電力の出力値について、前記スイッチング素子による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現する。前記しきい値格納手段は、前記しきい値設定手段により設定した前記しきい値を格納する機能を実現する。前記共振値入力手段は、前記一次コイル共振検出回路の検出値を入力すると共に、その検出値を前記共振値判定手段に出力するインタフェース機能を実現する。前記共振値判定手段は、前記共振値入力手段から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であるか否かを判定し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、前記パルス指令手段に出力する機能を実現する。前記パルス指令手段は、前記共振値判定手段から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を前記スイッチング素子に出力して、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現する。
請求項2に係る電力変換装置は、交流電源に接続される整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路とを備えている。前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備えている。前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなる。前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成している。前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力する。前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を出力する。前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出する。前記スイッチング素子制御装置は、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するようにオンオフ制御する。前記スイッチング素子制御装置は、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を備える。前記しきい値設定手段は、前記タンク回路による所増幅率の増幅電力の出力値について、前記スイッチング素子による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現する。前記しきい値格納手段は、前記しきい値設定手段により設定した前記しきい値を格納する機能を実現する。前記共振値入力手段は、前記一次コイル共振検出回路の検出値を入力すると共に、その検出値を前記共振値判定手段に出力するインタフェース機能を実現する。前記共振値判定手段は、前記共振値入力手段から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であるか否かを判定し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、前記パルス指令手段に出力する機能を実現する。前記パルス指令手段は、前記共振値判定手段から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を前記スイッチング素子に出力して、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現する。
請求項3に係る電力変換装置は、請求項1又は2の構成において、前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを並列接続してなる並列接続型のタンク回路であり、前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電圧値を電圧共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記タンク回路の一次コイルの出力側の電圧値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御装置により、前記一次コイルの出力側の電圧値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
請求項4に係る電力変換装置は、請求項1又は2の構成において、前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを直列接続してなる直列接続型のタンク回路であり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電流値を電流共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記高周波トランスの二次コイルの出力側の電流値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御装置により、前記二次コイルの出力側の電流値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電流値を電流共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記高周波トランスの二次コイルの出力側の電流値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御装置により、前記二次コイルの出力側の電流値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる。
請求項5に係る電力変換装置は、請求項1の電力変換装置を2以上多段接続してなる。
請求項6に係る電力変換装置は、請求項1から5のいずれか1項の構成において、前記高周波トランスは、前記一次コイル及び二次コイルの相互誘導による相互インダクタンスの結合係数が0.5以下となるようなトランス構造を有する。
請求項1に係る電力変換装置では、交流電源から整流平滑回路に交流電力が入力されると、整流平滑回路がその交流電力を整流して平滑化して直流電力へと変換し、その直流電力が一次コイル共振増幅回路に入力される。すると、一次コイル共振増幅回路では、当該直流電力が、スイッチング素子制御装置によりオンオフ制御されたスイッチング素子を介して、そのスイッチング素子のオンオフ動作のタイミングに対応する所定の高周波パルスとなって(即ち、スイッチング素子制御装置によるスイッチング素子のオンオフ制御の態様に応じたパルス出力の高周波交流電力となって)、高周波トランスの一次コイルに入力される。すると、一次コイル共振増幅回路のタンク回路では、一次コイルの自己インダクタンスL1とコンデンサのキャパシタンスCとで決定される特定の周波数(即ち、角周波数ω0=1/2π√L1C、又は、周波数f0=1/2π√L1C)の共振周波数で共振が発生し、当該共振周波数で前記高周波パルスの振幅値が最大値(極大値)をとる(例えば、タンク回路が電圧共振回路からなる場合は電圧値が最大値(極大値)となり、タンク回路が電流共振回路からなる場合は電流値が最大値(極大値)となる)。即ち、スイッチング素子制御装置の制御によってスイッチング素子から共振周波数の高周波パルスのうちの1パルスが出力されると、その出力直後における当該1パルスによる振幅値(電圧値又は電流値)は共振によって最大値(極大値)であり、その後、その1パルスによる振幅が所定割合で徐々に減衰しながら持続する。なお、本発明では、このときの1パルスにより発生した振幅の値(振幅値)を、説明の便宜上、「共振値」と称する。
また、このとき、一次コイル共振増幅回路では、一次コイル共振検出回路が、当該1パルスによる振幅値(即ち、共振値)を経時的に(例えば、一定のタイミングで間欠的に)検出する一方、スイッチング素子制御装置が、一次コイル共振検出回路の検出した共振値を入力してモニターし、所定のしきい値と比較している。そして、当該1パルスによる振幅値が所定のしきい値となるまでは、スイッチング素子制御装置は、スイッチング素子に対して高周波パルスの次回の1パルスの出力を指令せず、当該1パルスによる振幅値が所定のしきい値以下となったときに、はじめて、スイッチング素子に対して高周波パルスの次回の1パルスの出力を指令し、スイッチング素子が、高周波パルスの次回の1パルスを出力する。以降、同様にして、各回の1パルスが発生した後、スイッチング素子制御装置が、一次コイル共振検出回路の検出結果である共振値をしきい値と比較し、共振値がしきい値以下となるたびに、スイッチング素子に次回のオン動作を指令し、このスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子のオン動作の間隔で、高周波パルスが連続的に一次コイルから二次コイルに伝達されて二次コイルから出力される。そして、二次コイルから出力された所定の高周波パルスは、高周波整流回路に入力され、高周波整流回路で整流及び平滑化されて所定の直流電力に変換されて(高周波清流回路に接続した負荷へと)出力される。
ここで、前記共振値のしきい値は、本発明の電力変換装置の用途や駆動対象の負荷の消費電力等に応じて、前記高周波整流回路に出力する高周波交流電力として必要とされる所定の振幅値(電圧値又は電流値)以上の値に設定されている。したがって、スイッチング素子制御装置の制御によってスイッチング素子から1のパルスが出力された後、次回のパルスが出力されるまでの時間間隔において、前記共振値は、前記高周波交流電力として必要とされる所定の振幅値(電圧値又は電流値)以上の値となり、高周波整流回路により整流及び平滑化された直流電力も、常に、駆動対象の負荷の消費電力等に要求される電力値以上の値となる。一方、このとき、一次コイル共振増幅回路の共振により所定のしきい値以上の共振値が得られている間(即ち、1のパルス出力から次回のパルス出力までの時間間隔)は、スイッチング素子からのパルス出力を待機させて電力消費を抑制することができる。その結果、請求項1に係る電力変換装置によれば、共振現象としての電圧共振又は電流共振を利用して所定の入力電力を所望の出力電力へと変換することで、電力変換動作において大幅な省電力化を実現することができる。
なお、上記の一次コイル共振増幅回路による共振の鋭さを表す指標(又は、共振する系の振動の持続特性を表す指標)であるQ値は、Q=ω0/(ω2−ω1)である(ただし、ω0は共振周波数、ω1及びω2はその物理量が共振周波数のときの値の1/√2の大きさになる周波数であって低周波側にある方をω1とし高周波側にある方をω2とする。)。
また、このとき、二次コイルに発生する高周波パルスの態様は、一次コイルと二次コイルのそれぞれの巻線構造及び、二次コイルの巻線構造、一次コイルの自己インダクタンス、二次コイルの自己インダクタンス、一次コイルと二次コイルとの間の相互インダクタンス、相互インダクタンスにおける結合係数等の諸要因によって決定される。
更に、請求項1に係る電力変換装置は、前記スイッチング素子制御装置が、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を使用して、前記スイッチング素子のオンオフ動作を所定のタイミング(即ち、共振値がしきい値以下となったタイミング)で円滑かつ確実に実行することができる。
請求項2に係る電力変換装置は、請求項1に係る電力変換装置から前記高周波整流回路を省略した点を除き、請求項1に係る電力変換装置と同様の構成を備えている。即ち、請求項1に係る電力変換装置が、所定の交流電力を所望の直流電力へと変換するAC−DC電力変換装置(AC−DCコンバーター)として機能するのに対し、請求項2に係る電力変換装置は、所定の交流電力を(所望の直流電力へと変換する前の段階の)高周波交流電力へと変換する、いわゆるAC−AC電力変換装置(AC−ACコンバーター)として機能する。そして、請求項2に係る電力変換装置は、基本的に、請求項1に係る電力変換装置と同様の作用効果を発揮する。
請求項3に係る電力変換装置は、請求項1又は2の効果に加え、一次コイル共振増幅回路のタンク回路により、所定倍率の電圧増幅を行うことができる。
請求項4に係る電力変換装置は、請求項1又は2の効果に加え、一次コイル共振増幅回路のタンク回路により、所定倍率の電流増幅を行うことができる。
請求項5に係る電力変換装置は、請求項1の電力変換装置により得られる増幅率を多段接続した段数に応じて乗じた(理論上の)増幅率を得ることができる。
請求項6に係る電力変換装置は、請求項1から5のいずれか1項の効果に加え、高周波トランスの一次コイル及び二次コイル間の相互インダクタンスの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスを経由して、一次コイルの負荷とならないようにし、タンク回路よる共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、所望の増幅動作を担保することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素又は部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、以下の説明における「・・・手段」とは、所定の電気・電子部品や電子素子等により対応する所定の機能を実現するよう構成されたハードウエア資源による構成を指す場合もあり、また、マイクロコンピュータ等のコンピュータ装置のCPU、ROM、RAM、外部記憶装置、入力装置、出力装置等のハードウエア資源を、所定のプログラムによる指令によって動作させることで、対応する所定の機能を実現するように構成されたソフトウエア資源による構成を指す場合もあり、更には、ハードウエア資源とソフトウエア資源との組み合わせによる構成を指す場合もある。いずれにしても、ある「手段」について、ハードウエア資源による構成をソフトウエア資源による構成で置換できる場合は、そのようなソフトウエア資源による構成も発明の範囲内にあり、また、ソフトウエア資源による構成をハードウエア資源による構成で置換できる場合は、そのようなハードウエア資源による構成も発明の範囲内にある。
[本発明の電力変換装置(基本形)]
図1は本発明の各実施の形態に係る電力変換装置を上位概念として概略的に説明する説明図である。図1に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、後述する本発明の主要部となる一次コイル共振増幅回路を備える限りにおいて、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)又は所定の直流電力(即ち、所定電圧の直流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する任意の電力変換装置に具体化することができ、全ての実施の形態において、大幅な省電力化を実現することができる。
図1は本発明の各実施の形態に係る電力変換装置を上位概念として概略的に説明する説明図である。図1に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、後述する本発明の主要部となる一次コイル共振増幅回路を備える限りにおいて、所定の交流電力(即ち、所定周波数で所定電圧の交流電力)又は所定の直流電力(即ち、所定電圧の直流電力)を所望の直流電力(即ち、入力電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する任意の電力変換装置に具体化することができ、全ての実施の形態において、大幅な省電力化を実現することができる。
[実施の形態1に係る電力変換装置]
図2は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DCコンバーター)を概略的に示す説明図である。図2に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態1として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を一旦所定の直流電力へと変換し、その直流電力を所定の高周波電力へと変換して、その高周波電力を最終的に所望の直流電力(即ち、入力交流電力の交流電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する電力変換装置(以下、「AC−DC電力変換装置」ということがある。)PT1に具体化することができる。この場合、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
図2は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DCコンバーター)を概略的に示す説明図である。図2に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態1として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を一旦所定の直流電力へと変換し、その直流電力を所定の高周波電力へと変換して、その高周波電力を最終的に所望の直流電力(即ち、入力交流電力の交流電圧と異なる所定電圧の直流電力)へと変換する電力変換装置(以下、「AC−DC電力変換装置」ということがある。)PT1に具体化することができる。この場合、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−DC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
[実施の形態2に係る電力変換装置]
図3は本発明の実施の形態2に係る交流入力−交流出力型の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図3に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態2として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を所定の高周波電力へと変換する電力変換装置(以下、「AC−AC電力変換装置」ということがある。)PT2に具体化することができる。この場合も、実施の形態2に係る電力変換装置PT2は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
図3は本発明の実施の形態2に係る交流入力−交流出力型の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図3に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態2として、所定の交流電力としての所定周波数で所定電圧の交流電力を所定の高周波電力へと変換する電力変換装置(以下、「AC−AC電力変換装置」ということがある。)PT2に具体化することができる。この場合も、実施の形態2に係る電力変換装置PT2は、後述するとおり、電圧共振回路としての並列共振回路による電圧共振を利用した電力変換装置(以下、「電圧共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)、又は、電流共振回路としての直列共振回路による電流共振を利用した電力変換装置(以下、「電流共振型AC−AC電力変換装置」ということがある。)のいずれかに具体化することができる。
[本発明の電力変換装置(多段接続式)]
一方、本発明に係る電力変換装置PTは、上記実施の形態1の電力変換装置PT1を直列に多段接続した(典型的には、直列に2段接続した)多段接続式の電力変換装置に具体化することができる。この場合、本発明に係る電力変換装置PTは、以下の実施の形態3〜5で説明するように、第1の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第2の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に同じく電圧共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第3の態様の接続形態として、電流共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置との、3種類の多段接続式電力変換装置のいずれかとして具体化することができる。
一方、本発明に係る電力変換装置PTは、上記実施の形態1の電力変換装置PT1を直列に多段接続した(典型的には、直列に2段接続した)多段接続式の電力変換装置に具体化することができる。この場合、本発明に係る電力変換装置PTは、以下の実施の形態3〜5で説明するように、第1の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第2の態様の接続形態として、電圧共振型電力変換装置に同じく電圧共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置と、第3の態様の接続形態として、電流共振型電力変換装置に電流共振型電力変換装置を直列接続した多段接続式電力変換装置との、3種類の多段接続式電力変換装置のいずれかとして具体化することができる。
[実施の形態3に係る電力変換装置]
図4は本発明の実施の形態3に係る多段接続式の一例としての電圧共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図4に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態3として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT11とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT12として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT11の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT12を直列接続することにより構成されている。
図4は本発明の実施の形態3に係る多段接続式の一例としての電圧共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図4に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態3として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT11とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT12として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT11の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT12を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態4に係る電力変換装置]
図5は本発明の実施の形態4に係る多段接続式の他の一例としての電圧共振型電力変換装置と電圧共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図5に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態4として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT21とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置22として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT21の出力側に、前記第2の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT22を直列接続することにより構成されている。
図5は本発明の実施の形態4に係る多段接続式の他の一例としての電圧共振型電力変換装置と電圧共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図5に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態4として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT21とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電圧共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置22として、前記第1の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT21の出力側に、前記第2の電力変換装置(電圧共振型AC−DC電力変換装置)PT22を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態5に係る電力変換装置]
図6は本発明の実施の形態5に係る多段接続式の更に他の一例としての電流共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図6に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態5として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT31とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT32として、前記第1の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT31の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DCC電力変換装置)PT32を直列接続することにより構成されている。
図6は本発明の実施の形態5に係る多段接続式の更に他の一例としての電流共振型電力変換装置と電流共振型電力変換装置との2段接続式の電力変換装置を概略的に示す説明図である。図6に示すように、本発明に係る電力変換装置PTは、実施の形態5として、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第1の電力変換装置PT31とし、前記実施の形態1の電力変換装置PT1のうちの前記電流共振型AC−DC電力変換装置を第2の電力変換装置PT32として、前記第1の電力変換装置(電流共振型AC−DC電力変換装置)PT31の出力側に、前記第2の電力変換装置(電流共振型AC−DCC電力変換装置)PT32を直列接続することにより構成されている。
[実施の形態1の電力変換装置]
次に、実施の形態1に係る電力変換装置PT1の詳細について説明する。図7は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の回路構成を機能ブロックにより概略的に示す説明図である。図7に示すように、電力変換装置PT1は、交流電源10に接続される整流平滑回路100と、整流平滑回路100の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路200と、一次コイル共振増幅回路200の出力側に接続される高周波整流回路300とから構成される。なお、上記のとおり、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置、又は、前記電流共振型AC−DC電力変換装置のいずれかに具体化することができる。
次に、実施の形態1に係る電力変換装置PT1の詳細について説明する。図7は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の回路構成を機能ブロックにより概略的に示す説明図である。図7に示すように、電力変換装置PT1は、交流電源10に接続される整流平滑回路100と、整流平滑回路100の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路200と、一次コイル共振増幅回路200の出力側に接続される高周波整流回路300とから構成される。なお、上記のとおり、実施の形態1に係る電力変換装置PT1は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置、又は、前記電流共振型AC−DC電力変換装置のいずれかに具体化することができる。
<整流平滑回路>
整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。
整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、本発明の課題を達成するために主要な機能を発揮する特徴的回路部分であり、その回路構成については後述するが、機能的構成として概略的に説明すると、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210の入力側は、前記整流平滑回路100の出力側に接続され、高周波交流発生部210の出力側は、高周波トランス220の一次コイルL1に接続されている。そして、高周波交流発生部210は、整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力し、その入力を高速スイッチング動作によりオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するものである。高周波トランス220は、一次コイルL1及び二次コイルL2からなり、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するものである。
一次コイル共振増幅回路200は、本発明の課題を達成するために主要な機能を発揮する特徴的回路部分であり、その回路構成については後述するが、機能的構成として概略的に説明すると、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210の入力側は、前記整流平滑回路100の出力側に接続され、高周波交流発生部210の出力側は、高周波トランス220の一次コイルL1に接続されている。そして、高周波交流発生部210は、整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力し、その入力を高速スイッチング動作によりオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するものである。高周波トランス220は、一次コイルL1及び二次コイルL2からなり、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するものである。
ここで、高周波交流出力部210は、後述する通り、高速スイッチングのためのスイッチング素子に加え、前記高周波トランス220の一次コイルL1に接続されるコンデンサを備えており、このコンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより、(一次コイルL1で発生する)逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成している。これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流が、その各パルスごとに、前記タンク回路による共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。
そして、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電圧共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、タンク回路を電圧共振回路としての並列共振回路として構成すべく、前記コンデンサを前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続して並列共振型のタンク回路を構成している。なお、この並列共振型のタンク回路の構成については、図8を参照して後段で詳細に説明する。
また、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電流共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、タンク回路を電圧共振回路としての直列共振回路として構成すべく、前記コンデンサを前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続して直列共振型のタンク回路を構成している。なお、この直列共振型のタンク回路の構成については、図9を参照して後段で詳細に説明する。
前記一次コイル共振検出回路230は、前記タンク回路により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値を検出してモニターし、その検出値を前記制御装置240に出力するようになっている。
そして、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電圧共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、前記タンク回路が並列共振型のタンク回路となるため、一次コイル共振検出回路230は、タンク回路のコンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1との間の電圧値を前記高周波交流の出力値として検出し、その検出電圧値を前記制御装置240に出力するようになっている。なお、この並列共振型のタンク回路に伴う前記一次コイル共振検出回路230の構成については、図8を参照して後段で詳細に説明する。
また、実施の形態1に係る電力変換装置PT1を前記電流共振型AC−DC電力変換装置に具体化した場合、前記タンク回路が直列共振型のタンク回路となるため、一次コイル共振検出回路230は、高周波整流回路230から出力される直流電力の電流値を前記高周波交流の出力値として検出し、その検出電流値を前記制御装置240に出力するようになっている。なお、この直列共振型のタンク回路に伴う前記一次コイル共振検出回路230の構成については、図9を参照して後段で詳細に説明する。
制御装置240は、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させるものである。また、制御装置240は、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230からの検出値(電圧値)を入力し、その検出値(電圧値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電圧値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子をオン動作して、高周波交流発生部210から次の1個のパルスを出力させるように、前記高周波交流発生部210の動作を制御するようになっている。なお、この制御装置240の制御のための構成及び動作については、図13〜図16を参照して後段で詳細に説明する。
<高周波整流回路>
高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。即ち、高周波トランス220の二次コイルL2からの高周波交流出力は、高周波整流回路300により所望電圧の直流電力(例えば、DC12Vの直流電力)に変換して出力されるようになっている。
高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路とを含む公知の構成であり、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。即ち、高周波トランス220の二次コイルL2からの高周波交流出力は、高周波整流回路300により所望電圧の直流電力(例えば、DC12Vの直流電力)に変換して出力されるようになっている。
[実施の形態1の電力変換装置]
図8は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を示す回路図である。図8に示すように、整流平滑回路100は、交流電源100の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。
図8は実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を示す回路図である。図8に示すように、整流平滑回路100は、交流電源100の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210は、スイッチング素子211と、コンデンサ212とを備えている。スイッチング素子211は、MOSFET等のスイッチングトランジスタにより構成することができる。また、コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に並列共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部210と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230と、制御装置240とを備えている。高周波交流発生部210は、スイッチング素子211と、コンデンサ212とを備えている。スイッチング素子211は、MOSFET等のスイッチングトランジスタにより構成することができる。また、コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に並列共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
そして、高周波交流発生部210は、タンク回路212,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力をスイッチング素子211により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流電圧が、その各パルスごとに、前記タンク回路212,L1による電圧共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電圧増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅は、経時的に減衰するが、このとき、前記一次コイル共振検出回路230が、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、タンク回路のコンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1との間の電圧値を検出してモニターして、その検出値を前記制御装置240に出力するようになっている。一方、前記制御装置240は、前記スイッチング素子211をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230から入力された検出値に基づき、その検出値が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部210のスイッチング素子211をオン動作して、高周波交流発生部210から次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211のオン/オフ動作を制御するようになっている。
これにより、制御装置240の制御によりスイッチング素子211がオンして1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電圧値)が所定のしきい値以下となるまでは、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電圧値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[実施の形態2の電力変換装置]
図9は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の主要部としての一次コイル一次コイル共振増幅回路の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、電源電圧Vccとして、所定電圧の直流電圧(例えば、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧)の直流電力が、一次コイル共振増幅回路200に供給されるようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力(高周波AC出力、即ち、高周波交流電力)を直流に整流する整流回路を構成するダイオード(ブリッジダイオード等)D2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力(高周波交流電力)を、所定の直流電圧の直流電力に整流及び平滑化して、その直流電圧の直流電力を負荷29に供給するようになっている。
図9は本発明の実施の形態1に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)の主要部としての一次コイル一次コイル共振増幅回路の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、電源電圧Vccとして、所定電圧の直流電圧(例えば、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧)の直流電力が、一次コイル共振増幅回路200に供給されるようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力(高周波AC出力、即ち、高周波交流電力)を直流に整流する整流回路を構成するダイオード(ブリッジダイオード等)D2と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力(高周波交流電力)を、所定の直流電圧の直流電力に整流及び平滑化して、その直流電圧の直流電力を負荷29に供給するようになっている。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様の回路構成を備えている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記電源電圧Vccの出力側に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記スイッチング素子211を介して接地されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様の回路構成を備えている。高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記電源電圧Vccの出力側に接続され、高周波交流発生部210の(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記スイッチング素子211を介して接地されている。
そして、高周波交流発生部210は、タンク回路212,L1に電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力を、制御装置240の制御にしたがってスイッチング素子212により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、図8に示す高周波交流発生部210と同様にして、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。そして、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した前記高周波交流発生部210からの高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様、前記コンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部210からの高周波交流電圧が、所定の増幅率で増幅されて、二次コイルL2から前記高周波整流回路230に出力されるようになっている。また、図8に示す一次コイル共振増幅回路200と同様、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰してその出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値)が所定のしきい値以下となるまでは、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作は行われず、その出力値が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、制御装置240によるスイッチング素子211の次のオン動作が行われるようになっており、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[電圧共振型電力変換装置]
図10は本発明の実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図10に示すように、実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例と同様、本発明の電力変換装置PTを、電圧共振型の電力変換装置(電圧共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が並列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより並列接続型のタンク回路を構成している。なお、図10中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の並列接続型のタンク回路(LC並列列回路)を(RLC並列共振回路として)表現したものである。
図10は本発明の実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図10に示すように、実施の形態6に係る電圧共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例と同様、本発明の電力変換装置PTを、電圧共振型の電力変換装置(電圧共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が並列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより並列接続型のタンク回路を構成している。なお、図10中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の並列接続型のタンク回路(LC並列列回路)を(RLC並列共振回路として)表現したものである。
[電流共振型電力変換装置]
図11は本発明の実施の形態7に係る電流共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図11に示すように、実施の形態6に係る電流共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例とは異なり、本発明の電力変換装置PTを、電流共振型の電力変換装置(電流共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が直列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより直列接続型のタンク回路を構成している。なお、図11中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の直列接続型のタンク回路(LC直列回路)を(RLC直列共振回路として)表現したものである。
図11は本発明の実施の形態7に係る電流共振型の電力変換装置の回路構成中、主要部としての一次コイル共振増幅回路の構成を中心として概略的に示す回路図である。図11に示すように、実施の形態6に係る電流共振型の電力変換装置は、図8及び図9にしたがって説明した前記一次コイル共振増幅回路200に対応する一次コイル共振増幅回路を備えている。この一次コイル共振増幅回路は、図8及び図9の例とは異なり、本発明の電力変換装置PTを、電流共振型の電力変換装置(電流共振型電力変換装置)として具体化するための構成であり、高周波トランスの一次コイルL1にコンデンサ212が直列接続されて、コンデンサ212と一次コイルL1とにより直列接続型のタンク回路を構成している。なお、図11中、抵抗Rが、タンク回路(即ち、コンデンサ212と一次コイルL1)に直列接続されているが、これは、タンク回路をコンデンサ212及び一次コイルL1のみにより構成した場合でも、実際には、タンク回路に抵抗成分が潜んでいることから、この抵抗成分を抵抗Rとして表現することにより、現実の直列接続型のタンク回路(LC直列回路)を(RLC直列共振回路として)表現したものである。
ここで、図11の電流共振型電力変換装置は、2個のスイッチング素子211A,211Bを直列接続し、そのうちの一方のスイッチング素子211Aを電源電圧Vccの出力側に接続すると共に、他方のスイッチング素子211Bを接地して、それら対をなすスイッチング素子211A,211B間に前記タンク回路のコンデンサ212の入力側を接続して、それら対をなすスイッチング素子211A,211Bからのパルス出力を前記タンク回路に入力するようになっている。これら対をなすスイッチング素子211A,211Bに対応して、スイッチング素子制御装置240は、スイッチング素子211A,211Bにそれぞれ接続され、スイッチング素子211A,211Bをそれぞれ所定の制御態様で制御するようになっている。ここで、これら対をなすスイッチング素子211A,211Bのうち、第1のスイッチング素子211Aは、電源Vcc側で前記タンク回路の第1のコイルL1に充電を行うための充電用のスイッチング素子であり、第2のスイッチング素子211Bは、電源Vcc側で前記タンク回路の第1のコイルL1からの放電を行うための放電用のスイッチング素子である。そして、スイッチング素子制御装置240は、(1)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオン動作、(2)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオフ動作、(3)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオン動作、(4)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオフ動作を、図10に示す電圧共振型の電力変換装置における前記スイッチング素子211のオン動作及びオフ動作(即ち、1パルスを発生するための1サイクルのスイッチング動作)に対応する(1パルスを発生するための)1サイクルのスイッチング動作として、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bに対するオンオフ動作制御を行うように(所定のハードウエア構成及び/又はソフトウエア構成により)構成されている。更に、図11の電流共振型電力変換装置は、2個のコンデンサ215A,215Bを直列接続し、そのうちの一方のコンデンサ215Aを電源電圧Vccの出力側に接続すると共に、他方のコンデンサ215Bを接地して、それら対をなすコンデンサ215A,2115間に前記タンク回路の一次コイルL1の他方端(前記タンク回路のコンデンサ212が接続される一次コイルL1の一方端とは反対側の端)を接続している。これらの2個のコンデンサ215A,215Bは、電源電圧Vccと接地点との間の中間電位を確立して発生するためのものであり、これ自体は、周知の構成である。
[実施の形態6の電力変換装置(電圧増幅型電力変換装置)]
図12は本発明の実施の形態6に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図12に示すように、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2(ブリッジダイオード等)と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。この図12の電圧共振型電力変換装置は、上記の図10の電圧共振型電力変換装置に対応するものであり、図10と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
図12は本発明の実施の形態6に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電圧共振型AC−DC電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図12に示すように、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100は、交流電源10の所定周波数の交流電力(例えば、50Hzで100Vの交流電力)を直流に整流するブリッジ整流回路を構成するダイオードD1と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC1とを含み、例えば、電源電圧Vccとして、AC100Vを整流したDC140Vの直流電圧を一次コイル共振増幅回路200に供給するようになっている。また、高周波整流回路300は、前記高周波トランス220の二次コイルL2からの所定高周波の交流出力を直流に整流する整流回路を構成するダイオードD2(ブリッジダイオード等)と、整流した(リップルを含む)直流を平滑化する平滑回路を構成するコンデンサC2とを含み、例えば、27KHz〜37KHzの高周波AC出力を、所定の直流電圧に整流及び平滑化して、その直流電圧を負荷20に供給するようになっている。この図12の電圧共振型電力変換装置は、上記の図10の電圧共振型電力変換装置に対応するものであり、図10と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211と、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212とを備えている。コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電圧共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(即ち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211と、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212とを備えている。コンデンサ212は、前記電圧共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電圧共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に並列接続されている。(並列接続型の)タンク回路212,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(即ち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(並列接続型の)タンク回路212,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記スイッチング素子211を介して接続されている。
そして、スイッチング素子211を介して、タンク回路212,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力をスイッチング素子211により高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサ212と前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される並列接続型のタンク回路は、図10のタンク回路と同様、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部からの高周波交流電圧が、そのパルスごとに、前記タンク回路212,L1による電圧共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電圧増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値は、経時的に減衰するが、このとき、図10の一次コイル共振検出回路230と同様に、一次コイル共振検出回路230Aが、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、タンク回路の一次コイルL1の他端(即ち、タンク回路のコンデンサ212が接続されるいったんとは反対側の他端)の電圧値を検出してモニターして、その検出値を前記スイッチング素子制御装置240に出力するようになっている。一方、前記スイッチング素子制御装置240は、前記スイッチング素子211をオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、高周波交流発生部210から前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230から入力された検出値(電圧値)に基づき、その検出値(電圧値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電圧値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211をオン動作して、スイッチング素子211から次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211のオン/オフ動作を制御するようになっている。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御によりスイッチング素子211が1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,L1の共振による電流増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230の検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、次回のパルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[実施の形態7の電力変換装置(電流増幅型電力変換装置)]
図13は本発明の実施の形態7に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電流共振型の電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図13に示すように、実施の形態7に係る電流増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100及び高周波清流回路300は、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置の整流平滑回路100及び高周波清流回路300と同様の構成である。なお、この図13の電流共振型電力変換装置は、上記の図11の電流共振型電力変換装置に対応するものであり、図11と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
図13は本発明の実施の形態7に係る交流入力−直流出力型の電力変換装置(AC−DC電力変換装置)のうちの電流共振型の電力変換装置の回路構成を概略的に示す回路図である。図13に示すように、実施の形態7に係る電流増幅型電力変換装置では、整流平滑回路100及び高周波清流回路300は、実施の形態6に係る電圧増幅型電力変換装置の整流平滑回路100及び高周波清流回路300と同様の構成である。なお、この図13の電流共振型電力変換装置は、上記の図11の電流共振型電力変換装置に対応するものであり、図11と同様の一次コイル共振増幅回路の回路構成を備えている(なお、前記抵抗Rの図示は省略している)。
<一次コイル共振増幅回路>
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211A,211Bと、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212Aとを備えている。コンデンサ212Aは、前記電流共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電流共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続されている。(直列接続型の)タンク回路212A,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(すなわち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(直列接続型の)タンク回路212A,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bを介して接続されている。
一次コイル共振増幅回路200は、その回路構成として、高周波交流発生部と、高周波トランス220と、一次コイル共振検出回路230Aと、スイッチング素子制御装置240とを備えている。高周波交流発生部は、図8の高周波交流発生部210のスイッチング素子211と同様のスイッチング素子211A,211Bと、図8の高周波交流発生部210のコンデンサ212と同様のコンデンサ212Aとを備えている。コンデンサ212Aは、前記電流共振型AC−DC電力変換装置において、前記高周波トランス220の一次コイルL1と共に電流共振型のタンク回路を構成すべく、前記高周波トランス220の一次コイルL1に直列接続されている。(直列接続型の)タンク回路212A,L1の一端は、前記整流平滑回路100の出力側の一端(すなわち、上記の電源電圧Vccを出力する一端)に接続され、(直列接続型の)タンク回路212A,L1の他端は、前記整流平滑回路100の出力側の他端に、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bを介して接続されている。
そして、対をなすスイッチング素子211A,21Bを介して、タンク回路212A,L1に整流平滑回路100からの電源電圧Vccの直流電力を入力すると共に、その入力を対をなすスイッチング素子211A,21Bにより高速スイッチング動作してオン/オフすることで、所定の高周波のパルス波の交流を高周波トランス220の一次コイルL1に出力するようになっている。また、高周波トランス220は、一次コイルL1に入力した高周波交流電力を、二次コイルL2により所望周波数の高周波交流電力に変換して、その所望周波数の高周波交流電力を二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力するようになっている。
このとき、前記コンデンサ212Aと前記高周波トランス220の一次コイルL1とにより構成される直列接続型のタンク回路は、図11のタンク回路と同様、一次コイルL1で発生する逆起電力波形に対するチューニング(同期)用のタンク回路(共振回路)を構成しており、これにより、高周波交流出力部からの高周波交流電流が、そのパルスごとに、前記タンク回路212A,L1による電流共振により所定の増幅率(後述する通り、タンク回路のQ値により規定される所定の増幅率)で増幅されて、高周波トランス220の二次コイルL2に出力されて、二次コイルL2で前記所望周波数の高周波交流に変換されて、前記所定の電流増幅率を維持したまま二次コイルL2から前記高周波整流回路300に出力されるようになっている。
また、タンク回路212,L1の共振による電流増幅に係る電流値は、経時的に減衰するが、このとき、図11の一次コイル共振検出回路230と同様に、一次コイル共振検出回路230Aが、前記タンク回路212,L1により所定の増幅率で出力される高周波交流の出力値として、高周波整流回路300から出力される直流電力の電流値を検出してモニターして、その検出値を前記スイッチング素子制御装置240に出力するようになっている。一方、前記スイッチング素子制御装置240は、前記スイッチング素子211A,211Bをオン/オフして高速スイッチング動作させることにより、前記所定の高周波交流パルスを出力させる一方で、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230Aから入力された検出値(電流値)に基づき、その検出値(電流値)が予め設定した所定のしきい値以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211A,211Bをオン動作して、スイッチング素子211A,211Bから次の1個のパルスを出力させるように、前記スイッチング素子211A,211Bのオン/オフ動作を制御するようになっている。
詳細には、この電流共振用の1パルスを発生するときに、スイッチング素子制御装置240は、(1)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオン動作、(2)前記第1のスイッチング素子(充電用スイッチング素子)211Aのオフ動作、(3)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオン動作、(4)前記第2のスイッチング素子(放電用スイッチング素子)211Bのオフ動作からなるスイッチング動作を、上記の電流共振用の1パルスを発生するための1サイクルのスイッチング動作として、前記対をなすスイッチング素子211A,211Bをオンオフ動作制御する。これにより、スイッチング素子制御装置240の制御より、第1のスイッチング素子211A(充電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行うことで、前記タンク回路の一次コイルL1が充電され、その後、第2のスイッチング素子211B(放電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行うことで、前記タンク回路の一次コイルL1が放電され、これにより、電流共振のための1個の高周波パルスが出力される。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御により、第1のスイッチング素子211A(充電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行った後に、第2のスイッチング素子211B(放電用スイッチング素子)が1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212A,L1の共振による電流増幅が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230Aの検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211A,211Bの次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230Aの検出値としての電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211A,211Bの次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)が行われるため、タンク回路212A,L1の共振による電流増幅に係る電流値が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、次回のパルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[スイッチング素子制御装置の制御動作]
図14は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置のスイッチング素子制御装置の制御動作を入力パルスのタイミングと出力高周波電力の共振値との関係により説明するためのタイミングチャートである。図14に示すように、前記スイッチング素子制御装置240は、(いずれの実施の形態のスイッチング素子制御装置240の場合も)上記のようにして、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに1回の(即ち、上記の1サイクルの)オンオフ動作を行わせることで、前記所定の高周波交流パルスの1個のパルスを出力させ、これにより、高周波トランス220の一次コイルL1では、所定の共振による増幅率で増幅した電力が発生するが、このとき、この増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)は、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となり、その後、経時的に減衰する。しかし、上記のとおり、前記一次コイル共振検出回路230,230Aが、その増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)をモニターして、検出値としてスイッチング素子制御装置240に出力しており、これにより、スイッチング素子制御装置240が、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230,230Aから入力された検出値(電圧値又は電流値)に基づき、その検出値(電圧値又は電流値)が予め設定した所定のしきい値(図14中の「しきい値」)以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに次の1回のオンオフ動作を行わせて、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bから次の1個のパルスを出力させる。
図14は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置のスイッチング素子制御装置の制御動作を入力パルスのタイミングと出力高周波電力の共振値との関係により説明するためのタイミングチャートである。図14に示すように、前記スイッチング素子制御装置240は、(いずれの実施の形態のスイッチング素子制御装置240の場合も)上記のようにして、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに1回の(即ち、上記の1サイクルの)オンオフ動作を行わせることで、前記所定の高周波交流パルスの1個のパルスを出力させ、これにより、高周波トランス220の一次コイルL1では、所定の共振による増幅率で増幅した電力が発生するが、このとき、この増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)は、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となり、その後、経時的に減衰する。しかし、上記のとおり、前記一次コイル共振検出回路230,230Aが、その増幅後の電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値)をモニターして、検出値としてスイッチング素子制御装置240に出力しており、これにより、スイッチング素子制御装置240が、前記所定の高周波交流パルスの初回のパルス発生後において、前記一次コイル共振検出回路230,230Aから入力された検出値(電圧値又は電流値)に基づき、その検出値(電圧値又は電流値)が予め設定した所定のしきい値(図14中の「しきい値」)以下であるか否かを判定して、その検出値(電流値)が所定のしきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bに次の1回のオンオフ動作を行わせて、高周波交流発生部のスイッチング素子211,211A,211Bから次の1個のパルスを出力させる。
これにより、スイッチング素子制御装置240の制御によりスイッチング素子211,211A,211Bが1回のオンオフ動作を行って1個の高周波パルスを出力した後、タンク回路212,21A,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値又は電流増幅に係る電流値(即ち、共振値)が経時的に減衰し、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230,230Aの検出値としての電圧値又は電流値)が所定のしきい値以下となるまでは、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211の次の1回のオンオフ動作(即ち、次回のパルス出力)は行われず、その出力値(即ち、一次コイル共振検出回路230,230Aの検出値としての電圧値又は電流値)が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、はじめて、スイッチング素子制御装置240によるスイッチング素子211,211A,211Bが次の1回のオンオフ動作を行って次回の1個の高周波パルスが出力されて、タンク回路212,212A,L1の次回の共振動作(電圧共振又は電流共振)による次回の二次コイルL2への電力変換動作が行われるため、タンク回路212,212A,L1の共振による電圧増幅に係る電圧値又は電流増幅に係る電流値(即ち、共振値)が経時的に減衰して所定のしきい値以下となるまでは、パルス出力を待機させることができ、その時間分の電力供給を不要として、大幅な省電力化を可能とすることができる。
[共振による増幅率]
図15は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置の共振による増幅率を説明するための説明図である。上記のように、高周波交流発生部210から出力された前記所定の高周波交流パルスの出力値は、タンク回路212,212A,L1による電圧共振又は電流共振により、所定の増幅率で増幅して、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となるが、この増幅率は、図15に示すように、信号源としての出力パルスの所定周波数ω0(即ち、共振周波数)では、入力値の3倍以上となることを、本発明者らは、実験結果により確認している。
図15は本発明に係る電圧共振型の電力変換装置の共振による増幅率を説明するための説明図である。上記のように、高周波交流発生部210から出力された前記所定の高周波交流パルスの出力値は、タンク回路212,212A,L1による電圧共振又は電流共振により、所定の増幅率で増幅して、パルス出力直後に最大値(図14中の「MAX」の値)となるが、この増幅率は、図15に示すように、信号源としての出力パルスの所定周波数ω0(即ち、共振周波数)では、入力値の3倍以上となることを、本発明者らは、実験結果により確認している。
[スイッチング素子制御装置の構成]
図16は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置の構成を機能ブロックにより説明するためのブロック図である。本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置240は、上記いずれの実施の形態の場合も、図16に示すような構成とすることができる。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、しきい値設定手段241、しきい値格納手段242、共振値入力手段243、共振値判定手段244、パルス出力制御手段245、パルス指令手段246を備えている。なお、スイッチング素子制御装置240は、CPU(中央処理装置)、ROM,RAM等を備える、一般的な組み込み制御用のマイコン(マイクロコンピュータ)等により構成することができる。
図16は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置の構成を機能ブロックにより説明するためのブロック図である。本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置240は、上記いずれの実施の形態の場合も、図16に示すような構成とすることができる。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、しきい値設定手段241、しきい値格納手段242、共振値入力手段243、共振値判定手段244、パルス出力制御手段245、パルス指令手段246を備えている。なお、スイッチング素子制御装置240は、CPU(中央処理装置)、ROM,RAM等を備える、一般的な組み込み制御用のマイコン(マイクロコンピュータ)等により構成することができる。
前記しきい値設定手段241は、前記タンク回路212,L1による所定増幅率の増幅電力の出力値(電圧共振型の場合は電圧値、電流共振型の場合は電流値、即ち、「共振値」)について、スイッチング素子211による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現する。なお、電圧共振型の場合は所定の電圧値を、電流共振型の場合は所定の電流値を、前記しきい値として設定する。しきい値格納手段242は、前記しきい値設定手段241により設定した前記しきい値を格納する機能を実現し、前記マイコンのROMやRAMにより構成することができる。共振値入力手段243は、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(即ち、検出値としての前記共振値)を入力すると共に、その検出値を共振値判定手段244に出力するインタフェース機能を実現する。共振値判定手段244は、共振値入力手段243から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定し、一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子211に次の1回(1サイクル)のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、パルス出力制御手段245に出力する機能を実現する。パルス出力制御手段245は、共振値判定手段244から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための指令信号を、パルス指令手段246に出力する機能を実現する。パルス指令手段246は、パルス出力制御手段245から指令信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を、スイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)機能を実現する。なお、前記パルス出力制御手段245及びパルス指令手段246は、それらを一体化して、(共振値判定手段244から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子211に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現する)パルス指令手段として把握することもできる。
[スイッチング素子制御装置の動作]
図17は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子の制御処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すように、スイッチング素子制御装置240は、上記のような構成を使用して、パルス出力制御処理を実行する。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、まず、STEP1で、前記パルス指令手段246から動作信号を出力し、スイッチング素子211に初回の(即ち、最初の1サイクルの)オンオフ動作(即ち、初回の1個のパルス出力)を実行させる。次に、スイッチング素子制御装置240は、STEP2で、共振値判定手段244により、前記しきい値入力手段243から入力された検出値である共振増幅後の電圧値又は電流値(説明の便宜上、「共振値」ということがある。)をモニターし、STEP3で、その共振値を、しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較して、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定する。そして、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、その共振値がしきい値以下であると判断した場合、その時点のタイミングで、しきい値判定手段244から前記判定信号をパルス出力制御手段245に出力し、パルス出力制御手段245から前記指令信号をパルス指令手段246に出力し、パルス指令手段246から前記動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)。一方、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、前記共振値が前記しきい値以下ではない(しきい値を超える値である)と判断した場合、上記STEP2以降の処理を継続する。
図17は本発明に係る電力変換装置のスイッチング素子制御装置によるスイッチング素子の制御処理を説明するためのフローチャートである。図17に示すように、スイッチング素子制御装置240は、上記のような構成を使用して、パルス出力制御処理を実行する。詳細には、スイッチング素子制御装置240は、まず、STEP1で、前記パルス指令手段246から動作信号を出力し、スイッチング素子211に初回の(即ち、最初の1サイクルの)オンオフ動作(即ち、初回の1個のパルス出力)を実行させる。次に、スイッチング素子制御装置240は、STEP2で、共振値判定手段244により、前記しきい値入力手段243から入力された検出値である共振増幅後の電圧値又は電流値(説明の便宜上、「共振値」ということがある。)をモニターし、STEP3で、その共振値を、しきい値格納手段242に格納した前記しきい値と比較して、前記一次コイル共振検出回路230の出力値(電圧値又は電流値)が前記しきい値以下であるか否かを判定する。そして、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、その共振値がしきい値以下であると判断した場合、その時点のタイミングで、しきい値判定手段244から前記判定信号をパルス出力制御手段245に出力し、パルス出力制御手段245から前記指令信号をパルス指令手段246に出力し、パルス指令手段246から前記動作信号をスイッチング素子211に出力して、スイッチング素子211に次の1回のオンオフ動作を行わせる(即ち、次回の1個のパルス出力を実行させる)。一方、スイッチング素子制御装置240は、STEP3において、前記共振値が前記しきい値以下ではない(しきい値を超える値である)と判断した場合、上記STEP2以降の処理を継続する。
[高周波トランスの相互インダクタンス]
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、所定範囲内で選択した所定値(下限値はゼロを超える値であって、上限値としては、好ましくは、0.5以下の値)に設定している(0<k≦0.5)。即ち、本発明に係る電力変換装置において、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを0.5を超える値(k>0.5)に設定すると、スイッチング効率は高くなるが、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷となり、上記のタンク回路212,212A,L1による共振時間が短くなり、電力変換効率が低下するため、上記のような所望の増幅動作を担保することができない。したがって、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷とならないようにし、上記タンク回路212,212A,L1による共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、上記のような所望の増幅動作を担保するようにしている。そして、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2の巻線形状を、上記のように、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kの値が、前記所定範囲内(0<k≦0.5の範囲内)で選択した所定値(例えば、0.5)となるような巻線形状にしている。
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、所定範囲内で選択した所定値(下限値はゼロを超える値であって、上限値としては、好ましくは、0.5以下の値)に設定している(0<k≦0.5)。即ち、本発明に係る電力変換装置において、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを0.5を超える値(k>0.5)に設定すると、スイッチング効率は高くなるが、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷となり、上記のタンク回路212,212A,L1による共振時間が短くなり、電力変換効率が低下するため、上記のような所望の増幅動作を担保することができない。したがって、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kを、0.5以下の値に設定することで、二次側の負荷が相互インダクタンスMを経由して、一次コイルL1の負荷とならないようにし、上記タンク回路212,212A,L1による共振時間を所望の時間以上に維持して、電力変換効率が低下しないようにし、上記のような所望の増幅動作を担保するようにしている。そして、本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2の巻線形状を、上記のように、高周波トランス220の一次コイルL1及び二次コイルL2間の相互インダクタンスMの結合係数kの値が、前記所定範囲内(0<k≦0.5の範囲内)で選択した所定値(例えば、0.5)となるような巻線形状にしている。
[共振周波数]
ここで、上記実施の形態の電力変換装置において、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fは、直列共振型の場合も並列共振型の場合も、いずれも、前記一次コイルL1のインダクタンスLと、前記コンデンサ212,212AのキャパシタンスCとに基づき、f=1/2π√LCの計算式で決定されるため、実施の形態1では、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを調節して所定値に設定することで、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fを設定している。また、この所定値(即ち、コンデンサ212,212AのキャパシタンスC)は、高周波トランス220のトランス構造により変化するため、高周波トランス220ごとに異なるものとする。即ち、高周波トランス220のトランス構造に応じて、最適値となるよう、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを設定する。
ここで、上記実施の形態の電力変換装置において、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fは、直列共振型の場合も並列共振型の場合も、いずれも、前記一次コイルL1のインダクタンスLと、前記コンデンサ212,212AのキャパシタンスCとに基づき、f=1/2π√LCの計算式で決定されるため、実施の形態1では、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを調節して所定値に設定することで、タンク回路212,212A,L1の共振周波数fを設定している。また、この所定値(即ち、コンデンサ212,212AのキャパシタンスC)は、高周波トランス220のトランス構造により変化するため、高周波トランス220ごとに異なるものとする。即ち、高周波トランス220のトランス構造に応じて、最適値となるよう、コンデンサ212,212AのキャパシタンスCを設定する。
[電力増幅率(変換効率)]
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記タンク回路211,L1による共振動作を利用した電力増幅により、入力電力を所定の増幅率で増幅することができることを、本発明者らは、試験機関での実験による実験結果により確認している。即ち、一の実験結果によれば、入力電力として、周波数50HzのAC100V(電流3.18A)の交流電力(有効電力311W)を、本発明の実施の形態1に係る電圧共振型の電力変換装置を具体化した実機に入力し、その出力を負荷(R=99.8Ω)を使用して測定したところ、364Vの出力電圧を得ることができた。このことから、計算上は、出力電力として、3642/99.8(P=V2/R)=約1327Wの電力を得ることができることが判明し、その結果、入力電圧の4倍以上(約4.27倍)の出力電力を得ることができることが判明した。即ち、本発明に係る電力変換装置は、入力電圧に対して所定倍以上(3〜4倍以上)の電力増幅率を可能とする電力増幅装置としても機能することが実験結果から理解される。なお、実施の形態3〜5のように、例えば、2つの電力変換装置を直列接続した電力変換装置PTの場合、各々の電力変換装置の電力増幅率を乗じた電力増幅率を得ることができる。例えば、実施の形態3のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×4=12倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態4のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と同じく電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×3=9倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態5のように、電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置と同じく電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、4×4=16倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。
本発明に係る電力変換装置は、上記いずれの実施の形態においても、前記タンク回路211,L1による共振動作を利用した電力増幅により、入力電力を所定の増幅率で増幅することができることを、本発明者らは、試験機関での実験による実験結果により確認している。即ち、一の実験結果によれば、入力電力として、周波数50HzのAC100V(電流3.18A)の交流電力(有効電力311W)を、本発明の実施の形態1に係る電圧共振型の電力変換装置を具体化した実機に入力し、その出力を負荷(R=99.8Ω)を使用して測定したところ、364Vの出力電圧を得ることができた。このことから、計算上は、出力電力として、3642/99.8(P=V2/R)=約1327Wの電力を得ることができることが判明し、その結果、入力電圧の4倍以上(約4.27倍)の出力電力を得ることができることが判明した。即ち、本発明に係る電力変換装置は、入力電圧に対して所定倍以上(3〜4倍以上)の電力増幅率を可能とする電力増幅装置としても機能することが実験結果から理解される。なお、実施の形態3〜5のように、例えば、2つの電力変換装置を直列接続した電力変換装置PTの場合、各々の電力変換装置の電力増幅率を乗じた電力増幅率を得ることができる。例えば、実施の形態3のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×4=12倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態4のように、電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置と同じく電力増幅率3倍の電圧共振型電力変換装置とを直列接続すると、3×3=9倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。また、実施の形態5のように、電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置と同じく電力増幅率4倍の電流共振型電力変換装置とを直列接続すると、4×4=16倍の電力増幅率(理論上の電力増幅率)を得ることができる。
[タンク回路のコンデンサ]
上記タンク回路のコンデンサとしては、コイルの逆起電力を消化させるスナバ回路では、3倍以上の耐圧を有するコンデンサを使用することが好ましい。
上記タンク回路のコンデンサとしては、コイルの逆起電力を消化させるスナバ回路では、3倍以上の耐圧を有するコンデンサを使用することが好ましい。
[タンク回路のコンデンサ及び一次コイル]
上記タンク回路のコンデンサ及び一次コイルとしては、例えば、コンデンサは0.3μFのコンデンサを、コイルは80μHのコイルを使用することができ、この場合、27KHzから39KHzまで周波数を変化させるよう構成することができる。
上記タンク回路のコンデンサ及び一次コイルとしては、例えば、コンデンサは0.3μFのコンデンサを、コイルは80μHのコイルを使用することができ、この場合、27KHzから39KHzまで周波数を変化させるよう構成することができる。
[高周波トランス]
上記高周波トランスとしては、Q値の高い空芯トランスを(上記試験機関での)実験では使用した。
上記高周波トランスとしては、Q値の高い空芯トランスを(上記試験機関での)実験では使用した。
PT:電力変換装置
PT1:電力変換装置
PT2:電力変換装置
PT11:第1の電力変換装置
PT12:第2の電力変換装置
PT21:第1の電力変換装置
PT22:第2の電力変換装置
PT31:第1の電力変換装置
PT32:第2の電力変換装置
10:交流電源
20:負荷
100:整流平滑回路
200:一次コイル共振増幅回路
211:スイッチング素子
212,212A:コンデンサ(タンク回路)
220:高周波トランス
L1:一次コイル(タンク回路)
L2:二次コイル
230:一次コイル共振検出回路
240:スイッチング素子制御装置
241:しきい値設定手段
242:しきい値格納手段
243:共振値入力手段
244:共振値判定手段
245:パルス出力制御手段(パルス指令手段)
246:パルス指令手段
300:高周波整流回路
PT1:電力変換装置
PT2:電力変換装置
PT11:第1の電力変換装置
PT12:第2の電力変換装置
PT21:第1の電力変換装置
PT22:第2の電力変換装置
PT31:第1の電力変換装置
PT32:第2の電力変換装置
10:交流電源
20:負荷
100:整流平滑回路
200:一次コイル共振増幅回路
211:スイッチング素子
212,212A:コンデンサ(タンク回路)
220:高周波トランス
L1:一次コイル(タンク回路)
L2:二次コイル
230:一次コイル共振検出回路
240:スイッチング素子制御装置
241:しきい値設定手段
242:しきい値格納手段
243:共振値入力手段
244:共振値判定手段
245:パルス出力制御手段(パルス指令手段)
246:パルス指令手段
300:高周波整流回路
Claims (7)
- 交流電源に接続される整流平滑回路と、
前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路と、
前記一次コイル共振増幅回路の出力側に接続される高周波整流回路とを備え、
前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備え、
前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成し、
前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力し、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を前記高周波整流回路に出力し、
前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出し、
前記スイッチング素子制御装置は、更に、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するように制御することを特徴とする電力変換装置。 - 交流電源に接続される整流平滑回路と、
前記整流平滑回路の出力側に接続される一次コイル共振増幅回路とを備え、
前記一次コイル共振増幅回路は、スイッチング素子と、コンデンサと、高周波トランスと、一次コイル共振検出回路と、スイッチング素子制御装置とを備え、
前記高周波トランスは、一次コイル及び二次コイルからなり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとによりタンク回路を形成し、
前記スイッチング素子制御装置は、前記スイッチング素子をオンオフ制御して、前記タンク回路に所定の高周波パルスを入力し、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記タンク回路の共振により、前記高周波パルスを所定の増幅率で増幅した所定の共振値の高周波交流出力とすると共に、前記二次コイルによりその共振値の高周波交流出力を出力し、
前記一次コイル共振検出回路は、前記タンク回路の共振による前記共振値を検出し、
前記スイッチング素子制御装置は、更に、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値を所定のしきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路からの前記共振値が所定のしきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回のパルスを出力するようにオンオフ制御することを特徴とする電力変換装置。 - 前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを並列接続してなる並列接続型のタンク回路であり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電圧値を電圧共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記タンク回路の一次コイルの出力側の電圧値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御回路により、前記一次コイルの出力側の電圧値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。 - 前記タンク回路は、前記コンデンサと前記一次コイルとを直列接続してなる直列接続型のタンク回路であり、
前記一次コイル共振増幅回路は、前記整流平滑回路からの入力電力の電流値を電流共振により増幅すると共に、前記一次コイル共振検出回路によって、前記高周波トランスの二次コイルの出力側の電流値を前記共振値として検出する一方で、前記スイッチング素子制御回路により、前記二次コイルの出力側の電流値が前記しきい値以下となった時点のタイミングで、前記スイッチング素子から次回の1個のパルスを出力するように前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。 - 請求項1の電力変換装置を2以上多段接続してなる電力変換装置。
- 前記高周波トランスは、前記一次コイル及び二次コイルの相互誘導による相互インダクタンスの結合係数が0.5以下となるようなトランス構造を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の電力変換装置。
- 前記スイッチング素子制御装置は、しきい値設定手段、しきい値格納手段、共振値入力手段、共振値判定手段、及びパルス指令手段を備え、
前記しきい値設定手段は、前記タンク回路による所増幅率の増幅電力の出力値について、前記スイッチング素子による次回のパルス出力のタイミングを規定する前記しきい値を設定する機能を実現し、
前記しきい値格納手段は、前記しきい値設定手段により設定した前記しきい値を格納する機能を実現し、
前記共振値入力手段は、前記一次コイル共振検出回路の検出値を入力すると共に、その検出値を前記共振値判定手段に出力するインタフェース機能を実現し、
前記共振値判定手段は、前記共振値入力手段から入力された前記検出値を、前記しきい値格納手段に格納した前記しきい値と比較し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であるか否かを判定し、前記一次コイル共振検出回路の検出値が前記しきい値以下であると判断した時点のタイミングで、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせて次回の1個のパルスを出力するための判定信号を、前記パルス指令手段に出力する機能を実現し、
前記パルス指令手段は、前記共振値判定手段から判定信号が入力されると、前記スイッチング素子に次の1回のオフオフ動作により次回の1個のパルスを出力するための動作信号を前記スイッチング素子に出力して、前記スイッチング素子に次の1回のオンオフ動作を行わせる機能を実現することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電力変換装置。
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