JP2018116936A - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】空気極活性層の反応活性を向上可能な電気化学セルを提供する。
【解決手段】燃料電池10は、燃料極20と空気極活性層50と固体電解質層30とを備える。空気極活性層50は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物を主成分とする。空気極活性層50は、固体電解質層側に設けられる第1領域51と、第1領域51上に設けられる第2領域52とを有する。第1領域51を構成する第1構成粒子G1の平均粒径は、第2領域52を構成する第2構成粒子G2の平均粒径よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、電気化学セルの一種である燃料電池に注目が集まっている。燃料電池は、一般的に、燃料極と、空気極活性層と、燃料極及び空気極活性層の間に配置される固体電解質層とを有する。
空気極活性層は、例えば(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)などのペロブスカイト型酸化物によって構成される(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−32132号公報
ここで、燃料電池の出力向上を目的として、発電時における空気極活性層の反応活性を向上させたいという要請がある。
本発明は、空気極活性層の反応活性を向上可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学セルは、燃料極と、空気極活性層と、燃料極と空気極活性層の間に配置される固体電解質層とを備える。空気極活性層は、固体電解質層側に設けられる第1領域と、第1領域上に設けられる第2領域とを有する。第1領域を構成する第1構成粒子の平均粒径は、第2領域を構成する第2構成粒子の平均粒径よりも小さい。
本発明によれば、空気極活性層の反応活性を向上可能な電気化学セルを提供することができる。
燃料電池の構成を示す断面図 空気極活性層の断面を示すSTEM画像
(燃料電池10の構成)
燃料電池10の構成について、図面を参照しながら説明する。燃料電池10は、いわゆる固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)である。燃料電池10は、縦縞型、横縞型、燃料極支持型、電解質平板型、或いは円筒型などの形態を取りうる。
燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40、空気極活性層50及び空気極集電層60を備える。
燃料極20は、燃料電池10のアノードとして機能する。燃料極20は、図1に示すように、燃料極集電層21と燃料極活性層22とを有する。
燃料極集電層21は、ガス透過性に優れる多孔質体である。燃料極集電層21を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極集電層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO(酸化ニッケル)-8YSZ(8mol%のイットリアで安定化されたジルコニア)やNiO‐Y(イットリア)が挙げられる。燃料極集電層21がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されていてもよい。燃料極集電層21の厚みは、例えば0.1mm〜5.0mmとすることができる。
燃料極活性層22は、燃料極集電層21上に配置される。燃料極活性層22は、燃料極集電層21より緻密な多孔質体である。燃料極活性層22を構成する材料としては、従来SOFCの燃料極活性層に用いられてきた材料を用いることができ、例えばNiO‐8YSZが挙げられる。燃料極活性層22がNiOを含んでいる場合、燃料電池10の作動中においてNiOの少なくとも一部はNiに還元されていてもよい。燃料極活性層22の厚みは、例えば5.0μm〜30μmとすることができる。
固体電解質層30は、燃料極20と空気極活性層50の間に配置される。本実施形態において、固体電解質層30は、燃料極20とバリア層40に挟まれている。固体電解質層30は、空気極活性層50で生成される酸化物イオンを透過させる機能を有する。固体電解質層30は、燃料極20や空気極活性層50よりも緻密質である。
固体電解質層30は、ZrO(ジルコニア)を主成分として含んでいてもよい。固体電解質層30は、ジルコニアの他に、Y(イットリア)及び/又はSc(酸化スカンジウム)等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、安定化剤として機能する。固体電解質層30において、安定化剤のジルコニアに対するmol組成比(安定化剤:ジルコニア)は、3:97〜20:80程度とすることができる。従って、固体電解質層30の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ、10YSZ、或いはScSZ(スカンジアで安定化されたジルコニア)などが挙げられる。固体電解質層30の厚みは、例えば3μm〜30μmとすることができる。
本実施形態において、組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが70重量%以上を占め、より好ましくは90重量%以上を占めることを意味する。
バリア層40は、固体電解質層30と空気極活性層50の間に配置される。バリア層40は、固体電解質層30と空気極活性層50の間に高抵抗層が形成されることを抑制する。バリア層40は、燃料極20や空気極活性層50よりも緻密質である。バリア層40は、GDC(ガドリニウムドープセリア)やSDC(サマリウムドープセリア)などのセリア系材料を主成分とすることができる。バリア層40の厚みは、例えば3μm〜20μmとすることができる。
空気極活性層50は、バリア層40上に配置される。空気極活性層50は、燃料電池10のカソードとして機能する。空気極活性層50は、多孔質体である。空気極活性層50の厚みは特に制限されないが、2μm〜100μmとすることができる。
空気極活性層50は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する。ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物やランタンを含有しないSSC(サマリウムストロンチウムコバルタイト:(Sm,Sr)CoO)などが好適に用いられるが、これに限られるものではない。ランタン含有ペロブスカイト型複合酸化物としては、LSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト:(La,Sr)(Co,Fe)O3)、LSF(ランタンストロンチウムフェライト:(La,Sr)FeO)、LSC(ランタンストロンチウムコバルタイト:(La,Sr)CoO)及びLNF(ランタンニッケルフェライト:La(Ni,Fe)O)などが挙げられる。ペロブスカイト型酸化物によって構成される主相の密度は、5.5g/cm〜8.5g/cmとすることができる。
空気極集電層60は、空気極活性層50上に配置される。空気極集電層60は、多孔質体である。空気極集電層60の気孔率は、25%〜50%とすることができる。空気極集電層60の厚みは特に制限されないが、例えば10μm〜500μmとすることができる。
空気極集電層60は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有する材料を主成分として含有する。
一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含有する材料としては、例えば、(La,Sr)CoOやLa(Ni,Fe,Cu)Oなどが挙げられるが、次の式(1)で表されるペロブスカイト型複合酸化物が特に好適である。
La(Ni1−x−yFeCu)O3−δ・・・(1)
なお、式(1)において、xは0.03以上0.3以下であり、yは0.05以上0.5以下であり、δは0以上0.8以下である。ただし、BサイトにおけるNi1−x−yFeCuの組成は、x値及びy値の影響を受けることはないものとする。
(空気極活性層50の構成)
空気極活性層50は、図1に示すように、第1領域51と第2領域52を含む。
第1領域51は、空気極活性層50のうち固体電解質層側に設けられる領域である。第1領域51の厚みは特に制限されないが、例えば0.2μm以上3μm以下とすることができる。
本実施形態では、燃料電池10がバリア層40を備えているため、第1領域51は、固体電解質層側表面50Sにおいてバリア層40と接している。固体電解質層側表面50Sは、バリア層40と空気極活性層50との界面である。ただし、燃料電池10がバリア層40を備えていない場合、第1領域51は、固体電解質層側表面50Sにおいて固体電解質層30と接することになる。
固体電解質層側表面50Sは、燃料電池10の断面において成分濃度をマッピングした場合に、空気極活性層に含まれる元素濃度が急激に変化するラインを最小二乗法で近似した直線である。
第2領域52は、空気極活性層50のうち第1領域51上に設けられる領域である。第2領域52は、第1領域51を挟んで固体電解質層30の反対側に設けられる。第2領域52の厚みは特に制限されないが、例えば2μm以上100μm以下とすることができる。第2領域52の厚みは、第1領域51の厚みよりも大きくてもよい。
第1領域51と第2領域52は、上述したペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する。第1領域51が主成分とするペロブスカイト型酸化物は、第2領域52が主成分とするペロブスカイト型酸化物と異なっていても良いが、同じであることが好ましい。
ここで、図2は、空気極活性層50の断面を示すSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope:走査透過電子顕微鏡)画像である。図2のSTEM画像は、加速電圧200kV、明視野モードに設定された日本電子社製のJEM−ARM200Fによって得られた画像である。図2に示された第1領域51及び第2領域52は、それぞれLSCFを主成分としている。
第1領域51を構成する第1構成粒子G1の平均粒径は、第2領域52を構成する第2構成粒子G2の平均粒径よりも小さい。このように、空気極活性層50の反応活性に影響を与えやすい固体電解質層側の第1領域51を構成する第1構成粒子G1を微粒化することによって、第1構成粒子G1の総表面積が増加するため、酸素ガスの吸着・反応場を増加させることができる。その結果、燃料電池10の初期出力を向上させることができる。
第2構成粒子G2の平均粒径に対する第1構成粒子G1の平均粒径の比は、0.41以下であることが好ましい。これにより、燃料電池の発電開始以降における電圧降下率(劣化率)を抑制することができる。
第1構成粒子G1の平均粒径は、第1領域51の断面(STEM画像)において無作為に選出された50個の第1構成粒子G1それぞれと同じ面積を有する円の直径を算術平均した値である。同様に、第2構成粒子G2の平均粒径とは、第2領域52の断面(STEM画像)において無作為に選出された50個の第2構成粒子G2それぞれと同じ面積を有する円の直径を算術平均した値である。
第1構成粒子G1の平均粒径は特に制限されないが、0.05μm以上0.5μm以下とすることができる。第1構成粒子G1の平均粒径は、0.2μm以下であることが好ましい。これによって、長時間運転後における燃料電池10の電圧降下率(劣化率)を抑制することができる。第2構成粒子G2の平均粒径は特に制限されないが、0.4μm以上1.0μm以下とすることができる。第2構成粒子G2の平均粒径は、0.5μm以上であることが好ましい。第1構成粒子G1の平均粒径は、第2構成粒子G2の平均粒径の20倍以下とすることができ、10倍以下であることが好ましい。
第1構成粒子G1の断面形状は特に制限されず、円形、楕円形、矩形、その他の複雑形とすることができるが、概ね円形である。第2構成粒子G2の断面形状は特に制限されず、円形、楕円形、矩形、その他の複雑形とすることができるが、概ね複雑形である。
第1領域51の気孔率は特に制限されないが、20%以上40%以下とすることができ、30%以上が好ましい。第2領域52の気孔率は特に制限されないが、30%以上40%以下とすることができる。第1領域51の気孔率は、第1領域51の断面(STEM)における第1構成粒子G1以外の領域の合計面積を、観察範囲における第1領域51の全面積で除した値である。第2領域52の気孔率は、第2領域52の断面(STEM)における第2構成粒子G2以外の領域の合計面積を、観察範囲における第2領域52の全面積で除した値である。
(第1領域51と第2領域52におけるSr濃度)
以下、空気極活性層50がSrを含む場合の第1領域51及び第2領域52それぞれにおけるSr濃度について説明する。
(1)第1領域51
第1領域51は、一般式(Ln1−xSr)BO3−δで表されるペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する。
上記一般式において、Lnは、Sr(ストロンチウム)とともにペロブスカイト型結晶構造の“Aサイト”を占める元素である。Lnは、原子番号57のLa(ランタン)から原子番号71のLu(ルテチウム)までの15種から選択される少なくとも1種のランタノイド元素である。Lnには、15種のランタノイド元素のうち1種だけが含まれていてもよいし、2種以上の組み合わせが含まれていてもよい。Lnは、La(ランタン),Sm(サマリウム),Ce(セリウム)及びPr(プラセオジム)などのイオン半径が比較的大きいランタノイド元素を含むことが好ましい。特に、LnにLa及び/又はSmを含ませることによって、ペロブスカイト型結晶構造をより安定化できるため好ましい。
上記一般式において、添え字xは、Aサイトを占めるLnと置換されるSrの割合を示す。添え字xは、0.1以上0.6以下とすることができる。第1領域51に係る添え字xは、後述する第2領域52に係る添え字yよりも小さいことが好ましい。これにより、第1領域51におけるSr濃度が第2領域52におけるSr濃度よりも低くなるため、第1領域51の熱膨張率を第2領域52の熱膨張率よりも小さくすることができる。従って、第1領域51の熱膨張率とバリア層40や固体電解質層30の熱膨張率との差を低減させることができるため、焼成時や運転時に、第1領域51とバリア層40との界面(すなわち、固体電解質層側表面50S)に発生する応力を低減することができる。その結果、空気極活性層50の剥離を抑制することができる。
第1領域51におけるSr濃度は、5atm%以上10atm%以下とすることができるが、これに限られるものではない。第1領域51におけるSr濃度は、後述する第2領域52におけるSr濃度の0.9倍以下であることがより好ましい。第1領域51におけるSr濃度は、第1領域51の断面におけるSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope:走査型透過電子顕微鏡)のEDX(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分光法)を用いた元素分析によって求めることができる。
上記一般式において、「B」は、ペロブスカイト型結晶構造における“Bサイト”を占める元素である。「B」は、Co(コバルト),Ni(ニッケル),Fe(鉄),Mn(マンガン)及びCu(銅)から選択される少なくとも1種の元素である。ペロブスカイト型酸化物に「B」を含ませることによって、第1領域51における酸化物イオン伝導性と反応活性を向上させることができる。
上記一般式において、添え字δは、第1領域51の主成分であるペロブスカイト型酸化物における電荷中性条件を満たすように定まる。すなわち、一般式ABOで表されるペロブスカイト型酸化物における酸素欠陥量が、添え字δによって示されている。添え字δは、一般的には1を超えない正の数(0≦δ<1)であるが、ペロブスカイト型酸化物の一部を置換する原子の種類、置換割合及び環境条件などにより変動しうる。
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物として、代表的には、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物とランタンを含有しないペロブスカイト型複合酸化物とが挙げられる。ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物としては、LSCF、LSF、LSC及びLNFなどが挙げられる。ランタンを含有しないペロブスカイト型複合酸化物としては、SSCなどが挙げられる。
(2)第2領域52
第2領域52は、一般式(Ln1−ySr)BO3−εで表されるペロブスカイト型酸化物を主成分として含有する。
上記一般式において、Lnは、Sr(ストロンチウム)とともにペロブスカイト型結晶構造の“Aサイト”を占める元素である。Lnは、原子番号57のLa(ランタン)から原子番号71のLu(ルテチウム)までの15種から選択される少なくとも1種のランタノイド元素である。Lnには、15種のランタノイド元素のうち1種だけが含まれていてもよいし、2種以上の組み合わせが含まれていてもよい。Lnは、La(ランタン),Sm(サマリウム),Ce(セリウム)及びPr(プラセオジム)などのイオン半径が比較的大きいランタノイド元素を含むことが好ましい。特に、LnにLa及び/又はSmを含ませることによって、ペロブスカイト型結晶構造をより安定化できるため好ましい。
上記一般式において、添え字yは、Aサイトを占めるLnと置換されるSrの割合を示す。添え字yは、0.2以上0.7以下とすることができる。第2領域52に係る添え字yは、第1領域51に係る添え字xよりも大きいことが好ましい。そのため、第2領域52におけるSr濃度は、第1領域51におけるSr濃度よりも高い。これによって、第2領域52における酸素イオン伝導性を第1領域51よりも高めることによって、空気極活性層50全体としての反応活性を確保することができる。
第2領域52におけるSr濃度は、8atm%以上13atm%以下とすることができるが、これに限られるものではない。第2領域52におけるSr濃度は、上述した第1領域51におけるSr濃度の1.1倍以上であることがより好ましい。第2領域52におけるSr濃度は、第2領域52の断面におけるSTEMのEDXを用いた元素分析によって求めることができる。
上記一般式において、「B」は、ペロブスカイト型結晶構造における“Bサイト”を占める元素である。「B」は、Co(コバルト),Ni(ニッケル),Fe(鉄),Mn(マンガン)及びCu(銅)から選択される少なくとも1種の元素である。ペロブスカイト型酸化物に「B」を含ませることによって、第2領域52における酸化物イオン伝導性と反応活性を向上させることができる。
上記一般式において、添え字εは、第2領域52の主成分であるペロブスカイト型酸化物における電荷中性条件を満たすように定まる。すなわち、一般式ABOで表されるペロブスカイト型酸化物における酸素欠陥量が、添え字εによって示されている。添え字εは、一般的には1を超えない正の数(0≦ε<1)であるが、ペロブスカイト型酸化物の一部を置換する原子の種類、置換割合及び環境条件などにより変動しうる。
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、第1領域51と同様、LSCF、LSF、LSC、LNF及びSSCなどが挙げられる。
第2領域52が主成分とするペロブスカイト型酸化物は、第1領域51が主成分とするペロブスカイト型酸化物と異種であってもよいが、同種であることがより好ましい。
(燃料電池10の製造方法)
次に、燃料電池10の製造方法の一例について説明する。以下の説明において、「成形体」は、焼成前の部材を意味する。
まず、燃料極集電層用粉末(例えば、NiO粉末とYSZ粉末)と造孔剤(例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂))との混合物にバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を添加して燃料極集電層用スラリーを作製する。次に、燃料極集電層用スラリーをスプレードライヤーで乾燥・造粒することによって燃料極集電層用粉末を得る。次に、金型プレス成形法で燃料極用粉末を成形することによって、燃料極集電層21の成形体を形成する。この際、金型プレス成形法に代えてテープ積層法を用いてもよい。
次に、燃料極活性層用粉末(例えば、NiO粉末とYSZ粉末)と造孔剤(例えばPMMA)との混合物にバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を添加して燃料極活性層用スラリーを作製する。次に、燃料極活性層用スラリーを印刷法で燃料極集電層21の成形体上に印刷することによって、燃料極活性層22の成形体を形成する。これによって、燃料極20の成形体が形成される。この際、印刷法に代えてテープ積層法や塗布法等を用いてもよい。
次に、固体電解質層用粉末(例えば、YSZ粉末)に水とバインダーの混合物をボールミルで混合することによって固体電解質層用スラリーを作製する。次に、固体電解質層用スラリーを燃料極20の成形体上に塗布・乾燥させることによって、固体電解質層30の成形体を形成する。この際、塗布法に代えてテープ積層法や印刷法等を用いてもよい。
次に、バリア層用粉末(例えば、GDC粉末)に水とバインダーの混合物をボールミルで混合することによってバリア層用スラリーを作製する。次に、バリア層用スラリーを固体電解質層30の成形体上に塗布・乾燥させることによって、バリア層40の成形体を形成する。この際、塗布法に代えてテープ積層法や印刷法等を用いてもよい。
次に、燃料極20、固体電解質層30及びバリア層40それぞれの成形体の積層体を共焼成(1300〜1600℃、2〜20時間)することによって、燃料極20、固体電解質層30及びバリア層40の共焼成体を形成する。
次に、上述したペロブスカイト型酸化物粉末と造孔材と水とバインダーをボールミルで混合することによって第1領域用スラリーを調製する。第1領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末には、後述する第2領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末よりも平均粒径(D50)の小さいものを用いる。第1領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径は特に制限されないが、0.03μm以上0.4μm以下とすることができる。また、第1領域用スラリーに用いる造孔材の添加量を調整することによって、第1領域51における気孔率を制御することができる。
この際、一般式(Ln1−xSr)BO3−δで表されるペロブスカイト型酸化物を用いる場合には、添え字xを後述する第2領域用スラリーに係る添え字yよりも小さくすることが好ましい。これによって、第1領域51におけるSr濃度を第2領域52におけるSr濃度よりも低くすることができる。
次に、第1領域用スラリーを共焼成体のバリア層40上に塗布・乾燥させることによって、第1領域51の成形体を形成する。
次に、上述したペロブスカイト型酸化物粉末と水と造孔材とバインダーをボールミルで混合することによって第2領域用スラリーを調製する。第2領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末には、第1領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末よりも平均粒径(D50)の大きいものを用いる。第2領域用スラリーに用いるペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径は特に制限されないが、0.3μm以上0.9μm以下とすることができる。また、第2領域用スラリーに用いる造孔材の添加量を調整することによって、第2領域52における気孔率を制御することができる。
この際、一般式(Ln1−ySr)BO3−εで表されるペロブスカイト型酸化物を用いる場合には、添え字yを上述した第1領域用スラリーに係る添え字xよりも大きくすることが好ましい。これによって、第2領域52におけるSr濃度を第1領域51におけるSr濃度よりも低くすることができる。
次に、第2領域用スラリーを第1領域51の成形体上に塗布・乾燥させることによって、第2領域52の成形体を形成する。これにより、空気極活性層50の成形体が形成される。
次に、空気極集電層用材料粉末に水とバインダーを混合して空気極集電層用スラリーを作製する。そして、塗布法などを用いて空気極集電層用スラリーを空気極活性層50の成形体上に塗布・乾燥させることによって、空気極集電層60の成形体を形成する。
次に、空気極活性層50と空気極集電層60の成形体を電気炉(酸素含有雰囲気)で焼成(1000℃〜1100℃、1時間〜10時間)することによって、バリア層40上に空気極活性層50と空気極集電層60を形成する。この際、焼成時間を調整することによって、空気極活性層50のうち第1領域51を構成する第1構成粒子G1の平均粒径と第2領域52を構成する第2構成粒子G2の平均粒径とを微調整することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、本発明に係る空気極活性層50を燃料電池10に適用した場合について説明したが、本発明に係る空気極活性層は、燃料電池のほか、固体酸化物型の電解セルを含む固体酸化物型の電気化学セルに適用可能である。
上記実施形態において、燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40、空気極活性層50及び空気極集電層60を備えることとしたが、これに限られるものではない。燃料電池10は、燃料極20、固体電解質層30及び空気極活性層50を備えていればよく、燃料極20と固体電解質層30との間や固体電解質層30と空気極活性層50との間には、他の層が介挿されていてもよい。
以下において本発明に係るセルの実施例1について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(サンプルNo.1〜No.22の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜No.22に係る燃料電池を作製した。
まず、金型プレス成形法で厚み500μmの燃料極集電層(NiO:8YSZ=50:50(Ni体積%換算))を成形し、その上に厚み20μmの燃料極活性層(NiO:8YSZ=45:55(Ni体積%換算))を印刷法で形成した。
次に、燃料極活性層上に8YSZ層とGDC層の成形体を塗布法で順次形成して共焼成(1400℃、2時間)した。
次に、表1に示すペロブスカイト型酸化物粉末と造孔材と水とバインダーをボールミルで混合することによって第1領域用スラリーを調製した。この際、ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径(D50)をサンプルごとに変更した。
次に、第1領域用スラリーを共焼成体のバリア層上に塗布・乾燥させることによって、空気極活性層のうち第1領域の成形体を形成した。
次に、表1に示すペロブスカイト型酸化物粉末と造孔材と水とバインダーをボールミルで混合することによって第2領域用スラリーを調製した。ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径(D50)をサンプルごとに変更した。
次に、第2領域用スラリーを第1領域の成形体上に塗布・乾燥させることによって、第2領域の成形体を形成した。
次に、La(NiFeCu)Oの粉末に水とバインダーを混合して空気極集電層用スラリーを調製した。そして、塗布法を用いて空気極集電層用スラリーを空気極活性層の成形体上に塗布することによって、空気極集電層の成形体を形成した。
次に、空気極活性層(第1領域と第2領域)と空気極集電層の成形体を電気炉(酸素含有雰囲気、1000℃)で1時間焼成することによって空気極活性層と空気極集電層を形成した。
(第1領域と第2領域の観察)
まず、各サンプルの空気極活性層の断面を精密機械研磨した後に、株式会社日立ハイテクノロジーズのFB−2100によって薄片加工処理を施した。
次に、STEMによって、空気極活性層の第1領域と第2領域の断面を倍率10万倍で拡大したSTEM画像を取得した。STEM画像は、加速電圧:200kV、明視野モードに設定されたSTEM(日本電子社製のJEM−ARM200F)によって得た。
次に、STEM画像を用いて、第1領域における第1構成粒子の平均粒径と第2領域における第2構成粒子の平均粒径とを求めた。第1構成粒子の平均粒径としては、STEM画像上において無作為に選出した50個の第1構成粒子の平均円相当径を求めた。第2構成粒子の平均粒径としては、STEM画像上において無作為に選出された50個の第2構成粒子の平均円相当径を求めた。第1構成粒子及び第2構成粒子の平均粒径は表1に示す通りであった。
(燃料電池の出力測定)
各サンプルの燃料極側に窒素ガス、空気極活性層側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを3時間供給することによって還元処理した。
次に、定格電流密度を0.2A/cmに設定して、セル電圧を測定しながら1000時間発電して、発電開始から10時間後の初期出力と、1000時間後における電圧降下率(劣化率)とを算出した。表1において、各サンプルの初期出力は、第1構成粒子と第2構成粒子の平均粒径を同じに揃えたサンプルNo.14,17,19の初期出力を1.0として規格化した値が示されている。表1では、劣化率が0.15%以下のサンプルが「◎」と評価され、劣化率が0.15%超0.2%以下のサンプルが「○」と評価され、劣化率が0.2%より大きかったサンプルが「△」と評価されている。
表1に示すように、空気極活性層を第1領域と第2領域の二層構造とし、かつ、第1構成粒子の平均粒径を第2構成粒子の平均粒径よりも小さくしたサンプルNo.1〜13,21,22では、サンプルNo.14〜20に比べて、燃料電池の初期出力を向上させることができた。これは、第1構成粒子を微粒化することによって、空気極活性層の反応活性に影響を与えやすい固体電解質層側の第1領域における反応活性を向上させることができたためである。
また、表1に示すように、第2構成粒子の平均粒径に対する第1構成粒子の平均粒径の比を0.41以下としたサンプルNo.1〜No.4,7,8,11,12,21,22では、燃料電池の劣化率を抑制できた。
また、表1に示すように、第1構成粒子の平均粒径を0.47μm以下にしたサンプルNo.1〜4,7,8,11,12,21,22では、燃料電池の劣化率を抑制させることができた。これは、第1構成粒子の総表面積増加によって、第1領域において不純物で表面反応失活する領域の割合を低減できたからである。さらに、第1構成粒子の平均粒径を0.25μm以下にすることによって、燃料電池の劣化率をより抑制できることが分かった。
また、表1に示すように、第2構成粒子の平均粒径を0.65μm以下にしたサンプルNo.1〜3,7,11,21,22では、燃料電池の劣化率をより抑制させることができた。これは、第2構成粒子の粒径を最適化したことで、第2領域の適切な気孔率を確保し、第2領域における酸素ガス拡散性を向上できたからである。
(サンプルNo.23〜No.37の作製)
以下のようにして、サンプルNo.23〜No.37に係る燃料電池を作製した。
まず、金型プレス成形法で厚み500μmの燃料極集電層(NiO:8YSZ=50:50(Ni体積%換算))を成形し、その上に厚み20μmの燃料極活性層(NiO:8YSZ=45:55(Ni体積%換算))を印刷法で形成した。
次に、燃料極活性層上に8YSZ層とGDC層の成形体を塗布法で順次形成して共焼成(1400℃、2時間)した。
次に、表1に示すペロブスカイト型酸化物粉末と造孔材と水とバインダーをボールミルで混合することによって第1領域用スラリーを調製した。この際、ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径(D50)をサンプルごとに変更するとともに、ペロブスカイト型酸化物の一般式(Ln1−xSr)BO3−δにおける添え字xを調整することによって、表2に示すように第1領域におけるSr濃度をサンプルごとに変更した。
次に、第1領域用スラリーを共焼成体のバリア層上に塗布・乾燥させることによって、空気極活性層のうち第1領域の成形体を形成した。
次に、表2に示すペロブスカイト型酸化物粉末と造孔材と水とバインダーをボールミルで混合することによって第2領域用スラリーを調製した。この際、ペロブスカイト型酸化物粉末の平均粒径(D50)をサンプルごとに変更するとともに、ペロブスカイト型酸化物粉末を示す一般式(Ln1−ySr)BO3−εの添え字yを調整することによって、表2に示すように第2領域におけるSr濃度をサンプルごとに変更した。なお、サンプルNo.23〜No.37では、空気極活性層を第1領域と第2領域の二層構造とし、かつ、第1構成粒子の平均粒径を第2構成粒子の平均粒径よりも小さくした。
次に、第2領域用スラリーを第1領域の成形体上に塗布・乾燥させることによって、第2領域の成形体を形成した。
次に、La(NiFeCu)Oの粉末に水とバインダーを混合して空気極集電層用スラリーを調製した。そして、塗布法を用いて空気極集電層用スラリーを空気極活性層の成形体上に塗布することによって、空気極集電層の成形体を形成した。
次に、空気極活性層(第1領域と第2領域)と空気極集電層の成形体を電気炉(酸素含有雰囲気、1000℃)で1時間焼成することによって空気極活性層と空気極集電層を形成した。
(空気極活性層のSr濃度)
まず、各サンプルの空気極活性層の断面を精密機械研磨した後に、株式会社日立ハイテクノロジーズのFB−2100によって薄片加工処理を施した。
次に、空気極活性層の第1領域及び第2領域の断面を、日本電子社製のJEM-ARM200Fによって倍率1万倍で拡大したSTEM画像を取得し、EDXを用いた元素分析によって、第1領域及び第2領域におけるSr濃度を測定した。測定結果を表2に示す。
(空気極活性層の剥離観察)
各サンプルの空気極活性層(第1領域)とバリア層との界面を電子顕微鏡で観察することによって、第1領域とバリア層との界面における剥離を観察した。表2では、剥離が観察されなかったサンプルに「無」と表示され、燃料電池の特性への影響が懸念される5μm超の剥離が観察されたサンプルに「有」と表示さている。
(燃料電池の出力測定)
各サンプルの燃料極側に窒素ガス、空気極活性層側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを3時間供給することによって還元処理した。
次に、定格電流密度を0.2A/cmに設定して、セル電圧を測定しながら発電開始から10時間後の初期出力を算出した。表2において、各サンプルの初期出力は、表1に記載のサンプルNo.14,17,19(第1構成粒子と第2構成粒子の平均粒径を同じに揃えたサンプル)の初期出力を1.0として規格化した値が示されている。
表2に示すように、サンプルNo.23〜No.37では、空気極活性層を第1領域と第2領域の二層構造とし、かつ、第1構成粒子の平均粒径を第2構成粒子の平均粒径よりも小さくしたため、表1の結果と同様、サンプルNo.14〜20に比べて、燃料電池の初期出力を向上させることができた。
また、第1領域におけるSr濃度を第2領域におけるSr濃度よりも低くしたサンプルNo.23〜33では、サンプルNo.34〜37に比べて、第1領域の剥離を抑制することができた。
また、第1領域におけるSr濃度を5atm%以上10atm%以下としたサンプルNo.28〜33では、燃料電池の初期出力を更に向上させることができた。これは、第1領域のSr濃度を酸素イオン伝導性が高い組成範囲に最適化したことによって、空気極活性層の電極反応に影響を与えやすい固体電解質層側の第1領域における反応活性を更に向上させることができたためである。
10 燃料電池
20 燃料極
21 燃料極集電層
22 燃料極活性層
30 固体電解質層
40 バリア層
50 空気極活性層
51 第1領域
G1 第1構成粒子
52 第2領域
G2 第2構成粒子
60 空気極集電層

Claims (1)

  1. 燃料極と、
    空気極活性層と、
    前記燃料極と前記空気極活性層の間に配置される固体電解質層と、
    を備え、
    前記空気極活性層は、前記固体電解質層側に設けられる第1領域と、前記第1領域上に設けられる第2領域とを有し、
    前記第1領域を構成する第1構成粒子の平均粒径は、前記第2領域を構成する第2構成粒子の平均粒径よりも小さく、
    前記空気極活性層は、一般式ABOで表され、Aサイトに少なくともSrを含むペロブスカイト型酸化物を主成分としており、
    前記第1領域におけるSr濃度は、前記第2領域におけるSr濃度よりも低い、
    電気化学セル。
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