JP2018116910A - 負極集電体の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で安定性が高い導電活物質を用いつつ、リチウムイオンの合金化を抑制できる負極集電体の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔12を所定の幅に裁断し、アルミニウム箔12の主面12aにタブ15を溶接し、アルミニウム箔12の表面12sおよびアルミニウム箔12とタブ15との溶接部16に、ニッケル又は銅からなる被覆膜18をそれぞれ製膜して集電準備体11を形成し、集電準備体11の主面12aの少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質Cを塗布して担持させて負極集電体10を形成する。
【選択図】図5
【解決手段】アルミニウム箔12を所定の幅に裁断し、アルミニウム箔12の主面12aにタブ15を溶接し、アルミニウム箔12の表面12sおよびアルミニウム箔12とタブ15との溶接部16に、ニッケル又は銅からなる被覆膜18をそれぞれ製膜して集電準備体11を形成し、集電準備体11の主面12aの少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質Cを塗布して担持させて負極集電体10を形成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、負極集電体の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
従来から、下記特許文献1に記載されたようなリチウムイオン二次電池の製造方法が知られている。特許文献1には、鋼シートに銅めっきを被覆する負極電極の製造工程が記載されている。
具体的には、銅めっきした鋼板に活物質を塗布し、ロールプレスした後に所定寸法に裁断して電極材を形成する。そして、この電極材に絶縁用のセパレータを挟んで巻き取る若しくは積層する。次いで、電極材と電池の端子を電気的に接続する金属製のタブを、電極材の主面に溶接(溶着)する。さらに、これらをケースに挿入し、電解液を注液して封止する。最後、外装を仕上げて完成する。
具体的には、銅めっきした鋼板に活物質を塗布し、ロールプレスした後に所定寸法に裁断して電極材を形成する。そして、この電極材に絶縁用のセパレータを挟んで巻き取る若しくは積層する。次いで、電極材と電池の端子を電気的に接続する金属製のタブを、電極材の主面に溶接(溶着)する。さらに、これらをケースに挿入し、電解液を注液して封止する。最後、外装を仕上げて完成する。
リチウムイオン二次電池では、更なる高出力化、軽量化、安全性向上が求められている。負極集電体を軽量化等するために、銅箔よりも比重が小さいアルミニウム箔を使用するものがある。
下記特許文献2には、負極集電体をアルミニウム箔で形成し、その主面をリチウムイオンがドープしない金属(例えばCuまたはNi)で被覆する技術が開示されている。
下記特許文献2には、負極集電体をアルミニウム箔で形成し、その主面をリチウムイオンがドープしない金属(例えばCuまたはNi)で被覆する技術が開示されている。
しかしながら、負極集電体にアルミニウム箔を用いたリチウムイオン二次電池の製造方法では、以下に挙げる課題がある。
まず、ニッケルや銅でめっきしたアルミニウム箔にタブを溶接すると、溶接時の熱によりめっき皮膜が破壊され、溶接部の防食性が低下するという問題がある。
まず、ニッケルや銅でめっきしたアルミニウム箔にタブを溶接すると、溶接時の熱によりめっき皮膜が破壊され、溶接部の防食性が低下するという問題がある。
また、アルミニウム箔の裁断面にはアルミニウムの素地が露出するものの、負極集電体は正極集電体よりも若干大きいので、リチウムイオンが合金化しないと考えられていた。ところが、電解液と接触していない裁断面であっても電解液のリチウムイオンと反応してしまい、電池性能が低下することが判明した。
さらに、ニッケルや銅を被覆したアルミニウム箔に負極活物質を塗布する際に、負極活物質のぬれ性が悪いために塗布が難しいという問題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、安価で安定性が高い導電活物質を用いつつ、リチウムイオンの合金化を抑制できる負極集電体の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本願の請求項1に係る負極集電体の製造方法は、アルミニウム箔を所定の幅に裁断し、前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、前記アルミニウム箔の表面および前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜をそれぞれ製膜して集電準備体を形成し、前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする。
本願の請求項1に係る負極集電体の製造方法は、アルミニウム箔を所定の幅に裁断し、前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、前記アルミニウム箔の表面および前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜をそれぞれ製膜して集電準備体を形成し、前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする。
この発明によれば、アルミニウム箔にタブを溶接した後に、集電準備体の全体にニッケル又は銅からなる被覆膜を形成するので、アルミニウム箔の裁断面に被覆膜が形成されて、防食性を良好に維持できる。また、溶接部に形成された被覆膜が熱等で破壊されることがなく、防食性を良好に維持できる。
本願の請求項2に係る負極集電体の製造方法は、アルミニウム箔を所定の幅に裁断し、前記アルミニウム箔の表面にニッケル又は銅からなる被覆膜を製膜し、前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜を製膜して集電準備体を形成し、前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする。
この発明によれば、アルミニウム箔を所定の幅に裁断した後に被覆膜を形成するので、アルミニウム箔の裁断面に被覆膜が形成されて、防食性を良好に維持できる。また、アルミニウム箔にタブを溶接した後に、溶接部にニッケル又は銅からなる被覆膜を再度形成するので、被覆膜が熱等で破壊されることがなく、溶接部の防食性を良好に維持できる。
本願の請求項3に係る負極集電体の製造方法は、ニッケル又は銅からなる被覆膜に被膜されたアルミニウム箔を所定の幅に裁断し、前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、前記アルミニウム箔の裁断面および前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜をそれぞれ製膜して集電準備体を形成し、前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする。
この発明によれば、アルミニウム箔にタブを溶接した後に、アルミニウム箔の裁断面と溶接部にニッケル又は銅からなる被覆膜を再度形成するので、アルミニウム箔の裁断面に被覆膜が形成されて、防食性を良好に維持できる。また、溶接部に形成された被覆膜が熱等で破壊されることがなく、防食性を良好に維持できる。
本願の請求項4に係る負極集電体の製造方法は、前記集電準備体の主面の両方に配置された前記被覆膜をそれぞれ平均膜厚0.5μm以上に形成し、前記負極集電体の平均厚さを、前記被覆膜を含めて3〜100μmに形成し、前記被覆膜を被覆したアルミニウム箔の表面粗さをRa0.3μm以上に形成することを特徴とする。
この発明によれば、アルミニウム箔に負極活物質を塗布する際に、被覆膜を被覆したアルミニウム箔の表面粗さが大きいため、負極活物質のぬれ性が向上して、負極活物質を良好に塗布できる。
本願の請求項5に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、本発明に係る負極集電体の製造方法の後に、前記負極集電体、正極集電体およびセパレータを順に重ねて、平坦な状態に配置又は巻回した状態に配してケースに収容し、前記ケースにリチウム電解液を充填させてリチウムイオン二次電池を形成することを特徴とする。
この発明によれば、負極集電体の全体に被覆膜が形成されているので、電解液のリチウムイオンと反応することなく、電池性能が向上する。
本願の請求項1〜3に係る負極集電体の製造方法によれば、アルミニウム箔とタブの溶接部やアルミニウム箔の裁断面に被覆膜が形成されているので、リチウムイオンの合金化を抑制できる。
本願の請求項5に係るリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、安価で安定性が高い導電活物質を用いつつ、電池性能を向上できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る負極集電体の製造方法、リチウムイオン二次電池の製造方法を説明する。
〔第一実施形態〕
リチウムイオン二次電池1は、小型・軽量・高性能化が常に求められるモバイル電子機器に最適な充電式の電池である。
リチウムイオン二次電池1は、正極にリチウム金属酸化物、負極にカーボン系材料が用いられる。そして、図8に示すように、リチウムイオン二次電池1は、電池ケース2の内部で、リチウムイオンが電解液3を介して正極と負極の間を行き来することで、充放電が行われる。
リチウムイオン二次電池1は、小型・軽量・高性能化が常に求められるモバイル電子機器に最適な充電式の電池である。
リチウムイオン二次電池1は、正極にリチウム金属酸化物、負極にカーボン系材料が用いられる。そして、図8に示すように、リチウムイオン二次電池1は、電池ケース2の内部で、リチウムイオンが電解液3を介して正極と負極の間を行き来することで、充放電が行われる。
リチウムイオン二次電池1は、図5および8に示すように、負極側に負極集電体10を備える。
負極集電体10は、導電活物質である人造黒鉛(炭素系材料)Cを主面12a(図2(b)参照)に塗布した複数のアルミニウム箔12を積層(重畳)させたものである。なお、図8ではアルミニウム箔12を1層のみ示している。
複数のアルミニウム箔12には、それぞれ金属製のタブ15が溶接される。なお、符号16として、アルミニウム箔12とタブ15とを溶接した部分である溶接部を示す。このタブ15は、リチウムイオン二次電池1の負極端子と負極集電体10を接続して、電力を取出す配線部材である。
負極集電体10は、導電活物質である人造黒鉛(炭素系材料)Cを主面12a(図2(b)参照)に塗布した複数のアルミニウム箔12を積層(重畳)させたものである。なお、図8ではアルミニウム箔12を1層のみ示している。
複数のアルミニウム箔12には、それぞれ金属製のタブ15が溶接される。なお、符号16として、アルミニウム箔12とタブ15とを溶接した部分である溶接部を示す。このタブ15は、リチウムイオン二次電池1の負極端子と負極集電体10を接続して、電力を取出す配線部材である。
図1は、本発明の一実施形態に係る負極集電体10の製造方法S1を示す図である。
負極集電体10の製造方法S1は、裁断工程S11、タブ溶接工程S12、メッキ工程S13および活物質塗布工程S14を有する。
負極集電体10の製造方法S1は、裁断工程S11、タブ溶接工程S12、メッキ工程S13および活物質塗布工程S14を有する。
図2は、裁断工程S11を示す図であり、(a)アルミニウムの原反Aの平面図、(b)アルミニウム箔12の側面図である。
図3は、タブ溶接工程S12を示す図である。
図4は、メッキ工程S13を示す図である。
図5は、活物質塗布工程S14を示す図である。
図3は、タブ溶接工程S12を示す図である。
図4は、メッキ工程S13を示す図である。
図5は、活物質塗布工程S14を示す図である。
図2(a)に示すように、裁断工程S11では、帯状のアルミニウムの原反Aを所定の幅に裁断して、同一形状のアルミニウム箔12を複数枚形成する。
アルミニウム箔12は、表面12sがメッキ処理されたものではなく、アルミニウムの素地がそのまま露出する。
例えば、図2(b)に示すように、矩形状のアルミニウム箔12を複数枚形成する。したがって、アルミニウム箔12の表面12s(主面12a、端面12bおよび裁断面12c)には、アルミニウムの素地がそのまま露出する。
アルミニウム箔12は、表面12sがメッキ処理されたものではなく、アルミニウムの素地がそのまま露出する。
例えば、図2(b)に示すように、矩形状のアルミニウム箔12を複数枚形成する。したがって、アルミニウム箔12の表面12s(主面12a、端面12bおよび裁断面12c)には、アルミニウムの素地がそのまま露出する。
次に、図3に示すように、タブ溶接工程S12では、アルミニウム箔12の主面12aに、金属製のタブ15を溶接(溶着)する。具体的には、アルミニウム箔12の主面12aの端部とタブ15の端部を重ねて超音波溶接をする。これにより、アルミニウム箔12とタブ15が接合(溶着)する。
次に、図4に示すように、メッキ工程S13では、アルミニウム箔12とタブ15をメッキ処理する。すなわち、アルミニウム箔12とタブ15の全体に、ニッケル又は銅からなるメッキ膜(被覆膜)18を製膜する。
具体的には、アルミニウム箔12とタブ15を不図示のメッキ処理槽に浸漬する。これにより、アルミニウム箔12の主面12a、端面12bおよび裁断面12cや、アルミニウム箔12とタブ15の溶接部16がメッキ膜18で被覆される。
このようにして、ニッケル又は銅からなるメッキ膜18により完全に被覆された集電準備体11が形成される。
具体的には、アルミニウム箔12とタブ15を不図示のメッキ処理槽に浸漬する。これにより、アルミニウム箔12の主面12a、端面12bおよび裁断面12cや、アルミニウム箔12とタブ15の溶接部16がメッキ膜18で被覆される。
このようにして、ニッケル又は銅からなるメッキ膜18により完全に被覆された集電準備体11が形成される。
なお、集電準備体11の主面12aの両方に成膜されるメッキ膜18は、平均膜厚が0.5μm以上に形成される。また、集電準備体11は、平均厚さが、メッキ膜18を含めて、3〜100μmに形成される。さらに、集電準備体11は、表面粗さがRa0.3μm以上に形成される。
噴流時間、流速、通電時間、電流密度、液温等を調整して、メッキ膜18の膜厚等を変化させる。
噴流時間、流速、通電時間、電流密度、液温等を調整して、メッキ膜18の膜厚等を変化させる。
次に、図5に示すように、活物質塗布工程S14では、アルミニウム箔12の主面12aの少なくとも一方(この例では、主面12aの両面)に、導電活物質である人造黒鉛Cを塗布して担持させる。
人造黒鉛は安価で安定性が高いため、導電活物質として人造黒鉛Cを用いることにより、リチウムイオン二次電池1の製造コストを低く抑えることができる。つまり、低価格のリチウムイオン二次電池1を提供し続けることができる。
このようにして、人造黒鉛Cに被覆された負極集電体10が形成される。
人造黒鉛は安価で安定性が高いため、導電活物質として人造黒鉛Cを用いることにより、リチウムイオン二次電池1の製造コストを低く抑えることができる。つまり、低価格のリチウムイオン二次電池1を提供し続けることができる。
このようにして、人造黒鉛Cに被覆された負極集電体10が形成される。
図6は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池1の製造方法Tを示す図である。
負極集電体10の製造方法S1に続いて、リチウムイオン二次電池1の製造方法Tが行われる。
リチウムイオン二次電池1の製造方法Tは、積層工程T1、ケース挿入工程T2、電解液注入工程T3および外装組立工程T4を有する。
負極集電体10の製造方法S1に続いて、リチウムイオン二次電池1の製造方法Tが行われる。
リチウムイオン二次電池1の製造方法Tは、積層工程T1、ケース挿入工程T2、電解液注入工程T3および外装組立工程T4を有する。
図7は、積層工程T1を示す図である。
図8は、ケース挿入工程T2および電解液注入工程T3を示す図である。
図8は、ケース挿入工程T2および電解液注入工程T3を示す図である。
まず、図7に示すように、積層工程T1では、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を順に重ねて、平坦な状態に配置する。
正極集電体5は、リチウム金属酸化物である。セパレータ6は、例えばポリオレフィンにより形成され、正極材と負極材の間でリチウムイオンを行き来できる多数の微小孔が形成される。
正極集電体5は、リチウム金属酸化物である。セパレータ6は、例えばポリオレフィンにより形成され、正極材と負極材の間でリチウムイオンを行き来できる多数の微小孔が形成される。
次に、図8に示すように、ケース挿入工程T2では、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を、電池ケース2に挿入(収容)する。
次いで、図8に示すように、電解液注入工程T3では、電池ケース2にリチウム電解液を注入(充填)して密封する。
最後に、外装組立工程T4では、電池ケース2の表面に装飾等を施す。
このようにして、リチウムイオン二次電池1が製造される。
次いで、図8に示すように、電解液注入工程T3では、電池ケース2にリチウム電解液を注入(充填)して密封する。
最後に、外装組立工程T4では、電池ケース2の表面に装飾等を施す。
このようにして、リチウムイオン二次電池1が製造される。
以上説明したように、第一実施形態に係る負極集電体10の製造方法S1、リチウムイオン二次電池1の製造方法Tによれば、アルミニウム箔12にタブ15を溶接した後に、集電準備体11(アルミニウム箔12)の全体にニッケル又は銅からなるメッキ膜18膜を形成するので、アルミニウム箔12の裁断面12cにメッキ膜が形成される。このため、集電準備体11(アルミニウム箔12)の防食性を良好に維持できる。また、溶接部16に形成されたメッキ膜18が熱等で破壊されることがなく、防食性を良好に維持できる。したがって、リチウムイオンの合金化を抑制できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
図9は、人造黒鉛Cの濡れ性を比較する図であり、(a)第一実施形態、(b)従来例を示す。第一実施形態では、集電準備体の表面粗さがRa(算術平均粗さ)0.58μm(Rz(十点平均粗さ)5.2μm)である。従来例では、集電準備体の表面粗さがRa0.27μm(Rz2.9μm)である。
従来例では人造黒鉛Cが均一に塗布できず、人造黒鉛Cの無い領域Rが形成されることが分かった。一方で、第一実施形態の集電準備体では、人造黒鉛Cが均一に塗布されることが分かった。
第一実施形態と従来例を比較すると、第一実施形態の方が人造黒鉛Cの濡れ性が高いことが確認できる。
第一実施形態に係る負極集電体10の製造方法S1によれば、アルミニウム箔12に人造黒鉛Cを塗布する際に、メッキ膜18を被覆したアルミニウム箔12の表面粗さが大きいため、人造黒鉛Cのぬれ性が向上して、人造黒鉛Cを良好に塗布できる。
具体的には、集電準備体11の主面12aの両方に成膜されるメッキ膜18の平均膜厚が0.5μm以上、集電準備体11の平均厚さがメッキ膜18を含めて3〜100μm、集電準備体11の表面粗さがRa0.3μm以上に形成される。
従来例では人造黒鉛Cが均一に塗布できず、人造黒鉛Cの無い領域Rが形成されることが分かった。一方で、第一実施形態の集電準備体では、人造黒鉛Cが均一に塗布されることが分かった。
第一実施形態と従来例を比較すると、第一実施形態の方が人造黒鉛Cの濡れ性が高いことが確認できる。
第一実施形態に係る負極集電体10の製造方法S1によれば、アルミニウム箔12に人造黒鉛Cを塗布する際に、メッキ膜18を被覆したアルミニウム箔12の表面粗さが大きいため、人造黒鉛Cのぬれ性が向上して、人造黒鉛Cを良好に塗布できる。
具体的には、集電準備体11の主面12aの両方に成膜されるメッキ膜18の平均膜厚が0.5μm以上、集電準備体11の平均厚さがメッキ膜18を含めて3〜100μm、集電準備体11の表面粗さがRa0.3μm以上に形成される。
〔第二実施形態〕
図10は、本発明の第二実施形態に係る負極集電体10の製造方法S2を示す図である。
なお、この第二実施形態においては、第一実施形態における製造方法S1と同一の工程については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図10は、本発明の第二実施形態に係る負極集電体10の製造方法S2を示す図である。
なお、この第二実施形態においては、第一実施形態における製造方法S1と同一の工程については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
負極集電体10の製造方法S2は、裁断工程S11、第一メッキ工程S21、タブ溶接工程S12、第二メッキ工程S22および活物質塗布工程S14を有する。
第一メッキ工程S21では、裁断工程S11で裁断されたアルミニウム箔12の表面12sに、ニッケル又は銅からなるメッキ膜18を製膜する。
この第一メッキ工程S21は、タブ溶接工程S12とは異なって、金属製のタブ15がアルミニウム箔12に溶接されていない。金属製のタブ15は、第一メッキ工程S21に続くタブ溶接工程S12において、メッキ膜18が形成されたアルミニウム箔12に溶接される。
この第一メッキ工程S21は、タブ溶接工程S12とは異なって、金属製のタブ15がアルミニウム箔12に溶接されていない。金属製のタブ15は、第一メッキ工程S21に続くタブ溶接工程S12において、メッキ膜18が形成されたアルミニウム箔12に溶接される。
第二メッキ工程S22では、アルミニウム箔12とタブ15との溶接部16に、ニッケル又は銅からなるメッキ膜18を製膜する。タブ溶接工程S12において、メッキ膜18が形成されたアルミニウム箔12に金属製のタブ15を溶接すると、溶接部16を覆う溶接部16が剥離してしまう。
そこで、第二メッキ工程S22では、アルミニウム箔12とタブ15との溶接部16に、再度メッキ膜18を製膜する。
そこで、第二メッキ工程S22では、アルミニウム箔12とタブ15との溶接部16に、再度メッキ膜18を製膜する。
第二実施形態に係る負極集電体10の製造方法S2によれば、アルミニウム箔12を裁断した後にメッキ膜18を形成するので、アルミニウム箔12の裁断面12cにメッキ膜18が形成されて、防食性を良好に維持できる。また、アルミニウム箔12にタブ15を溶接した後に、溶接部16にメッキ膜18を再度形成するので、メッキ膜18が熱で破壊されることがなく、溶接部16の防食性を良好に維持できる。したがって、リチウムイオンの合金化を抑制できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
〔第三実施形態〕
図11は、本発明の第三実施形態に係る負極集電体10の製造方法S3を示す図である。
なお、この第三実施形態においては、第一または第二実施形態における製造方法S1,S2と同一の工程については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11は、本発明の第三実施形態に係る負極集電体10の製造方法S3を示す図である。
なお、この第三実施形態においては、第一または第二実施形態における製造方法S1,S2と同一の工程については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
負極集電体10の製造方法S3は、裁断工程S31、タブ溶接工程S12、第三メッキ工程S32および活物質塗布工程S14を有する。
裁断工程S31では、帯状のアルミニウムの原反Aを裁断して、同一形状(所定形状)のアルミニウム箔12を複数枚形成する。このとき、アルミニウム箔12は、予めメッキ処理されたものである。
したがって、アルミニウム箔12の主面12aおよび端面12bはメッキ膜18で覆われ、裁断面12cはアルミニウムの素地がそのまま露出する。
したがって、アルミニウム箔12の主面12aおよび端面12bはメッキ膜18で覆われ、裁断面12cはアルミニウムの素地がそのまま露出する。
第三メッキ工程S32では、アルミニウム箔12の裁断面12cと溶接部16に、ニッケル又は銅からなるメッキ膜18を製膜する。
裁断工程S31において、メッキ膜18に被膜されたアルミニウムの原反Aを裁断したので、裁断面12cにはアルミニウムの素地がそのまま露出する。また、タブ溶接工程S12において、メッキ膜18が形成されたアルミニウム箔12に金属製のタブ15を溶接すると、溶接部16を覆う溶接部16が剥離してしまう。
そこで、第三メッキ工程S32では、裁断面12cと溶接部16にメッキ膜18を製膜する。
裁断工程S31において、メッキ膜18に被膜されたアルミニウムの原反Aを裁断したので、裁断面12cにはアルミニウムの素地がそのまま露出する。また、タブ溶接工程S12において、メッキ膜18が形成されたアルミニウム箔12に金属製のタブ15を溶接すると、溶接部16を覆う溶接部16が剥離してしまう。
そこで、第三メッキ工程S32では、裁断面12cと溶接部16にメッキ膜18を製膜する。
第三実施形態に係る負極集電体10の製造方法S3によれば、アルミニウム箔12を裁断した後にメッキ膜18を形成するので、アルミニウム箔12の裁断面12cにメッキ膜18が形成されて、防食性を良好に維持できる。また、アルミニウム箔12にタブ15を溶接した後に、溶接部16にメッキ膜18を再度形成するので、メッキ膜18が熱で破壊されることがなく、溶接部16の防食性を良好に維持できる。したがって、リチウムイオンの合金化を抑制できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
よって、安価で安定性が高い人造黒鉛Cを用いつつ、電池性能を向上できる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、リチウムイオン二次電池1は、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を、平坦な状態で順に積層させたものに限らない。
リチウムイオン二次電池1は、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を重ねて、巻回した状態に配置するものであってもよい。
例えば、リチウムイオン二次電池1は、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を、平坦な状態で順に積層させたものに限らない。
リチウムイオン二次電池1は、正極集電体5、セパレータ6および負極集電体10を重ねて、巻回した状態に配置するものであってもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 リチウムイオン二次電池
2 電池ケース
3 電解液
5 正極集電体
6 セパレータ
10 負極集電体
11 集電準備体
12 アルミニウム箔
12s 表面
12a 主面
12c 裁断面
15 タブ
16 溶接部
18 メッキ膜(被覆膜)
C 人造黒鉛
2 電池ケース
3 電解液
5 正極集電体
6 セパレータ
10 負極集電体
11 集電準備体
12 アルミニウム箔
12s 表面
12a 主面
12c 裁断面
15 タブ
16 溶接部
18 メッキ膜(被覆膜)
C 人造黒鉛
Claims (5)
- アルミニウム箔を所定の幅に裁断し、
前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、
前記アルミニウム箔の表面および前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜をそれぞれ製膜して集電準備体を形成し、
前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする負極集電体の製造方法。 - アルミニウム箔を所定の幅に裁断し、
前記アルミニウム箔の表面にニッケル又は銅からなる被覆膜を製膜し、
前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、
前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜を製膜して集電準備体を形成し、
前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする負極集電体の製造方法。 - ニッケル又は銅からなる被覆膜に被膜されたアルミニウム箔を所定の幅に裁断し、
前記アルミニウム箔の主面にタブを溶接し、
前記アルミニウム箔の裁断面および前記アルミニウム箔と前記タブとの溶接部に、ニッケル又は銅からなる被覆膜をそれぞれ製膜して集電準備体を形成し、
前記集電準備体の主面の少なくとも一方に、炭素系材料からなる導電活物質を塗布して担持させて負極集電体を形成することを特徴とする負極集電体の製造方法。 - 前記集電準備体の主面の両方に配置された前記被覆膜をそれぞれ平均膜厚0.5μm以上に形成し、
前記負極集電体の平均厚さを、前記被覆膜を含めて3〜100μmに形成し、
前記被覆膜を被覆したアルミニウム箔の表面粗さをRa0.3μm以上に形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の負極集電体の製造方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の負極集電体の製造方法の後に、
前記負極集電体、正極集電体およびセパレータを順に重ねて、平坦な状態に配置又は巻回した状態に配してケースに収容し、
前記ケースにリチウム電解液を充填させてリチウムイオン二次電池を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017008838A JP2018116910A (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 負極集電体の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法 |
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2017
- 2017-01-20 JP JP2017008838A patent/JP2018116910A/ja active Pending
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