JP2018115866A - 表面撮像装置、表面検査装置、および表面検査方法 - Google Patents

表面撮像装置、表面検査装置、および表面検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検査物の異常領域を漏れなく検出するとともに、異常領域の誤検出が抑制された表面撮像装置、表面検査装置、および表面撮像方法を提供すること。【解決手段】第1の照射角度を有するとともに被検査物に光を照射する第1の光源と、第1の照射角度よりも広い照射角度の第2の照射角度を有するとともに被検査物に光を照射する第2の光源と、第1の光源および第2の光源の各々から照射され被検査物で反射した反射光を受光することで被検査物を撮像する撮像部と、を含む表面撮像装置を用いた表面検査方法であって、制御部により、第1の光源からの光を照射して被検査物の第1の画像を取得した後、第2の光源からの光を照射して被検査物の第2の画像を取得するように撮像部を制御し、かつ第1の画像を用いて被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに第2の画像を用いて異常候補が異常領域であるか否か判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、表面撮像装置、表面検査装置、および表面検査方法、例えばエンジンの吸気および排気のバルブが当接するシート面のように対向する斜面を有する被検査物の表面を撮像する表面撮像装置、表面検査装置、および表面検査方法に関する。
検査装置のひとつとして、光を照射し被検査物からの反射光の光量を検出して、検出した光量に基づいて被検査物の表面の傷や欠陥等を検出する表面検査装置が知られている。
表面検査装置に関する従来技術としては、例えば特許文献1に開示された欠陥検査装置が挙げられる。特許文献1に開示された欠陥検査装置は、ワーク(被検査物)に定められた撮像ポイントに対し、同軸落射照明の光源とカメラとをその光軸をワークの法線の方向に対応させて配備し、撮像ポイントに対して限定された方位に別の光源を配備する。ワークについては、予めその配光特性により定まる正反射光の配光分布中で正反射光の強度の変化量が急峻になる範囲が特定されており、被検査面からの正反射光の進行方向のうち、配光分布中の特定された範囲にある方向がカメラの光軸に対応するように、光源の光軸方向が定められている。特許文献1では、このような構成を採用することにより、配光分布のばらつきが大きなワークを検査対象とする場合でも、被検査面の傾斜角度の変化に対する感度が高い反射光をカメラに入射させることができるので、凹凸欠陥を精度良く検出することができるとしている。
特開2008−202949号公報
ところで、表面検査装置に限らず検査装置一般においては、不良品の流出を避けるために、製品である被検査物の傷や欠陥等の異常領域を確実に検出することが基本である。しかしながら、特に被検査物の表面を検査する場合、さまざまな要因によって、被検査物の品質に対する影響がなく異常領域として検出する必要のない異物が付着する場合がある。
例えば、表面検査工程の前工程で行われた洗浄における残留洗浄液が乾燥し被検査物の表面に付着する場合である。特に光を照射し、被検査物からの反射光の光量を検出して表面を検査する表面検査装置の場合、このような付着物は一般に輝度値が低下するので異常領域として検出される可能性のある、いわば擬似的な異常領域として表面検査系に潜在する。
表面検査工程において、上記のような擬似的な異常領域を含めてすべての異常候補領域を排除してしまえば、被検査物の品質上の問題の発生は抑制されると考えられる。しかしながら、上記のような擬似的な異常領域を、本来の意味での異常領域(傷や欠陥等)とともに検出してしまうと、本来良品であるものも不良品として排除される可能性がある。そのため、被検査物の表面検査工程における歩留まりの大幅な低下をもたらす懸念もある。
この点、特許文献1に係る欠陥検査装置もワークの被検査面の凹凸欠陥を精度よく検出することを目的としているが、特許文献1に係る欠陥検査装置の照明系はあくまで平面状の被検査物を想定している。従って、シート面のように対向する斜面を有する被検査物の撮像には適用することができない。また、特許文献1に係る欠陥検査装置の照明系は、上記の擬似的な異常領域の問題に対応したものではない。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、被検査物の異常領域を漏れなく検出するとともに、異常領域の誤検出が抑制された表面撮像装置、表面検査装置、および表面撮像方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の表面撮像装置は、第1の照射角度を有するとともに、一方の斜面で反射した光の一部を他方の斜面へ入射可能な対向する斜面を有する被検査物に光を照射する第1の光源と、前記第1の照射角度よりも広い照射角度の第2の照射角度を有するとともに前記被検査物に光を照射する第2の光源と、前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記対向する各々の斜面で最初に反射された反射光、および前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記一方の斜面から前記他方の斜面に反射され前記他方の斜面でさらに反射された反射光の各々の反射光を受光することで前記被検査物を撮像する撮像部と、を含むものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の光源は、光を発生する光発生部、および前記光発生部で発生した光を前記第1の照射角度の光束に変換するレンズを備え、前記第2の光源は、前記第2の照射角度の光を発生する、リング状の発光部を有するリング照明であるものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記被検査物の前記一方の斜面および前記他方の斜面は、前記撮像部の光軸に対し略45度の角度をなす斜面であるものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記被検査物は、エンジンの吸気および排気のバルブが当接する円環状のシート面であるものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、バルブガイドに挿入される軸部と、前記軸部をバルブガイドに挿入した状態で前記シート面と前記撮像部との間の距離と同距離になるように軸部に配置され、かつ前記撮像部の撮像面側に予め定められた面積の模様が設けられた傘部と、を有する治具を用いて前記撮像部の撮像画像と実寸との対応の校正を行うものである。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の表面検査装置は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表面撮像装置と、前記第1の光源からの光を照射して前記被検査物の第1の画像を取得した後、前記第2の光源からの光を照射して前記被検査物の第2の画像を取得するように前記撮像部を制御し、かつ前記第1の画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに前記第2の画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定する制御部と、を含むものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記制御部は、前記第1の画像における輝度値の分布により前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに、前記第2の画像における前記異常候補に対応する領域の輝度値の分布により前記異常候補が異常領域であるか否か判定するものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の発明において、前記被検査物が、エンジンの吸気および排気のバルブが当接する円環状のシート面とされ、前記制御部は、円環状の前記第1の画像が矩形状の画像に変換された画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出し、円環状の前記第2の画像が矩形状の画像に変換された画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定するものである。
上記目的を達成するために、請求項9に記載の表面検査方法は、第1の照射角度を有するとともに、一方の斜面で反射した光の一部を他方の斜面へ入射可能な対向する斜面を有する被検査物に光を照射する第1の光源と、前記第1の照射角度よりも広い照射角度の第2の照射角度を有するとともに前記被検査物に光を照射する第2の光源と、前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記対向する各々の斜面で最初に反射された反射光、および前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記一方の斜面から前記他方の斜面に反射され前記他方の斜面でさらに反射された反射光の各々の反射光を受光することで前記被検査物を撮像する撮像部と、を含む表面撮像装置を用いた表面検査方法であって、制御部により、前記第1の光源からの光を照射して前記被検査物の第1の画像を取得した後、前記第2の光源からの光を照射して前記被検査物の第2の画像を取得するように前記撮像部を制御し、かつ前記第1の画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに前記第2の画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定するものである。
本発明によれば、被検査物の異常領域を漏れなく検出するとともに、異常領域の誤検出が抑制された表面撮像装置、表面検査装置、および表面撮像方法を提供することが可能となるという効果を奏する。
実施の形態に係る表面検査装置10Aの構成の一例を示す図である。 実施の形態に係る表面検査装置の制御部の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態に係る表面検査装置10Bの構成の一例を示す図である。 (a)は同軸落射照明を被検査物に照射した場合の正常領域、ワレ、およびシミにおける反射光を示す模式図、(b)は(a)に対応した輝度値を示す模式図、(c)はリング照明を被検査物に照射した場合の正常領域、ワレ、およびシミにおける反射光を示す模式図、(d)は(c)に対応した輝度値を示す模式図である。 実施の形態に係る表面検査装置による検査処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る表面検査装置による異常候補抽出処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、実施の形態に係る校正治具の平面図および側面図であり、(b)は、光軸がずれている場合の校正パターンの撮像画像の例である。 (a)は実施の形態に係る校正治具をバルブガイドに挿入する様子を示す図であり、(b)は実施の形態に係る校正治具をバルブガイドに挿入完了した状態を示す図である。
以下、図1ないし図8を参照し、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、エンジンの吸気および排気のバルブ(以下、単にバルブという。)が挿入されるエンジンシリンダヘッドに設けられた、バルブが当接するバルブシートの面(以下、「シート面22」)を被検査物とした例について説明する。また、シート面22は、内面が円錐状とされ、対向する斜面を有する形状の被検査物の一例である。
本実施の形態に係る表面検査装置は、表面検査装置10Aおよび表面検査装置10B(以下、総称する場合は「表面検査装置10」という)の2種の表面検査装置を含んで構成され、本実施の形態に係る表面検査方法では、表面検査装置10Aを用いた検査、および表面検査装置10Bを用いた検査の2段階の検査から構成されている。表面検査装置10Aと表面検査装置10Bとは撮像に用いる照明系が異なり、各々照明系が異なる表面撮像装置20A、表面撮像装置20B(以下、総称する場合は「表面撮像装置20」)を搭載している。表面検査装置10Aと表面検査装置10Bとは別の装置として構成してもよいし、1つの装置に2種の照明系を搭載させた一体型として構成してもよい。図1は本実施の形態に係る表面撮像装置20Aを含む表面検査装置10Aの概略構成を示す図であり、図3は本実施の形態に係る表面撮像装置20Bを含む表面検査装置10Bの概略構成を示す図である。
図1に示すように、表面検査装置10Aは、撮像部としてのカメラ12と、光源14A、レンズ16、および導光部としてのハーフミラー18を有する照明部50Aと、表面検査装置10Aの全体を制御する制御部24とを備えている。カメラ12、および照明部50Aを含んで表面検査装置10Aの表面撮像装置20Aが構成されている。
カメラ12は、エンジンの吸気および排気のバルブが当接するシート面22を被検査物として撮像する。シート面22は、一方から他方に向かって径が徐々に小さくなる円錐状に形成された面とされており、カメラ12は、シート面22の一方側から撮像するようになっている。また、カメラ12は、結像レンズ11によりシート面に焦点をあわせた画像を撮像する。
なお、本実施の形態では、被検査物としてのシート面22は、一例としてバルブの移動方向と直交する面に対して45度の斜面を有している。また、以下の説明では、バルブの移動方向を垂直方向、バルブの移動方向と直交する面を水平面として説明する。
照明部50Aを構成する光源14Aは被検査物としてのシート面22を照射する第1照明光(以下、「同軸落射照明」という場合がある)の発生源である。光源14Aの形態は特に限定されないが、本実施の形態ではLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いたスポット光源とされている。ハーフミラー18は、カメラ12とシート面22との間に設けられている。図1に示すように、光源14Aから照射された光はレンズ16を介してハーフミラー18に照射され、ハーフミラー18によって反射されて被検査物のシート面22に照射される。このとき、レンズ16は、シート面22に対して一定の広がり角度を有するもった第1照明光を照射するように光を集光する。すなわち第1照明光は、複数の照射角度の光線の集合である。
光源14Aからシート面22に照射された光はシート面22で垂直方向に反射され、ハーフミラー18を透過してカメラ12に入射される。このカメラ12に入射した光によってシート面22が撮像され、後述の画像Aが取得される。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る制御部24について説明する。図2は、本実施の形態に係る表面検査装置10Aの制御部24の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部24は、CPU24A、ROM24B、RAM24C、およびI/O(入出力インターフェース)24Dがバス24Eに接続されたコンピュータで構成されている。
I/O24Dには、カメラ12および照明部50A(図2では、後述の照明部50Bと併せて「照明部50」として図示されている)が接続されており、制御部24の制御により照明部50Aが発光され、カメラ12による撮像が行われる。
ROM24Bは、表面検査装置10Aの全体を統括制御するためのプログラム、あるいはシート面22を撮像して撮像結果に基づいてシート面の表面の欠陥を検出するためのプログラムである検査処理プログラム等を記憶する記憶媒体である。RAM24Cは、CPU24AがROM24Bに記憶された検査処理プログラム等を展開して実行するための領域である。
次に、図3を参照して表面検査装置10Bについて説明する。図3に示すように、表面検査装置10Bは、撮像部としてのカメラ12と、光源14Bを有する照明部50Bと、表面検査装置10Bの全体を制御する制御部24とを備えている。カメラ12、および照明部50Bを含んで表面検査装置10Bの表面撮像装置20Bが構成されている。
カメラ12、制御部24の機能は上記の表面検査装置10Aと同様なので、同様の構成に同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
照明部50Bを構成する光源14Bは被検査物としてのシート面22を照明する第2照明光の発生源である。本実施の形態に係る第2照明光は、上記照明部50Aによる第1照明光と比較して広い照射角度を有している。光源14Bの形態は特に限定されないが、本実施の形態ではLEDを用いたリング状の発光部を有する光源とされている。すなわち、光源14Bは、カメラ12の光軸Cを内部に含むリング形状を有している。図3に示すように、光源14Bから照射された光は直接被検査物であるシート面22に照射される。図3に示すように、第2照明光は第1照明光と比較して、さらに広い照射角度の光線の集合である。
光源14Bからシート面22に照射された光は、シート面22で垂直方向に反射されてカメラ12に入射されることにより、カメラ12でシート面22が撮像され、後述の画像Bが取得される。
ここで、本実施の形態に係る表面検査装置10で想定している異常領域(欠陥箇所)について説明する。表面検査装置10の被検査物、特にシート面22のような被検査物の異常領域の態様としては、ピンホールやワレ(クラック)が代表的な態様である。この点、同軸落射照明を採用した表面検査装置10Aは、外乱光の影響に強く、シート面22上に発生するピンホールやワレなどの異常を感度良く捉えることができる光学系である。
また、同軸落射照明光の被検査物への入射光の広がり角が比較的小さく抑えられていることから、形状による照明の反射方向の変化によりピンホールやワレなど大きな形状変化からワレの周縁部のような微細な形状変化まで感度良く捉えることができる。さらに、金属反射面のような平滑面とは異なる散乱面についても、カメラ12の方向への反射光強度を低下させることにより、撮像された画像においてピンホールやワレなどの異常領域の明るさ(輝度)と正常部との明るさに差を生じさせている。以上のように、表面検査装置10Aは、ピンホールやワレなどの異常領域の特定に好適に用いることができる。
表面検査装置10Aでは、上述したように、被検査物であるシート面22に対して光源14A、レンズ16、およびハーフミラー18を用いて同軸落射照明を行っている。シート面22に上方から照射された照明は45°の角度を持つシート面22で反対側のシート面22へと反射され、さらにそのシート面22で上方へと反射されてカメラ12の撮像素子へと入射する。この際、シート面22の正常な面は上記反射により明るく撮像される一方、ピンホールやワレなどの異常領域では、照明光の一部がカメラ12へ反射されないので相対的に暗く撮像される。撮像された画像から輝度の情報を画像処理することにより、異常領域が検出される。
しかしながら、表面検査装置10Aを用いた場合でも、本来異常として検出する必要のないシミを異常として誤検出してしまうことである。すなわち、バルブ等の生産工程では、シート面22の検査工程の前工程として、加工により生じた切粉などを洗浄して洗い流す洗浄工程が設けられる場合がある。この洗浄工程では、洗浄液を用いて加工により生じた切粉などを洗い流した後に、洗浄液を温風により吹き飛ばしている。この吹き飛ばしにより大部分の洗浄液は取り除かれるが、取り除けなかった洗浄液がシート面22上に残留する場合がある。この残留した洗浄液が乾燥すると、不揮発性の成分が粉状に付着してシミとなる。このシミは、シート面22の品質に影響しないため異常として検出する必要はない。ところが、このシミの部分では照射光が散乱されるため、照射した照明光がカメラ12に入射される割合が減少し、正常面に比べて暗く撮像され異常領域として認識される場合がある。シミを異常領域として検出する誤検出は生産の効率を低下させる原因となるため、極力減らすことが求められる。
そこで、表面検査装置10Aによってシート面22に形成された異常領域(ワレ)とシミ部分を実際に撮像し、取得した画像Aについて検討した。その結果、表面検査装置10Aによれば、異常領域は正常領域と比較して暗く撮像されるので、例えば画像Aにおける輝度値により両者を明瞭に区別することができることを改めて確認した。一方、表面検査装置10Aによると、シミも正常領域と比較して暗く撮像される場合が多いことが判明した。上述したように、シミは洗浄液が取り除かれずに乾いた後の乾燥した付着物が暗く撮像されたものであり、異常領域ではない。表面検査装置10Aを用いた輝度値に基づく検査アルゴリズムでは、このシミをワレ等の異常領域として誤検出する懸念がある。
上記の誤検出を抑制するために、本実施の形態に係る表面検査方法では、以下の手順を採用している。すなわち、まず、照明部50Aを搭載した表面検査装置10Aによる撮像を実行し、その結果取得された画像Aにより、ピンホールやワレに加えてシミも含めた異常候補を抽出する。上述したように、同軸落射照明である照明部50Aは比較的照射広がり角の小さい照明光を被検査物に照射するので、シミも含めた異常候補を漏れなく検出することができる。
次に、照明部50Bを搭載した表面検査装置10Bによる撮像を実行しその結果取得された画像Bにより、画像Aにおいて抽出された異常候補の各々が、本来の意味での異常領域であるか単なるシミであるかを峻別する。上述したように、照明部50Bは比較的照射広がり角の大きい照明光を被検査物に照射するので、異常領域(ワレ等)とシミとを精度良く区別することが可能である。
表面検査装置10Bによるリング照明は、同軸落射照明に比べて照射広がり角度が大きい照明であるが、このリング照明による照明光も同軸落射照明と同様にシート面22の対向する面において2回の反射を繰り返した後カメラ12へ到達する光路を有する。リング照明を用いた場合、ピンホールやワレなどの大きな形状変化を有する領域は同軸落射照明と同様に反射光がカメラ12へ戻らず暗く撮像される。一方、形状変化が小さいワレの周縁部等は、照射角度の広い照明による反射光がカメラ12へ入射するので、正常領域と同様に明るく撮像される。入射した照明光に対して散乱面となるシミ部分でも、複数方向からの入射光の散乱成分が重畳され、カメラ12へ戻る光量が増える。つまり、同軸落射照明に比べてシミ部分が明るく(輝度値が高く)撮像される。その結果、シミ部分の輝度値が正常な領域の輝度値に近づくので、シミ部分を正常な領域と判定しやすくなる。以上の原理により、シミに対してピンホールやワレとの区別が可能な輝度値を持つ画像が撮像される。
以下、図4を参照して、同軸落射照明による被検査物表面における反射と、リング照明による被検査物表面における反射の相違について説明する。図4(a)は同軸落射照明を被検査物に照射した場合の正常領域、ワレ部分およびシミ部分における反射光を示す模式図、図4(b)は図4(a)に対応した輝度値を示す模式図、図4(c)はリング照明を被検査物に照射した場合の正常領域、ワレ部分およびシミ部分における反射光を示す模式図、図4(d)は図4(c)に対応した輝度値を示す模式図である。
図4では、被検査物として金属面を想定しており、抽出対象として正常部と対比したワレ、および残留洗浄液によるシミを想定している。図4(a)に示すように、正常領域に同軸落射照明を照射すると、正常領域では上方からの入射光がカメラ12の方向へ正反射されるので、明るく撮像され輝度値も高くなる。ワレ部分ではカメラ12の方向へ反射される照射光はほとんどなく低い輝度値で撮像される。シミ部分ではシミによる照射光の散乱が発生するため、大部分の反射光がカメラ12の方向に向かわず一部の照射光がカメラ12の方向へ反射される。
シミ部分で照射光が散乱される理由は、シミの原因である乾燥した洗浄液成分の粒子サイズが光の波長程度の大きさを持つためと推察される。カメラ12で撮像された画像の明るさは散乱度合いにより異なり、散乱度合いは残った洗浄液の種類や厚み等によって異なると考えられる。つまり、カメラ12で撮像された画像の明るさは、洗浄液の種類や厚みを反映していると考えられる。
以上を勘案して正常領域、ワレ、およびシミの各部分の相対的な輝度値の違いを模式的に示したのが図4(b)である。図4(b)に示すように、ワレ、シミはともに輝度値が低下しており、これら相互の判別が困難となる場合も想定される。
これに対して、リング照明のように広がり角度が大きい照明の場合、図4(c)に示すように、正常領域では異なる方向からの入射光がそれぞれ正反射され、一部がカメラ12の方向に反射される。ワレ部分では同軸落射照明と同様にカメラ12の方向へ反射される光はほとんどない。シミ部分では、異なる方向から入射した光のそれぞれが散乱され、それぞれの散乱成分のうちカメラ12の方向へ散乱された光が画像として撮像される。つまり、同軸落射照明による照射光と比較して、リング照明による照射光ではさらに広い広がり角をもっているため、カメラ12の方向に反射される散乱光の成分が相対的に多くなる。
図4(b)に示す各部分の輝度値と、図4(d)に示す各部分の輝度値とを比較すると、図4(b)に示す同軸落射照明では、シミ部分の輝度値がワレ部分の輝度値に近い値となっているが、図4(d)に示すリング照明では、シミ部分の輝度値が正常領域に近い輝度値へと変化していることがわかる。本実施の形態に係る表面検査方法では、この輝度値の変化を画像の特徴量として用いることにより、シミをワレ等の異常領域から区別して検出している。
実際、本実施の形態に係る表面検査装置10でワレおよびシミを発生させたシート面22を撮像した画像、つまり、表面検査装置10Aによるワレの画像、表面検査装置10Bによる同じワレの画像、および表面検査装置10Aによるシミの画像、表面検査装置10Bによる同じシミの画像を比較検討した結果、以下の知見を得た。
すなわち、表面検査装置10Aによるワレの画像と表面検査装置10Bによるワレの画像とを比較した結果、表面検査装置10A(同軸落射照明)による撮像画像においても、表面検査装置10B(リング照明)による撮像画像においても、ワレ部分は正常領域と比較して暗く、輝度値が低下することが確認された。従って、ワレは表面検査装置10Aによっても、表面検査装置10Bによっても識別することができる。
一方、表面検査装置10A(同軸落射照明)によるシミの撮像画像においては、上述したように、シミ部分が暗く輝度値が低下することが確認された。これに対し、表面検査装置10B(リング照明)によるシミの撮像画像においては、シミ部分で周縁部、内側ともに明るく撮像されており、シミ部分の輝度値とシート面22の正常領域の輝度値との差が小さくなることが確認された。従って、表面検査装置10Aによる撮像画像では正常領域との輝度値の差が大きいために、シミ部分が異常領域と誤判定される懸念があったが、表面検査装置10Bによる撮像画像では輝度値が正常領域に近づくためにシミ部分が正常領域と判断され、誤判定がなくなる可能性が極めて高くなることが確認された。
上記の検討によれば、表面検査装置10Bによってシート面22を撮像し、得られたシート面22の画像に対し輝度値を用いた画像処理を行って特徴量を抽出し、該特徴量に基づく判定を行うことにより、ピンホールやワレの異常領域をシミと区別して検出することが可能であるともいえる。しかしながら、上記の検討によれば、表面検査装置10B(リング照明)で撮像されたワレの画像は、表面検査装置10A(同軸落射照明)で撮像されたワレの画像に比べて周縁部の輝度値が上がり、異常領域として判定するのに十分な程度に輝度値の低下が得られない可能性も排除できない。この場合、表面検査工程において欠陥のあるシート面22が見逃されることになるので、何らかの対応が必要である。
そこで、本実施の形態に係る表面検査方法では2段階の検査工程を採用している。すなわち、まず表面検査装置10Aによる表面検査を行い、異常の可能性のある部分(異常候補)を漏れなく抽出する。この異常候補の抽出は、シミの少なくとも一部が混入することを許容する一方、異常領域(ワレ等)は極力漏らさず抽出する。次に、表面検査装置10Bによる表面検査を行い、本来の意味での異常領域を残しつつ異常候補からシミを排除する。以上の本実施の形態に係る表面検査方法によれば、被検査物の異常領域を漏れなく検出するとともに、異常領域の誤検出が抑制された表面撮像装置、表面検査装置、および表面撮像方法が提供される。
次に、図5および図6を参照して、本実施の形態に係る検査処理について説明する。図5は、本実施の形態に係る検査処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、図6は、本実施の形態に係る検査処理における画像Aの解析処理(異常候補抽出処理)プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図5および図6に示す処理は、ユーザにより実行開始の指示がなされると、CPU24AがROM24B等の記憶手段から本検査処理プログラムを読み込み、RAM24C等に展開し実行する。なお、本実施の形態では、異常候補抽出処理プログラムを検査処理プログラムのサブルーチンとして記述しているが、これに限られず、一連のプログラムとして記述してもよい。
なお、本実施の形態では、本検査処理プログラムをROM24B等に予め記憶させておく形態を例示して説明する。しかしながら、これに限られず、本検査処理プログラムがコンピュータにより読み取り可能な可搬型の記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。また、本実施の形態では、制御部24が実行する本検査処理を、コンピュータがプログラムを実行することにより行うソフトウエア処理として説明するが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエアで行う処理としてもよい。あるいは、ソフトウエアおよびハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。
図5を参照して、まずステップS100で表面検査装置10Aによる撮像を実行する。
すなわち、制御部24が照明部50Aおよびカメラ12を制御してシート面22を撮像し、画像Aを取得する。より具体的には、光源14Aから出射された第1照明光がハーフミラー18によって反射され、シート面22に照射される。シート面22に照射された第1照明光はレンズ16によって多方向の光線を含む照射光とされているため、図1に示すように、各方向に反射され、一部はハーフミラー18の方向へ反射されてハーフミラー18を介してカメラ12に入射される。画像Aは、シート面22の形状を反映して円環状に撮像される(以下、「円環画像」)。
次のステップS102では、異常候補抽出処理を実行する。本実施の形態に係る異常候補抽出処理は、画像Aを解析してシート面22における異常候補を抽出する処理である。
図6を参照して、異常候補抽出処理について説明する。
まず、ステップS200で、画像変換、すなわち円環画像である画像Aを矩形状の画像(以下、「矩形画像」)に変換する。シート面22の加工時の切削痕は、シート面の円周に沿った方向に発生するが、シート面22の画像を矩形状にすることにより、切削痕を直線に変換してノイズとして除去し易くすることができる。また、矩形状にすることにより、以降の画像処理の対象部分を絞ることができる。むろん、円環画像のままでも以降の処理は可能であり、この場合は本ステップを省略する。
次のステップS202では、矩形画像に対してノイズの除去処理を行う。ノイズ除去は、例えば、縦長の1×5移動平均フィルタ(シート面22の円周方向に対して直交する方向に長い移動平均フィルタ)を用いて切削痕による影響をノイズとして除去する。なお、ノイズ除去を行う画像処理は周知の技術を適用可能であり、また移動平均フィルタ以外の画像処理によってノイズを除去してもよい。
次のステップS204では、ノイズの除去された矩形画像に対して、シェーディング補正を行う。このシェーディング補正により、シート面22の円周方向の輝度ムラが補正される。例えば、211×9(超横長)メジアンフィルタ(シート面22の円周方向に長いメジアンフィルタ)を用いてシェーディング補正を行う。この輝度ムラの補正により、ピンホールやクラック等の欠陥部分を画像上で鮮明にすることができる。なお、シェーディング補正は周知の技術を適用可能であり、またメジアンフィルタを用いる画像処理ではなく他のフィルタ等を用いた画像処理を適用してもよい。
次のステップS206では、シェーディング補正が行われた矩形画像に対して異常候補の抽出処理を行う。異常候補の抽出は、例えば、画像情報の画素値(輝度値)に対する予め定めた閾値を用いて異常領域の有無や大きさ等を判定し、異常領域があるか否かを判定して行う。その後、検査処理プログラムのステップS104に戻る。
ステップS104では、上記の異常候補抽出処理の結果、異常候補が抽出されたか否か(異常候補があるか否か)について判定する。当該判定が肯定判定となった場合にはステップS106に移行する一方、否定判定となった場合にはステップS110に移行し、「異常候補なし」の検査結果を出力して、本検査処理プログラムを終了する。
ステップS106では、表面検査装置10Bによる撮像を実行する。すなわち、制御部24が照明部50Bおよびカメラ12を制御してシート面22を撮像し、画像Bを取得する。より具体的には、光源14Bから出射された第2照明光がシート面22に照射される。シート面22に照射された第2照明光は第1照明光より大きな照射広がり角とされているため、図3に示すように第1照明光よりも広い範囲に反射され、一部がカメラ12に入射される。画像Bは、シート面22の形状を反映して円環画像となっている。
次のステップS108では、画像Bによる判定を行う。本実施の形態に係る画像Bによる判定は、ステップS102で抽出された異常候補が本来の意味の異常領域であるか、それともシミのような擬似的な異常領域(擬似異常領域)であるかの判定である。換言すれば、ステップS108における画像Bによる判定は、異常候補についてのみ実行する。この異常領域か擬似異常領域であるかの判定は、図4で説明したように、例えばワレの輝度値とシミの輝度値とを判別する輝度値の閾値を予め設定しておき、閾値に対する大小関係から判別してもよい。画像Bによる判定後、さらに画像Bによる判定結果と画像Aによる判定結果との論理積を演算してもよい。このことにより、異常領域か否かの判断がより確実になる。
次のステップS110では、検査の結果、すなわち最終的に異常領域が存在するか否か、存在するとすればどの異常候補の位置なのかを示す情報を出力し、本検査処理プログラムを終了する。
なお、上記の検査処理において、表面撮像装置20Aおよび表面撮像装置20Bと被検査物(例えば、シート面22)との相対的な位置は固定されている。このため、画像Aと画像Bとの間に位置のずれはないので、画像Aで抽出された異常候補の画像中の位置情報を画像Bの解析でもそのまま用いることができる。このことにより検査時間の短縮効果も期待される。
<表面検査装置の校正>
次に、図7および図8を参照して、上述した本実施の形態に係る表面検査装置10(表面検査装置10A、表面検査装置10B)の校正(キャリブレーション)について説明する。表面検査装置10を用いた表面検査では、表面検査装置10A、あるいは表面検査装置10Bで撮像された画像A、あるいは画像Bにおける高精度な寸法計測が要求される場合がある。高精度な寸法計測を実現するためには、表面検査の対象である被検査物(例えばシート面22)とカメラ12とを配置した状態において、シート面22におけるカメラ画素分解能(1画素と実際の寸法との対応)を正しく校正しておく必要がある。そのため、本実施の形態では寸法校正のための治具(以下、「校正治具」)を用いている。なお、本実施の形態に係る校正治具は、表面検査装置10Aと10Bとで共通に用いられる。
高精度の寸法計測の前提として、バルブシートの当たり部分(シート面22)の円盤とカメラ12の光軸とが垂直となり、カメラ12とバルブシートとが正対して撮像されるように位置決めすることが重要である。通常被検査物には基準となる位置決め用の穴が設けられ、高い寸法精度での加工が施されているが、カメラ12の取り付けのネジの遊び等のために機械的な位置決めだけでは精度よく位置決めを行うことが困難な場合もある。そのため、カメラ12の設置後の撮像画像を用いた高精度な位置決め、および高精度な寸法校正が求められる。
本実施の形態に係るシート面22の高さにおけるカメラ12の画素分解能の校正では、カメラ12側の面に寸法が既知の直径の同心円が描画された校正パターン(模様)CPを備えた校正治具30を用いている。校正治具30をシート面22の高さにカメラ12と対向して配置し、カメラ12によって該校正パターンCPを撮像し、取得した撮像画像の画素数から画素分解能を校正する。なお、本実施の形態では同心円状の校正パターンCPを例示して説明するが、これに限られず、矩形等の校正パターンとしてもよい。
校正治具30は、エンジンヘッドのバルブガイドの加工精度が高いことを利用して、このバルブガイドに挿通される軸部34と、校正治具30の設置状態において、バルブガイドから予め定められた間隔だけ離間した位置に加工されるシート面22の位置に配置される円盤(傘部32)とを備えている。傘部32のカメラ12側の面が上記校正パターンCPとされている。さらに、校正治具30には軸部34が傘部32を突き抜けた位置に光軸調整用の突出部33が設けられている。そして、カメラ12の位置決めを行う際には、カメラ12による撮像画像において、突出部33の先端と傘部32の同心円の中心とが一致するようにカメラ12の光軸を調整することで、カメラ12を正対して位置決めすることが可能となる。
図7(a)は被検査物をシート面22とした場合の校正治具30の一例を示す平面図(上側の図)および側面図(下側の図)であり、図7(b)は校正治具30を表面検査装置10にセットした状態において表面撮像装置20と校正治具30との光軸がずれている場合の校正パターンCPの撮像画像の一例である。また、図8(a)は校正治具30をエンジンシリンダヘッドのバルブガイド38に挿入する際の途中の状態を示した図であり、図8(b)は校正治具30のバルブガイド38への挿入が完了した状態を示した図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態に係る校正治具30はバルブに類似する形状とされ、傘部32、軸部34、突出部33および段差部36を備えている。図7(a)の平面図に示すように、傘部32の撮像面側には、同心円状にレーザマーキングが施された校正パターンCPが備えられている。該同心円の寸法(直径)は既知であり、カメラ12による撮像画像において、該同心円に含まれる画素数を予め定めておいた基準値と比較して、画素分解能を校正する。また、傘部32の直径はシート面22の直径よりも小さくされており、カメラ12による撮像時にシート面22の全面が撮像可能な大きさとされている。
軸部34には段差部36が設けられており、傘部32に近い方の径が太く、傘部32から遠い方の径が細い、異なる径の軸を有する。本実施の形態では、校正治具30をバルブガイド38に挿入したときに、段差部36がバルブガイド38の端部(ステムシールが打ち込まれるエンジンシリンダヘッドに加工された円ボスの端部)40に当接するようになっている。また、軸部34の段差部36がバルブガイド38の端部40に当接した状態で、傘部32の撮像面側とシート面22の中央位置(図8(b)に示す一点鎖線)との高さが一致するようになっている。すなわち、校正治具30は、軸部34をバルブガイド38に挿入して段差部36がバルブガイド38の端部40に当接した状態で、傘部32の撮像面側とカメラ12との間の距離と、シート面22の中心位置とカメラ12との間の距離とが等しくなる。
一方、本実施の形態では突出部33を用いてカメラ12の光軸調整を行う。図7(b)は、傘部32に描画された同心円(校正パターンCP)の撮像画像の一例を示している。
図7(b)に示すように、突出部33のカメラ12側の先端には十字線が設けられており、この十字線と校正パターンCPの中心とが一致するようにカメラ12の光軸を調整することで、カメラ12を正対して位置決めする、すなわちカメラ12の光軸の適正化が可能となる。
ここで、本実施の形態では、校正治具30をバルブガイド38に挿入したときに、段差部36がバルブガイド38の端部40に当接して、傘部32の撮像面側とシート面22の中央位置との高さを一致させる構成としたが、これに限られない。例えば、傘部32がシート面22の中央位置に当接する直径に設定して、傘部32とシート面22を当接することで、段差部36を設けることなく、傘部32の撮像面側とシート面22の中央位置との高さを一致させてもよい。
なお、上記の実施の形態では、被検査物としてエンジンシリンダヘッドに設けられたシート面22を一例として挙げて説明したが、被検査物はこれに限るものではない。被検査物としては、対向する面が斜面とされて一方の斜面で反射した光が他方の斜面へ入射可能な斜面を有するものであればよい。
また、上記の実施の形態において、カメラ12の位置と照明部50の位置との関係は、高さ方向(図1、図3において紙面上下方向)で逆の位置関係となるようにしても上記の実施の形態と同様の作用を得ることができる。
また、上記の実施の形態の表面撮像装置20Aでは、ハーフミラー18を備えた構成としたが、これに限るものではない。例えば、ハーフミラー18の代わりにビームスプリッタを適用してもよい。
10、10A、10B 表面検査装置
11 結像レンズ
12 カメラ
14A、14B 光源
16 レンズ
18 ハーフミラー
20、20A、20B 表面撮像装置
22 シート面
24 制御部
24A CPU
24B ROM
24C RAM
24D I/O
30 校正治具
32 傘部
33 突出部
34 軸部
36 段差部
38 バルブガイド
40 端部
50A、50B 照明部
CP パターン

Claims (9)

  1. 第1の照射角度を有するとともに、一方の斜面で反射した光の一部を他方の斜面へ入射可能な対向する斜面を有する被検査物に光を照射する第1の光源と、
    前記第1の照射角度よりも広い照射角度の第2の照射角度を有するとともに前記被検査物に光を照射する第2の光源と、
    前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記対向する各々の斜面で最初に反射された反射光、および前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記一方の斜面から前記他方の斜面に反射され前記他方の斜面でさらに反射された反射光の各々の反射光を受光することで前記被検査物を撮像する撮像部と、
    を含む表面撮像装置。
  2. 前記第1の光源は、光を発生する光発生部、および前記光発生部で発生した光を前記第1の照射角度の光束に変換するレンズを備え、
    前記第2の光源は、前記第2の照射角度の光を発生する、リング状の発光部を有するリング照明である
    請求項1に記載の表面撮像装置。
  3. 前記被検査物の前記一方の斜面および前記他方の斜面は、前記撮像部の光軸に対し略45度の角度をなす斜面である
    請求項1または請求項2に記載の表面撮像装置。
  4. 前記被検査物は、エンジンの吸気および排気のバルブが当接する円環状のシート面である
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表面撮像装置。
  5. バルブガイドに挿入される軸部と、前記軸部をバルブガイドに挿入した状態で前記シート面と前記撮像部との間の距離と同距離になるように軸部に配置され、かつ前記撮像部の撮像面側に予め定められた面積の模様が設けられた傘部と、を有する治具を用いて前記撮像部の撮像画像と実寸との対応の校正を行う
    請求項4に記載の表面撮像装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表面撮像装置と、
    前記第1の光源からの光を照射して前記被検査物の第1の画像を取得した後、前記第2の光源からの光を照射して前記被検査物の第2の画像を取得するように前記撮像部を制御し、かつ前記第1の画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに前記第2の画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定する制御部と、
    を含む表面検査装置。
  7. 前記制御部は、前記第1の画像における輝度値の分布により前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに、前記第2の画像における前記異常候補に対応する領域の輝度値の分布により前記異常候補が異常領域であるか否か判定する
    請求項6に記載の表面検査装置。
  8. 前記被検査物が、エンジンの吸気および排気のバルブが当接する円環状のシート面とされ、
    前記制御部は、円環状の前記第1の画像が矩形状の画像に変換された画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出し、円環状の前記第2の画像が矩形状の画像に変換された画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定する
    請求項6または請求項7に記載の表面検査装置。
  9. 第1の照射角度を有するとともに、一方の斜面で反射した光の一部を他方の斜面へ入射可能な対向する斜面を有する被検査物に光を照射する第1の光源と、前記第1の照射角度よりも広い照射角度の第2の照射角度を有するとともに前記被検査物に光を照射する第2の光源と、前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記対向する各々の斜面で最初に反射された反射光、および前記第1の光源および前記第2の光源の各々から照射されて前記一方の斜面から前記他方の斜面に反射され前記他方の斜面でさらに反射された反射光の各々の反射光を受光することで前記被検査物を撮像する撮像部と、を含む表面撮像装置を用いた表面検査方法であって、
    制御部により、
    前記第1の光源からの光を照射して前記被検査物の第1の画像を取得した後、前記第2の光源からの光を照射して前記被検査物の第2の画像を取得するように前記撮像部を制御し、かつ前記第1の画像を用いて前記被検査物の表面の異常候補を抽出するとともに前記第2の画像を用いて前記異常候補が異常領域であるか否か判定する
    表面検査方法。
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