JP2012002605A - 溶接表面の欠陥検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接部表面の溶接欠陥を短時間かつ定量的に検査可能である溶接表面の欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】被検査物であるワーク1の溶接部6表面に発生した溶接欠陥2を検査するための溶接表面の欠陥検査方法であって、画像撮像手段であるカメラ3により前記ワーク1の溶接部6表面の画像を撮像し、当該撮像された画像の濃淡判別を行って、前記溶接部6表面における溶接欠陥2の位置を検出する溶接欠陥検出工程と、前記溶接部6表面の同一位置にある溶接欠陥2に対して複数のレーザ変位計4a、4bを用いて変位量を測定する変位量測定工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検査物の溶接部表面に発生した溶接欠陥を検査するための溶接表面の欠陥検査方法に関する。
レーザによる距離測定手段を用いて溶接時に発生する溶接欠陥を検出する技術は公知となっている。例えば、特許文献1には、被溶接材の溶接加工において、溶接時に発生する溶接欠陥を検出するために、スポット走査方式のレーザスキャナ装置を用いて、これを揺動させることにより1ラインの取り込みを行い、かつ溶接線に沿って進行させることにより座標データを取り込み、かつ測定用レーザの反射光量の減衰や測定エラーをも考慮することにより、溶接ビードの形状及び溶接欠陥を高精度に計測するための検査方法が記載されている。
また、従来から行われている溶接欠陥の深さ(窪み量)を検査・測定する方法としては、目視で溶接部の凹凸の有無を判断し、溶接部に凹凸がある場合に凹凸箇所の断面カットを行って直接凹凸の深さを測定する破壊検査による方法がある。
また、カメラを用いた溶接欠陥の検査方法としては、図25に示すようにワーク1の溶接部6を照明で照らしてカメラ3により撮像し、当該カメラ撮像画像の濃淡判別を行うことによって溶接欠陥2の有無を判断する検査方法などがある。
特開2005−14026号公報
特許文献1のようにレーザによる距離測定手段を用いれば溶接部6表面の溶接欠陥2の凹凸量を定量的に測定することは可能である(図27参照)。しかし、レーザによる距離測定手段(レーザ変位計等)による溶接欠陥のレーザ変位測定においては、測定処理速度が遅いため、正確に測定するためには時間を要し、高速で測定することができない。このため、大きな範囲を検査する場合や、ラインタクトが早い場合でのインライン検査には不向きである(図24に示す「方法:レーザ変位計のみ」部分参照)。また、検査部分(溶接部)の表面粗さや欠陥形状によりレーザの反射角度が不安定になるため、時々イレギュラー値が発生し正確に変位量を測ることが出来ない場合がある(図23(a)(b)及び図28に示すイレギュラー値a、b、cを有する測定結果参照)。
また、上記破壊検査による方法の場合も、被検査物の破壊を伴う検査であるという性質上、非常に検査時間がかかるとともに、被検査物は検査後廃棄することになるため、インラインでは使えない。
一方、カメラ画像による溶接欠陥の検査方法は、所定のエリア内においてイレギュラーに発生する溶接欠陥を高速で判別可能であり、広範囲かつ高速で処理出来る利点があるが(図26参照)、その反面、デメリットとして光源の明るさのバラツキや周囲環境などの影響により溶接欠陥の凹凸量(変位距離)を定量的かつ正確に測ることが出来ない。また、カメラ画像検査で判別できる限度は、凹凸があるか無いかとその凹凸レベルの強弱のみであり、溶接欠陥の凹凸量(窪み量)を定量的に測定することが出来ない。
以上のように、従来の溶接欠陥の検査方法においては溶接欠陥部分(窪み量)を高速、かつ定量的に測定することができない。
また、溶接欠陥を検査・測定する機器を専用に開発すると非常に高価なシステムとなり汎用性が無くなる。
そこで、本発明は、溶接部表面の溶接欠陥を短時間かつ定量的に検査可能である溶接表面の欠陥検査方法を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
被検査物の溶接部表面に発生した溶接欠陥を検査するための溶接表面の欠陥検査方法であって、
画像撮像手段により前記被検査物の溶接部表面の画像を撮像し、当該撮像された画像の濃淡判別を行って、前記溶接部表面における溶接欠陥の位置を検出する溶接欠陥検出工程と、
前記溶接部表面の所定位置にある溶接欠陥に対して複数のレーザ変位計を用いて変位量を測定する変位量測定工程と、
を有するものである。
請求項2においては、
前記変位量測定工程は、前記複数のレーザ変位計を用いて測定された前記溶接部表面の同一位置にある溶接欠陥の各測定値を同期させ、同期後の測定値を平滑化する工程を有するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、画像撮像手段により撮像した画像の濃淡判別により溶接欠陥の位置を検出し、当該溶接欠陥をレーザ変位計で計測することで、検出速度が向上する。
請求項2においては、複数のレーザ変位計を用いて測定された溶接部表面の同一位置にある溶接欠陥の各測定値を同期させ、同期した後の測定値を平滑化することで、検出精度が向上する。
本発明の一実施形態に係る溶接欠陥検査システムの全体構成を示す模式図。 溶接欠陥検査時におけるカメラ及びレーザ変位計の配置構成を示す模式図。 図2におけるA−A矢視断面図。 図2におけるB−B矢視断面図。 カメラによる撮像画像とその測定概要を示す図。 レーザ変位計による測定を示す概略図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 レーザ変位計の測定結果例と処理ステップを示す図。 カメラ撮像による濃淡判別の原理を示す説明図であり、(a)は溶接部が平らな状態であるときの入射光の反射状態を示す図、(b)は(a)におけるD矢視図。 カメラ撮像による濃淡判別の原理を示す説明図であり、(a)は溶接部が凹んだ状態であるときの入射光の反射状態を示す図、(b)は(a)におけるE矢視図。 カメラ撮像による濃淡判別の原理を示す説明図であり、(a)は溶接部が凹んだ状態であるときの入射光の反射状態を示す図、(b)は(a)におけるF矢視図。 カメラ撮像による濃淡判別の原理を示す説明図であり、(a)は溶接部が凹んだ状態であるときの入射光の反射状態を示す図、(b)は(a)におけるG矢視図。 溶接部における溶接欠陥例を示す断面図であり、(a)は理想的な溶接部を示す断面図、(b)はアンダーフィルが生じた溶接部を示す断面図、(b)はスパッタが生じた溶接部を示す断面図。 正常時の溶接部表面のカメラ撮像の実例を示す図。 溶接欠陥(アンダーフィル)の溶接表面のカメラ撮像の実例を示す図。 図19におけるC−C矢視断面図。 溶接欠陥(アンダーフィル)の深さ程度レベル違いによる濃淡違いの実例を示す図。 レーザ変位計による深さの実測結果例を示す図。 レーザ変位計による深さの実測結果例(3D表示画像)を示す図であり、(a)は溶接欠陥を有する溶接部の実測結果例1を示す図、(b)は溶接欠陥を有する溶接部の実測結果例2を示す図。 従来法と本発明との性能比較を示す図。 カメラ撮像・画像処理による検査を示す概要図。 カメラ撮像・画像処理による検査における撮像画像例を示す図。 レーザ変位計による検査を示す概要図。 イレギュラー値を有するレーザ変位計による測定結果の例を示す図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る溶接欠陥検査システムは、例えば、電池の精密溶接後の溶接部における溶接欠陥検査において適用可能である。具体的には、本実施形態に係る溶接欠陥検査システムにおいては、レーザ溶接された電池の筐体を被検査物(以下、ワーク1という)とするものであり、溶接欠陥2としてワーク1の溶接時に発生する溶接部の欠肉及び溶接部表面の窪みであるアンダーフィルの凹凸量(窪み量)を計測するものである。
また、図17は、レーザ溶接されたワーク1端部の断面を示したものであり、(a)は溶接欠陥2を有しない理想的な溶接状態、(b)は溶接欠陥2の一例であるアンダーフィル(窪み)8を有する溶接状態、(c)は溶接欠陥2の一例であるスパッタ(肉盛り)9を有する溶接状態をそれぞれ示している。本実施形態においては、特に溶接欠陥2の形状を限定するものではないが、溶接欠陥2の一例として図17(b)に示すアンダーフィル8を、本実施形態に係る溶接欠陥検査システムの検査対象として説明を行う。
溶接欠陥検査システム10は、図1に示すように、被検査物であるワーク1の溶接部6(図2参照)の表面における溶接欠陥2を検査するシステムであり、画像撮像手段であるカメラ3と、レーザ変位計4(4a、4b)と、レーザ変位計計測解析手段11(11a、11b)と、画像処理手段12と、溶接欠陥測定手段13と、位置駆動制御手段14と、位置駆動手段5と、を主に備える。
カメラ3は、ワーク1の検査箇所である溶接部6表面の濃淡画像(明暗画像)を撮像することが可能な一台の画像撮像手段であり、図2、3に示すようにワーク1の溶接部6表面(検査面)に対向して固定配置される。すなわち、カメラ3は、当該カメラ3の撮像光軸z(図2参照。カメラ3における光学系の中心線)が溶接部6表面(検査面)に対して直角となるように配置される。また、カメラ3は、溶接部6周辺を照らすことが可能である照明手段(図示せず)を具備する。照明手段は、当該照明手段の光源から出る光がワーク1表面に対して垂直に入射するように配置される。また、照明手段は、溶接欠陥2の凹凸量による濃淡変化(光の明暗変化)を明確に生じさせるための手段である。こうして、カメラ3は、照明手段により溶接部6表面を照らして、溶接欠陥2の有無や溶接欠陥2の位置を検出する際に使用する溶接部6表面の濃淡画像を撮像することが可能である。カメラ3は、画像処理手段12に接続されている。
なお、前記濃淡画像を撮像する際に適用する照明手段の光源としては、溶接欠陥2の凹凸量による濃淡変化を明確に差別化させるためLEDよりもハロゲンランプ光源が好ましい。LEDでも濃淡画像を得ることは可能であるが、ハロゲンランプ光源の方が明瞭な濃淡変化を有する濃淡画像を取得することが可能である。
レーザ変位計4(4a、4b)は、図2及び図4に示すようにレーザ光を測定対象物である溶接部6表面に照射し、溶接部6表面からの表面反射光(スポット)を受光する手段である。レーザ変位計4a、4bは、レーザ変位計計測解析手段11a、11bにそれぞれ接続されている。
また、レーザ変位計計測解析手段11(11a、11b)は、レーザ変位計4(4a、4b)により受光した溶接部6表面からの表面反射光に基づいて、三角測量にて被検査物までの距離(変位量)を計測する手段である。また、レーザ変位計計測解析手段11a、11bは、溶接欠陥測定手段13に接続されている。
また、レーザ変位計4(4a、4b)は、スリット状のレーザ光照射範囲を所定方向に走査することで走査範囲内の変位量測定が可能である。レーザ変位計4(4a、4b)は、カメラ3を中心とする両側位置(本実施形態においては左右位置)に複数(本実施形態においては2台)固定配置される。また、レーザ変位計4(4a、4b)は、カメラ3前端からワーク1表面に対して直交する撮像光軸z方向に対してそれぞれ異なる角度で配置される。すなわち、図2に示すように、レーザ変位計4a、4bの各々から照射されるレーザ光のワーク1(溶接部6)上の照射位置Pは同じであるが、レーザ変位計4aとレーザ変位計4bの各々から照射されるレーザ光の光軸方向と撮像光軸zとのなす角度が各々異なる。
なお、カメラの配置位置、レーザ変位計の取り付け台数と取り付け位置・取り付け角度等は、特に本実施形態に限定するものではなく、被検査物であるワーク1の形状・配置等の状態に応じて適宜変更可能である。
画像処理手段12は、カメラ3により撮像された溶接部6表面の濃淡画像(明暗画像)に対して所定の画像処理を行う手段である。画像処理手段12は、例えば、撮像された溶接部6表面の濃淡画像に対して所定の画像処理プログラムを実行することで、所定の閾値以上の明暗変化がある位置(濃淡画像における暗い領域部分)を溶接欠陥2として判定し、当該位置をxy座標系の位置として定義することが可能である。また、画像処理手段12は、溶接欠陥測定手段13及び位置駆動制御手段14にそれぞれ接続されている。
溶接欠陥測定手段13は、レーザ変位計4(4a、4b)及びレーザ変位計計測解析手段11a、11bを介して取得した溶接部6表面の同一位置にある溶接欠陥2の各測定値を同期させる(重ね合わせる)とともに平滑化(スムージング)する手段である。すなわち、溶接欠陥測定手段13は、レーザ光の乱反射によるイレギュラー値を含む測定値を所定の測定値処理方法により修正して正確な距離測定をすることが可能である。また、溶接欠陥測定手段13は、予め記憶されている溶接欠陥2の良否判定基準(例えば、凹凸量の許容閾値)と溶接欠陥2の凹凸量の測定結果とを比較して、当該測定結果が良否判定基準を満たす(OK判定)もしくは良否判定基準を満たさない(NG判定)かどうかを判定する、溶接欠陥2の良否判定を行うことが可能である。また、溶接欠陥測定手段13は、位置駆動制御手段14に接続されている。
なお、測定値処理方法、及び溶接欠陥2の良否判定方法の詳細については、後述する。
位置駆動手段5は、ボールねじ駆動方式のx−y駆動アクチュエータであり、ワーク1を固定支持するための固定支持部5a、当該ワーク固定支持部5aを保持してx、y軸方向(図1においては、紙面垂直方向がx軸、紙面平行方向がy軸)に移動可能であるx−y移動手段5b、及び当該x−y移動手段5bを駆動するための駆動部5cにより構成される。位置駆動手段5は、駆動部5cを駆動することによりx−y移動手段5b、固定支持部5aを介してワーク1をx、y軸方向に移動可能であり、所定のx−y座標位置にワーク1を停止可能である。また、位置駆動手段5は、位置駆動制御手段14に接続されている。
位置駆動制御手段14は、位置駆動手段5を駆動制御する手段であり、ワーク1(ワーク固定支持部5a)の動作を数値制御することが可能である。すなわち、位置駆動制御手段14は、所定の位置データ(x−y座標)が入力されることによりワーク1(ワーク固定支持部5a)を所定のx−y座標位置に適宜移動制御可能である。
なお、上述したレーザ変位計計測解析手段11(11a、11b)、画像処理手段12、溶接欠陥測定手段13、位置駆動制御手段14、及び位置駆動手段5等は、パーソナルコンピュータ等によりひとつの制御・解析処理手段として一体的に構成し、本実施形態にて説明する制御、例えば溶接欠陥位置を検出(算出)する際における所定の画像処理プログラムの実行、位置駆動手段5によるワーク1の位置制御(移動及び停止の制御)、溶接欠陥2の測定結果の良否判定等も併せて行うことができる。
次に、上述した溶接欠陥検査システム10に適用される溶接表面の欠陥検査方法を説明する。
溶接表面の欠陥検査方法は、被検査物の溶接部6表面に発生した溶接欠陥2を検査するための検査方法であり、溶接欠陥検出工程と、変位量測定工程と、を主に有する。以下、各工程について具体的に説明する。
溶接欠陥検出工程は、カメラ3によりワーク1の溶接部6表面の画像を撮像し、当該撮像された画像の濃淡判別(濃淡識別)を行って、前記溶接部6表面における溶接欠陥2の位置を検出する工程である。
すなわち、溶接欠陥検出工程は、カメラ3により撮像した濃淡画像を用いて所定の濃淡判別を行うことで、溶接部6表面における溶接欠陥2の有無を判別して、溶接部6表面において溶接欠陥2が存在する位置を検出(算出)する工程である。
具体的には、溶接欠陥検出工程では、先ず、ワーク1を位置駆動手段5のワーク固定支持部5aに固定支持後、位置駆動制御手段14により駆動部5cを駆動して、ワーク1(ワーク固定支持部5a)を予め設定されている画像撮像位置(検査スタート位置)まで移動させる。そして、位置駆動制御手段14は、前記画像撮像位置にワーク1(ワーク固定支持部5a)を停止させて、カメラ3でワーク1の溶接部6表面の濃淡画像を撮像する。
続いて、画像処理手段12は、カメラ3により撮像された前記溶接部6表面の濃淡画像に対して濃淡判別の画像処理を実行する。すなわち、画像処理手段12は、撮像された前記溶接部6表面の濃淡画像に対して所定の画像処理プログラムにより画像処理を実行することで濃淡(明暗)の画像判別を行って溶接部6表面における溶接欠陥2の有無判別と溶接欠陥位置を検出(算出)する。
上記画像処理手段12による濃淡判別の方法としては、正常な溶接状態の溶接部6表面の濃淡画像を基準(基準の濃淡パターン)として画像処理手段12の記憶部(図示せず)に予め登録しておき、溶接部6表面において基準の濃淡パターン以上の濃淡が現れた(=溶接部6表面に凹凸が現れた)位置を算出する。具体的には、図5に示す濃淡画像において濃淡の濃い部分(暗部)2a、2bが、溶接欠陥2と判別される。
一方、濃淡画像における濃淡が基準の濃淡パターン以下の場合は、検査完了(欠陥無し)としてワーク1を次の製造工程等に送る。
なお、溶接部6表面に凹凸があっても凹凸の量が規格寸法以下であれば規格OKとなり問題がないため、予め登録する基準は規格OKレベルの濃淡画像を基準として登録するとよい。
また、濃淡画像における濃淡(明暗)の表示形式は、特に限定するものではなく、例えば、溶接欠陥2を暗部として表示するか、もしくは明部として表示するかは、溶接欠陥2として判別し易い表示形式を適宜選択し設定することが可能である。
ここで、カメラ撮像画像による濃淡判別の原理を図13から図16、図18から図20を用いて説明する。
上述した溶接欠陥検査システム10において、カメラ3に取り付けられた照明手段の光源からの入射光7は被検査物であるワーク1の検査部位である溶接部6に直角に当たる。この際に、もし検査部位である溶接部6が平らな状態(溶接部6表面が正常状態)であれば入射光は略直角に反射し、カメラ3のレンズにそのまま正反射(鏡面反射)する。この時の画像の明るさ(濃淡)を判別する基準にする(図13(a)(b)、図18参照)。
一方、検査部位である溶接部6表面がスパッタによる突起やアンダーフィルによる窪みで凹凸が発生している場合は、入射光は拡散反射(乱反射)し、光源からの全入射光7がカメラレンズに戻らない(図14〜16参照)。このため、カメラ画像(濃淡画像)において凹凸が発生している部分は、平ら部分の基準の明るさに比べ暗く(濃淡色で黒く)映る(図14〜16の各(b)に示す丸印囲み部分2c、2d、2e、及び図19、図20参照)。この濃淡色の色調度合いは、凹凸量にほぼ比例する。すなわち、濃淡画像において凹凸量が大きいほど黒くなる。図18、図19、図21は、本原理により撮像した例である。
そして、カメラ3により撮像した画像に対して画像処理手段12により上述した濃淡判別方法及び濃淡判別の原理を適用して、すなわち、上述した濃淡判別方法を適用することが可能である所定の画像処理プログラムを実行して、溶接欠陥2の有無判定及び溶接欠陥2の良否判定(ランク分け)を行い、溶接欠陥2であると判定されたもの(例えば、図21に示すランク3、4)が溶接部6のどの位置あるかを割り出す。この際に、溶接欠陥2の位置はx−y座標として求められる。
こうして、溶接欠陥検出工程が終了したら、変位量測定工程に進む。
変位量測定工程は、前記溶接部6表面の所定位置にある溶接欠陥2に対して複数のレーザ変位計4a、4bを用いて変位量を測定する工程である。
すなわち、変位量測定工程では、溶接欠陥検出工程により算出された溶接欠陥位置のx−y座標に基づいて位置駆動制御装置15を数値制御してワーク位置駆動手段5によりワーク1の溶接欠陥位置の手前部分(図5におけるHの位置)を、レーザ変位計4a、4bのレーザ光の照射位置P(レーザ変位計4a、4bのレーザ光の交差する位置)まで自動で移動して、レーザ変位計4a、4bにより溶接部6表面における溶接欠陥2の変位量(凹凸量)の自動測定を行う。
ここで、上記自動測定におけるワーク1の動作について、より具体的に説明すると、図5に示すように、画像処理手段12により求められた溶接欠陥位置のx−y座標に基づいて、レーザ変位計4a、4bのレーザ光の照射位置Pが最初の欠陥部位である溶接欠陥2aの少し手前の位置Hと一致するようにワーク1を高速で移動後、溶接欠陥2aの少し手前の位置Hから位置Iまでワーク1を低速で移動させながらレーザ変位計4a、4bで溶接部6表面の変位量を測定する。最初の欠陥部位である溶接欠陥2aの変位量測定が終了したら、レーザ変位計4a、4bのレーザ光の照射位置Pが次の欠陥部位である溶接欠陥2bの少し手前の位置Jと一致するようにワーク1を高速で移動後、次の溶接欠陥2bの少し手前の位置Jから位置Kまでワーク1を低速で移動させながらレーザ変位計4a、4bで測定する。つまり、ワーク1を低速移動させるのは溶接欠陥2周辺部を測定する時のみであり、溶接部6における溶接欠陥2がない部分は高速で移動させる。また、溶接部6に溶接欠陥2が複数存在していれば、上記高速移動と上記低速移動を繰り返す。これにより、測定に時間を要するレーザ変位計を適用する場合であっても、溶接欠陥2のみを測定し、その他の部分は測定せずにスキャンする(飛ばして進む)ため短時間に溶接欠陥2の測定・検査が可能となる。
(測定結果の解析)
さらに、変位量測定工程は、前記複数のレーザ変位計4a、4bを用いて測定された前記溶接部6表面の同一位置にある溶接欠陥2の各測定値を同期させ、同期後の測定値を平滑化する同期解析工程を有するものである。以下、同期解析工程について図6、及び図7から図12に示す各処理ステップを用いて具体的に説明する。
同期解析工程は、図6に示すようにレーザ変位計4a、4bにより溶接部6表面における溶接欠陥2の変位量を計測した際、溶接欠陥2の変位量(凹凸量)の測定結果について3次元(もしくは2次元)で所定の解析処理を行う工程である。具体的には、溶接欠陥2の表面は、粗く形状が不規則なため、溶接欠陥2の測定値には、イレギュラーやノイズ状の値(図7に示すaや図8に示すa´、図23参照)が現れる。そのため、同期解析工程では、このようなイレギュラーやノイズ状の値を除去する測定値の処理として平滑化処理(スムージング処理)を行う。
すなわち、同期解析工程における測定値の平滑化処理では、レーザ変位計4a、4b及びレーザ変位計計測解析手段11a、11bにより取得された溶接欠陥2の変位量(凹凸量)の測定結果に対して、先ず、溶接欠陥測定手段13が溶接部6の同一の位置にある溶接欠陥2の各測定結果(本実施形態においてはレーザ変位計4a、4bにて測定された二つの測定結果)を、図9に示すように同期させる(重ね合わせる)。
そして、測定結果を重ねた際に、両者の値が大きく差がある箇所はどちらかの測定結果が誤測定と判断して、その部分を除去する(図10参照)。
一方、測定結果を重ねた際に、両者の値の差が小さい箇所は測定結果が正しいと判断し両者の値の平均値を取り込む(図11参照)。
次に、図12に示すように測定結果が誤測定と判断して除外した部分を除いた部分を予測して、つなぎ合わせる(補間する)。こうして、イレギュラーやノイズ状の値を除去する測定値の平滑化処理が完了する。
なお、レーザ変位計の設置台数をさらに増やすことにより、上記除外部分を少なくして精度を向上させることが可能である。すなわち、レーザ変位計は、測定値の測定精度向上のため、2台以上マルチ配置することが好ましい。
次に、平滑化処理がなされたレーザ変位計の測定結果より溶接欠陥2の深さdを求める(図12参照)。溶接欠陥測定手段13は、この溶接欠陥2の深さ測定結果と予め記憶している深さ基準(規格)とを比較して良否判定(OK/NG)を行う。以上が、同期解析工程である。
以上のように、複数のレーザ変位計4a、4bを用いて測定された溶接部6表面の同一位置にある溶接欠陥2の各測定値を同期(データの重ね合わせ:データマッチング)させ、同期した後の測定値を平滑化することで、イレギュラーやノイズ状の値が原因による誤測定を防ぐとともに検出精度を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、高速(短時間)で溶接欠陥2の深さdを正確に測定することができる。また、本発明によれば、従来行われていた断面カットによる検査が不要となり、非破壊検査が可能となるため全数検査が可能となる。
また、従来から行われているレーザ変位計を適用した溶接欠陥の検査方法では、溶接欠陥部分の位置が予め分かっていないため溶接部全体(全周)を測定する必要があったため、非常に時間がかかり、短時間タクトでのインライン使用には不向きであったが、本発明によれば、カメラ3により撮像した画像の濃淡判別により溶接欠陥2の位置を検出し、当該溶接欠陥2をレーザ変位計4a、4bで計測することで、検出速度が向上する。また、本発明によれば、インラインでのリアルタイム測定が可能となる。
具体的には、図24に示すように、カメラ画像による溶接欠陥の検査方法では高速(この際の処理速度を、図24に示す基準1とする)で判別検査が可能であるが、溶接欠陥の凹凸量を定量的に正確に測ることができない。一方、レーザ変位計による溶接欠陥の検査方法では検査速度(処理速度)は、基準1の1/5の速度である。参考までに実際にレーザ変位計で測定した結果を図22に示す。実際に試験した結果での測定速度(検査速度)は基準1の1/5の速度が限界である。このため、レーザ変位計による溶接欠陥の検査方法では大きな範囲を検査する場合やラインタクトが早い場合でのインラインでの検査は不向きであったが、本発明によれば、カメラによる溶接欠陥の検査方法とレーザ変位計による溶接欠陥の検査方法のそれぞれの長所を有するものであるため、インラインでのリアルタイム測定が可能となる。
また、本発明によれば、溶接欠陥(溶接時に発生する欠肉及びアンダーフィルの窪み量)の測定において、カメラ画像(光照射による濃淡判別)とレーザ変位計とを組み合わせて識別・測定・統合制御することにより、安価なシステムを構成可能とするとともに、溶接欠肉・アンダーフィルの窪み量を高速で定量的に測定をすることが可能になる。すなわち、本発明は、画像撮像手段(カメラ)による画像検査の高速検査性能とレーザ変位計による数値定量測定性の両者の長所を兼ね備え、両者の統合制御により測定速度・測定精度を向上させた溶接欠陥の検査方法である。
また、本発明は、測定精度向上のため距離測定機器であるレーザ変位計を2個以上マルチ配置し、それぞれの測定値を同期させて平滑化処理を実行することにより、レーザ光の乱反射によるイレギュラー値を含む測定値を精度の高い測定値に修正可能としたものである。これにより、溶接欠陥を短時間で正確に測ることができるとともに、表面の粗い溶接部においてもイレギュラー値の影響を抑えて正確に溶接欠陥の深さを再現し計測できる。
1 被検査物(ワーク)
2 溶接欠陥
3 カメラ
4(4a、4b) レーザ変位計
6 溶接部

Claims (2)

  1. 被検査物の溶接部表面に発生した溶接欠陥を検査するための溶接表面の欠陥検査方法であって、
    画像撮像手段により前記被検査物の溶接部表面の画像を撮像し、当該撮像された画像の濃淡判別を行って、前記溶接部表面における溶接欠陥の位置を検出する溶接欠陥検出工程と、
    前記溶接部表面の所定位置にある溶接欠陥に対して複数のレーザ変位計を用いて変位量を測定する変位量測定工程と、
    を有することを特徴とする溶接表面の欠陥検査方法。
  2. 前記変位量測定工程は、前記複数のレーザ変位計を用いて測定された前記溶接部表面の同一位置にある溶接欠陥の各測定値を同期させ、同期後の測定値を平滑化する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の溶接表面の欠陥検査方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101532694B1 (ko) * 2013-12-24 2015-06-30 주식회사 포스코 인장에 의한 용접 결함 검출 장치 및 방법
JP2017151066A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 株式会社キーエンス 画像検査装置、画像検査方法、画像検査プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器

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