JP2018115385A - 排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ならびに排気部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
C:0.005〜0.2%、
Si:1.5〜5.0%、
Mn:0.1〜5.0%、
P:0.01〜0.05%、
S:0.0001〜0.01%、
Ni:5.0〜15.0%、
Cr:15.0〜25.0%、
N:0.02〜0.4%、
Al:0.003〜1.0%、
Cu:0.05〜3.0%
Mo:0.01〜2.0%、
V:0.05〜1.0%、
Ti:0〜0.3%、
Nb:0〜0.3%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.01%、
W:0〜3.0%、
Zr:0〜0.3%、
Sn:0〜0.5%、
Co:0〜0.3%、
Mg:0〜0.01%、
Sb:0〜0.5%、
REM:0〜0.2%、
Ga:0〜0.3%、および
Ta:0〜1.0%、
を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
表層の(Si+Al)の最大濃度が質量%で8.0%以上である、排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。
Ti:0.005〜0.3%、
Nb:0.005〜0.3%、
B:0.0002〜0.0050%、
Ca:0.0005〜0.01%、
W:0.1〜3.0%、
Zr:0.05〜0.3%、
Sn:0.01〜0.5%、
Co:0.03〜0.3%、
Mg:0.0002〜0.01%、
Sb:0.005〜0.5%、
REM:0.001〜0.2%、
Ga:0.0002〜0.3%、および
Ta:0.001〜1.0%、
から選択される1種以上を含有する、(1)に記載の排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。
C/N<1.0の関係を満足する、(1)または(2)に記載の排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。
前記成形工程後または成形工程の途中で、前記熱処理工程を施す、
(5)から(7)までのいずれかに記載の排気部品の製造方法。
各元素の限定理由は下記の通りである。なお、以下の説明において各元素の含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、オーステナイト組織の形成と高温強度の確保のために、必要である。このため、C含有量は0.005%以上とする。さらに、製造コストと熱間加工性を考慮すると、C含有量は0.008%以上であるのが好ましい。一方、過度な含有は、加工硬化が過大に大きくなる他、Cr炭化物形成により、耐食性、特に溶接部の粒界腐食性の劣化が生じる。又、炭化物に起因した高温摺動性の劣化、冷延焼鈍板酸洗時の粒界浸食溝形成により表面粗さが粗くなる。このため、C含有量は0.2%以下とし、0.1%以下であるのが好ましい。
Siは、脱酸元素として含有される場合がある他、Siの内部酸化によりスケール剥離性、高温摺動性、および高温強度を向上させる。このためSi含有量は1.5%以上とする。さらに、高温摺動性を考慮すると、Si含有量は2.2%以上であるのが好ましい。一方、Siは5.0%超の含有により硬質化するとともに、粗大なSi系酸化物が生成し、部品の加工精度を著しく低下させる。このため、Si含有量は5.0%以下とする。なお、製造コスト、鋼板製造時の酸洗性、溶接時の凝固割れ性を考慮すると、Si含有量は4.0%以下であるのが好ましい。
Mnは、脱酸元素として利用する他、オーステナイト組織形成、およびスケール密着性を確保する元素である。このため、Mn含有量は0.1%以上とする。さらに、製造コスト、鋼板製造時の酸洗性を考慮すると、Mn含有量は0.2%以上であるのが好ましい。一方、5.0%超の含有により、加工硬化の変化が大きくなるとともに、介在物清浄度が著しく劣化し、穴拡げ性が低下する。加えて、酸洗性が著しく劣化し、製品表面が粗くなる。このため、Mn含有量は5.0%以下とする。又、軟質化の観点から、Mn含有量は1.5%以下であるのが好ましく、0.8%未満であるのがより好ましい。
Pは、製造時の熱間加工性、および凝固割れを助長する元素である他、鋼板を硬質化させる元素である。このため、P含有量は0.05%以下とし、0.04%以下であるのが好ましい。Pはその含有量が少ないほど良いが、一方で、精錬コストを考慮して、P含有量は0.01%以上とし、0.02%以上であるのが好ましい。
Sは、製造時の熱間加工性を低下させる他、耐食性を劣化させる元素である。また、粗大な硫化物(MnS)が形成されると清浄度が著しく悪くなり、穴拡げ性を劣化させる。このため、S含有量は、0.01%以下とし、0.0050%以下であるのが好ましい。
一方、過度な低減は、精錬コストの増加に繋がることから、S含有量は0.0001%以上とする。さらに、製造コスト、および耐酸化性を考慮すると、S含有量は0.0005%以上であるのが好ましい。
Niはオーステナイト組織の形成元素であるとともに、耐食性、および耐酸化性を確保する元素である。また、5.0%未満では結晶粒の粗大化が顕著に生じてしまうため、Ni含有量は5.0%以上とする。さらに、製造性、高温強度、および耐食性を考慮すると、Ni含有量は10.0%以上であるのが好ましい。一方、過度な含有は、コストの上昇と硬質化を招くことから、Ni含有量は15.0%以下とする。
Crは、耐食性、耐酸化性、および高温摺動性を向上させる元素である。さらに排気部品環境における異常酸化を抑制する。このため、Cr含有量は15.0%以上とする。加えて、製造コスト、鋼板製造性、及び加工性を考慮すると、Cr含有量は17.0%以上であるのが好ましい。一方、過度な含有は、硬質となり成形性を劣化させる他、コストアップに繋がる。このため、Cr含有量は25.0%以下とし、24.5%以下であるのが好ましい。
Nは、Cと同様にオーステナイト組織形成と高温強度、高温摺動性の確保に有効な元素であり、高温強度に関しては固溶強化元素として知られている。加えて、本発明においてはN単独の効果以外に、Crとのクラスター形成による高温強度向上も考慮し、N含有量は0.02%以上とする。さらに、高温強度、摺動性の観点から、N含有量は0.04%以上であるのが好ましい。一方で、0.4%超の含有により、常温材質が著しく硬質化し、鋼板製造段階の冷間加工性を劣化させる。このため、部品加工時の成形性、および部品精度が悪くなる。従って、N含有量は0.4%以下とする。なお、軟質化、溶接時のピンホール抑制、溶接部の粒界腐食抑制の観点から、0.3%以下であるのが好ましい。
Alは、脱酸元素として使用し、介在物清浄度を向上させることで穴拡げ性を向上させる。この他、酸化スケールの剥離抑制、微量内部酸化により高温摺動性の向上に寄与する効果があり、その作用は0.003%以上から発現する。このため、Al含有量は0.003%以上とする。また、フェライト生成元素であるため、1.0%超の含有はオーステナイト組織の安定性を低下させる他、酸洗性を低下させ、表面粗さの増加を招く。このため、Al含有量は1.0%以下とする。尚、精錬コスト、および表面疵を考慮すると、Al含有量は0.005%以上であるのが好ましく、0.5%以下であるのが好ましい。さらに、熱間加工性を考慮すると、Al含有量は0.02%以上であるのが好ましく、0.1%以下であるのがより好ましい。
Cuは、オーステナイト相の安定化、および軟質化のために有効な元素である。このため、Cu含有量は0.05%以上とする。一方、過度な含有は耐酸化性の劣化、および製造性の劣化に繋がるため、Cu含有量は3.0%以下とする。さらに、耐食性、および製造性を考慮すると、Cu含有量は0.1%以上であるのが好ましく、1.0%以下であるのが好ましい。
Moは、耐食性を向上させる元素であるとともに、高温強度の向上に寄与する。本発明においては、固溶強化の他、Mo炭化物による析出強化、および耐摩耗性向上に寄与する。このため、Mo含有量は0.01%以上とする。また、Mo含有量は2.0%以下とする。さらに、Moは高価な元素であること、上記析出物による強化安定性および介在物清浄度を考慮すると、Mo含有量は0.2%以上であるのが好ましく、1.7%以下であるのが好ましい。
Vは、耐食性を向上させる元素であるとともに、V炭化物を形成し高温強度、および高温での耐摩耗性を向上させる。このため、V含有量は0.05%以上とする。一方、過度な含有は合金コストの増加、または異常酸化限界温度の低下を招く。このため、V含有量は1.0%以下とする。さらに、製造性、および介在物清浄度を考慮すると、V含有量は0.1%以上であるのが好ましく、0.5%以下であるのが好ましい。
Tiは、C、Nと結合して耐食性、耐粒界腐食性を向上させるため、必要に応じて含有させる。しかしながら、0.3%超の含有は、鋳造段階でのノズル詰まりを生じ易くさせ、製造性を著しく劣化させる。加えて、粗大なTi炭窒化物の生成により、穴拡げ加工性が劣化する。このため、Ti含有量は0.3%以下とする。さらに、高温強度、溶接部の粒界腐食性、および合金コストを考慮すると、Ti含有量は0.2%以下にすることが好ましい。尚、上記効果を得るためには、Ti含有量は0.005%以上とするのが好ましく、0.01%以上とするのがより好ましい。
Nbは、Tiと同様にC、Nと結合して耐食性、耐粒界腐食性を向上させる。加えて、高温強度を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させる。しかしながら、0.3%超の含有は、鋼板製造段階での熱間加工性を著しく劣化させ、また粗大なNb炭窒化物により、穴拡げ性を劣化させる。このため、Nb含有量は0.3%以下とする。一方で、C、Nと結合する固定作用は、Nbが0.005%以上の含有から発現する。このため、Nb含有量は0.005%以上であるのが好ましい。さらに、高温強度、溶接部の粒界腐食性、および合金コストを考慮すると、Nb含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.15%未満であるのが好ましい。
Bは、鋼板製造段階での熱間加工性を向上させる元素であるとともに、常温での加工硬化を抑制する効果がある。このため、必要に応じて含有させる。しかしながら、過度な含有はホウ炭化物の形成により、清浄度、穴拡げ性の低下、及び粒界腐食性の劣化をもたらす。このため、B含有量は0.0050%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、B含有量は0.0002%以上とするのが好ましい。さらに、精錬コスト、および延性低下を考慮すると、B含有量は0.0003%以上であるのがより好ましく、0.002%以下であるのが好ましい。
Caは、脱硫のために必要に応じて含有させる。しかしながら、0.01%超を含有させると、水溶性の介在物CaSが生成する。その結果、清浄度、及び耐食性の低下を招く。このため、Ca含有量は0.01%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Ca含有量は0.0005%以上とするのが好ましい。さらに、製造性、および表面品質の観点から、Ca含有量は0.0010%以上であるのが好ましく、0.0030%以下であるのが好ましい。
Wは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて含有させる。しかしながら、3.0%超の含有により、硬質化、鋼板製造時の靭性劣化、およびコスト増加につながる。このため、W含有量は3.0%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、W含有量は0.1%以上であるのが好ましい。さらに、精錬コスト、および製造性を考慮すると、W含有量は0.1%以上であるのが好ましく、2.0%以下であるのが好ましい。
Zrは、CおよびNと結合して、溶接部の粒界腐食性および耐酸化性を向上させるため、必要に応じて含有させる。しかしながら、0.3%超の含有により、製造コストが増加する他、製造性、および穴拡げ性を著しく劣化させる。このため、Zr含有量は0.3%以下とする。さらに、精錬コスト、および製造性を考慮すると、Zr含有量は0.1%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Zr含有量は0.05%以上であるのが好ましい。
Snは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて含有させる。しかしながら、0.5%超の含有により鋼板製造時のスラブ割れが生じる場合があるため、Sn含有量は0.5%以下とする。さらに、精錬コスト、および製造性を考慮すると、0.3%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Sn含有量は、0.01%以上であるのが好ましく、0.03%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
Coは、高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて含有させる。しかしながら、0.3%超の含有により、硬質化、鋼板製造時の靭性劣化、および製造コストの増加につながる。このため、Co含有量は0.3%以下とする。さらに、精錬コストおよび製造性を考慮すると、Co含有量は0.1%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Co含有量は0.03%以上であるのが好ましい。
Mgは、脱酸元素として使用する場合がある他、スラブ組織の酸化物を微細分散化させ、介在物清浄度の向上、および金属組織微細化に寄与する元素である。このため、必要に応じて含有させる。しかしながら、過度な含有は、溶接性および耐食性の劣化、粗大介在物による穴拡げ性の低下につながる。このため、Mg含有量は0.01%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Mg含有量は0.0002%以上であるのが好ましい。また、精錬コストを考慮すると、Mg含有量は0.0003%以上であるのが好ましく、0.005%以下であるのが好ましい。
Sbは、粒界に偏析して高温強度を上げる元素であるため、必要に応じて含有させる。しかしながら、含有量が0.5%を超えると、Sbが偏析して、溶接時に割れが生じる。このため、Sb含有量は0.5%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Sb含有量は0.005%以上であるのが好ましい。高温特性と製造コスト、および靭性を考慮すると、Sb含有量は0.03%以上であるのが好ましく、0.3%以下であるのが好ましい。さらに、Sb含有量は0.05%以上であるのがより好ましく、0.2%以下であるのがより好ましい。
REM(希土類元素)は、耐酸化性、または高温摺動性の向上に有効であり、必要に応じて含有させる。また、0.2%を超えて含有させても、その効果は飽和し、REMの硫化物による耐食性低下を生じる。このため、REM含有量は0.2%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、REM含有量は0.001%以上であるのが好ましい。また製品の加工性、および製造コストを考慮すると、REM含有量は0.002%以上であるのが好ましく、0.10%以下であるのが好ましい。
Gaは、耐食性向上、または水素脆化抑制のため、必要に応じて含有させる。0.3%超の含有により粗大硫化物が生成し、r値が劣化する。このため、Ga含有量は0.3%以下とする。一方で、硫化物、または水素化物形成の観点から、Ga含有量は0.0002%以上であるのが好ましい。さらに、製造性、および製造コストの観点から、Ga含有量は、0.002%以上であるのがより好ましい。
Taは高温強度向上のために必要に応じて含有させる。Ta含有量は1.0%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Ta含有量は、0.001%以上であるのが好ましい。さらに、高強度を得るためには、Ta含有量は0.01%以上であるのが、より好ましい。また、HfはTaと同様の理由で、必要に応じて0.001〜1.0%含有させる。Biも必要に応じて0.001〜0.02%含有させる。なお、As、Pb等の一般的に有害な元素および不純物元素はできるだけ低減することが望ましい。
本発明では高温での耐摩耗性、摺動性を満足するために表層の(Si+Al)の最大濃度を規定する。具体的には、ステンレス鋼板における表層の(Si+Al)濃度を質量%で最大8.0%以上とする。尚、ここで示す表層とは、表面から深さ1.0μmまでを指す。
本発明では、ターボ内部のノズルプレート、およびノズルマウントにおける穴開け性、穴拡げ性、および高温強度特性について、高Si含有オーステナイト系ステンレス鋼板のCとNのバランスを精緻に検討した。その結果、Cの含有量(質量%)とNの含有量(質量%)の比であるC/Nが、C/N<1.0を満たすことで、高温強度を担保しつつ、加工性をも兼ね備えることが可能となることを知見した。よって、C/N<1.0を満たすことが好ましい。また、高温強度の観点からC/N<0.5を満たすことがより好ましい。
次に製造方法について説明する。本発明の鋼板の製造方法は、制約はないが、例えば、製鋼−熱間圧延−焼鈍・酸洗、あるいは製鋼−熱間圧延−焼鈍・酸洗−冷間圧延−焼鈍・酸洗よりなることが好ましい。
本発明では、排気部品の高温摺動性を確保するために、冷延焼鈍板の、酸洗処理の前処理として溶融アルカリ塩に浸漬させる。この溶融アルカリ塩処理では、焼鈍で生成したスケール中のCrを改質して、溶融アルカリ塩中に溶かし出し、Fe主体のスケールとする。なお、溶融アルカリ塩の組成はNaNO3(10〜30%)+NaOH溶液とする。その後、酸洗処理として、硝弗酸洗あるいは硝酸電解等の化学的なデスケール処理を行う。
本発明では、ステンレス鋼板製品に(Si+Al)濃化層を形成させ、高温摺動性を得るものであるが、ターボチャージャー部品に加工した後、あるいは加工途中にSi、Alを表層に濃化させるための熱処理を施すと、さらに効果的である。具体的には、ノズルプレート、およびノズルマウントの様な部品では、製品板を円盤状に切断した後、穴開けと穴拡げ加工が施される。その後、精密ピンを差し込むための穴開け加工が施されるが、その途中、又は加工後に900℃以上で、5秒以上の熱処理を施す。その結果、表層にSiとAlが合計して、20.0%以上濃化する。つまり、表層の(Si+Al)の最大濃度を20.0%以上とすることで、摺動面の摺動性を確保する。
なお、製造工程における他の条件は適宜選択すれば良い。例えば、スラブ厚さ、熱間圧延板厚などは適宜設計すれば良い。冷間圧延においては、ロール粗度、ロール径、圧延油、圧延パス回数、圧延速度、圧延温度などは適宜選択すれば良い。冷間圧延の途中に中間焼鈍を入れても構わず、バッチ式焼鈍でも連続式焼鈍でも良い。
Claims (8)
- 質量%で、
C:0.005〜0.2%、
Si:1.5〜5.0%、
Mn:0.1〜5.0%、
P:0.01〜0.05%、
S:0.0001〜0.01%、
Ni:5.0〜15.0%、
Cr:15.0〜25.0%、
N:0.02〜0.4%、
Al:0.003〜1.0%、
Cu:0.05〜3.0%、
Mo:0.01〜2.0%、
V:0.05〜1.0%、
Ti:0〜0.3%、
Nb:0〜0.3%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.01%、
W:0〜3.0%、
Zr:0〜0.3%、
Sn:0〜0.5%、
Co:0〜0.3%、
Mg:0〜0.01%、
Sb:0〜0.5%、
REM:0〜0.2%、
Ga:0〜0.3%、および
Ta:0〜1.0%、
を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
表層の(Si+Al)の最大濃度が質量%で8.0%以上である、排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。 - 質量%で、さらに、
Ti:0.005〜0.3%、
Nb:0.005〜0.3%、
B:0.0002〜0.0050%、
Ca:0.0005〜0.01%、
W:0.1〜3.0%、
Zr:0.05〜0.3%、
Sn:0.01〜0.5%、
Co:0.03〜0.3%、
Mg:0.0002〜0.01%、
Sb:0.005〜0.5%、
REM:0.001〜0.2%、
Ga:0.0002〜0.3%、および
Ta:0.001〜1.0%、
から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載の排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。 - 前記CおよびNの含有量が、
C/N<1.0の関係を満足する、請求項1または請求項2に記載の排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の化学組成を有する冷延鋼板を焼鈍する工程、450℃以下の溶融アルカリ塩に30秒以下浸漬する工程、10℃/秒以上の速度で冷却する工程、および酸洗処理する工程を備える、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
- 請求項1から請求項3までのいずれかに記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を用いた、排気部品。
- ターボチャージャー用部品である、請求項5に記載の排気部品。
- 前記排気部品の表層の(Si+Al)の最大濃度が、質量%で20.0%以上である、請求項5または請求項6に記載の排気部品。
- 請求項1から請求項3までに記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を排気部品形状に成形する成形工程、および900℃以上で、5秒以上の熱処理工程を備える、排気部品の製造方法であって、
前記成形工程後または成形工程の途中で、前記熱処理工程を施す、
請求項5から7までのいずれかに記載の排気部品の製造方法。
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