JP7270445B2 - 高温高サイクル疲労特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに排気部品 - Google Patents

高温高サイクル疲労特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法ならびに排気部品 Download PDF

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Description

本発明は、高温環境で振動を起因とする高サイクル疲労を受ける耐熱部品の素材となるオーステナイト系ステンレス鋼板に関するものである。特に、本発明は、自動車のエキゾーストマニホールド、ターボ、エキゾーストパイプ、コンバーター、フレキシブルチューブ、排熱回収機、DPF(Diezel Particulate Filter)、GPF(Gasoline Particulate Filter)、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)、ガスケット、マフラー部品等の一部に適用されるオーステナイト系ステンレス鋼板に関する。また、それらの部品の中でも特に400~500℃程度に加熱され、かつ振動による負荷を繰り返し受ける部品に好適な材料に関するものである。
自動車の各種排気部品には高温の排気ガスを安定的に通気させるために、耐酸化性、高温強度、熱疲労特性等の耐熱性に優れた材料が使用される。また、車体の振動に起因して繰り返し荷重が作用するため、高サイクル疲労特性も重要となる。更に、凝縮水腐食環境でもあることから耐食性に優れることも要求される。排気ガス規制の強化、エンジン性能の向上、車体軽量化等の観点からもこれらの部品にはステンレス鋼が多く使用されている。
近年では、排気ガス規制の強化が更に強まる他、燃費性能の向上、ダウンサイジング、ライトサイジング等の動きから、特にエンジン直下のエキゾーストマニホールドを通気する排気ガス温度は上昇傾向にある。加えて、ターボチャージャーの様な過給機を搭載するケースも多くなっており、従来のエキゾーストマニホールドをターボエキゾーストパイプで代替する動きもある。このため、エキゾーストマニホールドやターボエキゾーストパイプに使用されるステンレス鋼には耐熱性の一層の向上が求められる。排気ガス温度の上昇に関しては、従来900℃程度であった排気ガス温度が、1000℃程度まで上昇することも見込まれている。
また、触媒による排ガス浄化効率の上昇のため、エキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプを二重管構造にして断熱し、排気ガス温度の低下を抑制している。二重管構造の場合、内管は高温の排気ガスと接触するために900℃以上の高温となるが、外管は400℃~500℃までしか上昇しない。しかしながら、外管はエンジンや路面からの振動の影響が大きくなるため、制振するためのベローズ加工(パイプに蛇腹のような山谷をつける加工)を施すこともあり、高温疲労特性が必要な部品である。特に近年では乗車性の観点から振動を極力抑えるために各部品の構造が複雑になってきており、各部品への負荷応力は高くなりつつある。加えて部品軽量化の観点から、材料の薄肉化が志向されており、高温環境下での振動対策として高疲労強度材の適用が必要である。この状況は二重管構造を有するエキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプのみならず、上記に示した他排気部品でも部分的にベローズ加工を施して400~500℃程度の温度域でも制振性向上を図りつつある。
従来、エンジンや路面からの振動を抑制するためにベローズ加工を施したフレキシブルチューブが使用されてきた例として、特許文献1および2には、フレキシブルチューブ用途として高温疲労特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
特許文献1によれば、NbとNを添加することで400℃での高温疲労強度を向上することが可能である。特許文献2によれば、NbとSiを添加することで600℃での高温疲労強度を向上させることが可能である。
特開平5-98395号公報 特開平5-339682号公報 特開2001-59141号公報 国際公開第2017/164344号
上記の様な高温に晒される制振部材では、高温強度、耐酸化性、高温高サイクル疲労特性、熱疲労特性といった耐熱性が求められる。最近では400~500℃程度の温度まで材料温度が上昇し、かつ振動の負荷応力が従来よりも増加傾向にあることから、特に400~500℃における高サイクル疲労強度の向上が求められる。
特許文献1では、0.05~0.3%Nおよび0.05~0.3%Nbを添加し、かつNb+N≧0.15%を満たすオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。開示鋼は400℃の1×106回疲労強度が25kgf/mm2以上になると記載している。しかしながら、500℃における疲労強度の記載はなく、この温度域での疲労特性が優れるかどうか不明である。また、Nbは高価な元素であるため、コスト面の課題もある。
特許文献2では、1~4%Siおよび0.05~0.5%Nbを添加し、かつ6≧Si%+10Nb%≧4を満たすオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。開示鋼は600℃の1×106回疲労強度が27.5kgf/mm2以上になると記載している。しかしながら、400℃および500℃における疲労強度の記載はなく、この温度域での疲労特性が優れるかどうか不明である。また、Nbは高価な元素であるため、コスト面の課題もある。
特許文献3では、2.5~4.5%Siおよび0~0.25%Nbを含有するオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。Nbは任意添加元素であるが、高温疲労強度向上の観点からNbの添加は重要であると記載しており、コスト面の課題がある。実施例において500℃、600℃の疲労限界値を開示してあるのは、NおよびNbを両方添加した鋼のみである。そのためNbを添加しなかった場合の疲労強度は不明である。
特許文献4では0.005~0.2%C、0.1~4%Si、0.02~3%Mo、0.01~0.4%未満Nを含有するオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。焼鈍双晶の頻度を増加することで900℃高温耐力を向上できると記載してあるが、疲労強度についての記載は無い。そのため400~500℃の疲労特性に優れるかは不明である。製造方法について冷延板焼鈍時の冷却速度の記載は無く、Siの固溶量は不明である。
排気ガス温度が高温化し、部品形状の複雑化や薄肉軽量化が進む中、400~500℃における高サイクル疲労による疲労破壊という課題を解決するために、本発明者らはオーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関して、鋼成分、高温疲労特性の見地から詳細な研究を行なった。その結果、400~500℃の温度下で振動を与えられる部品用途の素材に対して、鋼成分と比較的安価な固溶元素の調整により高温高サイクル疲労特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板が得られることを知見した。
上記課題を解決する本発明の要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.002~0.300%
Si:0.10~4.00%
Mn:0.05~10.00%
P:0.010~0.050%
S:0.0001~0.0100%
Ni:5.00~15.00%
Cr:15.00~30.00%
N:0.010~0.500%
Mo:0.010~0.500%未満
V:0.01~1.00%
Cu:0.10~2.50%
Al:0.001~1.000%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、固溶Si量(sol.Si%)と含有Si量(add.Si%)との関係が(sol.Si%)>0.9(add.Si%)を満たし、かつ一般粒界長さA+Σ3対応粒界長さB>2.5mm/mm2を満たすことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板。
(2)更に、質量%で、
Nb:0.005~0.300%
Ti:0.005~0.300%
B:0.0002~0.0050%
Ca:0.0005~0.0100%
W:0.05~3.00%
Zr:0.05~0.30%
Sn:0.01~0.50%
Co:0.03~0.30%
Mg:0.0002~0.0100%
Sb:0.005~0.500%
REM:0.001~0.200%
Ga:0.0002~0.3000%
Ta:0.001~1.000%
Hf:0.001~1.000%
を含有することを特徴とする前記(1)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
(3)400℃~500℃での平面曲げ疲労試験における疲労限界値が200MPa以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
(4)排気部品に使用される前記(1)~(3)のいずれか1つに記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
(5)前記(1)~(3)のいずれか1つに記載のオーステナイト系ステンレス鋼板から成る排気部品。
本発明によれば、従来よりも400℃~500℃の疲労強度が高く、部品の薄肉・軽量化にも寄与できる自動車用排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼を提供できる。
以下に本発明の構成要素の限定理由について説明する。耐熱用途として使用されるオーステナイト系ステンレス鋼板の特性として重要なのは高温強度であるが、特に上記の様に高温で振動を繰り返し受ける部材の場合、高温疲労が重要となる。高温疲労は高サイクル疲労(破断寿命が約104サイクル以上)と低サイクル疲労(破断寿命が約104サイクル未満)に分類されるが、本発明で対象となる疲労は前者の高サイクル疲労である。排気ガス経路部材に使用される材料の高サイクル疲労特性が劣ると、走行中の繰り返し振動によって疲労亀裂が発生し、亀裂が板厚貫通した場合に排気ガスの漏れが生じて部品性能の信頼性低下に繋がる。
[成分]
次に、成分範囲について説明する。成分含有量に関する%は、特に断りの無い限り質量%を示す。
Cはオーステナイト組織形成と高温強度および高温高サイクル疲労強度の確保のために0.002%を下限とする。一方、過度な添加は加工硬化が過大に大きくなる他、Cr炭化物形成により耐食性、特に溶接部の粒界腐食性が劣化するため、上限を0.300%とする。ここで、粒界とは、結晶粒と結晶粒の境界である結晶粒界(以後、単に「粒界」という)である。
更に、製造コストと熱間加工性、高温高サイクル疲労強度の確保を考慮すると、Cの含有量の下限は0.010%、上限は0.250%であることが望ましい。更に下限は0.020%,上限は0.150%であることが望ましい。
Siは脱酸元素として添加される場合がある他、Siの内部酸化により耐スケール剥離性、高温強度および高温高サイクル疲労強度の向上に寄与する元素である。特に本発明では、400℃~500℃における固溶Siの動的ひずみ時効や加工硬化が高温高サイクル疲労強度上昇に有効であるため、0.10%を下限とする。一方、4.00%超の添加により過度に硬質して鋼板の製造性やパイプ等部品の製造性を悪くすることから上限を4.00%とする。
尚、製造コスト、鋼板製造時の酸洗性、溶接時の凝固割れ性を考慮すると、Si含有量の上限は3.50%にすることが望ましい。更に、高温強度や高温高サイクル疲労強度を考慮するとSiの下限は1.50%にすることが望ましい。更に、下限は2.00%、上限は3.30%にすることが望ましい。
Mnは脱酸元素として利用する他、オーステナイト組織形成およびスケール密着性を確保するために0.05%以上添加する。一方、10.00%超の添加によりMnS等の生成によって介在物清浄度が悪くなり、疲労強度と耐食性が著しく低下する他、酸洗性が悪くなるため上限を10.00%とする。更に、製造コストを考慮するとMn含有量の下限は0.10%が望ましい。更にスケール密着性、加工硬化性を考慮するとMn含有量の上限は8.00%が望ましい。更に、下限は0.50%、上限は1.50%が望ましい。
Pは製造時の熱間加工性や凝固割れを助長する元素である。精錬コストを考慮して上限を0.050%、下限を0.010とする。さらに製造コストを考慮すると、P含有量の上限は0.040%、下限は0.020%とすることが望ましい。
Sは製造時の熱間加工を低下させるほか、耐食性を劣化させる元素である。また、粗大なMnS等が形成されると介在物清浄度が著しく悪化するため、上限を0.0100とする。一方、過度な低減は精錬コストの増加に繋がることから、下限を0.0001%とする。
更に、製造コストや耐酸化性を考慮すると、S含有量の上限は0.0050%、下限は0.0003%にすることが望ましい。更に上限は0.0020%、下限は0.0005%にすることが望ましい。
Niはオーステナイト組織形成元素であるとともに、耐食性や耐酸化性を確保する元素である。また、5.00%未満ではオーステナイト組織の安定度が低下し、結晶粒の粗大化が顕著に生じてしまうため、5.00%以上添加する。一方、過度な添加はコスト上昇と硬質化を招くことから上限を15.00%とする。
更に、製造性、高温強度および耐食性を考慮すると、Ni含有量の下限は8%、上限は14%にすることが望ましい。更に、下限は10.00%、上限は13.00%にすることが望ましい。
Crは耐食性、耐酸化性を向上させる元素であり、排気部品環境を考慮すると異常酸化抑制の観点から15.00%以上の添加が必要である。一方、過度な添加は、硬質となる他、コストアップに繋がることから上限を30.00%とする。
更に製造コスト、鋼板製造性、加工性を考慮すると、Cr含有量の下限は16.00%、上限は25.00%にすることが望ましい。更に、下限は17.00%、上限は24.00%にすることが望ましい。
Moは耐食性を向上させる元素であるとともに、高温強度および高温高サイクル疲労強度の向上に寄与する元素である。特に本発明では、400℃~600℃における固溶Moのひずみ時効が、高温高サイクル疲労強度の上昇に有効であるため、下限を0.010%とする。一方、Moは高価な元素であるため、上限を0.500%未満とする。高温強度や熱疲労特性を考慮すると下限は0.050%、製造性やコストを考慮すると上限は0.400%が望ましい。
NはCと同様にオーステナイト組織形成、高温強度、高温疲労強度の確保に有効な元素である。そのため下限を0.010%とする。一方、0.500%超の添加により常温材質が著しく硬質化し、鋼板製造段階の冷間加工性が悪くなる他、パイプなどの部品製造性が悪くなるため、上限を0.500%とする。
更に、溶接時のピンホール抑制、溶接部の粒界腐食抑制の観点から、N含有量の下限は0.020%、上限は0.300%にすることが望ましい。更に、下限は0.040%、上限は0.250%にすることが望ましい。
Vは耐食性を向上させる元素であるとともに、V炭化物を形成し高温強度を向上させるため0.01%以上添加する。一方、過度な添加は合金コストの増加や異常酸化限界温度の低下を招くことから、上限を1.00%とする。
更に、製造性や介在物清浄度を考慮するとV含有量の下限は0.05%、上限は0.80%にすることが望ましい。更に下限は0.09%、上限は0.50%にすることが好ましい。
Cuはオーステナイト組織安定化や耐酸化性向上に有効な元素であるため、0.10%以上添加する。一方、過度な添加は耐酸化性の劣化や製造性の悪化に繋がるため、上限を2.50%とする。
更に、耐食性や製造性を考慮すると、Cu含有量の下限は0.14%、上限は2.00%にすることが望ましい。更に、下限は0.20%、上限は1.50%にすることが望ましい。
Alは、脱酸元素として添加し、介在物清浄度を向上させて疲労亀裂の起点を低減できるため下限を0.001%とする。一方、過度の添加は熱間加工性の悪化、酸洗性の低下による表面疵の発生を起こりやすくする。特に表面疵は疲労亀裂の起点となるため、Al含有量の上限は1.000%に規定する。更に、製造性やスケール密着性を考慮すると下限は0.010%、上限は0.20%が望ましい。
以上が、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板の主要元素である。残部は、Feおよび不可避的不純物からなるが、残部Feの一部の代替として以下の元素の1種または2種以上を含有することができる。
Nbは、C、Nと結合して耐食性、耐粒界腐食性を向上させる他、高温強度を向上させる元素である。C、N固定作用は0.005%から発現するため、下限を0.005%とした。また、0.300%超の添加は、鋼板製造段階での熱間加工性が著しく劣化することから、上限を0.300%とする。
更に、高温強度、溶接部の粒界腐食性および合金コストを考慮すると、Nb含有量の下限は0.010%、上限は0.150%未満にすることが望ましい。加えて、Nbは再結晶を鈍化させる元素である。十分な高温疲労強度を得るために必要な粒界長さを満たすためには短時間で再結晶完了させる必要があるため、Nb含有量の上限は0.020%未満にすることが望ましい。
Tiは、Nbと同様にC、Nと結合して耐食性、耐粒界腐食性を向上させるために添加する元素である。C、N固定作用は0.005%から発現するため、下限を0.005%とした。また、0.300%超の添加は鋳造段階でのノズル詰まりが生じ易くなり、製造性を著しく劣化させることから、上限を0.300%とする。
更に、高温強度、溶接部の粒界腐食性および合金コストを考慮すると、Ti含有量の下限は0.010%、上限は0.200%にすることが望ましい。
Bは、鋼板製造段階での熱間加工性を向上させる元素であるとともに、常温での加工硬化を抑制する効果があるため、0.0002%以上とする。但し、過度な添加はホウ炭化物の形成により清浄度の低下、粒界腐食性の劣化をもたらすため、上限を0.0050%とした。
更に、精錬コストや延性低下を考慮すると、B含有量の下限は0.0016%、上限は0.0020%にすることが望ましい。
Caは、脱硫のために必要に応じて添加される。この作用は0.0005%未満では発現しないため、下限を0.0005%とする。また、0.0100%超添加すると水溶性の介在物CaSが生成して清浄度の低下および耐食性の著しい低下を招くため、上限を0.0100%とする。
更に、製造性、表面品質の観点から、Ca含有量の下限は0.0040%、上限は0.0030%にすることが望ましい。
Wは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて0.05%以上添加する。3.00%超の添加により硬質化、鋼板製造時の靭性劣化やコスト増につながるため、上限を3.00%とする。
更に、精錬コストや製造性を考慮すると、W含有量の下限は0.100%、上限は2.00%にすることが望ましい。
Zrは、CやNと結合して溶接部の粒界腐食性や耐酸化性を向上させるため、必要に応じて0.05%以上添加する。但し、0.30%超の添加によりコスト増になる他、製造性を著しく劣化させるため、上限を0.30%とする。
更に、精錬コストや製造性を考慮すると、Zr含有量の下限は0.05%、上限は0.10%にすることが望ましい。
Snは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて0.01%以上添加する。0.03%以上で効果が顕著になり、更に0.05%以上でより顕著となる。0.50%超の添加により、鋼板製造時のスラブ割れが生じる場合があるため、上限を0.50%とする。
更に、精錬コストや製造性を考慮すると、上限は0.30%にすることが望ましい。
Coは、高温強度の向上に寄与するため、必要に応じて0.03%以上添加する。0.30%超の添加により、硬質化、鋼板製造時の靭性劣化やコスト増につながるため、上限を0.30%とする。
更に、精錬コストや製造性を考慮すると、Co含有量の下限は0.03%、上限は0.10%にすることが望ましい。
Mgは、脱酸元素として添加させる場合がある他、スラブの組織を酸化物の微細化分散化により介在物清浄度の向上や組織微細化に寄与する元素である。これは、0.0002%以上から発現するため、下限を0.0002%とした。但し、過度な添加は、溶接性や耐食性の劣化、粗大介在物による部品加工性の低下につながるため、上限を0.0100%とした。
精錬コストを考慮すると、Mg含有量の下限は0.0003%、上限は0.0050%にすることが望ましい。
Sbは、粒界に偏析して高温強度を上げる作用をなす元素である。添加効果を得るため、0.005%以上とする。但し、0.500%を超えると、Sb偏析が生じて、溶接時に割れが生じるので、上限を0.500%とする。高温特性と製造コストおよび靭性を考慮すると、Sb含有量の下限は0.030%、上限は0.300%にすることが望ましい。
更に望ましくはSb含有量の下限は0.050%、上限は0.200%にすることが望ましい。
REM(希土類元素)は、耐酸化性の向上に有効な元素であり、必要に応じて0.001%以上添加する。また、0.200%を超えて添加してもその効果は飽和し、REMの硫化物による耐食性低下を生じるため、0.001~0.200%の範囲で添加する。製造コストを考慮すると、下限を0.002%とし、上限を0.100%とすることが望ましい。
REM(希土類元素)は、一般的な定義に従う。スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加しても良いし、混合物であっても良い。
Gaは、耐食性向上や水素脆化抑制のため、0.3000%以下で添加しても良いが、0.3000%超の添加により粗大硫化物が生成しr値が劣化する。硫化物や水素化物形成の観点から下限は0.0002%とする。
更に、製造性やコストの観点から0.0020%以上が更に好ましい。
Ta、Hfは高温強度向上のために各0.001~1.000%添加しても良い。0.001%以上で効果があり、0.010%以上でさらに高強度が得られる。また、Biを必要に応じて0.001~0.020%含有してもかまわない。なお、As、Pb等の一般的な有害な元素や不純物元素はできるだけ低減することが望ましい。
[(sol.Si%)>0.9(add.Si%)]
本発明では400~500℃での疲労強度の向上には、成分元素の添加量を制御するだけではなく、固溶量を制御することが重要であることを知見した。Siは、化合物を形成すると固溶量が減少する。形成した化合物は、疲労破壊起点となる場合がある。加えて、Siは固溶元素として高温での繰り返し負荷中に動的ひずみ時効ならびに加工硬化を促進し、疲労強度の向上に寄与するため、(sol.Si%)>0.9(add.Si%)の関係を有することを規定する。ここで(sol.Si%)は固溶Siの質量%値であり、(add.Si%)は含有Si量の質量%値である。高温で繰り返し負荷を与えた場合、繰り返し負荷で導入された転位の周辺に固溶Siが集まって、加工硬化を促進する。その結果、疲労亀裂発生の抑制や亀裂前方の転位移動を抑制して亀裂進展速度を遅らせるため、高疲労強度化につながる。この要因は高温強度向上のほか動的ひずみ時効ならびに加工硬化促進であると考えられる。
表1に示す19%Cr-13%Ni-3.2%Si-0.8%Mn-0.02%P-0.0005%S-0.03%Al-0.1%C-0.1%V添加鋼(板厚2mm)に対して、製造方法の調整によって固溶Si量を変化させた場合の固溶Si量と400℃および500℃での疲労特性を示す。ここで高温平面曲げ疲労試験は、板厚2mmのJIS1号試験片を用いて行った。試験温度400℃および500℃で、繰り返し速度1700cpm、完全両振り、試験停止回数1×107サイクルの条件とした。疲労限界値は1×107サイクルに到達しても破断しなかった最大の振幅応力と破断した最小の振幅応力の平均値とした。自動車排気系部品に作用する負荷応力として、400~500℃で最大で200MPaが作用することから、疲労限界値を200MPaとして合否判定した。
また、本発明において固溶Si量の測定は、抽出残渣分析を用いて行った。40mm×50mmサイズの板状サンプルを#600で研磨した後に定電流電解して1gの抽出残渣を得て、この抽出残渣を定量分析することにより求めることができる。抽出残渣分析はテトラメチルアンモニウムクロライド溶液および0.2μm径のフィルターを用いて行なった。続いて抽出された鋼中の析出物をICPで分析して、Si元素の析出量を測定し、添加量との差分を求めて固溶量とした。表1から(sol.Si%)>0.9(add.Si%)であれば、での400~500℃での疲労限界値(σ)が200MPa以上となり、自動車排気部品としての性能を満たしていることを示している。
Figure 0007270445000001
[一般粒界長さA+Σ3対応粒界長さB>2.5mm/mm2
動的ひずみ時効硬化や加工硬化は、粒界長さが長いほど大きくなると考えられる。オーステナイト系ステンレス鋼は、一般的に結晶粒内に焼鈍双晶(Σ3対応粒界)が導入した組織を呈している。本発明者らは、焼鈍双晶(Σ3対応粒界)も、動的ひずみ時効および加工硬化に寄与できる粒界であることを見出した。そこで、観察視野の単位面積当たりにおける、一般粒界長さAに焼鈍双晶粒界長さBを足した値A+Bを、動的ひずみ時効硬化の目安として採用し、単位面積当たりの一般粒界長さA+Σ3対応粒界長さB>2.5mm/mm2を規定する。
粒界長さの測定は10mm長さ×5mm巾×2mm厚さサイズの板状サンプルの長さ×厚さ断面をコロイダル仕上げし、FE-SEM(JEOL社製)/EBSD/OIM(TSL社製)を用いて、測定倍率1000倍、測定間隔0.5μm、測定視野19mm2で実施した。一般粒界長さは大角粒界長さ(相対方位差15度以上)―対応粒界長さ(Σ3~Σ29)と定義した。
[製造方法]
次に製造方法について説明する。本発明の鋼板の製造方法は、製鋼-熱間圧延-焼鈍・酸洗、あるいは製鋼-熱間圧延-焼鈍・酸洗-冷間圧延-焼鈍・酸洗よりなる。製鋼においては、前記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼を、電気炉溶製あるいは転炉溶製し、続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造など)に従って鋼スラブとする。鋼スラブは、所定の温度に加熱され、所定の板厚に連続圧延で熱間圧延される。熱間圧延後の鋼板は、一般的には熱延板焼鈍と酸洗処理が施されるが、熱延板焼鈍を省略しても構わない。本発明の対象となる鋼板には熱間圧延焼鈍後(焼鈍は省略可能)の工程にて、以下に説明するように、必要な結晶粒界長さを担保するための製造工程が実施される。
熱間圧延焼鈍板は所定の板厚に冷間圧延される。本発明では、最終のオーステナイト系ステンレス鋼板において、所定の粒界長さならびに固溶Si量を確保するために、冷間圧延の圧下率、冷間圧延された後の加熱温度、保持時間、400℃までの冷却速度を規定する。具体的には冷間圧延の圧下率を80%以上と規定する。更に望ましくは、圧下率は83%以上である。冷間圧延により導入されたひずみが大きいと回復再結晶の核の分布が増えるため粒界長さが長くなる。冷延板の焼鈍温度は1100℃~1250℃と規定する。冷間圧延後の焼鈍で回復再結晶が起こる際に、一般粒界および結晶粒内のΣ3対応粒界が形成される。焼鈍温度が高い場合は、短時間で回復再結晶が起こるが、長時間高温下に曝すと再結晶粒が成長して一般粒界長さが短くなる。一方、焼鈍温度が低い場合は、回復再結晶に時間を要する上に、Σ3対応粒界の形成が少なくなる。また400℃~500℃の疲労強度を確保するためには各成分の固溶量が重要となる。1100℃以下で焼鈍すると炭化物((Fe,Cr,Si)236))や(Cr3Ni2Si(C,N))、σ相、G相等が析出し、固溶量が十分確保できないことに加えて、これらの化合物が疲労起点になって疲労強度を低下させるため、下限を1100℃とした。一方、1250℃超に加熱すると、結晶粒が著しく粗大化して粒界長さが短くなるうえに、加工時にオレンジピール等の不具合が生じることから、上限を1250℃とした。延性や穴拡げ性を考慮すると下限は1180℃が良く、酸洗性を考慮すると上限は1230℃が望ましい。
保持時間は1~100secと規定する。保持時間が1sec未満の場合、再結晶が不十分となり疲労強度が低下するため下限を1secとした。一方120sec超保持した場合、過度な結晶粒成長により粒界長さが長くなることに加えて、加工によってオレンジピール等の不具合が生じることから、上限を120secとした。また、延性や穴拡げ性を考慮すると下限は5secが望ましく、酸洗性を考慮すると上限は30secが望ましい。
加熱保持後の冷却過程における炭化物((Fe,Cr,Si)236))や(Cr3Ni2Si(C,N))、σ相、G相等が析出することによる固溶量の減少を抑制するために、1100℃~400℃までの冷却速度を25℃/sec以上に規定する。一方、過度な高速冷却は板形状の不良を招くことから、100℃/sec以下が望ましい。また生産性の観点から50℃/sec以上が望ましい。なお、冷却方法は空冷のほか水、Ar、Heガス等を用いることができ、所定の冷却速度になるように適宜選択することができる。
なお、製造工程における他の条件は、適宜選択することができる。例えば、スラブ厚さ、熱間圧延板厚などは、適宜設計することができる。冷間圧延においては、ロール径、圧延油、圧延パス回数、圧延速度、圧延温度などは適宜選択することができる。冷間圧延の途中に中間焼鈍を入れても構わず、バッチ式焼鈍でも連続式焼鈍でも良い。また、酸洗工程は、硝酸、硝酸電解酸洗の他、硫酸や塩酸を用いた処理を行っても良い。酸洗促進のため酸洗前に溶融アルカリ塩浸漬などの前処理を行ってもよい。冷延板の焼鈍・酸洗後にテンションレベラー等により形状および材質調整を行っても良い。加えて、プレス成形を向上させる目的で、潤滑皮膜を製品板に付与することも可能である。更に、本発明で規定する固溶量ならびに粒界長さが確保できるのであれば、冷延、冷延板焼鈍を省略し、熱延あるいは熱延板焼鈍後の製品に適用することも可能である。
上述の方法で製造されたオーステナイト系ステンレス鋼板を、自動車、二輪車に限らず、各種ボイラー、燃料電池システム、プラント等の400~500℃に曝されながら振動を受ける排気・吸気部品に適用可能である。本発明のオーステナイト系ステンレス鋼板は、特に排気部品として、産業上極めて有益である。
表2と表3に示す成分組成(質量%)の鋼を溶製した後、熱延、熱延板焼鈍・酸洗、冷延、最終焼鈍・酸洗を施して2.0mm厚の鋼板を得た。冷延板の製造条件は、冷間圧延の圧下率:80%、焼鈍温度:1120℃、保持時間:30sec、1120℃から400℃までの冷却速度を30℃/secとであった。冷間圧延圧下率、最終焼鈍温度、焼鈍時間、冷却速度の影響を確認するため、一部の条件を変更した比較鋼も製造した。高温平面曲げ疲労試験および固溶量の測定、粒界長さの測定は前述した方法で行った。
Figure 0007270445000002
Figure 0007270445000003
Figure 0007270445000004
Figure 0007270445000005
表2に示した本発明例の鋼板、表3に示した比較例の鋼板の製造条件と、固溶Si量と含有Si量、粒界長さA+B(mm/mm2)ならびに400℃および500℃における疲労限界値を、表4と表5に示す。
表4に示されるように、本発明例の鋼板においては、全ての場合において、疲労限界値200MPa以上をクリアしており、400~500℃程度の高温・振動環境下にさらされる部品素材としての安全な利用が保証さる。
一方、表5には、比較例の鋼板の製造条件と粒界長さA+B(mm/mm2)および疲労限界値を示した。
これらの比較例は、鋼成分範囲では本発明例のA2を充足しているA2-1~A2-6の6例と、いずれかの成分元素範囲が発明範囲を充足していないB1~B5の5例である。
比較例A2-1は、冷延圧下率が60%で過小であり、A2-2は冷延板の焼鈍温度が900℃低すぎており、またA2-3では焼鈍温度が1300℃と高すぎる。A2-4は焼鈍時間が0.2secと過少であり、A2-5は焼鈍時間が200secと過大である。また、A2-6は1100℃~400℃までの冷却速度が10℃/secと遅すぎる。
上述した本発明のステンレス鋼版の製造には適切ではない製造過程により、A2-1~A2-6の比較例においては、粒界長さ(A+B)の値が2.5mm/mm2に至らなかった。この結果、すべての場合において、400℃および500℃における疲労限界値が200MPaを下回っており、これらの温度環境下での高振動部品素材に適用することは難しい結果となった。
比較例B1~B5の5例は、製造方法において、冷間圧延圧下率80%以上、焼鈍温度1100℃以上、焼鈍時間100sec以下としているが、何らかの成分元素含有量が、本発明で規定する条件を満たしていない群である。
B1およびB3は、いずれもSi含有量が下限値の0.1%を満たしていない低い値となっている。加えてB1はNi含有量が上限値を超えている。
B4はMo含有量が本発明の規定値の下限値を満たしていない低値となっている。
B2はC含有量が本発明下限値を充足していない。
B5はN含有量が本発明で規定する下限値を満たしていない。
比較例B1およびB3はSi固溶量が本発明で規定する(sol.Si%)>0.9(add.Si%)を満たしておらず、400℃および500℃の疲労限界値は200MPa以下となっている。
比較例B1およびB5は、CおよびN量が下限値以下であるため、再結晶後の粒成長が速くなり、粒界長さの指標であるA+Bの値が2.5mm/mm2以下となっている。
B2~B4は、いずれも粒界長さの指標であるA+Bの値では、本発明の規定値である2.5mm/mm2以上を充足していたが、400℃および500℃における疲労限界値は、目安となる200MPaを充足できないものとなり、これらの温度環境下での振動部材素材とするには不適切であることが判明した。
本発明によれば、耐熱性のなかでも高温高サイクル疲労特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提供することが可能である。特に、自動車のエキゾーストマニホールド、ターボ、エキゾーストパイプ、コンバーター、フレキシブルチューブ、排熱回収機、DPF(Diezel Particulate Filter)、GPF(Gasoline Particulate Filter)、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)、ガスケット、マフラー部品等の一部に適用することができる。また、それらの部品の中でも特に、400~500℃程度に加熱され、かつ振動による負荷を繰り返し受ける部品に使用することができ、従来のオーステナイト系ステンレス鋼よりも薄肉化できるため、部品の軽量化が図られるほか排ガス規制、燃費向上につなげることが可能である。エキゾーストマニホールドならば、ターボ搭載による高振動対策としてベローズ加工を施すようなターボエキゾーストパイプや板プレス品、パイプ品、二重管品のいずれでも用いることが可能である。更に、自動車、二輪車に限らず、各種ボイラー、燃料電池システム、プラント等の400~500℃に曝されながら振動を受ける排気・吸気部品に適用可能であり、本発明は産業上極めて有益である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.002~0.300%
    Si:0.10~4.00%
    Mn:0.05~10.00%
    P:0.010~0.050%
    S:0.0001~0.0100%
    Ni:5.00~15.00%
    Cr:15.00~30.00%
    N:0.010~0.500%
    Mo:0.010~0.500%未満
    V:0.01~1.00%
    Cu:0.10~2.50%
    Al:0.001~1.000%
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、固溶Si量(sol.Si%)と含有Si量(ad.Si%)との関係が(sol.Si%)>0.9(add.Si%)を満たし、かつ一般粒界長さA+Σ3対応粒界長さB>2.5mm/mm2を満たすことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板。
  2. 更に、質量%で、
    Nb:0.005~0.300%
    Ti:0.005~0.300%
    B:0.0002~0.0050%
    Ca:0.0005~0.0100%
    W:0.05~3.00%
    Zr:0.05~0.30%
    Sn:0.01~0.50%
    Co:0.03~0.30%
    Mg:0.0002~0.0100%
    Sb:0.005~0.500%
    REM:0.001~0.200%
    Ga:0.0002~0.3000%
    Ta:0.001~1.000%
    Hf:0.001~1.000%
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
  3. 400℃~500℃での平面曲げ疲労試験における疲労限界値が、200MPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
  4. 排気部品に使用される請求項1~3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板から成る排気部品。
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