JP2018114932A - スペースデブリ捕獲装置及びスペースデブリ除去装置 - Google Patents

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進也 福重
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Abstract

【課題】スペースデブリ除去機能を有する装置をスペースデブリに取り付けるために銛をスペースデブリに打ち込む際に必要な力や、銛を打ち込む際に発生する反力を小さく抑える。
【解決手段】デブリXの表面Yに打ち込む銛41′に、大径の第1銛部43とその収容部43bに収容した細径の第2銛部44とを設け、表面YのリブZで補強されていない部分に銛41′が打ち込まれた場合は、銛41′の全体が表面Yを突き抜けて裏側に係止されるようにした。また、表面YのリブZで補強された部分に銛41′が衝突した場合は、表面Yを既に突き破っている第2銛部44を、表面Yで止まった第1銛部43の収容部43bから慣性により飛び出させ、表面Yを突き抜けさせて裏側に係止させるようにした。あるいは、デブリXに打ち込まれた第2銛部44が表面Yとの摩擦や金属結合、あるいは機械的係止によりデブリXに連結されるようにした。
【選択図】図12

Description

本発明は、地球周回軌道上を周回している比較的大型の使用済みの衛星やロケット等のスペースデブリの除去に適したスペースデブリ除去装置に関する。
現在、軌道上には、軍事衛星、通信衛星、科学衛星、観測衛星、航行衛星等、種々の目的の人工衛星が周回している。これらの人工衛星は、故障して機能しなくなったり、役目を終えて寿命に達したりした場合には、そのまま軌道上に放置され、スペースデブリ(宇宙ごみ)となることが多い。また、人工衛星等の打ち上げに使用したロケット等の残骸もスペースデブリとして軌道上に放置されている。
現在、軌道上を周回しているスペースデブリは、数千個以上にも及び、自然衝突により個数が増加する自己増殖の段階に突入している。このスペースデブリの自己増殖を停止させるには、最低でも年間5個程度のスペースデブリを除去する必要がある。スペースデブリは、地球の引力に引き寄せられて、いずれ落下消滅することとなるが、自然落下には長い年月を要し、効率的ではない。そこで、スペースデブリを積極的に除去する方法として、減速装置をスペースデブリに取り付ける方法が既に提案されている。
また、本出願人も、減速装置をスペースデブリに取り付ける方法として、スペースデブリ除去装置から発射した銛をスペースデブリに打ち込むこと(例えば、特許文献1参照)等を既に提案している。
このスペースデブリに銛を打ち込むスペースデブリ除去方法では、スペースデブリにトラス構造の梁等によって補強された部分が存在することを考慮して、スペースデブリ除去装置から複数の銛をスペースデブリに打ち込み、補強されていない部分に打ち込まれた銛によって減速装置をスペースデブリに取り付けるようにしている。
国際公開第2013/065795号
補強された部分でも貫通できるように銛を打ち込むには、通常の数倍〜数十倍ものエネルギーが必要となり、その反力に耐えるためにスペースデブリ除去装置を大型化する必要がある。これに対し、上述した複数の銛をスペースデブリに打ち込む除去方法ならば、各銛を通常のエネルギーで発射すればよいので、除去装置の大型化を避けることができる。
とはいえ、銛を発射するための構成を銛の数だけ設ける必要があることから、スペースデブリ除去装置がそれ相応に大型化することは避けられない。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、スペースデブリ除去機能を有する装置をスペースデブリに取り付けるために銛をスペースデブリに打ち込む際に必要な力や、銛を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができるスペースデブリ捕獲装置と、このスペースデブリ捕獲装置を用いて好適なスペースデブリ除去装置とを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によるスペースデブリ捕獲装置は、
本体部から除去対象のスペースデブリであるターゲットデブリに向けて打ち込まれる銛を備えており、
前記銛は、大径の第1銛部と、該第1銛部の前記ターゲットデブリへの打ち込み方向における先端面から突出する小径の第2銛部とを有している。
本発明の第1の態様によるスペースデブリ捕獲装置によれば、ターゲットデブリに向けて銛が打ち込まれると、その際に銛に付与された力が第1銛部及び第2銛部に、それぞれの質量に応じた割合で加わる。そして、ターゲットデブリには、第1銛部の先端面が衝突するよりも先に、第1銛部の先端面から突出した第2銛部が衝突する。
第2銛部の先端部がターゲットデブリに衝突する際には、銛に付与されて第2銛部に加わった力が先端部にかかると共に、銛に付与されてターゲットデブリに衝突していない第1銛部に加わった力が、第2銛部の先端部にかかる。
つまり、銛に付与された力は、第1銛部よりも小径の第2銛部の先端部に全てかかる。この力により第2銛部の先端部は、ターゲットデブリの例えば肉厚な材料の使用や補強部材による補強等によって他の部分よりも強度が増した部分に衝突しても、ターゲットデブリに打ち込まれ易くなる。
したがって、少なくとも第2銛部がターゲットデブリに打ち込まれるのに必要な力を銛に付与すれば、ターゲットデブリと打ち込まれた第2銛部とを摩擦力や金属結合力、あるいは、両者の機械的な係合(係止)により連結させることができる。
このため、強度が高い部分に銛が打ち込まれる可能性があっても、銛を打ち込む際に付与する力を小さく抑えることができ、よって、スペースデブリにスペースデブリ除去機能を有する装置を取り付けるために銛をスペースデブリに打ち込む際に必要な力や、銛を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができる。
また、本発明の第2の態様によるスペースデブリ捕獲装置は、本発明の第1の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、前記第2銛部は、前記銛を前記ターゲットデブリに打ち込んだ状態で前記第1銛部が前記ターゲットデブリの外側に配置される場合に、摩擦力、金属結合力及び機械的係止力のうち少なくとも一つにより前記ターゲットデブリと連結される。
本発明の第2の態様によるスペースデブリ捕獲装置によれば、本発明の第1の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、例えば、第1銛部の先端面がターゲットデブリの他の部分よりも強度が増した部分に衝突し、先端面にかかる力ではターゲットデブリを突き抜けられない場合は、第2銛部がターゲットデブリに打ち込まれ、第1銛部は、先端面がターゲットデブリに衝突してターゲットデブリの外側に配置された状態となる。
このとき、摩擦力、金属結合力及び機械的係止力のうち少なくとも一つの力によって第2銛部がターゲットデブリと連結されるので、打ち込んだ銛をターゲットデブリに容易に連結させることができる。
さらに、本発明の第3の態様によるスペースデブリ捕獲装置は、本発明の第1又は第2の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、前記第1銛部は、前記先端面に開口した収容部を有しており、前記第2銛部は、前記第1銛部の前記収容部に収容されて前記先端面から先端部が突出していて、前記収容部から前記第1銛部の外側への飛び出しを許容する寸法の紐によって前記第1銛部と接続されており、前記ターゲットデブリに対する前記第1銛部の前記先端面の衝突の際に前記第2銛部の前記先端部が前記ターゲットデブリに打ち込まれる。
本発明の第3の態様によるスペースデブリ捕獲装置によれば、本発明の第1又は第2の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、第2銛部がターゲットデブリに打ち込まれた後、第1銛部の先端面がターゲットデブリに衝突すると、銛に付与された力のうち第1銛部に加わって消費されずに残っている残力は第1銛部の先端面にかかるようになり、第2銛部には、銛に付与された力のうち第2銛部に加わって消費されずに残っている残力だけがかかる。
ここで、例えば、第1銛部の先端面がターゲットデブリの他の部分よりも強度が増した部分に衝突し、先端面にかかる力ではターゲットデブリを突き抜けられない場合は、第1銛部の先端面はターゲットデブリに衝突して止まるが、第2銛部は慣性力によりそのまま第1銛部の収容部から飛び出そうとする。
このとき、銛に付与された力のうちターゲットデブリに衝突した第1銛部に加わって消費されずに残っている残力は第2銛部にかからず、銛に付与された力のうち第2銛部に加わって消費されずに残っている残力だけが第2銛部にかかる。このため、第1銛部の収容部から飛び出そうとする第2銛部は、残力不足でターゲットデブリを突き抜けられない可能性があり、あるいは、例えば第1銛部よりも小径であるため、第2銛部の残力だけでもターゲットデブリを突き抜けられる可能性もある。
そして、第2銛部が第1銛部の収容部から飛び出してターゲットデブリを突き抜けると、ターゲットデブリの裏側でターゲットデブリに第2銛部が係止され、係止相手のターゲットデブリに、紐、第1銛部及び本体部を介して、スペースデブリ除去機能を有する装置が接続される。
一方、第2銛部が残力不足でターゲットデブリを突き抜けられない場合は、第2銛部がターゲットデブリに打ち込まれて止まった位置で銛が止まる。この場合は、ターゲットデブリに打ち込まれた第2銛部とターゲットデブリとが例えば摩擦力で機械的に連結される。あるいは、第2銛部とターゲットデブリとが例えば宇宙空間において酸化被膜を介さずに直接接触し、両者が金属結合して強固に連結される。したがって、第2銛部がターゲットデブリと連結され、この第2銛部を介して連結先のターゲットデブリに、紐、第1銛部及び本体部を介して、スペースデブリ除去機能を有する装置が接続される。
なお、第1銛部及び第2銛部がターゲットデブリを突き抜けた場合は、ターゲットデブリの裏側でターゲットデブリに銛が係止され、係止相手のターゲットデブリに、本体部を介してスペースデブリ除去機能を有する装置が接続される。
したがって、少なくとも第2銛部がターゲットデブリに打ち込まれるのに必要な力を銛に付与すれば、ターゲットデブリと打ち込まれた第2銛部とを摩擦力や金属結合力により連結させ、あるいは、ターゲットデブリを突き抜けた第2銛部又は銛全体をターゲットデブリに係止させることができる。
このため、ターゲットデブリの強度が高い部分に銛が打ち込まれる可能性があっても、銛を打ち込む際に必要な力や、銛を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができる。
また、本発明の第4の態様によるスペースデブリ捕獲装置は、本発明の第3の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、前記紐は、前記収容部からの飛び出し方向における前記第2銛部の中間部と前記第1銛部とを接続しており、前記第2銛部は、前記ターゲットデブリへの打ち込みにより該ターゲットデブリに形成される貫通孔の開口径を上回る長さを、前記飛び出し方向における両端部間に有している。
本発明の第4の態様によるスペースデブリ捕獲装置によれば、本発明の第3の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、第2銛部がターゲットデブリを突き抜けて裏側に位置し、第1銛部がターゲットデブリの手前(表側)に位置する状態では、第2銛部の中間部に接続された紐を第1銛部側に引くと、第2銛部の長さよりも小さいターゲットデブリの貫通孔に第2銛部の中間部が当て付けられる。よって、第2銛部をターゲットデブリの裏側に確実に係止させることができる。
さらに、本発明の第5の態様によるスペースデブリ捕獲装置は、本発明の第3又は第4の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、前記第2銛部は、前記収容部からの飛び出し方向における先端側よりも終端側の方が小径に形成されている。
本発明の第5の態様によるスペースデブリ捕獲装置によれば、本発明の第3又は第4の態様によるスペースデブリ捕獲装置において、第2銛部の先端部が打ち込まれたターゲットデブリには、先端部の外径に対応する貫通孔が形成される。その後、第2銛部がさらにターゲットデブリに打ち込まれると、ターゲットデブリの貫通孔を通過するのが、第2銛部の大径の先端側から小径の終端側に移動し、第2銛部の貫通孔を通過する部分がターゲットデブリに接触しにくくなる。このため、第2銛部がターゲットデブリを突き抜ける際のターゲットデブリとの接触抵抗を減らし、第2銛部がターゲットデブリを突き抜けて裏側に係止され易くなるようにすることができる。
なお、
本体部と、
前記本体部から除去対象のスペースデブリであるターゲットデブリに向けて打ち込まれる銛を有するスペースデブリ捕獲装置とを備え、
前記スペースデブリ捕獲装置として、本発明の第1、第2、第3、第4又は第5の態様によるスペースデブリ捕獲装置を有している、
スペースデブリ除去装置を構成してもよい。
本発明によれば、スペースデブリ除去機能を有する装置をスペースデブリに取り付けるために銛をスペースデブリに打ち込む際に必要な力や、銛を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができる。
本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置を示す説明図である。 ターゲットデブリの捕獲体勢に移行した図1のスペースデブリ除去装置の説明図である。 図1のスペースデブリ除去装置に搭載されるスペースデブリ捕獲装置の基本的構成を一部断面で示す説明図である。 図3のスペースデブリ捕獲装置の動作を示す説明図であり、(a)は接近状態、(b)は射出角度調整状態、(c)は射出角度調整終了状態を示している。 図3のスペースデブリ捕獲装置の動作を示す説明図であり、(a)は射出状態、(b)はエンドマス切り離し状態、(c)はテザー放出状態を示している。 図1のスペースデブリ除去装置の動作を示す説明図であり、(a)は移動状態、(b)は接近状態、(c)は捕獲状態を示している。 図1のスペースデブリ除去装置の動作を示す説明図であり、(a)は離脱状態、(b)はテザー放出状態を示している。 (a)は本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置の変形例を示す側面図、(b)は同正面図である。 (a)は本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置の具体的な構成例を示す説明図、(b)は同じく他の具体的な構成例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るスペースデブリ捕獲装置の銛の部分の具体的な構成を示す説明図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係るスペースデブリ捕獲装置の銛の部分の具体的な構成を示す説明図、(b)は(a)の第2銛部の断面図である。 (a)〜(c)は図11の銛がターゲットデブリに打ち込まれる過程を示す説明図である。 図11の第2銛部の変形例を示す説明図である。 (a)〜(c)は図11の第2銛部の他の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1乃至図9を参照して、本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置について説明する。図1は本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置を示す説明図、図2は図1のスペースデブリ除去装置がターゲットデブリの捕獲体勢に移行した状態を示す説明図である。
図1中引用符号1で示す、本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置(以下、「デブリ除去装置」と称する。)は、宇宙空間を漂流するデブリを捕獲して軌道上から除去するものである。そして、デブリ除去装置1は、図2に示したように、除去対象のデブリX(図3参照、請求項中のターゲットデブリに相当)に接近可能に構成されたエンドマス2(請求項中の本体部に相当)と、エンドマス2に切り離し可能に搭載されたスペースデブリ捕獲装置(以下、「デブリ捕獲装置」と称する。)3と、デブリ捕獲装置3とエンドマス2とを連結するテザー4(図4参照)と、を備えている。
図3は、デブリ除去装置1に搭載されるデブリ捕獲装置の基本的構成を一部断面で示す説明図である。図3に示したように、デブリ捕獲装置3は、デブリXに打ち込まれる銛31と、デブリXに打ち込むために銛31を射出する射出装置32と、デブリXの表面に当接可能に配置されデブリXの表面に対する銛31の射出角度を調整するガイド部材33と、射出装置32に射出信号を送信するスイッチ34と、備えている。そして、デブリ捕獲装置3は、デブリXに銛31を貫入させた後、エンドマス2をデブリ捕獲装置3から切り離してテザー4を宇宙空間に放出するように構成されている。
エンドマス2は、自身の重力やスラスタ等の推進力を利用してテザー4を宇宙空間で展開するための質量体である。また、エンドマス2は、デブリ捕獲装置3の制御装置やテザー4を収容する容器として利用してもよい。例えば、図3に示したように、テザー4は、コイル状に巻かれてエンドマス2内に収容されており、エンドマス2は、テザー4を外部に引き出すためのテザー放出口2aを有している。
また、エンドマス2は、図1に示したように、テザー4の展開時に方向や姿勢を制御するための推進手段21(例えば、スラスタ等)を有していてもよい。エンドマス2の表面には、デブリ捕獲装置3に電力を供給するための太陽光発電装置(電力源)を構成する太陽電池パネル22が配置されていてもよい。なお、推進手段21や電力源は、図示した構成に限定されるものではなく、必要に応じて省略することもできる。
デブリ除去装置1は、例えば、小型衛星等の母機5に搭載されて移動される。母機5は、例えば、スラスタ等の推進手段51、電力を供給する太陽電池パドル52、デブリ除去装置1を把持して操作するロボットアーム53と、エンドマス2を固定するための固定部54(例えば、開口部)と、を有している。このように、推進手段51を有する母機5にデブリ除去装置1(エンドマス2)を搭載することにより、デブリ除去装置1の推進手段や大型の電力源を省略することができ、デブリ除去装置1の簡素化及び軽量化を図ることができる。なお、デブリ除去装置1は、例えば、母機5の上面及び下面に2台ずつ配置(合計4台)されるが、かかる台数及び位置に限定されるものではない。
また、エンドマス2は、後端部にロボットアーム53が把持するための把手部23を有している。把手部23は、ロボットアーム53が把持可能な形状であれば、図示した形状に限定されるものではない。母機5は、デブリXの捕獲作業に移行するまでは、図1に示したように、デブリ除去装置1を表面に固定して収容した状態で移動する。そして、除去対象のデブリXに接近し、捕獲作業に移行する際には、図2に示したように、ロボットアーム53によりエンドマス2を母機5の表面から引き離し、ロボットアーム53を真っ直ぐに正面に向けることによって、デブリ除去装置1の先端(銛31の射出方向)を正面に向けた状態で位置決めを行う。
デブリ捕獲装置3は、図3に示したように、銛31、射出装置32、ガイド部材33及びスイッチ34に加え、エンドマス2のテザー放出口2aに接続される略筒状のケーシング35と、ケーシング35内に収容されたコイルスプリング36と、ケーシング35をテザー放出口2aに固定するためのロック手段37と、射出装置32とケーシング35との間に配置される緩衝手段38と、を有している。
ケーシング35は、テザー放出口2aの端面に当接可能な径を有し、後端部が開口されている。また、コイルスプリング36の後端は、テザー放出口2aの端面に当接し、コイルスプリング36は、圧縮された状態でケーシング35内に収容されている。ロック手段37は、テザー放出口2aの先端に形成された環状の突起に係合可能なフック37aと、フック37aを拘束するワイヤ37bと、ワイヤ37bを切断するワイヤカッタ37cと、を有している。なお、ロック手段37の形状や構成は単なる一例であり、図示した形状や構成に限定されるものではない。
ワイヤ37bは、フック37aがテザー放出口2aに係合した状態を維持するようにフック37aに接続されている。デブリ捕獲装置3からエンドマス2を切り離したい際に、ワイヤカッタ37cによりワイヤ37bを切断し、フック37aの拘束を解除する。フック37aの拘束を解除すると、コイルスプリング36の付勢力により、テザー放出口2aが押し出され、フック37aがテザー放出口2aから離脱するとともに、エンドマス2がデブリ捕獲装置3から離隔する。
射出装置32は、銛31の移動方向を規制するシリンダ32aと、シリンダ32aに挿通されたピストン32bと、シリンダ32aの後端に配置された複数のパイロ弁32cと、デブリXの表面に対する銛31の貫入深さを設定するストッパー機構32dと、を有している。パイロ弁32cは、スイッチ34から射出信号を受信するとシリンダ32a内にガスを放出し、ピストン32bを押し出す。かかる射出装置32の構成は、単なる一例であり、パイロ弁32cは単数であってもよいし、他の火工品を用いた構成であってもよいし、電動モータを用いた構成であってもよい。
ピストン32bの先端には、銛31が接続されている。銛31は、デブリXに貫入可能な径を有するロッド状の部品であり、先端部に複数の返し部31aを有している。返し部31aを有することにより、デブリXに貫入した銛31の抜けを抑制することができる。なお、銛31の先端部は尖っていてもよいし、穴あけパンチや切削具の先端のような形状を有していてもよい。
ストッパー機構32dは、例えば、シリンダ32aの先端に形成された壁面部32eと、ピストン32bの後端に形成された拡径部32fと、により構成される。かかる構成により、銛31が射出装置32から射出された場合であっても、ピストン32bの拡径部32fをシリンダ32aの壁面部32eに係止させることができ、銛31が射出装置32から分離して飛び出さないようにすることができる。すなわち、壁面部32eと拡径部32fとの距離によって銛31の射出距離を規定することができ、デブリXの表面に対する銛31の貫入深さを設定することができる。なお、拡径部32fの位置はピストン32bの後端に限定されるものではなく、銛31の設定したい貫入深さに合わせてピストン32bの中間部に形成するようにしてもよい。
また、銛31の先端からピストン32bに渡って、ガス抜き用の流路31bを形成するようにしてもよい。流路31bは、銛31及びピストン32bの軸心に沿って形成された後、ピストン32bの中間部で側面に向かって折れ曲がるように形成される。かかる構成により、デブリXの内部に何らかのガスが滞留していた場合であっても、銛31をデブリXに貫入させることにより、流路31bを介してデブリX内のガスを宇宙空間に放出することができ、デブリXの爆発や火災等の事故の発生を抑制することができる。なお、流路31bは、必要に応じて省略することができる。
また、デブリ捕獲装置3は、銛31の外周を覆うとともに銛31の先端よりも前方に開口部(先端部39a)が位置するように配置されたデブリ飛散防止手段(例えば、ベローズ39)を有していてもよい。ベローズ39は、例えば、銅製の蛇腹を有する弾性体であり、銛31の延伸方向に伸縮可能に構成されている。ベローズ39の後端部39bは底部を有し、底部を銛31に接続することによって後端部39bが封止されている。なお、デブリ飛散防止手段は、図示したベローズ39に限定されるものではなく、スポンジのような弾性体により構成されていてもよい。
したがって、デブリXに銛31を貫入させると、ベローズ39の先端部39aは、デブリXの表面に留まり、銛31の移動に伴ってベローズ39の後端部39bが移動し、ベローズ39は圧縮される。すなわち、銛31のデブリXへの貫入により、ベローズ39はデブリXの表面に押し付けられ、密閉空間を形成する。その結果、銛31の貫入時に生じるデブリXの破片等の飛散を抑制することができ、新たなデブリの発生を抑制することができる。なお、ガス抜き用の流路31bは、ベローズ39内にガスを放出しないように、ベローズ39よりも後端側まで延設することが好ましい。
ベローズ39の先端部39aには、スイッチ34が配置されている。スイッチ34は、ベローズ39の開口部を形成する縁部に複数配置されている。例えば、ベローズ39の先端部39aが、デブリXの表面に正対した状態を検知するためには、少なくとも3個以上のスイッチ34を配置することが好ましい。このように、ベローズ39の先端部39aにスイッチ34を配置することにより、ベローズ39がデブリXの表面に正対した状態を検知することができ、この状態で銛31をデブリXに貫入させることにより、銛31の射出角度を適正な範囲内に調整することができるとともに、密閉空間を容易に形成することができる。
スイッチ34は、ベローズ39の先端部39aがデブリXの表面に当接した状態を検出する部品である。スイッチ34は、いわゆるマイクロスイッチであり、感圧式であってもよいし、通電式であってもよい。スイッチ34は、ケーブル(図示せず)を介して射出装置32のパイロ弁32cに接続されている。そして、ベローズ39の先端部39aがデブリXの表面に当接すると、スイッチ34はパイロ弁32cに射出信号を送信する。なお、スイッチ34の配置場所は、ベローズ39の先端に限定されるものではなく、ガイド部材33の先端に配置してもよいし、デブリ捕獲装置3に支持された専用のガイド部材の先端に配置するようにしてもよい。
また、ベローズ39の外周には、ガイド部材33が配置されている。ガイド部材33は、例えば、先端に配置された環状のリム部33aと、リム部33aを支持するスポーク部33bと、を有し、先端側が拡径した略円錐形状の外形を有している。リム部33aの径は、ベローズ39よりも大きく形成されている。スポーク部33bの後端部は、例えば、射出装置32のシリンダ32aに接続される。
したがって、デブリ捕獲装置3がデブリXの表面に対して斜めに接近した場合には、最初にガイド部材33のリム部33aがデブリXの表面に当接することとなる。そして、そのままデブリ捕獲装置3をデブリXに接近させると、ガイド部材33は、最初の当接点を基準にしてリム部33aの全体がデブリXの表面に当接するように姿勢が制御される。すなわち、ガイド部材33は、デブリ捕獲装置3の自動調芯機構として作用し、銛31の射出角度を調整することができる。
エンドマス2に収容されたテザー4は、テザー放出口2a及びケーシング35を通過して、射出装置32(シリンダ32a)の後端部に接続されている。射出装置32(シリンダ32a)とケーシング35との間には、銛31の射出時に生じる衝撃を緩和する緩衝手段38(例えば、ルーズスプリング)が配置されていてもよい。かかる緩衝手段38を配置することにより、パイロ弁32cを点火して銛31を射出した際に生じる反力を緩衝手段38で吸収することができる。なお、緩衝手段38は、ルーズスプリングに限定されるものではなく、ゴムのような弾性体であってもよい。
テザー4は、銛31をデブリXに貫入させた後、エンドマス2を切り離すことによって宇宙空間に放出され展開される。テザー4は導電性を有し、テザー4に流れる電流とテザー4が展開される磁場との関係からテザー4にローレンツ力が作用する。その結果、テザー4は、例えば、デブリXの進行方向と反対方向に引っ張られることとなり、デブリXを減速させることができる。なお、図示しないが、テザーを逆方向(例えば、地球から遠ざかる方向)に伸展させることにより、デブリXを進行方向に引っ張って加速させ、デブリXの軌道を上昇させることにより、混雑軌道から除去するようにしてもよい。
次に、デブリ捕獲装置3の動作について、図4及び図5を参照しつつ説明する。ここで、図4及び図5はデブリ捕獲装置3の動作を示す説明図であり、図4(a)は接近状態、(b)は射出角度調整状態、(c)は射出角度調整終了状態を示している。また、図5(a)は射出状態、(b)はエンドマス切り離し状態、(c)はテザー放出状態を示している。
図4(a)に示したように、エンドマス2に接続された状態のデブリ捕獲装置3は、エンドマス2とともにデブリXに接近される。デブリ捕獲装置3が、デブリXの表面に対して略垂直な状態を維持したまま接近した場合には、図4(c)に示したように、スイッチ34がデブリXの表面に当接し、射出信号が発信される。
それに対して、図4(b)に示したように、デブリ捕獲装置3が、デブリXの表面に対して斜めに接近した場合には、ガイド部材33のリム部33aがデブリXの表面に当接することとなる。そして、そのままデブリ捕獲装置3をデブリXにゆっくり接近させると、ガイド部材33は、リム部33aの当接点を基準にデブリ捕獲装置3の姿勢を補正する。最終的に、デブリ捕獲装置3は、図4(c)に示したように、デブリXの表面に対して略垂直な状態となるように補正される。
図4(c)に示したように、スイッチ34がデブリXの表面に当接すると、射出信号が射出装置32(パイロ弁32c)に送信され、パイロ弁32cからシリンダ32a内にガスが放出され、ピストン32bがシリンダ32aに沿って押し出される。かかる動作により、銛31が射出装置32から射出され、図5(a)に示したように、銛31がデブリXに貫入する。このとき、銛31はストッパー機構32dにより、貫入深さが設定されており、射出装置32から分離して飛び出すことがないように構成されている。
このとき、ベローズ39は、デブリXの表面と銛31との相対移動により、デブリXの表面に押し付けられて圧縮される。したがって、ベローズ39により、銛31の貫入部の周囲に密閉空間を形成することができ、銛31の貫入時に生じる破片等の飛散を抑制することができる。また、デブリX内にガスが滞留している場合には、流路31bにより宇宙空間に放出される。なお、銛31の射出時における反力は、緩衝手段38により吸収される。
銛31をデブリXに貫入することにより、デブリ捕獲装置3によってデブリXを捕獲することができる。次に、デブリXを減速させる必要がある。そこで、図5(b)に示したように、ロック手段37のワイヤ37bを切断する。ワイヤ37bを切断するとフック37aの拘束が解除されることから、ケーシング35内に収容されたコイルスプリング36の付勢力によって、エンドマス2が宇宙空間に向かって押し出される。そして、図5(c)に示したように、エンドマス2は、デブリ捕獲装置3から離隔し、テザー4が宇宙空間に放出され展開される。
次に、デブリ除去装置1の動作について、図6及び図7を参照しつつ説明する。ここで、図6及び図7はデブリ除去装置1の動作を示す説明図であり、図6(a)は移動状態、(b)は接近状態、(c)は捕獲状態を示している。また、図7(a)は離脱状態、(b)はテザー放出状態を示している。
図6(a)に示したように、デブリ捕獲装置3は、母機5に搭載された状態で除去対象であるデブリXの近くまで移動される。デブリXは、不規則なタンブリング運動をしながら周回軌道上を周回している。母機5は、例えば、デブリXの周回軌道よりも低い位置に投入され、推進手段51を使用してデブリXに接近しつつ遠心力により徐々に周回軌道上に接近する。
母機5がデブリXの周回軌道上に投入されると、図6(b)に示したように、母機5は、ロボットアーム53を操作してエンドマス2及びデブリ捕獲装置3を母機5から切り離し、デブリ捕獲装置3を母機5の正面に位置決めする。
捕獲体勢に入った母機5は、GPS等を使用して、自己の位置とデブリXの位置を把握しながら移動する。このとき、CCDカメラやレーザレーダ等の観測器によりデブリXを観測し、デブリXの運動モデルを推定し、銛31の打ち込み位置を計算するようにしてもよい。そして、図6(c)に示したように、母機5をデブリXに接近させて、銛31の打ち込み位置にデブリ捕獲装置3の先端を当接させる。なお、デブリ捕獲装置3の先端をデブリXの表面に当接させる際は、上述したロボットアーム53を使用してもよいし、デブリXの近接距離からデブリ捕獲装置3をエンドマス2から射出して当接させるようにしてもよい。
デブリ捕獲装置3の先端がデブリXの表面に当接すると、図5(a)に示したように、銛31が射出され、デブリXが捕獲される。デブリXを捕獲した後、母機5は、ロボットアーム53を操作して、図7(a)に示したように、デブリ除去装置1(エンドマス2)を切り離して離脱する。母機5は、次の除去対象である別のデブリに向かって移動する。
母機5から切り離されたデブリ除去装置1は、図5(b)及び(c)に示したように、デブリ捕獲装置3からエンドマス2を切り離し、テザー4を宇宙空間に放出して展開する。このとき、エンドマス2が推進手段21を有する場合には、推進手段21を利用することにより、テザー4の展開方向や姿勢を制御することができる。
上述したように、除去対象のデブリXに接近可能に構成されたエンドマス2と、エンドマス2に切り離し可能に搭載されたデブリ捕獲装置3と、デブリ捕獲装置3とエンドマス2とを連結するテザー4と、を備えたデブリ除去装置1を用いることにより、デブリ捕獲装置3をデブリXに接近させる接近工程と、デブリ捕獲装置3がデブリXの表面に対して斜めに接近し、デブリ捕獲装置3の一部(ガイド部材33)がデブリXの表面に当接し、当接点を基準にデブリ捕獲装置3の姿勢を補正する姿勢補正工程と、デブリ捕獲装置3によりデブリXを捕獲する捕獲工程と、デブリ捕獲装置3からエンドマス2を離隔させてテザー4を宇宙空間に放出するテザー展開工程と、を有するデブリ除去方法を容易に実施することができる。
したがって、上述したデブリ除去装置1及びデブリ除去方法によれば、銛31を遠方より射出するのではなく、デブリ捕獲装置3をデブリXに接近させてガイド部材33をデブリXの表面に当接させることによって、銛31の射出角度を調整し、デブリXの表面に近接した位置から適正な射出角度で銛31を射出するようにしたことから、銛31の射出時に必要な運動エネルギーを低減することができ、その反力を低減することができる。
また、近接した位置で射出角度を調整してから銛31を射出していることから、銛31が逸れたり、跳弾したり、デブリXを貫通したりする可能性を低減することができ、デブリXを正確に捕獲することができる。また、確実に銛31をデブリXに貫入させることができることから、銛31がデブリXに貫入したか否かを観測するステップや観測手段を省略することもできる。
なお、以上に説明したデブリ除去装置1の構成の一部は変更することもできる。図8(a)は本発明に係るスペースデブリ捕獲装置が適用されるスペースデブリ除去装置の変形例を示す側面図、(b)は同正面図である。図8(a),(b)において、図1乃至図7で示したのと同じ構成部品については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図8(a),(b)に示したデブリ除去装置は、エンドマス2が射出装置32を支持する支持手段24を有するものである。支持手段24は、ヒンジ24cを介して回動可能にエンドマス2に接続されたフレーム24aと、射出装置32を支持するようにフレーム24aの先端部を拘束する拘束手段24bと、を有している。
フレーム24aは、図8(b)に示したように、例えば、A字形状を有している。一対のフレーム24aを対向する位置に配置して、それぞれの脚部をエンドマス2に接続することにより、射出装置32を挟持することができる。拘束手段24bは、例えば、一対のフレーム24aの先端部を射出装置32(具体的には、シリンダ32a)に当接するように拘束するワイヤと、ワイヤを切断するワイヤカッタと、により構成される。なお、フレーム24aの形状や拘束手段24bの構成は、単なる一例であり、図示した形状や構成に限定されるものではない。
射出装置32とケーシング35との間には、緩衝手段38が配置されているだけであり、無重力の宇宙空間ではその位置を保持することができる。しかしながら、地上で取り扱う場合には射出装置32に重力が作用し、打ち上げ時には射出装置32に加速度が作用することから、デブリ捕獲装置3の先端部が傾倒しやすい。そこで、上述した支持手段24を配置することにより、地上での取り扱い時や打ち上げ時であっても、デブリ捕獲装置3の傾倒を抑制することができる。
支持手段24は、例えば、図6(b)に示した接近状態の段階で、ワイヤを切断して、図8(a)において一点鎖線で示したように、フレーム24aを退避させる。なお、図示しないが、ヒンジ24c又は拘束部にフレーム24aを退避させる方向に付勢するスプリングを配置するようにしてもよい。また、エンドマス2の表面に形成された突起25は、図1に示した母機5にエンドマス2を固定するための部品の一例である。例えば、突起25は、母機5の表面に形成された開口部である固定部54に挿通され把持手段により拘束される。
図9(a),(b)は図1乃至図8を参照して説明したデブリ除去装置のより具体的な構成例を示す説明図である。図9(a)に示した具体例は、デブリ捕獲装置3がデブリXの表面への接触時に生じる衝撃を緩和する緩衝手段6を有するものである。緩衝手段6は、例えば、エンドマス2のテザー放出口2aの中間部に配置される。緩衝手段6は、例えば、テザー放出口2aを前後に二分割した分割体を接続するリンク機構により構成される。ここでは、二本のリンクにより構成される緩衝手段6を図示しているが、リンクの本数は図示した本数に限定されるものではない。また、緩衝手段6は、リンク機構に替えて、スプリングやゴム等の弾性体やベローズ等の部品を利用したものであってもよい。
このような構成のデブリ除去装置1によれば、例えば、図6(b)に示した接近状態の段階でフレーム24aを退避させ、図6(c)に示したように、デブリ捕獲装置3をデブリXに当接させる際に生じる衝撃を緩衝手段6により吸収することができる。
また、図9(b)に示した他の具体例は、エンドマス2がデブリ捕獲装置3を移動させるための推進手段21′を有するものである。かかる構成によれば、デブリ除去装置1を母機5に搭載させることなく、単機でデブリXの除去作業を行うことができる。したがって、除去対象のデブリXが一つの場合や次の除去対象のデブリXまでの距離が離れている場合であっても効率よく作業することができる。
なお、かかる構成では、推進手段21′を利用してデブリ捕獲装置3をデブリXに接近させる必要があることから、エンドマス2は、電力源を構成する太陽電池パドル26を有していることが好ましい。なお、図示しないが、図9(a)に示した緩衝手段6をエンドマス2とデブリ捕獲装置3との間に配置するようにしてもよい。
以上に説明したデブリ除去装置1に適用する本発明の一実施形態に係るデブリ捕獲装置の特に銛31(図3参照)の部分の具体的な構成を、以下、図面を参照して説明する。
図10は本発明の第1実施形態に係るデブリ捕獲装置の銛の部分の具体的な構成を示す説明図である。図10に示す銛41は、図3に示すデブリ捕獲装置3の銛31として用いられるもので、第1銛部43と第2銛部44とを有している。第1銛部43は大径の円柱状を呈しており、第1銛部43のデブリXへの打ち込み方向における先端面43aの中央から、小径の第2銛部44が突設されている。
第1銛部43の先端面43aには、第2銛部44を囲むように間隔をおいて複数の係止用小型銛先45,45,…が取り付けられている。係止用小型銛先45には、例えば、セルフピアスリベット(SPR)を用いることができる。また、第1銛部43の周面には、デブリXに係止可能な返し部43cが複数設けられている。第2銛部44の先端には先端部44aが形成されている。先端部44aの形状は、例えば、先が尖った尖頭形、先端が平らな平頭形、円錐形、穴開けパンチ(ポンチ)の先端を模した形状(パンチ数及びパンチ(ポンチ)先端の刃の刃数は任意)等としてもよい。銛41のうち、第2銛部44の少なくとも先端部44aは、デブリXの表面Yを貫通可能な強度を有する金属により構成されている。
このように構成された銛41を用いる本実施形態のデブリ捕獲装置3では、図3に示す射出装置32が、図10に示すデブリXの表面YのリブZで補強されていない部分を銛41が突き抜けるのに足りる力で、銛41を射出させる。すると、第1銛部43及び第2銛部44には、それぞれの質量に応じた割合の力がそれぞれ加わる。
そして、射出装置32により銛41が射出されると、第1銛部43の先端面43aよりも先に、先端面43aから突出する第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに衝突する。
第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに衝突する際には、銛41に付与された力のうち第2銛部44に加わった力が先端部44aにかかると共に、銛41に付与された力のうちまだデブリXの表面Yに衝突していない第1銛部43に加わった力が、第1銛部43を経て第2銛部44の先端部44aにかかる。
この第1銛部43からかかる力が加わることで、第2銛部44の先端部44aは、例えば、デブリXのリブZで補強された部分に打ち込まれる場合も、そうでない場合も、第2銛部44の先端部44aは少なくとも、第1銛部43の先端面43aの係止用小型銛先45が表面Yに衝突する深さまで表面Yに打ち込まれる。
そして、第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに打ち込まれた後、第1銛部43の先端面43aがデブリXの表面Yに衝突すると、射出装置32から銛41に付与された力のうち第1銛部43に加わって消費されずに残った残力が第1銛部43の先端面43aにかかるようになり、第2銛部44の先端部44aには、射出装置32から銛41に付与された力のうち第2銛部44に加わって消費されずに残った残力だけがかかる。
ここで、銛41が打ち込まれたのが、表面Yの裏側がリブZによって補強されていない部分である場合は、射出装置32が銛41に付与した力がそれぞれの質量に応じた割合で加わった第1銛部43及び第2銛部44の両方が、表面Yの反力に抗して表面Yを突き破る。したがって、銛41の全体が表面Yを突き抜けてデブリXの内部に侵入する。
すると、デブリXの表面Yの裏側で、デブリXを突き抜けて内部に侵入した第1銛部43の返し部43cが、銛41の全体が突き抜けた後のデブリXの表面Yの孔径よりも大きく開き、テザー4をエンドマス2側に引き寄せても、表面Yの裏側に返し部43cが係止されて銛41を表面Yの孔から表側に引き出せなくなる。このため、銛41がデブリXに係止され、図5に示すように、デブリ除去装置1がデブリXにつながれる。
一方、銛41が打ち込まれたのが、表面Yの裏側がリブZによって補強された部分である場合は、射出装置32が銛41に付与した力では、表面Yの反力に抗して銛41の全体が表面Yを突き破ることはできない。そして、表面YのリブZによる補強部分に衝突したのが第2銛部44の先端部44aである場合は、第2銛部44がデブリXに打ち込まれた位置で止まる。また、止まった第2銛部44により動きを規制される第1銛部43は、先端面43aが表面Yに衝突する前の位置で止まる。
この場合には、表面Yと第2銛部44との接触部分において摩擦が発生したり金属結合が発生する。デブリXと第2銛部44との金属結合は、両者が宇宙空間に存在しており、第2銛部44が表面Yを突き破る際に少なくとも両者の接触部分には酸化被膜が存在しなくなるために発生する。
このようにして、デブリXと第2銛部44との間に摩擦や金属結合が発生すると、銛41はデブリXに係止されないものの、摩擦力や金属結合力によってデブリXと第2銛部44とが強固に連結されるので、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41)によりデブリXにつながれる。
これに対し、表面YのリブZによる補強部分に衝突したのが第1銛部43であり、第2銛部44は表面YのリブZで補強されていない部分に衝突している場合は、第1銛部43の先端面43aが表面Yに衝突するまで第2銛部44の先端部44aがデブリXに打ち込まれる。
この場合には、第1銛部43の先端面43aの係止用小型銛先45がデブリXの表面Yに食い込んで係止される。また、係止用小型銛先45とデブリXとの両者が宇宙空間に存在することから、両者の接触部分に金属結合が発生する。
したがって、デブリXと係止用小型銛先45との間に発生する摩擦あるいは金属結合や、デブリXに対する係止用小型銛先45の係止によって、デブリXと第1銛部43とが強固に連結され、これにより、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41)によりデブリXにつながれる。
以上から、少なくとも第2銛部44の先端部44aがデブリXに打ち込まれるのに必要な力を射出装置32から銛41に付与すれば、デブリXと銛41の第1銛部43又は第2銛部44とを摩擦力や金属結合力、あるいは、両者の機械的な係止により連結させることができる。
このため、リブZで補強されたデブリXの強度の高い部分に銛41が打ち込まれる可能性があっても、銛41を打ち込む際に付与する力を小さく抑えることができ、よって、デブリXにデブリ捕獲装置3を取り付けるために銛41をデブリXに打ち込む際に必要な力や、銛41を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができる。
なお、第2銛部44を省略し、デブリXと第1銛部43の係止用小型銛先45との間に発生する摩擦力や金属結合力、あるいは、両者の機械的な係止により連結されるように構成してもよい。また、逆に、第1銛部43の先端面43aの係止用小型銛先45を省略し、第1銛部43の先端面43aがデブリXの表面Yに衝突した場合にも、先端面43aがデブリXの表面Yに衝突する前の位置で止まる場合と同じく、デブリXと第2銛部44とが摩擦力や金属結合力で連結されるように構成してもよい。
以上に説明した図10の銛41では、大径の第1銛部43の先端面43aから小径の第2銛部44を突設して第1銛部43と第2銛部44とを一体に形成する構成としたが、第2銛部44を第1銛部43と別体に構成することもできる。
図11(a)は本発明の第2実施形態に係るデブリ捕獲装置の銛の部分の具体的な構成を示す説明図、(b)は(a)の第2銛部の断面図である。図11(a)に示す銛41′は、図10に示す第1実施形態の銛41における第1銛部43と第2銛部44とを別体にしたものである。
そのために、第2実施形態に係る銛41′では、大径の円柱状を呈する第1銛部43の内部に、先端面43aに開口する収容部43bを形成し、この収容部43bに第2銛部44を収容している。なお、先端面43aは平坦面でもよいし、円錐状のテーパ面や穴開けパンチ(ポンチ)の先端を模した形状(パンチ(ポンチ)先端の刃の刃数は任意)等でもよい。
ここで、第2銛部44は、デブリXの表面Yを貫通可能な強度を有する金属により構成されている。第2銛部44は第1銛部43の収容部43bの深さよりも十分に大きい長さで形成されており、第1銛部43の収容部43bに収容した状態で第2銛部44の先端部44aは、収容部43bからはみ出て第1銛部43の外側に露出している。先端部44aの形状は、例えば、先が尖った尖頭形、先端が平らな平頭形、円錐形、穴開けパンチ(ポンチ)の先端を模した形状(パンチ数及びパンチ(ポンチ)先端の刃の刃数は任意)等としてもよい。なお、収容部43bの内周壁と第2銛部44の外周面との間には、十分なクリアランスが設けられている。
第1銛部43の収容部43bの底部と第2銛部44の中間部とはワイヤ44b(請求項中の紐に相当)によって接続されている。このワイヤ44bは、第2銛部44が第1銛部43の収容部43bに収容されているときに、例えば、図11(a),(b)に示すように、第2銛部44の側面に形成された溝44cに折り畳んで収容される。
このように構成された本実施形態のデブリ除去装置1では、射出装置32は、デブリXの表面YのリブZで補強されていない部分を銛41′が突き抜けるのに足りる力を銛41′に付与する。すると、第1銛部43及び第2銛部44には、それぞれの質量に応じた割合の力がそれぞれ加わる。
そして、射出装置32から付与された力で銛41′が射出されると、第1銛部43の先端面43aが表面Yに衝突するよりも先に、先端面43aから突出する第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに衝突する。
第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに衝突する際には、射出装置32から付与されて第2銛部44に加わった力が先端部44aにかかると共に、射出装置32から付与されてデブリXの表面Yに衝突していない第1銛部43に加わった力が、収容部43bを経て収容部43bに収容された第2銛部44の先端部44aにかかる。
即ち、デブリXの表面Yに衝突した先端部44aには、射出装置32が銛41′に付与した力の全てが集中して加わる。このため、デブリXにおける第2銛部44の先端部44aが衝突した部分が、図12(a)に示すような、表面Yの裏側がリブZで補強された部分である場合も、そうでない場合も、第2銛部44は少なくとも、図12(a)に示すように、第1銛部43の先端面43aが表面Yに衝突する程度の深さまで表面Yに打ち込まれる。
そして、第2銛部44の先端部44aがデブリXの表面Yに打ち込まれた後、第1銛部43の先端面43aがデブリXの表面Yに衝突すると、射出装置32から銛41′に付与された力のうち第1銛部43に加わって消費されずに残った残力が第1銛部43の先端面43aにかかるようになる。このため、第2銛部44の先端部44aには、射出装置32から銛41′に付与された力のうち第2銛部44に加わって消費されずに残った残力だけがかかる。
ここで、銛41′が打ち込まれたのが、表面Yの裏側がリブZによって補強されていない部分である場合は、射出装置32から銛41′に付与した力がそれぞれの質量に応じた割合で加わった第1銛部43及び第2銛部44の両方が、表面Yの反力に抗して表面Yを突き破る。したがって、銛41′の全体が表面Yを突き抜けてデブリXの内部に侵入する。
すると、図11(a)中に仮想線で示すデブリXの表面Yの裏側で、第1銛部43の返し部43cが、銛41′の全体が突き抜けた後のデブリXの表面Yの孔径よりも大きく開き、テザー4をエンドマス2側に引き寄せても、表面Yの裏側に返し部43cが係止されて銛41′を表面Yの孔から表側に引き出せなくなる。このため、銛41′がデブリXに係止され、図5に示すように、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41′)によりデブリXにつながれる。
一方、銛41′が打ち込まれたのが、表面Yの裏側がリブZによって補強された部分である場合は、射出装置32が銛41′に付与した力では、表面Yの反力に抗して銛41′の全体が表面Yを突き破ることはできない。
そして、表面YのリブZによる補強部分に衝突したのが第2銛部44である場合や、第2銛部44は表面YのリブZで補強されていない部分に衝突しており、リブZによる補強部分には第1銛部43が衝突している場合は、図12(a)に示すように、第1銛部43の先端面43aが表面Yに衝突するまで第2銛部44の先端部44aがデブリXに打ち込まれる。そして、表面Yに衝突して止まった第1銛部43の収容部43bから第2銛部44が、射出装置32による銛41′の射出方向に働く慣性により飛び出す。
そして、射出装置32が銛41′に付与した力のうち第2銛部44に加わって消費されずに残った残力が、デブリXの表面Yを第2銛部44が突き破るのに十分な大きさである場合は、収容部43bから飛び出した第2銛部44が、図12(b)に示すように、表面Yを突き抜けてデブリXの内部に侵入する。その際、溝44cに収容されたワイヤ44bが繰り出される。
ここで、第2銛部44の長さは、先端部44aが突き抜けてデブリXの表面Yに形成された貫通孔hの開口径を十分上回り、その中間部にワイヤ44bが接続されている。このため、テザー4をエンドマス2側に引き寄せて、テザー4につながった第1銛部43と共にワイヤ44bをデブリ除去装置1側に引き寄せると、第2銛部44は表面Yを突き抜けたときと異なる向きで表面Y側にたぐり寄せられる。
よって、第2銛部44を表面Yの貫通孔hから表側に引き出せなくなり、図12(c)に示すように、第2銛部44が表面Yの裏側に係止される。このため、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41′)によりデブリXにつながれる。
なお、第2銛部44に加わる力が不足した場合は、図12(a)に示すように、第1銛部43の先端面43aが表面Yに衝突するかその手前の深さまでデブリXに打ち込まれた状態で第2銛部44が止まる。
この場合には、表面Yと第2銛部44との接触部分において摩擦が発生したり金属結合が発生して、摩擦力や金属結合力によってデブリXと第2銛部44とが強固に連結される。このため、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41′)によりデブリXにつながれる。
したがって、銛41′はデブリXに係止されないものの両者が強固に連結されるので、この場合にもやはり、デブリ除去装置1がデブリ捕獲装置3の銛31(銛41′)によりデブリXにつながれる。
このように、本実施形態のデブリ捕獲装置3によれば、デブリXの表面Yに打ち込む銛41′の第1銛部43と第2銛部44とを別体とし、第1銛部43の収容部43bに第2銛部44を収容した。そして、表面YのリブZで補強されていない部分に銛41′が打ち込まれた場合は、銛41′の全体が表面Yを突き抜けて裏側に係止されるようにした。
また、表面YのリブZで補強された部分に銛41′が打ち込まれた場合、第2銛部44が表面Yを既に突き破っていれば、第1銛部43が表面YのリブZで補強された部分に衝突して止まっていても、第1銛部43の収容部43bから第2銛部44を慣性により飛び出させ、表面Yを突き抜けさせて裏側に係止させるようにした。
一方、表面YのリブZで補強された部分に銛41′が打ち込まれた場合、表面Yに打ち込まれた第2銛部44が表面Yを突き抜けなくても、射出装置32が銛41′に付与した力で第2銛部44を表面Yに打ち込ませて、第2銛部44と表面Yとの摩擦や金属結合により銛41′がデブリXに連結されるようにした。
このため、表面YのリブZで補強された部分に銛41′が打ち込まれても銛41′をデブリXに連結させるために射出装置32が銛41′に付与する力を、デブリXの表面YのリブZで補強された部分を銛41′が突き破れるような大きさの力まで増やす必要がない。
したがって、デブリXにデブリ捕獲装置3を連結するために射出装置32が付与する力で銛41′をデブリXに打ち込む際の、デブリ捕獲装置3が受ける反力を小さく抑えつつ、表面YのリブZで補強された部分に銛41′が打ち込まれても、銛41′をデブリXに打ち込み取り付けることができる。
即ち、リブZで補強されたデブリXの強度の高い部分に銛41′が打ち込まれる可能性があっても、銛41′を打ち込む際に付与する力を小さく抑えることができ、よって、デブリXにデブリ捕獲装置3を取り付けるために銛41′をデブリXに打ち込む際に必要な力や、銛41′を打ち込む際に発生する反力を、小さく抑えることができる。
なお、第2銛部44の終端側を先端部44aよりも小径に形成して、先端部44aが打ち込まれてデブリXの表面Yに形成された貫通孔hを第2銛部44の終端側が通過する際に貫通孔hに接触しにくいように構成してもよい。そのように構成すれば、第2銛部44がデブリXの表面Yを突き抜ける際のデブリXと第2銛部44との接触抵抗を減らし、第2銛部44がデブリXを突き抜けて裏側に係止され易くなるようにすることができる。
ちなみに、第2銛部44の終端側を先端部44aよりも小径に形成する方法としては、例えば、図13の説明図に示すように第2銛部44の終端側を先細りのテーパ状に形成してもよく、あるいは、第2銛部44の先端部44aと終端との間に段差部を設け、段差部から終端側を全体に先端部44aよりも小径に形成してもよい。
また、第1銛部43の収容部43bに収容される第2銛部44の先端部44aを除く部分について、図14(a)の説明図に示すように、第1銛部43の収容部43bの外に位置して先端部44aに連なる周面部44dよりも、収容部43bの内部に位置する周面部44eを小径に形成してもよい。
また、図14(b)の説明図に示すように、第2銛部44の先端部44aを除く周面部44fの全体を先細りのテーパ状に形成してもよい。さらに、図14(c)の説明図に示すように、図14(a),(b)に示す構成を組み合わせて、第1銛部43の収容部43bの外に位置して先端部44aに連なる周面部44dよりも、収容部43bの内部に位置する周面部44fを小径とし、かつ、先細りのテーパ状に形成してもよい。
また、上述した各実施形態において、デブリ捕獲装置3は、射出装置32による銛41,41′の射出方向を調整又は微調整するための射出方向調整機構(例えば、ジンバル機構等)を有していてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 スペースデブリ除去装置
2 エンドマス(本体部)
2a テザー放出口
3 スペースデブリ捕獲装置
4 テザー
5 母機
6,38 緩衝手段
21,21′,51 推進手段
22 太陽電池パネル
23 把手部
24 支持手段
24a フレーム
24b 拘束手段
24c ヒンジ
25 突起
26,52 太陽電池パドル
31,41,41′ 銛
31a,43c 返し部
31b 流路
32 射出装置
32a シリンダ
32b ピストン
32c パイロ弁
32d ストッパー機構
32e 壁面部
32f 拡径部
33 ガイド部材
33a リム部
33b スポーク部
34 スイッチ
35 ケーシング
36 コイルスプリング
37 ロック手段
37a フック
37b ワイヤ
37c ワイヤカッタ
39 ベローズ
39a 先端部
39b 後端部
43 第1銛部
43a 先端面
43b 収容部
44 第2銛部
44a 先端部
44b ワイヤ(紐)
44c 溝
44d,44e,44f 周面部
45 係止用小型銛先
53 ロボットアーム
54 固定部
h 貫通孔
X デブリ(ターゲットデブリ)
Y 表面
Z リブ

Claims (6)

  1. 本体部から除去対象のスペースデブリであるターゲットデブリに向けて打ち込まれる銛を備えており、
    前記銛は、大径の第1銛部と、該第1銛部の前記ターゲットデブリへの打ち込み方向における先端面から突出する小径の第2銛部とを有している、
    スペースデブリ捕獲装置。
  2. 前記第2銛部は、前記銛を前記ターゲットデブリに打ち込んだ状態で前記第1銛部が前記ターゲットデブリの外側に配置される場合に、摩擦力、金属結合力及び機械的係止力のうち少なくとも一つにより前記ターゲットデブリと連結される請求項1記載のスペースデブリ捕獲装置。
  3. 前記第1銛部は、前記先端面に開口した収容部を有しており、前記第2銛部は、前記第1銛部の前記収容部に収容されて前記先端面から先端部が突出していて、前記収容部から前記第1銛部の外側への飛び出しを許容する寸法の紐によって前記第1銛部と接続されており、前記ターゲットデブリに対する前記第1銛部の前記先端面の衝突の際に前記第2銛部の前記先端部が前記ターゲットデブリに打ち込まれる請求項1又は2記載のスペースデブリ捕獲装置。
  4. 前記紐は、前記収容部からの飛び出し方向における前記第2銛部の中間部と前記第1銛部とを接続しており、前記第2銛部は、前記ターゲットデブリへの打ち込みにより該ターゲットデブリに形成される貫通孔の開口径を上回る長さを、前記飛び出し方向における両端部間に有している請求項3記載のスペースデブリ捕獲装置。
  5. 前記第2銛部は、前記収容部からの飛び出し方向における先端側よりも終端側の方が小径に形成されている請求項3又は4記載のスペースデブリ捕獲装置。
  6. 本体部と、
    前記本体部から除去対象のスペースデブリであるターゲットデブリに向けて打ち込まれる銛を有するスペースデブリ捕獲装置とを備え、
    前記スペースデブリ捕獲装置として、請求項1、2、3、4又は5記載のスペースデブリ捕獲装置を有している、
    スペースデブリ除去装置。
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