JP2018114697A - 記録装置及びその動作音の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】AC/DC電源部を冷却するファンを駆動した時の音の大きさを、目立たなくする記録装置を提供することである。【解決手段】冷却ファンを備えた電源部から供給される電力により、記録手段により記録媒体に記録を行う記録装置において、以下の制御を行う。即ち、前記電源部の温度を検知し、前記記録装置の記録動作による発生音を予測又は実測することにより取得する。そして、前記記録装置の動作ステータスと前記検知される前記電源部の温度と前記取得される発生音とに基づいて前記冷却ファンの駆動を制御する。【選択図】 図1
Description
本発明は記録装置及びその動作音の制御方法に関し、特に、商用電源からの電力供給で動作する、例えば、インクジェット記録ヘッドから記録媒体に対してインク吐出を行って記録を行う記録装置及びその動作音の制御方法に関する。
商用電源からの電力供給で動作する画像形成装置は、商用電源である交流電源(AC)を装置の回路に実装されたICなどに電力を供給するために直流電源(DC)に変換する電源ユニットが備えられている。昨今の画像形成装置の小型化の要求から、電源ユニットを小型化するために電源ユニット内部を冷却するファンを備えている。ファンにより発生する空気の流れで電源ユニット内の部品から発生する熱を外部に逃がしたり、発熱部品に空気をあてて電源ユニット内の部品を冷却することで、部品と部品の間隔をより小さくした小型の電源ユニットを実現している。
電源ユニットの冷却ファンを駆動するためには、必要以上に冷却ファンの駆動音が大きくならないように電源ユニット内に温度を検知するセンサを備え、そのセンサの出力値に応じて冷却ファンを駆動する技術が提案されている。特許文献1は、電源周囲の音の大きさと関係なく電源冷却ファンを駆動する構成例を開示している。
図9は電源ユニット周囲の音の大きさと関係なく電源冷却ファンを駆動した時の音の大きさの時間変化を表した図である。
図9(a)において、縦軸は画像形成装置の電源ユニット周囲の音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過(t)を示している。図9(a)によれば、t=t0〜t1までの時間、およびt=t2〜t5、t6以降の時間は、周囲音が45dBと静かであり、そのほかの時間は70dBの騒音が発生していることを示している。
図9(b)において、縦軸は電源ユニットの冷却ファンの音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過(t)を示している。図9(b)によれば、t=t3〜t4の時間では電源ユニット内部を冷却するため、冷却ファンを回すので65dBの音の大きさを発生させている。
図9(c)において、縦軸は電源ユニットの周囲音と電源の冷却ファンの音を合わせた音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過を示している。図9(c)によれば、t=t0〜t1、t2〜t3、t4〜t5、t6以降は、発生音の大きさは45dBと静かである。一方、t=t1〜t2、t5〜t6の時間は、70dBの音が発生している。また、t=t3〜t4の時間は45dBの音と65dBの2つの音が重なり、
10×log{10(45/10)+10(65/10)}=65(dB)
と65dBの大きさの音が発生している。
10×log{10(45/10)+10(65/10)}=65(dB)
と65dBの大きさの音が発生している。
即ち、従来の技術によれば、冷却ファンを周囲音の大きさと関係なく駆動することにより、周囲が静かな時に65dB以上の大きな音が、t=t1〜t2、t5〜t6に加え、t=t3〜t4の時間に発生する。
以上説明したように従来技術によれば、電源ユニット内部の温度を検出し、温度が高いときに冷却ファンを駆動することは最小限の時間で行うことができる。しかしながら、周囲音と無関係に冷却ファンを駆動することは、周囲が静かな時にも、冷却ファンの大きな音が発生してしまうという問題がある。
図10は、周囲の音が大きいときに電源ユニットの冷却ファンを駆動した時の音の大きさの時間変化を表した図である。
図10(a)において、縦軸は画像形成装置の周囲の音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過(t)を示している。図10(a)によれば、t=t10〜t11までの時間、およびt=t12〜t13、t16以降の時間は、周囲音が45dBと静かであり、そのほかの時間は70dBの騒音が発生していることを示している。
図10(b)において、縦軸は電源ユニットの冷却ファンの音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過(t)を示している。図10(b)によれば、周囲音が大きい時間帯であるt=t14〜t15に電源ユニット内部を冷却するため、冷却ファンを駆動することにより65dBの音の大きさを発生させている。
図10(c)において、縦軸は電源ユニットの周囲音と電源の冷却ファンの音を合わせた音の大きさをデシベル(dB)で表わし、横軸は時間経過(t)を示している。図10(c)によれば、t=t10〜t11、t12〜t13、t16以降は、45dBと静かであり、t=t11〜t12、t13〜t14、t15〜t16の時間は、70dBの音が発生している。また、t=t14〜t15の時間は、電源ユニットの周囲音の70dBの大きさの音と冷却ファンの65dBの音が重なり、
10×log{(10(70/10)+10(65/10)}=71.2dB
と71.2dBの大きさの音が発生する。
10×log{(10(70/10)+10(65/10)}=71.2dB
と71.2dBの大きさの音が発生する。
従って、冷却ファンを周囲音が大きいときに駆動することにより、65dB以上の大きな音が発生している時間と音の大きさは、次のような特性となる。即ち、図10(a)に示した電源の周囲音の大きさと図10(c)に示した冷却ファンを駆動させたときに音が発生する時間と大きさがほとんど変わらない。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、電源部の冷却ファンが発生する音を周囲音より目立たないように制御する記録装置とその動作音の制御方法とを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成を有する。
即ち、冷却ファンを備えた電源部から供給される電力により、記録手段により記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記電源部の温度を検知する検知手段と、前記記録装置の記録動作による発生音を予測又は実測することにより取得する取得手段と、前記記録装置の動作ステータスと前記検知手段により検知される前記電源部の温度と前記取得手段により取得される発生音とに基づいて前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
また本発明を他の側面から見れば、冷却ファンを備えた電源部から供給される電力により、記録手段により記録媒体に記録を行う記録装置における動作音の制御方法であって、前記電源部の温度を検知する検知工程と、前記記録装置の記録動作による発生音を予測又は実測することにより取得する取得工程と、前記記録装置の動作ステータスと前記検知工程において検知される前記電源部の温度と前記取得工程において取得される発生音とに基づいて前記冷却ファンの駆動を制御する制御工程とを有することを特徴とする動作音の制御方法を備える。
従って本発明によれば、冷却ファンの音を周囲音より目立たなくするという効果がある。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、以下の説明では、図面全体を通して、同じ構成要素に対して同じ参照番号を付して言及する。そのため、一度説明した構成要素に対しては同じ参照番号を用いて言及し、その説明を繰り返すことはしない。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録素子」とは特にことわらない限りインク吐出口乃至これに連通する液路及びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
図1は、本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の構成を示す斜視図である。
図1に示されるように、複数のインクを吐出するノズルで構成されるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)21はキャリッジ(不図示)に搭載され、そのキャリッジはベルト45に装着され、レール43に沿って摺動可能である。キャリッジモータ44を駆動すると、ベルト45が移動し、その移動に伴って記録ヘッド21を搭載したキャリッジもレール43に沿って移動する。その移動方向は主走査方向とも呼ばれる。
主走査方向にキャリッジが移動する際、キャリッジに取り付けられたエンコーダセンサ46が主走査方向に沿って設けられた長尺エンコーダフィルム(以下、フィルム)47のスリットを読取る。この実施例では、フィルム47には300DPI間隔でスリットが印刷されており、キャリッジ移動に伴ってエンコーダセンサ46がそのスリットを通過する光を読取って、記録ヘッド21の主走査方向の位置、その移動距離と移動方向を判別することができる。
主走査方向の一端には、ヘッドメンテナンス機構24が設けられ、記録ヘッド21がその上部に移動してきた場合には、キャップ42により記録ヘッド21のインク吐出面をキャップすることができる。記録ヘッド21が記録動作を行なっている以外の時は、記録ヘッド21をキャップ42上に移動させ、そのインク吐出面をキャップして、インクが乾燥しないようにインク吐出面を保護する。
さて、記録ヘッド21には、インクタンク20に貯留されたインクがサブタンク40に一次的に貯められ、さらにインクチューブ110を介して供給される。インクタンク20やサブタンク40は、インクタンクメンテナンス機構23により維持管理される。
さて、冷却ファン11はAC/DC電源部12に実装され、AC/DC電源部12の内部の部品を風の流れによって冷却する。冷却ファン11は、外部からの回転数指示によりファンの回転数を制御することができる。AC/DC電源部12の上部には記録装置全体の動作を制御する制御回路15が設けられ、制御回路15によって生成された各種の信号が信号ケーブル(FFC)109によりキャリッジを経て記録ヘッド21に転送される。
FFC109と可動性のあるインクチューブ110とは傷つかないようにケーブル41としてまとめられる。
インクタンクメンテナンス機構23は、インクタンク20に貯留されているインクの色素成分の沈降を考慮し、定期的にインクタンク20内のインクを撹拌する機構を備える。この実施例では、インクタンクメンテナンス機構23にインクバッファを設け、ポンプモータ(不図示)によりインクタンク内のインクをインクバッファ内に注入したり、インクバッファ内のインクをインクタンクに戻したりを繰り返してインクを撹拌する。
ヘッドメンテナンス機構24は、モータ(不図示)でワイパブレードを記録ヘッド21のインク吐出面に沿って動かすことにより、記録ヘッド21の表面に付着しているインクを拭き取る。また、記録ヘッド21内のインクを吐出(予備吐出)したり、ポンプにより吸引することで、記録ヘッド21から常時適切なインクが吐出できるようにメンテナンスする機構である。
以上のような構成で、記録ヘッド21はキャリッジにより移動しながら搬送されてきた記録媒体22に対してインクを吐出して画像を記録する。
図2は、図1に示す記録装置(画像形成装置)の制御構成を示すブロック図である。
AC/DC電源部12は、プラグ10を介して、商用交流電源(AC電源)に接続され、商用交流電源(AC電源)をDC電源(直流電源)に変換し、装置の各部が必要とする直流電圧(DC電圧)の電力を生成する回路である。生成されたDC電圧の電力は、記録装置に含まれる全ての電気回路に直接的又は間接的に供給される。
温度検知素子13は、AC/DC電源部12の内部部品であって、最も部品の温度定格に対してマージンがすくなくなると予想される部品に取り付けられた、温度を検知し、その温度を電圧値などで出力する温度素子である。この実施例ではサーミスタを用いている。メモリ18は、記録装置を制御する制御プログラムや各種パラメータを格納しているROMや作業領域と用いられるRAM、EEPROMやFeRAMなどの不揮発性メモリ(NVRAM)で構成されるメモリである。
通信制御回路14は、LAN、USBなどのインタフェース104を介して他の装置との通信を制御する回路する。ここでいう他の装置とは、記録装置で画像形成を行うのに用いる画像データを生成して転送する、例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ(PC)などのホスト装置である。通信制御回路14はそのようなホスト装置とのデータ通信制御を行い、画像形成に用いる画像データをホスト装置から受信し、メモリ18の所定領域(例えば、RAMに定義されたバッファ)に格納する。制御回路15はCPUで構成され、メモリ18のROMに格納された制御プログラムをメモリ18のRAM上にロードして実行することで、後述する画像形成制御部16や周囲音予測部17を含む、記録装置の動作すべてを総括的に制御する。
画像形成制御部16は、制御回路15のCPUで冷却ファン11の回転数制御も含む画像形成に関する制御を行う。さらに画像形成制御部16は、ホスト装置から送られてきた画像データをインク色データに変換しこれを2値化して、記録される画像の解像度の記録データを生成する。なお、この記録データはメモリ18に定義されたプリントバッファに一時的に格納される。周囲音予測部17は、後述する記録媒体駆動機構26などに代表されるアクチュエータを動作させたときの稼働音を予め周囲音予測値として記憶する。そして、各アクチュエータを動作させたときに記憶した予測値PSが周囲音として提示される。
インク吐出制御回路19は、上述のプリントバッファに格納された記録データに基づいて、記録ヘッド21の移動動作に合わせて、適時、インクを吐出すべきノズルの選択と吐出すべきタイミングを記録ヘッド21に出力する。そして、インク吐出制御回路19により選択された記録ヘッド21のノズルからは、指定されたタイミングで記録媒体22に向かってインクを吐出することで、画像を形成する。また、このタイミングは、記録ヘッド21の位置を検出するエンコーダセンサ46からの出力信号に基づいて生成される。
記録ヘッド駆動機構25は、図1を参照して説明したように、記録ヘッド21を左右方向(以下、走査方向と記述)に移動させる機構で、レール43、キャリッジモータ44、ベルト45、長尺エンコーダフィルム47、エンコーダセンサ46からなる。記録媒体駆動機構26は、記録媒体を2つのローラで挟んで、記録ヘッド21の移動方向とは直交する方向(以下、副走査方向)に移動させる。
冷却ファン11が回転することによって発生する風WはAC/DC電源部12に向けられている。画像形成制御部16は制御信号Cにより冷却ファン11の回転数を制御することにより風Wの風量を制御し、AC/DC電源部12の内部部品素子を適切に冷却する。この実施例では、制御信号CのパルスのON・OFF比率によって回転速度を指示している。一方、AC/DC電源部12に取り付けられた部品の温度Tは温度検知素子13により検知され、検知温度に対応した電圧VTが制御回路15に出力される。
この実施例では、図1を参照して説明したように、複数の信号を転送する複数の信号線はFFCに実装することで、記録ヘッド21が移動しても、FFCが変形することで適時信号が送ることができる。
次に、以上の構成の記録装置において実行される周囲音に基づいたAC/DC電源部の冷却制御について説明する。
図3は周囲音予測値の算出処理を示すフローチャートと、記録装置の動作により生じる発生音とを示す図である。図3において、(a)がフローチャートを示し、(b)が発生源とその発生源からの音量との関係を示す表を示している。図3(b)に示す値は表形式で周囲音予測部17の内部メモリ或いはメモリ18の不揮発性メモリに格納される。
ここで、図3(a)を参照して、周囲音予測部17で実行する周囲音予測値の算出処理について説明する。
まず、ステップS101では周囲音予測の初期値として、“45dB”を代入する。
ステップS102では、インクタンクメンテナンス機構23が動作しているかを調べる。ここで、インクタンクメンテナンス機構23が動作していると判断される場合、処理はステップS103に進み、インクタンクメンテナンス機構23が動作していないと判断される場合、処理はステップS104に進む。
インクメンテナンスが駆動中の音量は、図3(b)に示す駆動機構220の欄のインクメンテナンスに対応する音量221の欄の値から“67dB”であることが分かる。従って、ステップS103では、周囲音として+67dBを加算する。即ち、ステップS101で設定された初期値が“45dB”であるため、これに“67dB”に相当する音量を重ね合わせる。デシベルは対数表現であるため、その加算は、以下の式に従って行う。即ち、
10×log{10(45/10)+10(67/10)}=67.03dB
となり、周囲音予測値は約67dBとなる。その後、処理はステップS104に進む。
10×log{10(45/10)+10(67/10)}=67.03dB
となり、周囲音予測値は約67dBとなる。その後、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ヘッドメンテナンス機構24が動作しているかを調べる。ここで、ヘッドメンテナンス機構24が動作していると判断される場合、処理はステップS105に進み、ヘッドメンテナンス機構24が動作していないと判断される場合、処理はステップS106に進む。
ヘッドメンテナンス機構24が駆動中の音量は、図3(b)に示す駆動機構220の欄のヘッドメンテナンスに対応する音量221の欄の値から“64dB”であることが分かる。従って、ステップS105では、周囲音として“64dB”を加算する。その加算方法は、インクメンテナンス機構における加算と同じである。その後、処理はステップS106に進む。
ステップS106では記録媒体駆動機構26が動作しているかを調べる。ここで、記録媒体駆動機構26が動作していると判断される場合、処理はステップS107に進み、記録媒体駆動機構26が動作していないと判断される場合、処理はステップS108に進む。
記録媒体駆動機構26が駆動中の音量は、図3(b)に示す駆動機構220の欄の記録媒体駆動機構に対応する音量221の欄の値から“60dB”であることが分かる。従って、ステップS107では、周囲音として“60dB”を加算する。その加算方法は、インクメンテナンス機構における加算と同じである。その後、処理はステップS108に進む。
ステップS108では、記録ヘッド駆動機構25により記録ヘッドを搭載したキャリッジが12.5inch/sの速度で移動しているかを調べる。ここで、キャリッジが12.5inch/sの速度で移動していると判断される場合、処理はステップS109に進み、キャリッジが12.5inch/sの速度で移動していないと判断される場合、処理はステップS110に進む。
キャリッジが12.5inch/sの速度で移動している場合の音量は、図3(b)に示す駆動機構220の欄の記録ヘッド移動(12.5inch/s)に対応する音量221の欄の値から“62dB”であることが分かる。従って、ステップS109では、周囲音として“62dB”を加算する。その加算方法は、インクメンテナンス機構における加算と同じである。その後、処理はステップS110に進む。
ステップS110では、記録ヘッド駆動機構25により記録ヘッドを搭載したキャリッジが25inch/sの速度で移動しているかを調べる。ここで、キャリッジが25inch/sの速度で移動していると判断される場合、処理はステップS111に進み、キャリッジが25inch/sの速度で移動していないと判断される場合、処理はステップS112に進む。
キャリッジが25inch/sの速度で移動している場合の音量は、図3(b)に示す駆動機構220の欄の記録ヘッド移動(25inch/s)に対応する音量221の欄の値から“64dB”であることが分かる。従って、ステップS111では、周囲音として“64dB”を加算する。その加算方法は、インクメンテナンス機構における加算と同じである。その後、処理はステップS112に進む。ステップS112では、これまでの処理で加算された周囲音予測値を最終的な周囲音予測値として決定する。
ステップS113では、周囲音予測部17への電源がオフされたかどうかを調べる。ここで、電源がオフされたと判断された場合、処理は終了する。これに対して、電源がオフされていないと判断された場合、処理はステップS114に進み、時間100msの間、処理を待ち合わせ、その後、処理はステップS101に戻る。
以上のような処理により、例えば、インクタンクメンテナンス機構23、ヘッドメンテナンス機構24、記録媒体駆動機構26が動作し、記録ヘッド駆動機構25によりキャリッジが12.5inch/sの速度で移動した場合、周囲音予測値は、
45dB+67dB+64dB+60dB+62dB=70.06dB
と算出される。
45dB+67dB+64dB+60dB+62dB=70.06dB
と算出される。
図4は、冷却ファンを指定回転数で回転させたときの周囲音値を示す図である。
図4において、欄201は冷却ファン11の回転数を最大回転数の百分率で表示し、欄202はその時の周囲音をデシベルで表示している。図4によれば、例えば、冷却ファン11の回転数が50%であれば、周囲音は52dBとなることを示している。
図5は、周囲音値と温度検知素子による検出温度とに従う冷却ファンの回転数を示す図である。図5において、(a)は、記録装置の動作ステータスが画像形成中のときの冷却ファン11の回転数を示しており、(b)は、記録装置の動作ステータスが待機中のときの冷却ファン11の回転数を示している。
記録装置の動作ステータスが画像形成中の場合、制御回路15のCPUは、図5(a)の表を選択し、温度検知素子13に検出された温度と算出された周囲音の予測値とに従って冷却ファン11の回転数を決定する。同様に、記録装置の動作ステータスが待機中の場合、制御回路15のCPUは、図5(b)の表を選択して、冷却ファン11の回転数を選択する。なお、図5において、“停止”は冷却ファン11を駆動しないことを示し、“騒音が増えない程度”は、冷却ファン11の回転数をごく低速にすることを示している。
詳細は後述するが、例えば、画像形成中に周囲音が55dBであり、検出温度が60℃であれば、図5によれば、冷却ファン11の回転は“騒音が増えない程度”とする。一方、図4によれば、冷却ファン11の回転数が50%であれば、その時の周囲音値は52dBであるので、“騒音が増えない程度”として、冷却ファン11の回転数を50%と決定することができる。いずれにしても、図4〜5によれば、所定の閾値で規定される範囲内にある温度と周囲音とから、さらには、冷却ファン自体の回転から発生する動作音から、冷却ファンの回転数が決定される。
なお、周囲音については、図2に示すように、周囲音予測部17に予め周囲音予測値として格納しておき、必要に応じて、これを読み出して周囲音とみなすようにする構成の他にも実際の周囲音を実測して、その実測値を周囲音として扱っても良い。
図6は、図1に示す記録装置(画像形成装置)の制御構成の変型例を示すブロック図である。図6に示す構成によれば、周囲音予測部17の代わりに、マイクロフォン30を記録装置に備え、マイクロフォン30からの実測値Sを制御回路15に入力し、これを周囲音として扱う。なお、図6の他の構成については、図2に示した構成と同じなので、同じ参照番号や参照記号を付し、その説明は省略する。
図7は、予測した周囲音又は実測した周囲音に基づいて冷却ファンの回転数を算出する処理を示すフローチャートである。この処理は、画像形成制御部16により実行される。
まず、ステップS121では記録装置内にマイクロフォン30が搭載されているかどうかを調べる。ここで、マイクロフォンが搭載されていない場合(図2に示す構成)には、処理はステップS123に進み、図3に示したフローチャートの処理に従って算出された最終的な周囲音予測値を取得する。その後、処理はステップS127に進む。これに対して、マイクロフォン30が搭載されている場合(図6に示す構成)には、処理はステップS122に進む。
ステップS122では、マイクロフォン30で計測された音量値(実測値)Sを3秒間取得する。次に、ステップS124では、取得した3秒間の音量値の平均値を周囲音として決定する。なお、周囲音を3秒間の平均値としなくとも、取得した3秒間の音量値の中の最小値を周囲音として決定しても構わない。
ステップS127では、AC/DC電源部12内の部品に取り付けられた温度検知素子13から出力される電圧VTにより温度情報を取得する。次に、ステップS128では、記録装置の動作ステータス(画像形成中又は待機中)を取得し、さらに、ステップS129では、図5に示した表から冷却ファン11の回転数を導き出す。
例えば、ステップS123又はステップS124で決定した周囲音が57dB、AC/DC電源部12内の部品に取り付けられた温度検知素子による検知温度72℃、記録装置の動作ステータスが画像形成中であるとする。その場合、図5(a)を参照すると、冷却ファン11の回転数が50%であると決定される。また、ステップS123又はステップS126で決定した周囲音が57dB、AC/DC電源部12内の部品に取り付けられた温度検知素子による検知温度が62℃、記録装置の動作ステータスが画像形成中であるとする。その場合、図5(b)を参照して、冷却ファン11の回転数は騒音が増えない程度にすることが決定される。この場合には、図4を参照すれば、冷却ファン11を回転させたときの音の大きさの値から、周囲音57dBより小さい値、即ち、周囲音が55dBである回転数70%を選択する。
ステップS130では、ステップS129で取得した回転数で冷却ファン11を回転させ、さらにステップS131では、動作を3秒待ち合わせ、その後、ステップS132に進み、電源はオフされているかを判断する。ここで、電源オフされている場合には、この処理を終了するが、電源がオフされていない場合には、処理はステップS121に戻る。
図8は、画像形成処理を示すフローチャートである。
以下、このフローチャートを参照して、記録媒体への画像形成の動作を説明する。
まず、ステップS141で記録装置が電源オフされていないかどうかを調べる。電源オフされている場合には、画像形成動作そのものを実行しないが、電源がオンとなっている場合、処理はステップS142に進み、インタフェース104を介してホスト装置から画像形成に用いる画像データが送信されてきているかどうかを調べる。ここで、画像データが送信されていない場合、処理はステップS141に戻るが、画像データが送信されてきている場合、処理はステップS143に進む。
ステップS143では、送信された画像データを通信制御回路14により取得し、さらに制御回路15の制御によって、これをメモリ18に格納する。次に、ステップS144では、メモリ18に格納された画像データを画像形成制御部16によりインク色データに分解し、2値化処理を行い、記録される画像の解像度に変換するなどの画像処理を行って、記録データを生成して、これを再度メモリ18に格納する。
ステップS145では、記録媒体22を記録媒体駆動機構26の一部で図1には図示されていない搬送モータによって、記録媒体22の先端を記録ヘッド21の走査範囲の下に移動させる。さらに、ステップS146では、記録ヘッド21を主走査方向に移動させながら記録媒体22上に適時インクを吐出することで、記録媒体22に画像を形成する。
ここで、記録ヘッド21から吐出するインクは、インクタンク20からインクタンクメンテナンス機構23を介して、サブタンク40に一次的に貯留され、インクチューブ110を介して記録ヘッド21に送られる。この実施例では、インクタンク20と記録ヘッド21との水頭差によってインクを記録ヘッド21に供給する。一方、キャップ42上に待機していた記録ヘッド21を、記録ヘッド駆動機構25の一部であるキャリッジモータ44を回転させ、ベルト45を通して、レール43の上を主走査方向に移動させる。このとき、エンコーダセンサ46が検出するフィルム47のスリットの数により、記録ヘッド21の移動速度と位置を算出する。そして、記録ヘッド21の移動に伴い、適時、記録ヘッドの位置に相当する記録データからインクを吐出すべきノズルと吐出タイミングをインク吐出制御回路19からFFC109を介して記録ヘッド21に与えることにより、記録媒体22にインクを吐出する。
ステップS147では、記録媒体駆動機構26の一部の搬送モータによって、記録媒体22を記録ヘッドによる1記録走査分、移動させる。さらに、ステップS148では、記録媒体22に記録データ全てに基づく画像を形成したかを判断する。ここで、全ての画像が形成されていない場合は、処理はステップS146に戻り、全ての画像が形成された場合、処理はステップS149に進む。
ステップS149では、搬送モータを駆動して、記録媒体22を装置外に排出し、処理はステップS141に戻る。
従って、以上説明した実施例に従えば、その記録装置の動作ステータスと、予測又は実測された周囲音と、AC/DC電源部の温度と周囲音とに従って、冷却ファンの回転数を適切に制御することができる。これにより、電源を冷却するファンの稼働音を周囲音より目立たなくすることができる。
なお、以上説明した実施例では、記録装置としてインクジェット方式を用いた装置を例にとったが、電子写真方式を用いた装置を用いても良い。
11…冷却ファン、12…AC/DC電源部、13…温度検知素子、15…制御回路、
17…周囲音予測部、30…マイクロフォン
17…周囲音予測部、30…マイクロフォン
Claims (11)
- 冷却ファンを備えた電源部から供給される電力により、記録手段により記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記電源部の温度を検知する検知手段と、
前記記録装置の記録動作による発生音を予測又は実測することにより取得する取得手段と、
前記記録装置の動作ステータスと前記検知手段により検知される前記電源部の温度と前記取得手段により取得される発生音とに基づいて前記冷却ファンの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記記録手段は、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドを含み、
前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給する第1の機構と、
前記インクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行う第2の機構と、
前記インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジを移動する第3の機構と、
前記キャリッジを移動する方向とは直交する方向に前記インクジェット記録ヘッドにより画像が記録される記録媒体を搬送する第4の機構とをさらに有する請求項1に記載の記録装置。 - 前記取得手段は、
前記第1の機構、前記第2の機構、前記第3の機構、前記第4の機構それぞれを駆動させた場合に生じる発生音を格納する格納手段と、
前記第1の機構、前記第2の機構、前記第3の機構、前記第4の機構それぞれが駆動されているかどうかに従って、前記格納手段に格納された発生音に基づいて、前記記録装置からの発生音を算出する算出手段とを有し、
前記算出手段によって算出された発生音を予測される発生音とすることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。 - 前記取得手段は、
前記記録装置からの発生音を実測するマイクロフォンを有し、
前記マイクロフォンによって、予め定められた時間、前記発生音を実測し、前記実測された値の平均値、又は最小値を前記発生音として取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記記録装置の動作ステータスは、記録媒体に画像を記録する画像形成中であるか、或いは、画像形成の待機中であるかを示すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記記録装置の動作ステータスと前記検知手段により検知される前記電源部の温度と前記取得手段により取得される発生音とに基づいて、前記冷却ファンの回転数を決定する決定手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記決定手段は、前記発生音が大きく、かつ、前記検知される電源部の温度が高ければ、前記冷却ファンの回転数を大きくするよう決定する一方、前記発生音が小さく、前記温度が低いなら、前記冷却ファンの駆動を停止するか、又は発生音が増えない程度の回転数とするよう決定することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
- 前記決定手段はさらに、前記発生音が増えない程度の回転数を、前記冷却ファンの回転から発生する動作音と、前記発生音との関係から決定することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
- 前記検知手段は、前記電源部を構成する一部の部品の温度を検知するサーミスタを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記電源部は、商用交流電源を直流電源に変換し、前記記録装置の各部が必要とする直流電圧の電力を生成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
- 冷却ファンを備えた電源部から供給される電力により、記録手段により記録媒体に記録を行う記録装置における動作音の制御方法であって、
前記電源部の温度を検知する検知工程と、
前記記録装置の記録動作による発生音を予測又は実測することにより取得する取得工程と、
前記記録装置の動作ステータスと前記検知工程において検知される前記電源部の温度と前記取得工程において取得される発生音とに基づいて前記冷却ファンの駆動を制御する制御工程とを有することを特徴とする動作音の制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017007882A JP2018114697A (ja) | 2017-01-19 | 2017-01-19 | 記録装置及びその動作音の制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020163750A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | ブラザー工業株式会社 | 画像形成装置 |
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2017
- 2017-01-19 JP JP2017007882A patent/JP2018114697A/ja active Pending
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JP7283179B2 (ja) | 2019-03-29 | 2023-05-30 | ブラザー工業株式会社 | 画像形成装置 |
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