JP2018112109A - エンジンの負圧発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンとは別に負圧を発生する装置を備えることなく、ブレーキ用の負圧を確保する。【解決手段】ピストン5#1,5#2が下死点に向かって下降すると、クランク室15内の圧力が上昇し、クランク室15内の圧力が吸気マニホールド9内の圧力よりも高くなると、吐出側の逆止弁20が開弁し、クランク室15内の気体が吸気マニホールド9に吐出される。また、ピストン5#1,5#2が上死点に向かって上昇し、クランク室15内の圧力が低下してブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低くなると、吐出側の逆止弁20が閉弁した状態で吸入側の逆止弁21が開弁する。その結果、ブレーキブースター31の圧力室から負圧ホース23を介してクランク室15内に空気が吸引される。このような動作を繰り返すことにより、ブレーキブースター31の圧力室を大気圧以下の負圧とすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキブースターに負圧を供給するエンジンの負圧発生装置に関する。
自動車等の車両においては、ドライバのブレーキペダルの踏み込み力をアシストして必要な制動力を確保するため、ブレーキペダルの踏み込み力を増幅するブレーキブースターを備えている。このブレーキブースターは、エンジンの吸気負圧を利用する負圧式ブレーキブースターが広く採用されているが、近年では、エンジンの混合気の希薄化が進んで吸気負圧と大気圧との差が小さくなる傾向にあり、吸気負圧の不足を補うための対策が必要となる。
例えば、特許文献1には、スロットル弁上流の吸気通路を内燃機関を介してスロットル弁下流の吸気通路に接続するブローバイガスバイ環流通路に、PCVバルブと一体に負圧生成用エゼクタを設け、スロットル弁下流の吸気通路に発生する負圧に加えて、負圧生成用エゼクタで発生する負圧をブレーキブースター内に蓄積する技術が開示されている。
特開2015−78633号公報
また、近年では、排気ガスの一部を吸気系に還流して再燃焼させるEGR装置を備えることが一般的となり、大量のEGRガスを導入すると、吸気負圧と大気圧との差がより一層小さくなり、特許文献1に開示される負圧生成用エゼクタのような補助的な装置では、十分な負圧を確保することが困難となる。このため、従来では、負圧ポンプ等の負圧を発生する装置を別途備えなければならず、コスト増加を招くばかりでなく、車両重量が増加して燃費悪化を招く虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、エンジンとは別に負圧を発生する装置を備えることなく、ブレーキ用の負圧を確保することのできるエンジンの負圧発生装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様によるエンジンの負圧発生装置は、クランク軸を中心として対向する一対のピストンを少なくとも一組以上備え、前記一対のピストンが互いに反対方向に往復移動するエンジンの負圧発生装置であって、前記一対のピストンの背面側に形成されるクランク室に、前記クランク室の圧力に応じて開閉する第1の開閉弁と第2の開閉弁とを備え、前記第1の開閉弁を前記エンジンの吸気系に接続するとともに、前記第2の開閉弁をブレーキブースタに接続し、前記一対のピストンの往復運動によって前記ブレーキブースタに負圧を供給する。
本発明によれば、エンジンとは別に負圧を発生する装置を備えることなく、ブレーキ用の負圧を確保することができる。
本発明の実施の第1形態に係り、水平対向2気筒エンジンにおける負圧発生装置の構成図 同上、クランク軸と平行な面からみたエンジンの内部構成を示す説明図 同上、ピストン下降時の動作を示す説明図 同上、ピストン上昇時の動作を示す説明図 同上、2気筒エンジンにおける逆止弁の開閉タイミングを示す説明図 同上、水平対向4気筒エンジンへの適用例を示す説明図 同上、4気筒エンジンにおける逆止弁の開閉タイミングを示す説明図 本発明の実施の第2形態に係り、水平対向2気筒エンジンにおける負圧発生装置の構成図 同上、電磁開閉弁制御ルーチンのフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1において、符号1はエンジンであり、同図においては、シリンダブロック2の略中央部に支持されるクランク軸3を中心として、燃焼順で#1番気筒となるシリンダ4#1と#2番気筒となるシリンダ4#2とを互いに対向するように水平に配置した水平対向2気筒エンジンを示す。シリンダ4#1,4#2には、それぞれ、ピストン5#1,5#2が摺動自在に挿入されており、これらのピストン5#1,5#2が対となって互いに反対方向に往復移動するよう、コネクティングロッド6#1,6#2を介してクランク軸3に連結されている。
また、ピストン5#1,5#2の上部に形成される燃焼室7#1,7#2に、吸気弁8#1,8#2を介して、各気筒毎に分岐される吸気マニホールド9が連通されると共に、排気弁10#1,10#2を介して、各気筒毎に分岐される排気マニホールド11が連通されている。尚、燃焼室7#1,7#2には、シリンダヘッド12#1,12#2に配設される図示しない点火プラグの放電部が露呈され、また、各吸気弁8#1,8#2が配設される吸気ポートの上流側に、燃焼室7#1,7#2内に燃料を噴射する図示しないインジェクタが配設されている。
吸気マニホールド9は、上流側で集合されて吸気通路13に連通され、この吸気通路13にスロットル弁13aが介装されている。吸気通路13のスロットル弁13a上流側は、図示しないエアクリーナに連通され、エアクリーナで浄化された新気が燃焼室7#1,7#2内に導入される。一方、排気マニホールド11は下流側で合流されて排気通路14から図示しないマフラに連通されている。
ここで、クランク軸3が配置されるシリンダブロック2の内部には、ピストン5#1,5#2の背面側にクランク室15が形成され、このクランク室15の下部に、潤滑油を貯留するオイルパン16が連設されている。図2に示すように、クランク室15の内部には、クランク軸3を支持する軸受を保持するリブ状のジャーナル部17−1,17−2,17−3が設けられている。
ジャーナル部17−1は、#1番気筒のピストン5#1に連結されるコネクティングロッド6#1の外側でクランク軸3を支持する位置に設けられている。ジャーナル部17−2は、#1番気筒のピストン5#1に連結されるコネクティングロッド6#1と#2番気筒のピストン5#2に連結されるコネクティングロッド6#2との間でクランク軸3を支持する位置に設けられている。また、ジャーナル部17−3は、#2番気筒のピストン5#2に連結されるコネクティングロッド6#2の外側でクランク軸3を支持する位置に設けられている。
また、シリンダブロック2のクランク室15が形成される部位には、クランク室15の圧力に応じて開閉する第1の開閉弁20と第2の開閉弁21とが配設されている。後述するように、第1の開閉弁20はクランク室15内のブローバイガスを含む空気を外部に吐出するための吐出弁となり、第2の開閉弁はクランク室15の内部に外部から空気を吸入するための吸入弁となる。
本実施の形態においては、第1の開閉弁20及び第2の開閉弁21は、クランク室15の内部と外部との圧力差によって開閉し、一方向の流れのみを許容する逆止弁によって構成されている。以下では、単に、第1の開閉弁20を「逆止弁20」と記載し、第2の開閉弁21を「逆止弁21」と記載する。
尚、図1においては、逆止弁20,21を、弾性を有する薄板材で形成したリードバルブによって構成する例を図示しているが、リードバルブに限定されることなく、ボールバルブやコーンバルブ等の弁体と、弁体が弁座に当接するように付勢するスプリングとからなる逆止弁で構成するようにしても良い。
逆止弁20には、シリンダブロック2の外側で排気ホース22が接続されており、この排気ホース22の終端がスロットル弁13a下流の吸気系、例えば吸気マニホールド9に接続されている。逆止弁20は、クランク室15内の圧力が吸気マニホールド9内の圧力よりも高いときに開弁するように設定されており、クランク室15から吸気マニホールド9への方向にのみ気体の流れを許容する向きに配置されている。
一方、逆止弁21には、シリンダブロック2の外側で負圧ホース23が接続されており、この負圧ホース23の終端が、ブレーキペダル30の踏力を負圧で増幅してマスターシリンダ(図示省略)に伝達する周知のブレーキブースター31の圧力室に接続されている。逆止弁21は、クランク室15の圧力がブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低いときに開弁するように設定されており、逆止弁20とは逆方向に、ブレーキブースター31の圧力室からクランク室15への方向にのみ気体の流れを許容する向きに配置されている。
この場合、クランク室15内の気体の流動は、クランク室15上部のシリンダブロック2の壁面と、3箇所のジャーナル部17−1,17−2,17−3と、クランク室15下部のオイルパン16に貯留されている潤滑油とによって制限される虞がある。このため、本実施の形態においては、逆止弁20は、ジャーナル部17−1とジャーナル部17−2との間の空間に連通するように配置され、逆止弁21は、ジャーナル部17−2とジャーナル部17−3との間の空間に連通するように配置されている。
以上のエンジン1においては、エンジン運転時に、一対のピストン5#1,5#2が下死点に向かって同時に下降し、また、上死点に向かって同時に上昇する。このため、エンジン1は、クランク軸3から駆動力を出力するのみならず、ピストン5#1,5#2の往復運動によってクランク室15内の圧力が上昇・下降を繰り返し、逆止弁20,21を介して負圧を発生する負圧発生装置としても機能する。
詳細には、図3に示すように、ピストン5#1,5#2が下死点に向かって下降すると、クランク室15内の圧力が上昇し、クランク室15内の圧力が吸気マニホールド9内の圧力よりも高くなると、吐出側の逆止弁20が開弁し、クランク室15内の気体(ブローバイガスを含む空気)が排気ホース22を介して吸気マニホールド9内に吐出される。このとき、吸入側の逆止弁21は閉弁しており、ブレーキブースター31に対してクランク室15の圧力が影響を及ぼすことは無い。
また、図4に示すように、ピストン5#1,5#2が上死点に向かって上昇し、クランク室15内の圧力が低下してブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低くなると、吐出側の逆止弁20が閉弁した状態で吸入側の逆止弁21が開弁する。その結果、ブレーキブースター31の圧力室から負圧ホース23を介してクランク室15内に空気が吸引される。このような動作を繰り返すことにより、ブレーキブースター31の圧力室を大気圧以下の負圧とすることができる。
クランク室15の圧力変化に対する逆止弁20,21の開閉タイミングは、例えば、図5に例示される。図5に示すように、クランク室15の圧力Pは、ピストン5#1,5#2のピストン位置が180°CA,540°CAのクランク角で下死点に達したときに極大になり、ピストン位置が0°CA,360°CA,720°CAのクランク角で上死点に達したときに極小となる。吐出側の逆止弁20は、クランク室15の圧力Pが極大となる下死点前後で吸気マニホールド9内の圧力よりも高くなる圧力P1以上の期間Aで開弁する。また、吸入側の逆止弁21は、クランク室15の圧力Pが極小となる上死点前後でブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低くなる圧力P2以下の期間Bで開弁する。
以上の負圧発生機能は、互いに対向する一対のピストンを少なくとも1組以上備える水平対向エンジンで実現することができる。すなわち、水平対向2気筒エンジンに限らず、4気筒以上の水平対向エンジンにおいても、基本的に同様の構成により、上述の負圧発生機能を実現することができる。
4気筒エンジンを例に取ると、図6に示すように、水平対向4気筒エンジンであるエンジン51は、シリンダブロック52の前後のバンクに、燃焼順で#1番気筒となるシリンダ54#1と#2番気筒のシリンダ54#2とが対向し、#3番気筒のシリンダ54#3と#4番気筒のシリンダ54#4とが対向するように配置されている。本実施の形態においては、前バンクに#1番気筒と#2番気筒とが配置され、後バンクに#3番気筒と#4番気筒とが配置されるものとする。
#1番気筒のシリンダ54#1に挿入されるピストン55#1と、#2番気筒のシリンダ54#2に挿入されるピストン55#2とは、互いに反対方向に往復移動可能なようにコネクティングロッド56#1,56#2を介してクランク軸53に連結されている。また、#3番気筒のシリンダ54#3に挿入されるピストン55#3と、#4番気筒のシリンダ54#4に挿入されるピストン55#4とは、互いに反対方向に往復移動可能なようにコネクティングロッド56#3,56#4を介してクランク軸53に連結されている。
また、シリンダブロック52中央のクランク室65の内部には、クランク軸53の軸受けを保持するジャーナル部57−1,57−2,57−3,57−4,57−5が設けられている。これらのジャーナル部57−1,57−2,57−3,57−4,57−5は、第1形態のジャーナル部17−1,17−2,17−3と同様、リブ状に形成されている。
ジャーナル部57−1は、#1番気筒のコネクティングロッド56#1の外側でクランク軸53を支持する位置に設けられている。ジャーナル部57−2は、#1番気筒のコネクティングロッド56#1と#2番気筒のコネクティングロッド56#2との間でクランク軸53を支持する位置に設けられている。
また、ジャーナル部57−3は、#2番気筒のコネクティングロッド56#2と#3番気筒のコネクティングロッド56#3との間でクランク軸53を支持する位置に設けられている。ジャーナル部57−4は、#3番気筒のコネクティングロッド56#3と#4番気筒のコネクティングロッド56#4との間でクランク軸53を支持する位置に設けられている。更に、ジャーナル部57−5は、#4番気筒のコネクティングロッド56#4の外側でクランク軸53を支持する位置に設けられている。
この場合、エンジン51は、前後バンク間で気体の流動性が悪化することが懸念されるため、クランク室65には、前バンク側に、吸気系に接続される逆止弁20Fとブレーキブースター31の圧力室に接続される逆止弁21Fとを備え、後バンク側に、吸気系に接続される逆止弁20Rとブレーキブースター31の圧力室に接続される逆止弁21Rとを備えている。前バンク側の逆止弁20F,21F、後バンク側の逆止弁20R,21Rは、第1形態の逆止弁20,21と同様、リードバルブ等で構成することができる。
前バンク側の逆止弁20Fは、ジャーナル部57−2とジャーナル部57−3との間の空間に連通するように配置され、逆止弁21Fは、ジャーナル部57−1とジャーナル部57−2との間の空間に連通するように配置されている。また、後バンク側の逆止弁20Rは、ジャーナル部57−3とジャーナル部57−4との間の空間に連通するように配置され、逆止弁21Rは、ジャーナル部57−4とジャーナル部57−5との間の空間に連通するように配置されている。
尚、ブレーキブースター31の圧力室に接続される逆止弁21F,21Rは、前後気筒の影響を避けるため、最も離れた場所に設置されるが、吸気系に接続される逆止弁20F,20Rは、1つの逆止弁で代用することも可能である。
このようなエンジン51では、図7に示すように、#1番気筒のピストン55#1及び#2番気筒のピストン55#2の前バンクのピストン位置が下死点に達したとき、クランク室65の前バンクに該当する部位の圧力Pfが極大となり、上死点の位置で圧力Pfが極小となる。従って、前バンクにおいては、吐出側の逆止弁20Fは、クランク室65の圧力Pfが極大となる下死点前後で吸気マニホールド9内の圧力よりも高くなる圧力Pf1以上の期間Afで開弁するように設定される。また、吸入側の逆止弁21Fは、クランク室65の圧力Pfが極小となる上死点前後でブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低くなる圧力Pf2以下の期間Bfで開弁するように設定される。
一方、後バンクの#3番気筒のピストン55#3及び#4番気筒のピストン55#4は、図7中に破線で示すように、前バンクの#1番気筒のピストン55#1及び#2番気筒のピストン55#2に対してクランク角の位相が180度ずれた位置で下死点、上死点に達し、ぞれぞれの位置でクランク室65の後バンクに該当する部位の圧力Prが極大、極小となる。従って、後バンクにおいては、吐出側の逆止弁20Rは、クランク室65の圧力Prが極大となる下死点前後で吸気マニホールド9内の圧力よりも高くなる圧力Pr1以上の期間Arで開弁するように設定され、吸入側の逆止弁21Rは、クランク室65の圧力Prが極小となる上死点前後でブレーキブースター31の圧力室の圧力よりも低くなる圧力Pr2以下の期間Brで開弁するように設定される。
すなわち、前バンクの#1番気筒のピストン55#1と#2番気筒のピストン55#2とが下死点に向かって下降する一方、後バンクの#3番気筒のピストン55#3と#4番気筒のピストン55#4とが上死点に向かって上昇すると、前バンクの吐出側の逆止弁20Fが開弁してクランク室65内のブローバイガスを含む空気が吸気マニホールド9に吐出されるとともに、後バンクの吸入側の逆止弁21Rが開弁してブレーキブースター31の圧力室からクランク室65内に空気が吸引される。
逆に、前バンクの#1番気筒のピストン55#1と#2番気筒のピストン55#2とが上死点に向かって上昇し、後バンクの#3番気筒のピストン55#3と#4番気筒のピストン55#4とが下死点に向かって下降すると、前バンクの吸入側の逆止弁21Fが開弁してブレーキブースター31の圧力室からクランク室65内に空気が吸引されるともに、後バンクの吐出側の逆止弁20Rが開弁してクランク室65内のブローバイガスを含む空気が吸気マニホールド9に吐出される。このような動作を繰り返すことにより、クランク室65及びブレーキブースター31の圧力室を大気圧以下に保つことができる。
このように本実施の形態においては、水平対向エンジンのピストンの背面側に形成されるクランク室に、吐出弁となる逆止弁と吸入弁となる逆止弁とを配設し、吸入側の逆止弁をブレーキブースターの圧力室に接続すると共に吐出側の逆止弁を吸気系に接続している。これにより、水平対向エンジンを、クランク軸を中心として対向する一対のピストンの往復運動によって負圧を発生し、ブレーキブースターに負圧を供給する負圧発生装置として機能させることができる。
従って、EGR等によって吸入負圧が十分に得られない場合であっても、ブレーキ用負圧を発生する電動ポンプやエンジン駆動のポンプを別途備えることなくブレーキ用負圧を確保することができ、コスト低減、軽量化に寄与することができる。しかも、クランク室の内圧を大気圧以下に保って空気密度を低下させることができ、ピストン背面のポンプ損失を低減して燃費低減を図ることが可能となる。
次に、本発明の実施の第2形態について説明する。第2形態は、第1形態における吐出側の逆止弁20(20F、20R)及び吸入側の逆止弁21(21F,21R)を、それぞれ電磁開閉弁に置き換え、電磁開閉弁をクランク室15(65)の圧力に応じて開閉制御するものである。
水平対向2気筒エンジンで代表して説明すると、第1の形態におけるエンジン1のクランク室15に配設された逆止弁20,21に代えて、図8に示すように、クランク室15に、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eと吸入側の第2の電磁開閉弁21Eとを配設する。第1の電磁開閉弁20E及び第2の電磁開閉弁21Eは、制御部としての電子制御ユニット(ECU)100により、クランク室15の圧力に応じて開閉制御される。その他の構成は、第1形態と同様である。
ECU100は、マイクロコンピュータを中心として構成される制御装置であり、図示内しない車載ネットワークを介してエンジン制御装置等の他の制御装置と双方向通信可能に接続されている。ECU100は、スロットル弁13a下流の吸気系の吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ70、クランク室15内の圧力(クランク室圧力)を検出するクランク室圧力センサ71、ブレーキブースター31の圧力室の圧力(ブレーキブースター圧力)を検出するブレーキブースター圧力センサ72、クランク角を検出するクランク角センサ73、その他、図示しないセンサからの信号に基づいて、第1の電磁開閉弁20E及び第2の電磁開閉弁21Eを開閉制御する。
尚、吸気管圧力センサ70による吸気管圧力、クランク角センサ73によるクランク角は、エンジン制御装置によるエンジン制御情報の一部として車載ネットから受信するようにしても良い。また、ブレーキブースター圧力センサ72によるブレーキブースター31の圧力室の圧力も、ブレーキ制御装置でブレーキブースター31の圧力室の圧力を検知している場合には、車載ネットワークを介して取得することが可能である。
以下、ECU100による電磁開閉弁20Eの開閉制御について、図9に示す電磁開閉弁制御ルーチンのフローチャートに従って説明する。
この電磁開閉弁制御ルーチンは、エンジン始動後、ECU100において所定時間毎に実行されるルーチンである。ECU100は、先ず、最初のステップS1において、吸気管圧力センサ70、クランク室圧力センサ71、ブレーキブースター圧力センサ72からの信号に基づいて、それぞれ、吸気管圧力Pm、クランク室圧力P、ブレーキブースター圧力Pbを検出する。
次に、ステップS2へ進み、クランク室圧力Pが吸気管圧力Pm以上に上昇したか否かを調べる。その結果、P≧Pmの場合には、ステップS3で、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eを開弁させると共に、吸入側の第2の電磁開閉弁21Eを閉弁させ、ルーチンを抜ける。これにより、クランク室15内の気体が吸気マニホールド9に吐出される。
一方、ステップS2においてP<Pmである場合には、ステップS2からステップS4へ進み、クランク室圧力Pがブレーキブースター圧力Pb以下に低下したか否かを調べる。その結果、P≦Pbの場合には、ステップS4からステップS5へ進み、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eを閉弁させると共に、吸入側の第2の電磁開閉弁21Eを開弁させ、ルーチンを抜ける。その結果、ブレーキブースター31の圧力室からクランク室15内に空気が吸引され、ブレーキブースター31の圧力室の圧力が低下する。
尚、第1,第2の電磁開閉弁20E,21Eの開閉に際しては、弁の振動的な動作を防止するため、開弁と閉弁との間に所定のヒステリシスを設けることが望ましい。
また、ステップS4において、P>Pbの場合、すなわち、クランク室圧力Pが吸気管圧力Pmよりも低いが、ブレーキブースター圧力Pbよりは高い場合には、ステップS4からステップS6へ進み、第1の電磁開閉弁20Eと第2の電磁開閉弁21Eとを共に閉弁させ、ルーチンを抜ける。以上の動作を繰り返すことにより、クランク室5及びブレーキブースター31の圧力室を大気圧以下に保つことができる。
尚、ステップS2においては、クランク室圧力Pと吸気管圧力Pmとの差圧(P−Pm)が一定の値ΔP1(ΔP1>0)以上になったか否かを調べるようにしても良く、(P−Pm)<ΔP1のとき、ステップS4へ進み、(P−Pm)≧ΔP1のとき、ステップS3で、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eを開弁させると共に吸入側の第2の電磁開閉弁21Eを閉弁させるようにしても良い。
同様に、ステップS4においても、ブレーキブースター圧力Pbとクランク室圧力Pととの差圧(Pb−P)が一定の値ΔP2(ΔP2>0)以上になったか否かを調べ、(Pb−P)<ΔP2のとき、ステップS6へ進み、(Pb−P)≧ΔP2のとき、ステップS5で、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eを閉弁させると共に吸入側の第2の電磁開閉弁21Eを開弁させるようにしても良い。
以上の電磁開閉弁制御ルーチンにおいては、ECU100は、クランク室15の内部と外部との圧力差に応じて第1の電磁開閉弁20E及び第2の電磁開閉弁21Eを開閉制御するようにしているが、簡易的には、クランク室圧力センサ71で検出したクランク室圧力、或いはクランク角センサ73で検出したクランク角により、第1の電磁開閉弁20E及び第2の電磁開閉弁21Eを開閉制御することも可能である。
すなわち、クランク室の圧力や吸気管圧力はエンジン毎に予め分かっており、また、必要とされるブレーキブースターの圧力もブレーキシステムの構成によって決まっている。従って、例えば、第1の電磁開閉弁20Eを開弁する圧力値Pe1と、第2の電磁開閉弁21Eを開弁する圧力値Pe2とを予め定めておき、これらの圧力値Pe1,Pe2とクランク室15の圧力Pとを比較することにより、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eを前述の図5で説明した期間Aに相当する期間で開弁し、吸入側の第2の電磁開閉21Eを図5の期間Bに相当する期間で開弁させることも可能である。
また、クランク室15の圧力はクランク角に対応して変化するため、上述の圧力値Pe1,Pe2に対応するクランク角θ1,θ2を予め求めておき、これらのクランク角θ1,θ2とクランク角センサ73で検出したクランク角θとを比較することにより、第1の電磁開閉弁20E及び第2の電磁開閉弁21Eの開弁期間を決定することも可能である。
但し、クランク角による制御では、吸気側からクランク室への逆流を防止するため、スロットル開度、エンジン回転数、吸気温度等のエンジン運転状態に係る制御情報に基づいて、吐出側の第1の電磁開閉弁20Eの作動を制限することが望ましい。また、クランク室からブレーキブースター側への逆流は、ブレーキブースターの負圧導入口に逆止弁を備える場合には、負圧導入口の逆止弁で防止することができ、負圧導入口に逆止弁を備えていない場合には、吸入側の第2の電磁開閉弁21Eの作動を、例えばエンジン始動後の一定時間やコースティング走行時に限定する等して防止することができる。
更に、以上では、水平対向2気筒エンジンで代表して説明したが、4気筒以上の水平対向エンジンについても同様であり、前述の図6における逆止弁20F,21F,20R,21Rを、それぞれ、電磁開閉弁で置き換えることができる。クランク室の圧力を検出する圧力センサは、バンク毎に備えることが望ましい。また、4気筒以上の水平対向エンジンでは、クランク角を用いて電磁開閉弁制御を行う場合、同じクランク角での上死点の気筒と下死点の気筒とが存在するため、気筒判別を行う必要がある。この気筒判別は、通常のエンジン制御におけるカム角センサ等からの信号に基づく気筒判別結果を利用することができる。
第2形態においても、第1形態と同様、水平対向エンジンを、クランク軸を中心として対向する一対のピストンの往復運動によってブレーキブースターに負圧を供給する負圧発生装置として機能させることができる。第2形態は、エンジン毎の相違や機械的なばらつきに対して自由度高く対応することが可能であり、トータル的なコスト低減に寄与することができる。
1,51 エンジン
3,53 クランク軸
5,55#1〜55#4 ピストン
9 吸気マニホールド
13 吸気通路
13a スロットル弁
15,65 クランク室
20,21 逆止弁
20F,21F 逆止弁
20R,21R 逆止弁
20E,21E 電磁開閉弁
31 ブレーキブースター
100 電子制御ユニット

Claims (4)

  1. クランク軸を中心として対向する一対のピストンを少なくとも一組以上備え、前記一対のピストンが互いに反対方向に往復移動するエンジンの負圧発生装置であって、
    前記一対のピストンの背面側に形成されるクランク室に、前記クランク室の圧力に応じて開閉する第1の開閉弁と第2の開閉弁とを備え、
    前記第1の開閉弁を前記エンジンの吸気系に接続するとともに、前記第2の開閉弁をブレーキブースタに接続し、前記一対のピストンの往復運動によって前記ブレーキブースタに負圧を供給することを特徴とするエンジンの負圧発生装置。
  2. 前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁とを、それぞれ逆止弁で構成し、各逆止弁を互いに逆方向の流れを許容するように配置したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの負圧発生装置。
  3. 前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁とを、それぞれ電磁開閉弁で構成し、各電磁開閉弁を前記クランク室の圧力に応じて開閉制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの負圧発生装置。
  4. 前記第1の開閉弁の開弁時期を前記一対のピストンの下死点前後の所定期間とし、前記第2の開閉弁の開弁時期を前記一対のピストンの上死点前後の所定期間とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンの負圧発生装置。
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