JP2018111353A - 乗物用シートカバー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皺の発生を抑制して見栄えの向上を図る。【解決手段】車両用シートカバー21は、車両用シート10におけるクッションパッド12の少なくとも一部に被せられるものであり、少なくとも主要部が、視認可能な態様で配置された表皮層22により構成される。表皮層22は、クッションパッド12の外表面12aの形状に沿って変形した状態で配置された加飾材25と、加飾材25を、クッションパッド12の外表面12aに沿った形状に保持し、かつ、自身の外表面26aがクッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなすバインダ26とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、乗物用シートにおけるクッションパッドの少なくとも一部に被せられる乗物用シートカバー、及びその乗物用シートカバーを製造する方法に関する。
乗物用シートにおけるクッションパッドに被せられる乗物用シートカバーとして、複数枚の表皮ピースを1枚に繋ぎ合わせたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。この乗物用シートカバーの製造に際しては、クッションパッドの外形形状に合わせて、表皮材から平面状態の複数枚の表皮ピースが裁断され、その後に、隣り合う表皮ピースの端部同士が縫合される。そして、得られた乗物用シートカバーは、外力が加えられること、例えば、クッションパッドに被せられたり、型が用いられてクッションパッドに圧締又は接着されたりすることで、クッションパッドの外形形状に沿った立体形状に成形される。
ところで、平面状態の乗物用シートカバーを立体形状にするためには、その乗物用シートカバーを伸縮させる必要がある。そのためには、いせ込み縫いが行なわれたり、クッションパッドに被せる際に乗物用シートカバーが伸縮されたり、表皮ピースに伸縮しやすい材料が用いられる等の対策がなされる。
しかし、裁断による表皮ピースの形状及び大きさのばらつき、縫合のばらつき、表皮材の伸縮のばらつき等が適切に管理されないと、クッションパッドに被せられた状態で乗物用シートカバーに皺が発生し、見栄えが損なわれるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、皺の発生を抑制して見栄えの向上を図ることのできる乗物用シートカバー及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する乗物用シートカバーは、乗物用シートにおけるクッションパッドの少なくとも一部に被せられるものであり、少なくとも主要部が、視認可能な態様で配置された表皮層により構成される乗物用シートカバーであり、前記表皮層は、前記クッションパッドの外表面に沿って変形した状態で配置された加飾材と、前記加飾材を、前記クッションパッドの前記外表面に沿った形状に保持し、かつ、自身の外表面が前記クッションパッドの前記外表面に沿った形状をなすバインダとを備えている。
また、上記課題を解決する乗物用シートカバーの製造方法は、少なくとも主要部が、加飾材及びバインダを備え、かつ視認可能な態様で配置された表皮層により構成され、乗物用シートにおけるクッションパッドの少なくとも一部に被せられる乗物用シートカバーを製造する方法であって、前記乗物用シートカバーの外形形状に対応した成形部を有する型を用い、前記加飾材及び前記バインダの混合物を前記成形部に向けて吹付けることにより、前記表皮層を形成する工程を備える。
上記乗物用シートカバーの製造に際しては、乗物用シートカバーの外形形状に対応した成形部を有する型が用いられる。この型の成形部に向けて、加飾材及びバインダの混合物が吹付けられて、表皮層が形成される。
この表皮層は、乗物用シートカバーの少なくとも主要部を構成する。表皮層における加飾材は、乗物用シートの外表面の形状に沿って変形した状態で配置される。加飾材は、バインダにより、乗物用シートの外表面に沿った形状に保持される。しかも、バインダの外表面は、乗物用シートの外表面に沿った形状をなす。このように、乗物用シートカバーにおける少なくとも主要部は、クッションパッドの外表面に沿った立体形状をなす。
従って、表皮材から複数枚の表皮ピースを裁断したり、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫合したりしなくてもすむ。これに伴い、平面状態の乗物用シートカバーを伸縮させながら、立体形状をなすクッションパッドに被せなくてもすむ。そのため、裁断による表皮ピースの形状及び大きさのばらつき、縫合のばらつき、表皮材の伸縮のばらつき等の影響を受けなくなり、クッションパッドに被せられた状態の乗物用シートに皺が発生する現象が抑制され、見栄えが向上する。
また、乗物用シートカバーにおいては、表皮層が視認可能な態様で配置されている。そのため、乗物用シートカバーの外部からは、加飾材によって装飾された表皮層が視認される。
上記乗物用シートカバー及びその製造方法によれば、皺の発生を抑制して見栄えの向上を図ることができる。
以下、車両用シートカバー及びその製造方法に具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、車両用シート10は、これに着座した乗員(図示略)を下方から支持するシートクッション11と、同乗員を後方から支持するシートバック17とを備えている。シートクッション11及びシートバック17は、いずれもクッションパッド12(図2(a)参照)に本実施形態の車両用シートカバー21を被せることにより構成されている点で共通している。そのため、シートクッション11を例に説明し、シートバック17については説明を省略する。
図1に示すように、車両用シート10は、これに着座した乗員(図示略)を下方から支持するシートクッション11と、同乗員を後方から支持するシートバック17とを備えている。シートクッション11及びシートバック17は、いずれもクッションパッド12(図2(a)参照)に本実施形態の車両用シートカバー21を被せることにより構成されている点で共通している。そのため、シートクッション11を例に説明し、シートバック17については説明を省略する。
図2(a),(b)に示すように、シートクッション11におけるクッションパッド12は、例えば、ウレタン樹脂の発泡成形体によって形成されている。このクッションパッド12は、車両用シート10の幅方向(図2(a),(b)の左右方向)における中間部分を構成する座部13と、同幅方向における車両用シート10の両側部分を構成する一対のサイドサポート部(土手部と呼ばれることもある)14とを備えている。
座部13は、乗員が着座する箇所であり、その上面が上方へ膨らむように緩やかに湾曲している。両サイドサポート部14は、座部13に着座した乗員の大腿部が上記幅方向に動くのを規制するためのものであり、座部13よりも上方へ突出している。これらの座部13及び両サイドサポート部14により、クッションパッド12の外表面12aは、上下方向に起伏のある立体形状をなしている。
図1及び図2(a),(b)に示すように、クッションパッド12の外周面には、雌型面ファスナからなる被係止部材15が、全周にわたって連続もしくは不連続に配置され、その外周面に固定されている。また、クッションパッド12の上面のうち、座部13の各サイドサポート部14との境界部分には、雌型面ファスナからなる一対の被係止部材16が配置されている。各被係止部材16は、上記境界部分に沿って前後方向に延びており、その境界部分に固定されている。各被係止部材15,16のクッションパッド12に対する固定は、例えば接着によってなされている。
シートクッション11における車両用シートカバー21は、単一の部品として形成されている。車両用シートカバー21は、表皮層22、トップコート層27及び係止部材28,29を備えている。
表皮層22は、車両用シートカバー21の主要部をなしている。表皮層22は、座部13に被せられる中間表皮層23と、両サイドサポート部14に被せられる一対のサイド表皮層24とを備えている。表皮層22は、中間表皮層23及び両サイドサポート部14のいずれの箇所においても、加飾材25及びバインダ26によって構成されている。中間表皮層23の厚みT1は、各サイド表皮層24の厚みT2と同程度に設定されている。
加飾材25は、繊維、複数の布片、複数の紙片、及び複数の短冊状のフィルムから選ばれる少なくとも一種からなる。本実施形態では、加飾材25として、複数の繊維が用いられており、これらがクッションパッド12の外表面12aの形状に沿って変形した状態で配置されている。複数の繊維としては、一般に、短繊維と呼ばれるものが用いられる。短繊維は、長繊維(フィラメント)と対比される繊維であり、フィラメントよりも短い。
バインダ26としては、光透過性を有する樹脂材料、例えばウレタン樹脂からなるものが用いられている。バインダ26は、表皮層22の厚み方向における全体にわたって設けられている。バインダ26は、これの内部に分散した状態で配置された複数の加飾材25を、クッションパッド12の外表面12aに沿った形状に保持している。バインダ26の外表面26aは、上記外表面12aに沿った形状をなしている。
トップコート層27は、透明で耐久性の高い樹脂材料、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等によって形成され、上記表皮層22の外表面(バインダ26の外表面26a)上に略均一の厚みで積層されている。トップコート層27は、表皮層22を視認し得る状態で保護する機能を担っている。
係止部材28,29は、車両用シートカバー21をクッションパッド12に留めるためのものであり、上記被係止部材15,16に剥離可能に結合される雄型面ファスナによって構成されている。係止部材28,29は、被係止部材15,16に対向する箇所に設けられている。より詳しくは、係止部材28は、表皮層22の内面の周縁部に沿って全周にわたって連続もしくは不連続に延びており、その周縁部に固定されている。また、各係止部材29は、中間表皮層23の各サイド表皮層24との境界部分に沿って前後方向に延びており、その境界部分に固定されている。各係止部材28,29の表皮層22に対する固定は、例えば接着によってなされている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について、車両用シートカバー21を製造する方法とともに説明する。
車両用シートカバー21の製造に際しては、例えば、図3(a)に示すように、車両用シートカバー21の外形形状に対応した凹状の成形部32を有する型31が用いられる。成形部32は、中間表皮層23の外形形状に対応して凹んだ中間成形部33と、両サイド表皮層24の外形形状に対応して凹んだ一対のサイド成形部34とを備えている。これらの中間成形部33及び両サイド成形部34に離型剤35が吹付けられる。
車両用シートカバー21の製造に際しては、例えば、図3(a)に示すように、車両用シートカバー21の外形形状に対応した凹状の成形部32を有する型31が用いられる。成形部32は、中間表皮層23の外形形状に対応して凹んだ中間成形部33と、両サイド表皮層24の外形形状に対応して凹んだ一対のサイド成形部34とを備えている。これらの中間成形部33及び両サイド成形部34に離型剤35が吹付けられる。
次に、図3(b)に示すように、成形部32の上記離型剤35上に、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等がコーティングされることにより、厚みが略均一なトップコート層27が形成される。
次に、図3(c)に示すように、バインダ26と複数の加飾材25との混合物が成形部32に向けて吹付けられる。表現を変えると、上記混合物が成形部32に対し間接に吹付けられる。このバインダ26が硬化することにより、上記トップコート層27上に表皮層22が形成される。表皮層22の厚みは、バインダ26の厚みによって決定される。加飾材25は、上記のように、表皮層22の厚み方向における全体にわたって設けられたバインダ26に対し、そのバインダ26の厚み方向における全体にわたって分散した状態で配置されている。このようにして、複数の加飾材25が、厚み方向における全体にわたって分散した状態で配置されてなる表皮層22が得られる。
そして、表皮層22及びトップコート層27が積層されてなる中間製品36は、成形部32から剥がされて、型31から取り出される。図2(a),(b)に示すように、係止部材28が、中間製品36における表皮層22の内面の周縁部に沿って配置されながら、接着剤により表皮層22に固定される。また、各係止部材29が、中間表皮層23の各サイド表皮層24との境界部分に沿って配置されながら、接着剤により同境界部分に固定される。
上記のようにして得られた車両用シートカバー21は、中間表皮層23において、クッションパッド12の座部13に被せられ、各サイド表皮層24において、対応するサイドサポート部14に被せられる。
ここで、本実施形態の車両用シートカバー21は単一の部品として形成されている。車両用シートカバー21の主要部は、表皮層22によって構成されている。表皮層22における複数の加飾材25は、クッションパッド12の外表面12aの形状に沿って変形している。複数の繊維からなる加飾材25は、バインダ26により、上記外表面12aに沿った形状に保持されている。しかも、バインダ26の外表面26aは、上記外表面12aに沿った形状をなしている。トップコート層27は、表皮層22上に均一の厚みで形成されている。このように、車両用シートカバー21はクッションパッド12の外表面12aに沿った立体形状をなしている。
従って、従来の車両用シートカバーとは異なり、表皮材から複数枚の表皮ピースを裁断したり、隣り合う表皮ピースの端部同士を縫合したりしなくてもすむ。これに伴い、平面状態の車両用シートカバーを伸縮させながら、立体形状をなすクッションパッド12に被せなくてもすむ。そのため、車両用シートカバー21は、裁断による表皮ピースの形状及び大きさのばらつき、縫合のばらつき、表皮材の伸縮のばらつき等の影響を受けなくなる。クッションパッド12に被せられた状態で車両用シートカバー21に皺が発生する現象を抑制し、見栄えを向上させることができる。
上記のように、クッションパッド12に被せられた車両用シートカバー21においては、中間表皮層23における係止部材29が、座部13における被係止部材16に係止される。表皮層22の内面の周縁部における係止部材28が、クッションパッド12の外周面における被係止部材15に係止される。上記係止部材28,29の被係止部材15,16に対する係止は、雄型面ファスナが雌型面ファスナに貼り合せられて結合されることによりなされる。
これらの係止により、車両用シートカバー21は、クッションパッド12に被せられた状態に保持される。車両用シートカバー21がクッションパッド12から浮き上がったり、ずれたりすることが起こりにくい。
特に、車両用シートカバー21の中でも、中間表皮層23のサイド表皮層24との境界部分が、クッションパッド12から浮き上がったりずれたりしやすい(動きやすい)と考えられる。しかし、該当する箇所には係止部材29が固定されており、これが、座部13の被係止部材16に係止される。そのため、上記係止部材29の被係止部材16との係止により、車両用シートカバー21の浮き上がりやずれを的確に抑制することができる。
なお、被係止部材15,16から係止部材28,29を剥がすことにより、上記の係止状態を解除することができる。
上記車両用シートカバー21においては、表皮層22が視認可能な態様で配置されている。すなわち、表皮層22上に積層されたトップコート層27は、透明な樹脂材料によって形成されている。
上記車両用シートカバー21においては、表皮層22が視認可能な態様で配置されている。すなわち、表皮層22上に積層されたトップコート層27は、透明な樹脂材料によって形成されている。
そのため、車両用シートカバー21の外部からは、加飾材25によって装飾された表皮層22、より具体的には、表皮層22の厚み方向における少なくとも一部に分散した状態で配置された複数の加飾材25及びその周辺のバインダ26が、トップコート層27を通じて視認される。複数の加飾材25によって加飾された表皮層22が視認され、車両用シートカバー21の意匠性が高められる。
また、上記トップコート層27は表皮層22を保護する。そのため、表皮層22に外力が直接加わることが抑制され、トップコート層27が設けられないものに比べ、表皮層22の耐久性が高められる。その結果、車両用シートカバー21を、複数の加飾材25によって加飾された状態に良好に保持することができる。
本実施形態によると、上述した事項以外にも、次の効果が得られる。
・係止部材28,29として雄型面ファスナを用い、被係止部材15,16として雌型面ファスナを用いているため、車両用シートカバー21の交換が可能である。
・係止部材28,29として雄型面ファスナを用い、被係止部材15,16として雌型面ファスナを用いているため、車両用シートカバー21の交換が可能である。
従って、例えば、車両用シートカバー21が汚れたり、長期間にわたる使用によりへたったりした場合に、被係止部材15,16から係止部材28,29を剥がすことにより、車両用シートカバー21をクッションパッド12から取り外し、新しい車両用シートカバー21に交換することができる。
また、複数種類の車両用シートカバー21を予め用意しておき、適宜の時期に、異なる種類の車両用シートカバー21に変更する(着せ替える)こともできる。この変更により、車両用シートカバー21の外観を変更することができる。
・表皮層22では、バインダ26内に分散した状態で配置された複数の加飾材25が、同表皮層22を補強する機能を発揮する。そのため、バインダ26のみによって表皮層22が構成された場合よりも、表皮層22の強度を高めることができる。
・裁断及び縫製(縫合)の作業が不要となるため、車両用シートカバー21の製造コストを低減することが可能となる。
・車両用シートカバー21は繊維のような外観を呈するが、触感は合皮のようになり、車両用シートカバー21の新しい意匠表現が可能となる。
・車両用シートカバー21は繊維のような外観を呈するが、触感は合皮のようになり、車両用シートカバー21の新しい意匠表現が可能となる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
<表皮層22の構造について>
・図4に示すように、表皮層22は、加飾材層41及び一対のバインダ層42からなる三層構造に変更されてもよい。この場合、加飾材層41は、複数の加飾材25からなり、かつ表皮層22の厚み方向における中間部分に位置する。加飾材層41では、加飾材25がクッションパッド12の外表面12aに沿って変形した状態で配置される。両バインダ層42はバインダ26からなり、加飾材層41を、上記厚み方向両側から挟み込む。両バインダ層42は、加飾材25を上記外表面12aに沿った形状に保持する。外側のバインダ層42の外表面26aは、クッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなす。
<表皮層22の構造について>
・図4に示すように、表皮層22は、加飾材層41及び一対のバインダ層42からなる三層構造に変更されてもよい。この場合、加飾材層41は、複数の加飾材25からなり、かつ表皮層22の厚み方向における中間部分に位置する。加飾材層41では、加飾材25がクッションパッド12の外表面12aに沿って変形した状態で配置される。両バインダ層42はバインダ26からなり、加飾材層41を、上記厚み方向両側から挟み込む。両バインダ層42は、加飾材25を上記外表面12aに沿った形状に保持する。外側のバインダ層42の外表面26aは、クッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなす。
このようにすることで、複数の加飾材25が、厚み方向における少なくとも一部に配置され、かつ外表面26aがクッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなす表皮層22を得ることができる。
<表皮層22の厚みT1,T2について>
・上記実施形態とは異なり、図2(a)におけるサイド表皮層24の厚みT2が、中間表皮層23の厚みT1よりも大きく設定されてもよい。ただし、厚みT1,T2の変更は、バインダ26の外表面26aがクッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなすことを条件に行なわれる必要がある。
・上記実施形態とは異なり、図2(a)におけるサイド表皮層24の厚みT2が、中間表皮層23の厚みT1よりも大きく設定されてもよい。ただし、厚みT1,T2の変更は、バインダ26の外表面26aがクッションパッド12の外表面12aに沿った形状をなすことを条件に行なわれる必要がある。
こうした設定により、両サイド表皮層24の耐久性を高めることができる。これに対し、中間表皮層23は、両サイド表皮層24よりも薄く形成されることにより同サイド表皮層24よりも柔らかくなり、乗り心地を良くすることができる。
なお、上記のように表皮層22の厚みT1,T2を同表皮層22の部位に応じて異ならせることは、バインダ26及び加飾材25の混合物の吹付け量を表皮層22の部位に応じて異ならせることで可能である。
<加飾材25について>
・複数の繊維(短繊維)に代えて、長く切れ目がない1本の連続した糸、いわゆるフィラメント(長繊維)が加飾材25として用いられてもよい。この場合にも、加飾材25をクッションパッド12の外表面12aに沿って変形させた状態で配置することが可能である。フィラメントからなる加飾材25は、例えば、不規則に蛇行するように変形した状態で配置されてもよい。
・複数の繊維(短繊維)に代えて、長く切れ目がない1本の連続した糸、いわゆるフィラメント(長繊維)が加飾材25として用いられてもよい。この場合にも、加飾材25をクッションパッド12の外表面12aに沿って変形させた状態で配置することが可能である。フィラメントからなる加飾材25は、例えば、不規則に蛇行するように変形した状態で配置されてもよい。
ここで、加飾材25として短繊維を用いた場合には、バインダ26に混合させやすいという利点がある。加飾材25としてフィラメントを用いた場合には、吹付けがしやすいという利点がある。もちろん、短繊維が配置された表皮層22と、フィラメントが配置された表皮層22とでは、外観が異なる。従って、加飾材25として短繊維を用いるかフィラメントを用いるかは、外観、表皮層22の作りやすさ等を考慮して選択することが好ましい。
・繊維に代えて、又は加えて複数の布片、複数の紙片、及び複数の短冊状のフィルムから選ばれる少なくとも一種が加飾材25とされてもよい。布片としては、織布が用いられてもよいし不織布が用いられてもよい。短冊状のフィルムとは、長尺状をなすフィルムを指す。
この場合、バインダ26に混合される加飾材25の種類、数、配置態様等を工夫することで、様々な意匠表現をすることができる。
<トップコート層27について>
・トップコート層27の厚みについても、上記表皮層22の厚みT1,T2と同様に、同表皮層22の部位に応じて異ならせてもよい。
<トップコート層27について>
・トップコート層27の厚みについても、上記表皮層22の厚みT1,T2と同様に、同表皮層22の部位に応じて異ならせてもよい。
・表皮層22のみで必要な強度が得られる場合、表現を変えると、トップコート層27と同程度の強度が得られる場合には、トップコート層27が省略されて、表皮層22及び係止部材28,29によって車両用シートカバー21が構成されてもよい。
この場合、表皮層22は車両用シートカバー21の最外層に位置するため、視認可能である。従って、車両用シートカバー21の外部からは、加飾材25によって装飾された表皮層22が視認される。
<車両用シートカバー21のクッションパッド12に対する取付け構造について>
・上記実施形態とは逆に、係止部材28,29として雌型面ファスナが用いられ、被係止部材15,16として雄型面ファスナが用いられてもよい。
・上記実施形態とは逆に、係止部材28,29として雌型面ファスナが用いられ、被係止部材15,16として雄型面ファスナが用いられてもよい。
・係止部材及び被係止部材として、上述した雄型面ファスナ及び雌型面ファスナとは異なるタイプが採用されてもよい。図5(a),(b)はその一例を示している。
図5(a)に示すように、この変形例の係止部材44は、表皮層22に対し、接着剤等により固定された板状部45と、板状部45の端縁部に形成されたやじり部46とを備えている。
図5(a)に示すように、この変形例の係止部材44は、表皮層22に対し、接着剤等により固定された板状部45と、板状部45の端縁部に形成されたやじり部46とを備えている。
また、被係止部材47は、クッションパッド12に対し、接着剤等により固定された本体部49を備えている。本体部49は、上記板状部45の厚み方向に相対向した状態で配置された一対の弾性片48を備えている。各弾性片48の端縁部には鈎状の受け部51が形成されている。
そして、図5(b)に示すように、やじり部46が両弾性片48間に差込まれる。やじり部46が両受け部51を通過する箇所まで差込まれることにより、係止部材44が被係止部材47に係止される。
<型31について>
・型31として、車両用シートカバー21の外形形状に対応した凸状の成形部を有するものが用いられてもよい。
・型31として、車両用シートカバー21の外形形状に対応した凸状の成形部を有するものが用いられてもよい。
<適用箇所について>
・車両用シートカバーは、車両用シート10のうち、シートクッション11とは異なる箇所におけるクッションパッド12に被せられる車両用シートカバー21に適用されてもよい。該当する箇所としては、例えば、シートバック17が挙げられる。シートバック17におけるクッションパッド12が、幅方向における両側部にサイドサポート部を有するものである場合には、車両用シートカバーは、上記実施形態と同様の構造となる。
・車両用シートカバーは、車両用シート10のうち、シートクッション11とは異なる箇所におけるクッションパッド12に被せられる車両用シートカバー21に適用されてもよい。該当する箇所としては、例えば、シートバック17が挙げられる。シートバック17におけるクッションパッド12が、幅方向における両側部にサイドサポート部を有するものである場合には、車両用シートカバーは、上記実施形態と同様の構造となる。
なお、上記シートバックには、上部領域にヘッドレストとして機能する領域部が一体的に形成された、いわゆるハイバックタイプのシートバックも含まれる。
・車両用シートカバー21は、車両用シート10の構成部品、例えば、シートクッション11、シートバック17等におけるクッションパッド12の全体に限らず、一部を覆う場合にも適用可能である。
・車両用シートカバー21は、車両用シート10の構成部品、例えば、シートクッション11、シートバック17等におけるクッションパッド12の全体に限らず、一部を覆う場合にも適用可能である。
・乗物用シートカバーは、自動車、及びそれ以外の車両、例えば、鉄道車両の車両用シートにおけるクッションパッドに被せられる車両用シートカバーに適用可能である。
また、乗物用シートカバーは、車両以外の乗物、例えば、航空機、船舶等の乗物用シートにおけるクッションパッドに被せられる乗物用シートカバーに適用可能である。
また、乗物用シートカバーは、車両以外の乗物、例えば、航空機、船舶等の乗物用シートにおけるクッションパッドに被せられる乗物用シートカバーに適用可能である。
10…車両用シート(乗物用シート)、11…シートクッション、12…クッションパッド、12a,26a…外表面、13…座部、14…サイドサポート部、15,16,47…被係止部材、21…車両用シートカバー(乗物用シートカバー)、22…表皮層、23…中間表皮層、24…サイド表皮層、25…加飾材、26…バインダ、27…トップコート層、28,29,44…係止部材、31…型、32…成形部、41…加飾材層、42…バインダ層、T1,T2…厚み。
Claims (9)
- 乗物用シートにおけるクッションパッドの少なくとも一部に被せられるものであり、少なくとも主要部が、視認可能な態様で配置された表皮層により構成される乗物用シートカバーであり、
前記表皮層は、前記クッションパッドの外表面に沿って変形した状態で配置された加飾材と、前記加飾材を、前記クッションパッドの前記外表面に沿った形状に保持し、かつ、自身の外表面が前記クッションパッドの前記外表面に沿った形状をなすバインダとを備えている乗物用シートカバー。 - 前記加飾材として、繊維、複数の布片、複数の紙片、及び複数の短冊状のフィルムから選ばれる少なくとも一種が用いられ、
前記バインダとして、光透過性を有するものが用いられ、
前記加飾材は、前記表皮層の厚み方向における少なくとも一部に配置されている請求項1に記載の乗物用シートカバー。 - 前記バインダは、前記表皮層の厚み方向における全体にわたって設けられ、
前記加飾材は、前記厚み方向における前記バインダ内の全体にわたって配置されている請求項2に記載の乗物用シートカバー。 - 前記表皮層は、前記加飾材からなり、かつ前記表皮層の厚み方向における中間部に位置する加飾材層と、前記バインダからなり、かつ前記加飾材層を、前記厚み方向両側から挟み込む一対のバインダ層とにより構成されている請求項2に記載の乗物用シートカバー。
- 前記乗物用シートの一部はシートクッションにより構成され、
前記シートクッションにおけるクッションパッドは、前記乗物用シートの幅方向における中間部分を構成する座部と、同幅方向における前記乗物用シートの両側部分を構成する一対のサイドサポート部とを備えており、
前記表皮層は、前記座部に被せられる中間表皮層と、両サイドサポート部に被せられる一対のサイド表皮層とを備えており、
前記サイド表皮層は、前記中間表皮層よりも厚く形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の乗物用シートカバー。 - 前記表皮層の外表面に積層された透明なトップコート層をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の乗物用シートカバー。
- 前記クッションパッドに係止するための係止部材が、前記クッションパッドに固定された被係止部材に対向する箇所に設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の乗物用シートカバー。
- 前記係止部材及び前記被係止部材の一方は雄型面ファスナにより構成され、他方は前記雄型面ファスナが剥離可能に結合される雌型面ファスナにより構成されている請求項7に記載の乗物用シートカバー。
- 少なくとも主要部が、加飾材及びバインダを備え、かつ視認可能な態様で配置された表皮層により構成され、乗物用シートにおけるクッションパッドの少なくとも一部に被せられる乗物用シートカバーを製造する方法であって、
前記乗物用シートカバーの外形形状に対応した成形部を有する型を用い、前記加飾材及び前記バインダの混合物を前記成形部に向けて吹付けることにより、前記表皮層を形成する工程を備える乗物用シートカバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017001911A JP2018111353A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 乗物用シートカバー及びその製造方法 |
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JP2017001911A JP2018111353A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 乗物用シートカバー及びその製造方法 |
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ID=62911685
Family Applications (1)
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JP2017001911A Pending JP2018111353A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 乗物用シートカバー及びその製造方法 |
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-
2017
- 2017-01-10 JP JP2017001911A patent/JP2018111353A/ja active Pending
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