JP2018111241A - パウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置およびパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法 - Google Patents

パウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置およびパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密封性の高いブース内において、パウダースラッシュ成形用金型の脱着やブラスト処理が容易であって、かつ、所定ブラスト材料の回収が容易なパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法を提供する。
【解決手段】
複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの内部に、金型支持部材を有する金型洗浄部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置であって、金型支持部は、水平軸を中心に成形用金型を回転移動させ、鉛直方向に対して、所定角度に保持する支持部材を備えており、ブラスト処理部は、ブラスト材料を吹き付けるための噴射装置を備えており、かつ、ブラスト材料回収部は、吹き付けられたブラスト材料を、第1の傾斜板および第2の傾斜板の斜面に沿って滑落させ、それを吸引回収するための筒状吸入部材を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パウダースラッシュ成形用金型(以下、単に成形用金型と称する場合がある。)の洗浄装置およびパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法に関する。
特に、ブラスト材料等のリサイクルが容易な、成形用金型の洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法に関する。
従来、車両用内装部材等の立体成形品は、スラッシュ成形品として、塩化ビニル等を主原料とした樹脂パウダーを用いて、パウダースラッシュ成形により成形されている。
かかるパウダースラッシュ成形における、パウダースラッシュ成形用金型(以下、単に成形用金型と称する場合がある。)の金型成形面(以下、単に成形面と称する場合がある。)には、立体成形品の装飾性を高めるべく、しぼ模様等の立体装飾を施すための微細な凹凸が形成されている。
このような成形用金型を繰り返し使用した場合、樹脂パウダーに含まれる可塑剤等が、成形面の微細な凹凸に入り込んだ状態で残留し、立体成形品におけるしぼ模様等の立体性が次第に低下して、立体成形品の装飾性を損なうという問題が見られた。
そこで、このような成形面に付着した残留物を除去する方法として、図9に示すように、パウダースラッシュ成形に使用した成形用金型205を、強アルカリ性の洗浄液207を加熱するとともに、その中に浸漬させて、残留物203を除去する成形用金型の洗浄方法200が広く実施されていた。すなわち、立体成形品におけるしぼ模様等の立体性が低下してくると、パウダースラッシュ成形機から成形用金型205を取り外し、それを一昼夜程度、加熱容器内に収容した強アルカリ性の洗浄液207に浸漬させて、残留物203を除去することが実施されていた。
また、近年、立体成形品の装飾性や加工性の向上、あるいは耐熱性や環境特性の向上の観点から、塩化ビニル等の樹脂に代わって、熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)や熱可塑性オレフィンエラストマー(TPO)等がブラスト材料末の主原料として使用されている。
しかしながら、かかるTPUやTPOからなる残留物は、強アルカリ性の洗浄液を用いても、ほとんど除去することができず、そのために、立体成形品の装飾性を損ないやすいという問題が見られた。また、洗浄液中に強アルカリ成分を含んでいるために、廃液処理が困難であるとともに、環境汚染を引き起こしやすいという問題も見られた。
そこで、かかるTPUやTPOからなる残留物を除去する方法として、成形用金型に対して、洗浄液として、アルミナ粒子等からなるセラミックブラスト材料と、水等との混合物を用いて、成形面の残留物を除去することを特徴とした成形用金型の洗浄方法が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、出願人は、所定のモース硬度を有するブラスト材料をブラスト処理することにより、TPUやTPOからなる樹脂パウダーを用いて、パウダースラッシュ成形した場合であっても、成形面を傷付けることなく、当該成形面に付着した残留物を除去し、立体成形品を安定して製造できる成形用金型の洗浄装置を既に提案している(特許文献3参照)。
より具体的には、図10(a)に示すように、所定の噴射装置341を有するブラスト処理部313を備えており、パウダースラッシュ成形用金型384を鉛直方向に立てた状態で、成形面331に対して、噴射装置341から、水平方向に、モース硬度が2.0〜6.0の範囲内の値であるブラスト材料335を吹き付けてなる、パウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置320である。
また、図10(b)に示すように、所定ブース321の内部に、所定の噴射装置341を有するロボットアーム313を備えており、パウダースラッシュ成形用金型384を鉛直方向に立てた状態で、成形面331に対して、噴射装置341から、水平方向にモース硬度が2.0〜6.0の範囲内の値であるブラスト材料335を吹き付けてなる、パウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置320´である。
特開2002−36252号 (特許請求の範囲等) 特開2001−328123号 (特許請求の範囲等) 特開平5−131460号 (特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1〜2に開示されたブラスト材料は、成形用金型の洗浄用に開発されているものの、パウダースラッシュ成形用金型のように、例えば、横幅が1〜2m程度の大型で、かつ、1トン程度の大重量物である成形用金型に対して適用された例はなく、パウダースラッシュ成形用金型の内部を密封状態としたり、低圧状態としたりすることが困難であった。
一方、特許文献3に開示されたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置は、当該成形用金型の脱着処理やブラスト処理をする際の取り扱いが困難であって、かつ、洗浄ブースにおける密封性や低圧性が不十分であった。
そのため、所定のブラスト材料等が、外部に飛散したり、ブラスト材等の回収性が低くなったりするという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、密封性や低圧性が制御された洗浄ブース内で、成形用金型を、鉛直方向に対して、所定角度傾けて、成形用金型の成形面が概ね斜め下方を向く状態で、ブラスト処理することにより、所定のブラスト材や成形面の残留物の洗浄性や回収率が、それぞれ高まることを見出した。
すなわち、本発明は、密封性や低圧性が制御された洗浄ブース内で、ブラスト材によって、成形面に付着した残留物を、容易かつ迅速に除去することができ、しかも、ブラスト材等の飛散防止を図りつつ、回収が容易なパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置、およびそのような洗浄装置を用いたパウダースラッシュ成形用金型の効率的な洗浄方法を提供することにある。
本発明によれば、複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの内部に、金型支持部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置であって、
傾斜板は、金型支持部材の動きに同期して、洗浄ブースを閉状態または開状態とするように動作する、金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、
金型支持部は、パウダースラッシュ成形用金型が固定配置される開口部を有するとともに、パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持するための支持部材を備えており、
ブラスト処理部は、パウダースラッシュ成形用金型の成形面に対して、ブラスト材料を吹き付けるための噴射装置を備えており、かつ、
ブラスト材料回収部は、吹き付けられたブラスト材料および表面の残留物を、第1の傾斜板および第2の傾斜板の斜面に沿って滑落させ、ブラスト材料および表面の残留物を吸引回収するための筒状吸入部材を備えていること、
を特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、かかる洗浄装置によれば、パウダースラッシュ成形用金型の脱着処理やブラスト処理をする際の取り扱いを容易にすることができるとともに、第1の傾斜板および第2の傾斜板の働きによって、洗浄装置全体の小型化に資するとともに、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易に制御することができる。
また、少なくとも第1の傾斜板および第2の傾斜板が共同して、洗浄ブースの閉状態(密封状態や低圧状態等)を制御したまま、パウダースラッシュ成形用金型の鉛直方向に対する、狭角の所定角度を変えながらブラスト処理することができる。
したがって、パウダースラッシュ成形用金型が大型で、複雑な形状を有する場合であっても、効率的かつ精度良くブラスト処理を施すことができ、ひいては、成形面に付着した残留物を効果的に除去することができる。
さらに、かかる洗浄装置によれば、所定のブラスト材(例えば、クルミ粉)を使用して、成形用金型の成形面に対してドライ状態でブラスト処理を施すことにより、成形面を傷付けることなく、効果的に成形面に付着した残留物を効果的に除去することができる一方、ブラスト材料および成形面の残留物を吸引回収して、一部のブラスト材料を再利用することが極めて容易となる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、第1の傾斜板が、金型支持部よりも上方に設けた傾斜板であって、洗浄ブースに対して、回転支持されており、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材の動きと同期して、機械的に閉状態とし、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材の動きと同期して、機械的に開状態とすることが好ましい。
このように構成することにより、洗浄ブースにおいて、第1の傾斜板が、金型支持部材の一部に連結されたシンリンダー等を介して、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができ、ひいては、第1の傾斜板が所定の整流板となって、ブラスト材等を気流に乗って降下させるため、回収効率を高めることができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、第2の傾斜板が、金型支持部よりも下方に設けた傾斜板であって、洗浄ブースに対して、回転支持されており、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材の動きと同期して、機械的に閉状態とし、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材の動きと同期して、機械的に開状態とすることが好ましい。
このように構成することにより、洗浄ブースにおいて、第2の傾斜板が、金型支持部材に連結されたシンリンダー等を介して、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができ、ひいては、第2の傾斜板によっても、ブラスト材等を滑落させながら降下させるため、外部飛散を防止するとともに、回収効率をさらに高めることができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、フレーム部材を側面方向から眺めた場合に、下段および上段からなる階段状であって、水平軸を有する回転機構が、下段の上面に位置するように、フレーム部材に回転支持されていることを特徴とすることが好ましい。
このように構成することにより、水平軸を有する回転機構(駆動モーター等)をフレーム部材に設けた階段状の一部を利用して、配置することができ、ひいては、洗浄装置の全体構造を小型化、機械的強化することができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、パウダースラッシュ成形用金型が、当該パウダースラッシュ成形用金型を移動させるためのフレーム枠に回転支持された状態で、当該フレーム枠を介して、開口部に固定配置されることが好ましい。
このように構成することにより、パウダースラッシュ成形用金型と、そのフレーム枠とを、分離することなく、そのまま開口部に、短時間かつ精度良く固定配置することができ、制御された密封状態あるいは、それに近い低圧状態でブラスト処理を行うことができ、かつ、ブラスト処理後には、フレーム枠を介して、洗浄後のパウダースラッシュ成形用金型を迅速に脱着させることができる。
また、支持部材に設けた開口部も、パウダースラッシュ成形用金型のフレーム枠も、それぞれ概ね長方形であることから、緩衝材としての弾性部材等を介して、かつ、数個のストッパーのみであっても、これらの間の密封性について、容易に高めたり、制御したりすることができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、パウダースラッシュ成形用金型が、開口部に対して、ストッパーによって、固定配置されており、当該ストッパーの駆動用電源および/または駆動用エアー管が、中心軸の内部に、配接されていることが好ましい。
このように構成することにより、各種駆動用電源および/または駆動用エアー管をコンパクトに収容することができ、しかも、パウダースラッシュ成形用金型の脱着時や洗浄処理時に、それらが物理的な邪魔物となることがない。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、噴射装置が、ロボットアームであって、開口部と対向する、フレーム部材の背面側に、固定配置されおり、かつ、ロボットアームの下方に設けてある第3の傾斜板を左右方向に開閉可能に構成してあることが好ましい。
このように構成することにより、かかる洗浄装置を小型化することができ、しかも、第3の傾斜板を左右方向に開閉可能に構成することにより、ロボットアームの下方に、作業空間を形成することができる。
そのため、その作業空間に人が入って、各種予備的作業(ロボットの動作のテーチング作業、ブースの密封性の確認、パウダースラッシュ成形用金型の収容性の確認等)の予備的行為をすることができる。
なお、第3の傾斜板が、噴射装置側の下方に設けてあることから、後方に飛散するブラスト材料や付着物についても、効率的に回収除去することができる。
また、本発明の別の態様は、複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの内部に、金型支持部材を有する金型洗浄部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を用いて、パウダースラッシュ成形用金型の表面の付着物を除去するためのパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法であって、下記工程(a)〜(e)を順次に含むことを特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法である。
(a)パウダースラッシュ成形用金型を、金型支持部材に設けられた開口部を塞ぐように固定配置する工程
(b)パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持する工程
(c)金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを閉状態とするように動作する工程
(d)洗浄ブースの内部で、パウダースラッシュ成形用金型に対して、ブラスト材料を吹き付けて、ブラスト処理を実施することにより、パウダースラッシュ成形用金型の表面の付着物を除去する工程
(e)ブラスト材料回収部において、吹き付けられたブラスト材料および表面の残留物を、第1の傾斜板および第2の傾斜板のそれぞれの斜面に沿って滑落させ、第2の傾斜板の下方に設けられ、かつ、複数の吸引口が設けられた筒状吸入部材により、ブラスト材料を吸引回収する工程
すなわち、かかる洗浄方法によれば、第1の傾斜板および第2の傾斜板のそれぞれの働きによって、洗浄装置全体の小型化に資するとともに、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易に制御することができる。
また、第1の傾斜板および第2の傾斜板と共同して、洗浄ブースの閉状態(密封状態や低圧状態)を維持したまま、パウダースラッシュ成形用金型の鉛直方向に対する所定角度を変えながらブラスト処理することができる。
したがって、パウダースラッシュ成形用金型が大型で、複雑な形状を有する場合であっても、効率的かつ精度良くブラスト処理を施すことができ、ひいては、成形面に付着した残留物を効果的に除去することができる。
さらに、かかる洗浄装置によれば、所定のブラスト材(例えば、くるみ片等)を使用して、成形面に対してドライ状態でブラスト処理を施すことにより、当該成形面を傷付けることなく、成形面に付着した残留物を効果的に除去することができる。
図1は、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を側面方向から見て、概略的に説明するために供する側面図である。 図2は、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を平面方向から見て、概略的に説明するために供する平面図である。 図3は、第1の傾斜板の動作を概略的に説明するために供する図である。 図4は、第2の傾斜板の動作を概略的に説明するために供する図である。 ブラスト材(クルミ)の一例を説明するために供する図である。 図6(a)〜(c)は、パウダースラッシュ成形方法を説明するために供する図である(その1)。 図7(a)〜(c)は、パウダースラッシュ成形方法を説明するために供する図である(その2)。 図8は、パウダースラッシュ成形装置の一例を説明するために供する図である。 図9は、従来のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法を説明するために供する図である(その1)。 図10(a)〜(b)は、従来のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を説明するために供する図である。
以下、図面を適宜参照しつつ、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置および洗浄方法に関する実施形態を具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に例示するように、複数の傾斜板30、32、36およびフレーム部材26を含んでなる洗浄ブース(P)と、当該洗浄ブース(P)の内部に、金型支持部材24を有する金型洗浄部(A)と、ブラスト処理部(B)と、ブラスト材料回収部31と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型20の洗浄装置10である。
そして、傾斜板32、36として、金型支持部材24の動きに同期して、洗浄ブース(P)を閉状態または開状態とするように動作する、金型支持部材24の上方に設けた第1の傾斜板36、および金型支持部材24の下方に設けた第2の傾斜板32をそれぞれ有している。
また、金型支持部材24は、パウダースラッシュ成形用金型20が固定配置される開口部24´を有するとともに、パウダースラッシュ成形用金型20を、水平軸29´を中心に回転移動させ、鉛直方向に対して、所定角度に保持するための回転機構29を有している。
また、ブラスト処理部(B)は、パウダースラッシュ成形用金型20の成形面に対して、ブラスト材料28bを吹き付けるための噴射部28aを先端部に備えたロボットアーム28を有している。
その上、ブラスト材料回収部31は、吹き付けられたブラスト材料28bおよび表面の残留物(図示せず)を、第1の傾斜板36、第2の傾斜板32、さらには、第3の傾斜板30の斜面に沿って滑落させ、ブラスト材料28bおよび表面の残留物を吸引回収する筒状吸入部材31´を備えていることを特徴とするパウダースラッシュ成形用金型20の洗浄装置10である。
1.洗浄ブース
(1)基本的構成
図1や図2に示す洗浄ブース(P)は、基本的に、複数の傾斜板30、32、36、およびフレーム部材26から構成されてなる密封部屋(低圧部屋)であり、ブラスト材料や、成形面に付着した残留物の外部飛散を防止するとともに、これらの回収を促進するための構造を有している。
したがって、洗浄ブース(P)の内部に位置するブラスト処理部(B)において、たとえば、ブラスト材料を吹き付けるためのロボットアーム28を備えている。
そして、洗浄ブース(P)の一部を構成する金型洗浄部(A)における、成形用金型20の成形面に対して、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材24の動きと同期させて、上下方向にある二つのシリンダー34がそれぞれ伸縮動作をする。
したがって、二つのシリンダー34が、少なくとも第1の傾斜板36および第2の傾斜板32を機械的に閉鎖する状態に動かし、洗浄ブース(P)を閉状態あるいは低圧状態(減圧状態)とする。
一方、洗浄ブース(P)の内部で行われるブラスト処理を停止する際には、金型支持部材24の動きと同期させて、上下方向にある二つのシリンダー34が動作し、少なくとも第1の傾斜板36および第2の傾斜板32を機械的に開かせ、洗浄ブース(P)を開状態、すなわち、大気圧と同様の圧力状態とすることが好ましい。
なお、図1中、洗浄装置10の周囲および上下方向には、洗浄ブース(P)を、低圧状態(密封部屋)とするため、支持部材として、複数のフレーム部材26を備えるとともに、それに対して、複数の壁材(図示せず)が適宜取り付けてある。
(2)第1の傾斜板
また、第1の傾斜板36は、金型支持部材24よりも上方に設けた傾斜板であって、洗浄ブース(P)に対して、回転支持された状態で、開閉動作ができるように、構成されている。
そして、かかる第1の傾斜板36を、図1上、天板から斜め右下方向に伸ばした場合、水平方向(天板)に対して、狭角が約10〜45°の角度、より好ましくは25〜40°の角度をなすように配置されており、第2の傾斜板32および第3の傾斜板30とそれぞれ協同して、ブラスト材料等の外部飛散を防止するとともに、回収率を高める機能を有している。
したがって、第1の傾斜板36は、洗浄ブース(P)の圧力状態を調整し、また、図1上、右下に斜向した比較的短い傾斜板として、ブラスト材等の外部飛散を防止するとともに、余分なブラスト材等を滑落させ、それらの回収効率を高める機能を発揮することができる。
すなわち、第1の傾斜板36は、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材24の動き(回転動作等)に同期して、上方のシリンダー34によって機械的に開き、それにより、第1の傾斜板36の先端部が、金型支持部材24の一部と当接して、その間の隙間を塞ぎ、洗浄ブース(P)を閉状態(低圧状態)とすることができる。
一方、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材24の動き(回転動作等)に同期して、シリンダー34によって、第1の傾斜板36の先端部と、金型支持部材24と、の間に隙間ができるように動いて、洗浄ブース(P)を開状態とすることができる。
よって、第1の傾斜板36によれば、金型支持部材24に連結された、例えば、伸縮するシリンダー34を介して、第1の傾斜板36と、金型支持部材24との間隙を調整し、ひいては、洗浄ブース(P)の閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができる。
なお、シリンダー34は、図3に示すように、例えば、シリンダーの駆動部34a、シリンダーのジョイント部34b、およびシリンダーの制御部34cから構成されていることが好ましい。
そして、第1の傾斜板36の先端部が、金型支持部材24と当接した状態では、第1の傾斜板36が、所定の傾斜板となって、ブラスト材等を滑落させたり、あるいは、洗浄ブース(P)内に生成される所定気流に乗って降下させたりすることができ、ひいては、筒状吸入部材31´におけるブラスト材等の回収効率を高めることができる。
(3)第2の傾斜板
また、第2の傾斜板32は、金型支持部材24よりも下方に設けた傾斜板であって、これもまた、洗浄ブース(P)に対して、回転支持された状態で、開閉動作ができるように、設けられている。
そして、かかる第2の傾斜板32を、図1上、底板から斜め右上方向に伸ばした場合、水平方向(底板)に対して、狭角が、約10〜45°の角度、より好ましくは25〜40°の角度をなすように配置されており、第1の傾斜板36および第3の傾斜板30とそれぞれ協同して、ブラスト材料等の外部飛散を防止するとともに、回収率を高める機能を有している。
したがって、第2の傾斜板32は、洗浄ブース(P)の圧力状態を調整し、また、図1上、金型支持部材24を起点として、左下方に斜向した傾斜板として、ブラスト材料等を滑落させ、その回収効率を著しく高める機能を発揮できる。
すなわち、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材24の動き(回転動作等)と同期して、下方のシリンダー34が、第2の傾斜板32を閉じる方向に動き、当該第2の傾斜板32の先端部が、金型支持部材24の一部と当接し、その間の隙間を塞いで、洗浄ブース(P)を閉状態(低圧状態)とすることができる。
一方、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材24の動き(回転動作等)と同期して、下方のシリンダー34によって、第2の傾斜板32が開く方向に動き、第2の傾斜板32の先端部と、金型支持部材24との間に隙間ができて、洗浄ブース(P)を開状態、すなわち、大気圧と同等の圧力状態とすることができる。
よって、第2の傾斜板32によれば、金型支持部材24に連結された、例えば、シリンダー34を介して、第2の傾斜板32の先端部と、金型支持部材24との間隙を適宜調整し、ひいては、洗浄ブース(P)の閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができる。
そして、第2の傾斜板32の先端部が、金型支持部材24と隙間なく当接した状態では、第2の傾斜板32が、所定の傾斜板となって、落下してくるブラスト材等をスムーズに滑落させることができ、ひいては、筒状吸入部材31´におけるブラスト材等の回収効率を高めることができる。
また、洗浄ブース(P)において、少なくとも下方位置は、筒状吸入部材31´によって吸引されていることから、低圧状態(減圧状態)である。
そのため、上方から下方に向かって、所定気流が生じやすいが、かかる所定気流に乗って、ブラスト材等を、さらに効果的に第2の傾斜板32の表面を滑落するように、調整することもできる。
さらに言えば、洗浄ブース(P)の天板等に、エアー取入口(吸込口)(図示せず)を設けることによって、上方から下方に向かって、所定気流が生じさせやすく、ひいては、ブラスト材等を、さらに効果的に回収することができる。
(4)第3の傾斜板
第3の傾斜板30は、図1中に示すように、洗浄ブース(P)の背面側に設けてある、ロボットアーム28の下方を起点として、洗浄ブース(P)の下方に設けてある、ブラスト材料回収部31の一部である筒状吸入部材31´に向かって、右斜め方向に傾斜させてなる板状部材である。
そして、かかる第3の傾斜板30は、図1上、水平方向(底板)に対して、狭角が、約30〜70°の角度、より好ましくは40〜60°の角度をなすように配置されており、第1の傾斜板36および第2の傾斜板32と協同して、ブラスト材料等の外部飛散を防止したり、あるいは、回収率を高めたりする機能を有している。
また、図示しないものの、第3の傾斜板30は、少なくとも二つ割りされており、蝶番等によって普段は閉じられているものの、必要に応じて、左右に開閉することができる構成であることが好ましい。
すなわち、少なくともブラスト時には、少なくとも二つ割りされた第3の傾斜板30は、それらが蝶番等を介して、一枚板の傾斜板となるように構成されていることが好ましい。
一方、蝶番等を外して、第3の傾斜板30を二つ割りし、それぞれ左右の壁側に押し付けると、そこに作業空間が生まれる。
そのため、そこの作業空間に人が入って、各種予備的作業(ロボットアーム動作のテーチング作業、ブースの密封性の確認、パウダースラッシュ成形用金型の収容性の確認等)をすることができる。
2.金型支持部
(1)基本的構成
金型支持部材24は、基本的構成として、洗浄対象としてのパウダースラッシュ成形用金型20の固定/回転機構であるが、さらに、第1の傾斜板36、および第2の傾斜板32等と協同し、閉鎖ブースとしての洗浄ブース(P)を構成することを特徴とする。
すなわち、閉鎖された状態の洗浄ブース(P)を構成し、ブラスト処理を施した際に、ブラスト材料が外部に飛散することを有効に防止できるとともに、噴射したブラスト材料等を、サイクロン等が取り付けある吸引装置(図示せず)に連結された、筒状吸入部材31´の表面に設けた複数の吸引部31aを介して、効率よく回収することができるためである。
ここで、金型支持部材24は、洗浄する成形用金型20を、水平状に載置した後、複数の固定具(ストッパー)22aで、周囲を強固に固定させるとともに、当該成形用金型20を、水平軸を中心に回転機構29が回転移動させ、鉛直方向に対して、例えば、狭角が10〜45°の角度になるように配置され、成形用金型20の成形面を下側に向けて、保持するための構成部位である。
また、かかる金型支持部材24は、主として、成形用金型20を水平状に載置するための機構と、水平軸29´を含む回転機構29と、モーター制御装置や角度調整部材(それぞれ図示せず)と、から構成することが好ましい。
この理由は、このような構成の金型支持部材24とすることにより、大型かつ相当重量の成形用金型20であっても、パウダースラッシュ成形用金型用フレーム22に取り付けたままの状態で、容易かつ迅速に回転移動させて、作業効率を向上させることができるためである。
すなわち、金型支持部材24を、モーター制御装置や角度調整部材によって制御、保持された回転機構29により、その位置を決定して、被洗浄物としての成形用金型の固定、回転移動、およびブラスト処理を迅速に実施することができるためである。
そして、洗浄ブース(P)を側面方向から眺めた場合に、フレーム部材の一部は、下段および上段からなる階段状であって、水平軸を有する回転機構が、下段の上面に位置するように、フレーム部材に回転支持されていることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、水平軸を有する回転機構(駆動モーター等)をフレーム部材に設けた階段状の一部を利用して、配置することができ、ひいては、洗浄装置の全体構造を小型化、機械的強化することができるためである。
すなわち、図2は、図1の洗浄ブース(P)を含む洗浄装置10を、上方から眺めた概略図であるが、フレーム部材26の左側方が、下段26bおよび上段26aからなる階段状に構成してあり、水平軸29´を有する回転機構29が、さらに制御装置37等とともに、下段26bの上面に位置するように、配置されていることが理解できる。
なお、金型支持部材24の回転機構29に関して、パウダースラッシュ成形用金型用フレーム22が付いた状態の成形用金型20を無段階または段階的に回転保持できることが好ましい。
この理由は、このような構成であれば、成形用金型20の大きさや形態にかかわらず、当該成形用金型20と、ロボットアーム28との相対位置を、正しく、かつきめ細かく精度良く調整することができるためである。
また、このような構成であれば、成形用金型20の形状等に起因して、仮に一定角度であってはブラスト材料が衝突しにくい箇所があったとしても、複数角度においてブラスト材料を噴射できるので、成形用金型20の全体を、均一かつ同程度に洗浄することができるためである。
(2)固定具
固定具22aは、図1に示すように、金型支持部材24の一部であって、洗浄対象としての成形用金型20を所定位置に固定するための部材であり、当該固定具22aにより、成形用金型20を金型支持部材24の所定位置に固定した状態で、回転したり、保持したりして、ブラスト処理を実施することが好ましい。
この理由は、このような固定具を備えた金型支持部材を利用することにより、当該金型支持部材に、成形用金型を固定して回転させた場合であっても、位置ずれすることなく、成形用金型に対して、精度良くブラスト処理を実施することができるためである。
ここで、固定具の形状は特に制限されるものではないが、簡易的な固定が可能なL字状枠や爪状部、あるいは、エアー駆動または電気駆動のストッパー等から構成することが好ましい。
2.ブラスト処理部
(1)基本的構成
ブラスト処理部(B)は、図1に示すように、主として、ロボットアーム28から構成されており、その先端部に、6軸方向に動作して、3次元方向に移動可能な噴射部28aが設けてある。
そして、ブラスト処理部(B)は、金型支持部材24上に固定された成形用金型20に対して、所定のブラスト材料28bを吹き付けることにより、成形面に付着した残留物を除去するための構成部位である。
ここで、ブラスト処理部(B)は、例えば、ロボットアーム28にエアーおよびブラスト材料を送り込むための移送部(図示せず)と、成形用金型に対してブラスト材料を吹き付けるための噴射部28aと、かかる噴射部28aの位置制御手段と、を含んでいることが好ましい。
さらに、ブラスト処理部(B)は、予め、成形用金型20の形状(段差等を含む)を認識するためのテーチング機能を有しており、成形用金型20の成形面(スラッシュ表皮の成形面)と、ロボットアーム28と間の距離を一定に保持しつつ、ブラスト処理することができる。
その上、成形用金型20の成形面において、残留物が付着しやすい場所を予め認識し、そこを重点的にブラスト処理するように、ロボットアーム28の動作をテーチングすることも好ましい。
(2)移送部
移送部(図示せず)は、通常、管構造であって、コンプレッサー等によって発生させる圧縮エアーと、後に説明するサイクロンから移送されてきたブラスト材料と、を均一に混合して、噴射装置の噴射部28aへ送るための構成部位である。
したがって、ブラスト材料の量および流量を調整するための弁や、エアーの圧力を制御するための圧力計を備えていることが好ましい。
(3)噴射装置
噴射装置(ロボットアーム)28は、移送部を経て送られてきたブラスト材料およびエアーを、噴射部28aとしての先端ノズルを介して、成形用金型20の成形面に対して吹き付けるための装置である。
また、かかる先端ノズルの種類は特に制限されるものではないが、例えば、直圧式、サクション式等のいずれであっても良い。
ただし、噴射時の威力がより強く、ブラスト材料を高速で吹き付けることができることから、直圧式の噴射ノズルであることが好ましい。
また、噴射装置の配置、すなわち、噴射ノズルの配置や数は、洗浄する成形用金型の大きさ、形状等を考慮しつつ、さらには作業効率等を考慮して決定することが好ましい。
(4)ブラスト材料
(4)−1 モース硬度
ブラスト処理に使用するブラスト材料は、モース硬度が2.0〜6.0の範囲内の値である樹脂成分が好ましい。
この理由は、このような硬度を有する樹脂成分(クルミの殻等の天然樹脂成分も含む。)をブラスト材料として使用することにより、成形用金型の残留物を効果的に除去することができるとともに、成形用金型自体を傷付けることがないためである。
また、ブラスト材料は、所定のモース硬度を有する樹脂成分であれば、特に制限されるものではないが、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、天然樹脂(クルミ粉やクルミ殻粉も含む。)等であることが好ましい。
中でも、安価であって、かつ、パウダースラッシュ金型を加熱する際に、残留していたとしてもアウトガス等の問題が少ないことから、図5に示すように、クルミ粉やクルミ殻粉を使用することが好ましい。
ただし、研磨能力を調整するために、所定のモース硬度を有する樹脂成分とともに、亜鉛、銅、ステンレス、アルミナ、ガラス、カーボン、炭化珪素、窒化珪素等からなる研磨粒子を、配合添加することも好ましい。
その場合、かかる研磨粒子の配合量を、全体量に対して、1〜50質量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる研磨粒子の配合量が1質量部未満の値になると、添加効果が発現しない場合があるためであり、かかる研磨粒子の配合量50質量部を超えると、成形用金型を損傷する機会が著しく増加する場合があるためである。
したがって、研磨粒子の配合量を、全体量に対して、3〜30質量部の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20質量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ブラスト材料以外の構成材料を添加する場合、その球相当の平均粒径(D2)を、後述するブラスト材料の平均粒径(D1)よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、かかるブラスト材料以外の構成材料の平均粒径(D2)が、ブラスト材料の平均粒径(D1)と同等以上になると、衝突機会の関係で、成形用金型を損傷する機会が著しく増加する場合があるためである。
したがって、ブラスト材料の平均粒径をD1とし、ブラスト材料以外の構成材料の平均粒径をD2とした場合に、D2/D1で表される比率を0.001〜0.9の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.1の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)−2 形状
また、ブラスト材料の形状に関して、少なくとも一つのエッジ部を有する多角形状であることが好ましい。
この理由は、このような形状のブラスト材料を使用することにより、金型表面に付着した残留物に対して研削効果が働き、形状が球体である場合と比較して、効率よく残留物を除去することができるためである。また、このような形状のブラスト材料であれば、エアー流とともに噴出した際に、噴射装置の目づまりが生じることも少なくなるためである。
したがって、ブラスト材料の形状は、具体的に、6面体〜20面体、あるいはそれ以上の多面体や、さらにはこれら多面体の粉砕物からなる形状であることが好ましい。
(4)−3 平均粒径
また、ブラスト材料の平均粒径を150〜2,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるブラスト材料の平均粒径が150μm未満の値となると、金型表面に付着した残留物を除去することが困難となる場合があるためである。
一方、ブラスト材料の粒径が2,000μmを超えると、成形用金型の細部に入り込んだ残留物を除去することが困難となる場合があるためである。
したがって、吹き付けるブラスト材料の平均粒径を180〜1,900μmの範囲内の値とすることがより好ましく、200〜1,700μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、成形用金型の形状や大きさ等にかかわらず、さらに効果的に残留物を除去できるとともに、成形用金型への損傷が少ないことから、粒径が200〜500μmの範囲内の値である比較的粒径の小さいブラスト材料と、粒径が1,000〜1,500μmの範囲内の値である比較的粒径の大きいブラスト材料とを、例えば、10:90〜90:10の質量比の範囲で、適宜混合して使用することが好ましい。
(4)−4 比重
また、ブラスト材料の比重を1.1〜1.7の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ブラスト材料の比重が1.1未満の値となると、ブラスト材料が成形用金型に衝突する際の衝突エネルギーが過度に小さくなって、金型表面に付着した残留物を効果的に除去できない場合があるためである。
一方、ブラスト材料の比重が1.7を越えると、ブラスト材料が成形用金型に衝突した際に、ブラスト材料が破壊されやすくなり、再利用することが困難になる場合があるためである。
したがって、ブラスト材料の比重を1.2〜1.6の範囲内の値とすることがより好ましく、1.25〜1.5の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ブラスト材料の比重を所定範囲内の値に調整するにあたり、樹脂成分以外に、ガラス、金属、セラミック材料等を適宜混合することが好ましい。
(5)位置制御手段
また、噴射装置の成形用金型に対する位置を制御する手段として、成形用金型に対して適切にブラスト材料を吹き付けるために、少なくとも噴射装置の相対位置を変更可能なように駆動装置を備えることが好ましい。
すなわち、ブラスト処理部は、噴射部28aから所定のブラスト材料を噴射した状態であっても、自由に三次元移動できるように、例えば、図1および図2に示すような、ロボットアーム28を備えることが好ましい。
この理由は、このようなロボットアーム28を備えることにより、洗浄対象としての成形用金型の大きさや形状等に対して、例えば、6軸駆動することができ、ひいては、いずれの箇所に対しても、的確かつ迅速なブラスト処理が可能となるためである。
また、かかるロボットアームにおいて、アーム長さや位置を適宜制御して、上下方向の位置および成形用金型の被洗浄面である成形面との間の距離を、常に所定範囲内に定めることが好ましい。
この理由は、このような位置関係を保持するように制御することにより、常に均一なブラスト処理条件を達成することができるためである。
また、図1に示すように、噴射装置が、例えば、ロボットアーム28であって、開口部や、そこに固定配置される成形用金型の成形面と対向するように、フレーム部材26の背面側に、固定配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、かかる洗浄装置を小型化することができ、しかも、ロボットアームの下方に、作業空間を形成することができる。
そのため、作業空間に人が入って、各種予備的作業(ロボットのテーチング作業、ブースの密封性の確認、パウダースラッシュ成形用金型の収容性の確認等)の予備的行為をすることができる。
(5)−2 位置制御装置
また、噴射装置の位置制御手段として、ロボットアーム等の駆動装置を使用する場合には、その位置制御装置として、ロボットアームの位置制御システムや洗浄する成形用金型の被洗浄面である成形面の形状記憶装置等を含むことが好ましい。
この理由は、このような位置制御装置を備えることにより、被洗浄物である成形用金型の存在場所を正確に認識し、さらには、成形用金型の形状や大きさ等にかかわらず、ブラスト処理部において、均一かつ迅速なブラスト処理が可能となるためである。
したがって、被洗浄物である成形用金型の位置や形状等を一旦認識した後は、その認識した情報に基づいて、すばやくブラスト処理を実施することができる。
3.ブラスト材料回収部
成形用金型20の洗浄装置10は、成形用金型20に対して吹き付けたブラスト材料28bおよび除去された残留物を回収するとともに、所定の粒径のブラスト材料のみを分離回収して、再びブラスト処理部(B)へと移送する部位である、ブラスト材料回収部31をさらに備えることが好ましい。
すなわち、図1、または図4の吹き出し図(点線)に示すように、成形用金型に対して吹きつけられたブラスト材料28bおよび除去された残留物を、複数の吸引口等からなる吸引部31aを介して、吸引回収する筒状吸入部材31´を有していることが好ましい。
そして、かかる筒状吸入部材31´は、第2の傾斜板32の動作と同期し、シリンダー34によって、点線LLの想定線を挟んで、角度θ2(例えば、60〜90°)の範囲で回転移動することが好ましい。
すなわち、複数の吸引部31aが、例えば、鉛直方向を向くように回転移動し、上向きの複数の吸引部31a´となることが好ましい。
そうすると、筒状吸入部材31´における、複数の吸引部31a´の開口位置の関係で、滑落してくるブラスト材料28bや除去された残留物を、さらに有効に吸引して、回収することができる。
なお、複数の吸引部31aの開口形状は、特に制限されるものでなく、円形、楕円形、長方形、長孔、長溝等の単独または二つ以上の組み合わせであってもよい。
その上、複数の吸引部31aは、一列に直線状または千鳥状に配置されていてもよく、あるいは、二列以上の複数列から構成されていても良い。
その上、図示しないものの、筒状吸入部材31´の一部または端部に、所定値以上の粒径を有するブラスト材料のみを分離回収するサイクロンと、収容したブラスト材料をブラスト処理部へ圧送するための圧送部と、をさらに有することが好ましい。
すなわち、このようなブラスト材料回収部31を備えることにより、一度ブラスト処理に使用したブラスト材料であっても、残留物を除去した後、所定値以上の粒径を有するブラスト材料のみを回収して、再利用することができる。
一方、成形用金型に衝突、粉砕して、所定値未満の粒径となったブラスト材料は、金型表面から除去された残留物とともにダストボックスに回収され、パウダースラッシュ成形用金型の洗浄効率を著しく高めることができる。
なお、筒状吸入部材31´を中心として、少なくとも第2の傾斜板32と、第3の傾斜板30が、V字状のテーパ構造を形成することにより、筒状吸入部材31´が、ブラスト材料等について、さらに集中的に回収することができる。
(3)サイクロン
サイクロン(図示せず)は、回収したブラスト材料および残留物等を、風力を利用して、所定値以上の粒径を有するブラスト材料のみを、選択的に分離回収できる構成部品である。
すなわち、所定値未満の粒径となったブラスト材料および残留物は、その重量が軽いために、風力によりサイクロンの上方部から、ダストボックスへと回収される。
一方、所定値以上の粒径を有する樹脂であれば、その重量によって、風力の影響を受けずに落下して、分離回収される。そして、分離回収された所定値以上の粒径を有するブラスト材料は、圧送部を介して、ブラスト処理部に移送され、再びブラスト処理に利用されることになる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、複数の傾斜板30、32、36およびフレーム部材26を含む洗浄ブース(P)と、当該洗浄ブース(P)の内部に、金型支持部材24を有する金型洗浄部(A)と、ブラスト処理部(B)と、ブラスト材料回収部31と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型20の洗浄装置10を用いて、当該パウダースラッシュ成形用金型20の成形面の付着物を除去するための、パウダースラッシュ成形用金型20の洗浄方法であって、下記工程(a)〜(e)を順次に含むことを特徴とするパウダースラッシュ成形用金型20の洗浄方法である。
(a)パウダースラッシュ成形用金型20を、金型支持部材24に設けられた開口部を塞ぐように固定配置する工程
(b)パウダースラッシュ成形用金型20を、水平軸29´を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持する工程
(c)金型支持部材24の上方に設けた第1の傾斜板36、および金型支持部材24の下方に設けた第2の傾斜板32をそれぞれ有しており、金型支持部材24の動きと同期して、洗浄ブース(P)の内部を閉状態とするように動作する工程
(d)洗浄ブース(P)の内部で、パウダースラッシュ成形用金型20に対して、ブラスト材料28bを吹き付けて、筒状吸入部材31´によって吸引しながら、ブラスト処理を実施することにより、パウダースラッシュ成形用金型20の成形面の付着物を除去する工程
(e)ブラスト材料回収部31において、吹き付けられたブラスト材料および成形面の残留物を、第1の傾斜板36および第2の傾斜板32の斜面に沿って滑落させ、ブラスト材料および成形面の残留物を第1の傾斜板36および第2の傾斜板32の斜面に沿って滑落させ、第2の傾斜板32の下方に設けられた筒状吸入部材31´により、ブラスト材料および成形面の残留物を吸引回収する工程
なお、第2実施形態において説明するパウダースラッシュ成形用金型20の洗浄方法に使用する洗浄装置10は、第1実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.準備工程
工程(a)を、金型洗浄部(A)において実施するに先立ち、洗浄する成形用金型として、車両用内装部材等の立体成形品をパウダースラッシュ成形する際に使用した金型を準備することが好ましい。
例えば、Ni電鋳型であって、TPUやTPOからなる樹脂パウダー、あるいは塩化ビニルパウダーを主原料として、パウダースラッシュ成形して、立体成形品を成形する際に使用した成形用金型であることが好ましい。
この理由は、Ni電鋳型であれば、加熱性、冷却性、耐久性および剥離性等に比較的優れているためである。また、所定の樹脂パウダーを使用することにより、装飾性や加工性、あるいは耐熱性や環境特性が向上した立体成形品を得られる一方、従来のアルカリ洗浄では、金型表面に付着した残留物を効果的に除去することができないためである。すなわち、本発明のブラスト処理を実施することにより、従来のアルカリ洗浄で除去できない残留物を、効率的に除去することができるためである。
3.工程(a)
工程(a)は、図2に示されるように、金型洗浄部(A)において、洗浄するパウダースラッシュ成形用金型20を、実質的に水平な状態に保持された金型支持部材24上に固定する工程である。
すなわち、パウダースラッシュ成形用金型20を、水平な状態に保持するとともに、矩形状であって、開口部を備えた筐体からなる金型支持部材24上に、成形用金型20の成形面を下方に向けて載置する。
次いで、パウダースラッシュ成形用金型20を移動するために、一体的に設けられたフレーム部材のフランジを利用して、フック等の固定具22aにより、筐体の開口部に固定する。
したがって、通常、成形用金型20は、横幅が1〜2m程度の大型金型であって、かつ1トン程度の重量物であるため、金型支持部材24を水平な状態に保持し、所定の運搬手段を用いて、スライドさせることにより、正確な位置に容易かつ迅速に載置できるためである。
また、筐体の開口部に固定することにより、成形用金型20の移動が容易になるばかりか、その後のブラスト処理等の作業効率が著しく向上する。
4.工程(b)
工程(b)は、図1に示すように、金型洗浄部(A)において、金型支持部材24上に固定した成形用金型20を、金型支持部材24の横方向に沿って設けてある水平軸を有する回転機構29が、当該水平軸を中心に回転させて、所定の角度に保持する工程である。
図1の例では、金型支持部材24を、鉛直方向に対して、約45°回転させた状態で、パウダースラッシュ成形用金型20を保持してある。すなわち、パウダースラッシュ成形用金型20の底面を想定した場合、当該底面と、鉛直方向とがなす角度(以下、保持角度と称する場合がある。)を約45°としてある。
ここで、成形用金型の保持角度は、ブラスト処理を施すにあたって、効率よく作業できる角度であれば、特に制限されるものではないが、鉛直方向に対して、例えば、10〜80°、より好ましくは20〜60°、さらに好ましくは30〜50°になるように保持することが好ましい。
この理由は、成形用金型の保持角度を所定範囲内の値とし、鉛直方向に対して、成形用金型を傾斜させて保持することにより、汚染された成形用金型の成形面に対して、ブラスト材料を効率よく吹き付けることができるとともに、吹き付けられたブラスト材料および除去された残留物が自然落下して、効率よく回収できるためである。
また、成形用金型の清掃程度や清掃位置に応じて、成形用金型を保持する角度を、少なくとも二段階で変更することも好ましいし、さらには、所定角度内において、成形用金型を連続的に往復回転(部分回転)させることも好ましい。
5.工程(c)
工程(c)は、金型支持部材24の上方に設けた第1の傾斜板36が、当該金型支持部材24の動きと同期して、洗浄ブース(P)を閉状態とするように動作させる工程である
すなわち、図3に示すように、金型支持部材24よりも上方に設けた第1の傾斜板36であって、洗浄ブース(P)に対して、回転支持されており、ブラスト処理部において、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材24の動きと同期して、シリンダー34が伸びる方向の動作をさせる。よって、上方に設けた傾斜板36が回転上昇し(図3中、θ1)、第1の傾斜板36の端部を金型支持部材24に圧接させて、機械的に閉じた状態とする。
そして、ブラスト処理部において、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材24の動きと同期させて、それより上方に設けてあるシリンダー34に縮む方向の動作をさせ、第1の傾斜板36が機械的に回転下降し(図3中、θ1)、その先端部と、金型支持部材24との間を非接触状態として、洗浄ブース(P)を開状態とする構成である。
また、同じく工程(c)において、図4に示すように、金型支持部材24の下方に設けた第2の傾斜板32が、金型支持部材24の動きと同期して、洗浄ブース(P)を閉状態とするように動作する。
すなわち、第2の傾斜板32は、金型支持部材24よりも下方に設けられた傾斜板であって、洗浄ブース(P)に対して、回転支持されており、ブラスト処理部において、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材の動きと同期して、下方のシリンダー34が伸縮動作し、下方に設けた第2の傾斜板32を機械的に所定位置までもち上げる。
したがって、第2の傾斜板32の先端部と、金型支持部材24との間を圧接させて、機械的に閉じた状態とする。
よって、図4中、θ2の角度分、第2の傾斜板32は、回転移動し、右斜め方向に傾斜することになる。
そして、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材24の動きと同期して、下方のシリンダー34が伸縮動作をし、下方に設けた傾斜板32が機械的に下降し、第2の傾斜板32の先端部と、金型支持部材24との間を非接触状態として、洗浄ブース(P)を開状態とする構成である。
よって、図4中、θ2の角度分、第2の傾斜板32は、逆方向に回転移動し、点線で表されるように、水平状態の第2の傾斜板32となる。
6.工程(d)
工程(d)は、洗浄ブース(P)の内部のブラスト処理部(B)において、パウダースラッシュ成形用金型20に対して、ブラスト材料を吹き付けて、パウダースラッシュ成形用金型の表面の付着物を除去する工程である。
すなわち、ブラスト処理として、所定角度に保持された成形用金型20の成形面に対して、所定のモース硬さのブラスト材料28bを、噴射装置(ロボットアーム)28の噴射部28aを用いて吹き付けて、成形用金型20の成形面に付着した残留物を除去する工程である。
このように実施することにより、大型かつ重量物の成形用金型であっても、作業が容易になるような角度に成形用金型を保持して、作業効率を著しく高めることができるとともに、ブラスト材料の衝突エネルギーおよびブラスト材料の研削効果を有効利用して、効果的に残留物を除去することができる。
また、ブラスト材料を吹き付ける際のエアー風量を、100〜10,000リットル/分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるエアー風量が100リットル/分未満の値となると、ブラスト材料が成形用金型に衝突した際の衝突エネルギーが小さく、金型表面に付着した残留物を効果的に除去できない場合があるためである。
一方、かかるエアー風量が10,000リットル/分を超えると、ブラスト材料が成形用金型に衝突した際に、金型表面を過度に研磨したり、ブラスト材料が破壊されやすくなって、再利用できなくなったりする場合があるためである。
したがって、ブラスト材料を吹き付ける際のエアー風量を300〜5,000リットル/分の範囲内の値とすることがより好ましく、500〜3,000リットル/分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
7.工程(e)
工程(e)は、ブラスト材料回収部において、吹き付けられたブラスト材料および表面の残留物を、第1の傾斜板36および第2の傾斜板32の斜面、さらには、第3の傾斜板30に沿って滑落させ、第2の傾斜板32と、第3の傾斜板との下方に設けられた間隙にある筒状吸入部材31´により、ブラスト材料等を吸引回収する工程である。
そして、第1の傾斜板36、第2の傾斜板32、および、第3の傾斜板30、さらには、壁面(図示せず。)等によって、洗浄ブース(P)が閉状態であり、かつ、筒状吸入部材31´の吸引動作によって、洗浄ブース(P)が、外部よりも、低圧状態および減圧状態となるため、洗浄ブース(P)の外部に対して、ブラスト材料や、除去された残留物が外部に飛散することを防止できる。
なお、ブラスト材料を吹き付ける際のエアー風量(100〜10,000リットル/分)をほぼ吸収できる程度の吸引力があれば、ブラスト材料や、除去された残留物を効果的に回収することができる。
8.その他
なお、ブラスト終了後には、付着した残留物を除去した後の成形用金型20を、再び実質的に水平な状態に戻した後、金型支持部材24から取り出すことが好ましい。
すなわち、成形用金型を実質的に水平な状態に戻すことにより、大型かつ重量物の成形用金型であっても、容易かつ迅速に取り出すことができ、作業効率を著しく高めることができるためである。
また、金型表面の残留物を除去する前工程あるいは後工程として、成形用金型の成形面の立体模様(しぼ模様)の深さを測定するための検査工程を設けることが好ましい。
このような検査工程を設けることにより、残留物を除去する前であれば、洗浄が必要な成形用金型のみを選択して、ブラスト処理を実施できるためである。また、残留物を除去した後であれば、洗浄効果を確認するとともに、未だ残留物が検知された場合には、再度ブラスト処理をすることができるためである。
また、かかる検査工程を、図6(a)〜(c)および図7(a)〜(c)に示すような一連のパウダースラッシュ成形工程中に、金型交換工程を設けるとともに、当該金型交換工程と同時に実施することが好ましい。
すなわち、例えば、図8に示すような、パウダースラッシュ部(A部)と、複数の金型加熱部(B部)と、複数の金型冷却部(C部)と、金型交換部(D部)、および脱型部(E部)を含むパウダースラッシュ成形機の金型交換部(D部)において、成形用金型の成形面のしぼ模様の深さを検査することが好ましい。
この理由は、パウダースラッシュ成形の一工程として、成形用金型の成形面に形成されたしぼ模様の深さを検査することにより、かかるしぼ模様の深さが所定値以上である場合には、当該成形用金型をパウダースラッシュ成形における次工程に移すことができるためである。一方、かかるしぼ模様の深さが所定値未満であって、成形用金型の洗浄が必要な場合には、迅速に金型を洗浄することが可能となるためである。
したがって、パウダースラッシュ成形によって得られる立体成形品の装飾性が低下することを防止することができ、装飾性に優れた立体成形品の歩留まりを著しく向上させることができるためである。
なお、しぼ模様の深さは、例えば、レーザ方式や赤外線方式の測定装置を用いて測定することができる。
以下に、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。ただし、言うまでもなく、本発明の範囲は、実施例の記載に制限されるものではない。
[実施例1]
Ni電鋳金属からなる、深さ0.1mmのしぼ模様用微細加工が施されたパウダースラッシュ成形用金型(300mm×450mm×1.0mm)を使用し、熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)を主原料として所定形状の立体成形品(インパネ部材)をパウダースラッシュ成形した。このパウダースラッシュ成形を50回繰り返し使用した後、金型表面に形成されたしぼ模様の深さを、レーザ方式の測定装置として、レーザ変位計LC(キーエンス社製)を用いて測定したところ、立体成形品におけるしぼ模様の深さは0.03mmであった。
次いで、この成形用金型を、洗浄装置に装着して、図5に示すような、エッジ部を有する多角形状であるクルミ粉(モース硬度:3.0、平均粒径:1200μm、真比重:1.3、嵩比重:0.6)を主成分とするブラスト材料を、エアー流量500リットル/分の条件で吹き付けて、ブラスト処理を施した。次いで、ブラスト処理後の成形用金型を、実施例1のパウダースラッシュ成形用金型として、以下の評価に供した。
(1)洗浄性
ブラスト処理を施したパウダースラッシュ成形用金型を、光学顕微鏡を使用して金型表面に付着した残留物を観察し、以下の基準に従って、成形用金型の洗浄性を評価した。
◎:残留物が全く確認されない。
○:残留物が多少確認される。
△:残留物がかなり確認される。
×:残留物が全く除去されていない。
(2)立体成形品の装飾性
ブラスト処理を施したパウダースラッシュ成形用金型を使用し、熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)を主原料として、所定形状の立体成形品をパウダースラッシュ成形した。次いで、前述のレーザ方式の測定装置を用いて、かかる立体成形品におけるしぼ模様の深さを10箇所において測定し、平均値を算出した。
◎:しぼ模様の深さの平均値が0.20mm以上である。
○:しぼ模様の深さの平均値が0.15mm以上である。
△:しぼ模様の深さの平均値が0.10mm以上である。
×:しぼ模様の深さの平均値が0.10mm未満である。
(3)金型損傷性
ブラスト処理を施したパウダースラッシュ成形用金型を、再びパウダースラッシュ成形において50回使用するとともに、ブラスト処理を施した。これを10回繰り返した後、成形用金型の成形面(被洗浄面)を、光学顕微鏡を使用して観察し、以下の基準に従って、ブラスト処理による金型損傷性(非損傷性)を評価した。
◎:金型の成形面は全く損傷していない。
○:金型の成形面が若干損傷している。
△:金型の成形面がかなり損傷している。
×:金型の成形が損傷して使用できない。
(4)環境特性
パウダースラッシュ成形用金型にブラスト処理を施し、廃液処理の容易さから以下の基準にしたがって、洗浄液(ブラスト材料を含む)の環境特性を評価した。
◎:廃液処理が全く不要である。
○:廃液処理は必要であるが、簡易な物理処理で済む。
△:廃液処理は必要であり、物理処理以外に簡易な化学処理を要する。
×:廃液処理は必要であり、物理処理以外に複雑な化学処理を要する。
(5)乾燥工程
パウダースラッシュ成形用金型にブラスト処理を施し、以下の基準にしたがって、乾燥工程の必要性の評価をした。
◎:乾燥工程が全く不要である。
○:乾燥工程は必要であるが、1時間以下の処理時間で済む。
△:乾燥工程は必要であり、5時間以下の処理時間を要する。
×:乾燥工程は必要であり、5時間を越える処理時間を要する。
[実施例2]
実施例2においては、実施例1におけるブラスト材料のかわりに、平均粒径がそれぞれ300μmおよび1,200μmであるクルミ粉の混合ブラスト材料(混合重量比:50/50)を用いたほかは実施例1と同様に、成形用金型に対してブラスト処理を施した後、評価を実施した。
[実施例3]
実施例3においては、実施例1におけるブラスト材料のかわりに、平均粒径が900μmであるクルミ粉からなるブラスト材料(モース硬度:2.8、平均粒径:真比重:1.2、嵩比重:0.5、多角形状)を用いたほかは、実施例1と同様に、成形用金型に対してブラスト処理を施した後、評価を実施した。
[実施例4]
実施例4においては、ブラスト材料として、実施例1のクルミ粉のかわりに、メラミン系樹脂製ブラスト材料(モース硬度:4.5、平均粒径:1200μm、比重:1.5、多角形状)を用いた他は、実施例1と同様に、成形用金型に対してブラスト処理を施した後、評価を実施した。
[比較例1]
比較例1においては、実施例1におけるブラスト装置のかわりに、図10(b)に示す従来の手吹き型のブラスト装置を用いるとともに、モース硬度が12.0で、平均粒径が10μmである球状のアルミナ粒子を、水とともに成形用金型に対して吹き付けて、液体ホーニングを施した後、評価を実施した。
[比較例2]
比較例1においては、実施例1におけるブラスト装置のかわりに、液体ホーニングのみを施した後、評価を実施した。
本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置によれば、金型支持部材の動きと同期して動作する第1の傾斜板および第2の傾斜板を設けるとともに、事実上、静止状態の第3の傾斜板の斜向性を理由として、密封性の高いブース内において、ブラスト材料によって、成形面に付着した残留物を、容易かつ迅速、さらには、成形用金型を損傷させることなく除去することができるようになった。
しかも、所定ブラスト材料の回収が容易なパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置およびパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法を提供することができるようになった。
10:洗浄装置
10´:洗浄装置
20:パウダースラッシュ成形用金型
22:パウダースラッシュ成形用金型用フレーム
22a:固定具
24:金型支持部材
26:フレーム部材
28:噴射装置(ロボットアーム)
28a:噴射部
28b:ブラスト材料
29:水平軸を有する回転機構
30:第3の傾斜板
31:ブラスト材料回収部
31´:筒状吸入部材
31a、31a´:吸引孔
32:第2の傾斜板
34:シリンダー
34a:シリンダーの駆動部
34b:シリンダーのジョイント部
34c:シリンダーの制御部
36:第1の傾斜板
本発明によれば、複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの一部を構成する金型支持部材と、当該洗浄ブースの内部に、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置であって、
傾斜板は、金型支持部材の動きに同期して、洗浄ブースを閉状態または開状態とするように動作する、金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、
金型支持部材は、パウダースラッシュ成形用金型が固定配置される開口部を有するとともに、パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持するための支持部材を備えており、
ブラスト処理部は、パウダースラッシュ成形用金型の成形面に対して、ブラスト材料を吹き付けるための噴射装置を備えており、かつ、
ブラスト材料回収部は、吹き付けられたブラスト材料および表面の残留物を、第1の傾斜板および第2の傾斜板の斜面に沿って滑落させ、ブラスト材料および表面の残留物を吸引回収するための筒状吸入部材を備えていること、
を特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、第1の傾斜板が、金型支持部材よりも上方に設けた傾斜板であって、洗浄ブースに対して、回転支持されており、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを機械的に閉状態とするように動作し、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを機械的に開状態とするように動作することが好ましい。
このように構成することにより、洗浄ブースにおいて、第1の傾斜板が、金型支持部材の一部に連結されたシンリンダー等を介して、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができ、ひいては、第1の傾斜板が所定の整流板となって、ブラスト材等を気流に乗って降下させるため、回収効率を高めることができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、第2の傾斜板が、金型支持部材よりも下方に設けた傾斜板であって、洗浄ブースに対して、回転支持されており、ブラスト処理を行う際には、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを機械的に閉状態とするように動作し、ブラスト処理を停止する際には、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを機械的に開状態とするように動作することが好ましい。
このように構成することにより、洗浄ブースにおいて、第2の傾斜板が、金型支持部材に連結されたシンリンダー等を介して、洗浄ブースの閉状態および開状態を容易かつ簡易に機械的制御することができ、ひいては、第2の傾斜板によっても、ブラスト材等を滑落させながら降下させるため、外部飛散を防止するとともに、回収効率をさらに高めることができる。
また、本発明のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を構成するにあたり、噴射装置が、ロボットアームであって、開口部と対向する、フレーム部材の背面側に、固定配置されおり、かつ、ロボットアームの下方に設けてある第3の傾斜板が筒状吸入部材に向かって傾斜させてあり、第3の傾斜板が、二つ割りされて左右方向に開閉可能に構成してあることが好ましい。
このように構成することにより、かかる洗浄装置を小型化することができ、しかも、第3の傾斜板を左右方向に開閉可能に構成することにより、ロボットアームの下方に、作業空間を形成することができる。
そのため、その作業空間に人が入って、各種予備的作業(ロボットの動作のテーチング作業、ブースの密封性の確認、パウダースラッシュ成形用金型の収容性の確認等)の予備的行為をすることができる。
なお、第3の傾斜板が、噴射装置側の下方に設けてあることから、後方に飛散するブラスト材料や付着物についても、効率的に回収除去することができる。
また、本発明の別の態様は、複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの一部を構成する金型支持部材と、当該洗浄ブースの内部に、金型支持部材を有する金型洗浄部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を用いて、パウダースラッシュ成形用金型の表面の付着物を除去するためのパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法であって、下記工程(a)〜(e)を順次に含むことを特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法である。
(a)パウダースラッシュ成形用金型を、金型支持部材に設けられた開口部を塞ぐように固定配置する工程
(b)パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持する工程
(c)金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、金型支持部材の動きと同期して、洗浄ブースを閉状態とするように動作する工程
(d)洗浄ブースの内部で、パウダースラッシュ成形用金型に対して、ブラスト材料を吹き付けて、ブラスト処理を実施することにより、パウダースラッシュ成形用金型の表面の付着物を除去する工程
(e)ブラスト材料回収部において、吹き付けられたブラスト材料および表面の残留物を、第1の傾斜板および第2の傾斜板のそれぞれの斜面に沿って滑落させ、第2の傾斜板の下方に設けられ、かつ、複数の吸引口が設けられた筒状吸入部材により、ブラスト材料を吸引回収する工程

Claims (8)

  1. 複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、
    当該洗浄ブースの内部に、金型支持部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置であって、
    前記傾斜板は、前記金型支持部材の動きと同期して、前記洗浄ブースを閉状態または開状態とするように動作する、前記金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および前記金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、
    前記金型支持部は、前記パウダースラッシュ成形用金型が固定配置される開口部を有するとともに、前記パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転移動させ、鉛直方向に対して、所定角度に保持するための回転機構を有する支持部材を備えており、
    前記ブラスト処理部は、前記パウダースラッシュ成形用金型の成形面に対して、ブラスト材料を吹き付けるための噴射装置を備えており、
    かつ、
    前記ブラスト材料回収部は、吹き付けられた前記ブラスト材料を、前記第1の傾斜板および前記第2の傾斜板の斜面に沿って滑落させ、前記ブラスト材料を吸引回収するための筒状吸入部材を備えていること、
    を特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  2. 前記第1の傾斜板が、前記金型支持部よりも上方に設けた傾斜板であって、前記洗浄ブースに対して、回転支持されており、
    前記ブラスト処理部において、ブラスト処理を行う際には、前記金型支持部材の動きと同期して、機械的に閉状態とし、ブラスト処理を停止する際には、前記金型支持部材の動きと同期して、機械的に開状態とすることを特徴とする請求項1に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  3. 前記第2の傾斜板が、前記金型支持部よりも下方に設けた傾斜板であって、前記洗浄ブースに対して、回転支持されており、
    前記ブラスト処理部において、ブラスト処理を行う際には、前記金型支持部材の動きと同期して、機械的に閉状態とし、ブラスト処理を停止する際には、前記金型支持部材の動きと同期して、機械的に開状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  4. 前記フレーム部材を側面方向から眺めた場合に、下段および上段からなる階段状であって、前記下段の上面位置において、前記水平軸が、前記フレーム部材に回転支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  5. 前記パウダースラッシュ成形用金型が、当該パウダースラッシュ成形用金型を移動させるためのフレーム枠に回転支持された状態で、当該フレーム枠を介して、前記開口部に固定配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  6. 前記パウダースラッシュ成形用金型が、前記開口部に対して、ストッパーによって、固定配置されており、当該ストッパーの駆動用電源および/または駆動用エアー管が、前記中心軸の内部に、配接されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  7. 前記噴射装置が、ロボットアームであって、前記開口部と対向する、前記フレーム部材の背面側に、固定配置されており、かつ、ロボットアームの下方に設けてある第3の傾斜板を左右方向に開閉可能に構成してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置。
  8. 複数の傾斜板およびフレーム部材を含んでなる洗浄ブースと、当該洗浄ブースの内部に、金型支持部材を有する金型洗浄部と、ブラスト処理部と、ブラスト材料回収部と、を備えたパウダースラッシュ成形用金型の洗浄装置を用いて、前記パウダースラッシュ成形用金型の成形面の付着物を除去するためのパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法であって、
    下記工程(a)〜(e)を順次に含むことを特徴とするパウダースラッシュ成形用金型の洗浄方法。
    (a)前記パウダースラッシュ成形用金型を、前記金型支持部材に設けられた開口部を塞ぐように固定配置する工程
    (b)前記パウダースラッシュ成形用金型を、水平軸を中心に回転させて、鉛直方向に対して、所定角度をなすように保持する工程
    (c)前記金型支持部材の上方に設けた第1の傾斜板、および前記金型支持部材の下方に設けた第2の傾斜板をそれぞれ有しており、当該第1の傾斜板および第2の傾斜板を、前記金型支持部材の動きと同期させて、前記洗浄ブースを閉状態とするように動かす工程
    (d)前記洗浄ブースの内部で、前記パウダースラッシュ成形用金型に対して、ブラスト材料を吹き付けて、ブラスト処理を実施することにより、前記パウダースラッシュ成形用金型の成形面の付着物を除去する工程
    (e)前記ブラスト材料回収部において、吹き付けられた前記ブラスト材料を、前記第1の傾斜板および前記第2の傾斜板の斜面に沿って滑落させ、前記第2の傾斜板の下方に設けられた筒状吸入部材により、前記ブラスト材料を吸引回収する工程
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