JP2018110746A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機の演出表示のため動的に生成されるような複数の演出シーン間の切り換えを、多大な記憶容量を必要とすることなく、効率よく実現できるようにする。【解決手段】VRAMに割り当てられたフレームバッファ(第1画像バッファ)に第1の描画ルーチンによって第1の演出画像Vd1を描画させる。表示装置の表示画像を第1の演出画像Vd1から第2の演出画像Vd2に切り換える際、第1の描画ルーチンの出力先をVRAMに割り当てた汎用バッファ(第2画像バッファ)に切り換える。演出画像切り換えの過渡期間の間は、第2の描画ルーチンにより、第2の演出画像Vd2と、汎用バッファの第1の演出画像Vd1と、を特定の演出態様で合成し、前記表示装置に表示させる。【選択図】図9

Description

本発明は、遊技演出のための演出表示を行う表示装置を備えた遊技機に関する。
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
この種の遊技機では、液晶表示器(以下ではLCDと略称する場合がある)のような画像表示手段、スピーカなどの音声出力手段、発光手段などから成る演出装置を有するものがある。上記の演出装置の制御は、内部抽選、リール制御、払い出し制御などを行う主制御部とは別に配置された副制御部によって行われる。この種の演出装置を有する遊技機では、特定の入賞役当選などを契機として、特定の演出テーマに沿った動画や静止画を表示したり、特定の音楽や効果音を出力することにより、遊技者の興趣を高める演出を行う。また、副制御部の制御によって、いわゆるアシストタイムのような、役の入賞を補助する入賞補助演出を実行する遊技機も知られている。
演出制御を行う副制御部は、CPUと、LCDの画像表示、スピーカの音声出力、あるいはさらにLEDのような発光手段、いわゆる役物などと呼ばれる可動物の制御を行うためのVDPなどと呼ばれるカスタムLSIから構成されることがある。これら副制御部のCPUとVDPは別体のLSIで構成される他、近年ではCPUとVDPが一体のカスタムLSIから構成されることもある。
特に、画像表示に関して、この種の副制御部では、VRAMが設けられ、このVRAMにLCDに表示させる画像を描画するためのフレームバッファが配置される。このフレームバッファに対して副制御部のCPUや、VDPに備えられた描画ハードウェアが実行するレンダリング処理によって、動画や静止画の1フレーム(1画面)分の画像データが描画される。フレームバッファに書き込まれた画像は、所定のクロックに同期してLCDに表示される。動画表示の場合には、例えば30〜60fps程度のフレームレートでフレーム画像が切り換わるよう、LCDに対する出力制御が行われる。
演出画像の素材、背景やキャラクタの画像データは、例えば副制御部のCGROMのようなメモリデバイスに用意しておき、それらを用いて、描画処理を行うことにより、異なる演出効果を有する表示画像を生成(レンダリング)することができる(例えば下記の特許文献1)。
特許第5926667号公報
近年では、遊技機の状態、例えば内部抽選状態や、入賞補助演出の種々の異なる状態などに応じて、遊技機の演出テーマに沿って異なる演出ステージや演出シーンを表示装置で表示することが求められている。例えば1つの演出シーンでも、遊技状態に応じて異なるキャラクタを表示したり、そのキャラクタにアニメーション(動画)表現により異なる動作を行わせたりできれば好適である。また、演出シーンの切り換えでは、例えば第1の演出画像から第2の演出画像へ(例えば昼景から夜景へ、など)の切り換えを行うが、切り換えの過渡期間においては、ズームやフェードイン、フェードアウト、回転を伴って第1の演出画像および第2の演出画像を合成、重畳するような遊技演出が行えれば好適である。
以上のような演出シーンの切り換えや、キャラクタの合成、重畳、といった画像処理は、副制御部の描画(レンダリング)処理によって行われる。特に、近年では、遊技演出の表示には動画表現が多用されており、上記のような30〜60fps程度のフレームレートで動的に上記のような演出シーンの切り換えやキャラクタの合成、重畳を含む1フレームの画像を生成する処理を行うのが難しい場合がある。特に、従来では、1つのレンダリングルーチンで、第1の演出シーンの動画表現を維持しつつ、同様に動画表現の第2の演出シーンに合成、重畳するような演出シーンの切り換えを行う場合には、2つのシーンの合成、重畳を行う過渡期間において、1つのレンダリングルーチンの処理負担が極めて大きくなる可能性がある。従って、資源の限られた副制御部でも効率的かつスムーズに演出シーンの切り換えを行える技術が望まれている。
例えば、上記の特許文献1に記載された技術では、演出画像のレンダリングにおいて、演出画像の素材を一般に転送速度の低いCGROMから直接読み出すのではなく、画像要素一時記憶メモリに転送しておき、この画像要素一時記憶メモリから読み出してフレームバッファへの描画に用いる構成が用いられている。しかしながら、特許文献1の構成は、CGROMからレンダリングに用いる画像素材を全て画像要素一時記憶メモリに転送しておくものであって、RAMないしVRAMの記憶容量を圧迫する可能性がある。また、特許文献1の構成は、主に画像データの転送レートを向上させるためのものであって、例えば第1の演出シーンの動画表現を維持しつつ、第2の演出シーンに合成、重畳するような画像処理の効率化に関しては、直接の大きな効果を期待できない可能性がある。
そこで、本発明の課題は、遊技機の演出表示のため動的に生成されるような複数の演出シーン間の切り換えを、多大な記憶容量を必要とすることなく、効率よく実現できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、遊技制御を行う主制御部(100)と、遊技演出のための演出表示を行う表示装置(410)と、前記表示装置に表示する演出画像を格納するためのVRAM(642)と、前記主制御部が遊技制御に応じて送信する信号に基づき前記表示装置および前記VRAMを制御する演出制御手段(320)と、を有する副制御部と、前記VRAM上に割り当てられ前記表示装置に表示する演出画像を格納する第1画像バッファ(6421)と、前記VRAM上に割り当てられ描画結果を格納する第2画像バッファ(6424)と、を備え、前記演出制御手段は、第1の描画ルーチン(RR1)により描画された第1の演出画像(Vd1)を前記第2画像バッファに出力させ、第2の描画ルーチン(RR2)によって、前記第2画像バッファの前記第1の演出画像(Vd1)の少なくとも一部を、第2の演出画像(Vd2)と特定の演出態様で合成した合成画像を前記第1画像バッファに出力させ、前記表示装置(410)に表示させる第1の構成を採用した。
あるいは、遊技制御を行う主制御部と、遊技演出のための演出表示を行う表示装置と、前記表示装置に表示する演出画像を格納するためのVRAMと、前記主制御部が遊技制御に応じて送信する信号に基づき前記表示装置および前記VRAMを制御する演出制御手段と、を有する副制御部と、を備え、前記演出制御手段は、前記VRAM上に割り当てられた第1画像バッファ(6421)に第1の描画ルーチン(RR1)によって第1の演出画像(Vd1)を描画させ、前記表示装置に表示させる画像を第1の演出画像(Vd1)から第2の演出画像(Vd2)に切り換える際、第1の描画ルーチン(RR1)の出力先を前記VRAM上に割り当てられた第2画像バッファ(6424)に切り換え、前記表示装置に表示させる画像を前記第1の演出画像から第2の演出画像に切り換える過渡期間の間、第2の描画ルーチン(RR2)によって、前記第2の演出画像(Vd2)と、前記第1の描画ルーチン(RR1)により前記第2画像バッファに描画された前記第1の演出画像(Vd1)と、を特定の演出態様で合成した合成画像を前記第1画像バッファに出力させ、前記表示装置(410)に表示させる第2の構成を採用した。
上記第1の構成によれば、第1の描画ルーチン(RR1)により描画された第1の演出画像(Vd1)を第2画像バッファに出力させ、第2の描画ルーチン(RR2)によって、第1の描画ルーチンにより描画された第2画像バッファの第1の演出画像(Vd1)の少なくとも一部を、第2の演出画像(Vd2)と特定の演出態様で合成した合成画像を第1画像バッファに出力させ、表示装置(410)に表示させることができる。
また、上記第2の構成によれば、第1の描画ルーチン(RR1)の出力先を前記VRAM上に割り当てられた第2画像バッファ(6424)に切り換え、第1の演出画像から第2の演出画像に切り換える過渡期間の間、第2の描画ルーチン(RR2)によって、第2の演出画像(Vd2)と、第1の描画ルーチン(RR1)により第2画像バッファに描画された前記第1の演出画像(Vd1)と、を特定の演出態様で合成した合成画像を、第1画像バッファに出力させ、表示装置(410)に表示させることができる。
このため、例えば常時、画像素材によって占有されるような一時記憶メモリを用いることなく、他の期間では汎用的な用途に利用できる第2画像バッファに第1の描画ルーチン(RR1)の描画出力を転送させ、第2の描画ルーチン(RR2)によって、第2の演出画像(Vd2)に合成させることができる。第1の描画ルーチン(RR1)および、第2の描画ルーチン(RR2)は、マルチタスク(マルチスレッドないしマルチプロセス)実行によって動作させることができ、効率よく計算資源を利用することができる。従って、上記構成によれば、遊技機の演出表示のため動的に生成されるような複数の演出画像間の演出シーン切り換えを、多大な記憶容量を必要とすることなく、効率よく実現できる、という優れた効果がある。
本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。 図1の遊技機の機能ブロック構成を示した説明図である。 本発明の実施形態の遊技機の各遊技状態における内部抽選テーブルを示す図である。 (A)は、本発明の実施形態の遊技機において非リプレイタイム状態〜リプレイタイム2状態、ボーナス成立状態で当選可能な小役の当選態様を説明する図、(B)は、第1ボーナス状態、第2ボーナス状態で当選可能な小役の当選態様を説明する図である。 (A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、アシストタイム状態制御手段が制御するアシストタイム状態に関する状態遷移図である。 図1の遊技機の副制御部の構成を示したブロック図である。 図6の副制御部の記憶領域の構成例を示したメモリマップ図である。 本発明の実施形態においてVRAM廻りの画像処理形態の一例を示したメモリマップ図である。 図1の遊技機で表示される異なる演出画像の一例を示した説明図である。 本発明の実施形態における演出シーン切り換えに係る制御手順を示し、(A)は、演出シーン切り換えに係る描画制御手順を、(B)は、第1の描画ルーチンの制御手順を、(C)は、第2の描画ルーチンの制御手順を、それぞれ示したフローチャート図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下で例示する構成はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UDおよび前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット440(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する主制御部としての制御基板が収容されている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態および停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを介して観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを介して図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、例えば、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、それぞれリプレイの当選態様が異なる遊技状態である非リプレイタイム状態〜リプレイタイム2状態(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載する)と、ボーナスが入賞した場合に移行する遊技状態であるボーナス状態と、のいずれの遊技状態においても3枚に設定されている。そして、規定投入数に相当するメダルが投入されると、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1、第3リールR3の上段と第2リールR2の中段とによって構成される有効ラインL1が有効化される。なお、本実施形態では、図示のようにV字状の有効ラインL1(入賞ライン)を用いるが、有効ラインL1の形状、配置は当業者において任意に設計変更して構わない。
遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット440からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
また、前面上扉UDには、遊技演出を行うための表示装置410が設けられている。表示装置410は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)から構成する。表示装置410は、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための動画、静止画などの各種の演出画像を表示するのに用いられる。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。これらのスピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音声を出力するのに用いられる。
さらに、前面上扉UDには、主制御表示装置500が配置されている。主制御表示装置500は、例えば7セグメント表示器から構成され、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示される。第1の実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯および消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるか遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。この操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBTおよび規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3、およびクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSが含まれる。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、この押下のタイミングを「押下タイミング」と記載することがある)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。これに応じて制御基板(主制御部)は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングおよび解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット440からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、図1のスロットマシン1の機能構成をブロック図として示している。本実施形態のスロットマシン1は、それぞれ独立した制御基板である主制御部100と副制御部300とによって制御される。遊技制御を行う主制御部100は、複数の操作検出手段510としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230およびストップスイッチ240と、の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、リールユニット430およびリール照明のためのバックライト430a、ホッパーユニット440および払出メダル検出スイッチ445、主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。また、副制御部300は、主制御部100から送信される信号を受けて、遊技における演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて表示装置410、音響装置420を含む演出装置400の動作を制御する。主制御部100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。また、後述の副制御部300の機能も主制御部100と略同様のハードウェア構成により実現される。
図2の主制御部100はその機能ブロックとして、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、コマンド送信手段180、および下記の記憶手段190、AT状態制御手段200(アシストタイム状態制御手段)を備える。これら主制御部100を構成する各手段の機能は、各制御処理の実行時に、主制御部100を構成するCPUが記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。また、主制御部100のROMないしRAMの記憶領域によって、主制御部100の記憶手段190が構成される。
投入受付手段105は、第1リールR1〜第3リールR3が停止しており、主制御部100によって遊技に係る制御処理の実行が開始される以前の期間を、メダルの投入を受け付ける期間である投入受付期間として設定し、投入受付期間を開始した場合において、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
図3は、遊技状態が非RT状態〜RT2状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCと、非RT状態〜RT2状態における内部抽選で第1種特別役物に係る役物連続作動装置である第1ビッグボーナス又は第2ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスを「BB」と記載し、第1ビッグボーナスを「BB1」、第2ビッグボーナスを「BB2」と記載)に当選した場合に移行する遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルDと、BB1が入賞した場合に移行する遊技状態である第1ボーナス状態と、BB2が入賞した場合に移行する遊技状態である第2ボーナス状態と、のいずれかである場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルEと、を示す図である。
図3に示すように、遊技状態が非RT状態〜RT2状態である場合に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCと、遊技状態がボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルDと、は、いずれも小役を含む当選エリアの当選確率が同一に設定されており、小役を含む当選エリアとして、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。一方、遊技状態が第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態である場合に選択される内部抽選テーブルEは、小役を含む当選エリアとして、当選エリア「JAC」に乱数が対応付けられている。
また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCでは、本実施形態において用意されているボーナスとして、BB1に当選する当選エリアである当選エリア「BB1」と、BB2に当選する当選エリアである当選エリア「BB2」と、が抽選対象として設定されている。一方、内部抽選テーブルDでは、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCにおいてボーナスに対応付けられていた乱数がハズレ(不当選)に対応付けられている。
図4(A)は、非RT状態〜RT2状態、ボーナス成立状態において当選可能な小役を含む当選エリア(当選態様)と、各当選エリアの当選時に実行されるストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役と、を示す図である。図4(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役および取りこぼし役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」が設定されている。
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始され、遊技者が最初に有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第1停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち、第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応した1つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第2停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールと第2停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールとの2つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第3停止操作とも記載する。
当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」は、ベルと、特殊小役1〜特殊小役6のうちいずれか1種類と、が重複して当選する当選エリアである。ここで、ベルは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、特殊小役1〜特殊小役6は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞可能な入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順2〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞する。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ特殊小役1〜特殊小役6を入賞させることができない押下タイミングで各ストップボタンが押下操作された場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)が発生する。また、以下の記載において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、打順および押下タイミングによらずレア役が入賞可能に構成されており、他の小役を含む当選エリアよりも当選する確率が低くなるように構成されている。当選エリア「取りこぼし役」は、取りこぼし役に当選し、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に取りこぼし役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが取りこぼし役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
図4(B)は、第1ボーナス状態、第2ボーナス状態において当選可能な小役の当選エリアを示す図である。図4(B)に示すように、JACは、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役および取りこぼし役の、非RT状態〜RT2状態およびボーナス成立状態において当選可能な小役のすべてに重複して当選する当選エリアである。本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「JAC」に当選した場合、リール制御手段130によるリール停止制御において、入賞時の払出数が最も多いベルが他の役に優先して入賞するように第1リールR1〜第3リールR3を制御する。これにより、当選エリア「JAC」に当選した場合には、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の打順および押下タイミングによらずベルが入賞する。
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
当選エリア「通常リプレイ」は、通常リプレイに当選し、打順および押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「レアリプレイ」は、レアリプレイに当選し、打順および押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レアリプレイ」は、各内部抽選テーブルにおいて当選可能なリプレイを含む当選エリアのいずれの当選エリアよりも当選確率が低くなるように設定されている。
当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、に重複して当選し、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」のそれぞれに設定された打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にはRT2移行リプレイが入賞し、それ以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合には通常リプレイが入賞する。
また、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」は、重複当選する当選態様がそれぞれ異なるように構成されている。具体的には、当選エリア「打順リプレイ1」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイとが重複当選し、当選エリア「打順リプレイ2」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」とも記載)が異なる特殊リプレイ1と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ3」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ2と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ4」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ3と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ5」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ4と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ6」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ5と、が重複当選するように構成されている。なお、後述するリール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順および押下タイミングで押下操作された場合にも、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5の入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、BB1,BB2があり、小役およびリプレイは、後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBB1,BB2のいずれかを含む当選エリアに当選すると、当選したBB1又はBB2の抽選フラグの成立状態を、BB1又はBB2が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、BB1,BB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BB1,BB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているBB1又はBB2の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット430のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径および回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
このため、スロットマシン1では、上述したベルや各リプレイのようなストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な役の入賞図柄組合せを構成する図柄が、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれにおいて、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに表示可能な範囲内に配列されている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット430に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、主制御部100によって遊技の進行に係る制御処理が開始された場合に、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの内側に配設されているライトであり、照明手段としてのバックライト430aが点灯を開始し、主制御部100のリール制御手段130または後述の副制御部300の制御によって消灯がなされるまで、第1リールR1〜第3リールR3の周面に配列されている図柄をバックライト430aが照らすことで、遊技者に第1リールR1〜第3リールR3の周面の図柄を視認しやすくしている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、小役、リプレイ、ボーナスの入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に入賞したボーナスを作動させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット440に払い出させる制御を行う。
本実施形態において、ベルの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い9枚に設定され、レア役の配当は、規定投入数と同数の3枚に設定され、特殊小役1〜特殊小役6および取りこぼし役の配当は、規定投入数よりも少ない1枚に設定されている。
ホッパーユニット440は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット440には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ445が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ445からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット440から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット440によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、非RT状態〜RT2状態の間で遊技状態を移行させ、リプレイの当選態様を変更させるRT状態移行制御処理と、内部抽選手段120による内部抽選でBB1又はBB2が当選した場合に現在の遊技状態からボーナス成立状態に移行させるボーナス成立状態移行制御処理と、リール制御手段130によるリール停止制御によってBB1又はBB2の入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、有効ラインL1上に表示されたボーナスを作動させるとともに遊技状態を第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態に移行させるボーナス作動制御処理と、の遊技状態移行制御を行う。
図5(A)は、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。なお、以下の記載において、非RT状態〜RT2状態をまとめて「非ボーナス状態」とも記載する。また、以下の記載において、第1ボーナス状態、第2ボーナス状態をまとめて「ボーナス状態」とも記載する。
まず、RT状態移行制御処理の詳細について説明する。図5(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態において当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイおよびボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合にRT1状態へ移行する。また、非RT状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定された内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
RT1状態は、非RT状態と、RT2状態と、から移行可能な通常の状態に相当する遊技状態で、RT1状態からはRT2状態への移行が可能となっている。具体的には、RT1状態において、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT2状態に移行する。RT1状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
RT2状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RT2状態からは、RT1状態への移行が可能となっている。具体的には、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイおよびボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT1状態に移行する。RT2状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されることで、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態〜RT2状態の間で遊技状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1においては、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させ続ける限り、リプレイの当選確率が約1/7.3と低い確率で維持される非RT状態と、通常の遊技が実行されるRT1状態と、高確率でリプレイに当選することで毎回の遊技において小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに極めて高い確率で当選可能なRT2状態と、でそれぞれ異なる遊技性を実現している。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御処理のうちボーナス成立状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、内部抽選でBB1又はBB2を含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を現在の遊技状態からボーナス成立状態へ移行させるボーナス成立状態移行制御処理を実行する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、例えば非RT状態での内部抽選において当選エリア「BB1」や当選エリア「BB2」等のボーナスを含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を非RT状態からボーナス成立状態に移行させる。また、スロットマシン1では、BB1,BB2を含む当選エリアに当選し、かつ当選したBB1又はBB2が入賞しなかった場合に、当選したBB1又はBB2が入賞するまでの以降の遊技においてボーナス成立状態での遊技が実行される。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選で小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されているRT2状態よりもリプレイの当選確率が低い内部抽選テーブルを用いて内部抽選が実行されるように構成されている。上述した通り、本実施形態のスロットマシン1においては、内部抽選でBB1,BB2を含む当選エリアに当選した場合に、当選したBB1又はBB2が入賞するまで抽選フラグが成立状態で持ち越される。このため、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で小役又はリプレイに当選した場合に、小役とボーナス又はリプレイとボーナスが重複して当選した状態となる。また、上述した通り、スロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切である場合に入賞する特殊小役1〜特殊小役6、取りこぼし役の当選時において、当選した特殊小役1〜特殊小役6、取りこぼし役を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態のリプレイの当選確率をRT2状態におけるリプレイの当選確率よりも低くなるように設定し、内部抽選でハズレ(不当選)となり得るように構成することで、ボーナスに単独で当選した状態が発生し得るように構成されている。これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選でハズレ(不当選)となった際に、抽選フラグが成立状態にセットされ続けているBB1又はBB2を入賞させることができるようになる。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御処理のうちボーナス状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりBB1の入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、ボーナス状態移行制御処理として、BB1を作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態から第1ボーナス状態へ移行させる処理を実行する。第1ボーナス状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、記憶手段190の有するカウンタであるボーナス終了判定カウンタ(不図示)へ値を加算する処理を開始する。第1ボーナス状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、第1ボーナス状態において、270枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「270」)に到達した場合に、BB1を終了させるとともに遊技状態を非RT状態に移行する。第1ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、極めて高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
また、遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりBB2の入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、ボーナス状態移行制御処理として、BB2を作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態から第2ボーナス状態へ移行させる処理を実行する。第2ボーナス状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス終了判定カウンタへ値を加算する処理を開始する。第2ボーナス状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、第2ボーナス状態において、54枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「54」)に到達した場合に、BB2を終了させるとともに遊技状態を非RT状態に移行する。第2ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、極めて高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
AT状態制御手段200は、特定役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(以下、アシストタイムのことを「AT」とも記載)と、入賞補助制御が実行されない非アシストタイム状態(非AT状態)と、の間での移行に係る制御を実行する。本実施形態において、AT状態制御手段200は、AT状態において、打順によって入賞する役が異なる当選エリアに内部抽選で当選した場合に、特定役が入賞する確率を上げるための制御として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させる制御である入賞補助制御を実行し、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知する報知表示が主制御表示装置500によって実行される。ここで、入賞補助制御の対象になる当選エリアは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、が含まれる。また、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる特定役は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時のベル、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時のRT2移行リプレイである。
AT状態制御手段200は、記憶手段190の状態制御データ記憶手段197に記憶されている各データを用いて非AT状態およびAT状態における制御処理を実行する。具体的には、AT状態制御手段200は、例えばAT状態を実行するか否かを決定する抽選であるAT抽選を実行する場合に、乱数生成手段110から取得した乱数と比較するための抽選テーブルであるAT抽選テーブルを、状態制御データ記憶手段197から取得してAT抽選を実行する。なお、状態制御データ記憶手段197には、AT状態制御手段200が非AT状態およびAT状態における制御処理で実行する際にON状態又はOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。
図5(B)は、本実施形態のAT状態制御手段200によって実行される非AT状態とAT状態との詳細を示す図である。図5(B)に示すように、AT状態制御手段200は、非AT状態として、第1非アシストタイム状態としての通常非アシストタイム状態(通常非AT状態)と、第2非アシストタイム状態としてのチャンスゾーン状態(CZ状態)と、を有している。
通常非AT状態は、入賞補助制御が実行されない非AT状態であり、かつCZ状態でない場合に実行される状態であり、他の状態が開始されるまで継続する状態である。通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、予め定められた所定の当選役に当選した場合や予め定められた所定の遊技回数の遊技が実行された場合等の、予め定められた抽選条件が成立した場合に、CZ状態の実行を決定するか否かを抽選により決定するCZ抽選を実行する。本実施形態のAT状態制御手段200においては、予め定められた抽選条件として、内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合にCZ抽選を実行する。また、通常非AT状態において、AT状態制御手段200は、所定の当選エリア(本実施形態では当選エリア「レアリプレイ」)とは異なる特定の当選エリア(例えば、内部抽選において他の小役を含む当選エリアよりも当選確率の低い当選エリア「レア役」)に当選した場合にAT状態の実行を決定するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。なお、本実施形態において、AT状態制御手段200は、例えば、非AT状態からAT状態に移行することなく所定の遊技回数(例えば、1000ゲーム)の遊技が実行された場合に非AT状態からAT状態に移行するように構成されていてもよい。
CZ状態は、通常非AT状態においてCZ抽選に当選した場合に実行される状態であり、通常非AT状態よりもAT状態の実行が決定される確率が高い状態である。CZ状態において、AT状態制御手段200は、CZ状態の開始時に記憶手段190のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、10ゲームの遊技が実行されるまでの間、毎ゲームごとにAT状態の実行を決定するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、当選確率が低い当選エリア「レア役」に当選した場合にのみAT抽選が実行される通常非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。AT状態制御手段200は、CZ終了判定カウンタの記憶する値が値「0」になるまでにAT抽選によってAT状態の実行が決定された場合に、CZ状態を終了してAT状態を開始し、CZ終了判定カウンタの記憶する値が値「0」になった時点でAT抽選によってAT状態の実行が決定されなかった場合に、CZ状態を終了して通常非AT状態を開始する。
AT状態は、通常非AT状態およびCZ状態において実行されるAT抽選においてAT状態の実行が決定された場合や、非AT状態において、AT状態に移行することなく1000ゲームの遊技が実行された場合等、AT状態の開始条件が成立した場合に開始される状態である。AT状態において、AT状態制御手段200は、AT状態の開始時に記憶手段190のAT終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、30ゲーム)をセットし、30ゲームの遊技が実行された場合に、AT状態から通常非AT状態に移行しAT状態を終了する。なお、本実施形態において、AT状態は、通常非AT状態において実行が決定された場合と、CZ状態において実行が決定された場合と、のいずれの場合であっても、AT状態の開始時に記憶手段190のAT終了判定カウンタにセットされるATゲーム数として同一の値(30ゲーム)がセットされるが、これに限らず、例えばAT状態の実行契機によってAT終了判定カウンタにセットされる値がそれぞれ異なるように構成されていてもよい。このように構成する場合、スロットマシン1は、AT状態の実行契機によってAT状態の利益を享受できる回数が変化するため、遊技者にいずれの実行契機の成立を狙うかを選択させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
AT状態においては、上述した通り、打順によって入賞する役が異なる当選エリアに内部抽選で当選した場合に、主制御部100のAT状態制御手段200によって入賞補助制御が実行されるとともに、後述の副制御部300では入賞補助演出が実行される。例えば、AT状態制御手段200は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、の当選時に入賞補助制御を実行する。
入賞補助制御が実行されることで、スロットマシン1では、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時においてベルを入賞させることができる正解打順が主制御表示装置500によって報知され、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時においてRT2移行リプレイを入賞させることができる打順が主制御表示装置500によって報知される。このため、AT状態は、遊技者がメダルを獲得することが容易になるとともに、リプレイの当選確率が高い遊技状態に移行する確率も上がることで、遊技者にとってメダルの払い出しに関して有利な状態となっている。
上述した通り、RT2状態においては、小役、リプレイ又はボーナスに必ず当選し、非RT状態およびRT1状態よりもリプレイの当選確率が高く設定されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、AT状態が開始され当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時において、RT2移行リプレイを入賞させることができる打順が報知されることで、遊技状態がRT1状態からRT2状態に移行するとともに、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時において、正解打順が報知されることで、RT2状態が維持されるため、AT状態における遊技が他の遊技状態よりもリプレイに高確率で当選する状態で実行される、いわゆるART遊技となっている。
さらに、図2において、副制御部300は、コマンド受信手段310、演出制御手段320および副記憶手段330の各機能ブロックを備えている。副制御部300を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段330に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。図2では、副記憶手段330の制御機能として演出制御データ記憶手段331を示してある。
副制御部300のコマンド受信手段310は、主制御部100のコマンド送信手段180から送信されるコマンド信号を受信する制御処理であるコマンド受信処理を実行する。副制御部300においては、コマンド受信手段310が受信したコマンド信号に基づき、演出制御手段320による演出に係る制御処理が実行される。
副制御部300の演出制御手段320は、コマンド受信手段310を介して主制御部100から受信したコマンド信号、および副記憶手段330の演出制御データ記憶手段331に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置410を用いて行う表示演出や音響装置420を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出制御を行う。例えば、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプおよびLEDの点灯あるいは点滅、表示装置410の表示内容の変化、スピーカからの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1〜第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1〜第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、特定の役を入賞させることができる打順や押下タイミングを報知することで特定の役の入賞を補助する演出である入賞補助演出等の遊技を補助する演出を実行させる制御を行う。
また、演出制御手段320は、各演出状態に基づく演出を演出装置400に実行させる。例えば、演出制御手段320は、主制御部100の内部抽選手段120の抽選結果に応じて主制御部100から送信される当選コマンドに基づき、演出内容を決定する演出抽選を行うことができる。例えば、送信された当選コマンドに基づき、副制御部300の乱数生成手段の乱数格納領域から乱数を取得し、副記憶手段330の演出制御データ記憶手段331に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
また、演出制御手段320は、AT状態、非AT状態のいずれにおいても、特定の役を入賞させることができる打順や押下タイミングを報知し特定の役の入賞を補助する入賞補助演出、遊技を盛り上げる演出、などを実現する目的で、演出装置400によって特定の演出ステージを実行させることができる。1つの演出ステージは、遊技機の機種のテーマに沿った少なくとも1つ、または複数の演出シーン(以下単に「シーン」と略称する場合がある)から構成される。
例えば、AT状態制御手段200によってAT状態が実行されている場合、副制御部300は、内部抽選手段120の抽選結果に応じて主制御部100から送信される当選コマンドに基づき、特定役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行する。例えば、後述する副制御部300は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」に当選したことを示す当選コマンドが内部抽選手段120から送信された場合、ベルを入賞させることができる正解打順を演出装置400によって報知する入賞補助演出を実行する。
また、AT状態制御手段200によって実行される状態が通常非AT状態である場合、演出制御手段320は、演出装置400に通常非AT状態に相当する演出ステージを実行させる。この演出ステージでは、例えばそれぞれ演出の内容が異なる複数種類の演出シーンのいずれかを実行させることができる。例えば、本実施形態の副制御部300は、複数種類の第1〜第3の演出シーンとして、昼間の映像を表示する第1演出シーンと、表示装置410に夕方の映像を表示する第2演出シーンと、表示装置410に夜間の映像を表示する第3演出シーンと、を実行させることができる(第1演出状態〜第3演出状態)。
演出装置400の表示装置410で表示する演出シーンは、遊技機の遊技状態(例えば、図5に示したAT状態、非AT状態、非RT状態、RT1状態、RT2状態など)に応じて適宜構成される。また、演出シーンの切り換えは、遊技者が遊技機の内部状態の状態遷移の可能性をそれとなく認識できるような態様で行われる場合がある。
また、演出制御手段320は、特定の演出シーンにおいて、遊技者の特定操作、例えばストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下に応じて、遊技を盛り上げることができるような差し込み画像を演出装置400の表示装置410で進行中の演出シーンの画像に重畳ないし合成して出力させる。
図6は、副制御部300の、より具体的なハードウェア構成の一例を示している。図6の構成では、副制御部300は、副制御部300の制御主体(主に図2の演出制御手段320)を構成するCPU601、およびVDP610(Video Display Processor)から構成されている。CPU601と、VDP610は別LSIから構成される場合もあるが、最近のVDP製品では、CPUをVDPに取り込む形で一体化されたものもある。以下、本実施形態では、CPU601およびVDP610が一体のハードウェアLSIに実装されている構成を前提とするが、後述のVRAMに係わる演出制御はCPU601およびVDP610が別体の構成であっても同様に実施することができる。
図6のCPU601は、CPUコア602、遊技機で一般的な同図左側の周辺部材(651〜656)との入出力を行うためのI/Oポートアレイ603、主にI/Oキャッシュなどとして利用される内蔵eDRAM(Embeded DRAM)604を備える。
I/Oポートアレイ603は、主制御部100と主にコマンド入出力を行うための主制御部I/O651(図2のコマンド受信手段310に相当する)、計時制御に利用されるRTC(Real Time Clock)652、例えば副制御部300の基板上に配置されたDIPスイッチ653、副制御部300のファームウェアの格納などに用いられる副制御部基板上に配置された制御ROM654、必要に応じて副制御部300の状態をバックアップするために用いられるバックアップSRAM655、およびデバッグUART656などと接続され、これら各部との信号入出力に用いられる。DIPスイッチ653は、デバッグ、検証動作などのためのモード設定などに利用される。
VDP610は、LCDから構成された表示装置410と入出力を行うためのLCDI/F641、およびVRAM642から成る画像制御部640を備える。なお、画像制御部640には、画像レンダリングなどを行う画像処理ハードウェアなどが含まれていてもよい。
また、本実施形態のVDP610は、例えば遊技機に特化された製品であって、音響装置420を構成するスピーカに対する音声出力を行うためのサウンドI/F621から成る音声制御部620、役物類のような可動物の駆動系のモータ、ソレノイドの制御、センサ類の検出信号を取り込むためのASIB I/F631を有する可動物/センサ制御部630を備える。また、VDP610は、演出音声や演出画像の背景やキャラクタのような素材を格納した画像・音声ROM611(CGROM)からデータを読み出すためのCGROMI/F650を備える。
なお、VRAM642の他に、CPU601が例えば画像制御以外に用いるメモリ領域として、副制御部300に内蔵、またはその基板上に外付けされたRAMを用いることができるが、このRAMのブロックの明示的な図示は図6では簡略化のため省略されている。
図7は、図6の副制御部300の記憶領域、特にCPU601がアクセス/管理するメモリアドレス空間の構成の一例を示している。なお、図7に示したメモリ空間、アドレスの配置は一例に過ぎず、副制御部300を構成するLSI製品の仕様によって変更が可能であるのはいうまでもない。
図7では、メモリの低位アドレスを図の下方に、また高位アドレスを図の上方に取って、副制御部300の記憶領域を示している。図7のメモリ配置では、低位アドレスの領域には、メモリマップトI/Oのため記憶領域が並ぶ。このメモリマップトI/Oのための領域は、便宜上、主に図6の左側の各部位の参照符号を用いて示してある。即ち、これらメモリマップトI/Oのための領域には、制御ROM654、バックアップSRAM655、外部制御信号I/O606、デバッグUARTI/O656などにCPU601がアクセスするための領域が含まれる。
図7の構成では、さらにその高位側アドレスに、内蔵eDRAM604の領域が配置され、内蔵eDRAM604の高位側のアドレスにVDP610のVRAM642の空間がマッピングされている。VRAM642は図2の演出制御データ記憶手段331のうち、特に演出画像に係るデータ記憶手段に相当する。
さらに、VRAM642の高位側アドレスの空間には、CPU601のレジスタに対してメモリマップトI/Oが可能なCPUレジスタI/O607の領域を配置することができる。それより上位アドレス側の空間は、CPU601が主に画像/表示制御以外の目的で任意に使用するCPURAM領域608となっている。CPURAM領域608には、例えばCPUのプログラム制御に不可欠なスタック領域や、主に画像/表示制御以外の目的で用いられる変数領域を確保/解放するためのヒープ領域などが配置される。
上記のうち、VRAM642の例えば下位アドレス領域には、フレームバッファ6421(FB)の領域が配置される。フレームバッファ6421の所定領域に書き込まれた(描画された)画像データは、1画面の画像データとして、LCDI/F641を介して表示装置410を構成するLCDにシステムクロックに同期して転送され、このLCDに表示させることができる。多くの場合、フレームバッファ6421は、例えばフレームバッファA、Bのように交互使用される2バッファ構成であって、例えばフレームバッファA(B)の画像データがLCDに転送または表示されている区間において、他方のフレームバッファB(A)に対して画像データの書き込み(描画)を行うことができる。このようにして、例えば表示装置410を構成するLCDの表示画面の1フレームごとにフレームバッファA、Bを交互に切り換えて、それぞれにフレームデータの書き込み(描画)およびLCDへの転送(表示)を行わせることにより、所期の演出画像を表示させる。1画面分のフレームバッファ6421A、または6421Bには、通常、表示装置410を構成するLCDの1画面の画素データが、例えば左上隅の画素から順番に格納するようなフォーマットで記録される。
また、VRAM642には、いわゆる3D画像の奥行き方向に係る制御データを格納するZバッファ6422(または汎用バッファ)の領域が配置される。あるいはさらに、Zバッファの他に、画像処理の途中で必要な中間的なデータを格納するための画像バッファ領域が配置されていてもよい。
VRAM642の上位アドレス側の残りの領域は、例えばCPU601が、主に画像/表示制御に係る任意のデータを書き込み/読み出しすることができる任意領域6423となっている。
図8は、VRAM642のメモリ領域の構成をより詳細に示している。この図8に示したメモリ領域の配置はあくまでも一例であり、図示の配置関係は本発明を限定するものでなく、当業者において任意に設計変更が可能である。図8でも、低位アドレスを図の下方に、また、高位アドレスを図の上方に取って、VRAM642の記憶領域を示している。同図に示すようにフレームバッファ6421は、上記のようなFB(A)、FB(B)の2バッファ構成である。
また、本実施形態では、図8に示すように、VRAM642にはZバッファ6422の他に、下記の制御例では演出シーンの切り換えを行う過渡期の画像レンダリングに用いる汎用バッファ6424の領域を割り当てている。残りの領域は、VRAM642の任意領域6423に相当する。
本実施形態では、汎用バッファ6424の領域は、例えば特許文献1の「画像要素一時記憶メモリ」のように常時、何らかの画像データによって占有されるような態様では用いない。例えば、下記の制御例のように演出シーンの切り換えを行う過渡期の画像レンダリングを行う以外の期間では、汎用バッファ6424の領域は、他の任意の画像処理に利用することができる(図8参照)。
図9は、本実施形態の画像処理によって実行される表示装置410(LCD)の演出表示画面上の演出シーンの切り換えの一例を示している。図9の上段において、第1の演出シーン410aは例えば海の風景を表現した第1の演出画像Vd1から成り、第2の演出シーン410bは森の風景を表現した第2の演出画像Vd2から成る。なお、これらの演出シーンの画像内容はあくまでも一例である。
図9の上段の2つの演出シーン410a、410bは、それぞれ図8の第1の描画ルーチン801(RR1)、および第2の描画ルーチン802(RR2)によって描画(レンダリング)される。これらの描画ルーチン(RR1、RR2)のいずれかを単独で動作させた場合には、演出シーン410aまたは410bに相当する第1の演出画像Vd1または第2の演出画像Vd2が表示装置410を構成するLCDで表示される。
本実施形態では、第1の演出シーン410aから第2の演出シーン410bへと演出シーンの切り換えを行う。特に、本実施形態では演出シーン410aから410bへとシーン切り換えを行う場合、単に瞬時に表示を差し換えるのではなく、表示装置410を構成するLCDの表示を、図9の中段に示すような演出シーン410a、410bの2つを特定の態様で合成ないし重畳してレンダリングした演出シーン410cの表示を経て、さらに図9の下段に示すような演出シーン410bの残りの部分に相当する演出シーン410dの表示へと変化させる。
ここで、第1の演出シーン410aと第2の演出シーン410b(あるいは410d)は、同じ演出ステージに属していてもよく、あるいは連続して実行される異なる2つの演出ステージにそれぞれ属していてもよい。ここで、切り換えられる第1の演出シーン410aと第2の演出シーン410b(あるいは410d)が同じ演出ステージに属している例としては、例えば図5の通常非AT状態において、CZ状態やAT状態への状態遷移の可能性をそれとなく遊技者に報知するようにシーン切り換えを行う場合、などが考えられる。また、第1の演出シーン410aと第2の演出シーン410dが異なる演出ステージに属している例としては、図5の通常非AT状態、CZ状態、AT状態の各状態でそれぞれ異なる演出ステージを実行し、通常非AT状態、CZ状態、AT状態の各状態間の状態遷移に応じて、ある演出ステージの1シーンから次の演出ステージの1シーンへと切り換えを行う場合、などが考えられる。
第1、第2の演出シーン410a、410b(あるいは410d)を構成する第1、第2の演出画像Vd1、Vd2は動画表現であってもよく、また、静止画表現であってもよい。例えば、動画表現の場合は、第1の演出シーン410a中の海上を船が航行しているような表現が考えられ、第2の演出シーン410bでは、森の木々がそよいでおり、あるいはさらに同時にその風景の俯瞰角度を除々に変化させる、といった表現が考えられる。
図9の第1、第2の演出シーン410a、410b(あるいは410d)を構成する第1、第2の演出画像Vd1、Vd2は、例えばそれぞれ第1の描画ルーチン801(RR1)、および第2の描画ルーチン802(RR2)によって描画(レンダリング)される。第1の描画ルーチン801(RR1)および第2の描画ルーチン802(RR2)がレンダリング(描画)した結果を書き込むVRAM642の領域は、転送効率を考慮し、(フレームバッファ6421以外のバッファではなく)、フレームバッファ6421のFB(A)、FB(B)のいずれかであるものとする。なお、以下では、第1および第2の描画ルーチン801、802については、それぞれ「RR1」および「RR2」のような表記も用いる。
また、この演出例では、第1の演出シーン410aから第2の演出シーン410b(表示画面上では下段の410d)へと切り換える過渡期間の間、図9の中段に示すように、第1、第2の演出画像Vd1、Vd2を特定の演出態様で合成、ないし重畳(Vd1+Vd2)した演出シーン410cを表示装置410(LCD)で表示させる。図9の演出シーン410cは、終了させる第1の演出画像Vd1を回転(RN)させながら縮小(ZM)し、最後に例えば1画素のサイズまで第1の演出画像Vd1を縮小する、といった演出態様で構成されている。この第1の演出シーン410a〜第2の演出シーン410bの過渡期間の演出シーン410cが終了すると、表示装置410(LCD)の表示画面は、図9下段のように第2の演出シーン410dを構成する第2の演出画像Vd2のみの映像表現に切り換える。この演出シーン410dは、演出シーン410bの先頭から演出シーン410cの時間長に相当する時間が経過した後の残りの部分に相当し、例えば図9上段の演出シーン410bの表示と比べると、その風景の俯瞰角度が変化しており、画面中の水平線の位置がシーン先頭からの経過時間に応じて異なった高さに変化している。なお、先の演出シーン410cにおいて、画面中の船の位置が変化しているのも、同様にこの過渡期間におけるシーンの進行を表現したものである。
本実施形態の場合、第1の演出シーン410a〜第2の演出シーン410b(あるいはその残りの部分である410d)の過渡期間の演出シーン410cは、例えば、このシーン切り換えに関して後続側の第2の描画ルーチン802(RR2)によって描画(レンダリング)させる。即ち、第2の描画ルーチン802(RR2)は、図9の上段に示した、第1の描画ルーチン801(RR1)の描画結果である第1の演出画像Vd1と、第2の演出画像Vd2を用いて、図9中段の過渡期間の演出シーン410cを上記のような演出態様で構成すべく、合成、重畳させる描画(レンダリング)を行う。
第1の描画ルーチン801(RR1)、および第2の描画ルーチン802(RR2)は、例えば並行して実行可能(マルチタスク実行可能)な「タスク」として、例えばCPU601によって実行されるよう、プログラム記述しておく。第1の描画ルーチン801(RR1)、および第2の描画ルーチン802(RR2)は、副制御部300に用いられるような組み込みRT(リアルタイム)OSに用意されている、マルチタスク実行を支援するためのAPIや、ライブラリ関数を用いて記述することができる。第1の描画ルーチン801(RR1)、および第2の描画ルーチン802(RR2)を構成するプログラムは、例えば制御ROM654に格納しておくことができる。
そして、第2の描画ルーチン802(RR2)が過渡期間の演出シーン410cを描画し終り、その結果が全てフレームバッファ6421のFB(A)またはFB(B)を経由して表示装置410(LCD)に出力された後は、図9の下段に示すように第2の演出シーン410bの残りの部分に相当する演出シーン410dを表示すべく、第2の演出画像Vd2のみをレンダリングする描画処理に移行する。
以下、図10の画像処理制御手順のフローチャートを参照して図9に示すようなシーン切り換えを行う時の描画制御につき詳細に説明する。
図9の第1の演出シーン410aは、図8の第1の描画ルーチン801(RR1)によって描画(レンダリング)され、その描画結果はフレームバッファ6421に書き込まれる。第1の演出シーン410aを構成する第1の演出画像Vd1の画像素材901(図8)は、例えば画像・音声ROM611(CGROM)などから転送して用いるか、あるいはVRAM642の他の画像バッファの領域にあらかじめ用意されているものを用いる。
図10(A)に示した描画制御は、副制御部の制御主体であるCPU601の演出制御手順の一部に含まれる。CPU601は、図10のステップS110、S111において、第1の描画ルーチンRR1を起動し、第1の演出シーン410aを構成する1ないし複数のフレームを逐次レンダリングさせ、その描画結果をフレームバッファ6421のFB(A)またはFB(B)に書き込ませる。なお、第1の描画ルーチンRR1(第2の描画ルーチンRR2も同様)の起動は、例えば、実行環境(OS)に用意されているタスク(プロセス、ないしスレッド)を起動する手続によって行うことができる。
図10(B)は、第1の描画ルーチンRR1の描画処理の流れを示しており、図10(B)のステップS121において、第1の演出シーン410aの描画開始条件が成立すると、第1の描画ルーチンRR1は、ステップS122で第1の演出画像Vd1を描画開始する。なお、第1の演出シーン410aの描画開始は、上述の各種のシーン切り換えの条件と同様であり、例えば図10(A)の上位の描画制御処理がタスク(あるいはプロセスまたはスレッド)間通信手段を用いて指定することができる。ステップS122の第1の演出シーン410aの描画は、ステップS123で図10(A)の上位の描画制御処理からタスク(あるいはプロセスまたはスレッド)間通信によって終了指令を受信するまで続行される。ステップS123で終了指令を受信すると、第1の描画ルーチンRR1はステップS124でレンダリング(描画)処理を終了する。第1の描画ルーチンRR1による第1の演出シーン410aの描画結果は、フレームバッファ6421のFB(A)またはFB(B)に交互に転送されるよう制御される。
図10(A)のステップS111では、副制御部300の制御主体であるCPU601は、第1の演出シーン410aから第2の演出シーン410bへのシーン切り換えを行うための上述のような種々のシーン切り換えの条件が発生したか否かを判定する。そして、本実施形態では、ステップS111のシーン切り換えの条件が発生した場合には、CPU601はステップS112において、第1の描画ルーチンRR1の出力先を、フレームバッファ6421のFB(A)またはFB(B)から、汎用バッファ6424に切り換える。
通常、このような画像データ転送先の変更は、PIO、DMAいずれの転送方式においても、ブロック転送の制御パラメータを変更することにより容易に行える。なお、ステップS111のシーン切り換えの条件は、第1の演出シーン410aを実行中の途中の任意のタイミングで発生するものであって構わない。
図8のVRAM642のメモリマップの右側には、破線で示すように、第1の描画ルーチンRR1が第1の演出シーン410aの描画結果をフレームバッファ6421のFB(A)に書き込んでいるタイミングでステップS111のシーン切り換えの条件が発生した場合の例を示してある。この場合は、第1の描画ルーチンRR1が第1の演出シーン410aの描画結果の転送先が実線で示すように汎用バッファ6424に切り換えられる(図10(A)のステップS112)。
この場合、図10(A)のステップS113では、図9の中段に示したような第1の演出シーン410aから第2の演出シーン410bへのシーン切り換えの過渡期の演出表示を行う。即ち、図8のVRAM642のメモリマップの左側に示すように、第1の描画ルーチンRR1が第1の演出シーン410aを構成する第1の演出画像Vd1を描画する処理と、第2の描画ルーチンRR2が汎用バッファ6424に書き込まれた第1の演出画像Vd1の描画結果、および第2の演出シーン410bを構成する第2の演出画像Vd2を所定の演出態様(例えば上述の回転や縮小)で合成ないし重畳した描画処理結果(Vd1+Vd2)をフレームバッファ6421のFB(B)に書き込むことになる。なお、このシーン切り換えの過渡期の演出シーン410c(図9)の2フレーム目の描画処理結果(Vd1+Vd2)は、通常の2バッファ構成のフレームバッファ切り換え制御によって図8の左側に破線で示すようにフレームバッファ6421のFB(A)に書き込まれるよう制御される。
なお、本実施形態において、上記のような描画処理を行う場合には、当然ながら第1の描画ルーチンRR1、および第2の描画ルーチンRR2は、並行処理によって実行される必要がある。近年、副制御部300で用いられるようなRT(リアルタイム)OSでは、例えばタスク(あるいはプロセス、スレッド)などと呼ばれる複数のプログラム手続を同時に並行して実行する、いわゆるマルチタスク(あるいはマルチプロセス、マルチスレッド)実行環境が用意されている。また、多くの場合、このような実行環境では、シグナル、メッセージ交換手続など、同時に動作するタスク(あるいはプロセスまたはスレッド)間で相互に通信を行うための手段が用意されている。第1の描画ルーチンRR1、および第2の描画ルーチンRR2は、このようなマルチタスク(あるいはマルチプロセス、マルチスレッド)実行環境によって、同時に並行して実行させる(あるいは任意のタイミングで一時停止、終了させる)ことができる。
図10(A)のステップS113において、図9のようなシーン切り換えの過渡期における演出シーン410cの演出表示は、例えば第1の演出シーン410aの第1の演出画像Vd1を縮小させたり、フェードアウトさせたりしてその実質的な表示装置410の表示画面上における表示面積が0になり、第2の描画ルーチンRR2の描画結果が図9の下段に示すように第2の演出シーン410bを構成する第2の演出画像Vd2のみになった時点で終了させる。具体的には、ステップS114においてタスク(あるいはプロセスまたはスレッド)間通信により終了指令を送信して、第1の描画ルーチンRR1を終了させ、それ以後は、第2の描画ルーチンRR2に第2の演出画像Vd2を用いて第2の演出シーン410d(第2の演出シーン410bの残りの部分に相当する)を描画する処理を続けさせる(ステップS115)。
図10(C)は、上述のように第2の描画ルーチンRR2がシーン切り換えの過渡期の演出シーン410cと、それに続いて、第2の演出画像Vd2によって第2の演出シーン410bの残りの部分に相当する演出シーン410dを描画する処理の流れを示している。
図10(C)のステップS131では、第2の描画ルーチンRR2をスタートさせる条件が成立したか否かが判定される。この条件判定は、当然ながら、上記のステップS111におけるシーンチェンジの条件判定と同じである。例えば図10(A)の上位の描画制御処理では、ステップS111からS112への遷移の際に、第2の描画ルーチンRR2の「タスク」(あるいは「プロセス」や「スレッド」)を起動する制御を行うことによって、ステップS131の第2の描画ルーチンRR2をスタートさせる条件を成立させることができる。
図10(C)のステップS132では、上述のように第2の描画ルーチンRR2は、第1の描画ルーチンRR1によって汎用バッファ6424に書き込まれた描画結果(Vd1)、および第2の演出シーン410bを構成する第2の演出画像Vd2を加工、即ち、所定の演出態様(例えば上述の回転やズーミング)で合成、重畳して得た描画処理結果(Vd1+Vd2)をシーン切り換えの過渡期の演出画像としてフレームバッファ6421(FB(A)またはFB(B))に書き込む。
図10(C)のステップS133において、第2の描画ルーチンRR2は、過渡期の演出制御の終了条件が成立したか否かを判定する。この条件判定は、上記のように過渡期の演出画像(Vd1+Vd2)の合成に用いた第1の演出シーン410aの第1の演出画像Vd1を縮小させたり、フェードアウトさせたりしてその実質的な表示装置410の表示画面上における表示面積が0になったか否かの判定、などによって可能である。要するに、その時点で、縮小や、フェードアウトを伴う過渡期の演出画像(Vd1+Vd2)の合成に、第1の演出画像Vd1が実質的に必要なくなった場合に、過渡期の演出制御の終了条件が成立した、と判定すればよい。あるいは、第2の描画ルーチンRR2が、予め決められたフレーム数だけ過渡期の演出画像(Vd1+Vd2)の合成を行うものとし、ステップS132を実行するごとに、過渡期の演出画像のフレーム数を計数するカウンタをカウントアップまたはダウンさせ、ステップS133で予め決められたフレーム数を計数し終った時に、過渡期の演出制御の終了条件が成立したものと判定してもよい。
図10(C)のステップS134では、第2の描画ルーチンRR2が第2の演出画像Vd2によって第2の演出シーン410bを描画する処理を行う。これにより、表示装置410の表示は、図9の下段に示すように第2の演出シーン410dを構成する第2の演出画像Vd2のみのものとなる。
以上のようにして、汎用バッファ6424を用いて、第1の演出シーン(410a)〜第2の演出シーン(410bないし410d)のシーン切り換えを行うことができる。その場合、特許文献1に示されるような、常時、画像素材によって占有される「画像要素一時記憶メモリ」を用いることなく、シーン切り換えの過渡期(のみ)に第1の演出シーン(410a)の出力先として利用する汎用バッファ(6424)を用意しておけばよい。このシーン切り換えの過渡期(のみ)に第1の演出シーン(410a)の出力先として利用する汎用バッファ(6424)は、他の期間においては他の画像処理用途に自由に利用できるため、限られたVRAM642の記憶容量を有効利用しつつ、第1の演出シーン(410a)〜第2の演出シーン(410bないし410d)のシーン切り換えを行うことができる。また、第1の描画ルーチン(RR1)および、第2の描画ルーチン(RR2)は、マルチタスク(マルチスレッドないしマルチプロセス)実行によって動作させることができる。このため、1タスク(スレッドないしプロセス)の描画(レンダリング)ルーチンによって、演出シーン間の過渡期間の画像処理を実行させようとした場合に、この過渡期間で処理の負担が著しく増大するような問題を生じることなく、効率よく計算資源を利用することができ、また、描画(レンダリング)ルーチンのプログラミングも容易になる利点がある。
即ち、本実施形態によれば、遊技機(スロットマシン)の演出表示のため動的に生成される動画形式や静止画形式の演出画像(Vd1、Vd2)などからなる複数の演出シーン間の切り換えを、多大な記憶容量を必要とすることなく、効率よく実現することができる。
本実施形態によれば、第1の演出シーン(410a)〜第2の演出シーン(410bないし410d)はいずれも動画形式、静止画形式のいずれの表現であってもよく、複雑で派手な演出シーンから演出シーンへの切り換え演出が可能であり、これにより、遊技機(スロットマシン)で多彩な遊技演出を行うことができるようになる。
<変形例>
上述の実施形態で示した構成はあくまでも一例であり、例えばメモリ管理制御や遊技仕様など、細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。
例えば図9では、第1の演出シーン410a〜第2の演出シーン410b(あるいは410d)の演出シーン切り換えを行う過渡期間の演出において、第1の演出シーン410aを縮小(ズーミング)、あるいはフェードアウトなどによって消失させていく例を説明した。しかしながら、この過渡演出の態様は、後続の新しく始まる第2の演出シーン410dを拡大(ズーミング)、フェードインなどによって表示画面中に登場させるような合成、重畳態様の演出表示であっても、上述の実施形態で説明した描画制御技術を利用することができる。また、これらのシーンの合成、重畳態様には、上記の回転、ズーミング、フェード以外にも、例えばワイプ(IN/OUT)やオーバーラップなど他の任意のエフェクトを利用できるのはいうまでもない。
また、第1および第2の演出シーンの過渡期間においては、必ずしも第1および第2の演出画像Vd1、Vd2の全てを演出画像の合成ないし重畳に用いる必要はなく、例えば第1または第2の演出画像Vd1、Vd2の少なくとも一部が特定の演出態様で合成ないし重畳されていればよい。例えば、過渡期間の演出表示において合成ないし重畳される演出画像は、第1または第2の演出画像Vd1、Vd2から空間的または時間的に切り出された一部の演出画像であって構わない。例えば、空間的には、第1または第2の演出画像Vd1、Vd2のフレーム(画面)の1部を切り出した画像を合成ないし重畳に用いてもよく、また、時間的には、第1および第2の演出画像Vd1、Vd2が動画などである場合において、第1および第2の演出画像Vd1、Vd2のある時刻からある時刻までのシーケンスを切り出して合成ないし重畳に用いるようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、説明を容易にするため、第1の演出シーン410aから第2の演出シーン410dへの演出シーン切り換えのように2つの演出シーン間での切り換えを例示したが、3つ以上の演出シーンを連続して切り換える場合でも、上述の汎用バッファ6424を利用した描画制御技術は同様に実施することができる。例えば、第2の描画ルーチンRR2が描画している第2の演出シーンから、第3の演出シーンに切り換える場合は、第2の描画ルーチンRR2の描画結果の出力先を上述同様に汎用バッファ6424に切り換え、後続の演出シーンを描画する第3の描画ルーチン(RR3:不図示)が汎用バッファ6424に出力されている第2の演出画像を、後続の演出シーンへの過渡期におけるシーン画像の合成(重畳)に用いればよい。このような描画制御を繰り返すことにより、3つ以上の演出シーンを順次、切り換えていくような演出であっても容易に実現することができる。
要するに、演出シーン切り換えの過渡期間において、複数の演出シーンを構成する演出画像を合成する場合の特定の演出態様は、上記で具体的に例示した演出態様に限定されることなく、当業者が任意に設計、変更が可能である。
また、図10(C)のステップS133〜S134の遷移が生じた後は、第1の描画ルーチンRR1(図10(B))の動作は不要となる。このため、上述の例では、図10(A)に示した上位の描画制御処理が、第1の描画ルーチンRR1(図10(B))に終了指令を送信するものとしたが、図10(A)の上位の描画制御処理(または第2の描画ルーチンRR2(図10(C)))が第1の描画ルーチンRR1(図10(B))に相当する「タスク」(あるいは「プロセス」や「スレッド」)を停止(終了)させる手続(例えばシグナルやメッセージの送信)を実行するようにしてもよい。この第1の描画ルーチンRR1(図10(B))を停止(終了)させるための手続には、OSに用意されているマルチタスク(あるいはマルチプロセス、マルチスレッド)管理用のルーチンを利用するか、あるいはこれらとは別に新たに書き起こしたルーチンを利用することができる。また、図10(C)のステップS133〜S134の遷移が生じた場合にも、第2の描画ルーチンRR2(図10(C))から図10(A)の上位の描画制御処理に対して特定のシグナルやメッセージを送信し、これに応じて上位の描画制御処理(図10(A))が第1の描画ルーチンRR1(図10(B))を停止または終了させるように制御してもよい。
また、以上では、第1および第2の演出シーンの過渡期間において、第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先のVRAM642上の第2画像バッファとして汎用バッファ6424を例示したが、この第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先の第2画像バッファとしてZバッファ6422を利用できる可能性がある。例えば、第1または第2の描画ルーチン(RR1、RR2)のいずれかが3D描画を行う場合にはZバッファ6422が必要であるが、第1および第2の描画ルーチン(RR1、RR2)がいずれも2D描画を行う場合にはZバッファ6422は必要がなく、従って第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先の第2画像バッファとしてZバッファ6422を利用することができる。
そこで、例えば図10(A)の上位の描画制御処理が、第1および第2の描画ルーチン(RR1、RR2)の描画処理がいずれも2D描画である(どちらも3D描画を行わない)か否かを判定し、その結果に応じてZバッファ6422を第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先の第2画像バッファに用いるか否かを決定するよう制御してもよい。このような制御を行うことにより、第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先としてZバッファ6422を利用する、あるいは利用できる可能性が高まることになり、Zバッファ6422と別に汎用バッファ6424を確保する必要がなくなるため、演出制御に利用できるVRAM642の未使用領域の容量を拡大できる可能性がある。なお、図10(A)の上位の描画制御処理が、第1または第2の描画ルーチン(RR1、RR2)のいずれかが3D描画を行うと判定した場合には、第1の描画ルーチン(RR1)の出力切り換え先として、Zバッファ6422とは別に汎用バッファ6424を確保(割り当て)するよう制御することができる。これにより、Zバッファ6422を用いた3D描画に影響を及ぼすことなく、第1および第2の演出シーンの過渡期間における演出制御を実施することができる。
上記実施形態で示した、演出シーン切り換えに係るVRAMのメモリ領域を利用した描画制御は、遊技機、例えばスロットマシンの遊技仕様に限定されることなく、演出シーン切り換えを行う任意の遊技演出に利用することができる。例えば、以上では、複数のボーナス状態と、AT状態を備えた遊技仕様のスロットマシンを例示しているが、本発明の演出シーン切り換えに係るVRAMのメモリ領域を利用した描画制御は、ボーナス非搭載のスロットマシン、あるいはボーナス搭載機だがAT状態を設けないスロットマシンなどにおいても好適に実施することができる。また、以上では、リールユニットの表示窓DWの上部に演出用の表示装置410を設けた構成を示し、演出画像はこの表示装置410によって表示するものとしたが、上述の演出画像を表示するための構成は、演出用の表示装置の配置部位に拘らず実施することができる。例えば、いわゆる「下モニタ」のように、リールユニットの下部に配置される表示装置においても、上述と同様の構成により演出シーン切り換えを実施することができる。また、本発明の演出シーン切り換えを行う遊技演出は、遊技演出のための演出表示を行う表示装置を備えた遊技機であれば、スロットマシンに限定されることなく、例えばパチンコ機などにおいても好適に実施することができる。
1…スロットマシン(遊技機)、100…主制御部、300…副制御部、320…演出制御手段、400…演出装置、410…表示装置、601…CPU、610…VDP、640…画像制御部、642…VRAM、6421…フレームバッファ(第1画像バッファ)、6422…Zバッファ、6424…汎用バッファ(第2画像バッファ)。

Claims (2)

  1. 遊技制御を行う主制御部と、
    遊技演出のための演出表示を行う表示装置と、
    前記表示装置に表示する演出画像を格納するためのVRAMと、前記主制御部が遊技制御に応じて送信する信号に基づき前記表示装置および前記VRAMを制御する演出制御手段と、を有する副制御部と、
    前記VRAM上に割り当てられ前記表示装置に表示する演出画像を格納する第1画像バッファと、
    前記VRAM上に割り当てられ描画結果を格納する第2画像バッファと、
    を備え、
    前記演出制御手段は、
    第1の描画ルーチンにより描画された第1の演出画像を前記第2画像バッファに出力させ、
    第2の描画ルーチンによって、前記第2画像バッファの前記第1の演出画像の少なくとも一部を、第2の演出画像と特定の演出態様で合成した合成画像を前記第1画像バッファに出力させ、前記表示装置に表示させる遊技機。
  2. 遊技制御を行う主制御部と、
    遊技演出のための演出表示を行う表示装置と、
    前記表示装置に表示する演出画像を格納するためのVRAMと、前記主制御部が遊技制御に応じて送信する信号に基づき前記表示装置および前記VRAMを制御する演出制御手段と、を有する副制御部と、
    を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記VRAM上に割り当てられた第1画像バッファに第1の描画ルーチンによって第1の演出画像を描画させ、
    前記表示装置に表示させる画像を第1の演出画像から第2の演出画像に切り換える際、第1の描画ルーチンの出力先を前記VRAM上に割り当てられた第2画像バッファに切り換え、
    前記表示装置に表示させる画像を前記第1の演出画像から第2の演出画像に切り換える過渡期間の間、第2の描画ルーチンによって、前記第2の演出画像と、前記第1の描画ルーチンにより前記第2画像バッファに描画された前記第1の演出画像と、を特定の演出態様で合成した合成画像を前記第1画像バッファに出力させ、前記表示装置に表示させる遊技機。
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