以下、図面を参照しながら、実施形態に係るX線システムを説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
(第1実施形態)
まず、図1に基づいてX線システム1の全体構成について説明する。図1は、X線システム1の構成例を示すブロック図である。この図1に示すようにX線システム1は、広域ネットワークを介して、1又は複数のX線診断システム10〜nの設定が可能なシステムである。すなわち、X線システム1は、1又は複数のX線診断システム10〜nと、X線診断システム用サーバ20とを備えて構成されている。X線診断システム10〜nと、X線診断システム用サーバ20とは、広域ネットワークを介して接続され、相互に通信可能に構成されている。ここでの広域ネットワークは、例えばインターネット、専用回線等であり、物理的に離れた複数の拠点間を結ぶ通信網である。
X線診断システム10〜nのそれぞれは、X線を用いて人体を撮像する撮像装置、例えば一般X線撮影装置、X線透視装置などを有するシステムであり、固有の識別情報であるシステムIDが割り振られている。以下、X線診断システム10〜nにおける撮像装置として、一般X線撮影装置を例として説明するが、消化管造影検査等に用いられるX線透視装置等、様々なX線撮像装置に適用可能である。また、X線診断システム10〜nの設定は、システム毎に行うこうことが可能である。例えば、撮像装置の動作条件、画質設定、操作画面などの設定をシステム毎に行うことが可能である。より詳細には、システムの設定情報には、X線診断システム10〜nの構成に関する構成情報と、X線診断システム10〜nの中で操作者別に設定可能である設定情報とがある。すなわち、構成情報に基づきX線診断システム10〜nの構成が設定され、設定情報に基づき操作者別に設定可能である情報が設定される。
X線診断システム10〜nの構成は、病院などの施設、或いは医師毎に定められている。このため、構成情報の変更や選択は、施設の管理者、技師長、医師などの変更権限を有する者により行われる。一方で、設定情報は、操作者別に定められている。このため、設定情報の変更や選択は、操作者毎に行うことが可能である。
例えば、後述するように、管球から照射させるX線における撮影条件上限値、撮影後の画像に行う画像処理の種類などは、構成情報に含まれる。一方で、管球から照射させるX線における撮影条件、画像処理のパラメータなどは操作者別に設定可能であり、設定情報に含まれる。
また、X線診断システム10〜nは、病院などの施設毎に定められている構成情報と、操作者別に設定可能である設定情報とを、X線診断システム用サーバ20に、例えば定期的に送信している。これにより、X線診断システム用サーバ20は、X線診断システム10〜n毎のシステム環境に関する情報を定期的に更新し、記録している。X線診断システム10〜n及びX線診断システム用サーバ20の詳細な構成は後述する。
図2は、診療所毎に設置されているX線診断システムを示す図である。この図2に示すように、契約などにより日替わりで1名の放射線技師が複数の診療所A、B、C、Dなどを掛け持ちで訪問することがある。診療所A、B、C、Dには、それぞれX線診断システム10、12、14、16が設置されている。ところが、X線診断システム10、12、14、16毎に、例えば操作性、撮影条件値が異なると、操作ミスの誘発や、ユーザビリティ低下に繋がってしまう恐れがある。
そこで、再び図1に戻り、X線診断システム用サーバ20は、操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者に関連づけられた設定情報を、広域ネットワークを介してX線診断システム10〜nに出力する。より詳細には、X線診断システム用サーバ20は、X線診断システム10〜nの操作者が変わる度に、このX線診断システム10〜nを使用する操作者に関連づけられた設定情報をX線診断システム10〜nに、広域ネットワークを介して出力する。この設定情報が入力されたX線診断システム10〜nは、操作者に関連づけられた設定情報をシステムに設定する。これにより、操作者が通常使用しているシステム環境に近い設定をX線診断システム10〜nに行うことが可能である。
一方で、上述のように、X線診断システム10〜nのシステム設定には、病院などの施設毎、或いは医師毎に定められている構成情報がある。このため、X線診断システム用サーバ20は、X線診断システム10〜nに関連づけられた構成情報をX線診断システム10〜nに、広域ネットワークを介して出力する。これにより、病院などの施設毎、或いは医師毎に定められている設定をX線診断システム10〜nに行うことが可能である。例えば、A施設に勤務するA医師が、B施設に派遣され診察を行う場合には、A医師はB施設のX線診断システム12における構成情報の中からA医師の読影に適する構成を選択し、構成情報として設定することが可能である。これにより、A医師は、B施設においても、A医師の読影に適する構成をシステム設定可能である。この場合も、撮影者毎に設定情報は変更されるので、撮影者が交代しても、撮影者における操作性の低下は抑制される。
なお、X線診断システム用サーバ20に接続されるX線診断システム10〜nは複数でもよく、或いは、単一であってもよい。例えば、X線診断システム10のみがX線診断システム用サーバ20に接続される場合にも、操作者が変わる場合が有る。このような場合にも、操作者別のシステム設定が可能である。また、一つの施設内に、複数のX線診断システム10〜nを配置してもよい。さらにまた、X線診断システム10〜nと、X線診断システム用サーバ20とを同一の施設内に配置してもよい。この場合には、院内ネットワークを介してX線診断システム10〜nと、X線診断システム用サーバ20との間の通信が可能である。
次に、図3に基づき、X線診断システム10及びX線診断システム用サーバ20の詳細な構成例を説明する。図3は、X線診断システム10及びX線診断システム用サーバ20の構成例を示すブロック図である。ここでは、X線診断システム10が広域ネットワークを介してX線診断システム用サーバ20と通信している例について説明する。また、X線診断システム10の操作者は一人であり、操作者が交代する度に、操作者の認証が必要である場合について説明する。X線診断システム12〜nの構成は、X線診断システム10と同等の構成あるので説明を省略する。
<X線診断システム10の構成>
X線診断システム10は、X線診断システム用サーバ20から入力されるX線診断システム10の構成に関する構成情報と、操作者に関連づけられた設定情報とに基づきシステム設定を行う。すなわち、このX線診断システム10は、システム設定装置100と、X線撮像システム200とを備えて構成されている。
システム設定装置100は、X線診断システム10のシステムIDと操作者の操作者IDとをX線診断システム用サーバ20に出力する。そして、システム設定装置100は、システムIDに関連づけられたX線診断システム10の構成に関する構成情報と、X線診断システム10の中で操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者IDに関連づけられた設定情報とを、X線診断システム用サーバ20から広域ネットワークを介して取得する。より詳細には、システム設定装置100は、ログイン管理回路102と、システムID管理回路104と、ネットワーク接続回路106と、変更回路108と、第1ディスプレイ110と、第1入力回路112と、システム設定回路114とを備えて構成されている。
ログイン管理回路102は、操作者のIDを管理する回路であり、操作者の認証を行う。すなわち、このログイン管理回路102は、操作者を認証すると、操作者の操作者IDを出力し、X線診断システム10による撮影を許可する。また、ログイン管理回路102は、操作者IDに変更権限を設定可能であり、システム構成の変更権限を有する施設の責任者、医師、技師長などの操作者IDに変更権限を設定している。
より詳細には、ログイン管理回路102は、システムID管理回路104とネットワーク接続回路106とに接続され、システムID管理回路104にシステムIDを出力させると共に、操作者の操作者IDをネットワーク接続回路106に出力する。例えば、操作者が、操作者の名前とパスワードを入力すると、予め操作者の名前及びパスワードに関連付けられている操作者IDをネットワーク接続回路106に出力する。このように、ログイン管理回路102は、認証した操作者に対応する操作者IDを発行する。
システムID管理回路104は、X線診断システム10のシステムIDを記憶し、ネットワーク接続回路106にシステムIDを出力する。すなわち、システムID管理回路104は、ログイン管理回路102と、ネットワーク接続回路106とに接続され、ログイン管理回路102の要求にしたがいシステムIDをネットワーク接続回路106に出力する。これにより、操作者がログイン管理回路102を介して、X線診断システム10へのログイン操作を行うと、システムIDがネットワーク接続回路106に出力される。
ネットワーク接続回路106は、X線診断システム用サーバ20と広域ネットワークを介して接続され、通信を行う。すなわち、このネットワーク接続回路106は、供給回路106Aと、取得回路106Bとを備えて構成されている。供給回路106Aは、システムIDと操作者IDとを、広域ネットワークを介してX線診断システム用サーバ20に供給する。なお、本実施形態では、システムIDが第1識別情報に対応し、操作者IDが、第2識別情報に対応する。
より詳細には、供給回路106Aは、ログイン管理回路102と、システムID管理回路104と、X線診断システム用サーバ20と接続され、ログイン管理回路102から操作者IDが入力され、システムID管理回路104からシステムIDが入力され、操作者IDとシステムIDとを、X線診断システム用サーバ20に供給する。すなわち、供給回路106Aは、ログイン管理回路102による操作者の認証が行われると、操作者IDとシステムIDとを、X線診断システム用サーバ20に供給する。このように、X線診断システム10の操作者が、ログイン管理回路102を介してX線診断システム10へのログインを行うと、供給回路106Aは、システムIDと操作者IDとをX線診断システム用サーバ20に供給する。
取得回路106Bは、システムIDに関連づけられたX線診断システム10の構成に関する構成情報と、X線診断システム10の中で操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者IDに関連づけられた設定情報とを、X線診断システム用サーバ20から広域ネットワークを介して取得する。より詳細には、取得回路106Bは、X線診断システム用サーバ20と、変更回路108と、システム設定回路114と、に接続され、X線診断システム用サーバ20から取得したX線診断システム10の構成に関する構成情報と、操作者IDに関連づけられた設定情報とを、変更回路108と、システム設定回路114とに出力する。
変更回路108は、構成情報、及び設定情報のいずれかを変更、或いは選択する場合に起動される。この変更回路108では、操作者IDに設定された変更権限に従い、変更、或いは選択が許可される情報が異なる。すなわち、医師、技師長などのようにシステムの変更権限を有する操作者のみに、構成情報の変更、選択を許可している。一方で、通常の操作者には、操作者IDに関連づけられた設定情報のみの変更、選択を可能にしている。このように、変更回路108は、X線診断システム10の構成及び設定の変更や、初期設定に用いられる。
一方で、変更回路108を起動しない場合には、構成情報及び設定情報は、システム設定回路114に直接出力される。このため、変更回路108を起動しない場合には、操作者がログイン管理回路102を介してX線診断システム10へログインするだけで、操作者に関連付けられた設定情報に基づく設定がX線診断システム10に行われる。
より詳細には、変更回路108は、取得回路106Bと、第1ディスプレイ110と、第1入力回路112と、システム設定回路114とに接続され、選択或いは変更可能な構成を第1ディスプレイ110に表示させる。後述するように、変更回路108には、X線診断システム10の構成情報として、複数台の撮影装置の情報が入力される場合がある。このような場合に、操作者は、操作者の撮影や、読影などに適した撮影装置を変更回路108により選択、或いは変更することが可能である。
第1ディスプレイ110は、各種の情報を表示するための、液晶表示装置などによって実現される。より詳細には、ディスプレイは、変更回路108に接続され、変更回路108で処理された画像などを輝度信号に変換し画面に表示する。
第1入力回路112は、構成情報の選択などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等によって実現される。より詳細には、第1入力回路112は、変更回路108に接続され、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換し、選択、或いは変更信号として変更回路108に出力する。変更回路108は、第1入力回路112により選択、或いは変更された構成情報をX線診断システム用サーバ20に供給回路106Aを介して出力し、X線診断システム用サーバ20にシステムIDと関連づけて記録させる。また、変更回路108は、第1入力回路112により選択、或いは変更された設定情報をX線診断システム用サーバ20に操作者IDと関連づけて記録させる。さらにまた、変更回路108は、変更後の構成情報及び設定情報をシステム設定回路11にも出力する。
また、供給部は、変更回路108において変更された構成情報をX線診断システム用サーバ20に供給し、取得回路106Bは、変更された構成情報に応じた設定情報を再取得する。このように、設定情報が構成情報の変更により、変更の必要がある場合にも、設定情報を再取得することで変更された構成情報に応じた設定情報を取得可能である。
システム設定回路114は、構成情報に基づきX線診断システム10の構成を制御装置206に設定し、設定情報に基づきX線診断システム10の設定を制御装置206に設定して、制御装置206にX線診断システム10のシステム設定を行わせる。より詳細には、システム設定回路114は、ネットワーク接続回路106内の取得回路106Bと、変更回路108と、X線撮像システム200内の制御装置206及び撮像装置202とに接続され、構成情報に基づきX線診断システム10の構成を制御装置206に設定し、設定情報に基づきX線診断システム10の設定を制御装置206に設定して、制御装置206にX線診断システム10のシステム設定を行わせる。また、システム設定回路114は、例えば定期的に、制御装置206及び撮像装置202の少なくとも一方からX線診断システム10の構成情報、及び設定情報と、使用可能な撮像装置などの情報とを、取得し、供給回路106Aを介してX線診断システム用サーバ20に出力し、記録させる。
X線撮像システム200は、システム設定装置100におけるシステム設定回路114の設定にしたがいX線診断システム10のシステム設定を行う。すなわち、このX線撮像システム200は、撮像装置202と、記憶回路204と、制御装置206と、第2ディスプレイ208と、第2入力回路210とを備えて構成されている。
撮像装置202は、X線撮影が可能なシステムであり、X線を被検体に向けて発生する管球と、管球が発生したX線に基づいてX線画像を取得するX線検出器とを有する。より詳細には、撮像装置202は、制御装置206に接続され、制御装置206の制御にしたがい撮影を行う。また、撮像装置202は、撮影したX線画像を制御装置206などに出力する。撮像装置202の詳細な構成例は後述する。
記憶回路204は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶回路204は、制御装置206の撮影制御回路206A及びデジタル画像処理回路206Bにて行われる各処理機能を、コンピュータによって実行可能なプログラム形態で、記憶している。また、X線撮像システム200で用いられる各種のデータを記憶する。
制御装置206は、システム設定回路114に設定された構成情報及び設定情報に基づき、X線診断システム10のシステム設定を行うと共に、X線診断システム10の制御を行う。すなわち、この制御装置206は、撮影制御回路206Aと、デジタル画像処理回路206Bとを、備えて構成されている。
具体的には、撮影制御回路206Aは、撮像装置202と、デジタル画像処理回路206Bとを制御する。すなわち、この撮影制御回路206Aは、システム設定回路114と、撮像装置202と、デジタル画像処理回路206Bとに接続され、システム設定回路114の設定にしたがい撮像装置202とデジタル画像処理回路206Bとを、制御する。より詳細には、プログラムを記憶回路204から読み出し、実行することで各プログラムに対応する各制御機能500を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の撮影制御回路206Aは、各処理機能を有することとなる。撮影制御回路206Aの詳細も後述する。
デジタル画像処理回路206Bは、撮像装置202により撮影されたX線画像に画像処理を施す。すなわち、このデジタル画像処理回路206Bは、システム設定回路114と、撮像装置202と、撮影制御回路206Aとに接続され、システム設定回路114の設定にしたがい、撮像装置202により撮影されたX線画像に画像処理を施す。具体的には、プログラムを記憶回路204から読み出し、実行することで各プログラムに対応する各制御機能500を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態のデジタル画像処理回路206Bは、各処理機能を有することとなる。デジタル画像処理回路206Bの詳細も後述する。
第2ディスプレイ208は、上述の第1ディスプレイ110と同様の構成であり、撮影制御回路206A及びデジタル画像処理回路206Bに接続され、撮影制御回路206Aで生成された操作画面、及びデジタル画像処理回路206Bで処理された画像などを輝度信号に変換し画面に表示する。第2入力回路210は、上述の第1入力回路112と同様の構成であり、撮影制御回路206A及びデジタル画像処理回路206Bに接続され、操作者から受け取った入力操作を、撮影制御信号に変換して撮影制御回路206Aに出力する。或いは、操作者から受け取った入力操作を、画像処理制御信号に変換してデジタル画像処理回路206Bに出力する。
<X線診断システム用サーバ20の構成>
X線診断システム用サーバ20は、第3入力回路300と、記録回路302と、設定情報選択回路304と、出力回路306と、を備えて構成されている。第3入力回路300は、X線撮像システム200を識別するシステムIDと操作者を識別する操作者IDとを広域ネットワークを介して受け付け、入力する。より詳細には、第3入力回路300は、X線診断システム10の供給回路106Aと、記録回路302とに接続され、供給回路106Aから入力されたシステムIDと操作者IDとを、受け付け、記録回路302に出力する。
記録回路302は、X線診断システム10の構成情報及び設定情報を記録しており、システムID管理データベース302Aと、ユーザ管理データベース302Bとを、備えて構成されている。すなわち、システムID管理データベース302Aは、システムIDに関連づけられたX線診断システム10の構成に関する構成情報を記録し、ユーザ管理データベース302Bは、操作者IDに関連づけられた設定情報を記録している。
より詳細には、記録回路302は、X線診断システム10の供給回路106Aと、設定情報選択回路304と、出力回路306とに接続され、供給回路106Aから供給されたシステムIDに関連づけられた構成情報を設定情報選択回路304と、出力回路306とに出力する。
設定情報選択回路304は、記録回路302から入力された構成情報に基づき、システムIDに対応するX線診断システム10の中で操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者IDに関連づけられた設定情報を出力する。すなわち、設定情報選択回路304は、システムIDに対応するX線診断システム10の中で操作者別に設定可能である設定情報に関して、操作者IDに関連づけられて記録部302に記録されている設定情報の中から、少なくとも1つの設定情報を選択する。
これにより、X線診断システム10の操作者が、例えば他のX線診断システム12〜nの使用時に設定した設定情報なども使用可能になる。また、設定情報選択回路304を設けることで、システムID管理データベース302Aと、ユーザ管理データベース302Bとを独立に構成することが可能である。すなわち、ユーザ管理データベース302B内の情報をシステムIDと関連づけずに構成可能である。
出力回路306は、システムIDに関連づけられたX線診断システム10の構成に関する構成情報と、設定情報選択回路304により選択された設定情報とを、X線診断システム10の取得回路106Bに出力する。より詳細には、出力回路306は、記録回路302と、設定情報選択回路304と、取得回路106Bとに接続され、記録回路302から入力された構成情報と、設定情報選択回路304から入力された設定情報とを、取得回路106Bに出力する。
次に、図4に基づき、撮像装置202の詳細な構成例を説明する。図4は、複数のX線診断システム10、20における撮像装置202の構成を模式的に示す図である。ここでは、「システムID:2008」で識別されるA内科、胃腸科のX線診断システム10における撮像装置202の構成例(図2)と、「システムID:1007」で識別されるB整形外科のX線診断システム12における撮像装置202の構成例(図2)とを示している。この図4に示すように、X線診断システム10における撮像装置202は、X線検出器400と、立位の撮影台402と、管球404と、可搬型のX線検出器(17X17)406とを、有している。
X線検出器400は、平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)により構成されている。FPDはイメージセンサを有しており、イメージセンサには、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)や、CCD(Charge Coupled Device)などが利用されている。より詳細には、X線検出器400は、撮影制御回路206Aとデジタル画像処理回路206Bとに接続され、撮影制御回路206Aの制御に従い、管球404から照射されるX線に基づいてX線画像を取得する。そして、X線検出器400で撮影された画像は、デジタル画像処理回路206Bに出力される。
立位の撮影台402は、X線検出器400を上下に可動可能に支持している。より詳細には、立位の撮影台402は、撮影制御回路206Aに接続され、撮影制御回路206Aの従い、モーター駆動によりX線検出器400を上下に動かすことができる。
管球404は、立位の撮影台402に支持されるX線検出器400に向けてX線を発生する。より詳細には、管球404は、高電圧発生器に接続され、撮影制御回路206Aの制御にしたがい高電圧発生器から供給された管電圧とフィラメント電流に応じたX線を出力する。
可搬型のX線検出器(17X17)406は、平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)により構成されている。可搬型のX線検出器(17X17)406は、縦17インチ、横17インチの撮影面を有し、例えば、X線検出器400による撮影が困難である部位の撮影に用いられる。この可搬型のX線検出器(17X17)406は、撮影制御回路206Aとデジタル画像処理回路206Bとに無線通信により接続され、撮影制御回路206Aの制御に従い管球404から照射されるX線を撮影する。そして、可搬型のX線検出器(17X17)406で撮影された画像は、無線通信によりデジタル画像処理回路206Bに出力される。
X線診断システム12における撮像装置202は、X線診断システム10における撮像システムと同等の構成に加え、管球408と、X線検出器410と、臥位の撮影台412と、可搬型のX線検出器(14X17)414とを有している。ここでは、X線診断システム10における撮像装置202と同等の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
X線検出器410は、X線検出器400と同等の構成であり、例えば臥位の撮影台412に設置されている。すなわち、X線検出器410は、撮影制御回路206Aとデジタル画像処理回路206Bとに接続され、撮影制御回路206Aの制御に従い管球408から照射されるX線を撮影する。そして、X線検出器410で撮影された画像は、デジタル画像処理回路206Bに出力される。
臥位の撮影台412は、X線検出器410を固定支持している。より詳細には、臥位の撮影台412は、撮影制御回路206Aに接続され、撮影制御回路206Aに従い、モーター駆動により撮影台自体を上下に動かすことができる。
可搬型のX線検出器(14X17)414は、平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)により構成されている。可搬型のX線検出器(14X17)414は、縦14インチ、横17インチの撮影面を有し、例えば、X線検出器400、414による撮影が困難である部位の撮影に用いられる。可搬型のX線検出器(14X17)414は、可搬型のX線検出器(17X17)406と比べ、小型であるため、取り扱いが容易であり、撮影範囲の狭い手足、膝などの撮影に用いられる。すなわち、可搬型のX線検出器(14X17)414は、撮影制御回路206Aとデジタル画像処理回路206Bとに無線通信により接続され、撮影制御回路206Aの制御に従い管球404、408から照射されるX線を撮影する。そして、X線検出器400で撮影された画像は、デジタル画像処理回路206Bに無線通信により出力される。
次に、図3及び図4を参照にしつつ、図5に基づき撮影制御回路206Aが有する機能例について詳細に説明する。図5は、撮影制御回路206Aが有する機能について示すブロック図である。すなわち、撮影制御回路206Aは、制御機能500と、撮影装置制御機能502と、管球制御機能504と、撮影条件設定機能506と、撮影台制御機能508と、出力先設定機能510と、操作画面設定機能512と、撮影機能設定機能514と、アノテーション設定機能516とを備えて構成されている。
制御機能500は、撮影制御回路206A内の各機能及びデジタル画像処理回路206Bの制御を行い、システム設定回路114に設定された設定に従ったシステムを設定する。すなわち、制御機能500は、システム設定回路114に設定された設定に基づき、X線診断システム10内の各装置、各回路などに設定を行う。そして、制御機能500は、これらの設定が行われたシステムの動作制御を以下の機能と連携して行う。
撮影装置制御機能502は、制御機能500に設定された撮影装置を制御する機能である。例えば、撮影装置制御機能502は、X線検出器400に、休止駆動、暗電流の吐き出し駆動、電荷蓄積駆動、及び電荷吐き出し駆動のうちのいずれかの駆動を行わせる制御を行う。このように、撮影装置制御機能502は、撮影装置が撮影を行うための動作制御を行う。
また、撮影装置制御機能502は、X線診断システム10で行われた撮影の履歴をシステムの撮影履歴として記憶回路204に記憶し、X線診断システム用サーバ20に出力する。この場合、X線診断システム用サーバ20のシステムID管理データベース302Bに記録させる。さらにまた、撮影装置制御機能502は、撮像システムで行われた撮影の履歴の中でログインしている操作者が行った撮影の履歴を操作者の撮影履歴として記憶回路204に記憶し、X線診断システム用サーバ20に出力する。この場合、X線診断システム用サーバ20のユーザ管理データベース302Bに記録させる。
管球制御機能504は、管球404、408に接続される高電圧発生装置が供給する管電圧とフィラメント電流と撮影時間とを制御する。すなわち、管球制御機能504は、制御機能500に設定された管球404、408それぞれを制御する。このように、管球制御機能504は、管球404、408から照射されるX線の線質及び強度を制御する。また、管球制御機能504は、管球の位置を制御する。例えば、管球制御機能504には、X線検出器400の位置情報が入力されており、管球404、408がX線検出器400の位置を追随するように制御を行う。この際に、管球制御機能504は、X線検出器400の上側にX線を照射する撮影位置上、中間に照射する撮影位置中、及び下側に照射する撮影位置下のいずれかに管球位置を制御する。すなわち、管球制御機能504には、制御機能500に設定された撮影位置上、撮影位置中、及び撮影位置下のいずれかに管球404、408の位置を制御する。このように、管球制御機能504は、設定された撮影位置に従い管球位置の制御も行う。
撮影条件設定機能506は、管球404、408に接続される高電圧発生装置の撮影条件を設定する機能である。すなわち、撮影条件設定機能506は、撮影部位毎に管電圧、管電流、X線発生時間を設定する。ここでの撮影条件は、管電圧、管電流、及びX線発生時間を意味する。例えば、撮影条件設定機能506は、胸部正面の撮影用に管電圧、管電流、X線発生時間を設定する。この胸部正面の撮影用に設定された撮影条件は、胸部正面の撮影を行う際に、管球制御機能504により高電圧発生装置に出力され、X線の撮影条件が制御される。このように、撮影条件設定機能506は、撮影部位毎に、管球から照射されるX線の線質及び強度を設定する。
撮影台制御機能508は、撮影台402、412における可動部の位置を制御する。すなわち、撮影台制御機能508は、制御機能500に設定された撮影台402、412それぞれを制御する。上述のように、撮影台制御機能508は、立位の撮影台402では、支持するX線検出器400を上下させる制御を行う。また、撮影台制御機能508は、臥位の撮影台412では、寝台をX線検出器410と共に、上下させる制御を行う。このように、撮影台制御機能508は、被検体を撮影する際のX線検出器400、410の位置を変更する制御を行う。
操作画面設定機能512は、ディスプレイに表示させる操作画面の配置及び配色を制御する。すなわち、操作画面設定機能512は、制御機能500に設定された操作画面の配置及び配色に従った操作画面を生成する。
出力先設定機能510は、デジタル画像処理回路206Bで画像処理を施されたX線画像の出力先を設定する。すなわち、出力先設定機能510は、制御機能500に設定された出力先に画像処理後のX線画像を出力する。また、デジタル画像処理回路206Bを介さずにX線画像を出力する場合の出力先も設定可能である。この場合には、撮影装置で撮影されたX線画像が設定された出力先に出力される。
撮影機能設定機能514は、所謂、オプションの処理機能を稼働状態にする機能である。すなわち、撮影機能設定機能514は、制御機能500に設定された撮影機能を稼働状態にする。例えば、このようなオプションの処理機能には、エネルギーサブトラクション処理機能、長尺撮影機能などがある。エネルギーサブトラクション処理機能は、異なるX線の線質で撮影された同一被写体の2枚の画像間の差分をとる処理である。これにより、例えば骨部の組織の情報を減弱し、軟部組織の診断を行いやすい画像を得ることが可能である。また、長尺撮影機能は、例えば脚全体の撮影を行う場合に、立位の撮影台402に支持されるX線検出器400の位置を連続的に変更して撮影を行う機能である。これにより、複数のX線画像が連続的に撮影され、X線検出器400の撮影面を超える範囲の被検体の撮影が可能になる。
アノテーション機能は、画像処理されたX線画像に文字情報を加える機能である。例えば、アノテーション機能は、患者名、画像処理パラメータ、撮影条件などを画像の端部に記載する。このアノテーションとして記載する文字情報は、施設別に設定可能である。すなわち、アノテーション機能は、制御機能500に設定されたアノテーションを画像処理後の画像に加える処理を行う。
次に、図6に基づきデジタル画像処理回路206Bが有する機能例について詳細に説明する。図6は、デジタル画像処理回路206Bが有する機能について示すブロック図である。すなわち、デジタル画像処理回路206Bは、周波数処理(1)機能600と、周波数処理(2)機能602と、ダイナミックレンジ圧縮処理(1)機能604と、ダイナミックレンジ圧縮処理(2)機能606と、階調処理(1)機能608と、階調処理処理(2)機能610と、とを備えて構成されている。撮影装置に用いられる画像処理に関しては、医師の読影経験や、過去に使用した画像処理機能に依存して、医師が好む画像処理機能が異なる。このため、例えば、使用される画像処理機能が医師毎にシステム設定回路114により設定される。
周波数処理(1)機能600は、例えば多重周波数処理をX線画像に施す機能である。ここでの周波数処理は、特定の周波数帯域の周波数成分の振幅を増加させる処理である。この周波数処理をX線画像に施すと、X線画像がより鮮鋭に表示される。周波数処理(1)機能600では、強調する周波数帯を細かく設定可能である。このため、撮影部位毎に、強調周波数帯をより高精度に設定可能である。
周波数処理(2)機能602は、移動平均を用いたフィルタリング処理をX線画像に施す機能であり、画像処理としては、より古くから行われてきた処理機能である。このため、医師によっては、使用実績のある周波数処理(2)機能602を好む場合もある。
ダイナミックレンジ圧縮処理(1)機能604は、例えば多重周波数処理を用いたダイナミックレンジ圧縮処理をX線画像に施す機能である。ダイナミックレンジ圧縮処理(1)機能604は、オーバシュートなどのアーティファクトの抑制処理が可能な機能である。ここでの、ダイナミックレンジ圧縮処理は、高域の周波数成分の振幅を維持した状態で、中低域の周波数成分の振幅を圧縮する処理である。ダイナミックレンジの広いX線検出器400では、診断可能な画素値範囲を広げることが可能であり、有効な処理の一つである。
ダイナミックレンジ圧縮処理(2)機能606は、例えば移動平均を用いて生成した低周波画像を用いたダイナミックレンジ圧縮処理機能であり、画像処理としては、より古くから行われてきた処理機能である。このため、医師によっては、使用実績のあるダイナミックレンジ圧縮処理(2)機能606を好む場合もある。
階調処理(1)機能608は、所謂、シングルガンマの階調処理をX線画像に行う機能である。この階調処理(1)機能608は、シングルガンマの階調を好む医師に用いられる。
階調処理(2)機能は、所謂、ダブルガンマの階調処理をX線画像に行う機能である。この階調処理(2)機能は、ダブルガンマの階調を好む医師に用いられる。
周波数処理、及びダイナミックレンジ圧縮処理に関しては、画像処理を行わない画像を好む医者もいる。このため、周波数処理機能、及びダイナミックレンジ圧縮処理機能に関しては、画像処理機能の設定を行わないことも可能である。例えば、アナログフィルムの読影になれた医者は、画像処理を施さない画像を好む場合もある。
以上が本実施形態に係るX線システム1の構成の説明であるが、次に図7に基づいて、「システムID:2008」に関連づけられたX線診断システム10における撮像システムの構成情報の一例について説明する。
図7は、X線診断システム10における撮像システムの構成情報を示す図である。すなわち、図7で示す図は、変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像である。ここでは、アスタリスク「*」は、複数の選択肢の中で現在のX線診断システム10に設定されている構成、すなわちシステムの変更権限を有する操作者が選択した構成情報を示している。また、ここでは選択肢がない構成情報もディスプレイに表示させている。上述のように、これらの表示は、X線診断システム用サーバ20から取得された「システムID:2008」に関連付けられた構成情報に基づき行われている。
この図7に示すように撮影条件上限値は、管球404から照射させるX線における撮影部位別の上限値である。このように、撮影条件上限値の欄は、「システムID:2008」に関連づけられており、撮影部位別に設定されている撮影条件上限値を表示する。撮影条件上限値は、選択肢のない構成情報であり、施設毎に統一的に設定されている。すなわち、この項目を変更すると、同一施設内における他のX線診断システムの設定も変更される。このように、ここでの構成情報は、管球404から照射させるX線における撮影部位別の撮影条件上限値である。そして、撮影制御回路206Aは、撮影条件上限値を用いたX線診断システム10の設定を行う。
撮影装置の欄は、X線診断システム10内で使用可能である撮影装置を表示する。可搬型の撮影装置は、複数の検査室で共用されており、X線診断システム10内で使用される可搬型の撮影装置は、撮影日毎などに変更される可能性がある。上述のように変更権限のある操作者は、第1入力回路112を介して撮影装置の選択が可能である。例えば、内科、胃腸科では、腹部の撮影に適する可搬型撮影装置(17X17)を好む傾向がある。選択された撮影装置は、構成情報としてシステム設定回路114に出力される。このように、ここでの構成情報は、X線撮像システム200において使用可能である複数のX線検出器の中のいずれのX線検出器を使用するかを示す使用情報である。このように、複数のX線検出器の中には可搬型のX線検出器が含まれる場合がある。そして、撮影制御回路206Aは、使用情報に基づくX線検出器を用いたX線診断システム10の設定を行う。
管球の欄は、撮像システム内で使用可能である管球を表示する。操作者は、第1入力回路112を介して管球(1)で示す管球404の選択が可能である。選択された管球404は、構成情報としてシステム設定回路114に出力される。移動型の管球は、例えば回診用のX線撮影装置に搭載される管球を示している。回診用のX線撮影装置は、一般に検査室で使用されることは無いが、緊急時には選択できることを示している。このように、ここでの構成情報は、X線診断システム10において使用可能である複数の管球の中のいずれの管球を使用するかを示す使用情報である。そして、撮影制御回路206Aは、使用情報に基づく管球を用いたX線診断システム10の設定を行う。
撮影台の欄は、X線診断システム10内で使用可能である撮影台を表示する。X線診断システム10内では、選択肢がなく、立位の撮影台402が構成情報として選択されている。このように、ここでの構成情報は、X線撮像システム200において使用可能である複数の撮影台の中のいずれの撮影台を使用するかを示す使用情報である。そして、撮影制御回路206Aは、使用情報に基づく撮影台を用いたX線診断システム10の設定を行う。
図8は、X線診断システム12における撮像システムの構成情報を示す図である。すなわち、図8で示す図は、変更回路108がディスプレイに表示させている画像である。ここでは、図7で示した構成情報と異なる部分を説明する。この図8に示すように、撮影条件上限値の欄には、X線診断システム10と異なる撮影条件上限値が表示されている。
撮影装置の欄には、超音波診断装置も使用可能であることが表示されている。このように、このX線診断システム12では、X線撮影装置以外の撮影装置も使用可能である。ここでの構成情報は、X線診断システム12において使用可能である複数の撮影装置の中のいずれの撮影装置を選択するかを示す選択情報である。そして、X線診断システム12の撮影制御回路206Aは、使用情報に基づく撮影装置を用いたX線診断システム12の設定を行う。
管球の欄は、上述と同様に、X線診断システム12内で使用可能である管球を表示する。X線診断システム12内では、管球404、408、移動型管球が使用可能である。ここでは、管球(1)で示す管球404と、管球(2)で示す管球408が選択されており、構成情報としてシステム設定回路114に出力される。
撮影台の欄は、上述と同様に、X線診断システム12内で使用可能である撮影台を表示する。X線診断システム12内では、立位の撮影台402と、臥位の撮影台412との2台が選択されていることを表示している。操作者は、第1入力回路112を介して撮影台の再選択が可能であり、選択された撮影台は、構成情報としてシステム設定回路114に出力されると共に、X線診断システム用サーバ20に出力される。
次に図9に基づいて、操作者IDに関連づけられた設定情報の例について説明する。図9は、X線診断システム12に関する設定情報を示す図である。ここでは、システムの変更権限のない操作者がX線診断システム12にログインし、変更回路108を起動した場合について説明する。また、図8で示したように、X線検出器400(1)、X線検出器400(2)、可搬型X線検出器(17X17)、可搬型X線検出器(14X17)が、X線診断システム12内で使用する撮影装置として選択されている。アスタリスク「*」は、現在の撮像システム構成1に設定されている設定情報、すなわち今の操作者の設定情報を示している。
再び図9に戻り、撮影装置の下に記載される順番が操作画面上のボタンへの機能割り当て順を示している。例えば「1番目」は、X線検出器(1)がボタンとして左から1番目に配置されることを示し、「3番目」は、X線検出器(2)がボタンとして左から3番目に配置されることを示し、「2番目」は、可搬型X線検出器(17X17)がボタンとして左から2番目に配置されることを示し、「4番目」は、可搬型X線検出器(14X17)がボタンとして左から4番目に配置されることを示している。このように、例えばボタンへの機能割り当て順を示す設定情報は、X線診断システム12内で選択された撮影装置の構成情報に応じて制限される。換言すると、撮影装置の構成情報に応じて選択された撮影装置にしか、ボタンへの機能割り当て順を示す設定を行うことができない。
本実施形態においては、「ボタン」を例として挙げるが、操作画面上において項目を選択可能なGUIであれば、「ボタン」以外のものも用いることができる。例えば、選択箇所を示すアイコンを、ドラッグ・アンド・ドロップによって、項目を表すアイコン上に重ねることにより当該項目を選択するようなGUIを用いることができる。
ここでの設定情報は、操作画面上の各操作ボタンへ、選択された撮影装置を割り振る機能割り当て順の情報であり、撮影制御回路206Aは、機能割り当て順の情報に基づくボタンを使用するX線診断システム12の設定を行う。各操作ボタンを介して入力された起動信号などは、撮影制御回路206Aの撮影装置制御機能502に出力され、各操作ボタンに割り振られた撮影装置を例えば起動する。
また、使用言語の欄は、X線診断システム12に使用可能である言語を示している。すなわち、「操作者ID:1007」で示す操作者は、例えば使用可能な言語である日本語、英語、独語の中から日本語を選択し、設定している。このように、使用言語は、構成情報の設定の影響を受けずに、設定できる項目である。つまり、ここでの設定情報は、使用言語の情報であり、撮影制御回路206Aは、使用言語の情報に基づく言語を使用するX線診断システム12の設定を行う。なお、設定情報も第1入力回路112を介して変更、及び再設定が可能である。
これらから分かるように、操作者の操作者IDに関連づけられる設定情報には、ボタンへの機能割り当て順のように構成情報に応じて制限される設定情報と、使用言語のように構成情報の設定の影響を受けずに、設定できる設定情報とがある。
図10に基づき、図9で示すボタンへの機能割り当て順に従い、撮影制御回路206Aの操作画面設定機能512が生成した操作画面のボタンについて説明する。図10は、操作画面設定機能512が生成した操作画面のボタンを示す図である。
この図10に示すように、撮影ボタンは、X線検出器400(1)可搬型X線検出器(17X17)、X線検出器400(2)可搬型X線検出器(14X17)の順に配置されている。例えば、操作画面上のこれらのボタンを押下すると、関連の操作画面に表示が切り替わると共に、押下された撮影装置は、撮影制御回路206Aにおける撮影装置制御機能502の制御に従い起動され、撮影の準備動作に入る。このように、操作画面のボタンの機能割り当て順は、操作者が操作の好みに合わせて設定可能である。例えば、この機能の割り当て順は、「操作者ID:005」で示す操作者が整形外科で撮影を行う場合に使用している順番である。
これらから分かるように、X線診断システム12内で使用する撮影装置の選択は、構成情報に従い設定されるので、施設内の医師などが読影に用いたい撮影装置に使用が制限される。このため、施設内の医師は、読影に用いたい撮影装置で撮影された画像を読影することができる。一方で、機能の割り当て順は、操作者の設定にしたがい配置されるので、操作者の操作性を優先することが可能である。このように、構成情報で定められた制限の中で、操作者の操作性を向上させることが可能である。一方で、上述の使用言語などは、構成情報の制限を受けず、操作者の操作性を向上させるように設定可能である。
図11は、撮影プリセットにおける構成情報例を示す図であり、図11に基づき、撮影プリセットにおける構成情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の構成情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。撮影プリセットは、撮影装置で撮影を行う前に設定される情報である。この図11に示すように撮影プリセットの構成情報は、画像処理、撮影位置などがある。X線診断システム12では、周波数処理(1)、階調変換処理(1)が選択されている。一方で、X線診断システム12ではダイナミックレンジ圧縮処理は選択されていない。すなわち、ここでの構成情報は、X線診断システム12において使用可能である画像処理機能の中から使用する画像処理機能を選択する選択情報である。
また、撮影位置は、撮影位置中が選択されている。ここでは、外側の四角が撮影装置の撮影範囲、すなわち、撮影装置の撮影面を示し、内側の四角が管球により照射されるX線の範囲を示している。このように、医師などにより、管球から照射されるX線の照射範囲の位置は選択される。ここでの構成情報は、X線検出器の中の撮影位置を示す位置情報である。そして、撮影制御回路206Aは、位置情報が示す撮影位置において撮影を行うX線診断システム12を設定する。
図12は、撮影プリセットの設定情報例を示す図であり、図12に基づいて、操作者IDに関連づけられた撮影プリセットの設定情報の例について説明する。ここでの撮影プリセットは、X線診断システム12に関する撮影プリセットある。ここでは、周波数処理(1)及び階調変換処理(1)のパラメータが設定されている。周波数処理(1)の強度は数字が大きくなるに従い、所定の周波数帯における周波数成分の振幅が増加する。また、階調変換処理(1)のパラメータは特定の関心領域の基準濃度を示している。例えば胸部正面では、第5肋間の濃度が1.9になるように階調変換処理される。このように、ここでの設定情報は、使用する画像処理機能のパラメータである。換言すると、設定情報である画像処理機能のパラメータは、構成情報に基づき選択される画像処理に制限されている。そして、撮影制御回路206Aは、選択情報に基づき選択された画像処理機能を、パラメータに従い実行するX線診断システム12の設定を行う。
撮影条件は、操作者が通常使用する撮影部位別の撮影条件を示している。すなわち、管電圧、管電流、撮影時間である。このように、ここでの設定情報は、管球から照射させるX線における撮影部位別の撮影条件である。
アノテーションリストは、アノテーションリスト(2)が選択されている。ここでの設定情報は、アノテーションリストの情報であり、撮影制御回路206Aは、アノテーションリストの情報に基づくアノテーションリストを使用するX線撮像システム200の設定を行う。
これらから分かる様に、画像処理パラメータの設定は構成情報で選択された画像処理に制限され、撮影条件の設定は、後述する様に撮影条件上限値に制限される。一方で、アノテーションの設定は構成情報とは、独立して設定可能である。
図13は、撮影条件設定値を示す図である。図8及び図12を参照にしつつ、図13に基づき、撮影条件設定値について説明する。ここではX線診断システム12において「操作者ID:005」の操作者用に設定された撮影条件設定について説明する。図8に基づき説明したように、管球から照射させるX線における撮影部位別の撮影条件上限値は、X線診断システム12の構成情報として設定されている。また、図12に基づき説明したように、管球から照射させるX線における撮影部位別の撮影条件は、設定条件として設定されている。撮影制御回路206Aは、これらの構成情報及び設定情報に基づき、撮影条件上限値を超えない範囲に制限した撮影条件を、撮影部位別に有するX線診断システム12の設定を行う。すなわち図13に示すように、設定情報である撮影条件中の胸部正面の管電圧、撮影時間が、構成情報である撮影情報上限値を超えているので、撮影情報上限値に変更されている。同様に、胸部側面の管電流、大腿部の管電圧、管電流、撮影時間が撮影情報上限値に変更されている。
これらから分かるように、X線診断システム12内で使用する撮影情報上限値の選択は、構成情報に従い設定されるので、施設内で統一的に設定された撮影情報上限値に制限される。このため、施設内の撮影装置による撮影では、撮影情報上限値を超える撮影は行われない。一方で、撮影情報上限値内の撮影条件は、操作者の操作性、撮影経験などを優先することが可能である。このように、構成情報で定められた制限の中で、操作者の操作性を向上させることが可能である。一方で、上述のアノテーションリストなどは、構成情報の制限を受けず、操作者の操作性を向上させるように設定可能である。
図14は、撮像後処理における構成情報例を示す図であり、図14に基づき、撮像後処理における構成情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の構成情報を変更回路108がディスプレイに表示させている画像について説明する。撮像後処理の構成情報は、撮影装置で撮影を行った後に行われる処理に設定される情報である。
この図14に示すように撮像後処理の構成情報は、システムの撮影履歴の設定、利用可能な撮影機能の設定などがある。システムの撮影履歴は、X線診断システム12で行われた撮影の履歴であり、例えば、撮影の行われた日時、操作者のID、被検者の年齢、名前、撮影部位、撮影条件、撮影装置などが記録される。変更回路108では、ログインしている操作者以外の操作者が撮影を行った撮影履歴に関しては、個人情報に関連する項目を非表示にする。ここでは、四角700で氏名の項目を覆っている。このように、ここでの構成情報は、X線撮像システム200における撮影履歴を記録したシステムの撮影履歴情報であり、撮影制御回路206Aは、システムの撮影履歴情報に、X線撮像システム200の撮影履歴を追加し、システムの撮影履歴情報の中で他の操作者が撮影した患者の個人情報に関して非表示にするX線撮像システム200の設定を行う。なお、システム撮影履歴は、撮影制御回路206Aに接続される第2ディスプレイ208を介して撮影中に確認可能である。この場合にも、他の操作者が撮影した患者の個人情報に関しては、非表示にされる。
図15は、X線診断システム12に関する撮像後処理の設定情報を示す図であり、図15に基づいて、操作者IDに関連づけられた操作者の撮影履歴の例について説明する。ここでの図は、変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像である。このように、ここでの設定情報は、X線診断システム12において操作者が撮影した履歴を記録した操作者の撮影履歴情報であり、撮影制御回路206Aは、操作者の撮影履歴情報に、X線診断システム12において操作者が撮影した撮影履歴を追加するX線診断システム12の設定を行う。
図16は、画像保管における構成情報例を示す図であり、図16に基づき、画像保管における構成情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の構成情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。ここでの保管先は、撮影装置で撮影を行った画像、撮影装置で撮影を行った画像をデジタル画像処理回路206Bにより画像処理を施した画像の保管先を意味する。ここでは、3種類のプリンタ、2種類のPACS、2種類の外部メディアが選択可能である。
この図16に示すように、X線診断システム12においては、プリンタ(1)、X社PACS、外部メディア(2)が出力先として選択されている。このように、ここでの構成情報は、X線診断システム12において使用可能である複数の出力先の中のいずれの出力先を使用するかを示す使用情報であり、撮影制御回路206Aは、使用情報に基づく出力先に撮影した画像を出力するX線診断システム12の設定を行う。
図17は、画像保管における編集権限に関する構成情報例を示す図であり、図17に基づき、画像保管における編集権限に関する構成情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の構成情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。
この図17に示すように、ここでの構成情報には選択肢はなく、ログインしている「操作者ID:005」の操作者に、この操作者が撮影した画像の処理を編集する編集権限を付している。このように、ここでの構成情報は、X線診断システム12において撮影した画像の中のいずれの画像の変更権限を有するかを示す権限情報であり、撮影制御回路206Aは、権限情報に基づく編集権限を設定したX線診断システム12の設定を行う。
図18は、画像保管における編集権限に関する設定情報例を示す図であり、図18に基づき、画像保管における編集権限に関する設定情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の設定情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。ここでの設定情報は、ログインしている「操作者ID:005」の操作者が撮影した画像に行うことが可能である編集権限を示している。すなわち、「全処理」であれば、全ての編集処理権限を有していることを示し、「画像の切り出し」であれば、撮影した画像の中で、表示に用いる画像の範囲を切り出す処理の編集権限を示し、「画像処理」であれば、撮影した画像に画像処理を行う編集権限を示し、「照射野の修正」であれば、X線の照射範囲として示す範囲を変更する編集権限を示している。このように、ここでの設定情報は、撮影後の画像に行うことが可能である編集権限の範囲を示す範囲情報であり、撮影制御回路206Aは、設定情報に基づく編集権限を操作者に設定したX線診断システム12の設定を行う
図19は、画像配置における構成情報例を示す図であり、図19に基づき、画像配置における構成情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、X線診断システム12の構成情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。ここでは、四角800は、画像の表示領域であり、四角802は、例えば撮影条件設定領域内の管電圧に関する撮影条件入力領域を示し。四角804は、例えば撮影条件設定領域内の管電流と撮影時間に関する撮影条件の設定領域を示している。
この図19に示すように、撮影条件設定領域を画像の表示領域の右側に配置する右配置か、画像の表示領域の左側に配置する左配置を選択する。例えば、第2ディスプレイ208のおかれた位置により、右配置の方が操作しやすい場合には右配置が選択される。逆に、左配置の方が操作しやすい場合には左配置が選択される。このように、ここでの構成情報は、操作画面内における撮影条件設定領域の位置を示す位置情報である。
図20は、画像配置における設定情報例を示す図であり、図20に基づき、画像配置における設定情報例について説明する。ここでは、図8と同様に、第1ディスプレイ110の構成情報を変更回路108が第1ディスプレイ110に表示させている画像について説明する。ここでの設定情報は、四角802で示す撮影条件入力領域と、四角804で示す撮影条件入力領域の位置を選択する。この20図では、四角804で示す撮影条件入力領域の位置を上、四角802で示す撮影条件入力領域を下に配置している。また、四角800、四角802、四角804の配色の情報も設定されている。すなわち、ここでの設定情報は、操作画面における配色の情報である。
このように、ここでは、構成情報は、操作画面内における撮影条件設定領域の位置を示す位置情報であり、設定情報は、撮影条件設定領域内における複数の撮影条件入力領域の配置を示す配置情報及び配色情報である。撮影制御回路206Aは、位置情報に基づき操作画面内に位置させた撮影条件設定領域と、配置情報に基づき撮影条件設定領域内に配置させた複数の撮影条件入力領域とを、有する操作画面をディスプレイに表示させ、配色情報で示す配色を行うX線診断システム12の設定を行う。
次に、図21に基づき、第1実施形態に係るX線システム1における撮影制御の一連の流れを説明する。図21は、X線システム1における撮影制御の一連の流れを示したフローチャートを示す図である。ここでは、操作者がログインし、変更回路108が起動せずに行われる設定処理ついて説明する。
ステップS100では、操作者がログイン管理回路102に操作者の名前とパスワードを入力する。続いて、ステップS102では、ログイン管理回路102が、名前とパスワードの認証を行う。認証が終了すると、予め操作者の名前及びパスワードと関連付けられている操作者IDをネットワーク接続回路106の供給回路106Aに出力する。
ステップS104では、操作者IDが認証されると、システムID管理回路104はシステムIDを供給回路106Aに出力する。
ステップS106では、供給回路106Aが、入力された操作者IDとシステムIDとをX線診断システム用サーバ20の第3入力回路300に出力する。続いて、ステップS108では、第3入力回路300に、操作者IDとシステムIDとが入力される。
次に、ステップS110では、記録回路302は、入力回路から入力されたシステムIDに関連づけられた構成情報をシステムID管理データベース302Aから取得し、設定情報選択回路304と、出力回路306とに出力する。
ステップS112では、設定情報選択回路304は、構成情報に基づき、システムIDに対応するX線撮像システム200の中で操作者別に設定可能である設定情報に関して、ユーザ管理データベース302B内から取得し、出力する。ステップS114では、取得回路106Bが構成情報と設定情報を取得し、システム設定回路114に出力する。
ステップS116では、システム設定回路114が、構成情報に基づきX線撮像システム200の構成情報を制御装置206に設定する。続いて、ステップS118では、システム設定回路114が、設定情報に基づきX線診断システム12の設定を制御装置206に設定して、制御装置206にX線診断システム12のシステム設定を行わせ、処理を終了する。
このように操作者がX線診断システム12にログインすると、操作者IDとシステムIDがX線診断システム用サーバ20に出力される。X線診断システム用サーバ20は、システムIDに関連づけられたX線診断システム12の構成に関する構成情報と、このX線診断システム12の中で操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者IDに関連づけられた設定情報とをシステム設定回路114に出力する。そして、システム設定回路114は、構成情報に基づきX線撮像システム200の構成を制御装置206に設定し、設定情報に基づきX線撮像システム200の設定を制御装置206設定して、制御装置206にX線診断システム12のシステム設定を行わせる。
以上のように、本実施形態においては、取得回路106Bがネットワークを介して、システムIDに関連づけられたX線診断システム10の構成に関する構成情報と、X線診断システム10の中で操作者別に設定可能である設定情報であって、操作者IDに関連づけられた設定情報を取得し、システム設定回路114が構成情報に基づきX線診断システム10の構成を設定し、設定情報に基づきX線診断システム10の設定を制御装置206に行うこととした。これにより、システムID及び操作者IDに基づくX線診断システム10の設定が可能になり、X線診断システム10の操作をより効率的に行うことが可能である。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態においては、記録回路302内に記憶されるシステムIDに関連する情報と、操作者IDに関連する情報とが独立に記録されていたが、第2実施形態においては、システムIDに関連する情報と、操作者IDに関連する情報とを、関連づけて記録するようにしている。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。X線システム1の全体構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
図22は、記録回路302内に記憶される情報の一例を示す図であり、図22に基づき、記録回路302内に記憶される情報について説明する。ここでは、「システムID:1007」のX線撮像システム200が使用可能である画像処理機能のうちの周波数処理(1)機能と、周波数処理(2)機能と、階調処理(1)機能と、階調処理処理(2)機能と、に関して説明する。この図22に示すように、「システムID:1007」のX線撮像システム200が使用可能である周波数処理(1)機能600と、周波数処理(2)機能602と、階調処理(1)機能608と、階調処理処理(2)機能610と、「操作者ID:005」の操作者が設定した画像処理パラメータが関連づけられて記録回路302内に記憶されている。アスタリスク「*」は、現在の撮像システムに設定されている構成を示している。
X線診断システム用サーバ20の入力回路にシステムIDと操作者IDが入力されると、記録回路302は、システム内で選択可能である画像処理情報及び現在設定されている画像処理情報と、選択可能である画像処理情報に関連づけられている画像処理パラメータを出力回路306に出力する。すなわち、ここでは、選択可能である画像処理情報として、周波数処理(1)機能600と、周波数処理(2)機能602と、階調処理(1)機能608と、階調処理処理(2)機能610とが出力され、現在設定されている画像処理情報として、周波数処理(1)機能600と、階調処理(1)機能608が出力される。また、選択可能である画像処理情報に関連づけられている画像処理パラメータとして、周波数処理(1)機能600、及び階調処理(1)機能608のパラメータが出力される。
システム設定回路114は、構成情報として、周波数処理(1)機能600と、周波数処理(2)機能602と、階調処理(1)機能608と、階調処理処理(2)機能610との中から、周波数処理(1)機能600、及び階調処理(1)機能608を選択する選択情報を制御装置206に設定する。また、設定情報として、周波数処理(1)機能600、及び階調処理(1)機能608のパラメータを制御装置206に設定する。
以上のように、本実施形態においては、システムIDに関連する情報と、操作者IDに関連する情報とを関連づけて記録回路302に記録させることとした。これにより、X線診断システム用サーバ20は、設定情報選択回路304を用いなくとも、操作者IDに関連づけられた設定情報を出力可能である。
なお、第1実施形態におけるログイン管理回路102は、特許請求の範囲における認証部の一例である。第1実施形態における供給回路106Aは、特許請求の範囲における供給部の一例であり、取得回路106Bは、特許請求の範囲における取得部の一例である。第1実施形態における変更回路108は、特許請求の範囲における変更部の一例である。第1実施形態におけるシステム設定回路114は、特許請求の範囲におけるシステム設定部の例である。第1実施形態における制御装置206は、特許請求の範囲における制御部の一例であり、第2ディスプレイは、特許請求の範囲における表示部の一例である。また、第1実施形態における第3入力回路300は、特許請求の範囲における受付部の一例である。第1実施形態における記録回路302は、特許請求の範囲における記録部の一例である。第1実施形態における設定情報選択回路304は、特許請求の範囲における設定情報選択部の一例である。第1実施形態における出力回路306は、特許請求の範囲における出力部の一例である。
上記の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えばCPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit: ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device: SPLD))、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device: CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array: FPGA)などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図3における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。