JP2018109918A - 今摺り米の出荷方法、今摺り米として出荷する籾米の在庫を管理する装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は実施形態1に係る今摺り米の出荷方法を説明する模式図である。図1に示すように、実施形態1に係る今摺り米の出荷方法は、籾米を入荷する入荷工程と、入荷した籾米を籾米のまま産地名及び銘柄名が区別された状態で低温保管する保管工程と、産地名及び銘柄名と精米の重量とが指定された注文を受ける受注工程と、注文で指定された産地名及び銘柄名の籾米について、注文で指定された精米の重量と籾摺歩留値と精米歩留値とに基づいて籾摺りする籾米の重量を推定し、低温保管されている籾米から推定された重量分の籾米を取り出しこれを籾摺りする工程と、籾摺りされた米を精米する精米工程と、精米された米を出荷する出荷工程と、を有する今摺り米の出荷方法である。以下、各工程について詳細に説明する。
今摺り米とは注文を受けてから籾摺り及び精米される米をいう。
まず、籾米を入荷する。本工程は、例えば、複数の農家から産地名及び銘柄名が区別された状態で籾米を入荷することにより行う。本工程により、全国各地で生産・収穫された籾米が籾米のまま一の場所に集約される。籾米まま入荷されるため、収穫後入荷前における米の鮮度が良好に保たれる。
次いで、入荷した籾米を籾米のまま産地名及び銘柄名が区別された状態で低温保管する。本工程により、各農家により収穫された籾米が、注文を受けるまで籾米のまま低温で保管される。低温保管とは、例えば0度以上15度以下の環境(例:雪室内、雪蔵内)で保管することをいう。籾米のまま低温保管することにより、注文を受けるまで米の鮮度を良好に保つことができる。また、米の粘度を向上させることができる。産地名及び銘柄名が区別された状態とは、入荷工程で説明した状態と同様の状態をいう。入荷工程の場合と同様に、産地名及び銘柄名が区別された状態であることに加えて、生産者名や生産方法名などが区別された状態で低温保管することがより好ましい。
次いで、産地名及び銘柄名と精米の重量とが指定された注文を受ける。注文は、さらに、生産者名や生産方法名などを指定するものであってもよい。注文を受ける形式は特に限定されない。インターネット、電話、またはファクシミリなどは注文を受ける形式の一例である。
次いで、注文で指定された産地名及び銘柄名の籾米について、注文で指定された精米の重量と籾摺歩留値と精米歩留値とに基づいて籾摺りする籾米の重量を推定し、低温保管されている籾米から推定された重量分の籾米を取り出しこれを籾摺りする。籾摺りとは籾米から籾殻を取り除くことをいう。注文が、産地名及び銘柄名に加えて生産者名や生産方法名などを指定するものである場合は、注文で指定された産地名、銘柄名、生産者名、及び生産方法名の籾米について、籾摺りを行う。
次いで、籾摺りされた米を精米する。精米は、籾摺完了後、2日以内に行うことが好ましい。これにより、米の劣化・老化を効果的に抑制することができる。
次いで、精米された米を出荷する。出荷は、精米完了後、24時間以内に行うことが好ましい。これにより、米の劣化・老化を効果的に抑制することができる。なお、出荷は、例えば、運送業者に精米を手渡し、運送業務の依頼を完了したタイミングで完了するものとする。
実施形態2は今摺り米として出荷する籾米の在庫を管理する装置である。実施形態2によれば、実施形態1に係る今摺り米の出荷方法をより円滑に行うことができる。以下、図2、図3を参照しつつ、実施形態2に係る装置について詳細に説明する。
識別情報は産地名と銘柄名とを有する。識別情報により、低温保管される籾米が一意に特定される。識別情報は産地名と銘柄名とを有していればよいが、生産者名と生産方法名とをさらに有していることが好ましい。このようにすれば、より細かに籾米を分類して今摺り米の差別化・ブランド化を図り、個々の今摺り米の付加価値を高めることができる。
在庫量(籾米)は低温保管されている籾米の重量である。在庫量(玄米換算)は在庫量(籾米)をすべて籾摺りした場合に得られる玄米の重量である。在庫量(精米換算)は在庫量(籾米)をすべて籾摺り・精米した場合に得られる精米の重量である。本実施形態では、記憶装置20が、在庫量(籾米)と在庫量(玄米換算)と在庫量(精米換算)とを識別情報に対応付けて記憶するが、在庫量(玄米換算)及び在庫量(精米換算)の少なくとも一方が識別情報に対応付けて記憶されていれば足りる。
籾摺歩留値及び精米歩留値は実施形態1で説明したとおりであり、説明を省略する。
総入荷量(籾米)は入荷量(籾米)の総和である。入荷量(籾米)は1回の入荷により荷受けされた籾米の重量である。総入荷量(玄米換算)は総入荷量(籾米)と籾摺歩留値とに基づいて算出される値である。「総入荷量(玄米換算)=総入荷量(籾米)×籾摺歩留値」の関係式が成立する。総入荷量(精米換算)は総入荷量(籾米)と籾摺歩留値と精米歩留値とに基づいて算出される値である。「総入荷量(精米換算)=総入荷量(籾米)×籾摺歩留値×精米歩留値」の関係式が成立する。
総受注量(精米)は受注量(精米)の総和である。受注量(精米)は1回の注文を受けて出荷する精米の重量、あるいは1回の注文で指定された精米の重量である。総受注量(玄米換算)は総受注量(精米)と精米歩留値とに基づいて算出される値である。「総受注量(玄米換算)=総受注量(精米)/精米歩留値」の関係式が成立する。総受注量(籾米換算)は総受注量(精米)と精米歩留値と籾摺歩留値とに基づいて算出される値である。「総受注量(籾米換算)={総受注量(精米)/精米歩留値}/籾摺歩留値」の関係式が成立する。
演算装置10は、入荷量(籾米)を入力された場合に、入力された入荷量(籾米)と記憶装置20に記憶されている籾摺歩留値とに基づいて、記憶装置20に記憶されている在庫量(玄米換算)を更新する。この更新は記憶装置20に記憶されている在庫量(玄米換算)を新たな在庫量(玄米換算)で上書きすることにより行うことができる。新たな在庫量(玄米換算)は、例えば、「新たな在庫量(玄米換算)=入荷量(籾米)×籾摺歩留値+記憶装置20に記憶されている在庫量(玄米換算)」の関係式に従い算出することができる。
演算装置10は、受注量(精米)を入力された場合に、入力された受注量(精米)と精米歩留値とに基づいて在庫量(玄米換算)を更新する。この更新は記憶装置20に記憶されている在庫量(玄米換算)を新たな在庫量(玄米換算)で上書きすることにより行うことができる。新たな在庫量(玄米換算)は、例えば、「新たな在庫量(玄米換算)=記憶装置20に記憶されている在庫量(玄米換算)−受注量(精米)/精米歩留値」の関係式に従い算出することができる。
演算装置10は、新たな籾摺歩留値を入力された場合に、入力された新たな籾摺歩留値に基づいて記憶装置20に記憶されている籾摺歩留値を更新する。新たな籾摺歩留値は、ある注文に応じて籾摺工程を行った後に、その籾摺工程で用いた籾米の重量とその籾摺工程により得られた玄米の重量とにより算出され、例えば次の籾摺工程を行う前に、装置10に入力される。なお、籾摺歩留値は、産地、銘柄、生産者、及び生産方法により異なることが多い。また、籾摺歩留値は、米が収穫される年によって異なることも多い。したがって、籾摺歩留値の更新は、籾摺工程を行う度に行う必要はないものの、識別情報が異なる籾米ごとに、毎年少なくとも1回は行うことが好ましい。特に、識別情報ごとに、毎年最初に行う籾摺りの結果に基づいてその年の籾摺歩留値を算出し、これを新たな籾摺歩留値として更新を行い、その後は、必要に応じて再更新することが好ましい。
演算装置10は、新たな精米歩留値を入力された場合に、入力された新たな精米歩留値に基づいて記憶装置20に記憶されている精米歩留値を更新する。新たな精米歩留値は、ある注文に応じて精米工程を行った後に、その精米工程で用いた玄米の重量とその精米工程により得られた精米の重量とにより算出され、例えば次の精米工程を行う前に、装置10に入力される。なお、精米歩留値は、識別情報や収穫年によってはほとんど異ならず、概ね同じ値をとる。ただし、識別情報が異なる籾米ごとに、毎年少なくとも1回は精米歩留値を更新することが好ましい。特に、識別情報ごとに、毎年最初に行う精米の結果に基づいてその年の精米歩留値を算出し、これを新たな精米歩留値として更新を行い、その後は、必要に応じて再更新することが好ましい。
比較例1では、実施例1とは異なり、識別情報1、2で識別される籾米の双方について、毎年、籾摺歩留値と精米歩留値がそれぞれ80%と90%に固定されているものとする。すなわち、籾摺歩留値と精米歩留値が更新されることはない。その他は実施例1と同様である。比較例1によると、ある年に収穫された識別情報1、2で識別される籾米の双方に対して、精米72.9kg(籾米100kg)を指定する最初の注文が入り、籾米100kg(精米72.9kg)が使用されるとすると(つまり、受注量(精米)=72.9kg)、識別情報1、2で識別される籾米のいずれについても、在庫量(籾米)は900kgに更新され、在庫量(玄米換算)は720kgに更新され、在庫量(精米換算)は648kgに更新される。したがって、比較例1によると、籾米100kgの使用後においては、識別情報1、2で識別される籾米の双方について、精米648kgまで注文を受けることができると判断されることになる。
実施例1と比較例1を比較する。一例として、識別情報1、2で識別される籾米の双方について、精米600kgを指定する大口の注文が入った場合について検討する。
実施例1と比較例1をさらに比較する。一例として、識別情報1、2で識別される籾米の双方について、例えば精米650kgを指定する大口の注文が入った場合について検討する。
10 演算装置
20 記憶装置(長期記憶装置)
30 短期記憶装置
40 入力装置
50 出力装置
60 ネットワークアダプタ
70 配線
Claims (2)
- 籾米を入荷する入荷工程と、
前記入荷した籾米を籾米のまま産地名及び銘柄名が区別された状態で低温保管する保管工程と、
産地名及び銘柄名と精米の重量とが指定された注文を受ける受注工程と、
前記注文で指定された産地名及び銘柄名の籾米について、前記注文で指定された精米の重量と籾摺歩留値と精米歩留値とに基づいて籾摺りする籾米の重量を推定し、前記低温保管されている籾米から前記推定された重量分の籾米を取り出しこれを籾摺りする工程と、
前記籾摺りされた米を精米する精米工程と、
前記精米された米を出荷する出荷工程と、を有する今摺り米の出荷方法。 - 今摺り米として出荷する籾米の在庫を管理する装置であって、
記憶装置と演算装置とを備え、
前記記憶装置は、
産地名と銘柄名とを有する識別情報と、在庫量(玄米換算)及び在庫量(精米換算)の少なくとも一方と、籾摺歩留値と、精米歩留値と、を対応付けて記憶する領域を有し、
前記演算装置は、前記識別情報ごとに、
入荷量(籾米)を入力された場合に、前記入荷量(籾米)と前記籾摺歩留値とに基づいて前記在庫量(玄米換算)を更新する、及び/又は、前記入荷量(籾米)と前記籾摺歩留値と前記精米歩留値とに基づいて前記在庫量(精米換算)を更新する工程と、
受注量(精米)を入力された場合に、前記受注量(精米)と前記精米歩留値とに基づいて前記在庫量(玄米換算)を更新する、及び/又は、前記受注量(精米)に基づいて前記在庫量(精米換算)を更新する工程と、
新たな籾摺歩留値を入力された場合に、前記新たな籾摺歩留値に基づいて前記記憶装置に記憶されている籾摺歩留値を更新する工程と、
新たな精米歩留値を入力された場合に、前記新たな精米歩留値に基づいて前記記憶装置に記憶されている精米歩留値を更新する工程と、を実行する今摺り米として出荷する籾米の在庫を管理する装置。
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