JP2018109776A - ブレ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のブレ補正装置は、レンズ鏡筒100とカメラ本体200とを含む撮像装置1のブレを補正するためのブレ補正装置である。そして、検出軸に関する振動を表す振動信号をそれぞれ出力する少なくとも2つの振動検出部1a、1b、振動検出部1a、1bの振動信号に基づいてブレ補正量を算出する補正量演算部5、算出されたブレ補正量に基づいてブレ補正レンズ10を駆動するブレ補正レンズ駆動回路8によってブレ補正装置を構成し、レンズ鏡筒100において、振動検出部1aはレンズ鏡筒100の光軸Aに沿う長さの中心よりもカメラ本体200に近い位置に設けられ、振動検出部1bは中心よりも被写体に近い位置に設けられることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ブレ補正装置は、撮像装置を操作する操作者が撮像装置を手に持ったことによって起こる、所謂「手ブレ」を補正するための構成である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、好適なブレ補正制御が可能なブレ補正装置を提供することを目的とする。
弾性変形によって生じる振動は、本来撮像装置自体の振れではない。このため、撮像装置にとっては外乱ノイズに相当するものとなるが、所謂ホワイトノイズではない。このようなノイズは、上記した特許文献1記載の手法によって低減することは困難である。
これらの対応は、発振現象の防止には有効であるが、比較的高い周波数の防振性能を犠牲とするものであった。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のブレ補正装置と、ブレ補正装置が設けられるレンズ鏡筒100と、レンズ鏡筒100が着脱自在に取り付けられているカメラボディ200とを示した図である。
図1においては、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置(以下、正位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をXプラス方向とする。また、正位置において上側に向かう方向をYプラス方向とする。さらに、正位置において被写体に向かう方向をZプラス方向とする。
図1において、カメラボディ200及びレンズ鏡筒100は、YZ平面で切断された縦断面として示される。
ブレ補正装置は、カメラ等の撮像装置1のブレを補正するためのブレ補正装置である。そして、ブレ検出の基準となる複数の検出軸の少なくとも1つに設けられ、検出軸に関する振動を表す振動信号s1、s2をそれぞれ出力する少なくとも2つの角速度センサ1a、1bと、角速度センサ1a、1bによって出力された振動信号s1、s2に基づいて、ブレ補正量を算出する補正量演算部5と、補正量演算部5によって算出されたブレ補正量に基づいてブレ補正レンズ10を駆動するブレ補正レンズ駆動回路8と、を備えている。
ブレ補正レンズ10は、光軸Aに垂直な平面を移動することで2軸(Pitch方向に沿う軸及びYaw方向に沿う軸)のブレを補正することが可能である。ただし、図1では、説明の簡単のため、Pitch方向の振動を検出するための構成についてのみ示している。
図2は、弾性変形によってレンズ鏡筒に加わる力と検出される角速度の方向を示している。図示したように、レンズ鏡筒100に弾性変形が生じると、レンズ鏡筒100は、長さ方向の中央付近(腹)でたわみ、振動が発生する。このとき、腹を中心にしたレンズ鏡筒100の両端部においては、方向が反対の角速度が検出される。
このような構成によれば、レンズ鏡筒100に弾性変形が生じても、ブレ補正レンズ10が弾性変形に追従して駆動し続けることがなく、レンズ鏡筒100の振動が発振することを防ぐことができる。
第1実施形態の補正量演算部5は、図4(d)に示した振動信号に基づいてブレ補正量を算出するから、レンズ鏡筒100が角速度センサ1aまたは角速度センサ1bによって検出された角速度で振動している場合と同様にブレ補正レンズ10を駆動させることができる。
このような構成によれば、撮像装置1に手ブレが発生している場合には、ブレ補正レンズ10によって手ブレを補正し、手ブレによる画像品質の低下を防ぐことができる。
撮像装置1のPitch方向のブレを検出するために、角速度センサ1a、1bがレンズ鏡筒100の両端位置、すなわち、カメラボディ200の側と図示しない被写体の側とに配置されている。角速度センサ1aによって出力された振動信号s1、角速度センサ1bによって出力された振動信号s2は、それぞれアナログ信号処理回路(増幅器及びローパスフィルタ)2a、2bに入力される。振動信号s1、s2は、いずれも角速度センサによって検出された角速度の大きさを示す信号である。
振動信号s1は、アナログ信号処理回路2aに入力される。また、振動信号s1は、アナログ信号処理回路2aに入力される。アナログ信号処理回路2a、2bにおいて、振動信号1s、2sは、それぞれホワイトノイズが除去された後増幅される。
デジタルデータとして取り込まれた振動信号は、フィルタ処理回路4a、4bに入力される。フィルタ処理回路4a、4bは、振動信号に対して各種デジタルフィルタ処理、例えばセンサのドリフト成分を除去するためのハイパスフィルタ処理等を実行する。
補正量演算部5は、平均化処理された角速度センサ出力を基に撮像装置のブレ補正量を算出する。ブレ補正量を算出するための演算には、平均化された振動信号を積分する工程が含まれる。演算後、算出されたブレ補正量を補正するためのブレ補正レンズ10の位置が計算され、ブレ補正レンズ駆動目標位置として出力される。
アナログ信号処理回路12から出力された信号は、レンズマイコン20内のA/D変換器13に入力されてデジタル信号に変換される。デジタル変換された信号は、ブレ補正レンズ位置算出部14に入力される。ブレ補正レンズ位置算出部14は、デジタル信号に各種補正処理をし、現在のブレ補正レンズ位置を算出する。
PID位相補償部6で決定された駆動操作量は、駆動パルス生成部7に入力される。駆動パルス生成部7は、駆動操作量を表すPWMパルス信号を生成する。PWMパルス信号は、ブレ補正レンズ駆動回路8に出力される。ブレ補正レンズ駆動回路8は、VCM9を駆動するためのPWMドライバである。VCM9は、PWMパルス信号に基づいてブレ補正レンズ10を補正目標位置に移動させる。以上の動作により、一連のブレ補正処理が完了する。
図5(a)、(b)は、Pitch方向、Yaw方向を説明するための図である。図5(a)は、カメラボディ200とレンズ鏡筒100とをYZ平面で切断した縦断面図である。図5(b)は、カメラボディ200とレンズ鏡筒100とをXZ平面で切断した横断面図である。
Pitch方向の補正は、X軸を検出軸とし、X軸周りの回転方向、すなわち撮像装置1の矢線Dで示した回動方向のブレを補正する。また、Yaw方向の補正は、Y軸を検出軸とし、Y軸周りの回転方向、すなわち撮像装置1の矢線Eで示した回動方向のブレを補正する。
角速度センサ1c、1dから出力された振動信号は、ブレ補正装置の補正量演算部5において平均化され、平均化された信号に基づいて補正量演算部5がブレ補正量を算出し、ブレ補正レンズ10の目標位置を決定する。
(1)角速度センサを1つの検出軸について2つ設け、この角速度センサをレンズ鏡筒の両端部に配置している。このため、角速度センサによって検出された角速度を示す2つの振動信号の位相が反転していて、振幅が等しい場合には両者を平均化して打ち消すことができる。
このため、第1実施形態は、レンズ鏡筒の「腹」の部分を中心にして起こる弾性変形に起因する振動にずれ補正レンズが追従して動作することを防ぐことができる。
(2)また、第1実施形態によれば、手ブレ等によって撮像装置1が振動している場合には、一方の角速度センサによって検出された振動信号の値に基づいてブレ補正レンズの位置を算出することができる。このため、手ブレに関しては、既存の構成と同様にブレ補正レンズを移動させ、ブレを解消することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図3(b)〜(d)に示したように、振動信号を平均化して検出された角速度よりも小さい値を得るためには、位相が反転していて、かつ、振幅が等しい角速度が検出される位置に一対の角速度センサを設けることが望ましい。
しかし、レンズ鏡筒100における部品レイアウトや振動の状態により、このような角速度センサの配置が困難である場合もある。
なお、「重み」とは、例えば、一対の角速度レンズのうち、大きい角速度が検出される側の角速度センサから出力される振動信号に「1」以上の値を乗じるものであってもよい。また、例えば、一対の角速度レンズのうち、小さい角速度が検出される側の角速度センサから出力される振動信号に「1」以下の値を乗じるものであってもよい。
さらに、角速度センサの取り付け方により、一対の角速度センサから出力される振動信号の正負が異なる場合、角速度センサの一方から出力される振動信号に「−1」を乗じるものであってもよい。
次に、本発明の実施形態3について説明する。
レンズ鏡筒は、撮像装置1のズーム動作やオートフォーカスの動作により、その長さが変化する。このため、振動信号を平均化して検出された角速度よりも小さい値を得るために望ましい角速度センサの取り付け位置も変化することになる。
第3実施形態は、レンズ鏡筒100の長さの変化に応じて振動信号に付けられた重みを変更することにより、レンズ鏡筒100の長さの変化によらず、一対の角速度センサの振動信号の平均化された値を小さくするものである。
第3実施形態では、撮像装置1の焦点距離あるいは撮像倍率に関する情報を、図1に示した補正量演算部5が取得する。そして、取得された情報に対応する重みを決定し、振動信号に重みを乗じた上で平均化するようにしてもよい。
なお、焦点距離あるいは撮像倍率に応じた重みは、補正量演算部5に予め記憶させておくものであってもよいし、焦点距離あるいは撮像倍率と重みとの関係を示す演算式を補正量演算部5に予め記憶させておくものであってもよい。
[変形形態]
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)例えば、上記した実施形態では、角速度センサを1対設ける構成について説明したが、角速度センサはレンズ鏡筒の設計や弾性振動の状況に応じて幾つ設けるものであってもよい。
(2)また、上記した実施形態では、角速度センサから出力された振動信号を単純平均する例を示したが、本実施形態は、このような構成に限定されるものではない。
すなわち、振動信号の処理は、平均化に限定されるものでなく、レンズ鏡筒の弾性変形によって生じる振動に応じて振動信号が出力された場合、2つの角速度センサによって出力された振動信号に基づいて、1つの角速度センサによって出力された振動信号よりも振幅が小さい信号を算出し、算出された信号に基づいてブレ補正量を算出する処理であればよい。
この具体的な処理としては、2つの角速度センサによって出力された振動信号を互いに相殺させることが考えられる。なお、相殺とは、2つの角速度センサのうちの一方の振動信号の値(例えばv1とする)が他方の振動信号の値(例えばv2とする)を完全に打ち消すものでなく、値v1が、値v2を値v1の分だけ打ち消すものであってもよい。
また、平均化の処理は、上記した単純平均の他、角速度センサ1a、1bから出力された振動信号を加重平均することも考えられる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (1)
- レンズ鏡筒とカメラ本体とを含む撮像装置のブレを補正するためのブレ補正装置であって、
ブレ検出の基準となる複数の検出軸の少なくとも1つに設けられ、前記検出軸に関する振動を表す振動信号をそれぞれ出力する少なくとも2つの振動検出部と、
少なくとも2つの前記振動検出部によって出力された前記振動信号に基づいて、ブレ補正量を算出する補正量演算部と、
前記補正量演算部によって算出されたブレ補正量に基づいてブレ補正レンズを駆動するブレ補正レンズ駆動回路と、
を備え、
前記レンズ鏡筒において、前記振動検出部の少なくとも1つは前記レンズ鏡筒の光軸に沿う長さの中心よりも前記カメラ本体に近い位置に設けられ、前記振動検出部の他の少なくとも1つは、前記中心よりも被写体に近い位置に設けられることを特徴とするブレ補正装置。
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