JP2018108614A - 回転センタのラビリンスシール - Google Patents

回転センタのラビリンスシール Download PDF

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忠宏 二村
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和之 安田
茂則 二村
Shigenori Futamura
茂則 二村
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Abstract

【課題】 回転センタのラビリンスシールの密封効果を高める。【解決手段】 回転センタはセンタ軸1を外周筒状体6に軸受けし、センタ軸と外周筒状体の間にラビリンスシール11を取り付けている。ラビリンスシールは、シール静止環12を外周筒状体に、シール回転環21をセンタ軸に固定し、それらを前後に組み合わせてそれらの間の隙間をラビリンス通路31にしている。ラビリンス通路は前端を大気に開口して外側開口にし、外側開口をシール回転環の前面外周縁に隣接している。回転センタの使用中、シール回転環の前面に付着した冷却水や切り屑が、回転中のシール回転環に連れて回転する一方、遠心力を受けてシール回転環の前面外周縁に向かって流れる。シール回転環の前面は、外周縁に向かう冷却水や切り屑の流れが登る円錐面の斜面、登り坂46を形成し、登り坂を登り終えた冷却水や切り屑の流れがシール回転環から離れる構成にしている。【選択図】 図2

Description

本発明は、旋盤や円筒研削盤などの旋削工作機において旋削対象物を支持する回転センタにおいて、外周筒状体内に軸受けしたセンタ軸と外周筒状体との間を密封するラビリンスシールに関する。
この種の回転センタは、図11に示すように、センタ軸1を外周筒状体6内に同心状に配置して径方向と軸方向に軸受けしている。センタ軸1は、尖端部2を外周筒状体6の前側に突出している。外周筒状体6の前端とセンタ軸1との間には、アキシアルラビリンスシール71を嵌め込んで取り付けている。ラビリンスシール71は、シール静止環72とシール回転環81との間の隙間をラビリンス通路91にしている。ラビリンス通路91は、前端を大気に開口して外側開口93に、後端を外周筒状体6内の軸受の外輪と内輪の間の隙間に連通して内側開口にしている。
詳細には、図11〜図13に示すように、外周筒状体6は、前部の径を拡大して軸受嵌込部7を形成している。軸受嵌込部7とセンタ軸1との間には、複数の玉軸受8、9を嵌め込んで取り付けている。後端の玉軸受8は、スラスト軸受にしている。前側の複数の玉軸受9は、アンギュラ軸受にしている。
軸受嵌込部7の開口端部には、シール静止環72を嵌め込んで固定している。センタ軸1には、シール回転環81を嵌合して固定している。シール静止環72は、アンギュラ軸受9の前隣に配置している。シール回転環81は、シール静止環72の前隣に配置している。
シール静止環72は、断面形状を概略コの字形にして周溝部73を前向きに開口している。そして、周溝部73の外周側を外周壁部75に、内周側を内周壁部76にしている。シール回転環81は、断面形状をコの字形にして周溝部82を後向きに開口している。そして、周溝部82の外周側を外周壁部84に、内周側を内周壁部85にしている。
シール回転環81とシール静止環72は、前後に同心状に組み合わせている。シール回転環の周溝部82には、隙間を設けてシール静止環の内周壁部76を挿入している。シール静止環の周溝部73には、隙間を設けてシール回転環の外周壁部84を挿入している。それらの隙間で、軸方向通路と径方向通路を交互に接続して複数回折れ曲がったラビリンス通路91を形成している。
シール回転環の外周壁部84の外周面とシール静止環の外周壁部75の内周面との間の隙間は、ラビリンス通路の最外周の軸方向通路92を構成している。最外周の軸方向通路92は、前端の開口をラビリンス通路の外側開口93にしている。外側開口93は、シール回転環81の前面の外周縁に隣接している。
特開2001−96402号公報
[課 題]
上記のような回転センタは、旋削工作機において旋削対象物を支持して使用すると、旋削対象物の回転に従ってセンタ軸1が回転する。そして、ウエットカットであれば旋削の冷却水と切り屑、ドライカットであれば切り屑がセンタ軸1の突出前部、ラビリンスシール71や外周筒状体6の前部、軸受嵌込部7に降り懸る。旋削中、冷却水や切り屑がラビリンスシール71の前面に当たる。
回転センタは、使用中、冷却水や切り屑がラビリンスシール通路91を通過して外周筒状体6内の軸受9に浸入することがある。ラビリンスシール71は、密封効果が十分であるとは言い難い。密封効果を高めたい。
[着 眼]
回転センタの使用中、冷却水や切り屑がラビリンスシール通路91を通り抜ける現象は、次のように分析する。
シール回転環81の前面に付着した冷却水や切り屑は、回転中のシール回転環81に連れて回転する。一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環81の前面の外周縁に向かって流れ、シール回転環81の前面の外周縁に隣接するラビリンス通路の外側開口93に到達する。そして、外側開口93に流入する。ラビリンス通路の外側開口93に流入した冷却水や切り屑は、ラビリンス通路91の軸方向通路と径方向通路を順次流れてラビリンス通路91の内側開口から流出する。
<第1構想>
シール回転環の前面に付着した冷却水や切り屑の流れがシール回転環の前面の外周縁、ラビリンス通路の外側開口に到達し難くする。
そのため、シール回転環の前面は、外周縁に向かう冷却水や切り屑の流れが登る円錐面の斜面、登り坂を形成する。そして、登り坂を登り終えた冷却水や切り屑の流れがシール回転環から離れる構成にする。シール回転環の前面に付着した冷却水や切り屑は、シール回転環の回転速度が高いため、大きな遠心力を受けて早い速度で登り坂を流れる。登り坂を登り終えると、その時の流れの延長方向、登り坂の延長方向に飛び出す。即ち、シール回転環から離れる。ラビリンス通路の外側開口に到達しない。
<第2構想>
ラビリンス通路は、冷却水や切り屑が外側開口から流入しても流通し難くする。内側開口に到達し難くする。
そのため、ラビリンス通路は、流路の抵抗を増やす。折曲点と流路長を増加する。具体的には、シール回転環は、外周壁部の外周面の前端部に鐶部を同心状に突出する。シール静止環は、外周壁部の内周面の前端部に段状凹部を同心状に形成する。鐶部は、段状凹部に隙間を設けて挿入する。その隙間で最外周前端の軸方向通路と最外周の径方向通路を形成する。最外周前端の軸方向通路は、前端を外側開口にする。即ち、従来例のラビリンス通路91において、最外周の軸方向通路92は、前端部が外周側と前側に折り曲げられる。折曲点が2点増加する。流路長が最外周の径方向通路分増加する。外側開口93が最外周の径方向通路長分外周側に移動する。
<第3構想>
ラビリンス通路は、外側開口に冷却水や切り屑が流入し易くしない。
そのため、外側開口は、開口方向に向かって拡大しない。例えば、前端を外側開口にする軸方向通路は、前端の外側開口を含めて、流路の断面積を均等にする。
1.センタ軸は、外周筒状体内に同心状に軸受けし、尖端部を外周筒状体の前側に突出し、外周筒状体の前端との間にラビリンスシールを嵌め込んで取り付けている回転センタにおいて、
ラビリンスシールは、シール静止環を外周筒状体の前端に嵌め込んで固定し、シール回転環をセンタ軸に嵌合して固定し、シール回転環とシール静止環を前後に配置し、
シール回転環は、周溝部を後向きに開口し、周溝部の外周側を外周壁部に、周溝部の内周側を内周壁部にし、
シール静止環は、周溝部を前向きに開口し、周溝部の外周側を外周壁部に、周溝部の内周側を内周壁部にし、
シール回転環の周溝部には隙間を設けてシール静止環の内周壁部を挿入し、シール静止環の周溝部には隙間を設けてシール回転環の外周壁部を挿入し、それらの隙間で、軸方向通路と径方向通路を交互に接続して複数回折れ曲がるラビリンス通路を形成し、
ラビリンス通路は、前端を大気に開口して外側開口にし、後端を外周筒状体内の軸受の隙間に連通して内側開口にし、外側開口をシール回転環の前面の外周縁に隣接しており、
回転センタの使用中、シール回転環の前面に付着した冷却水や切り屑が、回転中のシール回転環に連れて回転する一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環の前面の外周縁に向かって流れるラビリンスシールであって、
シール回転環の前面は、遠心力を受けて外周縁に向かう冷却水や切り屑の流れが登る登り坂を形成し、登り坂を登り終えた冷却水や切り屑の流れがシール回転環から離れる構成にしていることを特徴とする回転センタのラビリンスシール。
2.上記1の回転センタのラビリンスシールにおいて、
登り坂は、シール回転環の前面に同心状に形成した円錐面の斜面にし、
円錐面の斜面は、前側に向かって拡大し、外周縁を内周縁より前側に配置していることを特徴とする。
3.上記1又は2の回転センタのラビリンスシールにおいて、
シール回転環は外周壁部の外周面の前端部に鐶部を同心状に突出し、シール静止環は外周壁部の内周面の前端部に段状凹部を同心状に形成し、
鐶部は段状凹部に隙間を設けて挿入し、その隙間で最外周前端の軸方向通路と最外周の径方向通路を形成し、
最外周前端の軸方向通路は、前端をラビリンス通路の外側開口にしていることを特徴とする。
4.上記1、2又は3の回転センタのラビリンスシールにおいて、
ラビリンス通路の外側開口は、開口方向に向かって拡大していないことを特徴とする。
5.上記1〜4のいずれかの回転センタのラビリンスシールにおいて、
前端を外側開口にする軸方向通路は、前端の外側開口を含めて、流路の断面積を均等にしていることを特徴とする。
回転センタのラビリンスシールは、密封効果が高い。
本発明の実施形態の第1例におけるラビリンスシール付き回転センタの半断面側面図。 同回転センタの軸受嵌込部の拡大縦断面図。 同軸受嵌込部の正面図。 同ラビリンスシールの拡大縦断面図。 実施形態の第2例におけるラビリンスシール付き回転センタの軸受嵌込部の拡大縦断面図。 同軸受嵌込部の正面図。 同ラビリンスシールの拡大縦断面図。 第3例におけるラビリンスシール付き回転センタの軸受嵌込部の拡大縦断面図。 同ラビリンスシールの拡大縦断面図。 比較実験例の実験装置の部分縦断側面図。 従来例のラビリンスシール付き回転センタの半断面側面図。 同回転センタの軸受嵌込部の拡大縦断面図。 同軸受嵌込部の正面図。
[第1例(図1〜図4参照)]
本例のラビリンスシール付き回転センタは、図1に示すように、センタ軸1を外周筒状体6内に同心状に配置して径方向と軸方向に軸受けしている。センタ軸1は、尖端部2を外周筒状体6の前側に突出している。外周筒状体6の前端とセンタ軸1との間には、アキシアルラビリンスシール11を取り付けている。
外周筒状体6は、前部の径を拡大して軸受嵌込部7を形成している。軸受嵌込部7とセンタ軸1との間には、複数の玉軸受8、9を嵌め込んで取り付けている。後端の玉軸受8は、スラスト軸受にしている。スラスト軸受前側の複数の玉軸受9は、アンギュラ軸受にしている。外周筒状体6の後端部とセンタ軸1の後端部との間には、ころ軸受10を嵌め込んで取り付けている。ころ軸受10は、ラジアル軸受にしている。
ラビリンスシール11は、シール静止環12とシール回転環21で構成している。シール静止環12は、外周筒状体の軸受嵌込部7の前端に嵌め込んで同心状に固定している。シール回転環21は、センタ軸1に嵌合して同心状に固定している。シール静止環12は、アンギュラ軸受8の前隣に配置している。シール回転環21は、シール静止環12の前隣に配置している。
図2〜図4に示すように、シール静止環12は、断面形状を概略コの字形にして周溝部13を前向きに開口している。そして、周溝部13の後側を後側輪板部14にし、周溝部13の外周側を外周壁部15に、周溝部13の内周側を内周壁部16にしている。シール回転環21は、断面形状を概略コの字形にして周溝部22を後向きに開口している。そして、周溝部22の前側を前側輪板部23にし、周溝部22の外周側を外周壁部24に、周溝部22の内周側を内周壁部25にしている。更に、シール回転環21は、外周壁部24の外周面の前端部に鐶部26を同心状に突出している。シール静止環12は、外周壁部15の内周面の前端部に段状凹部17を同心状に形成している。
シール回転環21とシール静止環12は、前後に同心状に組み合わせている。シール回転環の周溝部22には、隙間を設けてシール静止環の内周壁部16を挿入している。シール静止環の周溝部13には、隙間を設けてシール回転環の外周壁部24を挿入している。シール静止環の段状凹部17には、隙間を設けてシール回転環の鐶部26を挿入している。それらの隙間でラビリンス通路31を形成している。ラビリンス通路31は、軸方向通路と径方向通路を交互に連通して、複数回折れ曲がっている。鐶部26と段状凹部17との間の隙間で最外周前端の軸方向通路32と最外周の径方向通路34を形成している。最外周前端の軸方向通路32は、前端を大気に開口して外側開口33にしている。外側開口33は、シール回転環21の前面の外周縁に隣接している。また、ラビリンス通路31は、後端をアンギュラ軸受9の外輪と内輪の間の隙間に連通して内側開口にしている。
シール回転環21の前面は、円輪板形状の凹部27を同心状に形成している。凹部27は、断面形状を前広がりの台形状にして、外周面と内周面を円錐面の斜面にしている。外周面の斜面28は、前側に向かって拡大する円錐面にし、外周縁を内周縁より前側に配置している。
回転センタ1の使用中、シール回転環21の前面に付着した冷却水や切り屑は、回転中のシール回転環21に連れて回転する。一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環21の前面の外周縁に向かってシール回転環21の前面、凹部27の底面を流れる。凹部27の底面の流れは、図2と図4に矢印で示すように、凹部の外周面の斜面28を登る。登り終えた流れは、その時の流れの延長方向、外周面の斜面28の延長方向に飛び出す。即ち、シール回転環21から離れる。ラビリンス通路の外側開口33に到達しない。
要するに、外周面の斜面28は、シール回転環21の前面の外周縁から少し内周側に位置し、シール回転環21の回転に基づく遠心力を受けてシール回転環21の前面の外周縁に向かう冷却水や切り屑の流れが登る坂、登り坂を形成している。登り坂28の存在で、回転センタ1の使用中、冷却水や切り屑がラビリンス通路の外側開口33に流入し難くなる。
ラビリンス通路31は、最外周前端の軸方向通路32と最外周の径方向通路34の存在で、折曲点と流路長が増加する。流通し難くなって内側開口に到達し難くなる。内側開口から流出し難くなる。
ラビリンス通路の外側開口33は、前側に向かって拡大していない。前端を外側開口33にする最外周前端の軸方向通路32は、前端の外側開口33を含めて、流路の断面積を均等にしている。外側開口33に冷却水や切り屑が流入し易くない。
[第2例(図5〜図7参照)]
本例のラビリンスシール付き回転センタでは、図5〜図7に示すように、シール回転環21の前面は、第1例におけるのと同様に、外周縁寄りに冷却水や切り屑の登り坂となる円錐面の斜面28を形成している。ところが、第1例におけるのと異なり、内周縁寄りには円錐面の斜面を形成していない。
シール回転環21の前面は、第1例におけるのと同様な登り坂となる円錐面の斜面28の内周側の全面を、平面41にし、登り坂28の外周側の平面より後側に配置している。即ち、シール回転環21の前面は、登り坂28の内周側の平面41を登り坂28の外周側の平面より後側に配置して、2段状に形成している。シール回転環21の前面をその外周縁に向かって流れる冷却水や切り屑から見れば、円錐面の斜面28の内周側の平面41が低地、円錐面の斜面28の外周側の平面が高地ということになる。
回転センタ1の使用中、シール回転環21の前面に付着した冷却水や切り屑は、回転中のシール回転環21に連れて回転する一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環21の前面をその外周縁に向かって流れる。登り坂となる円錐面の斜面28の内周側の平面、低地41の流れは、図5と図7に矢印で示すように、登り坂となる円錐面の斜面28を登る。登り終えた流れは、その時の流れの延長方向、登り坂となる円錐面の斜面28の延長方向に飛び出す。登り坂となる円錐面の斜面28の外周側の平面、高地を流れない。即ち、シール回転環21から離れる。ラビリンス通路の外側開口33に到達しない。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
[第3例(図8と図9参照)]
本例のラビリンスシール付き回転センタでは、図8と図9に示すように、シール回転環21の前面は、第2例におけるのと同様に、外周縁から少し内周側に冷却水や切り屑の登り坂となる円錐面の斜面28を形成している。ところが、第2例におけるのと異なり、登り坂となる円錐面の斜面28の内周側の全面を、冷却水や切り屑が降る円錐面の緩斜面46、緩い下り坂にしている。
回転センタ1の使用中、シール回転環21の前面に付着した冷却水や切り屑は、回転中のシール回転環21に連れて回転する一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環21の前面をその外周縁に向かって流れる。その流れは、図8と図9に矢印で示すように、緩い下り坂となる円錐面の緩斜面46を降り、次に、登り坂となる円錐面の斜面28を登る。登り終えた流れは、その時の流れの延長方向、登り坂となる円錐面の斜面28の延長方向に飛び出す。即ち、シール回転環21から離れる。ラビリンス通路の外側開口33に到達しない。
その他の点は、第2例におけるのと同様である。第2例におけるのと同様な部分には、図中、第2例におけるのと同一の符号を付ける。
[密封効果の比較実験例(図10参照)]
<実験装置>
実験装置は、図10に示すように、改造回転センタ51の前側にシール嵌込筒状体56を介して被験ラビリンスシール57を設置し、被験ラビリンスシール57の前面に水を掛け、被験ラビリンスシール57を通過した水をシール嵌込筒状体56内に貯める構成にしている。
改造回転センタ51は、回転軸52を外周筒状体54内に同心状に配置して径方向と軸方向に軸受けしている。外周筒状体54は、シール嵌込筒状体56を前側に同心状に突出して着脱可能に取り付けている。シール嵌込筒状体56は、透明合成樹脂製にし、内部を観察可能にしている。また、円筒部の前端内に円環部を同心状に固定して構成している。
回転軸52は、外周筒状体53の前側に突出した前側突出部をシール嵌込筒状体56の円環部内に同心状に貫通している。シール嵌込筒状体56の円環部と回転軸52の前側突出部との間に被験ラビリンスシール57を着脱可能に同心状に取り付けている。回転軸52の前側突出部は、被験ラビリンスシール57の前側に突出した前端面に中心孔53を形成している。
旋削工作機は、主軸台61と心押台62との間の上側に冷却水供給管63を配置し、主軸台61に装着したセンタ64を回転する構成にしている。心押台62には、改造回転センタ51を装着している。改造回転センタの回転軸前端面の中心孔53には、センタ64の尖端を差し込んで押し付けている。センタ64を回転すると、改造回転センタの回転軸52が回転し、回転軸52に固定した被験ラビリンスシール57のシール回転環が回転する。被験ラビリンスシール57のシール静止環は、シール嵌込筒状体56を介して改造回転センタの外周筒状体54に固定している。静止している。
<実験方法>
センタ64を設定速度で回転して、被験ラビリンスシール57のシール回転環を回転する。水を冷却水供給管63から被験ラビリンスシール57の前面に設定流量で噴き付ける。設定時間経過後、冷却水供給管63の給水とセンタ64の回転を停止する。シール嵌込筒状体56内に流入した水の量を測定する。その水量が被験ラビリンスシール57の通過水量になる。通過水量が少ないと、被験ラビリンスシール57の密封効果が高い、と判定する。
センタ64の回転速度〈rpm〉は、2000、1800、1000、500、200、100、又は、0に設定する。冷却水供給管63の流量は、一定量に設定する。給水時間は、1分に設定する。
<実験結果>
図11〜図13に示した従来例のラビリンスシール71では、センタ64の回転速度〈rpm〉が2000、1800の各場合に、シール嵌込筒状体56内に流入した通過水が少量であった。1000、500、200、100、0の各場合に、通過水が多量になった。シール嵌込筒状体56内の通過水は、水位がラビリンスシール71のラビリンス通路の内側開口位置に近くなった。
図1〜図4に示した第1例のラビリンスシール11では、センタ64の回転速度〈rpm〉が2000〜0の各場合に、通過水が零か微小量であった。
第1例のラビリンスシール11は、従来例71に比較して密封効果が高い。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、外周筒状体6の前部、軸受嵌込部7とセンタ軸1との間に取り付けた軸受は、アンギュラ軸受9とスラスト軸受8にしているが、アンギュラ軸受のみにする。又は、ラジアル軸受とスラスト軸受にする。
2.上記の実施形態において、外周筒状体6の前部、軸受嵌込部7とセンタ軸1との間に取り付けた軸受は、玉軸受8、9にしているが、ころ軸受にする。又は、玉軸受ところ軸受にする。
3.上記の実施形態において、センタ軸の尖端部2は、図1に示すような形状にしているが、その他の形状にする。
4.上記の実施形態において、回転センタは、単独型にしているが、センタ回転式心押台の心押軸に内蔵している内蔵型の回転センタにする。又は、その内蔵型回転センタを心押軸に着脱可能にした着脱式の内蔵型回転センタにする。
実施形態(図1〜図9)
1 センタ軸
2 尖端部
6 外周筒状体
7 軸受嵌込部
8 玉軸受、スラスト軸受
9 玉軸受、アンギュラ軸受
10 ころ軸受、ラジアル軸受
11 アキシアルラビリンスシール、ラビリンスシール
12 シール静止環
13 周溝部
14 後側輪板部
15 外周壁部
16 内周壁部
17 段状凹部
21 シール回転環
22 周溝部
23 前側輪板部
24 外周壁部
25 内周壁部
26 鐶部
27 凹部
28 外周面の斜面、円錐面の斜面、登り坂
31 ラビリンス通路
32 最外周前端の軸方向通路
33 外側開口
34 最外周の径方向通路
41 登り坂の内周側の平面、低地
46 登り坂の内周側の円錐面の緩斜面、緩い下り坂
実験装置(図10)
51 改造回転センタ
52 回転軸
53 中心孔
54 外周筒状体
56 シール嵌込筒状体
57 被験ラビリンスシール
61 主軸台
62 心押台
63 冷却水供給管
64 センタ
従来例(図11〜図13)
71 アキシアルラビリンスシール、ラビリンスシール
72 シール静止環
73 周溝部
75 外周壁部
76 内周壁部
81 シール回転環
82 周溝部
84 外周壁部
85 内周壁部
91 ラビリンス通路
92 最外周の軸方向通路
93 外側開口

Claims (5)

  1. センタ軸は、外周筒状体内に同心状に軸受けし、尖端部を外周筒状体の前側に突出し、外周筒状体の前端との間にラビリンスシールを嵌め込んで取り付けている回転センタにおいて、
    ラビリンスシールは、シール静止環を外周筒状体の前端に嵌め込んで固定し、シール回転環をセンタ軸に嵌合して固定し、シール回転環とシール静止環を前後に配置し、
    シール回転環は、周溝部を後向きに開口し、周溝部の外周側を外周壁部に、周溝部の内周側を内周壁部にし、
    シール静止環は、周溝部を前向きに開口し、周溝部の外周側を外周壁部に、周溝部の内周側を内周壁部にし、
    シール回転環の周溝部には隙間を設けてシール静止環の内周壁部を挿入し、シール静止環の周溝部には隙間を設けてシール回転環の外周壁部を挿入し、それらの隙間で、軸方向通路と径方向通路を交互に接続して複数回折れ曲がるラビリンス通路を形成し、
    ラビリンス通路は、前端を大気に開口して外側開口にし、後端を外周筒状体内の軸受の隙間に連通して内側開口にし、外側開口をシール回転環の前面の外周縁に隣接しており、
    回転センタの使用中、シール回転環の前面に付着した冷却水や切り屑が、回転中のシール回転環に連れて回転する一方、その回転による遠心力を受けてシール回転環の前面の外周縁に向かって流れるラビリンスシールであって、
    シール回転環の前面は、遠心力を受けて外周縁に向かう冷却水や切り屑の流れが登る登り坂を形成し、登り坂を登り終えた冷却水や切り屑の流れがシール回転環から離れる構成にしていることを特徴とする回転センタのラビリンスシール。
  2. 登り坂は、シール回転環の前面に同心状に形成した円錐面の斜面にし、
    円錐面の斜面は、前側に向かって拡大し、外周縁を内周縁より前側に配置していることを特徴とする請求項1に記載の回転センタのラビリンスシール。
  3. シール回転環は外周壁部の外周面の前端部に鐶部を同心状に突出し、シール静止環は外周壁部の内周面の前端部に段状凹部を同心状に形成し、
    鐶部は段状凹部に隙間を設けて挿入し、その隙間で最外周前端の軸方向通路と最外周の径方向通路を形成し、
    最外周前端の軸方向通路は、前端をラビリンス通路の外側開口にしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転センタのラビリンスシール。
  4. ラビリンス通路の外側開口は、開口方向に向かって拡大していないことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の回転センタのラビリンスシール。
  5. 前端を外側開口にする軸方向通路は、前端の外側開口を含めて、流路の断面積を均等にしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転センタのラビリンスシール。
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